イベントストーリー /Fire in the Darkness

Last-modified: Sun, 15 Mar 2020 10:53:31 JST (1505d)
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第1話 Edit

+  ネタバレ注意
とある日、車中にて――
〇×(主人公)…………。
マキシマ〇、どうだ?
普段と違う景色を見るのもいいもんだろ?
〇×……! そうですね。なんだか新鮮です。
マキシマせっかくの旅行だ。景色だけじゃなく、何かうまいものも
食べられるといいな。
K'浮かれてねぇで、前見ろ。
〇×(浮かれてないで、か……。)
〇×(こうやってマキシマさんが運転してる車に揺られてると、
本当にただの旅行みたいだけど……。)
〇×(こうなった理由は、
そんなに楽しいものじゃないんだよね……。)
〇×あのっ、K'さん……!
急に『ついてこい』なんてどうしたんですか?
K'…………。
〇×(買い物してたら問答無用で腕を掴まれて、ここまで連れて
来られちゃったけど……。)
〇×(K'さん、なんだかピリピリしてるような気がするし、
本当にどうしたんだろう……。)
〇×あれ、ナギさん?
〇×(マキシマさんがいるのはわかるけど、
どうしてナギさんまで?)
ナギ驚いたな。
×も連れてこられたんだね。
〇×はい。ナギさんは、どうしてここに?
ナギついさっき、マキシマに連れてこられたんだよ。
理由はあとで話す、って言われてね。
ナギそれでマキシマ、K'。
用があるなら手短に済ませてもらっていいかな?
ナギ僕がいないことにヨミが気づいたら大騒ぎしちゃうから。
マキシマそうだな。あいつに乗り込まれたりでもしたら、
もっとややこしいことになりそうだ。
マキシマ〇、ナギ。これから話すことはなかなかに
衝撃的だと思うが、落ち着いて聞いて欲しい。
マキシマ――お前さんたちを狙っている奴らがいる。

第2話 Edit

+  ネタバレ注意
〇×私たちを狙ってる人たち……ですか?
マキシマああ。
マキシマお前さんたちを狙っているのは、秘密結社ネスツ。
正確に言うなら、その残党たちだ。
K'…………。
ナギネスツ……過去に君とK'が壊滅させた組織のことだね。
ナギそのネスツの残党が僕と×を
狙っていると?
マキシマそうだ。厄介なことに、奴らは……。
マキシマナギ。お前のことを、かつてのネスツの支配者・イグニスの
生まれ変わりだと思い込んでいる。
ナギそれは、また……なんというか、唐突だね?
〇×どうしてそんなことに……?
マキシマ奴らは東京KOF以降、国内各地で起きた異変が
ナギの仕業であると確信を得ているらしくてな。
マキシマナギがこの国に混乱をもたらしたこと。
そして、何よりナギのその容姿……。
マキシマその姿こそ、ナギがイグニスの生まれ変わりである証というのが
連中の主張だ。
ナギ……?
僕は、そのイグニスにそんなに似てるのかな。
K'確かにテメェは、あのクソ野郎に似てる……。
K'と、思ったことがある。
ナギ……? 過去形かい?
K'今は、なよっちい優男にしか見えねぇよ。
ナギなよ?
マキシマ次に、〇のことだ。
〇×……っ。
マキシマ連中の狙いはあくまでナギだが……。
マキシマナギがヒメと呼んでいた〇のことも
重要人物として目をつけているらしい。
マキシマイグニスを神と信奉するだけあって、
奴らは妄信的で、どんな無茶な行動を取るかわからん。
マキシマもしかしたら、明日にもナギと〇を
さらいに来るかもしれない。
〇×!?
マキシマ……不安にさせてすまないな、〇。
お前さんには言わずにおこうかと思ったんだが……。
マキシマ相棒と話し合った結果、お前さんにも狙われているという自覚を
持っていてもらったほうがいいと思ったんだ。
マキシマそれに連中のことは、俺たちが必ず追い払う。
だから、安心してくれ。
〇×マキシマさん……。
ナギけど、それは君たちにとっても
危険な行為じゃないのかい?
K'…………。
ナギ君たちは、ネスツの残党たちから身を隠すために、
こんな生活を続けているんだよね。
ナギそれなら、彼らに居場所が露見するようなことは
避けたいはずだろう?
マキシマ……ああ。それについては、否定しない。
マキシマ奴らにとって、俺たちはネスツの……イグニスの残した遺産だ。
喉から手が出るほど欲しいんだろう。
K'…………。
〇×(そっか。今回のことはマキシマさんとK'さんにとっても
危険なことなんだ……。)
ナギ…………。
ナギ……ねぇ、僕に1つ考えがあるんだけど、いいかな?

