イベントストーリー /その引き金は誰が為に

Last-modified: Wed, 29 Jan 2020 18:38:30 JST (1550d)
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第1話 Edit

+  ネタバレ注意
ある日の昼下がり――
ヨミナギ様、お茶の準備ができました。
ナギ…………。
ヨミ……ナギ様。テレビは、もう少し離れてご視聴を。
テレビの声――本日は、ただいま密かなブームとなっている
『サバゲ―』について特集します!
テレビの声みなさん、サバゲーってなんだか知ってますか?
ナギさばげー? 初めて聞く名前だ……。
ヨミはどんなものか知っているかい?
ヨミはい。サバゲーとはサバイバルゲームの略称。
ヨミ銃にプラスチック弾を詰め、互いに撃ち合い
勝利を目指す遊びになります。
ナギへぇ、人間界では今こういうものが
流行っているのか。
ナギでも、ただの撃ち合いなんだろう?
どこが楽しいのか僕にはわからないな。
テレビの声みなさん、サバゲーの面白さがどこにあるのか
わからない、って思っていませんか?
ナギ君はすごいな……まさにその通りだよ。
僕にその面白さを教えてくれるかい?
テレビの声それはですね、相手のことをよりよく知ることができる
というところにあるんです!
ナギ相手のことを……? 気になるな。
もっと詳しく教えてくれ。
ヨミ(ナギ様……テレビと話しておられる……。)
テレビの声人は極限状態に追い込まれると、
自分自身の本性を隠さずにはいられません。
テレビの声職場の人や最近知り合ったばかりの人。
そんな人たちと銃を持ち、互いにぶつかりあうことで……。
テレビの声今まで知らなかったその人の
意外な側面が見えてしまうんです!
テレビの声仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……!
そんな人たちと仲良くなるチャンスが来るかも!?
ナギ……。
仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……か。
ナギ……これだ。
これをやりたいな、ヨミ!
ヨミ……と、申しますと。
ナギ人間って、こういう遊びをして
仲良くなっていくものなんだね!
ナギ僕もさばげーで、みんなと仲良くなってみたいよ!
それから数日後、深夜――
マキシマK'。またゲームで徹夜する気か?
K'……今話しかけんな。
もうすぐ俺と包のチームが勝つ。
マキシマ包も起きてるのか……。
2人とも、ほどほどにしておけよ。おやすみ。
包の声ふふっ。K'sannマキシマさんに怒られてる~。
K'うるせぇ。
おしゃべりしてるヒマがあったら真面目に索敵しろ。
包の声ボイスチャットは雑談しながら楽しくやるものでしょー?
……あっ、いた! K'さんの3時方向に敵!
K'任せろ。

第2話 Edit

+  ネタバレ注意
包の声やったぁー! 勝った勝った!
僕たちのチームの優勝~!
K'これくらい当然だ。
包の声すごいな~。僕、ソロで何回かやってるけど、
こんなにスムーズに勝てなかったよ。
包の声やっぱり、チームプレイっていいものだね!
K'どうだかな――
包の声ん? なんだろう。
僕たちのチーム宛てにメッセージが来たよ。
K'負けたチームが送りつけてきた負け惜しみだろ。
そういうのはブラックリストに突っ込んでおけ。
包の声まっさかぁ。一応読んでみようよ。
K'……一応な。
包の声えっと、なになにー?
包の声『K'と包に告ぐ。
至急、以下に指定する座標まで来られたし』……?
K'……なんだこれは。
包の声この座標、ゲームのじゃなくてリアルの座標だね。
位置的にはK'さんたちの隠れ家の近くかな……?
包の声っていうかこの人、なんで僕たちの名前を知ってるんだろう?
僕たち、ゲームの中じゃハンドルネーム使ってるのに。
K'……マキシマが仕込んだイタズラにしては
要領を得ないな。
包の声だよねぇ。
包の声あっ、また届いたよ?
K'用があるなら一度にまとめやがれ――
……っ!?
メッセージ『すぐにこないと、〇×(主人公)が
どうなるか……わかっているね?』
K'…………。
包の声ね、ねぇ。なんでこの人、お姉ちゃんの名前まで
知ってるの!?
K'……俺に聞いたってわかるわけねぇだろ。
K'だからこそ、お望み通り行って確かめてやる。
包の声えっ!? ちょっと待って、K'さ――
メッセージ『すぐにこないと、〇×(主人公)が
どうなるか……わかっているね?』
K'っ……。
K'……このあたりだな。
K'っ……!?
K'(……。なんだ?)
K'(ビルの上に人影が見えた。
このバッグを落としてきたのは、そいつか?)
K'(……バッグに手紙が貼ってある。)
手紙『好きな銃を選んでね^U^』
K'(銃……だと?)
K'(……マジで銃だな。)
K'(種類の違う銃が何丁かある。
実弾銃にしては軽いな……おもちゃか?)
K'

