カードストーリー /リョウ・サカザキ

Last-modified: Fri, 15 Jan 2021 00:22:16 JST (1199d)
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覚悟の眼差し Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(ふう……あとはフライパンを洗わなくちゃ。)
リョウ・サカザキ〇、忙しいところ悪いが、ちょっといいか?
〇×え? はい。大丈夫ですけど、どうしたんですか?
リョウ・サカザキいや、ちょっと頼みがあるんだが……。
〇×頼み?
……あ、もしかして、おなか減ってきちゃいました?
〇×今、何か出しますね。残り物でもよければ
すぐ用意できるので、ちょっと待っててください。
リョウ・サカザキい、いや、そうじゃないんだ。腹は減ってない。
〇×それじゃあ……もしかして、
トレーニングでどこかケガしちゃったとかですか?
リョウ・サカザキいや、違う。どこもケガはしていない。
気を遣ってもらって悪いな。
〇×いえ、私は構いませんけど……。
何かお困りごとですか?
リョウ・サカザキいや、まあ『困ってる』と言えば、
そうなのかもしれないんだが……。
〇×(リョウさんどうしたんだろう?
なんだか、ちょっと話しづらそうな感じだな……。)
〇×ごめんなさい。まだ洗い物が残ってて……。
洗いながらでよければ、ゆっくりお話聞きますね。
リョウ・サカザキああ、仕事中だっていうのに、手間を取らせてすまない。
〇×いいえ、そんな事は……。
それに私、リョウさんとお話しするの好きですから。
リョウ・サカザキそうなのか? 俺はあまり喋る方じゃないってのに。
〇×確かにリョウさんは口数が多い方ではないですけど、
私の知らないことを知っていて、話してて楽しいです。
リョウ・サカザキ本当か? はは、なんだか照れるな……。
〇×(あ、笑ってくれた。
少し、話しを切り出しやすい雰囲気になったかなあ……。)
リョウ・サカザキええと、〇に頼みってのはだな……。
仕事が一段落したら、俺の部屋に来てほしいんだ。
〇×え? リョウさんのお部屋に?
ええ、伺えますけど、どうかしたんですか――?
〇×――あ、あれ? リョウさん?
〇×(……洗い物してて、いなくなったの気付かなかった。)
〇×(部屋に来てほしい事情は分からないけど、
洗い物が終わったら、行ってみよう。)
〇×リョウさん、私です。入ってもいいですか?
リョウ・サカザキ〇、わざわざ来てもらって悪かったな。
入ってくれ。
〇×はい。おじゃまします。
〇×(部屋の中、リョウさんらしい雰囲気だなあ……。)
リョウ・サカザキそこに座ってくれ。楽にしてくれていいからな。
〇×はい。失礼します。
リョウ・サカザキ今、お茶を入れるから待っていてくれ。
〇×い、いえそんな、お気遣いなく……!
〇×あ、あの、
どうして私をリョウさんの部屋に呼んだんですか……?
リョウ・サカザキああ……少し話しにくくてな。
部屋でなら、落ち着いて話せると思ったんだ。
リョウ・サカザキ〇は、仕事中だったってのに、
呼び出してしまって、本当にすまない。
〇×謝らないでください。
私はちゃんと聞きますから、焦らず話してくださいね。
リョウ・サカザキありがとう。そう言ってもらえて助かる。
〇×いえ、こちらこそ、リョウさんにはお世話になってますから。
お話を聞くくらい、なんてことないです。
〇×(どんな話かは分からないけど、もし何か悩みとかなら、
力になってあげたいもんね。)
リョウ・サカザキありがとう。……じゃあ、話をさせてもらう。
〇×はい。どうぞ、なんでも話してください。
リョウ・サカザキその、実はだな。
〇に……つ、つ――
リョウ・サカザキ――つ、つき……。
リョウ・サカザキその……。
リョウ・サカザキ……付き合ってくれないか?
〇×え?
つ、付き合う……!?
リョウ・サカザキああ。
〇に、付き合ってほしいんだ。

 
2話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキすまないな、〇。妹の誕生日プレゼント選びに
付き合ってもらって。
〇×いえ、リョウさんのお手伝いなら、
喜んでお付き合いしますよ。
〇×(リョウさんが言ってた『付き合ってほしい』って、
『買い物に付き合ってほしい』って意味だったんだな。)
〇×(……一瞬、別の意味かと思ってびっくりしちゃったのは、
内緒にしておこう。)
リョウ・サカザキ俺は、女性向けの店がどこにあるかわからないし、
〇が頼みを聞いてくれて助かったよ。
〇×私でお力になれて、よかったです。
〇×あの、どうしてさっきは買い物に付き合ってほしいこと、
なかなか言ってくれなかったんですか?
リョウ・サカザキあー……あれはだな、色々考えすぎてしまったんだ。
リョウ・サカザキ俺が具体的に店を探して〇に頼むのがいいかとか、
〇は店に詳しいだろうし、聞いた方がいいか、とかな。
リョウ・サカザキそれに、俺みたいな男がこういう店で、
可愛らしいものを買うのは似合わないと思ってな……。
リョウ・サカザキ言い出すのが恥ずかしくて、
なかなか〇に、話を切り出せなかったんだ。
〇×そうだったんですか、それであんなに言いにくそうに
されてたんですね。
〇×でも、妹さんへのプレゼントを
探したいなんて……リョウさんは優しいお兄さんなんですね。
リョウ・サカザキ『優しいお兄さん』? そりゃあ、妹の喜んだ顔を見たいが、
そう言われるとなんだか照れるな。
リョウ・サカザキさて、それじゃあどれにするか選ぶか。
……しかし、これだけ品物があると悩んでしまうな。
〇×そうですねえ……。
そうだ、リョウさんの妹さんはどんなものが好きなんですか?
リョウ・サカザキうーん……そうだな。
……こんなのだろうか? ……いや、それともこれとか。
〇×(キャラクターのキーホルダーにプラスチックのイヤリング。
……妹さん、まだ小さい子なんだろうな。)
〇×妹さんとリョウさん、随分と歳が離れてるんですね。
リョウ・サカザキいや、それほど離れてはいないが、なんでだ?
〇×ずいぶん可愛らしい雑貨を選んでらっしゃるので、
そうなのかなって思って。
リョウ・サカザキいや、妹くらいの歳だとこういうのが好きかと思ってな。
でも、俺が贈ったものにはいつも文句を言われるんだよなあ。
リョウ・サカザキ……もしかして、俺の選ぶものが悪いから、
毎年誕生日プレゼントを贈るたびに、文句を言われるのか?
リョウ・サカザキそうだとすると、妹には悪いことをしてたかもな……。

 

気にしないほうがいいですよ
〇×贈ったものと相手の好みが合わないなんて、よくありますよ。
今までのことは、あまり気にしないほうがいいですよ。
リョウ・サカザキああ……そうだな。
今更どうこう言ったってしょうがないことだな……。

 

毎年プレゼントをあげてるんですね
〇×そうだったとしても、毎年誕生日にプレゼントを
贈るお兄さんだなんて、素敵じゃないですか!
リョウ・サカザキありがとう。
そう言ってもらえると救われるな。

 

リョウ・サカザキ……そうだ。〇がもらうとしたらどんなものがいい?
女性の意見を聞かせてくれないか。
〇×私が欲しいものですか? そうですねえ……。
……あ、このネックレス素敵ですね。こっちの髪飾りも。
リョウ・サカザキなるほど、女性はそういった見た目のものが好きなのか。
〇×そうですね。私だったらこういったデザインのものを、
贈ってもらえたら嬉しいです。
リョウ・サカザキそうなのか。……うーむ。よくわからないが、
確かに〇に、似合いそうな気はするぞ。
〇×本当ですか? ありがとうございます。
〇×(そういえば、こんなふうに小物を眺めるの久しぶりだな。
しかも今日はリョウさんと一緒だし、なんだか楽しい。)
〇×……あ、これ、すごい素敵!
リョウ・サカザキん? どれだ?
〇×このキーホルダーです。
私だったら、こんなプレゼントを贈られたいです。
〇×(このキーホルダー、すごく好きな感じ。
道場の鍵につけたら可愛いだろうなあ……。)
リョウ・サカザキ……〇、それが欲しいのか?
〇×え? あ、いえ、ごめんなさい。
自分の好きなものに夢中になっちゃって!
〇×さ、妹さんへのプレゼント選びの続きをしましょう。
リョウ・サカザキあ……ああ、そうだな。
リョウ・サカザキ…………。
〇×(あれ? リョウさんどうしたんだろう。
プレゼント、どれを買うか悩んでるのかな?)

 

3話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキ〇、今日は買い物に付き合ってくれてありがとう。
おかげで、妹の誕生日プレゼントが買えたよ。
〇×いえ、お手伝いができたなら良かったです。
妹さん、喜んでくれるといいですね。
リョウ・サカザキそうだな。今年は〇も一緒に選んでくれたし、
少なくとも、文句は言われずに済むだろう。
リョウ・サカザキえーと、あとはだな……、
〇に、今日のお礼をしたいんだが……。
〇×お礼、ですか?
リョウ・サカザキ今日、買い物に付き合ってくれただろう。
そのお礼をさせてほしいんだ。
〇×いえ、気にしないでください。
私、今日すごく楽しかったんですから。
リョウ・サカザキいいや、それでは俺の気が済まない。
頼む。礼をさせてくれ。
〇×……わかりました。
ありがとうございます。
リョウ・サカザキ良かった!
よし、それじゃあ行ってくる!
〇×え? 行ってくるって……?
ちょ、ちょっとリョウさん!?
〇×ま、待ってください!
どこに行くんですか!?
〇×はあ……はあ……。リョ、リョウさんはどこ……。
〇×(あれ? リョウさんを追いかけて着いたここって……。
さっき妹さんへのプレゼントを買ったお店だ。)
リョウ・サカザキあ、〇!? 追いかけてきてくれたのか?
リョウ・サカザキすまん、〇を置いて行ってしまって。
けっこう走っただろう。大丈夫か?

 

びっくりしました
〇×ちょっとびっくりしましたけど大丈夫です。
それより、リョウさんを見失わなくて良かった……。
リョウ・サカザキいや、俺が悪かった。早く礼を渡したいと思ったら、
『待っててくれ』と言う前に、つい身体が動いてしまった。

 

疲れちゃいました
〇×……はあ……はあ……だ、大丈夫です。
で、でもちょっと、疲れちゃいました……。
リョウ・サカザキ無理をさせてしまって、本当にすまない……!
早く礼を渡したいと思ったら、走り出してしまった……。

 

〇×……もしかして、私に何かお礼をしてくださるために、
このお店に走って来たんですか?
リョウ・サカザキああ。〇が喜ぶものを渡したいと思ってな。
……これ、なんだが――

 
覚悟の眼差し
 

〇×え? ……そのキーホルダーって――?
〇×(私が『こんなプレゼントを贈られたい』って
言ったやつ……だおね?)
リョウ・サカザキさっき、これを〇が、
随分気に入っていたように見えたんだが……。
リョウ・サカザキ俺は、女性の気持ちに鈍感だからな。
間違っていたらすまん。
〇×間違ってないです。これ、素敵だなって思ってました。
ありがとうございます。すごく嬉しいです……!
リョウ・サカザキそ、そうか、良かった……!
リョウ・サカザキ……はあ。妹以外の女性に、プレゼントを贈ることなど、
あまり経験していないから、ものすごく緊張したぞ。
〇×緊張するほど真剣に、私に何を贈るか考えてくれたんですね。
リョウ・サカザキああ、買い物にい付き合ってくれた礼なんだ、当然だ。
それに、絶対に〇が喜ぶものを、贈りたかったからな。
〇×(そんなふうに思ってもらえるなんて、嬉しいな。)
リョウ・サカザキ……〇に喜んでもらえてほっとしたせいか、
どうも腹が減ってきたな。
〇×それじゃあ、どこかにお茶をしに行きましょうか?
リョウ・サカザキそうだな! それはいい考えだ。
〇×じゃあ、どこかお店に入りましょう。
うーん、このあたりだと、そうですねえ……。
リョウ・サカザキ待ってくれ、今日は〇に、妹へのプレゼントを買う店を
考えてもらったからな。
茶をする店は俺が考えよう。
〇×ふふっ……、それじゃあお願いします。
リョウ・サカザキよし、どこにするか……。
あれだな、やはりたくさん食べられる店がいいだろうか?
リョウ・サカザキ……あ、いや、腹が減ってるからつい。
〇は、料理の量が多いかは、気にならないよな。
リョウ・サカザキ俺は、女性が好きそうなしゃれた店は知らないからなあ。
……ううむ。選ぶと言っておいて、すまん。
〇×でも、私はリョウさんが選んでくれたお店に行きたいですよ?
私と行きたいところを選んでくれるのが、嬉しいんです。
リョウ・サカザキそうか、ありがとう。
それじゃあ、歩きながらどこに入るか考えるかな。
〇×はい。そうしましょう!

今宵だけは踊らせて Edit

1話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキ皆それぞれ、
会場内の見回りに行ったようだな。
リョウ・サカザキそれじゃあ、俺達も行くとするか。
〇×(主人公)あ、リョウさん、待ってください。
リョウ・サカザキどうした?
〇×あの……一応恋人のふりをするんですから
せめて横に並んで歩きませんか?
リョウ・サカザキああ、すまん。そうだったな。
リョウ・サカザキじゃあ、俺の傍から離れるなよ。
〇×はい、わかりました。
リョウ・サカザキそれにしても、すごい人だな。
〇×人気の俳優さんですしね。
でも、これだけ人脈があるのはすごいです。
リョウ・サカザキこんなパーティーのどこが面白いんだか。
息苦しい格好をしてまで、参加したいとは思わんな。
〇×(リョウさんはいつも道着だから
パーティー用のスーツは慣れないだろうな。)
〇×(でも、いつもの格好も素敵だけれど
正装したリョウさんも……。)
リョウ・サカザキおい、怪しい奴はいそうか?
〇×いえ、まだ……あっ!
リョウ・サカザキおいおい、大丈夫か?
〇×すみません、ちょっとヒールがぐらついてしまって。
リョウ・サカザキあんたのその格好も動きづらそうだな。
〇×そうですね。
やっぱり、こういった服は慣れないです。
リョウ・サカザキまあ、犯人と何かあったとしても
俺が隣にいるから安心しろ。
〇×は、はい。
ありがとうございます。
〇×(リョウさん……慣れない格好で犯人を
探さなきゃいけない上に、私の心配まで……。)
〇×(犯人を見つけ出す前に
疲れきってしまいそう……。)
〇×(あ、あそこにソファがある。
そうだ……。)
〇×あの、リョウさん……。

 

少し休憩しませんか?
〇×少し休憩しませんか?
リョウ・サカザキどうした、もう疲れたのか?

