イベントストーリー /その引き金は誰が為に の変更点

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**第1話  [#story1]
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|>|ある日の昼下がり――|
|ヨミ|ナギ様、お茶の準備ができました。|
|ナギ|…………。|
|ヨミ|……ナギ様。テレビは、もう少し離れてご視聴を。|
|テレビの声|――本日は、ただいま密かなブームとなっている&br;『サバゲ―』について特集します!|
|テレビの声|みなさん、サバゲーってなんだか知ってますか?|
|ナギ|さばげー? 初めて聞く名前だ……。&br;ヨミはどんなものか知っているかい?|
|ヨミ|はい。サバゲーとはサバイバルゲームの略称。|
|ヨミ|銃にプラスチック弾を詰め、互いに撃ち合い&br;勝利を目指す遊びになります。|
|ナギ|へぇ、人間界では今こういうものが&br;流行っているのか。|
|ナギ|でも、ただの撃ち合いなんだろう?&br;どこが楽しいのか僕にはわからないな。|
|テレビの声|みなさん、サバゲーの面白さがどこにあるのか&br;わからない、って思っていませんか?|
|ナギ|君はすごいな……まさにその通りだよ。&br;僕にその面白さを教えてくれるかい?|
|テレビの声|それはですね、相手のことをよりよく知ることができる&br;というところにあるんです!|
|ナギ|相手のことを……? 気になるな。&br;もっと詳しく教えてくれ。|
|ヨミ|(ナギ様……テレビと話しておられる……。)|
|テレビの声|人は極限状態に追い込まれると、&br;自分自身の本性を隠さずにはいられません。|
|テレビの声|職場の人や最近知り合ったばかりの人。&br;そんな人たちと銃を持ち、互いにぶつかりあうことで……。|
|テレビの声|今まで知らなかったその人の&br;意外な側面が見えてしまうんです!|
|テレビの声|仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……!&br;そんな人たちと仲良くなるチャンスが来るかも!?|
|ナギ|……。&br;仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……か。|
|ナギ|……これだ。&br;これをやりたいな、ヨミ!|
|ヨミ|……と、申しますと。|
|ナギ|人間って、こういう遊びをして&br;仲良くなっていくものなんだね!|
|ナギ|僕もさばげーで、みんなと仲良くなってみたいよ!|
|>|それから数日後、深夜――|
|マキシマ|K'。またゲームで徹夜する気か?|
|K'|……今話しかけんな。&br;もうすぐ俺と包のチームが勝つ。|
|マキシマ|包も起きてるのか……。&br;2人とも、ほどほどにしておけよ。おやすみ。|
|包の声|ふふっ。K'sannマキシマさんに怒られてる~。|
|K'|うるせぇ。&br;おしゃべりしてるヒマがあったら真面目に索敵しろ。|
|包の声|ボイスチャットは雑談しながら楽しくやるものでしょー?&br;……あっ、いた! K'さんの3時方向に敵!|
|K'|任せろ。|
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**第2話  [#story2]
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|包の声|やったぁー! 勝った勝った!&br;僕たちのチームの優勝~!|
|K'|これくらい当然だ。|
|包の声|すごいな~。僕、ソロで何回かやってるけど、&br;こんなにスムーズに勝てなかったよ。|
|包の声|やっぱり、チームプレイっていいものだね!|
|K'|どうだかな――|
|包の声|ん? なんだろう。&br;僕たちのチーム宛てにメッセージが来たよ。|