第3話 Edit

+  ネタバレ注意
マキシマまったく、何も言わず出ていくなんて
水臭いじゃないか、相棒。
K'……ついてきてたのか。
マキシマお前さんが大好きなゲームをほっぽりだして
どこへ行くのか、興味があってな?
マキシマその顔色を見るに、ただごとじゃなさそうだ。
K'……。
マキシマ――なるほど。
お相手はお嬢さんの名前を出してきたか。
マキシマものぐさなお前さんが駆け出して行ったのにも
納得だ。
K'貴重な息抜きの時間を邪魔されて腹がたっただけだ。
勘違いするな。
マキシマはいはい。
……にしても、なんだ? その大量の銃の入ったバッグは。
K'ビルの上から誰かが投げ落としてきた。
手紙には『好きな銃を選べ』と、ふざけた顔文字つきで。
マキシマ……ふむ。実弾銃ではないようだな。
K'どう見てもおもちゃだろ。こんなもんは置いてって、
さっさとあいつを探すぞ。
マキシマ! 待て相棒。……誰か来る。
いたいた!
K'さん、マキシマさーん!
二階堂紅丸わお。なんだか珍しい組み合わせじゃない?
K'包。お前はまだ納得行くとして、
なんでこいつがいる?
座標の場所に向かおうとしてたら、
途中で紅丸さんとこのリムジンが見えたからさ。
電車もなかったし、丁度いいやって思って
事情を説明してここまで送ってもらったんだ。
二階堂紅丸×ちゃんの一大事と聞いたら、彼女の王子である
この俺が出ていかないわけにはいかないだろ?
K'(うぜぇ。)
僕も一緒にお姉ちゃんを探すよ!
だって心配だもん!
マキシマ人手は多いに越したことはないな。
だがそれ以上に、今は情報が足りない。
二階堂紅丸座標で指定された場所はここなんだろ?
そのうち相手方から姿を現すんじゃないか?
K'チッ。だったらさっさと出てこい。
回りくどい真似してんじゃねぇ。
???ふふっ、ごめんよ。
ぷれいやーが集まるのを待ってたんだ。
K'……!
ナギこんばんは。みんな来てくれて嬉しいよ。
ナギさん、ヨミさん……?
K'テメェらが……?
マキシマどういうことなのか、説明してもらおうか?
ヨミ……今宵、ナギ様がお前たちを呼び集めた理由は
他でもない。
K'――
ヨミナギ様は……。
ヨミナギ様は、お前たち格闘家と親睦を深めたいと
望んでおいでだ。
二階堂紅丸……。はぁ?
……え、えーっと……?
K'……………………。