 

あそこのソファで休みませんか?
〇×あそこのソファで休みませんか?
リョウ・サカザキどうした。
まだ怪しい奴も見つけていないぞ?

 

ちょっと疲れてしまって……
〇×ちょっと、疲れてしまって……。
リョウ・サカザキ大丈夫か? 無理はするな。

 

〇×この人混みに酔ってしまったみたいで……。
少しだけソファに座ってもいいですか?
リョウ・サカザキああ、それなら少し休憩しよう。
〇×ありがとうございます。
〇×(良かった。リョウさんは真面目だから
こうでも言わないと休んでくれないよね。)
〇×ここに座りましょうか。
リョウ・サカザキああ、そうだな。
ついでに俺も一息つかせてもらうか。
リョウ・サカザキふう……。
こういったスーツはやはり慣れないな。
リョウ・サカザキネクタイも鬱陶しい上に、上着も暑苦しい。
まったく、動きづらくてかなわん。
〇×(あっ……今のタイを緩める仕草って、何だか……。)
〇×(やっぱり今日のリョウさんは
いつもと違うかっこよさがあるなあ。)
リョウ・サカザキどうした?
俺の顔に何かついてるのか?
〇×あ、いえ!
なんでもないです!
リョウ・サカザキそうか?
じっと見られていたような気がしたが。
リョウ・サカザキおかしなところがあるのなら、遠慮なく教えてくれ。
〇×変なところなんてないですよ。
スーツも、良く似合っています。
リョウ・サカザキそうか? それならいいんだが。
この服もロバートの奴に無理やり着せられてな。
〇×(リョウさんに見惚れていましたなんて
恥ずかしくて言えない……。)
〇×そうだ。私、飲み物を取ってきますね。
何か飲みたいものありますか?
リョウ・サカザキおい、俺から離れるな。
どんな奴が潜んでいるのか分からないんだぞ。
〇×少しくらいなら大丈夫ですよ。
それにテリーさんたちも近くにいますし。
リョウ・サカザキ今は俺があんたをエスコートしているんだ。
俺が守らなくてどうする。
リョウ・サカザキあんたには俺がいるのに
他の男に守らせるわけにはいかない。
〇×で、でも……。
リョウ・サカザキ恋人なんだから、あんたは俺が必ず守る!
〇×……!
リョウ・サカザキ俺と恋人同士だという自覚をちゃんと持て。
それから……って何で顔を赤くしてるんだ?
〇×そ、それは、リョウさんが
恋人とか言うから……。
リョウ・サカザキなっ! 恋人と言っても
そういう役割の話だからな……!
〇×は、はい……。
分かってはいるんですけど……。
リョウ・サカザキまったく……。
リョウ・サカザキ飲み物は俺が取りに行ってやる。
あんたはもう少しここで休んでろ。
〇×は、はい。ありがとうございます。
〇×(潜入捜査のためだって、わかってはいるけど
あんな風に言われたらドキドキしちゃうなあ。)

 
2話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキさて、そろそろ行くか。
〇×(主人公)はい。
リョウ・サカザキところで……さっきの話ではないが
俺達はちゃんと恋人同士に見えているだろうか?
リョウ・サカザキエスコートと言ってもあまり経験がなくてな。
どうすればいいのか、いまいちわからん。
リョウ・サカザキしかし、恋人同士ではないとばれて
犯人から怪しまれるわけにはいかんしな……。
〇×たしかに、私たちのことを犯人に気づかれたら
計画が台無しになってしまうかもしれませんね。
リョウ・サカザキああ、だから失敗するわけにはいかない。
リョウ・サカザキ〇、俺はちゃんと
あんたのパートナーとして振る舞えているか?
〇×そ、そうですね……。
私もこういった経験はあまりなくて……。
〇×あ、手を繋いだらそれっぽく見えませんかね。
リョウ・サカザキなるほど、いい考えだ。
ん……? だがそれだとグラスが持てなくないか?
リョウ・サカザキそれに指が絡まっていては
何かあった時にすぐに動けんかもしれん。
〇×確かに……。
すみません。手を繋ぐのは、なしですね。
リョウ・サカザキ残念だが、そのようだ。
〇×(え、それって……?)

 

残念って、どういう意味ですか?
〇×残念って、どういう意味ですか?
リョウ・サカザキそ、それは……! こ、恋人らしい
振る舞いが分からず残念だと言う意味だ!
〇×あ、そ、そうですよね。

 

やっぱり、手を繋ぎますか?
〇×やっぱり、手を繋ぎますか?
リョウ・サカザキい、いや、必要ない。
他の方法を考えよう。
〇×そうですね。

 

私もです
〇×私もです。
リョウ・サカザキえっ……?
〇×(あ、つい本音が……。)
〇×な、なんでもないです。
リョウ・サカザキそ、そうか……?

 

〇×えっと、それじゃあ
どうしましょうか……。
〇×このまま並んで歩くだけでも
私は大丈夫だとは思いますが……。
ロバート・ガルシアなんや、なんや、ふたりとも!
それじゃあ付き合いたての小学生やないかい。
リョウ・サカザキむ……。
〇×あ、ロバートさん。
ロバート・ガルシアったく、さっきから黙って見とったら
ふたりとも、全然なっとらんわ。
リョウ・サカザキ俺のエスコートに何か問題でもあるのか?
ロバート・ガルシア大ありや! もっと恋人らしくせな、
演技やってバレてまうで?
リョウ・サカザキ恋人らしくしろと言われてもな……。
漠然としすぎて、俺にはさっぱりわからん。
ロバート・ガルシア安心せい! 約束通りこのロバート様が
ちゃんとサポートしたるわ。
ロバート・ガルシアそうやな、まずは腕を組んでみよか!
〇×えっと……こうですか?
リョウ・サカザキなるほど、これならグラスも持てそうだ。
ロバート・ガルシアうーん。なんかちゃうなあ。
きこちないと言うか……。
ロバート・ガルシアもっとこう、仲のいい恋人らしくやな~。
〇×え、これでもまだダメなんですか?
リョウ・サカザキこれ以上どうしろと言うんだ。
ロバート・ガルシアちゃうねん、それだけじゃ何か足りんのや。
恋のトキメキっちゅーか、なんちゅーか……。
リョウ・サカザキ……?
〇×(どうすればリョウさんと
恋人同士に見えるんだろう?)
アンディ・ボガードロバート、少しいいかい?
ロバート・ガルシアああ、わかった。
すまんな、ちょっと行ってくるわ。
ロバート・ガルシアとりあえず、もうちょっと密着しい!
そうすれば少しはらしく見えるはずや!
〇×(って、そんな――!?)
リョウ・サカザキ密着……。
〇×ど、どうしましょうか……。
リョウ・サカザキとりあえずそれしか方法がないのなら
お互いに体を近づけるしかあるまい。
リョウ・サカザキ〇、とりあえずもう少しくっついてみてくれ。
〇、はい……。それじゃあ、失礼します。
リョウ・サカザキ……。
〇×(わっ……。)
〇×(さっきよりもリョウさんとの距離が縮まって
何だか恥ずかしい……。)
〇×(でも、本物の恋人同士ならこのくらい普通なんだろうな。)
〇×ど、どうでしょうか?
リョウ・サカザキああ。少々歩きにくいが
これも捜査のためなら仕方ない。
〇×よかった。じゃあ、このまま捜査を続けましょうか。
リョウ・サカザキそうだな。
テリー・ボガードお、ふたりともいい感じじゃないか。
本物の恋人同士みたいだぞ。
〇×テ、テリーさん!
テリー・ボガードリョウもしっかり×をエスコート
できているみたいだな。
リョウ・サカザキ当たり前だ。
やるからには中途半端にはできんからな。
テリー・ボガードははは、その調子で頼むぜ!
〇×(よかった、ちゃんと他の人にも
恋人同士に見えてるみたいで。)
〇×(そう思うと少し照れちゃうなあ。でも……。)
〇×テリーさんからもお墨付きをいただきましたし
これで怪しまれることもなさそうですね。
リョウ・サカザキそうだな。これでようやく本腰を入れられる。
リョウ・サカザキそれじゃあ行くぞ。
早く犯人を見つけよう。
〇×はい!

 

3話

+  ネタバレ注意
〇×(テリーさんの活躍もあって、
事件は無事に解決できた。)
〇×みなさん、本当にお疲れさまでした。
ナギさすぺんすどらまみたいで僕は楽しかったよ。
ビリー・カーンまったく、一時はどうなることかと思ったぜ。
テリー・ボガードビリーの助言のおかげで助かった。俺ひとりじゃあ、
パーティー会場がぶっ飛んでいたかもな。
アンディ・ボガードもう、兄さん。冗談でもそんなこと……。
ロバート・ガルシアまあまあ、せっかく事件も解決したんや!
パーッと盛り上がろうやないか!
〇×(みなさんが無事で本当に良かった。
もうこんな事件なければいいけど……。)
〇×(そうだ。リョウさんにエスコートしてもらった
お礼を言わなくっちゃ。)
〇×(って、あれ?
リョウさん、どこに行ったんだろう?)
〇×(ソファで休んでるのかもしれない。
ちょっと見て来よう。)
〇×……。
〇×(ソファのところにはいなかったな。
リョウさん、一体どこに行ったんだろう?)
〇×(この人混みの中を動き回っても
探し出せるかわからないなあ。)
〇×……。
〇×(もしかしたら、みんなのところにいるのかもしれない。
さっきの場所に戻ってみよう。)
〇×(え、みんな踊り始めて……?)
〇×(わあ! すごくキレイにステップ踏んでるなあ。
まるで映画のワンシーンみたい。)
〇×(……今あちこち移動したら、踊っている人の
邪魔になっちゃうよね。)
〇×(みんなのところに戻るのも難しそう。
仕方ない、終わるまでここで――)
パーティー客の男性お嬢さん、踊っていただけますか?
〇×え!? わ、私ですか?
パーティー客の男性はい。おひとりなら一曲いかがですか?
〇×ご、ごめんなさい。人を探しているので……。
〇×(……びっくりした。)
〇×(こんな場所で踊るなんて、ほとんど経験ないし
その上知らない人となんて……。)
〇×(それに、どうせ踊るなら……。)
???お嬢さん、おひとりですか?
〇×すみません、人を探して――って、え!?
〇×リョ、リョウさん?
リョウ・サカザキ悪い、驚かせたようだな。
ロバートに言われた通りに声をかけたんだが……。
〇×ち、違うんです。
ちょうどリョウさんを探していて、それで……。
リョウ・サカザキ俺を? 何か用でもあったのか?
〇×今日エスコートをしてもらった
お礼を伝えたかったんです。
〇×……改めて、今日はありがとうございました。
リョウ・サカザキそれなら、俺も礼を言わないとな。
あんたが協力してくれたおかげで犯人の目星もついた。
リョウ・サカザキうまくエスコートできなかったかもしれんが
俺も、いい経験をさせてもらったよ。
〇×私こそ、貴重な経験をさせていただきました。
リョウ・サカザキそれにしても、自分がこんなパーティーに
参加する日が来るとは驚きだ。
〇×私もこんなきらびやかなパーティーに
自分がいるなんて、まだ不思議な気分です。
〇×踊ることはできませんが
まるで、シンデレラの舞踏会にいるような気持ちです。
リョウ・サカザキああ……。
俺も踊ったことなどはないが……。
〇×……?
リョウ・サカザキこんな機会、もう二度とないかもしれないな……。
だから――
リョウ・サカザキ〇、一緒に踊ってくれないか?
〇×えっ……!?
リョウ・サカザキ……やはり俺の性に合わないな。
リョウ・サカザキロバートにあんたを誘ってみろと言われたんだが
……やはり、やめておくか。
リョウ・サカザキすまん、今のは忘れてくれ。
〇×ま、待ってください。
〇×あの……私もあまり上手ではないですが
リョウさんさえよければ、一緒に踊ってください。
リョウ・サカザキ……!
いいのか?
〇×もちろんです。
リョウ・サカザキそれなら、早速あっちで踊るか。
リョウ・サカザキそうだ。ロバートにまずはこれを言えと
言われていたな。

 
宵だけは踊らせて
 

リョウ・サカザキコホン……。
……お手をどうぞ、お嬢さん。
〇×(リョウさん、少し震えてる……。)
〇×(こんなに緊張してるのに私をダンスに
誘ってくれたんだ……うれしいな。)
〇×ふふ、はい!
リョウ・サカザキ……しかし、どのように踊ればいいのか
さっぱりわからんな。
〇×周りで踊っている人たちの踊りを
参考にしてみましょうか。
リョウ・サカザキふむ……。まずはこうやって
俺があんたの腰を支えればいいのか?
〇×は、はい……。
それで大丈夫だと思います。
〇×(さっきエスコートしてもらった時よりも
距離が近くて……なんだか照れちゃうなあ。)
リョウ・サカザキこのまま足をリズムに合わせて動かすようだな。
……さて、あんたも準備はいいか?
〇×あ、はい……きゃっ!
リョウ・サカザキ……っと!
大丈夫か?
〇×は、はい。ありがとうございます。
リョウ・サカザキまったく、気を付け……うわっ!
〇×きゃっ!?
〇×(あ……リョウさんの顔が近づいて……。)
リョウ・サカザキす、すまん!
〇×い、いえ! こちらこそ……。
リョウ・サカザキはは、やはり性に合わないな。
〇×私もダンスがこんなに難しいとは
思っていませんでした。
〇×そう考えると、すぐに踊れたシンデレラって
実はすごいのかもしれませんね。
リョウ・サカザキそうだな。それに、一目でシンデレラを
誘えた王子の行動力も流石のものだ。
リョウ・サカザキ……せっかくの舞踏会だが、
俺は王子って柄じゃない。
リョウ・サカザキだが、今夜だけは……。
〇×リョウさん……?
リョウ・サカザキ俺たちは、俺たちのペースで踊ることにしよう。
〇×……!
はい。私も、そうしたいです。
リョウ・サカザキどうせ踊るんだ。ちまちまステップを踏むよりも
もっと大きく動いた方が鍛錬にもなりそうだな。
〇×わわっ、でもそれじゃあ
私がついていけませんよ!
リョウ・サカザキ安心しろ、俺がきっちり支えておいてやる。
だから、〇も俺に身を任せてくれ。
〇×は、はい……!
〇×(ふたりとも不慣れなステップだし
作法もきっとメチャクチャなんだろうけど――)
〇×(こんな風にリョウさんと踊っていると
本当にシンデレラになったような気分だな……。)

