K' | ……執事喫茶? |
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マキシマ | ああ。紅丸の知り合いが経営している店なんだがな。 そこに関して黒い噂が流れているようだ。 |
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マキシマ | 執事喫茶の売り上げが、 命を扱う取引に使われている、とな。 |
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K' | 人身売買の可能性があるってことか。 |
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マキシマ | まあ、紅丸の知り合いならそんな心配はないだろうし、 まったくのデマって可能性も高いが―― |
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マキシマ | 念のため、不審な点がないか調べたほうがいいだろう? |
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マキシマ | そういうわけで、 お前さんにはその執事喫茶に潜入してもらう。 |
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K' | ……は? |
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マキシマ | もちろん、執事役のスタッフとしてな。 心配するな、話はつけてある。 |
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K' | おい、待て。なんでそうなる。 潜入捜査なら、テメェのほうが得意だろ。 |
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マキシマ | 俺だって出来るなら変わってやりたいさ。何しろ、 執事の接客だけじゃなく、スイーツも評判の店だからな。 |
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マキシマ | だが、俺じゃあ目立ちすぎるだろう? それじゃ潜入の意味がない。 |
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K' | ……チッ。 |
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マキシマ | そうふてくされるな。 ちゃんとサポートはする。 |
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マキシマ | 頼んだぞ、相棒。 |
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K' | うぜぇな、何が執事だ……。 こんなふざけた格好する羽目になるとは―― |
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〇×(主人公) | あれ? K'さん! |
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K' | ……! なんでアンタがいるんだよ……。 |
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〇× | 紅丸さんに頼まれて、 お店のお手伝いをしてるんです。 |
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K' | また厄介ごとに巻き込まれてんのか。 相変わらずだな。 |
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〇× | そういうK'さんは、どうして? |
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K' | ……別に。 |
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〇× | こんなところで会えるなんて思いませんでした。 |
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〇× | (K'さんとはなかなか会えないから、嬉しいな。) |
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K' | 俺も、 まさかアンタの顔が見られるとは思ってなかった。 |
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K' | だが何も今じゃなくてもいいだろ……。 こんな格好……最悪だぜ。 |
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〇× | えっ、そんなことないです! 執事の制服、似合ってますよ。 |
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〇× | K'さんのこういう格好、 ちょっと意外ですけど、素敵です。 |
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K' | ……そうかよ。 |
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二階堂紅丸 | やあ2人とも、今日はよろしく。 |
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二階堂紅丸 | ×ちゃん、キッチンは頼んだよ。 キミは料理上手だから、安心して任せられるな。 |
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〇× | ありがとうございます! 頑張りますね。 |
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二階堂紅丸 | 心配なのはK'の方かな。 お客さんの前では愛想よくしてくれよ? |
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二階堂紅丸 | お帰りなさいませ、お嬢様。 ――と、こんな感じで。 |
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K' | くだらねえ……。 |
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二階堂紅丸 | ほら、そういう仏頂面はだめだ。 笑顔だよ、笑顔。 |
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二階堂紅丸 | 女性のことはお嬢様と呼ぶ。 そしてエレガントにエスコートする。いいな? |
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K' | ……はあ……。 |
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〇× | (K'さんの接客って、どんな感じなんだろう……。) |
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K' | ……紅茶とケーキだ。 |
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来店客A | わっ、めちゃくちゃイケメンの執事さん! |
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来店客B | あれ? もしかして……K'くん!? あの、一緒に写真とってもいいですか!? |
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K' | ……断る。 |
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二階堂紅丸 | こら、お嬢様たちにその態度はないだろ? |
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K' | 客の相手はアンタがやればいい。 俺は注文されたものを運ぶ。 |
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二階堂紅丸 | まったく……申し訳ございません、お嬢様がた。 お気を悪くされたのでは? |
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来店客B | いいえ! むしろ嬉しいです! あのK'くんをこんなに近くで見られるなんて……! |
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来店客A | 丁寧な執事さんも素敵だけど、 クールで仕事に真剣って感じも格好いいです! |
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二階堂紅丸 | おやおや……お嬢様がたがお喜びなら、 何よりですが―― |
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二階堂紅丸 | どうか、俺のことだけ見ていてくださいませんか? |
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来店客A | もうっ、紅丸さんったら~……! |
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〇× | (上手くいってる……のかな?) |
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〇× | 少しお店が混んできたみたい。 料理、早く作っていかないと。 |
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〇× | えっと、次のオーダーはホットケーキ―― あれ、パフェの方が先だったっけ? それとも逆……? |
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K' | 先にホットケーキ、次がパフェだ。 |
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〇× | あ、ありがとうございますK'さん! 助かります……! |
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K' | ……準備ができたら持っていく。 |
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〇× | はい! 出来たら声かけますね。 |
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〇× | (K'さん、口数は少ないけど、 やっぱり頼りになるなぁ。) |
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