|K'|負けたチームが送りつけてきた負け惜しみだろ。&br;そういうのはブラックリストに突っ込んでおけ。|
|包の声|まっさかぁ。一応読んでみようよ。|
|K'|……一応な。|
|包の声|えっと、なになにー?|
|包の声|『K'と包に告ぐ。&br;至急、以下に指定する座標まで来られたし』……?|
|K'|……なんだこれは。|
|包の声|この座標、ゲームのじゃなくてリアルの座標だね。&br;位置的にはK'さんたちの隠れ家の近くかな……?|
|包の声|っていうかこの人、なんで僕たちの名前を知ってるんだろう?&br;僕たち、ゲームの中じゃハンドルネーム使ってるのに。|
|K'|……マキシマが仕込んだイタズラにしては&br;要領を得ないな。|
|包の声|だよねぇ。|
|包の声|あっ、また届いたよ?|
|K'|用があるなら一度にまとめやがれ――&br;……っ!?|
|メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか……わかっているね?』|
|K'|…………。|
|包の声|ね、ねぇ。なんでこの人、お姉ちゃんの名前まで&br;知ってるの!?|
|K'|……俺に聞いたってわかるわけねぇだろ。|
|K'|だからこそ、お望み通り行って確かめてやる。|
|包の声|えっ!? ちょっと待って、K'さ――|
|メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか……わかっているね?』|
|K'|っ……。|
|K'|……このあたりだな。|
|K'|っ……!?|
|K'|(……。なんだ?)|
|K'|(ビルの上に人影が見えた。&br;このバッグを落としてきたのは、そいつか?)|
|K'|(……バッグに手紙が貼ってある。)|
|手紙|『好きな銃を選んでね^U^』|
|K'|(銃……だと?)|
|K'|(……マジで銃だな。)|
|K'|(種類の違う銃が何丁かある。&br;実弾銃にしては軽いな……おもちゃか?)|
|K'|!|

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**第3話  [#story3]
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|マキシマ|まったく、何も言わず出ていくなんて&br;水臭いじゃないか、相棒。|
|K'|……ついてきてたのか。|
|マキシマ|お前さんが大好きなゲームをほっぽりだして&br;どこへ行くのか、興味があってな?|
|マキシマ|その顔色を見るに、ただごとじゃなさそうだ。|
|K'|……。|
|マキシマ|――なるほど。&br;お相手はお嬢さんの名前を出してきたか。|
|マキシマ|ものぐさなお前さんが駆け出して行ったのにも&br;納得だ。|
|K'|貴重な息抜きの時間を邪魔されて腹がたっただけだ。&br;勘違いするな。|
|マキシマ|はいはい。&br;……にしても、なんだ? その大量の銃の入ったバッグは。|
|K'|ビルの上から誰かが投げ落としてきた。&br;手紙には『好きな銃を選べ』と、ふざけた顔文字つきで。|
|マキシマ|……ふむ。実弾銃ではないようだな。|
|K'|どう見てもおもちゃだろ。こんなもんは置いてって、&br;さっさとあいつを探すぞ。|
|マキシマ|! 待て相棒。……誰か来る。|
|包|いたいた!&br;K'さん、マキシマさーん!|
|二階堂紅丸|わお。なんだか珍しい組み合わせじゃない?|
|K'|包。お前はまだ納得行くとして、&br;なんでこいつがいる?|
|包|座標の場所に向かおうとしてたら、&br;途中で紅丸さんとこのリムジンが見えたからさ。|
|包|電車もなかったし、丁度いいやって思って&br;事情を説明してここまで送ってもらったんだ。|
|二階堂紅丸|×ちゃんの一大事と聞いたら、彼女の王子である&br;この俺が出ていかないわけにはいかないだろ?|
|K'|(うぜぇ。)|