家族のような存在 Edit

1話

+  ネタバレ注意
『極限焼肉渋谷1号店』リニューアルオープンから
数日後のこと――
〇×(主人公)(お店の様子はどうかな。
時間があるから、少し見に行ってみよう。)
〇×こんにちは。
店員Aあっ、×姉さん! お疲れ様っす!
〇×リョウさんはいますか?
店員Aはい! リョウ兄さんなら、事務室にいるっす!
〇×ありがとうございます。
〇×(ふふ。店員さんたち、以前はあんなに不良っぽかったのに
すっかり礼儀正しくなったな。)
〇×(しかも『リョウ兄さん』だなんて、とても懐いてるみたい。
私まで『姉さん』て呼ばれるのはちょっと恥ずかしいけど……。)
〇×(……あれ? 事務室のドア、少し開いてるみたい。
これ……リョウさんと店員さんの声?)
リョウ・サカザキだから、何度も言ってるだろう。この店はお前たちに任せて、
俺は修行に戻る。
リョウ・サカザキあくまでも俺は格闘家だ。焼肉屋になるつもりはない。
店員B待ってください、リョウ兄さん! オレたち、
リョウ兄さんがいないとダメなんです!
リョウ・サカザキそんなことはない。ここ数日、お前たちの働きを見てきたが
俺がいなくても立派に店を切り盛りできる。
リョウ・サカザキだいたいお前達だって、リニューアルオープンの日に
『あとは自分たちに任せろ』と言っただろう?
店員Bそれはそうなんすけど……。
〇×(なるほど。もしかして店員さんたちは……。)
〇×失礼します。
リョウ・サカザキおお、〇か。どうした?
〇×少し時間があったので、お店の様子を見に来ました。
それで、今のお話が聞こえてしまって。
〇×立ち聞きするつもりじゃなかったんですけど……すみません。
リョウ・サカザキいや、構わん。
聞かれて困るような話ではないからな。

 

自分の考えを伝える
〇×あの……私の考えをお伝えしてもいいですか?
差し出がましいようで申し訳ないんですけど……。
リョウ・サカザキ差し出がましいなどということがあるものか。
お前は常に俺たちのことを考え、広い視野で物事を見ている。
リョウ・サカザキぜひ、お前の考えを聞かせてくれ。
〇×そんな、褒めすぎですよ。
リョウ・サカザキ俺の本心だ。
〇×リョウさん……。
ありがとうございます。それじゃあ、ええと……。

 

黙って見守る
〇×(私が口を挟むようなことじゃないよね。)
リョウ・サカザキ……どうした、〇。
何か言いたいことがありそうだな。
リョウ・サカザキ思うところがあるなら、聞かせてくれ。
〇×はい。それじゃあ……。

 

〇×リョウさんはこのところずっと、
先頭に立ってお店を仕切ってきましたよね。
〇×そうするうちに、店員さんたちにとってリョウさんは
本当のお兄さんのような存在になったんじゃないでしょうか。
〇×みなさんが『リョウ兄さん』って呼んでるのは、単なる愛称以上に
そういう気持ちの表れじゃないかと思うんです。
〇×ですから、そんな精神的支柱であるリョウさんがいなくなるのは
不安も大きいんじゃないかなって。
店員Bはい……その通りっす。
リョウ・サカザキお前ら……。

 
2話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキそこまで俺を慕ってもらえるのはありがたいが……。
リョウ・サカザキ…………。
リョウ・サカザキ……わかった。
これからもしばらくの間、店に籍を置くことにする。
店員Bほんとっすか!
リョウ・サカザキただし、お前たちが自分たちだけでやっていけるよう、指導する。
俺に甘えず、自立できるよう努力しろ。それが条件だ。
店員Bはい! 他のヤツらもきっと喜ぶっす!
オレ、みんなに伝えてきます!
リョウ・サカザキまったく……困ったヤツらだ。
〇×(……と言いつつ、リョウさんが少しだけ嬉しそうに見えるのは
私の勘違いかな。)
〇×(リョウさんにとっても、店員さんたちは可愛い弟みたいな
ものなんだろうな……。)
〇×(あれから、リョウさんは店員さんたちを積極的に
指導してるみたい。)
〇×(気になって、また様子を見に来たけど……。
リョウさんはどこかな。)
〇×あ……いた。
リョウ・サカザキうーん……。
〇×リョウさん、こんにちは。
リョウ・サカザキああ、〇か。また来てくれたんだな。
〇×はい。どうしたんですか?
なんだか難しい顔で唸ってましたけど……。
リョウ・サカザキああ。休憩時間に事務作業をやっておこうと
思ったんだが、帳簿付けに手こずっていてな。
リョウ・サカザキどうやっても計算が合わんのだ。
〇×帳簿……ちょっと見せてもらってもいいですか?
リョウ・サカザキああ、もちろん構わんが。
〇、詳しいのか?
〇×詳しいというほどではありませんけど、前の会社で
経理の手伝いをすることもあったので。
〇×……あ、わかりました。
こことここの数字が間違ってるみたいです。
〇×これ、税込みの金額ですよね。ここは税抜きで
入力するところだと思います。
リョウ・サカザキなに? そんな単純なミスだったのか。
〇×ちょっとお借りしますね。
〇×……ほら、これで計算もぴったりです!
リョウ・サカザキおお……! 助かった、ありがとう!
〇×お役に立ててよかったです。
リョウ・サカザキいや、本当に助かった。
どうも俺はこの手の作業が不得手でな。
〇×私も人に教えられるほど
詳しいわけじゃないんですけど……。
〇×あ、そうだ。わかりやすい簿記入門の本を持ってるので、
よろしければお貸ししましょうか?
〇×簡単な帳簿の付け方ならそれで理解できると思うので。
リョウ・サカザキそうか! 貸してもらえるとありがたい。

 

3話

+  ネタバレ注意
店員Cリョウ兄さん、お茶をお持ちしまし……って、あれ?
×姉さん来てたんすね!
店員C気づかなくてすんません。
じゃあ、姉さんの分のお茶も持ってきます!
〇×えっ、そんな、おかまいなく!
リョウ・サカザキいや、出してやってくれるか。
〇に教わることが、まだありそうだからな。
リョウ・サカザキ付き合ってくれるか、〇。
〇×はい、もちろん、私でよければ。
店員C…………。
リョウ・サカザキん? どうした、呆けた顔をして。
店員Cお二人って、結婚されてるんじゃないんすか?
〇×えっ……!
リョウ・サカザキけっ……!? ぐっ……ごほっ、ごほっ。
〇×だ、大丈夫ですか、リョウさん!?
リョウ・サカザキあ、ああ……少し茶でむせただけだ。
それよりお前、け、け、けっ……こんだと!?
店員C……違うんすか?
リョウ・サカザキ違う! あ、いやそれは、その……あれだ、
別に嫌だとかしたくないとかそういうことではなくてだな……。
店員Cこの店って家族経営みたいなもんじゃないっすか。
オーナーはリョウ兄さんのお父さんで……。
店員Cだから、店を手伝ってる×姉さんも
サカザキ家のお嫁さん的な人かなーと思ってたんすけど……。
〇×あ、いえ、そういうわけでは……。
店員Cそうだったんすね。すんません、早とちりして。
店員Cけど、オレらリョウ兄さんも×姉さんも大好きなんで。
大好きなお二人が結婚してくれたら、チョー嬉しいっす!
店員Cあ、電話だ。ちょっと失礼します!
リョウ・サカザキ…………。
〇×(な、なんか……恥ずかしい……。)
〇×(でも……あんなふうに私たちのことを
好きでいてくれるなんて、嬉しいな。)
リョウ・サカザキなんだ、その……すまんな。
〇×いえ、謝らないでください。……家族経営、かぁ、
家族って、なんだかいいですよね。
リョウ・サカザキ家族、か……。
リョウ・サカザキ……それも、いいかもしれないな。

 
家族のような存在
 

〇×……!
リョウ・サカザキその……
リョウ・サカザキ……これからも、傍にいてくれたら嬉しい。
あんたと支え合っていけたらいいと、俺も思う。
〇×リョウさん……。

 

よろしくお願いします
〇×はい。よろしくお願いします。
リョウ・サカザキあ、ああ……。

 

もちろんです
〇×はい、もちろんです。
……でも、私でいいんですか?
リョウ・サカザキ当たり前だ。あんたはこれまでも、俺のそばに寄り添い、
助けになってくれた。
リョウ・サカザキその……あんたに甘えるだけでなく、
俺もあんたの助けになれるよう、精進するつもりだ。
〇×リョウさんは今でも、私にとってとても頼りになる存在ですよ。
いつも助けていただいてます。
リョウ・サカザキ〇……。

 

リョウ・サカザキい、いいのか? 今のは、その、なんだ、
プ、プ、プロ……。
〇×……?
リョウ・サカザキ……っ、ダメだ、これ以上は……!
店員Cリョウ兄さーん! 仕入れ先からお電話です!
リョウ・サカザキお、おお、そうか! 今行く!
〇×(リョウさん、どうしたんだろう? 顔が真っ赤だったけど……。)
〇×(今度、時間があるときゆっくり聞いてみよう。)

 
スペシャル

+  ネタバレ注意

Episode:ハーフアニバーサリー ~リョウ・サカザキ編~

極限焼肉店内――
〇×お肉、美味しいです。
リョウ・サカザキ……ん、ああ。
食べだすと止まらないな!
〇×(こんなふうに、ささやかだけど
リョウさんと打ち上げができて嬉しいな……。)
〇×お店も盛況が続いてるみたいで、よかったですね。
リョウ・サカザキこれも、手伝ってくれたみんなのお陰だ。
〇も、改めてありがとう。
〇×お役に立てたなら、嬉しいです。
リョウ・サカザキ人のために動くことを苦とせず、むしろ喜ぶ……。
そういうところはあんたの美徳だな。
リョウ・サカザキ……出会ってから半年。
あんたには、感心するばかりだ。
〇×リョウさんと出会って、もう半年になるんですか……。
〇×マネージャーになってからあっという間で、
実感がなかったです。
リョウ・サカザキ世界が大変なことになっていたしな。
だが、あのことをきっかけに絆が深まった気がするぞ。
〇×絆……。
〇×(それって、私とリョウさんの絆も……だよね。)
リョウ・サカザキどうした? 顔が赤い。
酔ったか?
〇×あ、いえ! 飲んでいませんから。
ちょっと色々思い出していただけで……。
リョウ・サカザキ何をだ?
〇×リョウさんと一緒に
色んなことを乗り越えてきたなぁって。
リョウ・サカザキ……そうだな。
この半年の間、本当に色んなことがあった。
リョウ・サカザキ俺はあんたのお陰で、守りたいものが増えた。
それで更に強くなれたこと、感謝しているぞ。
〇×リョウさん……。嬉しいです。
〇×こんな私でも、
リョウさんの力になれたんですね。
リョウ・サカザキ当たり前だ。
あんたの存在に、どれだけ励まされたことか。
リョウ・サカザキあんたといることで、俺は高みへ登れる。
これから進む道も、果てしないかもしれない……。
リョウ・サカザキだが、〇がいれば、それすら楽しめると思う。
この焼肉屋の件みたいにな。
リョウ・サカザキこれからも、よろしく頼む。
一緒にいて……俺を支えてくれ。

 


離ればなれの後に Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×さっきのジェットコースター、
回転がいっぱいで楽しかったですね。
リョウ・サカザキああ、あれは体幹を鍛えるのになかなかいいな。
〇×ふふ、そうですね。
〇×(遊園地でもトレーニングのことを考えてるなんて、
リョウさんらしいな。)
〇×(リョウさんが遊園地に来るイメージってあまりなかったけど、
楽しんでるみたいで良かった。)
〇×遊園地には、よく来られるんですか?
リョウ・サカザキん? 最近は全くだな。
だが、昔は時々ユリにねだられて来ることはあった。
〇×なるほど、ユリさんに頼まれて……。
リョウさんは昔からいいお兄さんなんですね。
リョウ・サカザキいい兄か……。
そうであれたらいいと思っている。
〇×(あ、すごく優しい顔……。)
リョウ・サカザキそれより、せっかくだ。もっといろいろ乗ろう。
次は何に乗りたい?
〇×そうですね……あのコーヒーカップなんてどうでしょう?
リョウ・サカザキいいな。
あの遠心力は三半規管を鍛えられる。
〇×ふふ、一緒に鍛えましょう!
リョウ・サカザキああ!
〇×……楽しかった〜。
たくさん回しちゃいましたね。
リョウ・サカザキ目が回ったりはしていないか?
〇×はい。終わった時はちょっとフラフラしましたけど、
もうすっかり大丈夫です。
リョウ・サカザキなら、いいが。無理はするなよ?

