カードストーリー /マキシマ の変更点


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#contents

*SSR [#SSR_story]
**スイーツマジック [#SSR01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|えっと、買うものはこれくらいで大丈夫かな。|
|~女の子A|はぁ、あのお店のケーキ&br;、本当に美味しかったよね。|
|~女の子B|うん、さすがテレビで特集してただけあるよね。|
|~〇×|(あの子たちが話してるのって、&br;この先にある美味しいスイーツショップのことかな?)|
|~女の子A|そうそう、それにしてもお店の前にいた人、&br;ちょっと面白かったね。|
|~女の子A|見た目が大柄なのに、&br;じっとケーキを見てたし。|
|~〇×|(大柄?)|
|~女の子A|男の人だから入りづらいのかもしれないけど、&br;余計に目立ってたよね。|
|~女の子B|私は可愛いなって思っちゃった。|
|~女の子A|え~、そう~?|
|~女の子B|あのもみあげの感じもすごく可愛く&br;見えてきちゃったよ。|
|~〇×|(もみあげ?)|
|~女の子B|ずっとお店の前でそわそわしてる感じだったし。|
|~女の子A|あんなに食べたいなら入ればいいのにねぇ。|
|~〇×|(確かに可愛い……。それにしても、&br;知ってる人とイメージが重なるんだけど……。)|
|~〇×|ちょっと覗いてみようかな。|
|~〇×|(あ、さっき女の子たちが話してた男の人って、&br;あの腕を組んでる人だよね。)|
|~〇×|あれって……。|
|~マキシマ|ふむ……。|
|~〇×|え、やっぱりマキシマさん?|
|~マキシマ|うぉっ……あ、ああ……お前さんか。|
|~〇×|こんなところでどうしたんですか?|
|~マキシマ|いや……なんでも……。|
|~〇×|(なんだろう、お店の中をチラチラ覗いてるけど……。)|
|~〇×|(もしかして……。)|
 
|①|>|CENTER:~調査ですか?|
|~|~〇×|調査ですか?|
|~|~マキシマ|確かに調査といえば、調査なんだが……。|
|~|~〇×|(? 口ごもってどうしたんだろう?)|
 
|②|>|CENTER:~中が気になるんですか?|
|~|~〇×|中が気になるんですか?|
|~|~マキシマ|う……いや、気になると言うことでも&br;いや、その……。|
|~|~〇×|(もしかして、当たりだったのかな?)|
 
|③|>|CENTER:~ガラス越しの自分を見てた?|
|~|~〇×|ガラス越しの自分を見てた……とか?|
|~|~マキシマ|はっはっはっ!&br;そうだな、もみあげが気になってな。|
|~|~〇×|(なんだろう、違った気がするんだけど、&br;マキシマさん楽しんでる?)|
 
|~マキシマ|これはだな、その……。|
|~〇×|(さっきの女の子たちが言ってた人って&br;やっぱりマキシマさんのことだよね。)|
|~〇×|中のケーキが気になる……とか?|
|~マキシマ|う……いや、違うぞ。|
|~マキシマ|ただ、どんな接客をしているのかとか&br;お客の入りで中に怪しい奴がいないかどうかだな。|
|~〇×|(う~ん、そうんな風には見えないけど……。)|
|~〇×|(それに、さっきから欲しそうな目で&br;ケーキをチラチラ見てるし……。)|
|~マキシマ|だからだな。その、そういうことだ。|
|~〇×|えっと……。|
|~〇×|あの、このお店に入りたいんですよね?|
|~マキシマ|いや、そんなことは……。|
|~〇×|でも、ケーキさっきからずっと見てますし……。|
|~〇×|いいじゃないですか。&br;私も好きですよ、ケーキ。|
|~マキシマ|ふぅ……やはりお前さんには嘘はつけんな。|
|~マキシマ|この中のケーキが美味いと聞いてな。&br;来てみたのはいいが、店の中を見て躊躇していたんだ。|
|~マキシマ|さすがに女性客だらけのところに、&br;俺のような大男が入るのはどうか……と思ってな。|
|~〇×|そうだったんですね。&br;じゃあ、一緒に入ってみませんか?|
|~マキシマ|いいのか?|
|~〇×|はい。私も人気のお店だって前に聞いたことがあって、&br;気になっていたんです。|
|~マキシマ|そうか、じゃあお前さんのためにも入らないとな。|
|~〇×|ふふ、そうですね。|
|~〇×|(マキシマさん、嬉しそう。&br;誘ってよかったな。)|
|~マキシマ|それじゃあ早速中に入るとするか。|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|店に入ったのはいいが、なんだか落ち着かないな。|
|~〇×|マキシマさん、大丈夫ですか?|
|~マキシマ|あ、ああ……。&br;周りに見られている気がしてな。|
|~〇×|大丈夫ですよ。&br;みんなスイーツに夢中なはずです……!|
|~マキシマ|それならありがたいんだが……。|
|~〇×|何かほかに気になることでもあるんですか?|
|~マキシマ|い、いや……ケーキが少し気になってな。&br;外からは見えたんだが……。|
|~〇×|(そういえば、お店の中に入ってから&br;ずっとそわそわしながらショーケースの方を見てるよね。)|
|~〇×|どのケーキが気になるんですか?|
|~マキシマ|そうだな……フルーツが沢山のっているケーキか……。&br;いや、やはり無難にショートケーキにするべきか……。|
|~〇×|(ふふ、マキシマさんどのケーキもすごく気になってるんだ。&br;可愛いな。)|
|~マキシマ|このメニューの写真だけだとどうもな……。|
|~〇×|(そっか、だからショーケースを気にしてたんだ。)|
|~〇×|やっぱり本物を見て選びたいですよね。見に行きましょう。|
|~マキシマ|あ、ああ……。|
|~店員|どのケーキになさいますか?|
|~マキシマ|う~ん……こうやって実際見ると、迷ってしまうな。|
|~店員|そうですね、今お勧めのケーキはこちらでしょうか。|
|~マキシマ|ほう、これはチーズケーキだったのか。&br;色を変えて7色の虹に見立ててあるんだな。|
|~店員|はい、さらに上にのったフルーツは&br;厳選素材を使っているんです。|
|~マキシマ|これは、フランボワーズとブルーベリーで&br;さらに彩りを作っているのか。|
|~マキシマ|ふむ、なかなか見た目も面白いが、&br;味にも期待ができそうだ。|
|~店員|はい、もちろんです。|
|~〇×|(マキシマさんすごい。お店の人が言ったことに&br;的確に感想を返してる。)|
|~〇×|(ケーキ本当に好きなんだな。)|
|~マキシマ|よし、決めたぞ。|
|~マキシマ|今のお勧めのケーキと、あとこのオペラとモンブラン、&br;チョコレートケーキに最後はショートケーキを頼む。|
|~〇×|5個も食べるんですか!?|
|~マキシマ|ああ、ちょうど腹が減っていてな。|
|~〇×|(すごい、私だったらそんなに食べられないかも。)|
|~マキシマ|全部そこの席に運んでくれ。|
|~マキシマ|はぁ、楽しみだな。|
|~マキシマ|おっと、いかんいかん。&br;大事なことを忘れていた。|
|~〇×|(ん? マキシマさんどうしたんだろう?)|
|~マキシマ|〇も好きなものを選んでくれ。|
|~〇×|はい。ありがとうございます。|
|~〇×|(どれにしようかな……ん?)|
|~マキシマ|…………。|
|~〇×|(マキシマさんずっと私のこと見てるけど……。&br;どのケーキにするか気になるのかな?)|
|~〇×|え~っと、じゃあ、この期間限定のケーキと、&br;フルーツタルトをお願いします。|
|~店員|かしこまりました。&br;それでは席までお持ちいたしますね。|
|~マキシマ|そんな少なくていいのか?&br;もっと頼んでもいいんだぞ。|
|~〇×|はい、あんまり食べすぎちゃうと、&br;夕食が入らなくなってしまうので……。|
|~〇×|それに、足りなかったら後から追加しますね。|
|~マキシマ|そうか、その手があったか。|
|~〇×|(マキシマさん、本当に甘いものが大好きなんだ。&br;それにしてもいくつ食べるつもりなんだろう?)|
#endregion
 

''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|うん、このお勧めと言われたケーキ、&br;思った通り甘さが上品でしつこくないな。|
|~マキシマ|これなら何個でも食べられそうだ。|
|~〇×|(ふふ、マキシマさんケーキが来てから&br;ずっと上機嫌だな。)|
|~マキシマ|こっちのオペラもチョコレートが&br;スポンジに上手く絡み合っていて舌触りもいい。|
|~〇×|(それにしても本当においしそうに食べるなあ。)|
|~マキシマ|おっと、すまん、ずっとひとりで&br;しゃべってしまっていたな。|
|~〇×|いいえ、マキシマさんが満足してくれてるので&br;安心しました。|
|~マキシマ|ああ、やはりここは人気なだけあるな。&br;〇のおかげで食べることができた。|
|~〇×|そ、そんな、大げさですよ。|
|~マキシマ|いや、そんなことはないぞ。&br;俺ひとりなら入れなかったからな。|
|~店員|お待たせいたしました。&br;こちら季節のパフェでございます。|
|~〇×|え、注文してないと思うんですけど……。|
|~マキシマ|いや、俺が頼んでおいた。&br;ここに置いてくれ。|
|~〇×|(ええっ、いつの間に頼んだんだろう?)|
|~マキシマ|お前さんも食べたいなら遠慮せず頼んでくれ。|
|~〇×|い、いえ、私は目の前にあるケーキだけで大丈夫です。|
|~マキシマ|そうか? お前さんがそういうならそれでいいが……。&br;欲しいときは遠慮なく頼むんだぞ。|
|~〇×|はい、ありがとうございます。|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_マキシマ_スイーツマジック.jpg,zoom,スイーツマジック,259x200);
 
|~マキシマ|うん、このパフェも美味い。&br;フルーツと、この上に乗ってるアイスも絶妙だ。|
|~〇×|(マキシマさん、すごく嬉しそうな顔……。&br;こんな表情なかなか見られないかも。)|
|~マキシマ|……ん? どうしたんだ、食べる手が止まっているぞ。|
|~マキシマ|そんなにこっちを見て、&br;やはりこのパフェが食べたくなったか?|
|~〇×|い、いえ、大丈夫です!|
|~〇×|(マキシマさんを見てた、って言ったら&br;楽しく食べてるところを邪魔しちゃうよね……。)|
|~マキシマ|はぁ、満足した。&br;ごちそうさま。|
|~〇×|ふふっ、すごい食べっぷりですね。|
|~マキシマ|ああ、美味い物はどんどんと手が進んでしまうな。|
|~〇×|(なんだかマキシマさんの食べてる姿見るだけで&br;お腹いっぱいになってきちゃった。)|
|~〇×|マキシマさん、よければこれもどうぞ。|
|~マキシマ|いや、大丈夫だ。&br;まだ入るし、同じものを追加する。|
|~〇×|これ最後の一個だったんです。|
|~マキシマ|なんだと!? しかしそれでは余計……。|
|~〇×|これ、期間限定でもう終わるそうですよ。|
|~マキシマ|そ、それは……。&br;いや、しかし〇のケーキをもらうわけには……。|
|~マキシマ|しかし、最後の一個か……。|
|~〇×|(マキシマさんすごく悩んでる。)|
|~〇×|一つ食べたらもうお腹いっぱいになったんです。&br;だから食べてください。|
|~マキシマ|本当にいいのか?|
|~〇×|はい、もちろんです。|
|~マキシマ|そうか……ならもらおうか。|
|~〇×|ふふ。じゃあ、どうぞ。|
|~マキシマ|ほう、これが期間限定のケーキか。&br;このケーキの上は飴細工で形が作ってあるんだな。|
|~〇×|(すごい、食べる前にじっくり観察してる。&br;こんなに見てくれるなら作ってくれる人も嬉しいよね。)|
|~マキシマ|なかなか堪能させてもらった。&br;次は味だな。|
|~マキシマ|うん、これも美味いな。&br;これが期間限定なんてもったいないな。|
|~〇×|確かにそうですね。&br;見栄えもいいですし、思わず手に取りたくなりますよね。|
|~マキシマ|そういえば、これが終わったら新作が出るってことだよな。|
|~〇×|多分そうだと思いますよ。|
|~マキシマ|じゃあ新作が出たらまた来よう……。&br;いや、一緒に来てくれ。|
|~マキシマ|俺ひとりで入りにくい場所であることは変わりないし……。&br;それに、もっとお前さんとケーキを楽しみたい。|
|~〇×|もちろんです。ぜひ、また一緒に来ましょう!|
|~マキシマ|そうか、良かった。ではレアチーズとティラミス、&br;それとミルフィーユは次来た時の楽しみに取っておこう。|
|~〇×|ま、まだ食べるつもりだったんですね……。|
|~〇×|(ふふ、楽しんでもらえて良かった。)|
|~〇×|(またマキシマさんと、ここに来るの楽しみだな。&br;次来るときは、お腹を空かせて来よう。)|
#endregion
 