第3話 Edit

+  ネタバレ注意
店員お待たせしました。
クリームブリュレパンケーキです。
マキシマおおー!!
マキシマレビューで見た通りだな。表面がパリッとしているし、
皿から溢れそうな生クリーム。美味そうだ。
〇×…………。
マキシマナギたちが心配か?
〇×……え。あっ、すみません。
私、ボーッとしちゃって……。
〇×そうですね。
ナギさんたちのことは、正直心配です。
マキシマお前さんの気持ちはわかる。
まさか、ナギがあんな提案をしてくるなんてな……。
ナギネスツの残党に目をつけられたのは、僕だ。
だったら、彼らの相手は僕がするよ。
ナギ君たちはほとぼりが冷めるまで、×を連れて
彼らの目の届かないところに逃げて欲しい。
ナギ逃亡生活は、君たち二人の十八番(おはこ)でしょ?
〇×(あの後、ヨミさんや京さんたちにも事情を話して、
私はマキシマさんたちと道場を離れることになったんだよね。)
マキシマナギたちのおかげで、
俺たちは表舞台に出る必要がなくなった……。
マキシマナギは強くなったな。
〇×私もそう思います。でも……。
〇×……ナギさんたち、本当に大丈夫でしょうか?
〇×マキシマさん言ってたじゃないですか。
どんな無茶をしてくるかわからない連中だって。
マキシマ…………。
マキシマ〇、口を開けろ。
〇×え?
マキシマいいから。
〇×えっと……こう、ですか?
〇×っ!?
マキシマどうだ、うまいだろう?
〇×マ、マキシマさん! 人の口にいきなりパンケーキを
突っ込むのは、ちょっと……!
マキシマう・ま・い・だ・ろ?
〇×……おいしいです。かなり。
マキシマははっ! そうか、かなりうまいか! はははっ……。
マキシマ心配しなくても大丈夫だ。あいつらの強さは、
お前さんならよくわかってるだろう?
マキシマお前さんはこれを単なる『旅行』と思って、
楽しめばいい。
マキシマ……と言われても難しいかもしれんが……まあ、少なくとも
俺たちはそのつもりでいる。
〇×(旅行だと思って楽しむ、か……。)
マキシマよしっ。そうと決まれば、スイーツを追加するか。
旬のフルーツが山盛りのパンケーキも人気らしくてな!
〇×(あ、K'さんからメッセージだ。ええっと……。)
『そのスイーツバカを止めろ。暇すぎて死ぬ。』
K'……はぁ。