 

やっぱりリョウさんは優しいです
〇×やっぱりリョウさんは優しいです。
リョウ・サカザキそうか?
大事な人を気遣うのは当然のことだと思うが。
リョウ・サカザキだが、あんたにそう思ってもらえるのは嬉しい。
〇×(あ、あんなにはっきり、大事な人って言われると、
ちょっと照れるな……。)

 

お兄さんみたいです
〇×リョウさん、なんだかお兄さんみたいです。
リョウ・サカザキそ、そうか?
ユリと同じようにあんたに接したつもりはないんだが……。
〇×そうなんですか?
でも、お兄さんができたみたいで嬉しいです。
リョウ・サカザキあんたが喜んでいるなら……まあ良しとするか。

 

リョウ・サカザキさて、次は何に乗るか……。
〇×うーん、そうですね……。
あ、あの宝探しアトラクションは気になります!
リョウ・サカザキ宝探し……? なんだそれは?
〇×体験型の謎解きゲームアトラクションです。
今だけ、期間限定でやっているそうですよ。
〇×校舎に似た建物の中を、謎を解きながら進んで、
制限時間内に宝物を見つけるゲームみたいですね。
リョウ・サカザキなるほど……それは興味深いな。行ってみよう。

 

2話

+  ネタバレ注意
〇×あれ? 中は結構狭いんですね。
外から見た時はもっと広いかと思ったのに。
リョウ・サカザキ確かに、何か違和感を覚えるな……。
――もしや。
〇×わっ、壁が隠し扉に……!
中は教室みたいですけど……。
リョウ・サカザキどうやら、いろいろと仕掛けが施されているらしいな。
違和感の正体もこれだろう。
〇×まるで忍者屋敷ですね……。
これは探し甲斐があります。
リョウ・サカザキ確か、最初にもらったカードは……
〇×隠されし教室に眠る暗号を解け、です。
リョウ・サカザキなら、きっとこの教室のことだな。
早速調べてみる事にしよう。
〇×じゃあ、私は前の方から調べますね。
〇×あ、リョウさん! 机が二重底になっていて、
中からこんな物が…….。
リョウ・サカザキ次のカードか。
教卓を答える向きに変えろ、とあるな。
〇×もしかして、黒板の向きに回転させろってことかも。
リョウ・サカザキなるほど、やってみよう。
〇×(わ、今度は黒板が持ち上がった……!)
リョウ・サカザキどうやら、正解だったようだな。
奥に通路がある。行くぞ、〇。
〇×はい!
リョウ・サカザキさっきと似たような教室だな。
ここにもきっとカードが置いてあるんだろう。
〇×それじゃあ、また手分けをして見つけましょう。
〇×(ふふ、いろんな仕掛けがあって面白いな。
この掃除道具入れにも何かあったりして――)
〇×えっ?
〇×(い、今のって回転扉…..?
じゃあ、私教室の外に追い出されちゃったの!?)
〇×リョ、リョウさん! 聞こえますか、リョウさん!!
〇×……ダメだ、反応がない。
〇×(と、とにかく、どこかに中に入る仕掛けがないか探さないと。)
〇×(どうしよう……。
散々探したけど中に入る手だてが見つからない……。
〇×(通路は続いてるみたいだけど、
リョウさんを置いてくわけには……。)
リョウ・サカザキ〇!!
〇×! リョウさ――きゃっ!?
リョウ・サカザキ無事か!?
〇×あ、あのっ。
リョウ・サカザキケガは……なさそうだな。
リョウ・サカザキ良かった……。
あんたがいないと気づいた時は心臓が止まるかと思ったぞ。
〇×す、すみません……。
リョウ・サカザキいや、この仕掛けで外に出されてしまったんだろう?
もっと早く気づくべきだった。
リョウ・サカザキ心細かったろう……。
ひとりにして本当にすまなかった。
リョウ・サカザキ二度とこんな目には遭わせないと誓う。
だからあんたも、なるべく俺の目の届く場所にいてくれ。
〇×え、えっと……はい……。
〇×(すごく真剣な眼差し……。
心配をかけちゃって申し訳ないのに、顔が熱い……
リョウ・サカザキ大切な人が突然いなくなるのは、もう嫌なんだ……。
〇×え……?
リョウ・サカザキいや……なんでもない。
さあ、行こう。

 

3話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキよし、あらかた見て回ったな。
他に乗りたいものはないか?
〇×もう大丈夫です。
すっかり満喫したので。
リョウ・サカザキそうか? ……それにしても、宝探しは残念だったな。
結局制限時間に間に合わないとは、不覚だった。
〇×そうですね……。
リョウ・サカザキどうした、〇?
さっきから、なんだか落ち着かない様子だが。
〇×い、いえ、あの……。
リョウ・サカザキ……ん? 見てみろ、〇。
〇×え?
〇×(あ、観覧車がライトアップされて……。
そっか、もうそんな時間なんだ。)
リョウ・サカザキきれいだな。
〇×はい……。
〇×(リョウさん、宝探しからずっと
私の手を放さないな……。)
〇×(本人は全然平気そうだし……。
私ばっかりドキドキしてるみたいで余計に恥ずかしい。)
リョウ・サカザキどうし――ああ。もしかして、この手か。
リョウ・サカザキそういえば、ずっと繋いだままだったな。
さっきからこれを気にしていたのか?
〇×う…….はい。
リョウ・サカザキそれは悪いことをしたな。
あんたを捕まえておきたかったようだ。
〇×悪いだなんて、そんな。
少し照れくさかっただけです。
リョウ・サカザキそうか。……今日は取り乱してすまなかった。
手を繋いで回るなんて……子供扱いだったか?
〇×い、いえ。
その、恋人同士でも手は繋ぎますし……。
リョウ・サカザキ……!! そ、そうか。
〇×(じ、自分で言ったことだけど、顔が熱い……。)
〇×えっと、今日は本当にありがとうございました。
連れて来てもらえて本当に嬉しかったです。
リョウ・サカザキこちらこそ、今日は付き合ってくれてありがとう。
リョウ・サカザキあんたの楽しんでいる様子を見られて、
俺もとても楽しかった。
リョウ・サカザキこんなに喜んでくれるなら
もっと早く連れて来るべきだったな。
〇×じゃあ、また都合がついたら連れて来てくれますか?
リョウ・サカザキああ、もちろんだ。
リョウ・サカザキそれで、だ。
その時はまた……こうして手を繋いでもいいだろうか?

 

え……?
〇×え……?
リョウ・サカザキい、いや、無理にとは言わないが!
〇×いえ、ちょっと驚いちゃっただけで。
嬉しいです。よろしくお願いします!
リョウ・サカザキああ。任された。

 

嬉しいです
〇×はい、そうしてくれると嬉しいです。
リョウ・サカザキそ、そうか。 迷子防止にもなるしな!
〇×ふふ……そうですね。

 

リョウ・サカザキさて、名残惜しいがそろそろ帰るとするか。
あまり遅くまで連れ歩くのも悪い。
リョウ・サカザキさっきも約束した通り、近いうちにまた連れて来てやる。
その時は、今日以上に楽しもう。
〇×はい!
〇×(いろいろあったけど、素敵な1日だったな……。
またリョウさんと来れる日を楽しみにしてよう。)

 


旅LOG! Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×あれがノイシュヴァンシュタイン城……!
すごく大きいですね……!
〇×(本当にドイツに来たんだ。
今更ながら、福引に感謝だな……。)
リョウ・サカザキ実際に見てみると、
余計に惹きつけられるものがあるな。
〇×はい。
確か、今から百五十年前に造られたとか。
リョウ・サカザキああ。ルートヴィヒ二世が中世に憧れて、
当時の色を濃く表現しつつ建造したそうだ。
〇×中世に憧れて、ですか……。
リョウ・サカザキあんたも憧れるか?
〇×少しだけ。このお城なんて
シンデレラ城のモデルになってるって言いますし。
リョウ・サカザキ…………。
〇×ふふ。でも、本当に住みたいとは思っていないので、
安心してください。
リョウ・サカザキそ、そうか。
どうしたらあんたの夢が叶えられるかと、少し考えこんでしまった。
〇×リョウさん……。
〇×(こういうところが、本当に優しいんだよね。)
リョウ・サカザキそういえば、写真は撮らなくていいのか?
〇×あ、そうでした!
せっかく来たんだし記念撮影をしないと。
リョウ・サカザキ俺があんたを撮ってやろう。
ほら、カメラを貸してくれ。
〇×ありがとうございます。
リョウ・サカザキでは、撮るぞ。
リョウ・サカザキ一よし、撮れたぞ。
城を背景にしたあんたも絵になるな。
〇×そ、そうですか?
リョウさんも一緒に撮りましょうよ。
リョウ・サカザキお、俺もか。
しかし……辺りに頼めそうな人がいないな。
〇×自撮りをすれば大丈夫です。
こう、腕を伸ばして――
リョウ・サカザキ自撮りか……あまり撮ったことはないが、
俺がやってみよう。
リョウ・サカザキもう少し、こっちに寄ってくれ。
〇×(わ……ち、近い……。)
リョウ・サカザキ……よし。
どうだろうか、なかなか上手く撮れたと思うが。
〇×は、はい。ありがとうございました。
リョウ・サカザキむ、どうかしたか。
なんだか、顔が赤いように見えるが……?

 

肩を抱かれたので
〇×その……突然、肩を抱かれたので
ちょっと照れてしまっただけです。
リョウ・サカザキえ?あ……す、すまん!
リョウ・サカザキつい、うまく画角に収めようと……。
〇×いえいえ! 大丈夫ですから!

 

素敵な写真で嬉しくて
〇×す、素敵な写真が撮れたので嬉しくて。
リョウ・サカザキそうか。喜んでもらえたなら俺も嬉しい。
〇×大切にしますね。あ、旅行が終わったら、
リョウさんにも写真を渡しますから。
リョウ・サカザキああ、楽しみにしている。

 

〇×(それにしても、本当にいい写真が撮れたな……。)
〇×この写真、家に帰ったら部屋に飾りますね。
リョウ・サカザキああ。俺もそうするとしよう。
〇×(お揃いの写真をお互いの部屋に、か……。
ふふ、なんだかとっても嬉しいな。)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×わあ、可愛いお家ばっかり……!
リョウ・サカザキここが中世の宝石と呼ばれる街道か。
〇×異国の情緒に溢れてて素敵ですね!
日本ではまずお目にかかれない風景です。
リョウ・サカザキここは13世紀に帝国自由都市となり、
街道の要衝として交易で発展した場所だからな。
リョウ・サカザキ家並みや、塔、門に至るまで
当時の城壁都市の面影を濃く残しているのだろう。
〇×リョウさん、詳しいですね……!
リョウ・サカザキここに来る前に一応の予習をしておいただけだ。
〇×それでも、十分すごいですよ。
旅行、楽しみにしててくれたんですね。
リョウ・サカザキ当然だろう? ……今もこうして、
あんたと旅行に来れたことに、柄にもなく浮かれているしな。
〇×えっ。
リョウ・サカザキあ、いや……なんでもない。
それより、せっかくだし色々見て回ろう。
〇×そ、そうですね。
お土産も見たいですし。
〇×あ、あそこの雑貨屋さんを見てもいいですか?
リョウ・サカザキああ、もちろんだ。
時間はたっぷりあるからな。
リョウ・サカザキ〇、もういいのか?
〇×はい。ここで欲しいものは全部買えました。
リョウさんはどうですか?
リョウ・サカザキ俺は、あんたが楽しそうに買い物をしている姿を
見れただけで満足してしまったな。
〇×そ、そうですか。
〇×(なんだか、照れくさいな……。)
リョウ・サカザキ……それにしても、ずいぶんと買い込んだな。
〇×あはは、お土産にと思ったら、
あれもこれもつい欲しくなってしまって。
〇×(ミルクチョコレートに、
国旗入りボールペンに、瓶入りソーセージ……。)
〇×(さすがに買い過ぎかな?
ちょっと荷物がかさばっちゃった……。)
リョウ・サカザキどれ、貸してみろ。
〇×あっ。
〇×リョウさん、自分で持ちますよ。
リョウ・サカザキ気にするな。この程度、どうということはない。
リョウ・サカザキこういう時は、素直に甘えてくれ。
その方が、ひとりの男としても嬉しい。
〇×ありがとうございます。
じゃあ、お言葉に甘えますね。
リョウ・サカザキああ。
リョウ・サカザキさて、ちょうどいい時間だ。
そろそろ夕食を予約していた店に向かうとしよう。
〇×そうですね。場所は……。
リョウ・サカザキ持ってきたガイドブックで確認済みだ。
ここの道を進んで十五分程度の所にあるらしい。
リョウ・サカザキさ、行くぞ。
〇×(あ、手が繋がれて……。)
〇×(外国に来た解放感からかな。
いつもより、距離が……。)

 
旅LOG!
 

 
3話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキでは、乾杯。
〇×乾杯!
〇×……んん、美味しい! ドイツのビールって
やっぱり濃厚ですね。
リョウ・サカザキああ、そうだな。
料理も早速頂くとしよう。
〇×はい!
〇×わ、このザワークラウト美味しい。
少し酸っぱいけど、口直しにぴったりですね。
リョウ・サカザキああ。ヴルストによく合う。
本場で食べる物はやはり味が違うな。
リョウ・サカザキこっちの料理はなんだ? 初めて見るが……。
〇×リンダーロウラーデンです。薄切りの牛肉に
牛脂と野菜を巻いた料理なんですよ。
リョウ・サカザキほう……ん、美味い。
〇×付け合せのクヌーデルも美味しいです。
じゃがいものお団子って発想がいいですよね。
〇×私も作ってみたいんですけど、
じゃがいもを沢山マッシュするのって結構大変で……。
リョウ・サカザキならば、俺が手伝おう。
作る機会があったらいつでも呼んでくれ。
〇×本当ですか?
じゃあ、その時はお言葉に甘えさせてもらいますね。
リョウ・サカザキそうしてくれ。あんたと共にいられる時間が増えるのは
俺にとっても喜ばしいことだからな。
〇×そ、そうですか?……私も嬉しいです。
リョウ・サカザキ……〇、ちょっといいか?
〇×え?
〇×(! リョウさんが私の口元を触って……!)
リョウ・サカザキよし、取れた。ソースが口元についていたぞ。
あんたにしては珍しいな。
〇×あ、ありがとうございます。
でも、言ってくれれば自分で……。
リョウ・サカザキこうした方が早いと思ったんだ。
すまない、嫌だっただろうか?
〇×い、いえ、そんな!
リョウ・サカザキそうか? 良かった。
〇×(心臓がドキドキしてる……。なんだか
リョウさんの雰囲気がいつもより甘いような……。)
〇×(って、あれ? リョウさんの顔、なんだか赤い……?)
〇×リョウさん、もしかして少し酔ってます?
リョウ・サカザキえ……いや……。
リョウ・サカザキ……隠しても仕方ないか。そうかもしれん。
恥ずかしながら、酒には少し弱くてな。
リョウ・サカザキ男らしくないだろう? まだ少ししか
飲んでいないというのに、このありさまで。

 