|包|僕も一緒にお姉ちゃんを探すよ!&br;だって心配だもん!|
|マキシマ|人手は多いに越したことはないな。&br;だがそれ以上に、今は情報が足りない。|
|二階堂紅丸|座標で指定された場所はここなんだろ?&br;そのうち相手方から姿を現すんじゃないか?|
|K'|チッ。だったらさっさと出てこい。&br;回りくどい真似してんじゃねぇ。|
|???|ふふっ、ごめんよ。&br;ぷれいやーが集まるのを待ってたんだ。|
|K'|……!|
|ナギ|こんばんは。みんな来てくれて嬉しいよ。|
|包|ナギさん、ヨミさん……?|
|K'|テメェらが……?|
|マキシマ|どういうことなのか、説明してもらおうか?|
|ヨミ|……今宵、ナギ様がお前たちを呼び集めた理由は&br;他でもない。|
|K'|――|
|ヨミ|ナギ様は……。|
|ヨミ|ナギ様は、お前たち格闘家と親睦を深めたいと&br;望んでおいでだ。|
|二階堂紅丸|……。はぁ?|
|包|……え、えーっと……?|
|K'|……………………。|

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**第4話  [#story4]
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|マキシマ|すまん……もう一度言ってくれないか。&br;よく聞こえなかった。|
|ナギ|僕はみんなと一緒に楽しいことをしたいんだ!|
|ナギ|だからこの銃を使って、今から僕とげーむをしよう!&br;ねっ?|
|包|ナギさん、ものすごーく笑顔が輝いてる……。|
|マキシマ|ちょ、ちょっと待ってくれ……。|
|マキシマ|ナギ、つまりあんたは遊ぶために俺たちをここへ呼び出したのか?|
|ナギ|呼び出したのはK'と包だけだよ?&br;2人はこういうの好きそうだったからね。|
|ナギ|でも、どうしても遊びたいっていうなら、&br;マキシマと紅丸も仲間に入れてあげてもいいよ!|
|二階堂紅丸|そういう意味じゃないって。|
|マキシマ|くっ……頭が痛くなってきやがった……。|
|K'|フン。ゲームか。|
|K'|確かにさっきも、&br;プレイヤーがどうのとか言ってやがったな。|
|ナギ|そのとおり。|
|K'|……!|
|包|わぁ……! 何、これ!?|
|マキシマ|街の様子が……。&br;ナギ、あんたがやっているのか?|
|ナギ|ようこそ、僕のばとるふぃーるどへ!|
|ナギ|ここは、僕たち以外の人間は入れないようになってる。&br;だから――|
|ナギ|君たちにはここで、この銃を使って、&br;僕たちとさばいばるげーむをしてもらうよ。|
|K'|サバゲーだと?&br;……このおもちゃみてぇな銃でか。|
|ナギ|ふふ。この銃は、この領域でこそ&br;真価を発揮するんだ。|
|ナギ|K'.その銃で足もとを撃ってごらんよ。|
|K'|……。|
|K'|っ……?&br;なんだこれは……インクか?|
|マキシマ|いや。そう見えるが、違うな。&br;視認できるが、実体がまるでつかめない。|
|マキシマ|このフィールドもそうだが……全部あんたが神の力とやらを&br;無駄遣いして作った、幻影なんだろ?|
|ナギ|ご明察だよ。|
|ナギ|その弾にあたっても、&br;色のついた痕が残るだけでケガはしない。けど……。|
|ナギ|その色に塗られた場所から、&br;体の力が吸い取られていくんだ。|
|ナギ|急所を撃たれたらそれでおしまい。&br;被弾箇所が増えれば増えるほど、ただ歩くのも辛くなっていく。|
|包|うわぁ。タチ悪い……。|
|ナギ|痛い思いはしないけど、&br;勝敗がつけやすくていいでしょ?|
|ナギ|君たち4人には、2つのちーむに分かれてもらう。|
|ナギ|K'と包の『K’ちーむ』。&br;マキシマと紅丸で、『マキシマちーむ』という具合にね。|
|ナギ|君たちから見て標的となる僕とヨミは、&br;それぞれ単騎で戦うよ。|