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**あたたかな時間 [#SSR02]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(K'さんと歩いてたらマキシマさんがやって来て、&br;そのまま、バイクの乗せられてここまで来たけど……。)|
|~〇×|(特に説明もないし……普段と比べると&br;今日のマキシマさんはなんだか強引?)|
|~マキシマ|――〇。この先を抜けたら右を見てみろ。|
|~〇×|え……はい?|
|~〇×|わあ……海だ!|
|~マキシマ|どうだ? きれいだろう?|
|~〇×|はい!|
|~マキシマ|よし。このまま、海沿いをツーリングと洒落込むか!&br;しっかり掴まってろよ。|
|~〇×|んー! 潮風が気持ちいいですね……。|
|~マキシマ|お前さんのお気に召したのなら何よりだ。|
|~〇×|(海もきれいだけど、砂浜もきれい。&br;バイクから降りて、歩いてみたいな。)|
|~マキシマ|ほら、〇。|
|~マキシマ|降りたいんだろう?&br;支えてやるから、手を。|
|~〇×|ありがとうございます。&br;それじゃ、お言葉に甘えて……。|
|~〇×|…………。|
|~マキシマ|な、なんだ? 人の顔をじっと見て。|
|~〇×|あ、すみません。その……。|
|~〇×|なんだか今日のマキシマさん、強引だったり優しかったりで&br;少し不思議だなって。|
|~マキシマ|あー……。ハハハ。強引になっちまったのは、謝るよ。|
|~マキシマ|自分でもどうかと思ったが……。&br;アイツの前だったんでな。|
|~〇×|……? アイツってK'さんのことですか?|
|~マキシマ|ま、細かいことはいいじゃないか。|
|~マキシマ|それより、せっかく浜辺に降りたんだ。&br;なら、波打ち際まで行ってみるとしよう。|
|~〇×|はい! そうしましょー―きゃっ。|
|~マキシマ|おっと、危ない。……砂浜は足を取られていかんな。|
|~マキシマ|手を繋いでてやるから、気をつけて歩くんだぞ。|
|~〇×|! ありがとう、ございます……。|
#endregion


 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|〇、大丈夫か? 少し疲れたんじゃないか?|
|~〇×|大丈夫ですよ。&br;少しはしゃいじゃいましたけど。|
|~マキシマ|ハハハ、そうだな。|
|~マキシマ|……さて、この後はどうするか。&br;お前さん、どこか行きたい場所はあるか?|
 
|①|>|CENTER:~カフェ|
|~|~〇×|それなら、カフェに行きませんか?&br;少しお腹が空いてしまって……。|
|~|~マキシマ|そういえば、まだ何も食べてなかったな。&br;気づかなくてすまん。|
|~|~〇×|いえ! 私もどこに行きたいかって聞かれて&br;気づいたというか……。|
|~|~〇×|なので、甘い物食べに行きましょう!|
|~|~マキシマ|ハハハ。それは名案だ!|
 
|②|>|CENTER:~ショッピングモール|
|~|~〇×|そうですね……。&br;それなら、ショッピングモールに行きませんか?|
|~|~マキシマ|ああ、いいぞ。&br;こういう機会でもないとゆっくり買い物をすることもないしな。|
 
|~マキシマ|そうと決まれば、早速向かうか。|
|~〇×|あの!|
|~マキシマ|ん?|
|~〇×|その後でいいので、ある場所に行きたい……というか、&br;マキシマさんに来て欲しい場所があるんですけど……。|
|~マキシマ|いきなりかしこまってどうした?&br;俺が行けるところなら構わないが……。|
|~〇×|その……道場に来てもらえませんか?|
|~マキシマ|……!|
|~〇×|夕食……食べていってもらえたら嬉しいなって。&br;ダメでしょうか?|
|~マキシマ|…………。|
|~マキシマ|…………。|
|~マキシマ|……さっきも言ったが、あまり長居はできないからな。|
|~〇×|はい。わかってます。&br;どこに組織の目があるかわからないから、ですよね。|
|~マキシマ|ああ……。|
|~〇×|すぐ夕飯、準備しますね!|
|~〇×|(限られた時間でもいい。少しでもマキシマさんが&br;なんでもない日常を味わってくれたら、それで……。)|
|~草薙京|マネージャー、帰ってきたのか。|
|~草薙京|……って、マキシマ? 珍しいな。|
|~二階堂紅丸|珍しいと言えばそうだけど、俺はなんでマキシマが&br;×ちゃんと一緒なのかのほうが気になるな。|
|~マキシマ|それは……。|
|~矢吹真吾|せっかく来てくれたんですし、手合わせしましょうよ!&br;マキシマさん!|
|~マキシマ|いや、今日は手合わせに来たわけじゃないんだが……。|
|~〇×|マキシマさん、今日は夕食を食べに来てくれたんですよ。|
|~矢吹真吾|おおー! それなら、やっぱり手合わせしましょうよ!&br;はらぺこになってたほうがご飯おいしいですし!|
|~草薙京|……だそうだ。|
|~マキシマ|やれやれ……。|
|~〇×|ふふふ。|
#endregion
 

''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|そろそろ、俺は失礼したほうがよさそうだ。|
|~〇×|あ……そうですよね……。|
 
|①|>|CENTER:~外まで見送ります|
|~|~〇×|それなら、外まで見送ります。|
|~|~マキシマ|そこまで気を回さなくてもいいんだぞ?|
|~|~〇×|いえ……その……。私がもう少し一緒にいたいので。|
|~|~マキシマ|……それなら、外に出るまで少し話すか。|
|~|~〇×|はい。|
 
|②|>|CENTER:~…………|
|~|~〇×|(…………。もう少し一緒にいたいって言ったら&br;困らせちゃうよね。)|
|~|~マキシマ|〇?|
|~|~〇×|あっ。外まで見送ります。|
 
|~マキシマ|今日は、ありがとうな。&br;お前さんと過ごせて楽しかったよ。|
|~〇×|…………。|
|~マキシマ|どうした? そんな顔して。|
|~〇×|あの……次は、いつ会えますか?|
|~マキシマ|っ……。|
|~〇×|(マキシマさんたちは、組織に足取りが掴まれないように&br;頻繁にアジトを替えているし……。)|
|~〇×|(いつも気づいたらいなくなっちゃってるから、今日別れたら&br;またしばらく会えない。わかってたことだけど……。)|
|~マキシマ|――――|
|~マキシマ|……そう不安そうな顔をするな。|
|~〇×|え……。|
|~マキシマ|まあ、俺が言えた台詞じゃないんだろうが。|
|~〇×|マキシマさん……。|
|~〇×|(髪を撫でるマキシマさんの手……すごく優しい。)|
|~マキシマ|……いつもいつも、落ち着けない奴ですまないな。|
|~マキシマ|でも、今日はひとときの夢を見せてもらったよ。|
|~〇×|夢、ですか……?|
|~マキシマ|もしお前さんと一緒に暮らせたら……きっとこんな風に、&br;毎日あたたかい気持ちになれるんだろうな。|
|~〇×|っ……。|
 
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|~マキシマ|……なあ。&br;たまにこうして、また飯を食いに来てもいいか?|
|~マキシマ|今日、お前さんが作ってくれた夕飯、&br;どれも本当に美味かったから。|
|~〇×|マキシマさん……。|
|~〇×|……はい! もちろんです!|
|~〇×|いつでも待ってます。マキシマさん……。|
#endregion

 
''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
Episode:ホワイトデー ~マキシマ編~
|>|道場・母屋――|
|~マキシマ|〇、少しいいか?|
|~〇×|あ、マキシマさん! おはようございます。|
|~〇×|京さんたちに用事ですか?&br;すぐ呼んでくるので待っててくださいね!|
|~マキシマ|いや、今日は〇に用があってな。|
|~マキシマ|今日は……ホワイトデーだろう?&br;だから、その……。|
|~マキシマ|これを渡しに来たんだが……。|
|~〇×|わぁ……! ビン入りのキャンディー!&br;小さなキャンディーが宝石みたいできれいですね……!|
|~〇×|ありがとうございます、大事に食べますね!|
|~マキシマ|そうか!&br;喜んでもらえたなら、良かった。|
|~マキシマ|いつも自分用に甘いものを買ってはいるが、&br;〇に贈るとなると何にするか悩んでしまってな。|
|~マキシマ|……気が付けば&br;スイーツショップで二時間も考え込んでしまっていた。|
|~〇×|ふふっ、そんなに一生懸命選んでくれたんですね。&br;嬉しいです!|
|~マキシマ|…………。|
|~マキシマ|……〇はホワイトデーに&br;キャンディーを渡すことの意味を知っているか?|
|~〇×|意味ですか?&br;うーん……なんでしょう……?|
|~マキシマ|……キャンディーは口の中ですぐなくならないだろう?|
|~〇×|ええ、そうですね。|
|~マキシマ|…………。|
|~マキシマ|それが転じて&br;「永く一緒にいたい」という意味があるらしい……。|
|~〇×|(永く……一緒に……?)|
|~マキシマ|…………。|
|~マキシマ|……〇。|
|~〇×|あの…………わ、私もです……!|
|~〇×|私も、マキシマさんと永く……!&br;ずっと一緒にいたいです……!|
|~マキシマ|ははっ! よかった。|
|~マキシマ|どんな言葉で俺の想いを伝えるか、&br;シミュレーションを重ねたつもりだったんだが……。|
|~マキシマ|いざ〇を前にすると、&br;気の利いた言葉なんてなにも思いつかないな。|
|~マキシマ|これからもよろしく頼む〇。|
|~〇×|はい!|
#endregion

 
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**雨が上がるまで [#SSR03]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''3話''
#region(ネタバレ注意)
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|~|&br;|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_マキシマ_雨が上がるまで.jpg,zoom,雨が上がるまで,259x200);
 
 
|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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**穏やかな潮騒 [#SSR04]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''3話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_マキシマ_穏やかな潮騒.jpg,zoom,穏やかな潮騒,259x200);
 