そんなことありません
〇×そんなことありませんよ。
リョウさんが素敵なこととお酒の強さは関係ないです。
リョウ・サカザキ……そうか。
あんたにそう言ってもらえると安心するな。
〇×本当のことですから。
リョウ・サカザキはは、ありがとう。

 

可愛いです
〇×可愛くていいじゃないですか。
リョウ・サカザキかわ……いい……?
〇×はい。いつもは格好いいリョウさんとはギャップがあって、
そんなところも魅力的だと思います。
リョウ・サカザキ……なんとも言えない気分だが、
まあ良しとするか。

 

〇×それにしても、こうしてリョウさんとドイツに来て
一緒にご飯を食べれるなんて夢みたいです。
リョウ・サカザキああ、俺もそう思う。
あんたのおかげで楽しめた。
リョウ・サカザキこの先も時間はまだまだあるんだ。
ドイツだけでなく、ふたりでいろんな場所を旅しよう。
〇×リョウさん……はい!
〇×(リョウさんとドイツに来れて本当に良かった……。
これからも素敵な思い出をたくさん作ろう。)

 


SR Edit

極限流の力 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)さて、お洗濯も終わったし、
次は玄関前の掃き掃除でもしようかな。
〇×(あれ? 道場の前に、リョウさんと大門さんが立ってる。
どうかしたのかな?)
大門五郎ううむ……この際、新しくしてしまうのも
悪くはないと思うが……。
リョウ・サカザキまあどっちにしろ、〇がどうしたいか聞いてからだな。
〇×リョウさん、大門さん、どうかされたんですか?
リョウ・サカザキおお、〇。
ちょうどいいところに来てくれたな。
リョウ・サカザキ実は、道場の雨戸が一枚割れてしまってな。
ほら、これなんだが……。
〇×……本当ですね。最近開け閉めしにくいとは思っていたけど、
割れてしまったんですね。
リョウ・サカザキああ、〇が雨戸が動かしづらいと言っていたから、
調整しようと外してみたら、こうなってしまってな。
リョウ・サカザキどうも、板が随分脆くなっていたみたいなんだ。
〇×そうなんですか。
けっこう古いものでしたし、雨風でだいぶ痛んでたんですね。
大門五郎それで、雨戸を修理しなければいけないんだが、
この際、アルミ製の雨戸に替えるのも手かなと思ってな。
大門五郎アルミなら軽いし、朝晩雨戸を開け閉めする
おぬしの仕事も、多少は楽になると思うのだ。
リョウ・サカザキそれで、アルミにするかどうかは、
〇の意見を優先して決めようって話していたんだ。
〇×そうだったんですか。
お気遣い、ありがとうございます。
〇×そうですね……。
私は、木の雨戸のままでも不便には思ってないですよ。
〇×それに、木の雨戸の方が、道場の雰囲気に合っていて、
情緒を感じられるような気がするんです。
大門五郎ううむ、改装しなくてもいいなら、
金もかからないし助かるが……。
〇×確かに、アルミの雨戸の方が軽いし、楽なんでしょうけど、
このままの方が歴史ある道場って感じがして、素敵です。
大門五郎しかし、女性の腕で毎日雨戸の開け閉めは大変じゃないか?
不便を感じているなら、我慢しなくていいのだからな。
リョウ・サカザキいや、大門、便利さだけを追求するのではなく、
伝統や情緒といったものに気を配るのも大事なんだ。
リョウ・サカザキ〇も、昔からの建具の良さがわかるんだよ。
俺も同じだから、気持ちがわかるんだ。
大門五郎ただ古いだけという感じもするが……〇もリョウも
気に入ってくれているなら、このままも悪くないだろう。
大門五郎改装はしなくてもいいとして、
壊れた雨戸は直してしまわないとな。
リョウ・サカザキそれなら俺に任せてくれ。
これくらいなら、きれいに直しておくさ。
大門五郎本当か? それは助かる。
おぬしの日曜大工の腕は、一級品だからな。
リョウ・サカザキははは、まあな。
こういう時は頼りにしてくれ。
リョウ・サカザキついでに、雨戸の滑りも良くしておくよ。
そうすれば、〇も少しは開け閉めが楽だろうからな。
〇×わあ、ありがとうございます。助かります。
リョウ・サカザキ気にするな。そのくらい大した手間じゃないからな。
大門五郎それにしても、
おぬしらがそれほど道場の雰囲気を気にするとはな。
大門五郎……まあ、古臭くはあるが、確かに木製の雨戸が
この道場に似合うと言えば、その通りだな。
〇×ええ。道場の雰囲気にも合うし、昔ながらの
あたたかみがあって、素敵だと思います。
リョウ・サカザキそんなふうに、建物に合ったものを考えられるのは、
素晴らしいことだ。
リョウ・サカザキ〇は、物の本当の大切さや、
大事なことがちゃんとわかってるんだな。さすがだ。
〇×本当ですか? ありがとうございます。
〇×(リョウさんに褒められちゃった。なんだか照れるな。)

 
2話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキ雨戸を修理するとして……割れた一枚は
必ず板を替えなきゃいけないが、他のも替えたほうがいいか?
大門五郎ああ。
割れたもの以外も、ベニヤが歪んできている。頼めるか?
リョウ・サカザキ……確かにぐにゃぐにゃだ。
わかった。全部新しい板に替えるよ。
大門五郎すまないな。助かるぞ。
〇×あの、どうやって雨戸を直すんですか?
リョウ・サカザキ見たところ、どの雨戸の枠もしっかりしているから、
枠に新しい板を差し込んで直す。
〇×板を新しいものに替えられるんですか?
リョウ・サカザキああ。いったん枠を外して、板を抜くんだ。
その後新しいのを枠に差し込めば、交換できる。
〇×へえ……そうやって直すんですね。
〇×(リョウさん、本当に日曜大工に詳しいんだな。
それに、なんだか楽しそう。)
リョウ・サカザキあとは、雨戸に使うなら、板を耐水にしないといけないな。
大門五郎そういえば、ちょうど耐水のベニヤ板があったはずだ。
リョウ・サカザキ本当か? よし、それならすぐに雨戸の板を替えられるな。
大門五郎ああ。
ワシが取って来よう。ちょっと待っていてくれ。
リョウ・サカザキさて、ちょうど耐水の板もあるみたいだし、
京さっそく修理に取りかかるとするか。
〇×リョウさん、よろしくお願いします。
〇×それにしても、建具を直しながら長く使っていくのって、
なんだか素敵ですね。
リョウ・サカザキああ。大切に、修繕しながら使っていけば、
建具一つにも、どんどん愛着がわくようになるからな。
リョウ・サカザキそして、人の手をかけて長く使われたものにこそ、
真の価値は生まれると思うんだ。
〇×そうですね。
長く大切に使ったものって、宝物みたいに思えますもんね。
リョウ・サカザキ……〇は、きっと極限流の道場も気に入るだろうな。
〇×極限流の? ……リョウさんの道場ですか?
リョウ・サカザキああ。俺が子供の頃から修行を積んだ道場だ。
リョウ・サカザキどこもかしこも、傷んでは直し続けていてな。
道場をのものが、俺が手をかけた、大切なものなんだ。

 

行ってみたいです
〇×なんだか、私もリョウさんが大切にしてきた道場に、
行ってみたくなっちゃいました。
リョウ・サカザキそう言ってもらえて嬉しいよ。

 

大変そうですね
〇×そうなんですか。
道場丸ごと修理し続けるなんて、なんだか大変そうですね。
リョウ・サカザキ大変ってことはないさ。
俺は、家の中を修理するのが楽しかったからな。

 

〇×(リョウさんが子供の時から過ごした道場……。
どんなところなんだろう?)
リョウ・サカザキ極限流の道場も、ここと同じで縁側があるんだ。
子供の頃は、よく縁側で寝ころんだものだ。
リョウ・サカザキ――子供の頃と言えば、一つ思い出したことがある。
〇×え? どんなことですか?
リョウ・サカザキ昔、事情があって、どうしても勝つ必要があってな。
神頼みでもなんでも、できることはやろうと考えたんだ。
リョウ・サカザキそれで、子供だった俺は、道場の床下で願掛けをした。
〇×え? どうしてわざわざ床下で?
リョウ・サカザキ子供ながらに、神頼みで勝とうとすることが
格好悪いと思う気持ちも、あったのかもしれないなあ。
リョウ・サカザキ今は、願掛けなんてする時間があるなら、
勝つために限界まで修行に励むまでなんだが。
〇×ふふ、そうですね。リョウさんが勝つことを神様に頼るなんて
ちょっと考えられないです。
リョウ・サカザキまあ、子供の頃の話だからな。
俺にも、そんな未熟な時代があったんだよ。
リョウ・サカザキこの話は、今まで誰にもしたことがなかったんだ。
だから、親父もロバートも知らない。
リョウ・サカザキ〇と俺の、ふたりだけの秘密にしておいてくれ。
〇×はい。約束しますね。
リョウ・サカザキさて、そろそろ大門が戻って来るかもな。
この話は、ここまでにしよう。
〇×(私しか知らないリョウさんの秘密かあ……。
なんだか嬉しいな。ふふ。)

 


無敵の龍 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)家庭菜園、すごいですね!
美味しそうな夏野菜がこんなに!
リョウ・サカザキああ。この量なら、俺たちみんなで食べても
そうそう無くならないだろう。
〇×そうですね。
しばらく野菜は買わなくて大丈夫そうです。
〇×でも、すみませんでした。『食費を節約したい』なんて
私が相談したから、こんなに大掛かりなことに……。
リョウ・サカザキいや、もともと家庭菜園は俺の趣味だしな、
役に立って嬉しいくらいだよ。
リョウ・サカザキそれじゃあ、さっさと収穫するぞ。
これだけの量なら時間もかかるだろうからな。
〇×はい!
頑張りますね!
リョウ・サカザキ――どの野菜もすごく艶があるし立派だ。
元気に育ったな。
〇×はい。
すごいですね。こんな立派な野菜がお庭で育つなんて。
リョウ・サカザキああ。毎日しっかり世話してやれば、
家の庭でもこれだけ野菜が立派に実るんだ。
リョウ・サカザキ野菜の様子をよく見て、必要な世話をする、
そういう日々の積み重ねが、こうして野菜に伝わるんだよ。
〇×(リョウさんは毎日早朝から、
野菜の世話をしてたもんね……。)
リョウ・サカザキ……ほら、このトマトも真っ赤で艶がある。
トマトは水の量を気を付けるのが大事だ。
リョウ・サカザキこっちのナスも美味そうだ。
肥料をしっかり与えていたのが良かったな。
〇×なるほど……。
どの野菜も、育て方に気を使ってるんですね。
〇×(リョウさん、戦ってる時と違って、すごく柔らかい雰囲気。
楽しそうで、私まで嬉しくなってきちゃう。)
〇×(それに、リョウさんがこんなに話すなんて珍しいな。
家庭菜園に、色々なこだわりを持ってるからなのかもな。)
リョウ・サカザキん? どうした、俺の顔をじっと見て。
何か付いてるか?
〇×え!? あの、普段の寡黙なリョウさんと全然違って、
すごく楽しそうだから、私も嬉しくなっちゃって、つい……。
リョウ・サカザキみ、見つめてしまうほど緩んだ表情をしてたのか……。
……いかんな、格闘家ともあろう者が。
〇×そんな、いけないなんてことないですよ。
誰だって、好きなことをしてれば、楽しそうな顔になります!
〇×それに、私もリョウさんの話を聞いているうちに、
家庭菜園をやってみたくなってきました。
リョウ・サカザキ本当か? それはよかった!
リョウ・サカザキ家庭菜園は、手をかけただけ野菜が応えてくれるんだ。
その楽しさを、〇にも是非知ってほしい。

 

育て方を指導してください
〇×はい。その時にはぜひ育て方を指導してくださいね。
リョウ・サカザキああ。もちろんだ。今から楽しみだな。

 

私にできるでしょうか?
〇×でも私、家庭菜園の知識があまりないから、
上手にできるか不安です……。
リョウ・サカザキ誰だって最初は上手くないさ。
不安でも、まずはやってみればいい。

 

