アンディ・ボガード | さて、そろそろ行くとしようか。 |
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〇×(主人公) | あ、自分の分は、払いますから―― |
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アンディ・ボガード | いいんだよ。僕も一度は〇さんと一緒に 食べたいと思っていたんだ。 |
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アンディ・ボガード | だから、ここは僕にご馳走させてくれないか? |
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〇× | は、はい。それでは、お言葉に甘えて……。 ご馳走様でした。とっても美味しかったです! |
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〇× | 本当にありがとうございました。おそばもくずきりも アンディさんの言った通り、絶品でした。 |
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アンディ・ボガード | うん。気に入ってもらえたようで嬉しいよ。 |
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アンディ・ボガード | さて……今日は空いているようだし 途中まではケーブルカーで行こうか。 |
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〇× | いえ、アンディさんがいつも行っているルートがいいです。 |
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アンディ・ボガード | 結構歩くけど、いいのかい? |
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〇× | はい。山歩きは慣れていますから。 むしろ、そのほうが嬉しいです。 |
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アンディ・ボガード | 〇さんがそう言うのなら、いつも通りの道で行こう。 結構歩くから、覚悟しておいてね? |
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〇× | はい! |
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〇× | (木の隙間から太陽の陽が差してキラキラしてる。) |
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〇× | (空気も美味しいし、景色もきれいだし やっぱり、山はいいな……。) |
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アンディ・ボガード | あ、そこはちょっと足元が悪いから気を付けて。 |
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〇× | はい。分かりました。 でも、このくらい、へっちゃらですよ。 |
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アンディ・ボガード | ふふ、本当に登山が好きなんだね。 |
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アンディ・ボガード | 結構歩いたのに、 なんだか、いつもよりもイキイキしているみたいだ。 |
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〇× | 生まれてから、ずっと山は身近な存在でしたから。 このくらいの高さでしたら、まだまだ元気ですよ。 |
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アンディ・ボガード | それは頼もしいね。 それじゃあ、もう少しペースを上げようか。 |
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〇× | はい! |
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アンディ・ボガード | ほら、あれが目的の場所だよ。 |
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〇× | え、滝……ですか? |
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アンディ・ボガード | そう。何をするか、もうわかったでしょ? |
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〇× | え、何する―― |
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〇× | (ああっ! アンディさんが滝壺の中に入って行っちゃった。) |
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〇× | (……そっか、滝の水に当たって修行をするのが ここに来た目的だったんだ。) |
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〇× | (ということは、さっきのヒントは 天狗じゃなくて『修行』のほうだったんだな。) |
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〇× | (確かに、言われてみればそうだよね……。) |
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〇× | (それにしても、アンディさん、顔色一つ変えずに 滝に打たれてる。) |
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アンディ・ボガード | ………。 |
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〇× | (すごい……。痛いとか、寒いとかないのかな。) |
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〇× | (………。) |
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〇× | (修行の邪魔にならないように、静かにしておこう。) |
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〇× | (それに、こうしていると滝の落ちる音に鳥のさえずり、 風の通る音が聞えてきて、すごく落ち着く……。) |
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〇× | (なんだか、とても神聖な場所みたい。) |
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〇× | (それに……。きっとここは アンディさんにとって特別な場所。) |
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〇× | (そんな場所に、私を連れて来てくれたんだ。 なんだか……すごくうれしい。) |
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アンディ・ボガード | ……ふう。 |
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