|ナギ|そして、ここからが重要なんだけど――|
|ナギ|僕とヨミは、それぞれ1つずつ&br;『鍵』を持っている。|
|ナギ|これは、『宝箱』を開けるために必要な鍵だよ。|
|K'|宝箱……?|
|ナギ|この領域内のどこかに宝箱がある。&br;その宝箱を見事開けることが出来れば、君たちの勝ちだ。|
|ナギ|その宝箱を開けるには、この2つの鍵が必要になる。&br;どちらか一方だけじゃ、鍵は開かないから注意して。|
|ナギ|宝箱の中には豪華賞品が入っているよ。&br;だからみんな、優勝目指して頑張ってね。|
|マキシマ|一応聞くが……その賞品ってのはなんだ?|
|ナギ|ふふ。それはもちろん……。|
|ナギ|君たちが今、一番欲しいと思っているものだよ。|
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**第5話  [#story5]
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|包|まさか……その宝箱の中に&br;お姉ちゃんを閉じ込めてるとか言わないよね?|
|ナギ|ご想像にお任せするよ。|
|K'|ふざけやがって……。|
|二階堂紅丸|だとしたら、許せないな。&br;一刻も早くお姫様を助けに行かないとね。|
|ナギ|ふふっ。&br;君たちならそう言ってくれると思った。|
|ナギ|それじゃあそろそろ、&br;位置についてもらおうかな――|
|K'|その必要はねぇ。|
|K'|――今ここでテメェらを撃てば、終わる話だ。|
|包|っ……!&br;ナギさんとヨミさん、消えちゃった!|
|ナギの声|せっかちだなぁ。&br;まだげーむは開始してないよ。|
|ナギ|2チームとも、今からそれぞれの携帯に送る座標においで。&br;位置についたら、戦闘開始だ!|
|K'|チッ……!|
|マキシマ|まったく……!&br;何を考えているんだ、ナギの奴は。|
|二階堂紅丸|一度は改心した彼のことだから、×ちゃんに&br;手荒な真似はしていないと思いたいけど……。|
|二階堂紅丸|それにしたって腹が立つな。&br;……このゲームに乗っかるしかない状況にもね。|
|K'|くだらねぇ。さっさと終わらすぞ。|
|包|あっ! 待ってよK'さん!&br;僕も行くー!!|
|二階堂紅丸|はぁ……くだらないと言いつつ、ノリノリじゃない?&br;おたくの息子さん。|
|マキシマ|ああ、ノリがいいのかなんなのか……。|
||って、誰が誰の息子だって!?|
|二階堂紅丸|さーて。俺たちも開始地点とやらに行こうぜ。|
|マキシマ|待て! 俺はこれでもまだ20代だーーー!!|
|>|一方その頃――|
|〇×(主人公)|……ん……。|
|〇×|……あ、あれ……?|
|〇×|(ここ、どこ? 道場じゃない……。)|
|〇×|(私、なんでこんな知らない場所に――)|
|〇×|(っ! ドアが開かない。&br;私、閉じ込められてるの……?)|
|〇×|ひゃっ!|
|〇×|(びっくりした……。&br;私のケータイ、テーブルの上にあったんだ。)|
|〇×|(メッセージが来てる。……ナギさんからだ。&br;ええっと……?)|
|〇×|(……???)|
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**第6話  [#story6]
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|二階堂紅丸|逃がさねぇっ!|
|ヨミ|っ……!|
|二階堂紅丸|よっしゃ!|
|マキシマ|馬鹿! 撃ったらすぐに隠れろと言っただろう!|
|二階堂紅丸|うおわっ!? まずいまずい……っ。|
|マキシマ|相手はヨミだけのようだな。ナギのほうは、&br;うちの相棒たちがどうにかしてくれているといいが……。|
|二階堂紅丸|どうにかして連絡が取れるといいんだけどなぁ。&br;このフィールド、ケータイは圏外みたいだし。|
