イベントストーリー /Fire in the Darkness の変更点

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**第1話  [#story1]
#region(ネタバレ注意)
|>|とあるひ、車中にて――|
|>|とある日、車中にて――|
|〇×(主人公)|…………。|
|マキシマ|〇、どうだ?&br;普段と違う景色を見るのもいいもんだろ?|
|〇×|……! そうですね。なんだか新鮮です。|
|マキシマ|せっかくの旅行だ。景色だけじゃなく、何かうまいものも&br;食べられるといいな。|
|K'|浮かれてねぇで、前見ろ。|
|〇×|(浮かれてないで、か……。)|
|〇×|(こうやってマキシマさんが運転してる車に揺られてると、&br;本当にただの旅行みたいだけど……。)|
|〇×|(こうなった理由は、&br;そんなに楽しいものじゃないんだよね……。)|
|〇×|あのっ、K'さん……!&br;急に『ついてこい』なんてどうしたんですか?|
|K'|…………。|
|〇×|(買い物してたら問答無用で腕を掴まれて、ここまで連れて&br;来られちゃったけど……。)|
|〇×|(K'さん、なんだかピリピリしてるような気がするし、&br;本当にどうしたんだろう……。)|
|〇×|あれ、ナギさん?|
|〇×|(マキシマさんがいるのはわかるけど、&br;どうしてナギさんまで?)|
|ナギ|驚いたな。&br;×も連れてこられたんだね。|
|〇×|はい。ナギさんは、どうしてここに?|
|ナギ|ついさっき、マキシマに連れてこられたんだよ。&br;理由はあとで話す、って言われてね。|
|ナギ|それでマキシマ、K'。&br;用があるなら手短に済ませてもらっていいかな?|
|ナギ|僕がいないことにヨミが気づいたら大騒ぎしちゃうから。|
|マキシマ|そうだな。あいつに乗り込まれたりでもしたら、&br;もっとややこしいことになりそうだ。|
|マキシマ|〇、ナギ。これから話すことはなかなかに&br;衝撃的だと思うが、落ち着いて聞いて欲しい。|
|マキシマ|――お前さんたちを狙っている奴らがいる。|
#endregion

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**第2話  [#story2]
#region(ネタバレ注意)
|〇×|私たちを狙ってる人たち……ですか?|
|マキシマ|ああ。|
|マキシマ|お前さんたちを狙っているのは、秘密結社ネスツ。&br;正確に言うなら、その残党たちだ。|
|K'|…………。|
|ナギ|ネスツ……過去に君とK'が壊滅させた組織のことだね。|
|ナギ|そのネスツの残党が僕と×を&br;狙っていると?|
|マキシマ|そうだ。厄介なことに、奴らは……。|
|マキシマ|ナギ。お前のことを、かつてのネスツの支配者・イグニスの&br;生まれ変わりだと思い込んでいる。|
|ナギ|それは、また……なんというか、唐突だね?|
|〇×|どうしてそんなことに……?|
|マキシマ|奴らは東京KOF以降、国内各地で起きた異変が&br;ナギの仕業であると確信を得ているらしくてな。|
|マキシマ|ナギがこの国に混乱をもたらしたこと。&br;そして、何よりナギのその容姿……。|
|マキシマ|その姿こそ、ナギがイグニスの生まれ変わりである証というのが&br;連中の主張だ。|
|ナギ|……?&br;僕は、そのイグニスにそんなに似てるのかな。|
|K'|確かにテメェは、あのクソ野郎に似てる……。|
|K'|と、思ったことがある。|
|ナギ|……? 過去形かい?|
|K'|今は、なよっちい優男にしか見えねぇよ。|
|ナギ|なよ?|
|マキシマ|次に、〇のことだ。|
|〇×|……っ。|
|マキシマ|連中の狙いはあくまでナギだが……。|
|マキシマ|ナギがヒメと呼んでいた〇のことも&br;重要人物として目をつけているらしい。|
|マキシマ|イグニスを神と信奉するだけあって、&br;奴らは妄信的で、どんな無茶な行動を取るかわからん。|