〇×はい。
……あっという間に収穫カゴがいっぱいですね。
リョウ・サカザキそうだな。それにあらかた採りつくしたようだし、
そろそろ終わりでいいだろう。
〇×はい。
それにしても、本当にすごい量の野菜。大豊作ですね!
リョウ・サカザキそうだな。これだけ採れれば上出来だろう。
あとは、これを美味い料理にしてやってくれ。
〇×はい! ……でも、この量だと一度には食べきれませんから、
どう使うのか考えないと。
リョウ・サカザキああ。できたら最後まで美味く食べたいが、
何かいい方法はあるか?
〇×そうですね……じゃあ、漬物にでもしましょうか。
キュウリもナスも、漬物にしたら美味しそうですよ!
リョウ・サカザキつ、漬物……!?
――ああ、確かに、漬物にすれば長く持つな……。
〇×はい。簡単に一品増やせるし、塩分の補給にもなるし、
いいんじゃないかなって思います。
リョウ・サカザキああ、そうだな……ううむ。
〇×(あ、あれ? リョウさんが急に難しい表情に……。
どうしちゃったんだろう?)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×(なんだろう……野菜を漬物にする話をしたら、
突然リョウさんが険しい顔に……?)
〇×あ、あの……リョウさん、どうしたんですか?
リョウ・サカザキえ? い、いやその、大したことじゃないんだ……。
ええと、野菜を漬物にするんだろ? 良い案じゃないか!
〇×でも、なんだか表情が険しいというか、難しいというか……。
リョウ・サカザキううむ……それは、その……。
リョウ・サカザキ――すまん! 〇が野菜の使い道を考えてくれたのに、
俺は、本音を誤魔化そうとしてしまった!
リョウ・サカザキちゃんと本当のことを言う……。
その……言いにくいんだが、実は――
リョウ・サカザキ――俺は漬物が苦手なんだ。
〇×……え? それだけですか!?
好き嫌いくらいでそんなに深刻にならなくて大丈夫ですよ!?
リョウ・サカザキいや、この話にはまだ続きがある。聞いてくれ……。
〇×(ただ、漬物が嫌いなだけじゃなくて、
他に何か事情があるんだ……なんだろう?)
リョウ・サカザキ以前、ロバートがラッキョウが苦手だと聞いて、
好きになってもらおうと、散々食わせたことがあってな……。
リョウ・サカザキ『ラッキョウは身体にいいから克服しろ』と言って、
嫌がるロバートに無理に食べさせてしまった……。
〇×……それで、ロバートさんは
今はラッキョウを好きになったんですか?
リョウ・サカザキいや、それが……見るだけで逃げ出すようになった。
リョウ・サカザキだから、もし食卓に漬物が並んで、
俺がそれを苦手だからと避けようものなら……。
〇×まあ、ロバートさんは許してくれないでしょうねえ……。
リョウ・サカザキああ……。そうだろうな。
リョウ・サカザキそれに、ロバートにラッキョウを無理やり食べさせておいて、
俺は漬物が出されても食べないなんて卑怯だろう。
リョウ・サカザキ……今思えば、ロバートには悪いことをしてしまった。
自分がやられたらと思うと、随分嫌なものだな。
〇×(そうか……リョウさんは、ロバートさんの前で
苦手な食べ物から逃げるわけにはいかないんだな。)
〇×だったら、余計に漬物を作るのは、やめておきます。
〇×確かに、ロバートさんに苦手なラッキョウを無理強いしたのは
良くないと思います。
〇×でも、だからといって、今度はリョウさんが無理して
漬物を食べるのは、私は嫌だなって思います。
リョウ・サカザキしかし、俺はロバートに無理をさせて食べさせたのだから、
自分だけ逃げるようなことは……。
〇×でも、私は私の作った料理を、美味しく食べてほしいんです。
無理をしてまで食べてほしくはありませんよ?
リョウ・サカザキ――そうか……そうだな。いつも料理を作ってくれている
〇の気持ちを、考えていなかったな。
〇×私は、こんなに立派な野菜を育ててくれたリョウさんが、
喜んでくれるものを作りたいですよ。
リョウ・サカザキありがとう。
……そう言ってもらえて、正直ほっとしている。
〇×ふふ、よかった。
それじゃあ何にしましょうか……。
〇×カレーとかラタトゥイユなら冷凍しておけば持ちますね。
今日のところは……夏野菜の冷たいおでんなんてどうですか?
リョウ・サカザキ夏野菜のおでん? そんな料理があるのか?
それに、おでんなのに冷たいのか?
〇×はい。夏の野菜にダシの味を染ませて、
ひんやり冷やして食べるの、美味しいんですよ。
リョウ・サカザキそうなのか。
なんだか、話を聞いてると腹が減ってくるな。
〇の料理は本当に美味いからな。
この野菜がどれだけ美味くなって出てくるか、楽しみだ。
〇×そ、そんな、
ハードル上がっちゃうこと言わないでくださいよ!
リョウ・サカザキははは、俺は正直に言ってるだけだ。
料理、楽しみにしてるぞ。
〇×(リョウさんの野菜、絶対美味しいに決まってる!
私も腕によりを掛けて作らなきゃ!)

 


温泉合宿 Edit

1話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキふう……。
良い湯だ。
リョウ・サカザキ山も海も備えた町だと、
修行にも精が出るな。
リョウ・サカザキしかし――
リョウ・サカザキ(〇は、大丈夫だったんだろうか。)
リョウ・サカザキ(昼間、修行場に行くまでに
急な坂で転びかけたとロバートに聞いた。)
リョウ・サカザキ(俺は走り込みがてら、
先に進んでしまっていたが……。)
リョウ・サカザキ(俺たち格闘家はまだしも、慣れていない女性を
連れて行くのはやはりやめるべきだったか。)
リョウ・サカザキ(いや、しかし……修行を支えたいという
あいつの努力も意思も捨て置けん。)
リョウ・サカザキいかん、考え事をしていると
のぼせてしまうな……。
リョウ・サカザキふぅ……。
リョウ・サカザキあとで、〇に具合はどうか聞いてみることにしよう。

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)あ、リョウさん!
リョウ・サカザキ〇!?
ど、どうしたんだこんなところで。
〇×お風呂あがりに、
少しここで涼んでいこうかと思ったんです。
リョウ・サカザキああ……そうか、
湯冷めしないように気を付けろよ。
〇×はい、すぐ戻ろうと思います。
リョウさんもおやすみなさい!
リョウ・サカザキあ、ああ……おやすみ。
リョウ・サカザキ……と、つい戻ってきてしまったが……。
リョウ・サカザキ(いや、俺は〇に
足の具合を聞こうと思ったというのに……!)
リョウ・サカザキ(見慣れない湯上りの姿に
つい戸惑ってしまった……。)
リョウ・サカザキ……っ。
リョウ・サカザキ〇!
ちょっといいか。
〇×あれ、忘れものですか?
リョウ・サカザキいや、違う。その……昼間足を挫きかけていたと
ロバートに聞いてな。
リョウ・サカザキ平気だったか?
足は痛まないか?
〇×あっ、もう大丈夫です……!
むしろ足手まといになってすみません。
〇×もっと鍛えます!
リョウ・サカザキいや、あんたの努力は充分に
俺たちに伝わっている。
リョウ・サカザキあんたが無事なら、それで良いんだ。
〇×リョウさん……ありがとうございます。
心配してくれたんですね。
リョウ・サカザキ心配するに決まっている!
むしろ……俺があんたの一番傍にいるべきだった。
リョウ・サカザキあんたは、俺の大事な……。
〇×……!
リョウ・サカザキいや、ええと……。
リョウ・サカザキ……コホン。
〇、よかったら……俺の部屋に来ないか?
リョウ・サカザキ昼間は傍にいられなかった分、
今少しだけあんたと共に過ごしたいんだ。

 


夜デート Edit

1話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキ〇、用意はできたか?
〇×(主人公)あっ――すみません、
お待たせしてしまって……!
リョウ・サカザキいや、慌てることはない。
すまないな、急かすつもりはなかったんだが。
リョウ・サカザキ女性は色々と準備があるものだろう?
ゆっくりで構わない。
〇×ありがとうございます……。
〇×(リョウさん、落ち着いてるせいか、
すごく大人っぽい……スーツも似合ってる。)
〇×(どうしよう、なんだか緊張してきちゃった……。)
リョウ・サカザキ……〇?
さっきから口数が少ないようだが、どうかしたか?
リョウ・サカザキもしかして、今夜の食事……気が乗らないか?
〇×い、いえ、そんな! 違います!
今夜のこと、ずっと楽しみにしてましたから!
〇×ただ、リョウさんと一緒だと思うと、
緊張してしまって……。
リョウ・サカザキ緊張……? 俺と出かけることに、か?
〇×だって、リョウさんすごく素敵だから……。
リョウ・サカザキ……っ。
〇×リョウさん?
リョウ・サカザキあ……す、すまない。
〇が可愛らしいことを言うものだから、つい……。
〇×か、かわい……!?
リョウ・サカザキあ、いや……コホン。しかし、食事を楽しむのに、
緊張したままというのもよくないな。
リョウ・サカザキ〇。少し、付き合ってくれるか?

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×ここ、素敵な庭ですね。
リョウ・サカザキこの料亭は料理も人気だが、庭園も評判なんだ。
手入れがよく行き届いていて、雰囲気もいいと。
〇×本当にそう思います。
歩いてると、和やかな気分になってきました。
リョウ・サカザキ……よかった。
どうやら、緊張がほぐれてきたみたいだな。
〇×あ……は。すみません、
気を遣ってもらっちゃって……。
リョウ・サカザキなに、これくらい大したことじゃない。
リョウ・サカザキそれに……その。
大切な相手を気遣うのは、当然のことだろう……?
〇×リョウさん……。
リョウ・サカザキ――こ、こら。
そんなにこっちを見るな。
リョウ・サカザキ〇に見つめられると、
今度は、俺の方が緊張してきてしまう……。
〇×ふふ……じゃあ、リョウさんも落ち着くまで、
もう少し散歩しましょうか。
リョウ・サカザキしかし、疲れてきてはいないか?
そろそろ腹も減ってくるだろう。
〇×大丈夫です。それに……。
大切な人を気遣うのは、当然でしょう?
リョウ・サカザキ……っ!
リョウ・サカザキま、参ったな……。
しかし、そう言ってくれるなら――
リョウ・サカザキ……〇。もう少し、
このままふたりきりでいさせてくれ……。

 


KOFG学園 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(ふう……流石にクラス全員分のノートとなると、重いなあ。
でも、今日は日直だし、私が職員室まで運ばないと。)
〇×(うーん……足元がよく見えなくて、階段が降りづらいな……。)
〇×あっ! 足が――
???危ない!
〇×(あ、危なかった……階段を踏み外しかけるなんて。
助けてもらえなかったら、今頃――)
???大丈夫だったか?
〇×は、はい。ありがとうございま――
〇×(わっ……私、男の人の胸に……!)
〇×す、す、すみません!
???……! あ、ああ……気にすることはない。
???俺も、とっさのこととはいえ、
女子を無遠慮に抱き寄せてしまうとは……。
???ゴホン! ……怪我はなかったか?
足を捻ったりはしていないか。
〇×はい、なんともないです。
――えっと……。
リョウ・サカザキ3年のリョウ・サカザキだ。
何事もなくて、よかった。
〇×リョウ先輩、ですね。本当にありがとうございます。
私、2年の〇×です。
リョウ・サカザキ〇か。礼には及ばない。
リョウ・サカザキしかし、あんたが運んでいたノートが散らばってしまったな。
階段の下にまで……すまないことをした。
リョウ・サカザキもう少し早く気づいて呼び止めていれば、
こうならずに済んだだろう。俺の至らなさだ。
リョウ・サカザキ拾ってくる。ここで待っていてくれ。
〇×いえ、落としたのは私ですし、
私が拾います!
〇×(リョウ先輩……真面目で、自分に厳しい人みたい。)

 
2話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキノートはこれで全部だな。
〇×結局手伝ってもらう形になってしまってすみません。
本当に助かりました。
リョウ・サカザキ構わない。しかし……これを全て、
〇一人で運んでいくところだったのか?
〇×はい。私、今日、日直なので……。
リョウ・サカザキそうか。だが女子一人に、この量は重いだろう。
〇×本当はもう一人、日直がいるんですが――
リョウ・サカザキまさか……そいつに全部を押し付けられたのか!?
〇×えっ!? ち、違いますよ!
その子、体調を崩してしまって、早退したので……。
リョウ・サカザキそ、そうだったのか……早とちりをして、すまない。
〇×(リョウ先輩、曲がったことが嫌いそうだなあ。)
リョウ・サカザキなるほどな……しかし、やはり一人で運ぶのは大変だろう。
俺も半分持っていこう。
〇×そんな、悪いですよ。
リョウ・サカザキ遠慮することはない。
さあ、こっちにもう少し寄越してくれ。
〇×(あ……半分って言ってたけど、
先輩が半分以上持ってくれてる。)
リョウ・サカザキそれにしても、〇はえらいな。
任されたことを一人でもこなそうとするのは、感心できる。
リョウ・サカザキだが、人を頼ることも時には必要だ。
無理をして己だけで背負い込めば、悪い結果を招くこともある。
〇×そうですよね……さっきも足元が見えなくて、
階段を踏み外しそうになりましたし。
〇×リョウ先輩にも、ご迷惑をおかけして……。
リョウ・サカザキあ……いや、あんたを責めているわけではないんだ。
リョウ・サカザキ……すまない。つい説教臭くなってしまった。
俺の悪い癖だ……。
〇×いえ、そんなことありません。
リョウ先輩のお話、ためになります。
リョウ・サカザキそ、そうか……?
〇×はい。今後は無理をせずに、人を頼ろうと思います。
リョウ・サカザキああ、それがいいだろう。
リョウ・サカザキもし、頼れそうな相手が見つからない時は……。
俺に声をかけてくれてかまわない。
リョウ・サカザキあんたの力になる。

 


誘いの悪魔 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(うーん、ウェディングドレスって落ち着かないな……。)
リョウ・サカザキ〇……その、すまない。
まさかこのようなことになるとは……。
〇×え!? そんな、リョウさんが謝ることじゃないですよ……!
〇×(確かに、ブライダル広告の撮影に出演するリョウさんに、
差し入れに来たら――)
〇×(急きょ花嫁役の代役を頼まれるなんて、
想像もしていなくてびっくりしたけど……。)
〇×それに、こんな機会滅多にないですし、
ちょっと嬉しいです。
リョウ・サカザキそうか。brそう言ってくれると助かる。
リョウ・サカザキそれに、その、なんというか、実は……。
俺は、〇が相手になってよかったと思っている。
〇×えっ……?
リョウ・サカザキこの撮影、実は緊張していたんだ。
こんな形でカメラの前に立つのは、あまりないしな……。
リョウ・サカザキだが、〇と一緒なら何とかなる気がする。
あんたが隣にいてくれるのは、心強い。
〇×(リョウさん……そんなふうに言ってもらえると、嬉しいな。)
カメラマン新郎、顔がカタいよー! 肩の力抜いてー!
リョウ・サカザキう、くっ……こ、こうか……?
〇×リョウさん、深呼吸してみてください。
リョウ・サカザキあ、ああ……。
ふーっ――
リョウ・サカザキ――うむ、少し落ち着いてきた。
感謝する、〇。
カメラマンいいねいいねー!
じゃ、イイ感じになってきたところで、そろそろ――
カメラマンキサマには消えてもらうぞ、リョウ!!
リョウ・サカザキ!!
〇×え? 今、なんて――
〇×(って、ええっ!? カメラマンさんの姿が、
いつのまにか悪魔みたいに変わってる!?)
悪魔?ケーケケケ!! もう逃げられんぞ!
キサマの悪運もここまでだぁ!
〇×(あっ! 他のスタッフも同じ姿に!?
か、囲まれてる……!?)
〇×(何これ、夢!?
とにかく、リョウさんと一緒に逃げないと!)
リョウ・サカザキ――迂闊だった。
奴らの手がここまで伸びているとは……。
〇×え……リョウさん?
リョウ・サカザキ〇、下がっていろ。
〇×まさか、戦うつもりなんですか!?
無茶です! あの人たち、人間じゃないですよ!
リョウ・サカザキああ。こいつらは人ならざる者――悪魔だ。
〇×あ、悪魔……?
リョウ・サカザキ悪魔が相手なら、真の力を使わざるを得ない……!
〇×リョウ、さん……!?
リョウ・サカザキいくぞ! はあぁー―ッ!!