|マキシマ|加えて、俺のセンサーもうまく働かん。|
|二階堂紅丸|はぁ。&br;あんたの索敵能力、アテにしてたんだけどなぁ。|
|マキシマ|格闘家の勘もアテにしてくれ。&br;……気配が消えたな。移動するぞ。|
|マキシマ|にしても、あんた、そこそこ射撃が上手いじゃないか。&br;驚いたぞ。|
|二階堂紅丸|二階堂家の御曹司たるもの、あらゆる知識と経験が&br;なくちゃね。射撃訓練くらいやってるよ。|
|マキシマ|なんでもできるようにってか。&br;御曹司ってのは大変だな。|
|二階堂紅丸|ノブレス・オブリージュってやつだよ。&br;……って、これどっかの誰かさんと被るな――|
|二階堂紅丸|――! 気配……そこかっ!!|
|二階堂紅丸|!? 嘘だろ、確かに手ごたえはあったのに……!|
|マキシマ|!! 紅丸、伏せろ!|
|二階堂紅丸|っ――!?|
|二階堂紅丸|っ……くそ……。&br;マジで、身体の、力が…………。|
|ヨミ|……。|
|ヨミ|出てこい、マキシマ。&br;……鍵はここにあるぞ。|
|マキシマ|かくれんぼはもうお終いか?&br;いや、助かるね。|
|マキシマ|センサーが使えなくなって実感したよ。&br;お前さんの芸当は本当に人間離れしてるな。|
|マキシマ|気配を完全に消したり、敢えて相手に&br;自分の居所を悟らせるほどの殺気を放ってきたり。|
|ヨミ|御託はいい。&br;鍵がほしくば、全力でかかってこい。|
|マキシマ|……そうだな。善処しよう。|
|マキシマ|(まったく。前に伊勢や大阪で相対したときよりも&br;ずっと分が悪くないか?)|
|マキシマ|(笑えないねぇ……。さて、どうする?)|
|>|一方、K'チームは――|
|K'|チッ……!|
|包|あ、当たらない~!&br;うう、ゲームよりずっと難しいよ……!|
|K'|うろたえるな。&br;ナギの野郎の動きをよく見ろ。|
|包|う、うんっ!|
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**第7話  [#story7]
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|K'|チッ。……どこ行きやがった。|
|包|うーん。&br;確かにこの建物の中に入っていったよね。|
|K'|面倒くせぇ……どうにかしてさっさとケリをつけてやる。&br;行くぞ。|
|包|あっ、K'さん待って!|
|K'|……?|
|包|その……さっきまで僕たちがやってたゲームのことを&br;思い出して?|
|K'|は?|
|包|ゲームでも差、建物内に逃げ込んだターゲットを&br;追いかけることがあったでしょ?|
|包|そういうときは、焦らず騒がず、&br;どうするのが定石だって言ってたっけ?|
|K'|……。|
|K'|逃げ込んだのが1人だけならまだいい。&br;だが、もしかすると伏兵が潜んでいる可能性がある。|
|K'|相手が複数いるかもしれない状況で&br;狭い場所に1人で入り込んでいくのはリスクしかない……。|
|K'|互いの背中を守りながら、内部をクリアリングしつつ&br;殲滅する。……これに限る。|
|包|だよね!|
|K'|んだよ。今もそうしろって言うのか?&br;ありゃゲームの話だぞ。|
|包|案外、今の状況ってゲームのまんまだと思うんだよね。&br;だから試してみない?|
|包|いつもどおり、K'さんの背中は僕が守るよ。&br;だからK'さんは、慎重にクリアリングしていって。ね?|
|K'|……。&br;俺一人で十分だ……と言いたいとこだが。|
|K'|好きにしろ。|
|包|了解であります、隊長!|
|???|ふふっ。仲間って感じで、すっごくいいね。|
|K'|!|
|包|わお。クリアリングする前に出てきちゃったよ。|
|K'|……近くにヨミがいるかもしれない。&br;警戒しろ。|
|包|っ……! うん。|
|ナギ|その心配はいらないよ。ね? ヨミ。|