|マキシマ|もしかしたら、明日にもナギと〇を&br;さらいに来るかもしれない。|
|〇×|!?|
|マキシマ|……不安にさせてすまないな、〇。&br;お前さんには言わずにおこうかと思ったんだが……。|
|マキシマ|相棒と話し合った結果、お前さんにも狙われているという自覚を&br;持っていてもらったほうがいいと思ったんだ。|
|マキシマ|それに連中のことは、俺たちが必ず追い払う。&br;だから、安心してくれ。|
|〇×|マキシマさん……。|
|ナギ|けど、それは君たちにとっても&br;危険な行為じゃないのかい?|
|K'|…………。|
|ナギ|君たちは、ネスツの残党たちから身を隠すために、&br;こんな生活を続けているんだよね。|
|ナギ|それなら、彼らに居場所が露見するようなことは&br;避けたいはずだろう?|
|マキシマ|……ああ。それについては、否定しない。|
|マキシマ|奴らにとって、俺たちはネスツの……イグニスの残した遺産だ。&br;喉から手が出るほど欲しいんだろう。|
|K'|…………。|
|〇×|(そっか。今回のことはマキシマさんとK'さんにとっても&br;危険なことなんだ……。)|
|ナギ|…………。|
|ナギ|……ねぇ、僕に1つ考えがあるんだけど、いいかな?|
#endregion

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**第3話  [#story3]
#region(ネタバレ注意)
|店員|お待たせしました。&br;クリームブリュレパンケーキです。|
|マキシマ|おおー!!|
|マキシマ|レビューで見た通りだな。表面がパリッとしているし、&br;皿から溢れそうな生クリーム。美味そうだ。|
|〇×|…………。|
|マキシマ|ナギたちが心配か?|
|〇×|……え。あっ、すみません。&br;私、ボーッとしちゃって……。|
|〇×|そうですね。&br;ナギさんたちのことは、正直心配です。|
|マキシマ|お前さんの気持ちはわかる。&br;まさか、ナギがあんな提案をしてくるなんてな……。|
|ナギ|ネスツの残党に目をつけられたのは、僕だ。&br;だったら、彼らの相手は僕がするよ。|
|ナギ|君たちはほとぼりが冷めるまで、×を連れて&br;彼らの目の届かないところに逃げて欲しい。|
|ナギ|逃亡生活は、君たち二人の十八番(おはこ)でしょ?|
|〇×|(あの後、ヨミさんや京さんたちにも事情を話して、&br;私はマキシマさんたちと道場を離れることになったんだよね。)|
|マキシマ|ナギたちのおかげで、&br;俺たちは表舞台に出る必要がなくなった……。|
|マキシマ|ナギは強くなったな。|
|〇×|私もそう思います。でも……。|
|〇×|……ナギさんたち、本当に大丈夫でしょうか?|
|〇×|マキシマさん言ってたじゃないですか。&br;どんな無茶をしてくるかわからない連中だって。|
|マキシマ|…………。|
|マキシマ|〇、口を開けろ。|
|〇×|え?|
|マキシマ|いいから。|
|〇×|えっと……こう、ですか?|
|〇×|っ!?|
|マキシマ|どうだ、うまいだろう?|
|〇×|マ、マキシマさん! 人の口にいきなりパンケーキを&br;突っ込むのは、ちょっと……!|
|マキシマ|う・ま・い・だ・ろ?|
|〇×|……おいしいです。かなり。|
|マキシマ|ははっ! そうか、かなりうまいか! はははっ……。|
|マキシマ|心配しなくても大丈夫だ。あいつらの強さは、&br;お前さんならよくわかってるだろう?|
|マキシマ|お前さんはこれを単なる『旅行』と思って、&br;楽しめばいい。|
|マキシマ|……と言われても難しいかもしれんが……まあ、少なくとも&br;俺たちはそのつもりでいる。|
|〇×|(旅行だと思って楽しむ、か……。)|
|マキシマ|よしっ。そうと決まれば、スイーツを追加するか。&br;旬のフルーツが山盛りのパンケーキも人気らしくてな!|
|〇×|(あ、K'さんからメッセージだ。ええっと……。)|
