イベントストーリー /その引き金は誰が為に をテンプレートにして作成 開始行: **第1話 [#story1] #region(ネタバレ注意) |>|ある日の昼下がり――| |ヨミ|ナギ様、お茶の準備ができました。| |ナギ|…………。| |ヨミ|……ナギ様。テレビは、もう少し離れてご視聴を。| |テレビの声|――本日は、ただいま密かなブームとなっている&br... |テレビの声|みなさん、サバゲーってなんだか知ってますか？| |ナギ|さばげー？ 初めて聞く名前だ……。&br;ヨミはどんなも... |ヨミ|はい。サバゲーとはサバイバルゲームの略称。| |ヨミ|銃にプラスチック弾を詰め、互いに撃ち合い&br;勝利を... |ナギ|へぇ、人間界では今こういうものが&br;流行っているの... |ナギ|でも、ただの撃ち合いなんだろう？&br;どこが楽しいの... |テレビの声|みなさん、サバゲーの面白さがどこにあるのか&br... |ナギ|君はすごいな……まさにその通りだよ。&br;僕にその面白... |テレビの声|それはですね、相手のことをよりよく知ることが... |ナギ|相手のことを……？ 気になるな。&br;もっと詳しく教え... |ヨミ|（ナギ様……テレビと話しておられる……。）| |テレビの声|人は極限状態に追い込まれると、&br;自分自身の... |テレビの声|職場の人や最近知り合ったばかりの人。&br;そん... |テレビの声|今まで知らなかったその人の&br;意外な側面が見... |テレビの声|仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……！&... |ナギ|……。&br;仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……... |ナギ|……これだ。&br;これをやりたいな、ヨミ！| |ヨミ|……と、申しますと。| |ナギ|人間って、こういう遊びをして&br;仲良くなっていくも... |ナギ|僕もさばげーで、みんなと仲良くなってみたいよ！| |>|それから数日後、深夜――| |マキシマ|K'。またゲームで徹夜する気か？| |K'|……今話しかけんな。&br;もうすぐ俺と包のチームが勝つ。| |マキシマ|包も起きてるのか……。&br;２人とも、ほどほどにし... |包の声|ふふっ。K'sannマキシマさんに怒られてる～。| |K'|うるせぇ。&br;おしゃべりしてるヒマがあったら真面目に... |包の声|ボイスチャットは雑談しながら楽しくやるものでしょ... |K'|任せろ。| #endregion //------------------------------ **第2話 [#story2] #region(ネタバレ注意) |包の声|やったぁー！ 勝った勝った！&br;僕たちのチームの... |K'|これくらい当然だ。| |包の声|すごいな～。僕、ソロで何回かやってるけど、&br;こ... |包の声|やっぱり、チームプレイっていいものだね！| |K'|どうだかな――| |包の声|ん？ なんだろう。&br;僕たちのチーム宛てにメッセ... |K'|負けたチームが送りつけてきた負け惜しみだろ。&br;そう... |包の声|まっさかぁ。一応読んでみようよ。| |K'|……一応な。| |包の声|えっと、なになにー？| |包の声|『K'と包に告ぐ。&br;至急、以下に指定する座標まで... |K'|……なんだこれは。| |包の声|この座標、ゲームのじゃなくてリアルの座標だね。&br... |包の声|っていうかこの人、なんで僕たちの名前を知ってるん... |K'|……マキシマが仕込んだイタズラにしては&br;要領を得ない... |包の声|だよねぇ。| |包の声|あっ、また届いたよ？| |K'|用があるなら一度にまとめやがれ――&br;……っ！？| |メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか... |K'|…………。| |包の声|ね、ねぇ。なんでこの人、お姉ちゃんの名前まで&br;... |K'|……俺に聞いたってわかるわけねぇだろ。| |K'|だからこそ、お望み通り行って確かめてやる。| |包の声|えっ！？ ちょっと待って、K'さ――| |メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか... |K'|っ……。| |K'|……このあたりだな。| |K'|っ……！？| |K'|（……。なんだ？）