|K'|……!? 何……?|
|ヨミ|マキシマチームは殲滅した。&br;残るはお前たちだけだ。|
|包|ええーっ!?&br;あの2人、負けちゃったの~!?|
|K'|……。|
|ナギ|きっとこんな構図になるだろうとは思ってたんだ。&br;……それじゃ、始めようか。|
|K'|! 包、散開しろ!!|
|包|っ、了解!!|
|K'|っ……。|
|K'|(相手と真正面からかちあった場合の対策は、&br;包ならわかってるか……。)|
|K'|(クソ、出てくるのが唐突すぎんだよ……!)|
|ナギ|K'、みーつけた!|
|K'|!?|
|K'|げほっ、ごほ……!&br;っ……テメェ……!|
|ナギ|煙幕であぶりだし成功~。&br;隠れてないで、撃ち合おうよ!|
|K'|隠れないサバゲーがあるかよ。&br;……それより……。|
|K'|煙幕なんてものまで用意してやがったのか。&br;だったら、こっちにもよこしやがれ。|
|ナギ|主催者権限。|
|K'|アンフェアだ。|
|ナギ|ふふ。おこらないで。お詫びに、君にもとっておきのものを&br;ぷれぜんとしてあげるからさ!|
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**第8話  [#story8]
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|K'|くっ――!?|
|ナギ|どう? 僕が用意した、&br;K'専用ぼでぃすーつ!|
|ナギ|被弾しても多少攻撃を軽減してくれるし、&br;何よりそれっぽくてかっこいいよね!|
|K'|っ……何をのんきな――!|
|ナギ|おっと、危ない危ない……!|
|ナギ|でも、本気になってきてくれたみたいでよかったよ。&br;僕は本気の君とぶつかりあいたかったんだ……!|
|K'|っ……本気の俺と、だと……?|
|ナギ|僕、格闘家のみんなのことを&br;もっともっとよく知りたかったんだ。|
|ナギ|人間は極限状態に追い込まれると、&br;本性を隠さずにはいられないんでしょ?|
|ナギ|そんな相手とぶつかることで、相手のことをよりよく&br;知ることができる……そうてれびが教えてくれたんだ。|
|ナギ|だから、君を本気にするために&br;×に協力してもらったんだよ。|
|K'|――――|
|ナギ|これはもう君を本気にさせるには十分な状況――|
|ナギ|っ……!?|
|K'|……再確認した。&br;俺は、テメェがマジで嫌いだ。|
|ナギ|……はは。本気、って程度じゃないかも。&br;殺気?|
|K'|当たり前だ。|
|K'|……ナギ。&br;テメェはあのときから何も進歩してねぇな。|
|K'|あのときも言っただろ。&br;テメェの都合で、他人の運命を狂わせるなと。|
|K'|あいつをさらったのは俺を本気にさせるため?&br;……ふざけんじゃねぇよ。|
|K'|その馬鹿っぷりは、一度殴ったくらいじゃ&br;治らねぇようだな――!?|
|包|K'さん、危ない――!!|
|K'|!?|
|包|ふわぁっ!|
|K'|っ、包!?|
|包|うう~……ごめん。&br;左胸一発……やられたぁ……。|
|???|……K'をかばったか。&br;無駄なことを……。|
|K'|ヨミ……。|
|ヨミ|ナギ様を愚弄する者は俺が許さない。&br;……観念しろ、K'。|
|K'|っ……。|
|K'|悪い、包……。&br;ヨミの気配に気づけなかった。|
|包|はは……しょうがないよ。&br;K'さん、ゲームではクールに決めてくれるけど……。|
|包|リアルでは、×お姉ちゃんのこととなると&br;すぐ熱くなっちゃうもんね?|
|K'|うるせぇ。そのまま寝てろ。|
|ナギ|……ありがとう、ヨミ。&br;助かったよ。|
|ヨミ|……。|
|ナギ|……さてと、1対2だね?&br;いくらすーつがあると言っても、分が悪いんじゃないかな?|
|K'|っ……。|