|>|『そのスイーツバカを止めろ。暇すぎて死ぬ。』|
|K'|……はぁ。|
#endregion

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**第4話  [#story4]
#region(ネタバレ注意)
|マキシマ|旅行を楽しんでくれって言っておきながら、車中泊で悪いな。&br;旅館やホテルで休ませてやりたいところなんだが……。|
|マキシマ|お前さんと部屋が分かれると、何かあった時に対応が遅れる。&br;かと言って同じ部屋にするわけにもいかないからな。|
|〇×|大丈夫ですよ。&br;ブランケット、ありがとうございます。|
|〇×|でも、お二人はどこで休むんですか?|
|マキシマ|俺たちは車の近くで休むから気にしなくていい。&br;寝袋もあるしな。|
|〇×|え、でも……。|
|K'|アンタと違ってこっちは慣れてんだ。&br;余計な気回してねぇでさっさと休め。|
|マキシマ|まったく。もう少し優しいいいかたができないもんかね、&br;うちの相棒は。|
|マキシマ|まあ、そういうことだから何か気になることがあれば、&br;遠慮せず声をかけてくれ。|
|〇×|わかりました。おやすみなさい。|
|〇×|…………。|
|〇×|(これから、どうなるんだろう……。)|
|〇×|(……いつになったら道場に戻れるのかな。)|
|〇×|(……って、こんな風に悩んでたらダメだよね。&br;昼間だってマキシマさんを心配させちゃったし。)|
|〇×|(明日からは、できるだけいつも通りに過ごして&br;心配かけないようにしなくちゃ。)|
|マキシマ|しっかし……なんだか妙なことになったなぁ。|
|マキシマ|ほとぼりが冷めるまでとはいえ、&br;〇を連れて逃亡生活とは。|
|K'|そうでもないだろ。&br;あの女は、根っからの巻き込まれ体質だからな。|
|マキシマ|巻き込まれ体質、か。……そうかもな。|
|K'|…………。|
|マキシマ|少し前までは、こうして車で逃亡しながらの&br;生活が当たり前だったな。|
|マキシマ|最近はすっかり渋谷に腰を落ち着けてしまっていたが、&br;このほうが根無し草の俺たちにはちょうどいいのかもしれん。|
|K'|……なら、このまま旅にでも出るか?|
|マキシマ|このままって……〇はどうする?|
|K'|連れてきゃいいだろ。|
|K'|あの女が心配で仕方ねぇんだろ。&br;なら、目の届くとこに置いとけ。|
|マキシマ|できるわけないだろう。|
|マキシマ|〇にだって生活があるんだ。&br;今回のことが解決したら、すぐにでも道場に送り届けるさ。|
|マキシマ|お前さんも早く休め。&br;明日も早いぞ。|
|K'|…………。|
#endregion

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**第5話  [#story5]
#region(ネタバレ注意)
|〇×|わぁっ! 湖、すごくきれいですね!|
|〇×|(どこに行くんだろうって思ってたけど、こんなに&br;きれいなところに連れてきてもらえるなんて。)|
|マキシマ|ただ車を走らせるだけだと味気ないからな。&br;これでようやく『旅行』って感じがしてきただろ?|
|〇×|はい!|
|K'|…………。|
|〇×|あれ? K'さん、どこに行くんですか?|
|K'|別に。適当に散歩してくる。|
|マキシマ|まぁ待て。相棒。&br;ちょっとこっちにこい。|
|K'|……なんだよ。|
|マキシマ|昨日はカフェについてこなかっただろう。|
|K'|テメェが甘いもん食うって言ったからな。|
|マキシマ|その分、今日はお前も一緒に来て〇を&br;励ましてやってくれよ。な?|
|K'|…………。|
|〇×|(……あっ! K'さんとマキシマさん、戻ってきた。)|
|K'|……で、アンタは何がしてぇんだよ。|
|〇×|えっ、えっと……K'さんは散歩がしたいんですよね?&br;なら、三人で行きましょう!|
|K'|好きにしろ。|