第4話 Edit

+  ネタバレ注意
マキシマ旅行を楽しんでくれって言っておきながら、車中泊で悪いな。
旅館やホテルで休ませてやりたいところなんだが……。
マキシマお前さんと部屋が分かれると、何かあった時に対応が遅れる。
かと言って同じ部屋にするわけにもいかないからな。
〇×大丈夫ですよ。
ブランケット、ありがとうございます。
〇×でも、お二人はどこで休むんですか?
マキシマ俺たちは車の近くで休むから気にしなくていい。
寝袋もあるしな。
〇×え、でも……。
K'アンタと違ってこっちは慣れてんだ。
余計な気回してねぇでさっさと休め。
マキシマまったく。もう少し優しいいいかたができないもんかね、
うちの相棒は。
マキシマまあ、そういうことだから何か気になることがあれば、
遠慮せず声をかけてくれ。
〇×わかりました。おやすみなさい。
〇×…………。
〇×(これから、どうなるんだろう……。)
〇×(……いつになったら道場に戻れるのかな。)
〇×(……って、こんな風に悩んでたらダメだよね。
昼間だってマキシマさんを心配させちゃったし。)
〇×(明日からは、できるだけいつも通りに過ごして
心配かけないようにしなくちゃ。)
マキシマしっかし……なんだか妙なことになったなぁ。
マキシマほとぼりが冷めるまでとはいえ、
〇を連れて逃亡生活とは。
K'そうでもないだろ。
あの女は、根っからの巻き込まれ体質だからな。
マキシマ巻き込まれ体質、か。……そうかもな。
K'…………。
マキシマ少し前までは、こうして車で逃亡しながらの
生活が当たり前だったな。
マキシマ最近はすっかり渋谷に腰を落ち着けてしまっていたが、
このほうが根無し草の俺たちにはちょうどいいのかもしれん。
K'……なら、このまま旅にでも出るか?
マキシマこのままって……〇はどうする?
K'連れてきゃいいだろ。
K'あの女が心配で仕方ねぇんだろ。
なら、目の届くとこに置いとけ。
マキシマできるわけないだろう。
マキシマ〇にだって生活があるんだ。
今回のことが解決したら、すぐにでも道場に送り届けるさ。
マキシマお前さんも早く休め。
明日も早いぞ。
K'…………。

第5話 Edit

+  ネタバレ注意
〇×わぁっ! 湖、すごくきれいですね!
〇×(どこに行くんだろうって思ってたけど、こんなに
きれいなところに連れてきてもらえるなんて。)
マキシマただ車を走らせるだけだと味気ないからな。
これでようやく『旅行』って感じがしてきただろ?
〇×はい!
K'…………。
〇×あれ? K'さん、どこに行くんですか?
K'別に。適当に散歩してくる。
マキシマまぁ待て。相棒。
ちょっとこっちにこい。
K'……なんだよ。
マキシマ昨日はカフェについてこなかっただろう。
K'テメェが甘いもん食うって言ったからな。
マキシマその分、今日はお前も一緒に来て〇を
励ましてやってくれよ。な?
K'…………。
〇×(……あっ! K'さんとマキシマさん、戻ってきた。)
K'……で、アンタは何がしてぇんだよ。
〇×えっ、えっと……K'さんは散歩がしたいんですよね?
なら、三人で行きましょう!
K'好きにしろ。
マキシマよし。決まりだな。
一時間後、釣り堀にて――
K'……っ。
〇×わっ! K'さん、また釣れたんですか!?
K'アンタはさっきから1匹も釣れてねぇな。
〇×うっ……。
K'さんと同じようにやってるつもりなんですが……。
マキシマお前さんはもう少し肩の力を抜いたほうがいいな。
〇×な、なるほど……。
〇×(わっ。マキシマさんもたくさん釣ってる!)
〇×(私もせめて1匹くらいは……!
場所とか変えてみたほうがいいのかな?)
K'……おい、かかってんぞ。
〇×……え。
〇×わわわっ!
K'チッ。
〇×……っ。K'さん?
K'そのまま、釣り竿離すんじゃねぇぞ。
〇×は、はい!
〇×(K'さんが一緒に釣り竿を握ってくれて
さっきより楽になったかも。これなら……!)
K'おい、相棒!
マキシマ網だな、よし!
〇×つ、釣れました!
マキシマよくやったな、〇!
〇×K'さんとマキシマさんのおかげですよ!
K'たかが1匹釣っただけで浮かれすぎだろ。
マキシマまあまあ、いいじゃないか。
〇×(まさか、K'さんとマキシマさんとこんな時間を
過ごせるとは思わなかったなぁ。)
〇×(二人はいつも身を隠すように生活してるし……。)
〇×(…………。)
〇×(そういえば……こんなに目立つところにいて、
大丈夫なのかな?)
K'…………。