|K'|(ざまぁないが……このまま逃げて2人を撹乱しつつ、&br;1人ずつ仕留めるしかねぇな。)|
|K'|(……俺には逃げ隠れるのがお似合いってわけかよ。&br;笑えねぇぜ……。)|
|K'|!?|
|ヨミ|っ!? なっ――!?|
|ナギ|ヨミ!?|
|ヨミ|っ……。後頭部を一撃……。&br;今、のは……狙撃か……?|
|ヨミ|……! ナギ様、お逃げください!|
|ナギ|!!|
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**第9話  [#story9]
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|K'|(今の、気持ち悪いくらい正確な弾道……。)|
|K'|(……。んだよ、死に損なってんじゃねぇか。)|
|???|――ふぅ。|
|マキシマ|まったく。&br;この銃、どう見ても狙撃銃じゃないんだがなぁ……。|
|マキシマ|ま、そんなおもちゃで一級品の精密射撃ができるのは、&br;博士特製の俺ぐらいなものだろう。|
|マキシマ|こんなことで無駄遣いするなと怒られそうだがな。|
|マキシマ|……さて、近接攻撃は相棒に任せて、こっちは援護と行くか。|
|ナギ|っ……。形勢逆転……?|
|K'|どうやらそうらしいな。|
|ヨミ|くっ……!|
|K'|ヨミの鍵はもらった。&br;……あとはテメェだけだ。覚悟しやがれ。|
|K'|無様に逃げ隠れてみろよ。|
|ナギ|っ……!|
|ナギ|僕は逃げたりしないよ……。&br;君たちと真正面から戦うって、決めたんだ!!|
|ナギ|行くよ、K'――!!|
|K'|っ――!!|
|K'|……!|
|マキシマ|う……うう。|
|K'|カタはついたぜ、相棒。&br;……大丈夫か?|
|マキシマ|ああ……ヨミにこっぴどく撃たれまくった後、&br;這いつくばってここまできたからな……。|
|マキシマ|狙撃は寝ながらできるからとタカをくくっていたが……&br;そろそろ限界だ。|
|マキシマ|まったく。わけのわからん超技術満載の神様の遊びも&br;今日限りにしてほしいもんだね。|
|K'|鍵は2つとも手に入れた。&br;俺は宝箱を……あいつを探してくる。|
|K'|お前はここで休んでろ。|
|マキシマ|待て、K'。そのことなんだが……。|
|マキシマ|ここに来るまでの間に、見つけたぞ。&br;宝箱。|
|K'|……!? どこだ!?|
|K'|(あいつの話じゃ、このあたりか……?)|
|K'|(……くそ。宝箱なんて見当たらねぇぞ。)|
|マキシマ|――宝箱って言っても、地面には落ちてなかったぜ。|
|マキシマ|現地についたら、上を見るんだな。|
|K'|(……とかなんとか言ってやがったな。)|
|K'|(上にある宝箱? ……いったいどういう……。)|
|ビルのテナントの看板|『焼肉たからばこ』|
|K'|……………………。|
|〇×|あっ……K'さん!&br;お疲れさまでした!|
|K'|…………………………………………。|
|K'|……お前はなんで肉を焼いてる。|
|〇×|え、えーっと……。|
|???|やぁ。×、&br;用意してくれてありがとう!|
|〇×|ナギさん。|
|包|うわぁ~! お肉のいい匂い~!|
|二階堂紅丸|やれやれ……まったく&br;今夜はひどい目にあったよ。|
|マキシマ|〇、お前さんも災難だったな。|
|〇×|あはは……みなさんこそ。|
|K'|……。&br;説明を受けてないのは俺だけか?|
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**第10話  [#story10]
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|ナギ|改めまして、K'。&br;優勝おめでとう!|
|ナギ|×にはずっと、&br;この『焼肉たからばこ』にいてもらったんだ。|
|ナギ|僕、最近ここの店長と仲良くなってね。&br;無理を言って、深夜に貸し切りをお願いしたんだよ。|