|マキシマ|よし。決まりだな。|
|>|一時間後、釣り堀にて――|
|K'|……っ。|
|〇×|わっ! K'さん、また釣れたんですか!?|
|K'|アンタはさっきから1匹も釣れてねぇな。|
|〇×|うっ……。&br;K'さんと同じようにやってるつもりなんですが……。|
|マキシマ|お前さんはもう少し肩の力を抜いたほうがいいな。|
|〇×|な、なるほど……。|
|〇×|(わっ。マキシマさんもたくさん釣ってる!)|
|〇×|(私もせめて1匹くらいは……!&br;場所とか変えてみたほうがいいのかな?)|
|K'|……おい、かかってんぞ。|
|〇×|……え。|
|〇×|わわわっ!|
|K'|チッ。|
|〇×|……っ。K'さん?|
|K'|そのまま、釣り竿離すんじゃねぇぞ。|
|〇×|は、はい!|
|〇×|(K'さんが一緒に釣り竿を握ってくれて&br;さっきより楽になったかも。これなら……!)|
|K'|おい、相棒!|
|マキシマ|網だな、よし!|
|〇×|つ、釣れました!|
|マキシマ|よくやったな、〇!|
|〇×|K'さんとマキシマさんのおかげですよ!|
|K'|たかが1匹釣っただけで浮かれすぎだろ。|
|マキシマ|まあまあ、いいじゃないか。|
|〇×|(まさか、K'さんとマキシマさんとこんな時間を&br;過ごせるとは思わなかったなぁ。)|
|〇×|(二人はいつも身を隠すように生活してるし……。)|
|〇×|(…………。)|
|〇×|(そういえば……こんなに目立つところにいて、&br;大丈夫なのかな?)|
|K'|…………。|
#endregion

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**第6話  [#story6]
#region(ネタバレ注意)
|〇×|…………。|
|K'|……おい。|
|〇×|K'さん。……あれ? マキシマさんは?|
|K'|アンタのために甘いもの探しに行ったぜ。|
|〇×|そ、そうですか……なんだか悪いです。|
|K'|好きにやらせときゃいい。&br;……それより、理由を言え。|
|〇×|え……?|
|K'|浮かない顔してただろ。今度はなんで落ち込んでる?|
|K'|……お前を励ませって言われてんだよ。|
|〇×|(隣に座っちゃった。)|
|K'|早くしろ。|
|〇×|あっ、はい。|
|〇×|その……お二人は普段、身を隠しながら生活してますよね。|
|〇×|だから、今日みたいに人目の多いところで遊ぶのは、&br;だいぶ無茶をしてるんじゃないかって気づいて……。|
|〇×|あっ、もちろん、お二人が私を励ますために&br;気を遣ってくれてるのはわかってるんですけど……。|
|K'|それでかえって気落ちしてんなら世話ねぇな。|
|K'|いいから、アンタは余計なこと考えずに笑ってろ。|
|〇×|け、K'さん。その頭のなでかたは、ちょっと痛いです……。|
|K'|うるせぇ。文句言うな。|
|〇×|(これも励ましてくれてるってことかな……?)|
|〇×|……ありがとうございます。|
|K'|…………。|
|〇×|そうだ。マキシマさんにもお礼を言わないといけませんね。|
|K'|…………。|
|〇×|昨日、カフェに連れていってくれたこととか、&br;ちゃんとお礼言えてなかったので。|
|K'|…………。|
|K'|アンタ、アイツのことどう思ってる?|
|〇×|え? どうって……?|
|K'|好きか?|
|〇×|!?|
|〇×|(えっ……えええ!?)|
|K'|…………。|
|K'|……なんでもない。忘れろ。|
|〇×|あ、あの……!|
|〇×|(行っちゃった……。&br;さっきのどういう意味だったんだろう……。)|
|>|逃亡生活開始から一週間がたち――|
|マキシマ|ん? ……こいつは……。|
|K'|どうした?|
|マキシマ|ナギから着信だ。|
|〇×|え!?|
|K'|スピーカーにしろ。|
|ナギ|……ああ。良かった。&br;ちゃんと繋がったね。|
|マキシマ|そちらから連絡をよこしたってことは、&br;何か進展があったのか?|