 
2話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキううむ、何匹か取り逃したようだ……。
〇×(す、すごい……あんなにたくさんいた悪魔を、
リョウさんひとりで……。)
〇×(というか、リョウさんの翼、
あの悪魔たちと同じ……?)
リョウ・サカザキ……〇。今まで黙っていて、すまなかった。
リョウ・サカザキ俺は人間ではない。奴らと同じ、悪魔だ。
〇×リョウさんが、悪魔……。
リョウ・サカザキ俺は悪魔でありながら、魔界を裏切った身。
リョウ・サカザキ魔界のみならず人間界をも支配しようと企む、
魔王の強引なやり方に疑問を抱き、反旗を翻した。
リョウ・サカザキそして人間界に留まり、
こちらの世界に攻めてくる悪魔たちと戦ってきた。
〇×じゃあ、リョウさんは私たち人間のために……。
リョウ・サカザキ俺は人間を好ましく思っている。その気持ちは、
あんたと出会ってからより強くなったんだ、〇。
〇×私と?
リョウ・サカザキいつも己に出来ることを懸命につとめ、
常にまっすぐで……俺には、あんたがとても眩しく見える。
リョウ・サカザキ〇が生きるこの世界を守りたい。
いつしか、そう思うようになったんだ。
〇×リョウさん……。
リョウ・サカザキあんたを戦いに巻き込みたくはなかったんだが――
リョウ・サカザキさっき逃げていった奴らが、きっと魔王に報告するだろう。
〇のことも……俺にとって、大事な存在であることも。
リョウ・サカザキこれから先、あんたは狙われることになるかもしれない。
本当にすまない……。
〇×リョウさんが謝ることじゃありませんよ。
リョウ・サカザキ〇……。
リョウ・サカザキあんたに約束しよう。必ず守り抜いてみせる。
たとえ、この身にかえても。
〇×(リョウさんの気持ちは、すごく嬉しい。でも――)
〇×私、守られているだけなんてイヤです……!
リョウ・サカザキ何……?
〇×私に出来ることは少ないかもしれないけれど……。
私も、リョウさんと一緒に戦います!
リョウ・サカザキ……! 〇……。
リョウ・サカザキありがとう。やはり、俺の目に狂いはなかった。
……〇がいてくれてよかった。
リョウ・サカザキ共に人間界を守っていこう、〇!
〇×はい、リョウさん!

 


強さと優しさを Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(戦国時代にタイムスリップしちゃうなんて、どうなることかと
思ったけど……村の人たちが迎え入れてくれて、助かったなあ。)
〇×(物の怪を退治して、みなさんに恩返しをしないと。)
リョウ・サカザキううむ……。
〇×リョウさん?
難しい顔をして、どうかしましたか?
リョウ・サカザキ〇か。いや、実はな……。
リョウ・サカザキどうも俺は、子どもたちに怖がられているらしい。
〇×えっ、そうなんですか?
どうしてでしょう……。
リョウ・サカザキ恐らく、見慣れない外見で、近づきがたいのだろう。
〇×……なるほど。
リョウ・サカザキああ。中には俺を見て、
鬼のようだと泣いてしまった子もいてな……。
〇×(それは……リョウさん、ちょっとショックだっただろうな。)
リョウ・サカザキ村に滞在させてもらえるのはありがたいことだが、
ここにいる間、子どもたちを怖がらせてしまうのは忍びない。
リョウ・サカザキ何とか受け入れられたいものだが、どうしたものか……。
〇×(リョウさんと子どもたちが仲良くなれるように、
私にも手伝えることはないかな?)

 

一緒にいるところを見せる
〇×私がリョウさんとなるべく一緒にいるようにすれば、
怖い人じゃないってわかってもらえないでしょうか?
リョウ・サカザキ確かに、〇には子どもたちも懐くだろうが……。
それでは、あんたに面倒をかけてしまうだろう。
〇×全然そんなことないですよ。
リョウさんと一緒にいると、頼もしくて安心しますし。
〇×きっと、そういう気持ちを
みんなもわかってくれると思います。
リョウ・サカザキそ、そうか……。

 

リョウさんのことを伝える
〇×私から子どもたちに伝えてみましょうか?
リョウさんは怖くないよって。
リョウ・サカザキそれは……ありがたいことだが、何やらこそばゆいな……。

 

リョウ・サカザキ子どもたちとの接し方を一緒に考えてくれて、感謝する。
リョウ・サカザキだが、これも修行だ。どうすれば彼らと打ち解けられるか、
己自身でも考えてみよう。
〇×きっとみんな、受け入れてくれますよ。
リョウさんは優しい人ですから。
リョウ・サカザキありがとう、〇。
リョウ・サカザキ子どもたちの中には、
見慣れないよそ者を警戒している子もいるのだろう。
〇×物の怪のせいで、怖い目に遭っているせいでしょうか。
リョウ・サカザキそうだろうな。物の怪が出るようになってからは、
ろくに外で遊べていないらしい。
〇×可哀想ですね……。
リョウ・サカザキああ……子どもたちが何の心配もなく、
元気に遊べるようにしてやりたいものだ。
リョウ・サカザキそのために、早く物の怪を退治してしまわなくては。
リョウ・サカザキいつの時代でも、
子どもたちが安心して暮らせるのが一番だからな。
〇×(こんなふうに子どもたちのことを考えてあげて、
リョウさんはやっぱり優しい人だな。)
〇×(子どもたちにも、
リョウさんの気持ちが伝わればいいんだけど……。)

 
2話

+  ネタバレ注意
子どもたちえいっ! やあっ!
リョウ・サカザキいいぞ、その調子だ!
〇×(子どもたち、なんだか賑やかだな。
リョウさんの声も聞こえる……様子を見に行ってみよう。)
リョウ・サカザキ腰を落とし、体を安定させるんだ。
そして、拳を真っ直ぐ前に突き出す!
村の子Aこうかな……えいっ!
リョウ・サカザキそうだ。なかなか筋がいいな!
村の子Aへへっ、やったあ!
村の子Bねえねえ、ぼくは!?
ぼくも見てよ!
リョウ・サカザキははっ、わかったわかった。
順番に見るから、待っていてくれ。
〇×(リョウさんと子どもたち、仲良くなってる!
いつの間に――)
村の子Aあっ、おねえちゃん!
村の子B見て! お兄ちゃんみたいに強そうでしょ!
えいっ! たあっ!
〇×ふふっ、本当だ。すごいね。
〇×リョウさん。
子どもたち、すっかり懐いてくれたんですね。
リョウ・サカザキああ、受け入れてもらえたようだ。
リョウ・サカザキ鍛錬をしていたら、
この子たちが様子をうかがっていることに気がついてな。
リョウ・サカザキ興味を持ったようだから、
武道の型を教えようと誘ってみたんだ。
リョウ・サカザキ最初は遠慮がちだったが、だんだん夢中になって、
俺にも慣れてくれたらしい。
〇×よかった。子どもたち、楽しそうです。
リョウ・サカザキうむ。武道に興味を持ってくれたのも、嬉しいことだ。
リョウ・サカザキこの子たちが強くなれば、
いざという時、己の身を守ることができるだろう。
リョウ・サカザキ家族や友人、大事な者のことも――きっと守れるようになる。
村の子Aうんっ! おれ、母ちゃんを守ってあげるんだ!
村の子Bぼくも、弟や妹を守る!
リョウ・サカザキよし、その意気だ!
〇×(リョウさんが子供たちを見つめる眼差し……。
すごく穏やかで、優しくて、まるで――)
〇×まるで、お父さんみたいですね。
リョウ・サカザキお父さん……俺が、か?
リョウ・サカザキふむ……なるほど。
子を持つというのは、確かにこういう気分なのかもしれない。
〇×リョウさんみたいなお父さんに育てられた子は、
勇気のある強い子になると思います。
リョウ・サカザキ……あんたも、良い母親になると思うぞ。
〇×私? そうでしょうか。
リョウ・サカザキああ……気立てもいいし、料理も上手い。
誰かを大切に想う気持ちも知っている。
リョウ・サカザキあんたが母親なら、
子どもはきっと、優しい人間に育つだろう。
村の子Aじゃあ、お兄ちゃんが父ちゃんで、
お姉ちゃんが母ちゃんになればいいよ!
〇×えっ……!
リョウ・サカザキなっ!? な、何を言っているんだ!
村の子Bあーっ、お兄ちゃんの顔、赤くなってる!
村の子Aやーい! 照れてる照れてる!
リョウ・サカザキこ、こら、やめないか!
大人をからかうものじゃない!
〇×(リョウさんと子どもたち、
すっかり仲良くなって、よかったなあ。)
〇×(それにしても――
リョウさんがお父さんで、私がお母さんか……。)
〇×(……私もちょっと、顔が熱くなってきちゃったな……。)

 
スペシャル

+  ネタバレ注意

EPISODE:さくらんぼ狩りデート ~リョウ・サカザキ編~

〇×――あ、こっちにも!
さくらんぼがたくさんなってますよ、リョウさん!
リョウ・サカザキはは、そうだな。
ん? あそこになっているさくらんぼ……どれもうまそうだ。
〇×ほんとですね! 採ってみます。
リョウ・サカザキああ。足元には気をつけてくれ。
〇×はい。脚立、支えてくださって
ありがとうございます。
〇×(リョウさんと、さくらんぼ狩りに来れて嬉しいな。
こんなにたくさん採れたし……。)
〇×このまま食べてもいいですけど、
タルトなんかのお菓子にするのもいいかもしれませんね。
リョウ・サカザキいいな、あんたが作る菓子はうまいからな。
〇×ありがとうございます! 道場に帰……って、わっ! 蜂……!
リョウ・サカザキ〇!?
〇×(……!? 足が滑――)
リョウ・サカザキ危ない!!
リョウ・サカザキっ……!
大丈夫かっ!?
〇×いたたた……。
すみません、リョウさん……。
リョウ・サカザキ怪我はないか?
〇×は、はい、大丈夫です。
〇×(リョウさん……凄く真剣な表情。)
〇×抱きとめてくださって、ありがとうございます。
リョウ・サカザキ礼を言われるほどのことじゃない。
〇が無事でよかった。
〇×……あ、その、もう大丈夫ですから、降りますね。
リョウ・サカザキ焦らなくていい。
〇×ええと、でもちょっと……恥ずかしくて。
リョウ・サカザキそ、そうか。すまない……。
〇×あ、いえ!
そもそも私がバランスを崩したせいなので……。
〇×あっ! さくらんぼ……全部落としちゃいました……。
リョウ・サカザキ……ああ。さくらんぼまでは気がまわらなかったな。
〇×(……これ食べられるかな?)
リョウ・サカザキどうした? 〇。
〇×このさくらんぼ、食べられるでしょうか……?
一応、拭いたんですけど……。
リョウ・サカザキ…………。
〇×(えっ! リョウさん私の手から直接……!)
リョウ・サカザキうん。うまいぞ。
ほら、〇も食べてみろ。
〇×えっ! んぐっ……ん……おいしいです!
リョウ・サカザキだろう? 潰れてしまったものは菓子にでもすればいいさ。
リョウ・サカザキ俺は〇の作る菓子も楽しみにしてるぞ。

 


雨がもたらすひと時 Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


無人島ロマンス Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×夜の無人島って、暗くて不気味ですね。
こんな場所で肝試しなんて……。
リョウ・サカザキ突然リゾートへの招待状が届くとは、何か裏があるのではと
思っていたがともかく、進むしかなさそうだ。
リョウ・サカザキ危険な仕掛けがないとも限らん。
〇、俺から離れないようにしてくれ。
〇×は、はい……!
〇×わっ!?何――!?
リョウ・サカザキ落ち着け、ただの人形だ。枝に結び付けておいて、
人が通ると落ちてくる仕掛けなんだろう。
〇×リョウさん、すごく冷静ですね……。
リョウ・サカザキ心頭滅却すれば、火もまた涼し。
日頃から修行していれば、多少のことで動じはしない。
〇×(さすがリョウさん、頼もしい……。
私も、もっとしっかりしなくちゃ!)
リョウ・サカザキふむ……仕掛け自体は巧妙だが、
驚かす以上のものではないらしい。
リョウ・サカザキどうやら、危険はなさそうだ。
このまま進んでいこう。
〇×きゃっ!こ、今度は草むらから何かが……!?
〇×って、なんだ、虫か……。
けっこう大きいバッタだったなあ。
リョウ・サカザキバ、バッタ……!?
〇×リョウさん?どうかしましたか?
リョウ・サカザキいや――なんでもない。
〇×(どうしたんだろう?さっきまですごく落ち着いてたのに、
なんだか顔色が悪いような……。)
〇×あ、さっきのバッタがリョウさんの肩に……。
リョウ・サカザキ……!!
〇×(あっ!そういえばリョウさんって――)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×(リョウさん、虫が苦手なんだった……!)
〇×だ、大丈夫ですか?
今、バッタとりますから!
リョウ・サカザキくっ……す、すまん……!
〇×はい、もう大丈夫ですよ。
リョウ・サカザキは一っ、助かった……。
〇×(リョウさん、本当に虫が苦手なんだなあ……。)
リョウ・サカザキうう……まったくもって情けない。
心頭滅却すれば、などと偉そうなことを言っておいて――
リョウ・サカザキまだまだ修行不足だ。あんたにも合わす顔がない
〇×(リョウさん、顔を隠しちゃった……。)
〇×あの、気にしないでください!
誰にでも苦手なものってありますし――
〇×それに、なんというか……ちょっと嬉しいんです。
リョウ・サカザキ嬉しい……?
〇×リョウさんは落ち着いてて、何事にも動じなくて、
すごく頼もしいですけど
〇×私は守られたり、助けられてばかりで、
何もできないのかなって思うと、少し寂しかったんです。
〇×でも、私でも少しはリョウさんを助けられると思うと、
なんだか嬉しくて……。
リョウ・サカザキ〇……。
〇×だから、私のことも頼ってください!
私がリョウさんを虫から守ります!
リョウ・サカザキそ、そう言われると、
どうにも格好がつかないが……。
リョウ・サカザキ……ありがとう。
あんたのこと、頼りにしている。
リョウ・サカザキそれに、あんたは気づいていないようだが……。
日頃から充分、〇には助けられているぞ。
〇×リョウさん……。
リョウ・サカザキ――ゴホン!さ、さあ、先へ進もう。
皆、もうゴールに着いているかもしれない。
〇×はい、行きましょうか。
〇×(それにしてもさっきのリョウさん、
ちょっと可愛かったな……なんて言ったら、怒るかな?)