| |K'|（ビルの上に人影が見えた。&br;このバッグを落としてき... |K'|（……バッグに手紙が貼ってある。）| |手紙|『好きな銃を選んでね＾U＾』| |K'|（銃……だと？）| |K'|（……マジで銃だな。）| |K'|（種類の違う銃が何丁かある。&br;実弾銃にしては軽いな…... |K'|！| #endregion //------------------------------ **第3話 [#story3] #region(ネタバレ注意) |マキシマ|まったく、何も言わず出ていくなんて&br;水臭いじ... |K'|……ついてきてたのか。| |マキシマ|お前さんが大好きなゲームをほっぽりだして&br;ど... |マキシマ|その顔色を見るに、ただごとじゃなさそうだ。| |K'|……。| |マキシマ|――なるほど。&br;お相手はお嬢さんの名前を出して... |マキシマ|ものぐさなお前さんが駆け出して行ったのにも&br;... |K'|貴重な息抜きの時間を邪魔されて腹がたっただけだ。&br;... |マキシマ|はいはい。&br;……にしても、なんだ？ その大量の... |K'|ビルの上から誰かが投げ落としてきた。&br;手紙には『好... |マキシマ|……ふむ。実弾銃ではないようだな。| |K'|どう見てもおもちゃだろ。こんなもんは置いてって、&br;... |マキシマ|！ 待て相棒。……誰か来る。| |包|いたいた！&br;K'さん、マキシマさーん！| |二階堂紅丸|わお。なんだか珍しい組み合わせじゃない？| |K'|包。お前はまだ納得行くとして、&br;なんでこいつがいる？| |包|座標の場所に向かおうとしてたら、&br;途中で紅丸さんと... |包|電車もなかったし、丁度いいやって思って&br;事情を説明... |二階堂紅丸|×ちゃんの一大事と聞いたら、彼女の王子である&b... |K'|（うぜぇ。）| |包|僕も一緒にお姉ちゃんを探すよ！&br;だって心配だもん！| |マキシマ|人手は多いに越したことはないな。&br;だがそれ以... |二階堂紅丸|座標で指定された場所はここなんだろ？&br;その... |K'|チッ。だったらさっさと出てこい。&br;回りくどい真似し... |？？？|ふふっ、ごめんよ。&br;ぷれいやーが集まるのを待っ... |K'|……！| |ナギ|こんばんは。みんな来てくれて嬉しいよ。| |包|ナギさん、ヨミさん……？| |K'|テメェらが……？| |マキシマ|どういうことなのか、説明してもらおうか？| |ヨミ|……今宵、ナギ様がお前たちを呼び集めた理由は&br;他で... |K'|――| |ヨミ|ナギ様は……。| |ヨミ|ナギ様は、お前たち格闘家と親睦を深めたいと&br;望ん... |二階堂紅丸|……。はぁ？| |包|……え、えーっと……？| |K'|……………………。| #endregion //------------------------------ **第4話 [#story4] #region(ネタバレ注意) |マキシマ|すまん……もう一度言ってくれないか。&br;よく聞こ... |ナギ|僕はみんなと一緒に楽しいことをしたいんだ！| |ナギ|だからこの銃を使って、今から僕とげーむをしよう！&br... |包|ナギさん、ものすごーく笑顔が輝いてる……。| |マキシマ|ちょ、ちょっと待ってくれ……。| |マキシマ|ナギ、つまりあんたは遊ぶために俺たちをここへ呼... |ナギ|呼び出したのはK'と包だけだよ？&br;２人はこういうの... |ナギ|でも、どうしても遊びたいっていうなら、&br;マキシマ... |二階堂紅丸|そういう意味じゃないって。| |マキシマ|くっ……頭が痛くなってきやがった……。| |K'|フン。ゲームか。| |K'|確かにさっきも、&br;プレイヤーがどうのとか言ってやが... |ナギ|そのとおり。| |K'|……！| |包|わぁ……！ 何、これ！？| |マキシマ|街の様子が……。&br;ナギ、あんたがやっているのか？| |ナギ|ようこそ、僕のばとるふぃーるどへ！| |ナギ|ここは、僕たち以外の人間は入れないようになってる。&... |ナギ|君たちにはここで、この銃を使って、&br;僕たちとさば... |K'|サバゲーだと？&br;……このおもちゃみてぇな銃でか。| |ナギ|ふふ。この銃は、この領域でこそ&br;真価を発揮するん... |ナギ|K'.その銃で足もとを撃ってごらんよ。| |K'|……。| |K'|っ……？&br;なんだこれは……インクか？| |マキシマ|いや。