|ナギ|それで、×には勝敗がつくまでの間、&br;品物の注文をお願いしておいたってわけ。|
|〇×|えっと……ナギさんに指示をもらって、みなさんが相手に&br;被弾させるごとに品物をオーダーしておきました。|
|〇×|これが、紅丸さんがヨミさんに撃たれた時のタン塩で、&br;こっちはヨミさんがマキシマさんを撃ったときのハラミ……。|
|〇×|こっちは、K'さんがナギさんを倒したときにオーダーした、&br;国産黒毛和牛特上カルビです!|
|K'|……………………。|
|K'|帰る。|
|〇×|ええっ!? け、K'さん!?|
|マキシマ|まぁ待てK'。怒るのも無理ないがな――|
|K'|怒る? んなかわいいもんだったら&br;さぞ良かっただろうな。|
|K'|こっちは最悪の気分だ。&br;……ナギ、テメェには金輪際一切関わらねぇ。|
|ナギ|えっ……。|
|K'|さっきも言ったがな。テメェのそういう他人の都合を&br;一切考えねぇところが嫌いだ。|
|K'|冗談でしたで済まされねぇこともあるってことを&br;これを機会に学んどけ。……じゃあな。|
|ナギ|っ……。|
|〇×|あ、あのっ!|
|K'|……?|
|〇×|その……。|
|〇×|……私も、ナギさんに言わせてください。&br;今回のは、ちょっとやりすぎだったと思います。|
|〇×|みなさん、何の説明もされないまま&br;いきなりゲームに巻き込まれて……。|
|〇×|私も、今みなさんに心配をかけてるんだろうなって思ったら&br;気が気じゃなかったです。|
|ナギ|×……。|
|ナギ|…………。|
|ナギ|……ごめん。僕は……。&br;ただみんなともっと仲良くなりたくて……。|
|〇×|……ナギさん。|
|〇×|ナギさんはまだ、なんとなく私たちに踏み込みづらいのかも&br;しれないですけど……。|
|〇×|最初から私たちと遊びたいとか、こういうことがしたい!&br;って相談してくれれば、それで大丈夫なんですよ。|
|〇×|というか、相談してください。&br;それでだいたいのことは上手くいくと思いますから。|
|ナギ|…………。|
|〇×|K'さんが言いたいのは、&br;つまりそういうことですよね?|
|K'|…………。|
|ナギ|……相談……。|
|ナギ|……そっか。僕は自分でも知らない間に、&br;君たちと向き合うことから逃げてたのかもしれない……。|
|ナギ|K'。……それに、みんなも。&br;本当にごめん。|
|K'|…………。|
|ナギ|ヨミも巻きこんじゃってごめんね。|
|ヨミ|いえ。俺は……。|
|ヨミ|……。俺も、最初からナギ様をお止めできていれば&br;よかったのですが。|
|ナギ|って、君も最初から&br;×と同意見だったのかい!?|
|ヨミ|準備を進めるナギ様が、&br;あまりにも楽しそうだったもので。|
|ナギ|うう。そうならそうと言ってほしかったなあ……。|
|〇×|あはは……。|
|マキシマ|よし。〇の説教で&br;ナギがまたひとつ学んだところで……。|
|包|待ってました~!&br;深夜の焼肉パーティー、だねっ!|
|K'|チッ……調子狂う……。|
|包|あれ? K'さん帰っちゃうの?|
|包|お肉だよ? 国産黒毛和牛だよ?&br;お姉ちゃんが焼いてくれるんだよ??|
|K'|…………………………………………。|
|〇×|K'さん……。|
|K'|レアだ。|
|〇×|えっ?|
|K'|俺はレアしか食わない。&br;さっさと焼け。|
|〇×|……! はいっ!|
|K'|ナギ。ここに並んでる肉以外もオーダーするぞ。&br;いいんだな?|
|ナギ|……!|
|ナギ|うん! 好きなもの、どんどん頼んでいいよ!|
|マキシマ|お、機嫌直したか? 相棒。|
|K'|うるせぇ。|
|K'|(……最悪の夜だぜ……。)|
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