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''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
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**最高のクリスマスプレゼント [#SSR05]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>|クリスマス・イブの午後3時。|
|~〇×|マキシマさん、ここですよ。|
|~マキシマ|おお。ここがクリスマススイーツビュッフェの店か。|
|~マキシマ|すごい行列だな……さすが人気店。&br;予約を取るの、大変だっただろう?|
|~〇×|それが、意外とあっさり取れたんです。&br;自分でも、ちょっとびっくりしたくらいで。|
|~マキシマ|〇の普段の行いがいいからかもしれないな。&br;お前さんのおかげで、最高のクリスマスになりそうだ。|
|~〇×|(マキシマさん、嬉しそう。&br;ちょっと遠出になっちゃったけど、予約したかいがあったな。)|
|>|ところが――|
|~〇×|え……ダブルブッキング!?|
|~カフェ店員|申し訳ございません、当店のシステムエラーで……。|
|~カフェ店員|夜でしたらお席をご用意できるのですが、いかがでしょうか?|
|~マキシマ|もう1組のカップルは、&br;帰りの電車の関係でこの時間しか利用できないのか。|
|~マキシマ|まあ、俺たちは遅くまで電車があるからな。&br;わかった、夜の空いている時間で予約を取り直してくれ。|
|~カフェ店員|本当に申し訳ございません……。|
|~〇×|……すみません。こんなことになってしまって。|
|~マキシマ|〇は何も悪くない。気にするな。|
|~マキシマ|それに、次回利用できるビュッフェ無料券を&br;ペアでもらったからな。かえってラッキーだったかもしれん。|
|~〇×|(マキシマさん、本当に嬉しそう……。)|
|~マキシマ|さて、夜まで時間をつぶすか。&br;確かそのあたりに、映画館があっただろう? 行ってみるか。|
|>|夜――|
|~マキシマ|さて、ようやく念願のスイーツを拝めるな。|
|~〇×|楽しみですね。どれから取ってきましょうか?|
|~マキシマ|そうだな……まずは全種類、1つずついただくか。&br;それから気に入ったものを、じっくり味わうとしよう。|
|~〇×|……わ、すごい!&br;ケーキ、たくさん持ってきましたね。|
|~マキシマ|何度も往復するより、一度に運んだほうがいいだろう。&br;まずはこの、イチゴのスペシャルクリスマスケーキを……。|
|~マキシマ|ん、うまい!|
|~マキシマ|イチゴの酸味とクリームの甘さのバランスが絶妙だ。&br;これならワンホールいけるな。あとでおかわりを……。|
|~カフェ店員|お食事中、失礼いたします。&br;ただいまフォトサービスを行っているのですが、いかがですか?|
|~マキシマ|フォトサービス……?|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~カフェ店員|記念写真をお撮りして、プレゼントしているんです。|
|~マキシマ|なるほど……そういうサービスもあるのか。&br;せっかくだしな、1枚頼むか。|
|~カフェ店員|ありがとうございます! よろしければ、こちらをどうぞ。&br;クリスマスプレゼントとして、皆様にお配りしているんです。|
|~〇×|(あ……サンタクロースの帽子だ。)|
|~マキシマ|これは、俺がかぶるのか?|
 
|①|>|CENTER:~ぜひかぶってください!|
|~|~〇×|ぜひかぶってください!&br;マキシマさんのサンタ姿、見てみたいです。|
|~|~マキシマ|〇に頼まれたんじゃ、断るわけにはいかんな。&br;よし、ここはマキシマサンタになるか。|
 
|②|>|CENTER:~無理しなくても……|
|~|~〇×|ええっと……恥ずかしかったら、&br;無理しなくてもいいと思いますけど……。|
|~|~マキシマ|いや、今日はクリスマス・イブだ。&br;これくらいいいだろう。|
 
|~カフェ店員|では、お写真お撮りしますね。&br;はい……チーズ!|
|~〇×|ふぅ……たくさん食べましたね。|
|~マキシマ|スイーツ、どれも美味かったな。大満足だ。|
|~マキシマ|……っと。もうこんな時間か。&br;名残惜しいが、そろそろ帰らんとな。|
|~マキシマ|ん?&br;駅のほう、人だかりができているようだが。|
|~〇×|何かあったんでしょうか……?|
|~マキシマ|……電車が止まってるのか?&br;電気系統の異常のようだが……。|
|~マキシマ|復旧の目途が立たないのか……まいったな。&br;仕方ない、タクシーで帰るか。|
|~マキシマ|タクシーも長蛇の列か……。&br;これでは、何時に帰れるかわかったものじゃないな。|
|~マキシマ|かといって、さすがに大門道場まで歩ける距離ではないしな。|
|~〇×|そうですね……どうしましょう。|
|~マキシマ|…………。|
|~マキシマ|お前さん、寒いのは我慢できるか?|
|~〇×|え? あ、はい。着こんできたので大丈夫です。|
|~マキシマ|なら、ちょっとここで待っててくれ。すぐ戻る。|
|~〇×|あ……行っちゃった。|
|~〇×|(マキシマさん、どこに行ったんだろう!)|
|~〇×|(あれ? あの音って……。)|

#endregion

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''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|待たせたな、〇。|
|~〇×|マキシマさん! そのバイク、どうしたんですか?|
|~マキシマ|調べたら、すぐそこにレンタルバイクがあったんでな。&br;これで大門道場まで送ろう。|
|~マキシマ|だいぶ風は冷たいが、&br;いつ動くかわからん電車を待つより、ずっとマシだろ。|
|~マキシマ|ほら、お前さんのヘルメットだ。後ろに乗れ。|
|~〇×|は、はい!|
|~マキシマ|よし、行くぞ。しっかりつかまってろよ。|
|~マキシマ|〇、寒くないか?|
|~〇×|はい! 大丈夫です!|
|~〇×|(バイクに乗ってる間、ずっとマキシマさん、&br;私のこと心配してくれてる。本当に優しいな……。)|
 
|①|>|CENTER:~一緒にバイクに乗れて嬉しいです|
|~|~〇×|マキシマさんの運転するバイクに乗れて、嬉しいです!|
|~|~マキシマ|ハハッ、そうか。お前さんにそう言ってもらえるなら、&br;こんなアクシデントも悪くないな。|
 
|②|>|CENTER:~このままツーリングに行きたいですね|
|~|~〇×|バイク、楽しいですね!&br;このままツーリングに行きたいくらいです!|
|~|~マキシマ|なに? そうか……。|
 
|~マキシマ|だったら、ちょっと寄り道するか。&br;……飛ばすぞ。|
|~マキシマ|……この先だな。よし、行ってみよう。|
|~〇×|(だいぶ街中から離れたみたいだけど、&br;こんな山奥に一体何が……?)|
|~〇×|あれ?&br;あそこに見えるのって……。|
|~〇×|わ、すごい!&br;こんなに大きなクリスマスツリーがあったんですね……!|
|~マキシマ|俺も初めて来たが、なかなかのもんだな。&br;想像以上にデカいツリーだ。|
|~〇×|もしかしてこれ、&br;本物のモミの樹に飾りつけをしているんですか?|
|~マキシマ|ああ、そうだ。|
|~マキシマ|前々から一度は来てみたいと思ってたんだが、&br;場所が場所だけに、バイクや車でないと来れないからな。|
|~マキシマ|スイーツビュッフェの後じゃ、時間も遅いし、&br;お前さんを誘うのもどうかと思ってたんだが……。|
|~マキシマ|まあ、こうして一緒に来ることができてよかった。|
|~〇×|ありがとうございます、マキシマさん。&br;最高のクリスマスです……!|
|~マキシマ|色々とハプニングがあったが、&br;最終的にはよかった……ということか。|
|~マキシマ|俺のほうこそ、素敵なクリスマスを過ごさせてもらった。&br;ありがとな。|
|~マキシマ|せっかくここまで来たんだ、もう少しツリーを眺めるとするか。|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_マキシマ_最高のクリスマスプレゼント.jpg,zoom,最高のクリスマスプレゼント,259x200);
 
#endregion
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''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
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**愛しさのホワイトレディ[#SSR08]
''1話''
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''3話''
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|~|&br;|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_マキシマ_愛しさのホワイトレディ.jpg,zoom,愛しさのホワイトレディ,259x200);
 
|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''スペシャル''
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*SR [#SR_story]
**巨大な影 [#SR01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(今日の買い物はあと本屋さんに寄るだけかな。&br;……あれ? 向こうにいるの、マキシマさんとK'さんだ。)|
|~K'|だからよ、どう考えても駄目だろ、そのままじゃ。|
|~マキシマ|だがこればかりは譲れない。&br;いくら相棒の意見であってもな。|
|~〇×|(なんの話をしてるんだろう……?&br;邪魔しない方がいいかな。)|
|~K'|……ん? おい、アンタ。|
|~マキシマ|おお、〇じゃないか。奇遇だな。|
|~〇×|こんにちは。おふたりともお揃いでお買い物ですか?|
|~マキシマ|ああ、そんなところだ。お前さんもか?|
|~〇×|はい。この後本屋に行こうと思ってて。|
|~K'|ちょうどいいじゃねぇかマキシマ。&br;こいつに話を聞いてみればいいんじゃねぇのか。|
|~マキシマ|〇にか? しかしそれはな……。|
|~〇×|どうしたんですか?&br;何か相談事があるのならお聞きしますよ。|
|~マキシマ|いや、大したことじゃ……。|
|~K'|こいつ、探してる本があるんだとよ。&br;だからアンタが本屋に付き合ってくれると助かる。|
|~〇×|私は構いませんが、K'さんが一緒に探した方が&br;すぐに見つかるんじゃないですか?|
|~〇×|おふたりは仲がいいですし、マキシマさんの探し物も&br;K'さんの方がすぐにわかるような……。|
|~K'|俺は用事がある。じゃあな。|
|~マキシマ|あっ、おい待てK'!|
|~マキシマ|……ちっ、行っちまいやがった。&br;あいつ、余計なことを……。|
|~〇×|マキシマさん、どうしますか?&br;都合が悪いなら別の日でも大丈夫ですよ。|
|~マキシマ|いや、いい。こうまでされたら。&br;俺も腹をくくる覚悟をしなければな。|
|~マキシマ|では、本屋へ行こうか、〇。|
|~〇×|……? は、はい。|
|~〇×|マキシマさんの探してる本ってどんな本なんですか?|
|~マキシマ|俺の用事は後でいい。先にお前さんの用事を済まそう。|
|~〇×|いいんですか?&br;それなら、料理本コーナーに行きましょう。|
|~マキシマ|〇の料理の腕は相当なものだと思うが、&br;まだ腕を鍛えるつもりなのか。感心だな。|
|~〇×|ふふ、ありがとうございます。&br;今日はスポーツマン向けのレシピ本を買おうと思って。|
|~〇×|みなさん格闘家ですし、もっと栄養バランスとか&br;整ったメニューを作れれば、と考えてるんです。|
|~マキシマ|そうか、みんなのことを考えてるんだな。&br;えらいぞ。|
|~〇×|(頭撫でられちゃった……。&br;マキシマさんの手、大きくて硬いけど、優しいな……。)|
|~〇×|……うん、この本にしよう。&br;いい本が見つかって良かった。|
|~〇×|マキシマさん、お待たせしました。&br;……あれ?|
|~マキシマ|ふむ。こういうスイーツがあるのか。&br;ほう、こっちもなかなか……。|
|~〇×|(パティシエ向けの専門誌を読んでる?)|
|~マキシマ|なるほど、こうすることで味に変化が……。&br;今度この著者の店に行かなければ……。|
|~〇×|マキシマさん、その本買うんですか?|
|~マキシマ|ん? お、お前さん、用事はもう済んだのか。|
|~マキシマ|これは見ていただけだ。&br;専門書は普段得られない知識が得られるから面白くてな。|
|~〇×|(マキシマさんらしい考え。&br;でも本当はスイーツが気になってたんじゃないかなあ。)|
|~〇×|マキシマさん。もし私がスイーツを作ったら&br;食べてくれますか?|
|~マキシマ|お前さんがか? 何を作ってくれるんだ?|
|~〇×|さっき読んでいたような本格的なのは無理ですけど、&br;簡単なものでよければ――|
 
|①|>|CENTER:~クッキー|
|~|~〇×|クッキーとかでもいいですか?|
|~|~マキシマ|おお、クッキーか。お手軽な感じでいいな。&br;何かをしながら食べられると言う利点がある。|
|~|~マキシマ|作る時は横で見ていてもいいか?|
|~|~〇×|はい、もちろんです。&br;(マキシマさん、喜んでくれてるみたい。)|
 
|②|>|CENTER:~ケーキ|
|~|~〇×|ケーキとかどうでしょう?|
|~|~マキシマ|ケーキを作ってくれるのか?&br;それは楽しみだな。|
|~|~〇×|ふふ、じゃあ今度来るときに&br;作っておきますね。|
|~|~マキシマ|楽しみにしている。ショートケーキでもチーズケーキでも&br;チョコケーキでもミルクレープでもなんでもいいぞ。|
|~|~〇×|(マキシマさん、本当に甘いものが好きなんだな。)|
 