そう見えるが、違うな。&br;視認できるが、... |マキシマ|このフィールドもそうだが……全部あんたが神の力と... |ナギ|ご明察だよ。| |ナギ|その弾にあたっても、&br;色のついた痕が残るだけでケ... |ナギ|その色に塗られた場所から、&br;体の力が吸い取られて... |ナギ|急所を撃たれたらそれでおしまい。&br;被弾箇所が増え... |包|うわぁ。タチ悪い……。| |ナギ|痛い思いはしないけど、&br;勝敗がつけやすくていいで... |ナギ|君たち４人には、２つのちーむに分かれてもらう。| |ナギ|K'と包の『K’ちーむ』。&br;マキシマと紅丸で、『マキ... |ナギ|君たちから見て標的となる僕とヨミは、&br;それぞれ単... |ナギ|そして、ここからが重要なんだけど――| |ナギ|僕とヨミは、それぞれ１つずつ&br;『鍵』を持っている。| |ナギ|これは、『宝箱』を開けるために必要な鍵だよ。| |K'|宝箱……？| |ナギ|この領域内のどこかに宝箱がある。&br;その宝箱を見事... |ナギ|その宝箱を開けるには、この２つの鍵が必要になる。&br... |ナギ|宝箱の中には豪華賞品が入っているよ。&br;だからみん... |マキシマ|一応聞くが……その賞品ってのはなんだ？| |ナギ|ふふ。それはもちろん……。| |ナギ|君たちが今、一番欲しいと思っているものだよ。| #endregion //------------------------------ **第5話 [#story5] #region(ネタバレ注意) |包|まさか……その宝箱の中に&br;お姉ちゃんを閉じ込めてると... |ナギ|ご想像にお任せするよ。| |K'|ふざけやがって……。| |二階堂紅丸|だとしたら、許せないな。&br;一刻も早くお姫様... |ナギ|ふふっ。&br;君たちならそう言ってくれると思った。| |ナギ|それじゃあそろそろ、&br;位置についてもらおうかな――| |K'|その必要はねぇ。| |K'|――今ここでテメェらを撃てば、終わる話だ。| |包|っ……！&br;ナギさんとヨミさん、消えちゃった！| |ナギの声|せっかちだなぁ。&br;まだげーむは開始してないよ。| |ナギ|２チームとも、今からそれぞれの携帯に送る座標におい... |K'|チッ……！| |マキシマ|まったく……！&br;何を考えているんだ、ナギの奴は。| |二階堂紅丸|一度は改心した彼のことだから、×ちゃんに&br;手... |二階堂紅丸|それにしたって腹が立つな。&br;……このゲームに... |K'|くだらねぇ。さっさと終わらすぞ。| |包|あっ！ 待ってよK'さん！&br;僕も行くー！！| |二階堂紅丸|はぁ……くだらないと言いつつ、ノリノリじゃない... |マキシマ|ああ、ノリがいいのかなんなのか……。| ||って、誰が誰の息子だって！？| |二階堂紅丸|さーて。俺たちも開始地点とやらに行こうぜ。| |マキシマ|待て！ 俺はこれでもまだ２０代だーーー！！| |>|一方その頃――| |〇×(主人公)|……ん……。| |〇×|……あ、あれ……？| |〇×|（ここ、どこ？ 道場じゃない……。）| |〇×|（私、なんでこんな知らない場所に――）| |〇×|（っ！ ドアが開かない。&br;私、閉じ込められてるの……... |〇×|ひゃっ！| |〇×|（びっくりした……。&br;私のケータイ、テーブルの上にあ... |〇×|（メッセージが来てる。……ナギさんからだ。&br;ええっと... |〇×|（……？？？）| #endregion //------------------------------ **第6話 [#story6] #region(ネタバレ注意) |二階堂紅丸|逃がさねぇっ！| |ヨミ|っ……！| |二階堂紅丸|よっしゃ！| |マキシマ|馬鹿！ 撃ったらすぐに隠れろと言っただろう！| |二階堂紅丸|うおわっ！？ まずいまずい……っ。| |マキシマ|相手はヨミだけのようだな。ナギのほうは、&br;う... |二階堂紅丸|どうにかして連絡が取れるといいんだけどなぁ。&... |マキシマ|加えて、俺のセンサーもうまく働かん。| |二階堂紅丸|はぁ。&br;あんたの索敵能力、アテにしてたんだ... |マキシマ|格闘家の勘もアテにしてくれ。&br;……気配が消えた... |マキシマ|にしても、あんた、そこそこ射撃が上手いじゃない... |二階堂紅丸|二階堂家の御曹司たるもの、あらゆる知識と経験... |マキシマ|なんでもできるようにってか。