第4話 Edit

+  ネタバレ注意
マキシマすまん……もう一度言ってくれないか。
よく聞こえなかった。
ナギ僕はみんなと一緒に楽しいことをしたいんだ!
ナギだからこの銃を使って、今から僕とげーむをしよう!
ねっ?
ナギさん、ものすごーく笑顔が輝いてる……。
マキシマちょ、ちょっと待ってくれ……。
マキシマナギ、つまりあんたは遊ぶために俺たちをここへ呼び出したのか?
ナギ呼び出したのはK'と包だけだよ?
2人はこういうの好きそうだったからね。
ナギでも、どうしても遊びたいっていうなら、
マキシマと紅丸も仲間に入れてあげてもいいよ!
二階堂紅丸そういう意味じゃないって。
マキシマくっ……頭が痛くなってきやがった……。
K'フン。ゲームか。
K'確かにさっきも、
プレイヤーがどうのとか言ってやがったな。
ナギそのとおり。
K'……!
わぁ……! 何、これ!?
マキシマ街の様子が……。
ナギ、あんたがやっているのか?
ナギようこそ、僕のばとるふぃーるどへ!
ナギここは、僕たち以外の人間は入れないようになってる。
だから――
ナギ君たちにはここで、この銃を使って、
僕たちとさばいばるげーむをしてもらうよ。
K'サバゲーだと?
……このおもちゃみてぇな銃でか。
ナギふふ。この銃は、この領域でこそ
真価を発揮するんだ。
ナギK'.その銃で足もとを撃ってごらんよ。
K'……。
K'っ……?
なんだこれは……インクか?
マキシマいや。そう見えるが、違うな。
視認できるが、実体がまるでつかめない。
マキシマこのフィールドもそうだが……全部あんたが神の力とやらを
無駄遣いして作った、幻影なんだろ?
ナギご明察だよ。
ナギその弾にあたっても、
色のついた痕が残るだけでケガはしない。けど……。
ナギその色に塗られた場所から、
体の力が吸い取られていくんだ。
ナギ急所を撃たれたらそれでおしまい。
被弾箇所が増えれば増えるほど、ただ歩くのも辛くなっていく。
うわぁ。タチ悪い……。
ナギ痛い思いはしないけど、
勝敗がつけやすくていいでしょ?
ナギ君たち4人には、2つのちーむに分かれてもらう。
ナギK'と包の『K’ちーむ』。
マキシマと紅丸で、『マキシマちーむ』という具合にね。
ナギ君たちから見て標的となる僕とヨミは、
それぞれ単騎で戦うよ。
ナギそして、ここからが重要なんだけど――
ナギ僕とヨミは、それぞれ1つずつ
『鍵』を持っている。
ナギこれは、『宝箱』を開けるために必要な鍵だよ。
K'宝箱……?
ナギこの領域内のどこかに宝箱がある。
その宝箱を見事開けることが出来れば、君たちの勝ちだ。
ナギその宝箱を開けるには、この2つの鍵が必要になる。
どちらか一方だけじゃ、鍵は開かないから注意して。
ナギ宝箱の中には豪華賞品が入っているよ。
だからみんな、優勝目指して頑張ってね。
マキシマ一応聞くが……その賞品ってのはなんだ?
ナギふふ。それはもちろん……。
ナギ君たちが今、一番欲しいと思っているものだよ。