第6話 Edit

+  ネタバレ注意
〇×…………。
K'……おい。
〇×K'さん。……あれ? マキシマさんは?
K'アンタのために甘いもの探しに行ったぜ。
〇×そ、そうですか……なんだか悪いです。
K'好きにやらせときゃいい。
……それより、理由を言え。
〇×え……?
K'浮かない顔してただろ。今度はなんで落ち込んでる?
K'……お前を励ませって言われてんだよ。
〇×(隣に座っちゃった。)
K'早くしろ。
〇×あっ、はい。
〇×その……お二人は普段、身を隠しながら生活してますよね。
〇×だから、今日みたいに人目の多いところで遊ぶのは、
だいぶ無茶をしてるんじゃないかって気づいて……。
〇×あっ、もちろん、お二人が私を励ますために
気を遣ってくれてるのはわかってるんですけど……。
K'それでかえって気落ちしてんなら世話ねぇな。
K'いいから、アンタは余計なこと考えずに笑ってろ。
〇×け、K'さん。その頭のなでかたは、ちょっと痛いです……。
K'うるせぇ。文句言うな。
〇×(これも励ましてくれてるってことかな……?)
〇×……ありがとうございます。
K'…………。
〇×そうだ。マキシマさんにもお礼を言わないといけませんね。
K'…………。
〇×昨日、カフェに連れていってくれたこととか、
ちゃんとお礼言えてなかったので。
K'…………。
K'アンタ、アイツのことどう思ってる?
〇×え? どうって……?
K'好きか?
〇×!?
〇×(えっ……えええ!?)
K'…………。
K'……なんでもない。忘れろ。
〇×あ、あの……!
〇×(行っちゃった……。
さっきのどういう意味だったんだろう……。)
逃亡生活開始から一週間がたち――
マキシマん? ……こいつは……。
K'どうした?
マキシマナギから着信だ。
〇×え!?
K'スピーカーにしろ。
ナギ……ああ。良かった。
ちゃんと繋がったね。
マキシマそちらから連絡をよこしたってことは、
何か進展があったのか?
ナギうん。昨日、僕の家にネスツの残党が押しかけてきたよ。
〇×!? だ、大丈夫だったんですか!
ナギふふふ、心配してくれてありがとう、×。
大丈夫だよ。僕とヨミで追い払ったからね。
〇×(よかった……。)
ナギそれから、僕がイグニスではないことと……。
ナギ今後、僕や×に関わることは許さないとも
釘を刺しておいたよ。
ナギだから、×。
君は、安心して帰ってきていいよ。
〇×ありがとうございます……!
〇×(道場に帰れるんだ……。)
ナギあ、でも……K'とマキシマは、まだしばらく都内には
近づかないほうがいいかもしれないね。

第7話 Edit

+  ネタバレ注意
〇×K'さんとマキシマさんは都内に近づかないほうがいいって……。
どういうことですか?
ナギ僕がイグニスの生まれ変わりではないと告げたから、
彼らはそのうち、この国から出ていくかもしれないけど……。
ナギそれは、あくまで僕らに対する脅威がなくなったというだけだ。
マキシマ。残党の数は君らが思っている以上に多いようだよ。
マキシマ……そうか。
マキシマすまんが、誰か〇を迎えに来てやってくれないか?
俺たちは、もう少し逃亡生活を続ける。
〇×っ……!?
マキシマそれでいいな、相棒?
K'……ああ。
〇×(そんな……。それじゃまたしばらく、二人とは
会えなくなる……。)
ナギわかった。それじゃ、×の迎はこちらで
手配するよ。
マキシマ頼む。
〇×(明日でこの生活も終わりか……。)
マキシマこの生活を始めてからずっと車中泊だったからな。
最後の夜くらいは、ベッドでゆっくり休んでくれ。
マキシマ俺たちも同じ階に部屋を取ってるから、何かあれば
声をかけてくれて構わない。
マキシマそれじゃ……おやすみ、〇。
〇×(ゆっくり休んでくれって言われたけど……。
全然眠れない。)
〇×(…………。)
〇×(……さっきのマキシマさん、なんだか悲しそうな顔してた。)
〇×(まさか、二人とも何も言わずに
姿を消しちゃったりしないよね?)
〇×(沖縄のときみたいに……。)
〇×…………。
〇×(……後悔しないように、ちゃんと二人に会ってこよう。)
マキシマずいぶん帰りが遅かったな。相棒。
K'いつ帰ってこようが俺の自由だ。
マキシマはぁ……。
マキシマお前さんが戻ってくるまでにナギから連絡があった。
明日の朝には、京たちがこっちに着くそうだ。
K'…………。
マキシマ〇をあいつらに引き渡したら、
俺たちの役目は終了だ。
マキシマその後は、ほとぼりが冷めるまで国外にでも――
K'何言ってんだ。
マキシマK'……?
K'それで終了? 違ぇだろ。
K'国外に行くって言うなら、あの女も一緒だ。
マキシマ……はぁ。それはダメだと前にも言っただろう。
〇には〇の生活があるんだ。
K'知るか。
俺はもう、アイツから目を離すつもりはねぇんだ。
K'テメェだって本当はそうしてぇんだろ?
マキシマっ……。
K'……止めても無駄だ。
今から俺がアイツをかっさらってくる。
マキシマ待て、K'……!
K'っ――!
マキシマ……っと。おいおい……なんだ、その右腕の炎は。
K'見てのとおりだ。
K'俺を止めてぇんなら、力尽くで止めてみせろ。