 


夢見Night Edit

1話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキやれやれ、参ったな……。
〇×リョウさん、どうかしましたか?
リョウ・サカザキ〇か。実はさっき、洗面所で顔を洗おうとした時に、
自分のパジャマを派手に濡らしてしまってな……。
リョウ・サカザキこのままでは寝られないから、
どうにかして乾かそうと思っていたんだ。
〇×それは大変でしたね――あっ、パジャマなら、
誰も使ってないものがあるんですが、使いますか?
リョウ・サカザキ本当か? すまないが、貸してもらえるとありがたい。
〇×あ、でも――
リョウ・サカザキどうした? 何かまずいのか?
〇×そのパジャマ、私が着てるのとペアになってる物で……。
リョウ・サカザキ何……? 今あんたが着ている、
そのパジャマと?
〇×はい。もちろんサイズは男性物なんですが、柄は同じで……。
貰い物なんですけど、女性物だけ私が使わせてもらってるんです。
〇×やっぱり、
リョウさんにはちょっと可愛すぎますか……?
リョウ・サカザキいや、着られるなら柄は何でも構わない。
貸してもらえるか?
〇×わかりました。
〇×どうですか、リョウさん?
リョウ・サカザキう、ううむ……なるほど。
ロバートに見られでもしたら、間違いなくからかわれそうだ。
リョウ・サカザキしかし、着心地はなかなか悪くないな。
〇×(リョウさん、意外と気に入ったのかな?)
リョウ・サカザキ今夜はこのパジャマを借りるとしよう。
助かったぞ、〇。
〇×よかったです。
じゃあ、リョウさんと私、お揃いですね。
リョウ・サカザキ……! そ、そうか……あんたとお揃い、か。
リョウ・サカザキん? メールだ。いったい誰から……。

 

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×リョウさんのお父さんから、メールが?
リョウ・サカザキああ。また極限焼肉の手伝いに来てほしいそうだ。
それに、妹のユリが会いたがっていると。
リョウ・サカザキ二人の写真まで添付されている……。
さては親父、ユリに携帯の使い方を教わったな。
〇×リョウさんのご家族、仲がいいんですね。
リョウ・サカザキそうだな……昔は色々あったが、今こうして家族の時間を
過ごせることは、喜ばしいことだと思う。
〇×(リョウさん、ご家族のことを大切に想ってるんだなあ。)
〇×そうだ! メールのお返事に、
リョウさんの写真も送りましょうよ。
〇×元気な姿を見せてあげれば、
お父さんも妹さんも安心しますよ。
リョウ・サカザキそうだろうか。しかし、携帯の写真機能など、
ろくに使ったことがなくてな……。
〇×大丈夫ですよ。携帯、貸してもらえますか?
〇×こうして、インカメラの設定にして……。
このままボタンを押せば、撮影できます。
リョウ・サカザキなるほど……このボタンか?
〇×(あっ、リョウさんがすごく近くに……。
それに、指が重なって――)
リョウ・サカザキ……これは!
〇×ツーショット、になっちゃいましたね。
ぶれぶれですけど……。
リョウ・サカザキ揃いのパジャマでツーショットとなると……。
さすがに気恥ずかしいものだな……。
〇×そう……ですね。
でも一緒に写真を撮るってあまりなかったですね。
リョウ・サカザキ確かに、あまりそういった機会はなかったな。
その……〇さえよければ――
リョウ・サカザキ今度はもっとちゃんとした写真を撮らないか?
〇×タイマー、セットしました!
リョウ・サカザキ3、2、1……。
――っ!
リョウ・サカザキまた、タイミングがずれてしまった……
俺が半目になってしまっているな……。
〇×三脚でのタイマー撮影は
なかなか難しいですね……。
リョウ・サカザキああ。すまないな、
俺があまりにも写真撮影に慣れていなくて……。
〇×いえ、もう一度挑戦しましょう!
タイマーセットしますね。
リョウ・サカザキ3、2、1……。
〇×素早くリョウさんの隣に……きゃっ!
リョウ・サカザキうおっ……!?
リョウ・サカザキ大丈夫か、〇!
〇×はい、でも……。
〇×(転んでリョウさんに抱き留められたのが
写っちゃった……!)
リョウ・サカザキこれは……。
はは! 親父たちには送れない写真だな。
リョウ・サカザキだが……よく撮れている。
あんたが俺の腕の中に飛び込んできたようだな。
〇×は、恥ずかしいです……!
リョウ・サカザキ俺も恥ずかしいが、不思議とそれよりも
嬉しい気持ちが勝ってしまう……。
リョウ・サカザキこの写真は、俺が大切に保存するとしよう。
誰にも見せられないからな。
〇×(二人の記念写真……ちょっと恥ずかしいけど、
お揃いで良い思い出になったかも……。)

 

 


ハロウィン Edit

1話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキと、トリックオア……トリート……。
お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ……!
リョウ・サカザキ今のはどうだった?〇。
〇×ううん……..。
やっぱりまだちょっと固いですね。
リョウ・サカザキやっぱりダメか。
リョウ・サカザキ……すまない。
やはり慣れないことはしないほうがいいか。
リョウ・サカザキ練習に付き合わせて悪かったな。
〇×いえ、私は全然……。だけど、どうしてリョウさんも
ハロウィンのイベントに参加することになったんですか?
〇×(そう、今日は町内会のハロウィンイベントで、子供たちが
集まるんだよね。そこにリョウさんも行くみたいだけど……。)
〇×(あまりこういうイベントに乗るイメージが無かったから
参加するって聞いた時は少し驚いたな。)
リョウ・サカザキああ。俺はハロウィンにあまり乗り気ではなかったんだが、
包に頼まれてな。
リョウ・サカザキお菓子をもらってくればいいだけだ、簡単だから一緒にやろう
……と頼み込まれて、断り切れなかった。
〇×包くんに……。そういうことだったんですね。
〇×でも、リョウさんは乗り気ではないようですけど、
キョンシーの仮装、似合ってますよ。
リョウ・サカザキそうか、ありがとう。
そう言ってくれるとありがたい。
リョウ・サカザキよし。〇のおかげで、少し自信が湧いてきた。
そろそろ時間だし、出かけるとするか。
リョウ・サカザキそれじゃあ〇。トリック・オア・トリート!
お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ。
〇×ふふっ。お菓子ですか?
今日はちゃんと用意して――
リョウ・サカザキなに!?
〇×ちゃんと用意したんですが、忘れてきちゃったみたいで....
リョウ・サカザキこういう時は、その……。
悪戯をしないといけないんだよな?
〇×えっ!?
〇×(そ、そうなのかな!?
だけど、これは練習だし……。)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×あ、あのリョウさん!
無理に悪戯しなくていいと思いますよ?
〇×悪戯するっていうのもなんていうか、
言葉だけみたいなものでしょうし……。
〇×それに、これは練習ですし……。
リョウ・サカザキ……あ、ああ。もちろんそうなんだが、本番でももしかしたら
菓子を忘れてきたという子がいるかもしれない。
リョウ・サカザキ包もそういう時は悪戯をたくさん考えていると言っていたし、
みんながやるなら俺もやらないわけにはいかないだろう。
リョウ・サカザキ……あんたが菓子を忘れた、というまで
その場合の対応を考えるのをすっかり忘れていた。
〇×衣装に台詞に、準備することが多かったですもんね。
仕方ないですよ。
リョウ・サカザキありがとう、〇。
なあ、あまり時間はないが
リョウ・サカザキ本当に菓子をもっていない子供がいた時に、どうしたらいいか
あんたも一緒に考えてくれないか。
〇×で、でも私も悪戯にはそんなに詳しくなくて……。
「リョウ・サカザキ……そうだな。あ、それならこういうのはどうだ?
〇が悪戯をされるとして、許せる範囲を教えてくれ。
〇×私がされる悪戯ですか?うーん、そうですね……。
ハロウィンの悪戯なので、例えば……。
〇×衣装に合わせて、キョンシーっぽい悪戯をされたら
許しちゃうかもしれません。
リョウ・サカザキキョンシーっぽい悪戯?
ふむ、確かにそうだな。と言うと……。
リョウ・サカザキ噛んだ相手もキョンシーになる、
とかそういうことでいいのか?
〇×えっ?
か、噛むんですか?
〇×(リョウさんに噛まれるなんて、想像しただけで
ドキドキしてきちゃったかも……!)
リョウ・サカザキ……!
リョウ・サカザキいや、噛まない!
俺があんたを噛むなんて、そんな悪戯はしないぞ!
〇×そ、そうですよね……!
リョウ・サカザキはあ……こんなに困るなんて、
まるで俺のほうが悪戯されてる気分だ……。
リョウ・サカザキまったく、悪戯なんて何が楽しいのかさっぱりわからん。
しかし……。
リョウ・サカザキあんたのその表情を見ていると、
少しだけ悪戯が好きな奴らの気持ちも、わかるかもしれんな……。

 


1stアニバーサリー Edit

1話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキ〇、せっかくの休日だ。
何かしたいことはないか?
〇×したいこと……。
外に出て自然を楽しむ……とかでしょうか。
リョウ・サカザキなるほど……わかった。
では、出かける用意をしてくれ。
〇×えっ?
リョウ・サカザキちょうどいい場所に心当たりがある。
〇×わあ、馬がたくさん……!
リョウ・サカザキここは俺が時折来る牧場だ。自然にも馬にも
触れ合えるから、あんたの希望に沿えると思ってな。
〇×リョウさん……ありがとうございます!
私、馬をこんなにたくさん見るのは初めてです。
リョウ・サカザキここの馬は特に人に慣れているからな。
……こうして撫でるのも許してくれるんだ。
〇×わ、本当。気持ち良さそうに目を細めてますね。
リョウ・サカザキだろう?
……よしよし、いい子だ。
〇×(リョウさん、すごく優しい顔……。
ちょっとだけ馬が羨ましいかも。)
リョウ・サカザキん? どうした?
〇×い、いえ、私も撫でてみたいなと思って。
リョウ・サカザキああ、撫でてみるといい。
リョウ・サカザキこの馬はとても大人しいし、怖がらせないように
ゆっくり手を近づければ問題ない。
〇×はい、やってみます!
〇×(わ、本当に大人しい。
毛並みもツヤツヤでサラサラ……。
リョウ・サカザキどうだ?
〇×すごく癒されます!
馬ってこんなに可愛いんですね。
リョウ・サカザキだろう?
せっかくだし乗ってみるか?
〇×えっ!

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×(ま、まさか乗馬することになるとは……。
リョウ・サカザキそっちの鐙(あぶみ)にもしっかり足をかけるんだ。
〇×こ、こうでしょうか……?
わわっ! た、高い……!
リョウ・サカザキ落ち着け。俺がちゃんと支えているから大丈夫だ。
〇×(リョウさん、頼もしい……。)
リョウ・サカザキ背筋をピンと伸ばしてみろ。
そして、下ではなく前方を見るんだ。
〇×は、はいっ。
〇×(あれ? さっきまでと同じ風景なのに
なんだか見え方が違う……。)
リョウ・サカザキ視界が高いぶん、視野が広くなった気がするだろう。
〇×はい。不思議と解放感があります。
リョウ・サカザキそれが乗馬の醍醐味だ。さ、歩かせるぞ。
少し揺れるからしっかり掴まっていろ。
〇×はい!
〇×(……わ、思ったより振動が少ないかも。
風が気持ちいい……。)
リョウ・サカザキ……肩の力も抜けてきたようだな。
〇×リョウさんが安心させてくれたおかげです。
乗馬ってこんなに清々しくて、楽しいものなんですね。
リョウ・サカザキそう言ってもらえると、提案してみた甲斐もある。
〇×ふふ。……あなたも乗せてくれてありがとう。
さっきまで上でうるさくしちゃってごめんね?
リョウ・サカザキ馬は気にしていないらしい。
〇×言葉がわかるんですか?
リョウ・サカザキいや……。だが、あんたにそんなふうに撫でられたら、
許してしまうだろうからな。
〇×ふふ、そうだったら嬉しいです。
〇×……こんなに穏やかな休日は久しぶりです。
リョウさん、本当にありがとうございます。
リョウ・サカザキあんたが望むなら、また何度だって連れて来てやる。
いつでも言ってくれ。
〇×はい!

 


新年'21 Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


R Edit

FOR YOU Edit

1話

+  ネタバレ注意
リョウ・サカザキむ……やけに明るいな。
リョウ・サカザキ(ああ、イルミネーションか。
そうか、クリスマスが近いから……。)
リョウ・サカザキ(見事な物だな。ああいった配色を考える者は
よほど美的センスに優れているんだろう。)
リョウ・サカザキ(ふと目に入るだけでも、つい足を止めてしまう。
美しいな……。)
リョウ・サカザキ(そう言えば、以前、〇と行った遊園地も、
夜にはイルミネーションが輝いていたな。)
リョウ・サカザキ(観覧車もライトアップされていて、きれいだと
はしゃぐ〇が可愛くて、つい見とれてしまった……。)
リョウ・サカザキ(また一緒に来ようと、約束もしたんだ。
早めに果たしたいものだ。)
リョウ・サカザキ(……しかし、クリスマスか。
〇への贈り物の用意が必要だな。)
リョウ・サカザキ(最近寒いとこぼしていたし、やはりここは
手袋やマフラーなどの防寒具か?)
リョウ・サカザキ(いや、そういった物は個人の好みもあるだろう。
下手な物を贈って困らせる可能性もある。)
リョウ・サカザキ(ならば、体を鍛えるためのトレーニンググッズ……
を、クリスマスに贈るのは色気がないだろうか……。)
リョウ・サカザキ(だとすると……。)
リョウ・サカザキ(いかん、知恵熱が出そうだ。
いっそ、本人に聞いてしまおうか。)
リョウ・サカザキ(その場合は上手く聞きださねば。
当日に驚かせたほうが、きっと喜んでくれるだろうからな。)
リョウ・サカザキ……あいつの笑顔を見るのが楽しみだ。

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