|③|>|CENTER:~パイ|
|~|~〇×|パイなら作れると思います。|
|~|~〇×|(ちょっと手間がかかるけど、&br;出来ると思うし)|
|~|~マキシマ|パイを作るのは大変じゃないか?&br;もっと簡単なものでもいい。|
|~|~〇×|そ、そうですか?&br;(ちょっと見栄をはっちゃったかな?)|
 
|~マキシマ|お前さんが作ってくれるものはなんでも美味い。&br;楽しみにしている。|
|~〇×|ふふ、ありがとうございます。|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|マキシマさんの見たい本ってどこにあるんですか?|
|~マキシマ|ああ、こっちだ。|
|~〇×|それにしてもなんか意外です。&br;マキシマさんも本屋に来ることってあるんですね。|
|~マキシマ|そんなに変か?|
|~〇×|変というか、ネットで情報を手に入れるので&br;本はあまり買わないのかな、と思ってました。|
|~マキシマ|ネットは筋立てて思考するのには向いてないからな。&br;そういう時は本の方が確実なんだ。|
|~マキシマ|――と、ここだ、ここ。|
|~〇×|えっと、シン……ギュラリティ?|
|~〇×|(人工知能……技術特異点……?&br;うーん、私にはわからないことがたくさん……。)|
|~マキシマ|ちょっと、待っていてくれるか?|
|~〇×|は、はい。|
|~マキシマ|ほう、前とはまた違った本が出ているな。&br;どれを買って行こうか……。|
|~〇×|(全然わからない……。&br;でも、マキシマさん楽しそう。)|
|~マキシマ|うん、これは俺の知らない情報が載っているな。&br;……よし、これとこれと、これにしよう。|
|~〇×|決まりましたか?|
|~マキシマ|ああ、付き合わせて悪かったな。|
|~〇×|わあ……沢山買うんですね。|
|~マキシマ|見ていたら、ついつい欲しくなったんだ。|
|~〇×|そういう時ってありますよね。|
|~〇×|(ふふ、マキシマさん、楽しそう。&br;こっちまで嬉しくなっちゃうな。)|
|~マキシマ|よし、ここはこんなものか。|
|~〇×|じゃあ、お会計に行きます?|
|~マキシマ|いや、もう一ヵ所寄りたい所があるんだが、&br;いいか?|
|~〇×|はい、いいですよ。次はどこですか?|
|~マキシマ|ん~……あんまり行かないところだからな。&br;どこにあるか……。|
|~〇×|(あんまり行かないところ?&br;どの棚を探してるのかな?)|
|~マキシマ|おお、あった、あった。ここだ。|
|~〇×|メンズファッション誌?&br;マキシマさん、こういう本も読むんですか?|
|~マキシマ|いや、こういった棚はほとんど近寄らない。|
|~〇×|じゃあどうして……。|
|~マキシマ|K'に髪型をどうにかしろと言われてな。&br;参考になるものはないかと見に来たんだ。|
|~マキシマ|とはいえ、表紙からして俺には難しそうな&br;髪型ばかりだが……お前さんはどれがいいと思う?|
|~〇×|と、急に言われましても……。&br;今の髪型もマキシマさんらしくていいと思いますし。|
|~マキシマ|……本当か?|
|~〇×|はい。わざわざ変える必要はないんじゃないかな、&br;と思いますよ。|
|~マキシマ|そうか、そうだよな。やはりこのもみあげは&br;俺のアイデンティティだ。|
|~マキシマ|ありがとう、〇。&br;K'にはお前さんのお墨付きが出たと言ってやらないとな。|
|~マキシマ|こんなことなら無理に慣れないコーナーへ&br;来る必要もなかったな。|
|~〇×|あれ、もしかしてマキシマさんが&br;本屋に来たのは……。|
|~マキシマ|……実は、お前さんがどんな髪型を好むのか&br;意見を聞くためだったんだ。|
|~〇×|え……! 私ですか!?|
|~マキシマ|だがどう切り出したらいいかわからなくて、&br;あちこち寄り道をしてしまった。|
|~マキシマ|スイーツの本もシンギュラリティの本も興味が無いわけでは&br;なかったが、本当は今日のお目当てじゃなかったんだ。|
|~〇×|そうだったんですね。でも、&br;どうして私の髪型の好みを知ろうと思ったんですか?|
|~マキシマ|ああ、それは―――|
<K'との回想>
|~マキシマ|髪型をどうにかしろと言われても、&br;何がいいのか俺にはさっぱりだぞ。|
|~マキシマ|それに、このもみあげは俺のアイデンティティだ。&br;これを崩すなど考えられん。|
|~K'|もみあげを嫌う女は多いらしいぜ。&br;あいつはどう思ってんだろうな。|
|~マキシマ|あいつって……〇のことか?|
|~K'|そうやってすぐ名前が出てくるってことは、&br;テメェも相当意識してるってことだな。|
|~マキシマ|おい、K'! あまりからかうんじゃない!|
|~K'|テメェも、髪型を気にするくらいの暇を持てっつてんだ。|
<回想終了>
|~〇×|そんなことが……。|
|~マキシマ|それで、どうせ髪型を変えるなら〇が好むものにしたい&br;と思ったんだが、何がいいかわからなくてな。|
|~マキシマ|で、髪型について勉強するために本屋へ行く行かないの&br;問答をしている時に、お前さんに会ったというわけだ。|
|~〇×|そうだったんですね。&br;私は、マキシマさんは今の髪型が一番いいと思いますよ。|
|~マキシマ|それなら俺はこのままで問題ないな。&br;K'にもきちんとこのことを報告しておこう。|
|~〇×|はい。|
|~〇×|(……もし私が、こういう髪型がいいって言ったら&br;どうするつもりだったんだろう……?)|
|~〇×|(前髪を下ろしたマキシマさんとか、パーマをかけた&br;マキシマさん……ウルフカットのマキシマさんとか……。)|
|~〇×|(見たくないような、ちょっと見てみたいような……?)|
#endregion

 


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**サイボーグの力 [#SR02]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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**温泉合宿 [#SR03]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|×、急な散歩に&br;付き合ってもらって悪かったな。|
|~マキシマ|夜の海は、&br;お前さんにはちと寒かっただろう。|
|~〇×(主人公)|いえ! 月に照らされた海が綺麗で、&br;素敵な思い出になりました。|
|~〇×|何より、&br;マキシマさんと一緒にいられたので……。|
|~マキシマ|はは、なんだ今更。&br;お前さんがそう照れては俺に移るだろう。|
|~マキシマ|……お前さんの手、&br;冷えているな。|
|~マキシマ|温泉にでも浸かってきたらどうだ?|
|~〇×|せっかくの温泉ですもんね。&br;……マキシマさんも入りますか?|
|~マキシマ|俺も一緒に、か?&br;構わないが――|
|~〇×|あっ、でもマキシマさんが&br;無理でなければ……ですが。|
|~マキシマ|ははっ。気にすることはない。|
|~マキシマ|俺のボディは防水性なんだ。&br;長時間でなければ湯に浸かるぐらいは平気さ。|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|(×……。&br;どこか寂しげな顔をしていたな。)|
|~マキシマ|(いや、その顔をさせているのは&br;俺なんだが……どうしたものか。)|
|~マキシマ|(もっと寂しい顔をさせると分かりつつ、&br;離してやれない自分がいる……。)|
|~マキシマ|(何も心配させず、ただ笑って&br;過ごさせてやりたいんだがな……。)|
|~マキシマ|良い湯だったな。&br;お前さんもよく温まったか?|
|~〇×|はい!&br;芯から温かくなりました。|
|~〇×|マキシマさん、明日の朝には出発ですよね。&br;早めに眠らないと――|
|~マキシマ|なあ……×。|
|~マキシマ|お前さんさえよければもう少し俺に時間をくれないか。|
|~マキシマ|長く共にいればいる分、&br;離れたときに寂しくさせるとは、わかっているんだが。|
|~マキシマ|どうも俺はまだ、お前さんと一緒にいたいようだ。|
|~〇×|……!&br;私も、マキシマさんともう少し思い出を作りたいです。|
|~マキシマ|そうか……!&br;思い出はいくつあっても足りないだろうからな!|
|~マキシマ|ははっ! 夜はこれからだぞ×。&br;覚悟してくれよ。|
#endregion
 


-----

**小さなぬくもり [#SR04]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>|渋谷のセーフハウス――|
|~マキシマ|急に呼び出してすまんな、〇。|
|~〇×(主人公)|いいえ、大丈夫ですよ。&br;夕ご飯の買い出しまでは、まだ時間もありますし。|
|~〇×|それでマキシマさん。&br;頼みっていうのは……その子ですか?|
|~マキシマ|ああ、そのとおりだ。&br;このいたずら小僧には、本当に参っていてな……。|
|~リス|キュッ!|
|~マキシマ|って、こら! 俺のもみあげをかじるんじゃない!&br;くすぐったいだろう!|
|~〇×|ず、ずいぶん元気なリスちゃんですね。|
|~マキシマ|まったくだ……。|
|~〇×|でも、どうしてリスちゃんがここに?&br;前から飼っていたわけではないんですよね?|
|~マキシマ|ああ。先日、山中で隠密行動を取っていたときに&br;こいつが俺からくっついて離れなくなっちまったんだ。|
|~マキシマ|山に帰してやろうにも&br;帰そうとするたびに暴れ回ってな……。|
|~マキシマ|K'には、樹だと思われてるんだろと茶化されるし&br;もうお前さんを頼るほか、思いつかなくてな。|
|~〇×|そうですね。確かにこれはどうしていいか……。|
|~マキシマ|こいつときたら、俺の周りをうろちょろするから&br;踏み潰しやしないかヒヤヒヤするし――|
|~マキシマ|なんでもかじりたがるもんだから、いずれケーブルをかじって&br;感電するんじゃないかと思うと、気が気じゃなくてな。|
|~マキシマ|おかげで、一晩かけてアジト中のケーブルというケーブルに&br;テープを巻くという地味~な仕事をさせられた。|
|~リス|キュウ?|
|~マキシマ|なに首を傾げているんだ。&br;お前さんの話をしているんだぞ。|
|~リス|キュキュウ?|
|~〇×|ふふっ。|
|~マキシマ|頼む、笑わんでくれ……。|
|~〇×|すみません。でもその子&br;すごくマキシマさんになついているみたいですよ。|
|~マキシマ|だから困っているんだ。|
|~マキシマ|なあ、お前さん。&br;よかったらこいつを引き取ってくれんか?|
|~〇×|この子を道場で飼えないかってことですよね。&br;うーん……。|
|~〇×|さすがに犬猫は難しいでしょうけど、このくらい小さな&br;生き物なら大門さんも許してくれるかもしれないですし……。|
|~〇×|わかりました。&br;ひとまずお預かりしてみますね。|
|~マキシマ|そうか、助かる。|
|~リス|キュー……。|
|~マキシマ|ほら、このお嬢さんについていくんだぞ。|
|~リス|キュ!|
|~マキシマ|こら、こっちに来るんじゃない!&br;あっちだ、あっち!|
|~リス|キューッ!|
|~〇×|(あらら……。)|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|まったく……!&br;どうして言うことを聞いてくれないんだ。|
|~リス|キュ?&br;キュイキュイ!|
|~〇×|ダメみたいですね……。|
|~〇×|リスちゃん、やっぱりマキシマさんのところから&br;離れたくないんじゃないですか?|
|~マキシマ|むぅ……。|
|~〇×|マキシマさんの気持ちもわかります。&br;でも……。|
 
|①|>|CENTER:~飼ってあげられませんか?|
|~|~〇×|どうしても飼ってあげられませんか?|
|~|~マキシマ|どうしてもというわけではないんだが……。|
 
|②|>|CENTER:~寂しいんだと思います|
|~|~〇×|この子もきっと寂しいんだと思います。|
|~|~〇×|リスちゃんからしたら、理由もわからずに&br;大好きな人から引き離される気持ちなんじゃないでしょうか。|
|~|~マキシマ|う……。&br;その状に訴えかける言い方は卑怯だぞ、〇……。|
 