第8話 Edit

+  ネタバレ注意
マキシマ……やれやれ。この不良息子は。
聞き訳がないにも程があるぞ。
マキシマちょっとばかしお灸を据えてやらにゃならんか?
K'さっさと構えろよ。
マキシマ…………。
K'――!
マキシマぐぅ……っ。
K'遊びじゃねぇぞ。本気だ。
マキシマチッ! 言ってくれるな。
ふっ――!
マキシマなっ……。
K'生温いんだよ
マキシマ……っ。
K'テメェ、いつになったら本気になるんだよ。
マキシマ反抗期の子供相手に、本気になっても大人げないだろう?
K'ハッ。言ってろ。
K'要は、もっともらしい理由をつけてアイツへの気持ちから
目ぇ逸らしてるだけだろうが。
マキシマ……!
K'気づいてねぇとでも思ったのか。
テメェの気持ちなんざとうに知れてんだよ。
K'……なのに、今にアイツを他の誰かに取られかねない態度で、
見ててイライラする。
K'このままじゃ、損するのも後悔するのもテメェだぞ。
マキシマお前、何を言って……。
K'俺は俺のものを簡単に手放すつもりはねぇ。
K'テメェも男なら、そのくらい獣になれっつってんだよ。
マキシマ(K'……。)
マキシマ(こいつには、俺が〇から逃げてるように
見えてるってわけか。)
マキシマ(だが、それだけじゃあないな。)
マキシマ……そうか。お前さんも……。
K'…………。
マキシマまったく……血気盛んだな、お前さんは。
だが、ひとつ言っておくぞ。
マキシマ大人の気も知らず、この想いを『本気になりきってない』とは
……心外だ。
マキシマおうりゃあっ!
K'――!
K'やればできるじゃねぇか。
マキシマお前さんを子供扱いしていたのは詫びよう。
ここからは、ひとりの男として本気を出させてもらう。
K'ハッ。エンジンかかるのが遅ぇんだよ。
マキシマくっ……。
マキシマ俺だって、できれば彼女と離れたくはないさ。
……離れたくないに決まっているだろう!