|ナギ|うん。昨日、僕の家にネスツの残党が押しかけてきたよ。|
|〇×|!? だ、大丈夫だったんですか!|
|ナギ|ふふふ、心配してくれてありがとう、×。&br;大丈夫だよ。僕とヨミで追い払ったからね。|
|〇×|(よかった……。)|
|ナギ|それから、僕がイグニスではないことと……。|
|ナギ|今後、僕や×に関わることは許さないとも&br;釘を刺しておいたよ。|
|ナギ|だから、×。&br;君は、安心して帰ってきていいよ。|
|〇×|ありがとうございます……!|
|〇×|(道場に帰れるんだ……。)|
|ナギ|あ、でも……K'とマキシマは、まだしばらく都内には&br;近づかないほうがいいかもしれないね。|
#endregion

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**第7話  [#story7]
#region(ネタバレ注意)
|〇×|K'さんとマキシマさんは都内に近づかないほうがいいって……。&br;どういうことですか?|
|ナギ|僕がイグニスの生まれ変わりではないと告げたから、&br;彼らはそのうち、この国から出ていくかもしれないけど……。|
|ナギ|それは、あくまで僕らに対する脅威がなくなったというだけだ。&br;マキシマ。残党の数は君らが思っている以上に多いようだよ。|
|マキシマ|……そうか。|
|マキシマ|すまんが、誰か〇を迎えに来てやってくれないか?&br;俺たちは、もう少し逃亡生活を続ける。|
|〇×|っ……!?|
|マキシマ|それでいいな、相棒?|
|K'|……ああ。|
|〇×|(そんな……。それじゃまたしばらく、二人とは&br;会えなくなる……。)|
|ナギ|わかった。それじゃ、×の迎はこちらで&br;手配するよ。|
|マキシマ|頼む。|
|〇×|(明日でこの生活も終わりか……。)|
|マキシマ|この生活を始めてからずっと車中泊だったからな。&br;最後の夜くらいは、ベッドでゆっくり休んでくれ。|
|マキシマ|俺たちも同じ階に部屋を取ってるから、何かあれば&br;声をかけてくれて構わない。|
|マキシマ|それじゃ……おやすみ、〇。|
|〇×|(ゆっくり休んでくれって言われたけど……。&br;全然眠れない。)|
|〇×|(…………。)|
|〇×|(……さっきのマキシマさん、なんだか悲しそうな顔してた。)|
|〇×|(まさか、二人とも何も言わずに&br;姿を消しちゃったりしないよね?)|
|〇×|(沖縄のときみたいに……。)|
|〇×|…………。|
|〇×|(……後悔しないように、ちゃんと二人に会ってこよう。)|
|マキシマ|ずいぶん帰りが遅かったな。相棒。|
|K'|いつ帰ってこようが俺の自由だ。|
|マキシマ|はぁ……。|
|マキシマ|お前さんが戻ってくるまでにナギから連絡があった。&br;明日の朝には、京たちがこっちに着くそうだ。|
|K'|…………。|
|マキシマ|〇をあいつらに引き渡したら、&br;俺たちの役目は終了だ。|
|マキシマ|その後は、ほとぼりが冷めるまで国外にでも――|
|K'|何言ってんだ。|
|マキシマ|K'……?|
|K'|それで終了? 違ぇだろ。|
|K'|国外に行くって言うなら、あの女も一緒だ。|
|マキシマ|……はぁ。それはダメだと前にも言っただろう。&br;〇には〇の生活があるんだ。|
|K'|知るか。&br;俺はもう、アイツから目を離すつもりはねぇんだ。|
|K'|テメェだって本当はそうしてぇんだろ?|
|マキシマ|っ……。|
|K'|……止めても無駄だ。&br;今から俺がアイツをかっさらってくる。|
|マキシマ|待て、K'……!|
|K'っ――!||
|マキシマ|……っと。おいおい……なんだ、その右腕の炎は。|
|K'|見てのとおりだ。|
|K'|俺を止めてぇんなら、力尽くで止めてみせろ。|
#endregion

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**第8話  [#story8]
