フォースフィードバックのキャリブレーション
フォースフィードバック(FFB)のキャリブレーション方法を説明します。
正しくキャリブレーションすると、
・フィードバックが良くなります
・お使いのステアリングの特性に合ったフィードバックが出力されるようになります
Jack Spade 氏のカスタムファイルを使う方法です。Jack Spade氏 ありがとうございます。
大体こんな流れ
Step 1. FFBの特性をチェック
Step 2. FFB特性にあわせて補正値を計算
Step 3. カスタムファイルに補正値を反映してPCARS2へ導入
Step 4. PCARS2内のオプションでコンフィグ
Step 5. 走ってみて調整
Step 1. FFBの特性をチェック 
ステアリングコントローラーは機種毎にFFBの出力特性が異なるので、ゲームからの出力を特性にあわせて補正するとよいです。好みもあると思いますが、まず出来るだけリニアな出力に補正してから、好みにあわせて調整する方がスムーズに調整できると思います。
1) WheelCheck_1_72.zipをここからダウンロードします
2) 解凍後、wheelcheck.exe を起動して、 "Step Log 2 (linear force test)" を実行します。勝手にホイールが動くので、触らないように気を付けます。プルダウンメニューがdisabled になったら終了。3 回くらいやっておくといいです。
3) ドキュメントフォルダにcsv 形式でログが出てるはず。このファイルをStep 2. で使います
Step 2. FFB特性にあわせて補正値を計算 
step 1 のチェックの結果をForce Curve Modifier (FCM) へインポートして、補正値を算出します。
ここ http://forum.projectcarsgame.com/attachment.php?attachmentid=228198&d=1456283960
からFCM をダウンロードします。
1) File --> Import をひらいて、ドキュメントフォルダからStep 1 のログを全部選びます
2) そうするとあなたのホイールのFFB特性がグラフになります。
3) デットゾーンとスクープニー、スクープリダクションの数値を修正して、出来るだけ出力特性が直線になる補正値を算出します。気合いでなんとかしてもいいですが、"Calculate Best R2 values"を押すと自動で計算してくれます。
例えば、僕のT150だと、デフォルトではこんな感じ
最大出力が100としたら、
ゲームが18%のフィードバックが来ても実際にホイールは反応しないし、50%のフィードバックが来ると大体75の力でホイールが反応するということ(だと思う
これを修正して、以下のような感じにします
これでゲームからのフィードバックを正確に返すための補正値が算出できました。
Step 3. カスタムファイルに補正値を反映してPCARS2へ導入 
1) まずカスタムファイルを選びます。以下のポストより、Jack Spade Custom Files V2.02.zip をダウンロードして、適当なところに解凍します。
http://forum.projectcarsgame.com/showthread.php?51628-Jack-Spade-Custom-FFB-Files&p=1358152&viewfull=1#post1358152
カスタムファイルの選び方
全部で24種類あって、違いは以下の通り。お好みで。
SoPDiff. vs Traditional 
SoPDiff. 版はアンダーステア感(後述:SopDiff.とアンダーステア感について)の対策済み。ただしクルマごとにVolume/Toneの設定を変更する必要あり(正直めどい)。Volume/Toneの値は、一緒にZIPされてる Vol & Tone Balance List.txt を参照。
alt vs stan vs tire 
- alt: ロードノイズ付加なし。縁石とか芝のフィードバックが強め。
- stan: ロードノイズ付加あり。
- tire: タイヤの物理演算をそのまま反映。スタンダードに近いけどちょっと違う。コンプレッションが少ない。
comp low vs mid vs high vs low DD 
コンプレッションの強さ。high はフィードバックを強め、反対にlow は弱めなんだと思います。お好みで。Jack 氏曰く、ハイエンドホイールはlowで十分だろとのこと。
DDはダイレクトドライブホイール用。
選んだカスタムファイルは、ffb_custom_settings.txt にリネームしてドキュメントフォルダのPCARS2 フォルダに保存します。同名のファイルがあれば上書き。