第9話 Edit

+  ネタバレ注意
〇×(マキシマさんとK'さん、
どこに行っちゃったんだろう……。)
〇×(聞いてた部屋にはいなかったし……。
まさか、もう出発しちゃったんじゃ……。)
K'オラァ!!
〇×(……今、見えたのって……。)
マキシマフッ――!
K'ウゼェ!!
K'……だったら、そうすりゃいいだろうが!
マキシマ彼女を危険な目に遭わせるとわかっていてできるか!
K'なら、テメェで守っていきゃあいいだろうが!
マキシマそういう問題じゃあない!!
〇×(! やっぱり、K'さんとマキシマさんだ!)
〇×(でも、どうして二人が戦ってるの?
とにかく止めなきゃ……!)
K'くそ……!
〇×……あ、あの! おふたりとも!
K'ッ……。
マキシマなっ……。
〇×はぁ……はぁ……。
〇×あの、どうしちゃったんですか?
どうして、お二人が戦って……。
K'…………。
マキシマあー……いや、これは……。
K'なんでもねぇよ。
〇×で、でも……。
K'なんでもねぇって。……んな顔すんな。
マキシマ…………。
〇×……そうですか。事情はわかりませんけど。
〇×とりあえず、お二人に会えてよかったです。
〇×また、何も言わずに姿を消しちゃうんじゃないかって
不安だったので……。
マキシマ〇……。
K'…………。
〇×行かないでください……とは、言いません。
言えません。
〇×(もっと二人と一緒に過ごしたい気持ちはあるけど、
それを言ったら困らせちゃう。)
〇×(二人は……優しい人だから。)
〇×お二人が背負っている運命を思えば、いつかお別れする日が
来るんだろうなって覚悟はしてました。
〇×でも、何も言わずに出て行くのはダメです。
ちゃんとお礼と、お別れをさせてください。
〇×……ありがとうございました!
気を付けて行ってきてくださいね!

第10話 Edit

+  ネタバレ注意
〇×……それじゃ。私、部屋に戻ってますね。
〇×(あ、泣きそう……。でも、ここで涙を見せたら、
二人に迷惑をかけちゃう……。)
〇×っ……。おやすみなさい。
K'…………。
マキシマ…………。
K'……チッ。逆効果だ、馬鹿……。
マキシマああ。まったくだねぇ……。
マキシマ……。
マキシマまあ、このまま国内各地のアジトを点々としつつ……でも
どうにかなるだろう。
マキシマでもって、彼女に忘れられないように定期的に顔を見せる。
……それでいいか、相棒?
K'フン……。やればできるじゃねぇか。
K'テメェが最初から腹括ってれば、あんなとこアイツに
見られることもなかったのによ。
マキシマまったく……。そういうお前は、彼女のなんなんだ?
K'二度も言わせるな。
俺はアイツを手放す気はねぇんだよ。
マキシマその言葉、ライバル宣言として受け取っておくよ。
マキシマ……なんというか……ありがとうな、K'。
K'ライバルに最初に言うことが礼かよ。余裕だな。
マキシマははっ……。
渋谷に戻り、しばらくたった頃――
〇×K'さん! また会えて嬉しいです!
〇×私、きっとまたしばらく会えなくなるんだろうなって
思ってたから……!
K'誰かさんが泣きそうな顔してたからな。
〇×!?
〇×(あの時、駐車場で泣きそうになってたのは本当だけど……。
気づかれてないと思ってたのに。)
K'…………。
〇×あ、あの!
K'なんだよ。
〇×結局、あの時の喧嘩の理由って、なんだったんですか?
K'チッ。余計なこと思い出しやがって。
K'あの時のことはもう忘れろ、いいな?
〇×(……?)
〇×(もしかして、またマキシマさんと喧嘩してるとか?
今日、道場に来た時もK'さんひとりだったし……。)
マキシマよお、相棒。
それから、〇も。元気そうだな。
〇×マキシマさん!
〇×(なんだ。喧嘩してたわけじゃないんだ。
よかった……。)
K'なんかあったのか。
マキシマ悪いが、用があるのはお前さんじゃない。
マキシマ〇、ちょっといいか?
〇×……? はい――
マキシマよっと。
K'……!
〇×(あれ? 私、なんでマキシマさんのバイクに乗せられて……?)
マキシマこれはお前さんのヘルメットだ。
しっかり被れよ。
〇×えっ、あ、はい。ありがとうございます。
って、そうじゃなくてですね……!
K'……何してんだ、テメェ。
マキシマいや、なに。たまには、獣になろうかと思ってね?
マキシマ行くぞ、〇。
K'…………。
K'いや、いきなりすぎるだろ……。
K'(……上等だ。)