第5話 Edit

+  ネタバレ注意
まさか……その宝箱の中に
お姉ちゃんを閉じ込めてるとか言わないよね?
ナギご想像にお任せするよ。
K'ふざけやがって……。
二階堂紅丸だとしたら、許せないな。
一刻も早くお姫様を助けに行かないとね。
ナギふふっ。
君たちならそう言ってくれると思った。
ナギそれじゃあそろそろ、
位置についてもらおうかな――
K'その必要はねぇ。
K'――今ここでテメェらを撃てば、終わる話だ。
っ……!
ナギさんとヨミさん、消えちゃった!
ナギの声せっかちだなぁ。
まだげーむは開始してないよ。
ナギ2チームとも、今からそれぞれの携帯に送る座標においで。
位置についたら、戦闘開始だ!
K'チッ……!
マキシマまったく……!
何を考えているんだ、ナギの奴は。
二階堂紅丸一度は改心した彼のことだから、×ちゃんに
手荒な真似はしていないと思いたいけど……。
二階堂紅丸それにしたって腹が立つな。
……このゲームに乗っかるしかない状況にもね。
K'くだらねぇ。さっさと終わらすぞ。
あっ! 待ってよK'さん!
僕も行くー!!
二階堂紅丸はぁ……くだらないと言いつつ、ノリノリじゃない?
おたくの息子さん。
マキシマああ、ノリがいいのかなんなのか……。
って、誰が誰の息子だって!?
二階堂紅丸さーて。俺たちも開始地点とやらに行こうぜ。
マキシマ待て! 俺はこれでもまだ20代だーーー!!
一方その頃――
〇×(主人公)……ん……。
〇×……あ、あれ……?
〇×(ここ、どこ? 道場じゃない……。)
〇×(私、なんでこんな知らない場所に――)
〇×(っ! ドアが開かない。
私、閉じ込められてるの……?)
〇×ひゃっ!
〇×(びっくりした……。
私のケータイ、テーブルの上にあったんだ。)
〇×(メッセージが来てる。……ナギさんからだ。
ええっと……?)
〇×(……???)

第6話 Edit

+  ネタバレ注意
二階堂紅丸逃がさねぇっ!
ヨミっ……!
二階堂紅丸よっしゃ!
マキシマ馬鹿! 撃ったらすぐに隠れろと言っただろう!
二階堂紅丸うおわっ!? まずいまずい……っ。
マキシマ相手はヨミだけのようだな。ナギのほうは、
うちの相棒たちがどうにかしてくれているといいが……。
二階堂紅丸どうにかして連絡が取れるといいんだけどなぁ。
このフィールド、ケータイは圏外みたいだし。
マキシマ加えて、俺のセンサーもうまく働かん。
二階堂紅丸はぁ。
あんたの索敵能力、アテにしてたんだけどなぁ。
マキシマ格闘家の勘もアテにしてくれ。
……気配が消えたな。移動するぞ。
マキシマにしても、あんた、そこそこ射撃が上手いじゃないか。
驚いたぞ。
二階堂紅丸二階堂家の御曹司たるもの、あらゆる知識と経験が
なくちゃね。射撃訓練くらいやってるよ。
マキシマなんでもできるようにってか。
御曹司ってのは大変だな。
二階堂紅丸ノブレス・オブリージュってやつだよ。
……って、これどっかの誰かさんと被るな――
二階堂紅丸――! 気配……そこかっ!!
二階堂紅丸!? 嘘だろ、確かに手ごたえはあったのに……!
マキシマ!! 紅丸、伏せろ!
二階堂紅丸っ――!?
二階堂紅丸っ……くそ……。
マジで、身体の、力が…………。
ヨミ……。
ヨミ出てこい、マキシマ。
……鍵はここにあるぞ。
マキシマかくれんぼはもうお終いか?
いや、助かるね。
マキシマセンサーが使えなくなって実感したよ。
お前さんの芸当は本当に人間離れしてるな。
マキシマ気配を完全に消したり、敢えて相手に
自分の居所を悟らせるほどの殺気を放ってきたり。
ヨミ御託はいい。
鍵がほしくば、全力でかかってこい。
マキシマ……そうだな。善処しよう。
マキシマ(まったく。前に伊勢や大阪で相対したときよりも
ずっと分が悪くないか?)
マキシマ(笑えないねぇ……。さて、どうする?)
一方、K'チームは――
K'チッ……!
あ、当たらない~!
うう、ゲームよりずっと難しいよ……!
K'うろたえるな。
ナギの野郎の動きをよく見ろ。
う、うんっ!