|~マキシマ|俺はほら、この体だろう。&br;こう小さいと、つい加減を間違えてしまわないか……不安でな。|
|~〇×|……大丈夫だと思いますよ。&br;マキシマさんの優しさは、ちゃんと伝わってます。|
|~リス|キュウ……♪|
|~〇×|ほら、リスちゃんも&br;マキシマさんの手の中で、こんなにリラックスしてます。|
|~〇×|マキシマさんのそばが、安心できる場所だって&br;わかってるんですよ。|
|~マキシマ|……〇。|
|~マキシマ|はぁ、まったく。&br;お前さんには勝てんな。|
|~マキシマ|わかった。こいつはしばらくここで面倒を見よう。|
|~マキシマ|ただ、また何かあったら&br;そのときは相談に乗ってもらえるか?|
|~〇×|はい! もちろんです!&br;私も、リスちゃんについて勉強しておきますね。|
|~マキシマ|ああ、助かる。|
|~マキシマ|リス、飼い方……検索、っと……。|
|~マキシマ|ケージに巣箱、エサ、床材、おもちゃ……。&br;ああ、給水器もか。|
|~マキシマ|とりあえず、全部注文しとくか。&br;あって損はしないだろう。|
|~リス|キュウ?|
|~マキシマ|こら、待ってろ。&br;今、お前さんのエサを買ってるところだからな。|
|~リス|キュ!|
|~マキシマ|ふっ。返事だけは一人前だな。|
|~マキシマ|というか、いつまでもお前さん呼びじゃ不便だな。&br;何か名前をつけてやらんと……。|
|~マキシマ|ん? なんだ、お前さんメスか。|
|~マキシマ|そういえばその目、どこかで見たことあると思ったら……。&br;彼女に似てるな。|
|~マキシマ|まん丸くて黒めがちで……。&br;毛の色も彼女の髪にそっくりだ。|
|~マキシマ|ははっ、ちょこちょこと動き回るとこもよく似てる……。|
|~マキシマ|…………。|
|~マキシマ|……×?|
|~マキシマ|はは、なーんてな。|
|~K'|…………。|
|~マキシマ|…………。|
|~K'|……邪魔したな。|
|~マキシマ|ち、ちちちち違う!&br;違うぞ! 今のは!!|
|~K'|別に何も見てない。&br;アンタがリスを、アイツの名前で呼んでいたところとかな。|
|~マキシマ|だから違うぞ、K'! ま、待ってくれ!&br;これはだな……って、お前さん笑ってないか!?|
#endregion

 


-----

**夜デート [#SR05]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|〇!&br;すまん、待たせたな。|
|~〇×(主人公)|いえ、大丈夫です――って、&br;マキシマさん、今日はスーツなんですね……!?|
|~マキシマ|ああ、これか。さっきまで任務で潜入してたもんでな。&br;変装みたいなものだが、そのまま来たんだ。|
|~〇×|そうだったんですか……。&br;任務の方は、もう大丈夫なんですか?|
|~マキシマ|ああ、さっき超特急で片付けてきた。|
|~〇×|もしかして、無理をしたんじゃ……。|
|~マキシマ|いや、そんなことはない。&br;もともと、そこまで難しい仕事じゃなかったし――|
|~マキシマ|それに、お前さんとの約束があるんだ。&br;野暮な用事に時間をかけちゃいられないからな。|
|~〇×|(私との約束のために、急いでくれたなんて……。&br;ちょっと心配だけど、嬉しいな。)|
|~〇×|(それにしても、正装のマキシマさん、&br;いつもと雰囲気が違って、なんだか――)|
|~マキシマ|ん? どうした?&br;俺がこんな格好で傍にいると、落ち着かないか?|
|~〇×|いえ……そ、そんなことないです!|
|~〇×|今日のマキシマさん、いつもと雰囲気が違うけれど、&br;ビシッとしてて素敵です。|
|~マキシマ|ははっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。|
|~マキシマ|まあ、これから向かうのは、&br;こんな格好で行くような場所じゃないかもしれないがな。|
#endregion


 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|うむ、美味い……!&br;この店のティラミスは絶品だな!|
|~〇×|(ふふ……本当に美味しそうに食べるなぁ、マキシマさん。)|
|~マキシマ|〇、そっちのケーキはどうだ?|
|~〇×|はい、とっても美味しいです。|
|~マキシマ|そうか、よかった。&br;お前さんが選んだやつも美味そうだったからな。|
|~マキシマ|どちらにしようか、少し迷っていたんだ。|
|~〇×|あ、じゃあこっちのケーキもひと口食べます?|
|~マキシマ|おっ? もしかして、&br;あーん、で食わせてくれるのか?|
|~〇×|マキシマさんがそうしたいなら……。|
|~マキシマ|……! お、おいおい、冗談だ。&br;〇、意外と大胆だな……?|
|~マキシマ|まあ、こうして俺とスイーツの店に入れるんだから、&br;お前さんが周りを気にしないのは知っていたが。|
|~〇×|どうしてですか?|
|~マキシマ|どうしてって……この図体を見ればわかるだろう?|
|~マキシマ|普通、周りの目が気になって、&br;こういう場所で俺と一緒ってのは躊躇してもおかしくない。|
|~〇×|私、マキシマさんと一緒にいることに、&br;躊躇なんてしませんよ。|
|~〇×|スイーツのお店でも、どこへでも一緒に行きます。|
|~マキシマ|なっ……。&br;か、かなわんなぁ、お前さんには……。|
|~マキシマ|こんな俺とでも、構わないって言うなら……。&br;またこうして、一緒に食事してくれると嬉しい。|
|~マキシマ|それと……や、やっぱりそのケーキ、&br;ひと口食べさせてくれるか……?|
#endregion
 


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**KOFG学園 [#SR06]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(やっとお昼休みか……なんだか今日は体が重いなあ。&br;最近、夜あまり眠れないせいかな……。)|
|~〇×|(でも、怠いだけで、病気ってわけでもないし。&br;このまま何とか午後の授業まで――)|
|~???|なあ、お前さん。ふらついてるが、大丈夫か?|
|~〇×|あ、はい。大丈夫、です――あ、あれ……?|
|~〇×|(急に、意識が遠く――)|
|~???|おい、どうした!? しっかりしろ!|
|~〇×|――う……ここは……保健室?|
|~???|お、目が覚めたな。&br;だが急に起き上がらないほうがいい。|
|~???|保健医によると、軽い寝不足だとさ。&br;もうしばらく休んでいれば、気分もよくなるはずだ。|
|~〇×|そうですか……あの、あなたは……?|
|~マキシマ|おっと、怪しい者じゃないぞ。3年のマキシマだ。|
|~マキシマ|偶然、お前さんが倒れたところに居合わせてな。&br;ここまで運んできた。|
|~マキシマ|お前さんを見た後、保健医が席を外してしまって、&br;代わりに様子を見てたってわけだ。|
|~〇×|そうだったんですね。すみません、ご迷惑をおかけして……。|
|~マキシマ|そんなに畏まることはないさ。&br;倒れた奴をそのまま放ってはおけないだろう?|
|~マキシマ|それに、お前さん一人を運ぶくらい、軽いもんだ。|
|~〇×|ありがとうございます……。|
|~〇×|(言われてみると、この人――マキシマ先輩、&br;がっしりした体格だなあ……きっと力持ちなんだろうな。)|
|~〇×|(先輩だからかな?&br;同級生たちよりもなんだか頼りがいがありそうというか……。)|
|~マキシマ|ん? どうした?|
|~〇×|い、いえ! その……なんでもないです!|
#endregion


 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|おっと、お前さんの名前をまだ聞いてなかったな。|
|~〇×|あ……2年の〇×です。|
|~マキシマ|〇か。最近よく眠れてなかったのか?|
|~〇×|そうなんです。なんとなく寝付けない日が続いて……。|
|~マキシマ|そうか……体には休息が必要だが、&br;そういう時もあるよな。|
|~マキシマ|まあ無理をしないことだ。調子が悪いと感じたら、&br;早退するか、こうして保健室で休んだらどうだ?|
|~〇×|はい。今度からそうしますね。|
|~マキシマ|よし、いい返事だ。|
|~マキシマ|そうだ。〇、食欲はあるか?|
|~〇×|え? はい、あります。|
|~マキシマ|そうか……よかったらこれ、食うか?|
|~〇×|わあ、美味しそうなクッキーですね!&br;あ……でもこれ、手作りみたいですけど――|
|~〇×|彼女さんのお手製なら、私が食べるのは悪いですよ。|
|~マキシマ|おいおい、そりゃ勘違いだ。&br;俺に彼女はいない。|
|~〇×|じゃあ、ご家族が作られたとか?|
|~マキシマ|いや……俺が作ったんだ。|
|~〇×|えっ! マキシマ先輩が?|
|~マキシマ|ああ……俺みたいなのが菓子作りなんて、&br;似合わないだろうけどな。|
|~〇×|そんなことないです! とても素敵だと思います。|
|~マキシマ|……! そ、そうか?|
|~〇×|はい。このクッキー、いただいてもいいですか?|
|~マキシマ|あ、ああ。もちろんだ。|
|~〇×|いただきます――う~ん、美味しい!&br;サクサクして、甘くて……!|
|~マキシマ|ははっ、そんなに美味そうに食ってもらえりゃ、&br;作った甲斐があるってもんだ!|
|~マキシマ|糖分補給は脳にも必要だし、&br;何より、甘いものは元気が出るからな。|
|~〇×|はい、すごく元気が出てきました!&br;マキシマさんのお菓子、すごいです……!|
|~マキシマ|こ、こらこら、褒めすぎだ。|
|~マキシマ|しかし……こんなに喜んでもらえるなら、&br;いくらでも作りたくなるなぁ。|
|~マキシマ|元気になったら、試食もかねてまた付き合ってくれるか?|
#endregion
 


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**鋼鉄の指導者 [#SR07]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(踊り子としてこの宮殿に連れて来られて、&br;しばらく経つけど――)|
|~〇×|(ただ儀式の日を待つだけじゃなくて、踊りの稽古に、&br;礼儀作法の勉強……けっこうやることが多いな。)|
|~通訳の青年|踊り子様、教育係が参りました。|
|~マキシマ|本日も指導をつとめさせていただきます。&br;踊り子の自覚をもって、立ち振る舞いを学んでください。|
|~〇×|は、はい……!|
|~〇×|(マキシマさん、今日も教育係がさまになってて、&br;思わず背筋が伸びる……。)|
|~マキシマ|指導に集中したいので、人払いをお願いします。|
|~通訳の青年|わかりました。何かあればお呼びください。|
|~マキシマ|――よし、怪しまれてる様子はないな。|
|~マキシマ|〇、調子はどうだ?&br;何も変わりはないか?|
|~〇×|はい、私は大丈夫です。&br;すみません、何度も様子を見に来てくれて……。|
|~マキシマ|なあに、潜入は俺の本業だ。&br;これくらい朝飯前ってやつさ。|
|~マキシマ|とはいえ、気を抜くなよ。どこで誰が見てるかわからん。&br;怪しまれないように、今日も一応、指導はやるからな。|
|~〇×|はい。よろしくお願いします。|
|~マキシマ|昨日やった、式典での作法は及第点だった。&br;今日はマナーのレッスンだ。|
|~マキシマ|儀式は、他の国から金持ちやお偉いさんも見に来るらしい。&br;その時に備えて、挨拶の仕方を教えておく。|
|~マキシマ|ヨーロッパでは、女性がやる伝統的な挨拶をカーテシーという。&br;膝を曲げて、腰を落とす……こういう具合に。|
|~マキシマ|どうだ、できそうか?|
|~〇×|やってみます――こ、こうですか?|
|~マキシマ|背筋は伸ばしたままだ。バランスを崩さないよう気をつけろ。|
|~マキシマ|もう少し、片方の足を後ろへ引いて――|
|~〇×|(マキシマさん、博識だし熱心に教えてくれて、&br;本当に先生みたい。)|
|~マキシマ|――よし、その調子だ。&br;もう少し練習すれば、自然にできるようになるだろう。|
|~マキシマ|お前さんは飲み込みが早いから、&br;教育係のふりとはいえ、教えがいがあるよ。|
|~〇×|ありがとうございます……!|
|~マキシマ|ふっ……やっと少し、表情が柔らかくなったな。|
|~〇×|えっ? 私の顔、強張ってました?|
|~マキシマ|というか、どことなく不安そうだった。&br;まあこんな状況だ、無理もない。|
|~〇×|(確かに……みなさんとずっと離れてるし、&br;帰してもらえるのかもわからない。)|
|~〇×|(不安じゃないと言えば嘘になる。でも……。)|
|~〇×|マキシマさんがこうして会いに来てくれるおかげで、&br;ほっとします。本当に感謝してます。|
|~マキシマ|……そうか。お前さんのためになってるなら、何よりだ。|
|~マキシマ|何かあれば、いつでも俺に言うんだぞ。|
|~〇×|はい! 今のところは、大丈夫です。|
|~〇×|宮殿のみなさんも、親切にしてくれますし。&br;というか、丁重すぎて困るくらいですけど……。|
|~マキシマ|確かに、大事にもてなされてるみたいだな。&br;まるでお姫様の扱いだ。|
|~マキシマ|つまり俺は、お姫様の教育係ってわけか。&br;こいつは身に余る光栄ってやつだなぁ。|
|~〇×|か、からかわないでください――|
|~通訳の青年|失礼します。ご指導の様子はいかがですか?|
|~〇×|っ!!|
|~〇×|(し、しまった。すっかり気を抜いて、&br;いつもの調子で喋っちゃってた……。)|
|~〇×|(マキシマさんの正体がばれたら、どうしよう……!)|
|~マキシマ|…………。|
#endregion


