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| | ネタバレ注意
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〇× | はぁ、はぁ……。 ここまで来ればさすがにもう大丈夫、だよね……。 |
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〇× | (みんな、無事だといいけど……。あの八神さんって人 京さんを探し回っているみたいだった。) |
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〇× | (京さんの知り合いだってバレたらまずいことになりそう。 あの人にも見つからないようにみんなと合流しないと!) |
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〇× | (このままじゃ見つかっちゃう! 暴徒たちがいない方に逃げないと!) |
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〇× | (や、八神さん! どうしよう、逃げなくちゃ……。) |
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八神庵 | 女、まだ逃げてなかったとは。 よほど死にたいようだな。 |
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〇× | (えっ? 私の後ろの暴徒を倒してくれたの……?) |
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八神庵 | 聞こえなかったのか? 戦えないのなら……消えろと言っている! |
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〇× | (八神さんの言う通りだ。私に戦う力は無い……。 今は、早くみんなに合流しないと……。) |
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八神庵 | 目障りだ。 消えぬというなら貴様の息の根を止める! |
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〇× | (あの人、私のことを庇ってくれた? 京さんを「殺す」なんて言うから怖い人だと思ったのに……。) |
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〇× | (怪我、してたよね……。それにあの人数の暴徒……。 大丈夫かな?) |
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〇× | あ、もうこんな時間……。 そろそろ夕飯の買出しに行こうかな。 |
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〇× | (こうして、いつものように夕飯の買い出しに行って ……まるで会場での暴動が嘘みたいに思える。) |
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〇× | (……あれ以来、暴徒にも合わないし、何も起こっていない。 KOFGの会場に近づかなければ安心なのかな……?) |
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〇× | (暴動のこと、それからナギさんたちのことを気にして、 いつも、誰かが買い物にはついてきてくれているけど……。) |
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〇× | (すぐ近所のスーパーだし、申し訳ないんだよね。 みなさん試合前でトレーニングしたいはずだし。) |
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〇× | (道場を覗いてみて、まだ稽古中なら ささっと行ってきちゃおうかな。) |
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矢吹真吾 | 草薙さん、もう一度手合わせお願いしたいっす! |
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〇× | (うん、みんな稽古に集中しているみたい。 よーし、出かけよう。) |
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〇× | (今日のご飯は、鶏のから揚げと、アジのフライと、 シーザーサラダと……。) |
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〇× | (あそこにいるのって……もしかして、八神さん? 猫ちゃんにごはんをあげてるみたいだけど……。) |
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〇× | 私です。 あの、KOFの会場で助けてもらった……。 |
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八神庵 | ああ、あの時の女か……。 この程度、たいしたことはない。 |
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〇× | (あれ? 今ここの角を曲がったはずなのにどこにもいない。 どこに行っちゃったんだろう。) |
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〇× | (それにしてもあの怪我、結構深そうだったのに ちゃんと手当をしていないみたいだった……。) |
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〇× | (八神さんはああ言っていたけど、あの時、私が逃げているのを 確認していたから、暴徒にやられたように見えた。) |
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〇× | (……やっぱり薬と包帯だけでも渡したいな。 ええと、薬局は……。) |
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矢吹真吾 | あ! 〇さん! どこに行ってたんですか! おれ、心配したんですよ! |
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矢吹真吾 | 草薙さーん! 紅丸さーん! 〇さん帰ってきましたよー! |
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二階堂紅丸 | ×ちゃん! どこに行ってたの? 探してたんだよ! |
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二階堂紅丸 | キミに何かあったら、俺は涙で溺れてしまうよ。 ……キミが無事に帰ってきてくれてよかった。 |
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〇× | みんな、心配してくれたんだね……。ごめんなさい。 今度から気をつけます。 |
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〇× | そ、それは……いつも着いて来てくれて申し訳ないですし、 みなさんにご迷惑をかけてしまうんじゃないかと思って……。 |
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二階堂紅丸 | おい京、そんなに怒鳴るなよ。 ×ちゃんが心配だったのはわかるけどさ。 |
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二階堂紅丸 | へぇ? 顔に書いてあるけどな 可愛い可愛い×ちゃんが心配です、って。 |
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草薙京 | お前じゃあるまいし、んなこと考えてるわけねぇだろ。 オレはただ、何かあったら迎えに行くのが面倒だからな。 |
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二階堂紅丸 | へ~、そうか。じゃあ、×ちゃんのピンチには 俺が颯爽と駆けつけちゃっていいんだな? |
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二階堂紅丸 | あんなこと言いつつ結構真剣に探してたし、 そもそもキミがいないことに一番最初に気付いたのは京だし。 |
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二階堂紅丸 | あえて言うなら、何もできない この状況にいらついてるんじゃないかな。 |
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二階堂紅丸 | ああ見えて結構真面目なんだよ。 許してやってくれる? |
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〇× | 許すなんてそんな……。 私が勝手な行動をとってしまったんです。 |
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〇× | 買い物とか、出かけるたびにみなさんについてきてもらうのは 申し訳なく感じてしまって……。 |
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二階堂紅丸 | それに息も詰まっちゃうよね。 折を見て俺からも京に話してみるよ。でも、当面は……。 |
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矢吹真吾 | 出かける時、誰かに声をかけるのはどうですかね? 黙っていなくなると、心配しちゃいますから……。 |
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矢吹真吾 | 八神さんも、いつ草薙さんの居場所を探し当てて 襲ってこないとも限らないですし。 |
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〇× | その、八神さんってどういう人なんでしょうか……? 京さんを殺す、って言ったりなんだか怖くて……。 |
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二階堂紅丸 | あれ? ×ちゃん、気になるの? ……もしかして、ああいうヤローがタイプとか? |
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〇× | い、いえ、そういうわけじゃないんですが。 ちゃんと聞いたことがなかったなと思って……。 |
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矢吹真吾 | 八神さんはずっと草薙さんのことをつけ狙っているんすよ。 |
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矢吹真吾 | 八神さんは草薙さんの命を狙ってるんす! とにかく凶暴で怖い人なんすよ! 話もまったく通じないし! |
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二階堂紅丸 | ただ憎んでいるってだけなら、むしろ話は簡単なんだが……。 一言では言い表せない深い因縁があの二人にはあるんだよ。 |
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〇× | (紅丸さん、とても複雑な顔をしている……。 これ以上、深くは聞かない方がいいのかも。) |
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二階堂紅丸 | まあ、とにかく八神にはあまり関わらない方がいい。 ×ちゃんが傷つくだけだよ。 |
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〇× | (凶暴で話の通じない人か……。 確かに京さんに向ける視線は震えるほど恐ろしかった。) |
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〇× | (言い方も突き放すような感じだったし、不愛想だけど……。 でも、なんとなく、そこまで悪い人には思えないんだよね。) |
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矢吹真吾 | う……、すみません。〇さんが戻ってきたら、 安心してお腹すいちゃったみたいです……。 |
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〇× | あ、鶏のから揚げとアジフライと、 シーザーサラダを作ろうかなって。 |
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二階堂紅丸 | ふふっ。楽しみだな。 ×ちゃんのご飯は美味しいからね。 |
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〇× | (……色々考えても仕方ないよね。 また会えたら、今度こそお礼を言おう。) |
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