第7話 Edit

+  ネタバレ注意
K'チッ。……どこ行きやがった。
うーん。
確かにこの建物の中に入っていったよね。
K'面倒くせぇ……どうにかしてさっさとケリをつけてやる。
行くぞ。
あっ、K'さん待って!
K'……?
その……さっきまで僕たちがやってたゲームのことを
思い出して?
K'は?
ゲームでも差、建物内に逃げ込んだターゲットを
追いかけることがあったでしょ?
そういうときは、焦らず騒がず、
どうするのが定石だって言ってたっけ?
K'……。
K'逃げ込んだのが1人だけならまだいい。
だが、もしかすると伏兵が潜んでいる可能性がある。
K'相手が複数いるかもしれない状況で
狭い場所に1人で入り込んでいくのはリスクしかない……。
K'互いの背中を守りながら、内部をクリアリングしつつ
殲滅する。……これに限る。
だよね!
K'んだよ。今もそうしろって言うのか?
ありゃゲームの話だぞ。
案外、今の状況ってゲームのまんまだと思うんだよね。
だから試してみない?
いつもどおり、K'さんの背中は僕が守るよ。
だからK'さんは、慎重にクリアリングしていって。ね?
K'……。
俺一人で十分だ……と言いたいとこだが。
K'好きにしろ。
了解であります、隊長!
???ふふっ。仲間って感じで、すっごくいいね。
K'
わお。クリアリングする前に出てきちゃったよ。
K'……近くにヨミがいるかもしれない。
警戒しろ。
っ……! うん。
ナギその心配はいらないよ。ね? ヨミ。
K'……!? 何……?
ヨミマキシマチームは殲滅した。
残るはお前たちだけだ。
ええーっ!?
あの2人、負けちゃったの~!?
K'……。
ナギきっとこんな構図になるだろうとは思ってたんだ。
……それじゃ、始めようか。
K'! 包、散開しろ!!
っ、了解!!
K'っ……。
K'(相手と真正面からかちあった場合の対策は、
包ならわかってるか……。)
K'(クソ、出てくるのが唐突すぎんだよ……!)
ナギK'、みーつけた!
K'!?
K'げほっ、ごほ……!
っ……テメェ……!
ナギ煙幕であぶりだし成功~。
隠れてないで、撃ち合おうよ!
K'隠れないサバゲーがあるかよ。
……それより……。
K'煙幕なんてものまで用意してやがったのか。
だったら、こっちにもよこしやがれ。
ナギ主催者権限。
K'アンフェアだ。
ナギふふ。おこらないで。お詫びに、君にもとっておきのものを
ぷれぜんとしてあげるからさ!

第8話 Edit

+  ネタバレ注意
K'くっ――!?
ナギどう? 僕が用意した、
K'専用ぼでぃすーつ!
ナギ被弾しても多少攻撃を軽減してくれるし、
何よりそれっぽくてかっこいいよね!
K'っ……何をのんきな――!
ナギおっと、危ない危ない……!
ナギでも、本気になってきてくれたみたいでよかったよ。
僕は本気の君とぶつかりあいたかったんだ……!
K'っ……本気の俺と、だと……?
ナギ僕、格闘家のみんなのことを
もっともっとよく知りたかったんだ。
ナギ人間は極限状態に追い込まれると、
本性を隠さずにはいられないんでしょ?
ナギそんな相手とぶつかることで、相手のことをよりよく
知ることができる……そうてれびが教えてくれたんだ。
ナギだから、君を本気にするために
×に協力してもらったんだよ。
K'――――
ナギこれはもう君を本気にさせるには十分な状況――
ナギっ……!?
K'……再確認した。
俺は、テメェがマジで嫌いだ。
ナギ……はは。本気、って程度じゃないかも。
殺気?
K'当たり前だ。
K'……ナギ。
テメェはあのときから何も進歩してねぇな。
K'あのときも言っただろ。
テメェの都合で、他人の運命を狂わせるなと。
K'あいつをさらったのは俺を本気にさせるため?
……ふざけんじゃねぇよ。
K'その馬鹿っぷりは、一度殴ったくらいじゃ
治らねぇようだな――!?
K'さん、危ない――!!
K'!?
ふわぁっ!
K'っ、包!?
うう~……ごめん。
左胸一発……やられたぁ……。
???……K'をかばったか。
無駄なことを……。
K'ヨミ……。
ヨミナギ様を愚弄する者は俺が許さない。
……観念しろ、K'。
K'っ……。
K'悪い、包……。
ヨミの気配に気づけなかった。
はは……しょうがないよ。
K'さん、ゲームではクールに決めてくれるけど……。
リアルでは、×お姉ちゃんのこととなると
すぐ熱くなっちゃうもんね?
K'うるせぇ。そのまま寝てろ。
ナギ……ありがとう、ヨミ。
助かったよ。
ヨミ……。
ナギ……さてと、1対2だね?
いくらすーつがあると言っても、分が悪いんじゃないかな?
K'っ……。
K'(ざまぁないが……このまま逃げて2人を撹乱しつつ、
1人ずつ仕留めるしかねぇな。)
K'(……俺には逃げ隠れるのがお似合いってわけかよ。
笑えねぇぜ……。)
K'!?
ヨミっ!? なっ――!?
ナギヨミ!?
ヨミっ……。後頭部を一撃……。
今、のは……狙撃か……?
ヨミ……! ナギ様、お逃げください!
ナギ!!