 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~通訳の青年|……? 踊り子様、どうかなさいましたか?|
|~〇×|(ど、どうしよう。なんて誤魔化せば――)|
|~マキシマ|気が抜けていますよ、踊り子様!!|
|~〇×|は、はいっ!?|
|~〇×|(マ、マキシマさん……!)|
|~マキシマ|そんなことでどうしますか。儀式の日が近づいているのですよ。&br;踊り子としての自覚ある振る舞いをなさってください!|
|~マキシマ|さあ、指導の続きです。&br;こちらから向こうの壁まで歩いてみてください。|
|~〇×|わかりました……!|
|~マキシマ|歩き方や何気ない仕草にも、優雅さが必要です。&br;足の運びや手の振り方を意識して!|
|~〇×|こ、こうでしょうか?|
|~マキシマ|もっと背筋を伸ばして――こうです!|
|~〇×|ひゃっ! す、すみませんっ!|
|~通訳の青年|なんて頼もしい指導だ……順調そうですね。|
|~通訳の青年|踊り子様、頑張ってください。&br;こちらに心ばかりの差し入れを置いていきますので。|
|~通訳の青年|それでは、失礼いたしました。|
|~〇×|……よ、よかった……。&br;怪しまれなかったみたいですね……。|
|~マキシマ|ああ、上手く誤魔化せたらしい。|
|~マキシマ|いきなり悪かったな。驚かせちまったか?|
|~〇×|いいえ、おかげで助かりました。|
|~マキシマ|しかし、お前さんもちゃんと調子を合わせてくるなんて、&br;なかなか役者じゃないか。|
|~〇×|そ、そうですか?|
|~〇×|(マキシマさんの勢いに乗せられただけなんだけど……。)|
|~〇×|あ、そういえば、差し入れってなんでしょう?|
|~マキシマ|む……! これは、バスブーサか……!|
|~〇×|バスブーサ、っていうんですか?&br;見た目はカステラみたいですね。|
|~マキシマ|あ、ああ。スポンジにシロップを染み込ませた、&br;伝統的なケーキでな……。|
|~〇×|わあ、素敵ですね。|
|~マキシマ|うむ、そうだな……甘くて、美味そうだ……。|
|~〇×|(あ……マキシマさん、&br;甘い物が好きだから、気になるのかな?)|
|~〇×|あの、マキシマさん。どうぞ食べてください。|
|~マキシマ|い、いや、そういうわけにはいかん。&br;これはお前さんへの差し入れだ。|
|~〇×|じゃあ、半分こしません?|
|~マキシマ|…………いいのか?|
|~〇×|もちろんです。はい、どうぞ。|
|~マキシマ|そ、そうか。じゃあ、いただくか……。|
|~マキシマ|――うん、シロップがたっぷり染み込んでいて、満足感が凄いな。&br;口の中に広がるローズウォーターの香りも堪らない。|
|~〇×|(さっきは教育係のふりをきっちりこなしてたのに、&br;今は甘いものを食べて幸せそうな顔してる……可愛い。)|
|~マキシマ|……! す、すまん。&br;つい夢中になってしまっていたな。|
|~〇×|あ、いえいえ。&br;さっきと別人みたいだなって……ふふ。|
|~マキシマ|……俺はそもそもセンセイだとか、&br;人に物を教えるなんて、柄じゃないんだ……。|
 
|①|>|CENTER:~頼もしかったです|
|~|~〇×|マキシマさん、先生らしくて頼もしかったですよ。&br;何でも知ってて、教え方も上手で……熱心で。|
|~|~マキシマ|そうか……? お前さんがそう言うんなら、&br;日本に戻ってからも指導してやろうか?|
|~|~マキシマ|お望みなら、ビシバシ厳しくいくぞ?|
|~|~マキシマ|はは、なんて冗談だ。|
 
|②|>|CENTER:~厳しかったです|
|~|~〇×|でもさっき、すごく厳しくて驚いちゃいました。|
|~|~マキシマ|おっと、やりすぎたか?&br;怖がらせちまったなら、悪かったな。|
 
|~マキシマ|まあ、しかし柄じゃないとも言ってられない。&br;お前さんはもっと大変なんだからな。|
|~マキシマ|踊り子だとまつりあげられ、&br;雨を降らせてほしいなんて期待されて――|
|~マキシマ|すぐにでも助け出してやりたいが……。&br;時間がかかっちまってて、すまんな。|
|~〇×|そんな、私なら大丈夫ですよ。&br;私こそみなさんにご迷惑をかけてしまって……。|
|~マキシマ|いや……お前さんは実際、よくやってるよ。|
|~〇×|(あ……な、撫でられた。&br;マキシマさんの手、大きくて……安心するなぁ。)|
|~マキシマ|ナギが何とかしてくれるまでの辛抱だ。&br;それまでの間、俺がまたこうして様子を見に来る。|
|~マキシマ|もちろん、指導も続けることになるからな。&br;よろしく頼むぞ、お姫様。|
|~〇×|はい! こちらこそ――って、&br;お姫様じゃないですよ……!|
|~マキシマ|はは、いい顔だ。お前さんのその顔が見られるんなら、&br;教育係も悪くないかもな。|
#endregion
 

''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
Episode:鋼鉄の指導者(後日談)
|~〇×|ふう……セールだからって、ちょっと買いすぎたかな。&br;でも、美味しそうなサバが買えてよかった。|
|~〇×|(砂漠の国から帰ってきて、しばらく経つけど――&br;すっかり日常に戻った感じがする。)|
|~〇×|(踊り子になれって言われて、宮殿で過ごしたなんて……。&br;なんだか全部、夢だったみたい。)|
|~マキシマ|よう、〇。|
|~〇×|あ、マキシマさん! こんにちは。&br;旅行の時以来ですね|
|~マキシマ|ああ。向こうで色々あって疲れが出てないか心配だったが、&br;元気そうで安心した。|
|~マキシマ|ところで、ずいぶんと大荷物だな。|
|~〇×|あはは、ちょっと買いすぎちゃって……。|
|~マキシマ|一人で運んでいくのは大変だろう。道場まで持つぞ。|
|~〇×|えっ、でもそんな……悪いですよ。|
|~マキシマ|いやいや、&br;お姫様にこんな重い荷物を持たせるわけにはいかないからな。|
|~〇×|ありがとうございます――って、……お、お姫様!?&br;なんですか、お姫様って……!|
|~マキシマ|なんですかって、宮殿ではそうだっただろう?|
|~マキシマ|俺が教育係で、〇が踊り子様――&br;といっても、あれはほとんどお姫様扱いだったからなあ。|
|~マキシマ|では、お姫様。&br;その荷物、教育係の私が持ちましょう。|
|~〇×|か、からかわないでください!|
|~マキシマ|あの時の指導、なかなか様になっていたと思ったんだがなぁ。|
|~〇×|そ、それは確かに……。&br;本当の先生かと思うくらいで、びっくりしました……。|
|~マキシマ|ははっ! それは何よりだ。&br;あの時言っただろ? 日本に戻ってからも指導するってな。|
|~〇×|言ってましたけど……。&br;でも、何を教えてくれるんですか?|
|~マキシマ|例えば、そうだな――|
|~マキシマ|姫様、姿勢が悪くなってますよ!&br;立つときは顎を引く!|
|~〇×|は、はいっ!|
|~〇×|(あ……教育係をしてもらってた時の癖で、つい反応しちゃった。)|
|~マキシマ|ふっ――ははは!&br;ほら、お前さんもすっかりその気じゃないか。|
|~〇×|ち、違いますってば!|
|~マキシマ|お前さんは本当に素直だな。&br;それでこそ教えがいがある。|
|~マキシマ|人に物を教えるなんて、柄じゃないと思ってたが――&br;お前さん相手なら、悪くないもんだ。|
|~マキシマ|さあ、参りましょうか、お姫様?|
#endregion
 
-----

**誘いの悪魔 [#SR08]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|おお……! ずいぶんでかいケーキだな!|
|~〇×(主人公)|本当ですね! ウェディングケーキって、&br;友達の結婚式で見たことはありましたけど――|
|~〇×|こんなに間近で見るなんて、初めてかも……。|
|~マキシマ|俺は実物自体、こうして見るのは初めてだ。|
|~マキシマ|うーむ……撮影が終わったら食べてもいいか、&br;ちょっとスタッフに聞いてみるか。|
|~〇×|(スイーツの食べ歩きをしてたら、マキシマさんが結婚式用の&br;ケーキ会社の広告撮影にスカウトされて――あの時は驚いたな。)|
|~〇×|(しかも、花嫁役が来られなくなったからって代理で私まで……。&br;でもマキシマさんとなら、楽しく撮影が出来そう。)|
|~マキシマ|見れば見るほど見事だなあ……。&br;クリームがたっぷり使われていて、美味そうだ。|
|~〇×|ふふっ。マキシマさんは、本当にスイーツが好きですよね。|
|~マキシマ|あ……ああ。&br;どうしても、甘いものには目がなくてなあ……。|
|~〇×|マキシマさんのそんなところ、&br;ちょっと可愛いなあって思っちゃいます。|
|~マキシマ|こ、こら。からかってるのか?|
|~〇×|ふふっ、そんなことないですよ。|
|~マキシマ|…………。|
|~〇×|あ……マキシマさん?&br;すみません。怒りました……?|
|~マキシマ|いや、そうじゃない……。|
|~マキシマ|――お前さんも、甘くて美味そうだと思ってな。|
|~〇×|……え?|
|~マキシマ|おっと、気を抜いて元の姿に戻ってしまったな。&br;俺としたことが……。|
|~〇×|えっ――ええっ!?&br;マキシマさん、その格好……どうしたんです!?|
|~マキシマ|はあ……ばれてしまったのなら仕方がない。&br;お前さんに、全部白状するとしよう。|
|~マキシマ|俺は人間じゃない。サイボーグでもない。&br;実は……悪魔なんだ。|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(マキシマさんが、悪魔……?&br;な、なんだろうこれ……夢なのかな?)|
|~マキシマ|お前さんは知らないだろうが、&br;この世界には、無数の魔物が蠢いてる。|
|~マキシマ|人間を餌食にしようと、闇の中から狙っている奴らもいる。|
|~マキシマ|そして……〇。お前さんはそんな奴らにとって、&br;とびきりのごちそうなんだよ。|
|~〇×|わ、私が……?|
|~マキシマ|純真で善良な人間ほど、美味いものはないからなあ。|
|~マキシマ|奴らはお前さんを食ってやろうと、あちこちでつけ狙ってるんだ。|
|~〇×|全然、気づきませんでした……。|
|~マキシマ|そりゃあそうだろうな。俺も話す気はなかった。&br;お前さんを怖がらせたくなかったからな。|
|~マキシマ|このまま何も知らせず、&br;お前さんを守れれば、それでいいと思っていた。|
|~〇×|じゃあマキシマさんは、私のことをいつも、&br;そんな魔物から守ってくれていたんですか?|
|~マキシマ|まあ、な。悪魔の俺にとって、&br;たいていの魔物を始末するのは、わけもない。|
|~マキシマ|それよりも問題なのは……俺自身、&br;お前さんに惹かれてるってことだ。|
|~〇×|……! マキシマさんも、その……。&br;私のことが、美味しそうだと……?|
|~マキシマ|……ああ、そうだ。お前さんはどんなスイーツよりも、&br;とびきり甘くて美味そうで……。|
|~マキシマ|傍にいるだけでも、自分を抑えるのに苦労してたんだぞ?|
|~マキシマ|いつかお前さんを食ってしまうかもしれない。&br;そう思いながらも、どうしても離れられない――|
|~マキシマ|まったく、我ながら救いようがないぜ。|
|~〇×|(マキシマさん……葛藤しながら、&br;私のことを守ってくれてたんだ……。)|
|~〇×|……マキシマさん。私……。&br;マキシマさんになら――|
|~マキシマ|おっと、そこまでだ。|
|~〇×|(わっ……マキシマさんの指で、&br;口をふさがれて……。)|
|~マキシマ|いいか〇。その先を言ったら……。|
|~マキシマ|俺は今すぐにでも、&br;お前さんに食らいついちまうぜ……?|
#endregion
 