2) 上記のカスタムファイルにStep 2. の補正値を記載します。
記載する補正値は以下の4つ。上の3つはStep3.で算出してるはず。Deaedzone Falloffは、Deadzone Removalの1/5から1/10位の値にしておけとのこと。
- Scoop Knee
- Scoop Reduction
- Deadzone Removal
- Deadzone Falloff
カスタムファイルを適当なテキストエディタで開いて、以下の書式で記載します。
元々記述がありますので、数値を編集します。Scoopは行頭の#で無効化されてるので、#を消します。
(output (scoop output <Scoop Knee> <Scoop Reduction>))
(output (tighten output <Deadzone Removal> <Deadzone Falloff>))
例えば、
Scoop Knee 0.46、Scoop Reduction 0.74、
Deadzone Removal 0.18、Deadzone Falloff 0.02 の場合、以下の感じです。
Step 4. PCARS2内のオプションでコンフィグ 
・オプション Force Feedback で、
flavor Custom
GAIN 100
VOLUME 50
TONE 50
FX 50
に設定します。
・キーアサインで、キーボードの好きなところに、FFB VOLUME UP とFFB VOLUME DOWN を設定します
Step 5. 走ってみて調整 
SopDiff.版を使っている場合は、Volume/Toneの値はVol & Tone Balance List.txtに従って設定します。Vol & Tone Balance List.txtから値を変えるなとのこと。
SopDIff.じゃない方も、Vol & Tone Balance List.txtに推奨値みたいなのがあります。こちらは別に変えるなと言ってないみたいなので、お好みで?
テレメトリ表示すると、左下にFFBの情報が表示されます。
ファイル名がちゃんと出てない場合は読み込めてないのでカスタムファイルの置き場所とかリネームが間違ってないか確認して下さい。
ちなみに、FFBのゲージで赤色が表示されてる時は、ボリュームが高すぎてフィードバックが上限を超えてるらしいです。
たまに赤がちらつく位ならよいみたいですが、ずっと赤が出てる場合は調整し直した方がよいとのこと。
SopDiff.とアンダーステア感について 
Custom File V2.0から、SopDiff.バージョンが導入されました。
■ 何コレ?
一部のクルマで変にステアリングが軽くなる(アンダーステア感が出る)ことがあったのを解消する修正が入っています。
ただし、Volume/ToneバランスをJack氏の調査(Vol & Tone Balance List.txt)通りに設定する必要があります。クルマ毎にちがうので結構面倒です。
このアンダーステア感はランボルギーニで特にひどいといってます。
■ 細かい解説
SoPDiff.(Seat of Pants Differential)は、クルマのリアの挙動からくる、縦方向の力を再現するFFBのインプットです。
pCars2では基本的に使われてなかったんですが、コレを有効にすることで、先述のアンダーステア感問題を解決する事ができます。
SopDiff.を正しく反映するにはVolumeとToneのバランスをクルマ毎に設定する必要があります。どうもその前提でカスタムファイルを作ってあるらしく、フォーラムではVol & Tone Balance List.txt通りに設定しろと何度も言ってた。
ただし、pCars1の時と違って、クルマ毎にFFBファイルを分けられないので、VolumeとToneのバランスを毎度変更しなきゃいけない。
■ さらに細かい
フロントからのFFBのインプットはMz、Fy、Fx、Fz の4種類があります。
このうち、Fzだけがマイナスの値ですが、コレはFy、Mzと相殺する事になります。車種によっては過剰に相殺してしまい、アンダーステア感が起きてるようです。
Fy ,Mzを増幅するか、Fzを減退させることである程度解消できますが、完全ではありません。
フロントのFz がマイナス、リアのSoPDiffがプラスなので、この合計を縦のインプットとすることで、縦インプットを消すことなくFzの副作用を解消する事ができるらしい。
SoPDiff. 版のカスタムファイルを使って、適切なVolumeとTone を設定する事で、ほぼ完全にアンダーステア感問題を解消できるというからくりのようです。