第9話 Edit

+  ネタバレ注意
K'(今の、気持ち悪いくらい正確な弾道……。)
K'(……。んだよ、死に損なってんじゃねぇか。)
???――ふぅ。
マキシマまったく。
この銃、どう見ても狙撃銃じゃないんだがなぁ……。
マキシマま、そんなおもちゃで一級品の精密射撃ができるのは、
博士特製の俺ぐらいなものだろう。
マキシマこんなことで無駄遣いするなと怒られそうだがな。
マキシマ……さて、近接攻撃は相棒に任せて、こっちは援護と行くか。
ナギっ……。形勢逆転……?
K'どうやらそうらしいな。
ヨミくっ……!
K'ヨミの鍵はもらった。
……あとはテメェだけだ。覚悟しやがれ。
K'無様に逃げ隠れてみろよ。
ナギっ……!
ナギ僕は逃げたりしないよ……。
君たちと真正面から戦うって、決めたんだ!!
ナギ行くよ、K'――!!
K'っ――!!
K'……!
マキシマう……うう。
K'カタはついたぜ、相棒。
……大丈夫か?
マキシマああ……ヨミにこっぴどく撃たれまくった後、
這いつくばってここまできたからな……。
マキシマ狙撃は寝ながらできるからとタカをくくっていたが……
そろそろ限界だ。
マキシマまったく。わけのわからん超技術満載の神様の遊びも
今日限りにしてほしいもんだね。
K'鍵は2つとも手に入れた。
俺は宝箱を……あいつを探してくる。
K'お前はここで休んでろ。
マキシマ待て、K'。そのことなんだが……。
マキシマここに来るまでの間に、見つけたぞ。
宝箱。
K'……!? どこだ!?
K'(あいつの話じゃ、このあたりか……?)
K'(……くそ。宝箱なんて見当たらねぇぞ。)
マキシマ――宝箱って言っても、地面には落ちてなかったぜ。
マキシマ現地についたら、上を見るんだな。
K'(……とかなんとか言ってやがったな。)
K'(上にある宝箱? ……いったいどういう……。)
ビルのテナントの看板『焼肉たからばこ』
K'……………………。
〇×あっ……K'さん!
お疲れさまでした!
K'…………………………………………。
K'……お前はなんで肉を焼いてる。
〇×え、えーっと……。
???やぁ。×、
用意してくれてありがとう!
〇×ナギさん。
うわぁ~! お肉のいい匂い~!
二階堂紅丸やれやれ……まったく
今夜はひどい目にあったよ。
マキシマ〇、お前さんも災難だったな。
〇×あはは……みなさんこそ。
K'……。
説明を受けてないのは俺だけか?