-----
**無人島ロマンス [#SR09]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|ううむ。無人島で肝試しとは、また妙なことになったな。|
|~〇×|はい……なんだか、本当に幽霊が出そうですね……。|
|~マキシマ|ははっ、安心しろ。幽霊なんぞいやしないさ。|
|~マキシマ|それにしても、二人一組で行くというのはいいとして……。&br;この手錠は必要なのか?|
|~〇×|う……わからないですけど……。&br;そういうルールみたいなので仕方ないですね……。|
|~〇×|(そう、パートナーとは手錠で繋がれていて……。&br;ゴールにたどり着いたら外してくれるらしいんだよね。)|
|~マキシマ|やれやれ、妙な趣向だな。&br;これじゃあ、俺がお前さんを捕まえてるみたいじゃないか。|
|~マキシマ|どうも後ろめたい気分になるな……。|
|~〇×|(そ、そう言われてみると、&br;ちょっと落ち着かないかも……。)|
|~マキシマ|す、すまん、おかしなことを言った。&br;早いところ、肝試しをクリアしてしまおう。|
|~〇×|(うう……暗くて道がよく見えない……。でも、&br;マキシマさんが近くにいるのはわかるからなんだか安心するな。)|
|~マキシマ|〇、大丈夫か?|
|~〇×|はい。&br;……この手錠があってよかったかもしれません。|
|~マキシマ|手錠が?どうしてだ?|
|~〇×|だって、暗くてよく見えなくても&br;マキシマさんとはぐれる心配がないですし。|
|~マキシマ|ああ、確かにそうだな。|
|~〇×|だけど、本当にこっちで合ってるんでしょうか?&br;暗くてよくわからないですね。|
|~マキシマ|心配ない。俺はセンサーで暗闇でも見えているし、&br;向こうから潮の匂いもする。このまま進もう。|
|~〇×|はい……!|
|~〇×|きゃああっ!?お、オバケ――!?|
|~マキシマ|……〇、大丈夫だぞ。&br;ただの人形だ。|
|~〇×|び、びっくりしました……。|
|~マキシマ|人が通ると飛び出す仕組みになっているとは、&br;意外と本格的だなあ。|
|~マキシマ|それよりも、〇|
|~〇×|(あっ!わ、私、マキシマさんの手を握っちゃってる……|
|~〇×|す、すみません、つい……!|
|~マキシマ|いや……構わんさ。|
|~〇×|(えっ?&br;マキシマさんに、手を握り返されて……。)|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|あの、マキシマさん……?|
|~マキシマ|あー……その、なんだ……。|
|~マキシマ|手錠で繋がれてるから、はぐれる心配はないわけだが、&br;暗いし足元も覚束ないだろうし……。|
|~マキシマ|お前さんが少しでも落ち着くなら、&br;このまま手を繋いでいようと思うんだが……どうだ?|
|~〇×|……!ぜひ、お願いします!|
|~マキシマ|わかった――よし、行くか。|
|~〇×|なんだか、新鮮です。マキシマさんと手を繋いで歩くことって、&br;普段はなかなかないし……。|
|~マキシマ|それは……街中でこんなふうに手を繋ぐのは、&br;さすがに気恥ずかしいだろう?|
|~マキシマ|だが、今なら誰も見ていないからな……。|
|~マキシマ|そ、それにしても、肝試しをすればリゾートへ行けるとは、&br;考えてみればずいぶん気前がいいことだな。|
|~マキシマ|〇は、リゾートで何がしたい?|
|~〇×|定番ですけど、海で泳いだり日光浴したり、ですかね。|
|~マキシマ|ああ、いいな。&br;日光浴しながら、冷たいアイスを食べるんだろう?|
|~マキシマ|暑いビーチで食べるアイスは&br;格別のうまさだろうな。|
|~〇×|そうですね――ふふっ。|
|~〇×|いえ。マキシマさんと話してると、怖いのを忘れちゃうなあって。|
|~〇×|(それに、マキシマさんの大きな手……すごく安心するし。)|
|~マキシマ|ふ……そうか。&br;お前さんが怯えずに済むなら、よかった。|
|~マキシマ|おっと。怖くなくなったら、&br;もう手を繋ぐ必要はないか……?|
|~〇×|あ、あの……もし、マキシマさんさえよかったら、&br;ゴールまで繋いでいたいんですけど……。|
|~マキシマ|……参ったな。|
|~〇×|あ……やっぱり、ご迷惑ですか……?|
|~マキシマ|いいや、そうじゃない。|
|~マキシマ|肝試しが終わっても、このままずっと、&br;お前さんを捕まえていたいと……思ってしまってな。|
#endregion
 


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**夢見Night [#SR10]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|〇、今日は泊めてくれて助かった。|
|~マキシマ|K'がヘソを曲げちまって、アジトに戻りにくくてなあ。&br;明日には機嫌を直していてくれるといいんだが……。|
|~〇×|大丈夫ですよ。お二人なら、&br;落ち着いて話せばすぐに仲直りできます。|
|~マキシマ|はは。そうだな。&br;恥ずかしいところを見せて悪かった。|
|~マキシマ|さて、メンテナンスをしてから寝るとするか。&br;おやすみ、〇。|
|~〇×|はい。おやすみなさい、マキシマさん。|
|~マキシマ|――〇、まだ起きているか?|
|~〇×|マキシマさん? どうしたんです?|
|~マキシマ|実は、メンテナンス中にパジャマを破いてしまってな……。&br;何か他に着られそうなものはないか?|
|~〇×|それは大変ですね……! ちょっと待っててください。|
|~マキシマ|すまん、世話をかける……|
|~〇×|(パジャマの予備、あったかな……?)|
|~〇×|(うーん……。&br;あるには、あったんだけど……。)|
|~〇×|あの……マキシマさん、すみません。&br;探してみたんですけど、これしかなくて……。|
|~マキシマ|こ、これはまた……。&br;ずいぶんと可愛らしい柄のパジャマだな。|
|~マキシマ|ん? しかも、お前さんが着ているのと、&br;同じデザインじゃないか……?|
|~〇×|そうなんです。景品でもらったんですけど、&br;男女ペアになってるパジャマで……。|
|~〇×|誰かに勧めるのもどうかと思って、&br;男性物はしまってあったんです。|
|~マキシマ|なるほど……お前さんとお揃いか……。|
|~マキシマ|とにかく、サイズが合うかどうか着てみるとしよう。|
|~マキシマ|ううむ……多少きついが、問題ないな。&br;今夜はこいつを借りるとするよ。|
|~〇×|なんだか、すみません……。|
|~マキシマ|おいおい、お前さんが謝るようなことじゃない。&br;それに――|
|~マキシマ|〇とお揃いなら、&br;このファンシーな柄も乙ってもんだ。|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|〇、パジャマを直してくれるのはありがたいが、&br;明日で構わないぞ?|
|~マキシマ|派手に破いてしまったから、手間だろう?|
|~〇×|いえ、大丈夫です。見た目ほどひどくないですから、&br;そんなに時間はかからないですよ。|
|~マキシマ|何から何まですまない……。&br;メンテナンスに集中しすぎるのも、考え物だな。|
|~〇×|体の調子、よくないんですか……?|
|~マキシマ|いや、心配はいらない。&br;メンテナンスは日頃の習慣だ。|
|~マキシマ|しかし、最近少しばかり忙しくて、疎かになっていてな。&br;今夜は念入りにしておこうと思って、熱が入りすぎたらしい。|
|~〇×|そうだったんですね。お疲れ様です。|
|~〇×|マキシマさんが大変な時、&br;お手伝い出来ることには限りがあるかもしれませんが……。|
|~〇×|私で力になれることがあれば、&br;なんでも言ってくださいね。|
|~マキシマ|〇……そんなふうに思ってくれてたのか。|
|~マキシマ|お前さんがどれだけ俺の助けになってくれているか、&br;計り知れないんだがなあ。|
|~〇×|えっ……そう、なんですか?|
|~マキシマ|ああ。お前さんの顔を見られるだけでも、&br;俺はいつも安心してるんだぜ?|
|~マキシマ|相棒と喧嘩した時だって、&br;こうして避難させてくれるしなあ。|
|~マキシマ|……本当は、俺みたいな奴が、&br;あまりお前さんの傍にいるべきじゃないんだろうが……な。|
|~〇×|そんなこと――|
|~マキシマ|いつも言ってるだろう?&br;お前さんを危険に巻き込みたくないんだ。|
|~マキシマ|そう、いつも思っているのに……&br;気づいたら、〇の傍にいる。|
|~マキシマ|あんたの傍にいたいと思ってしまう……&br;そんな俺自身を、止められない――|
|~マキシマ|こんな気持ちになる日が、くるなんてな……。|
|~〇×|マキシマさん……。|
|~マキシマ|……。|
|~〇×|(あれ? もしかして――)|
|~〇×|(やっぱり、マキシマさん寝ちゃってる……。&br;最近忙しかったって言ってたし、疲れてるんだろうなあ。)|
|~〇×|(毛布、とってこよう。)|
|~マキシマ|ん……×……。|
|~〇×|――ね、寝言……? びっくりした……。|
|~〇×|(今だけ、もう少し、&br;寝顔を見ていてもいいかな。)|
#endregion
 