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|マキシマ|……やれやれ。この不良息子は。&br;聞き訳がないにも程があるぞ。|
|マキシマ|ちょっとばかしお灸を据えてやらにゃならんか?|
|K'|さっさと構えろよ。|
|マキシマ|…………。|
|K'|――!|
|マキシマ|ぐぅ……っ。|
|K'|遊びじゃねぇぞ。本気だ。|
|マキシマ|チッ! 言ってくれるな。&br;ふっ――!|
|マキシマ|なっ……。|
|K'|生温いんだよ|
|マキシマ|……っ。|
|K'|テメェ、いつになったら本気になるんだよ。|
|マキシマ|反抗期の子供相手に、本気になっても大人げないだろう?|
|K'|ハッ。言ってろ。|
|K'|要は、もっともらしい理由をつけてアイツへの気持ちから&br;目ぇ逸らしてるだけだろうが。|
|マキシマ|……!|
|K'|気づいてねぇとでも思ったのか。&br;テメェの気持ちなんざとうに知れてんだよ。|
|K'|……なのに、今にアイツを他の誰かに取られかねない態度で、&br;見ててイライラする。|
|K'|このままじゃ、損するのも後悔するのもテメェだぞ。|
|マキシマ|お前、何を言って……。|
|K'|俺は俺のものを簡単に手放すつもりはねぇ。|
|K'|テメェも男なら、そのくらい獣になれっつってんだよ。|
|マキシマ|(K'……。)|
|マキシマ|(こいつには、俺が〇から逃げてるように&br;見えてるってわけか。)|
|マキシマ|(だが、それだけじゃあないな。)|
|マキシマ|……そうか。お前さんも……。|
|K'|…………。|
|マキシマ|まったく……血気盛んだな、お前さんは。&br;だが、ひとつ言っておくぞ。|
|マキシマ|大人の気も知らず、この想いを『本気になりきってない』とは&br;……心外だ。|
|マキシマ|おうりゃあっ!|
|K'――!||
|K'|やればできるじゃねぇか。|
|マキシマ|お前さんを子供扱いしていたのは詫びよう。&br;ここからは、ひとりの男として本気を出させてもらう。|
|K'|ハッ。エンジンかかるのが遅ぇんだよ。|
|マキシマ|くっ……。|
|マキシマ|俺だって、できれば彼女と離れたくはないさ。&br;……離れたくないに決まっているだろう!|
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**第9話  [#story9]
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|〇×|(マキシマさんとK'さん、&br;どこに行っちゃったんだろう……。)|
|〇×|(聞いてた部屋にはいなかったし……。&br;まさか、もう出発しちゃったんじゃ……。)|
|K'|オラァ!!|
|〇×|(……今、見えたのって……。)|
|マキシマ|フッ――!|
|K'|ウゼェ!!|
|K'|……だったら、そうすりゃいいだろうが!|
|マキシマ|彼女を危険な目に遭わせるとわかっていてできるか!|
|K'|なら、テメェで守っていきゃあいいだろうが!|
|マキシマ|そういう問題じゃあない!!|
|〇×|(! やっぱり、K'さんとマキシマさんだ!)|
|〇×|(でも、どうして二人が戦ってるの?&br;とにかく止めなきゃ……!)|
|K'|くそ……!|
|〇×|……あ、あの! おふたりとも!|
|K'|ッ……。|
|マキシマ|なっ……。|
|〇×|はぁ……はぁ……。|
|〇×|あの、どうしちゃったんですか?&br;どうして、お二人が戦って……。|
|K'|…………。|
|マキシマ|あー……いや、これは……。|
|K'|なんでもねぇよ。|
|〇×|で、でも……。|
|K'|なんでもねぇって。……んな顔すんな。|
|マキシマ|…………。|
|〇×|……そうですか。事情はわかりませんけど。|
|〇×|とりあえず、お二人に会えてよかったです。|
|〇×|また、何も言わずに姿を消しちゃうんじゃないかって&br;不安だったので……。|