第10話 Edit

+  ネタバレ注意
ナギ改めまして、K'。
優勝おめでとう!
ナギ×にはずっと、
この『焼肉たからばこ』にいてもらったんだ。
ナギ僕、最近ここの店長と仲良くなってね。
無理を言って、深夜に貸し切りをお願いしたんだよ。
ナギそれで、×には勝敗がつくまでの間、
品物の注文をお願いしておいたってわけ。
〇×えっと……ナギさんに指示をもらって、みなさんが相手に
被弾させるごとに品物をオーダーしておきました。
〇×これが、紅丸さんがヨミさんに撃たれた時のタン塩で、
こっちはヨミさんがマキシマさんを撃ったときのハラミ……。
〇×こっちは、K'さんがナギさんを倒したときにオーダーした、
国産黒毛和牛特上カルビです!
K'……………………。
K'帰る。
〇×ええっ!? け、K'さん!?
マキシマまぁ待てK'。怒るのも無理ないがな――
K'怒る? んなかわいいもんだったら
さぞ良かっただろうな。
K'こっちは最悪の気分だ。
……ナギ、テメェには金輪際一切関わらねぇ。
ナギえっ……。
K'さっきも言ったがな。テメェのそういう他人の都合を
一切考えねぇところが嫌いだ。
K'冗談でしたで済まされねぇこともあるってことを
これを機会に学んどけ。……じゃあな。
ナギっ……。
〇×あ、あのっ!
K'……?
〇×その……。
〇×……私も、ナギさんに言わせてください。
今回のは、ちょっとやりすぎだったと思います。
〇×みなさん、何の説明もされないまま
いきなりゲームに巻き込まれて……。
〇×私も、今みなさんに心配をかけてるんだろうなって思ったら
気が気じゃなかったです。
ナギ×……。
ナギ…………。
ナギ……ごめん。僕は……。
ただみんなともっと仲良くなりたくて……。
〇×……ナギさん。
〇×ナギさんはまだ、なんとなく私たちに踏み込みづらいのかも
しれないですけど……。
〇×最初から私たちと遊びたいとか、こういうことがしたい!
って相談してくれれば、それで大丈夫なんですよ。
〇×というか、相談してください。
それでだいたいのことは上手くいくと思いますから。
ナギ…………。
〇×K'さんが言いたいのは、
つまりそういうことですよね?
K'…………。
ナギ……相談……。
ナギ……そっか。僕は自分でも知らない間に、
君たちと向き合うことから逃げてたのかもしれない……。
ナギK'。……それに、みんなも。
本当にごめん。
K'…………。
ナギヨミも巻きこんじゃってごめんね。
ヨミいえ。俺は……。
ヨミ……。俺も、最初からナギ様をお止めできていれば
よかったのですが。
ナギって、君も最初から
×と同意見だったのかい!?
ヨミ準備を進めるナギ様が、
あまりにも楽しそうだったもので。
ナギうう。そうならそうと言ってほしかったなあ……。
〇×あはは……。
マキシマよし。〇の説教で
ナギがまたひとつ学んだところで……。
待ってました~!
深夜の焼肉パーティー、だねっ!
K'チッ……調子狂う……。
あれ? K'さん帰っちゃうの?
お肉だよ? 国産黒毛和牛だよ?
お姉ちゃんが焼いてくれるんだよ??
K'…………………………………………。
〇×K'さん……。
K'レアだ。
〇×えっ?
K'俺はレアしか食わない。
さっさと焼け。
〇×……! はいっ!
K'ナギ。ここに並んでる肉以外もオーダーするぞ。
いいんだな?
ナギ……!
ナギうん! 好きなもの、どんどん頼んでいいよ!
マキシマお、機嫌直したか? 相棒。
K'うるせぇ。
K'(……最悪の夜だぜ……。)