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**ハロウィン [#SR11]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|〇、今日はよく来てくれたな。|
|~マキシマ|ほう?&br;ナースの仮装、よく似合ってるじゃないか。|
|~〇×|あ、ありがとうございます……!&br;マキシマさんのお医者さんも、素敵です。|
|~マキシマ|ふっ、そうか?|
|~マキシマ|前の潜入で使った変装用の衣装が、&br;こんなところで役に立つとはなあ。|
|~マキシマ|さて、ハロウィンといえば|
|~〇×|は、はい!マキシマさん、&br;トリックオアトリート……です!|
|~マキシマ|おっ、きたな?|
|~マキシマ|お菓子はたくさん用意してある。&br;好きなだけ食べていいぞ。|
|~〇×|えっ!?&br;あ……そ、そうですか……。|
|~マキシマ|……ん?どうした、残念そうだな?&br;お前さんが前に好きだと言っていたスイーツもあるぞ?|
|~〇×|(あっ!&br;私ってば、つい顔に出ちゃった……。|
|~マキシマ|――もしかして、お前さん……。|
|~マキシマ|俺に悪戯がしたかったのか?|
|~〇×|…….じ、実は、そうなんです……。|
|~〇×|ハロウィンだし、たまにはマキシマさんを&br;びっくりさせたいなと思って……。|
|~マキシマ|――っふ、ははは!なんだ、そうだったのか。&br;そいつは悪いことをしたなあ。|
|~〇×|い、いえ!私の方こそ、&br;子供っぽいことを考えて、ごめんなさい。|
|~〇×|お菓子を用意してくれて、ありがとうございます。&br;ぜひ、いただきます。|
|~マキシマ|いや。お菓子はもう少しお預けだな。|
|~〇×|え?|
|~マキシマ|〇。お前さんがやりたい悪戯、&br;なんでもしてくれて構わないぞ。|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|悪戯してもいいって……本当ですか?|
|~マキシマ|ああ。&br;だってお前さんがそうしたいと思ったんだろう?|
|~マキシマ|お前さんのしたいと思うことはなんだって叶えてやりたい。|
|~マキシマ|……それに、〇がどんな悪戯をするのか、&br;興味があるしな。|
|~〇×|……わかりました。&br;それじゃあ――|
|~〇×|マキシマさんを、診察させてください!|
|~マキシマ|な――し、診察……!?|
|~〇×|ちゃんと聴診器も持ってきましたから。&br;いいですか……?|
|~マキシマ|……わ、わかった。&br;好きな悪戯をしていいと言ったのは、俺だからな。|
|~〇×|では、失礼します。|
|~〇×|(聴診器を、マキシマさんの胸に当てて……。)|
|~マキシマ|なあ、〇――|
|~〇×|しー。胸の音を聞きますから、&br;少し静かにしていてくださいね?|
|~マキシマ|う――参ったな……。|
|~マキシマ|…………。|
|~〇×|…………。|
|~〇×|……マキシマさん、動いて大丈夫です。|
|~マキシマ|ふう……なんというか、&br;目と手のやり場に困ったな……。|
|~マキシマ|それで、どうだった?|
|~〇×|えっと――|
|~マキシマ|鼓動は、聞こえなかっただろう?|
|~〇×|……はい。|
|~マキシマ|俺はサイボーグだからな。&br;人と同じ音は聞こえない。|
|~マキシマ|……怖くなったか?|
|~〇×|いいえ。むしろ、嬉しいです。|
|~マキシマ|嬉しい……?|
|~〇×|私、マキシマさんのこと、&br;もっと知りたいんです。|
|~〇×|だからこうして、体の音をよく聞けて……。&br;マキシマさんのことがまたひとつ、わかった気がします。|
|~マキシマ|――!|
|~〇×|……ごめんなさい。&br;こんなの、私の自己満足でしょうか……。|
|~マキシマ|――いいや、俺も嬉しいさ。&br;俺をわかってくれようとする、お前さんの気持ちが。|
|~〇×|マキシマさん……。|
|~マキシマ|……なあ、もっとこっちに来てくれないか?|
|~マキシマ|俺も同じようにお前さんのことを、知りたいんだ。|
|~マキシマ|――いいだろう、×……?|
#endregion
 


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**離れていても、心はそばに [#SR12]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>|1周年記念パーティーの翌日|
|~〇×|今日は誘ってくれてありがとうございます、マキシマさん。&br;どこへ行くんですか?|
|~マキシマ|ああ。買い物だ。1周年の祝いだからな。&br;記念に何か好きなものを買ってやる。|
|~〇×|えっ……買い物って、私の?|
|~マキシマ|そういうことだ。|
 
|①|>|CENTER:~喜ぶ|
|~|~〇×|嬉しいです……!&br;ありがとうございます。|
|~|~マキシマ|本当なら、俺が何か気の利いたものを買って&br;プレゼントしてやれればいいんだろうが……。|
|~|~〇×|そんなことありませんよ。&br;その分、こうして一緒に出かけられますし。|
|~|~マキシマ|そうか。そう言ってもらえると助かる。|
 
|②|>|CENTER:~遠慮する|
|~|~〇×|でも、お祝いなら昨日パーティーをしてもらいましたよ。|
|~|~マキシマ|あれは他の連中も一緒だっただろう。&br;俺が個人的に、お前さんを祝いたいんだ。|
|~|~〇×|マキシマさん……。|
 
|~マキシマ|そういうわけで、何か欲しいものはないか?|
|~〇×|欲しいもの……欲しいもの……。&br;うーん……。|
|~〇×|…………。|
|~〇×|……すみません、これと言って思いつきません……。|
|~マキシマ|何?&br;それは困ったな……。|
|~マキシマ|俺も、お前さんが喜ぶようなものが&br;なかなか思い浮かばなくてな。|
|~マキシマ|どうしたものか……。|
|~〇×|そ、そんな……いいんですよ。今こうしてマキシマさんと&br;一緒にいられるだけで、私は充分嬉しいんです。|
|~〇×|マキシマさんとは毎日会えるわけじゃないから……。|
|~マキシマ|〇……。すまん。|
|~〇×|謝らないでください。&br;その分、今日はのんびりしましょう!|
|~〇×|何も買わなくても、ただ見てるだけで&br;楽しいですから。|
|~マキシマ|ふむ……。|
|>|数日後――|
|~〇×|ふぅ……夕飯の仕込みはこれでよし、と。|
|~???|宅配便のお届けでーす。&br;受け取りをお願いします!|
|~〇×|(ん? 玄関から声が……。)|
|~〇×|はーい、今行きます!|
|~〇×|……!?|
|~〇×|(お、大きい……。このものすごく存在感のある&br;クマのぬいぐるみが、お届け物?)|
|~〇×|……あれ? そういえば宅配便の人は……。|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|……よう。|
|~〇×|マキシマさん……!&br;それじゃあ、さっきの声は……|
|~マキシマ|俺だ。宅配ではないが……届け物だ。|
|~〇×|この大きなクマのぬいぐるみですか?|
|~マキシマ|あー……我ながらこれはどうかとも思ったんだが……。|
|~マキシマ|どうせなら他の連中も出し抜けるくらい、&br;インパクトのあるものがいいと思ってな……。|
|~マキシマ|……どうだ?|
 
|①|>|CENTER:~大きい|
|~|~〇×|お、大きいですね……びっくりするくらい。&br;確かにインパクトは充分です。|
|~|~〇×|これ、運ぶのも大変だったんじゃないですか?|
|~|~マキシマ|いや、まあデカいはデカいが、そこまで重くないからな。&br;人の視線は痛かったが……。|
 
|②|>|CENTER:~かわいい|
|~|~〇×|すごくかわいいです!|
|~|~マキシマ|そうか? お前さんがそう言ってくれるならいいんだが……。&br;なんだかとぼけた顔をしていないか?|
|~|~〇×|そこがかわいいんです。愛嬌があって。&br;私、こういう表情のぬいぐるみ好きですよ。|
|~|~マキシマ|よかった。お前さんが喜んでくれて&br;ほっとしたよ。|
 
|~マキシマ|その……あれからいろいろと考えたんだが、やはりどうしても&br;いいものが考えつかなくてな。|
|~マキシマ|店に行けば何かひらめくかもしれないと思って&br;改めて一人で出かけたら、店の中でこいつと目が合ったんだ。|
|~マキシマ|何しろ、このサイズだろう。&br;なんというか……他人だと思えなくてな。|
|~マキシマ|あ、いや、だからと言って&br;こいつが俺の代理というわけでもないんだが……。|
|~〇×|ふふっ……。|
|~〇×|確かにちょっと、マキシマさんに似ているような気がします。|
|~マキシマ|デカいからか?|
|~〇×|それもありますけど……なんだか優しい目をしてるなあって。|
|~〇×|ありがとうございます。&br;マキシマさんだと思って、大事にします。|
|~マキシマ|そ、そうか……。|
|~マキシマ|……改めて、1周年おめでとう。|
|~マキシマ|会える時間は少なくても、&br;誰よりもお前さんのそばにいたいと思っているよ。|
|~マキシマ|次の1年もずっと、な……。|
#endregion
 
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**1stアニバーサリー [#SR13]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|〇、少し台所を借りていいか?|
|~〇×|はい、それは構いませんけど……。&br;何を作るんですか?|
|~マキシマ|クレープだ。〇にはいつもカフェや &br;洋菓子店に付き合わせてしまっているからな。|
|~マキシマ|せっかくの休みだと聞いたし、今日は俺が &br;スイーツをご馳走しようと思ったんだ。|
|~マキシマ|だから、食べてくれないか?|
|~〇×|わぁ、いいんですか? ありがとうございます!|
|~〇×|道具や冷蔵庫にあるものは自由に &br;使ってくださいね。|
|~マキシマ|ああ、ありがとう。|
|~マキシマ|それじゃあ、お前さんは &br;出来上がるまで待っていてくれ。|
|~〇×|わかりました。楽しみにしてますね。|
|~マキシマ|ええと、まずは道具だな。&br;ボウルに泡立て器に包丁とまな板は|
|~〇×|それならここです。どうぞ。|
|~マキシマ|すまんな、ありがとう。|
|~〇×|(あれ? なんだか包丁が小さく見える……。&br;果物ナイフじゃないのにどうしてだろう?)|
|~〇×|(あ、マキシマさんの手が大きいから &br;そう見えるんだ。)|
|~〇×|(いつも自分で使っている時とは見え方が違って、&br;なんだか新鮮だな。)|
|~〇×|マキシマさん、しばらくここで &br;見せてもらっていいですか?|
|~マキシマ|ん? ああ、構わないが……。&br;おもしろいものではないだろう。|
|~〇×|いえ、誰かがお料理をしている姿って &br;あまり近くで見たことがないので、ちょっと新鮮で。|
|~マキシマ|そういうものか。&br;なら、好きなだけ見ているといい。|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~マキシマ|お、生クリームもいい具合に角が立ってきたな。|
|~〇×|(マキシマさん、本当に手際が良いな。&br;やっぱり作り慣れてるんだ。)|
|~〇×|(生クリームの泡もきめ細かくて、なめらかで……。)|
|~〇×|美味しそう……。|
|~マキシマ|ん? 見ていたら腹が減ってきたか?|
|~〇×|あ、いえ、そういうわけでは……。|
|~マキシマ|遠慮するな。少しだけ味見させてやろう。&br;クリームをいちごに乗せて……ほら。|
|~〇×|じゃ、じゃあ失礼して……。|
|~〇×|ん、クリームがふわふわで、&br;いちごの甘酸っぱさとも合ってて美味しい……!|
|~マキシマ|それは良かった。フルーツもたくさん用意するから、&br;クリーム自体の甘さは控えめにしようと思ったんだ。|
|~マキシマ|もうすぐ出来るからな。|
|~〇×|はい。でも……あの、やっぱり私も手伝っていいですか? &br;待っているだけだと手持ち無沙汰で。|
|~〇×|せっかくなので、&br;マキシマさんと一緒に作りたいです。|
|~マキシマ|〇……。&br;そうか、それなら一緒に作ろう。|
|~〇×|はい!|
|~マキシマ|よし、これでクレープ生地も完成だな。&br;さっそく食べよう。|
|~〇×|ふふ、こんなに具材がたくさんあると &br;楽しくなってきますね。|
|~マキシマ|そうだろう? まずは、これを巻いて……。&br;マキシマ特製クリーム増し増しスペシャルだ。|
|~マキシマ|〇、食べてくれるか?|
|~〇×|ありがとうございます。いただきます。|
|~〇×|……んん!&br;フルーツがたくさん入っていて美味しいです!|
|~マキシマ|良かった。&br;お前さんのその笑顔が見たかったんだ。|
|~〇×|(わ……すごく優しい顔……。&br;なんだかドキドキして、真っすぐ見れないな……。)|
|~〇×|じゃ、じゃあ、私もマキシマさんに作りますね!&br;シロップとクリームをたくさん入れて!|
|~マキシマ|それは楽しみだ。&br;……一緒にチョコソースも頼む。|
|~〇×|ふふ、はい!|
#endregion
 

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**新年'21 [#SR14]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
#region(ネタバレ注意)
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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