|マキシマ|〇……。|
|K'|…………。|
|〇×|行かないでください……とは、言いません。&br;言えません。|
|〇×|(もっと二人と一緒に過ごしたい気持ちはあるけど、&br;それを言ったら困らせちゃう。)|
|〇×|(二人は……優しい人だから。)|
|〇×|お二人が背負っている運命を思えば、いつかお別れする日が&br;来るんだろうなって覚悟はしてました。|
|〇×|でも、何も言わずに出て行くのはダメです。&br;ちゃんとお礼と、お別れをさせてください。|
|〇×|……ありがとうございました!&br;気を付けて行ってきてくださいね!|
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**第10話  [#story10]
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|〇×|……それじゃ。私、部屋に戻ってますね。|
|〇×|(あ、泣きそう……。でも、ここで涙を見せたら、&br;二人に迷惑をかけちゃう……。)|
|〇×|っ……。おやすみなさい。|
|K'|…………。|
|マキシマ|…………。|
|K'|……チッ。逆効果だ、馬鹿……。|
|マキシマ|ああ。まったくだねぇ……。|
|マキシマ|……。|
|マキシマ|まあ、このまま国内各地のアジトを点々としつつ……でも&br;どうにかなるだろう。|
|マキシマ|でもって、彼女に忘れられないように定期的に顔を見せる。&br;……それでいいか、相棒?|
|K'|フン……。やればできるじゃねぇか。|
|K'|テメェが最初から腹括ってれば、あんなとこアイツに&br;見られることもなかったのによ。|
|マキシマ|まったく……。そういうお前は、彼女のなんなんだ?|
|K'|二度も言わせるな。&br;俺はアイツを手放す気はねぇんだよ。|
|マキシマ|その言葉、ライバル宣言として受け取っておくよ。|
|マキシマ|……なんというか……ありがとうな、K'。|
|K'|ライバルに最初に言うことが礼かよ。余裕だな。|
|マキシマ|ははっ……。|
|>|渋谷に戻り、しばらくたった頃――|
|〇×|K'さん! また会えて嬉しいです!|
|〇×|私、きっとまたしばらく会えなくなるんだろうなって&br;思ってたから……!|
|K'|誰かさんが泣きそうな顔してたからな。|
|〇×|!?|
|〇×|(あの時、駐車場で泣きそうになってたのは本当だけど……。&br;気づかれてないと思ってたのに。)|
|K'|…………。|
|〇×|あ、あの!|
|K'|なんだよ。|
|〇×|結局、あの時の喧嘩の理由って、なんだったんですか?|
|K'|チッ。余計なこと思い出しやがって。|
|K'|あの時のことはもう忘れろ、いいな?|
|〇×|(……?)|
|〇×|(もしかして、またマキシマさんと喧嘩してるとか?&br;今日、道場に来た時もK'さんひとりだったし……。)|
|マキシマ|よお、相棒。&br;それから、〇も。元気そうだな。|
|〇×|マキシマさん!|
|〇×|(なんだ。喧嘩してたわけじゃないんだ。&br;よかった……。)|
|K'|なんかあったのか。|
|マキシマ|悪いが、用があるのはお前さんじゃない。|
|マキシマ|〇、ちょっといいか?|
|〇×|……? はい――|
|マキシマ|よっと。|
|K'|……!|
|〇×|(あれ? 私、なんでマキシマさんのバイクに乗せられて……?)|
|マキシマ|これはお前さんのヘルメットだ。&br;しっかり被れよ。|
|〇×|えっ、あ、はい。ありがとうございます。&br;って、そうじゃなくてですね……!|
|K'|……何してんだ、テメェ。|
|マキシマ|いや、なに。たまには、獣になろうかと思ってね?|
|マキシマ|行くぞ、〇。|
|K'|…………。|
|K'|いや、いきなりすぎるだろ……。|
|K'|(……上等だ。)|
#endregion

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