〇×(主人公) | (今日の買い物はあと本屋さんに寄るだけかな。 ……あれ? 向こうにいるの、マキシマさんとK'さんだ。) |
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K' | だからよ、どう考えても駄目だろ、そのままじゃ。 |
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マキシマ | だがこればかりは譲れない。 いくら相棒の意見であってもな。 |
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〇× | (なんの話をしてるんだろう……? 邪魔しない方がいいかな。) |
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K' | ……ん? おい、アンタ。 |
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マキシマ | おお、〇じゃないか。奇遇だな。 |
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〇× | こんにちは。おふたりともお揃いでお買い物ですか? |
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マキシマ | ああ、そんなところだ。お前さんもか? |
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〇× | はい。この後本屋に行こうと思ってて。 |
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K' | ちょうどいいじゃねぇかマキシマ。 こいつに話を聞いてみればいいんじゃねぇのか。 |
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マキシマ | 〇にか? しかしそれはな……。 |
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〇× | どうしたんですか? 何か相談事があるのならお聞きしますよ。 |
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マキシマ | いや、大したことじゃ……。 |
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K' | こいつ、探してる本があるんだとよ。 だからアンタが本屋に付き合ってくれると助かる。 |
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〇× | 私は構いませんが、K'さんが一緒に探した方が すぐに見つかるんじゃないですか? |
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〇× | おふたりは仲がいいですし、マキシマさんの探し物も K'さんの方がすぐにわかるような……。 |
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K' | 俺は用事がある。じゃあな。 |
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マキシマ | あっ、おい待てK'! |
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マキシマ | ……ちっ、行っちまいやがった。 あいつ、余計なことを……。 |
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〇× | マキシマさん、どうしますか? 都合が悪いなら別の日でも大丈夫ですよ。 |
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マキシマ | いや、いい。こうまでされたら。 俺も腹をくくる覚悟をしなければな。 |
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マキシマ | では、本屋へ行こうか、〇。 |
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〇× | ……? は、はい。 |
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〇× | マキシマさんの探してる本ってどんな本なんですか? |
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マキシマ | 俺の用事は後でいい。先にお前さんの用事を済まそう。 |
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〇× | いいんですか? それなら、料理本コーナーに行きましょう。 |
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マキシマ | 〇の料理の腕は相当なものだと思うが、 まだ腕を鍛えるつもりなのか。感心だな。 |
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〇× | ふふ、ありがとうございます。 今日はスポーツマン向けのレシピ本を買おうと思って。 |
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〇× | みなさん格闘家ですし、もっと栄養バランスとか 整ったメニューを作れれば、と考えてるんです。 |
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マキシマ | そうか、みんなのことを考えてるんだな。 えらいぞ。 |
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〇× | (頭撫でられちゃった……。 マキシマさんの手、大きくて硬いけど、優しいな……。) |
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〇× | ……うん、この本にしよう。 いい本が見つかって良かった。 |
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〇× | マキシマさん、お待たせしました。 ……あれ? |
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マキシマ | ふむ。こういうスイーツがあるのか。 ほう、こっちもなかなか……。 |
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〇× | (パティシエ向けの専門誌を読んでる?) |
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マキシマ | なるほど、こうすることで味に変化が……。 今度この著者の店に行かなければ……。 |
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〇× | マキシマさん、その本買うんですか? |
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マキシマ | ん? お、お前さん、用事はもう済んだのか。 |
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マキシマ | これは見ていただけだ。 専門書は普段得られない知識が得られるから面白くてな。 |
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〇× | (マキシマさんらしい考え。 でも本当はスイーツが気になってたんじゃないかなあ。) |
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〇× | マキシマさん。もし私がスイーツを作ったら 食べてくれますか? |
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マキシマ | お前さんがか? 何を作ってくれるんだ? |
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〇× | さっき読んでいたような本格的なのは無理ですけど、 簡単なものでよければ―― |
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