&br;御曹司ってのは... |二階堂紅丸|ノブレス・オブリージュってやつだよ。&br;……っ... |二階堂紅丸|――！ 気配……そこかっ！！| |二階堂紅丸|！？ 嘘だろ、確かに手ごたえはあったのに……！| |マキシマ|！！ 紅丸、伏せろ！| |二階堂紅丸|っ――！？| |二階堂紅丸|っ……くそ……。&br;マジで、身体の、力が…………。| |ヨミ|……。| |ヨミ|出てこい、マキシマ。&br;……鍵はここにあるぞ。| |マキシマ|かくれんぼはもうお終いか？&br;いや、助かるね。| |マキシマ|センサーが使えなくなって実感したよ。&br;お前さ... |マキシマ|気配を完全に消したり、敢えて相手に&br;自分の居... |ヨミ|御託はいい。&br;鍵がほしくば、全力でかかってこい。| |マキシマ|……そうだな。善処しよう。| |マキシマ|（まったく。前に伊勢や大阪で相対したときよりも&... |マキシマ|（笑えないねぇ……。さて、どうする？）| |>|一方、K'チームは――| |K'|チッ……！| |包|あ、当たらない～！&br;うう、ゲームよりずっと難しいよ…... |K'|うろたえるな。&br;ナギの野郎の動きをよく見ろ。| |包|う、うんっ！| #endregion //------------------------------ **第7話 [#story7] #region(ネタバレ注意) |K'|チッ。……どこ行きやがった。| |包|うーん。&br;確かにこの建物の中に入っていったよね。| |K'|面倒くせぇ……どうにかしてさっさとケリをつけてやる。&br... |包|あっ、K'さん待って！| |K'|……？| |包|その……さっきまで僕たちがやってたゲームのことを&br;思... |K'|は？| |包|ゲームでも差、建物内に逃げ込んだターゲットを&br;追い... |包|そういうときは、焦らず騒がず、&br;どうするのが定石だ... |K'|……。| |K'|逃げ込んだのが1人だけならまだいい。&br;だが、もしかす... |K'|相手が複数いるかもしれない状況で&br;狭い場所に１人で... |K'|互いの背中を守りながら、内部をクリアリングしつつ&br;... |包|だよね！| |K'|んだよ。今もそうしろって言うのか？&br;ありゃゲームの... |包|案外、今の状況ってゲームのまんまだと思うんだよね。&br... |包|いつもどおり、K'さんの背中は僕が守るよ。&br;だからK'... |K'|……。&br;俺一人で十分だ……と言いたいとこだが。| |K'|好きにしろ。| |包|了解であります、隊長！| |？？？|ふふっ。仲間って感じで、すっごくいいね。| |K'|！| |包|わお。クリアリングする前に出てきちゃったよ。| |K'|……近くにヨミがいるかもしれない。&br;警戒しろ。| |包|っ……！ うん。| |ナギ|その心配はいらないよ。ね？ ヨミ。| |K'|……！？ 何……？| |ヨミ|マキシマチームは殲滅した。&br;残るはお前たちだけだ。| |包|ええーっ！？&br;あの２人、負けちゃったの～！？| |K'|……。| |ナギ|きっとこんな構図になるだろうとは思ってたんだ。&br;…... |K'|！ 包、散開しろ！！| |包|っ、了解！！| |K'|っ……。| |K'|（相手と真正面からかちあった場合の対策は、&br;包なら... |K'|（クソ、出てくるのが唐突すぎんだよ……！）| |ナギ|K'、みーつけた！| |K'|！？| |K'|げほっ、ごほ……！&br;っ……テメェ……！| |ナギ|煙幕であぶりだし成功～。&br;隠れてないで、撃ち合お... |K'|隠れないサバゲーがあるかよ。&br;……それより……。| |K'|煙幕なんてものまで用意してやがったのか。&br;だったら... |ナギ|主催者権限。| |K'|アンフェアだ。| |ナギ|ふふ。おこらないで。お詫びに、君にもとっておきのも... #endregion //------------------------------ **第8話 [#story8] #region(ネタバレ注意) |K'|くっ――！？| |ナギ|どう？ 僕が用意した、&br;K'専用ぼでぃすーつ！| |ナギ|被弾しても多少攻撃を軽減してくれるし、&br;何よりそ... |K'|っ……何をのんきな――！| |ナギ|おっと、危ない危ない……！| |ナギ|でも、本気になってきてくれたみたいでよかったよ。&br... |K'|っ……本気の俺と、だと……？| |ナギ|僕、格闘家のみんなのことを&br;もっともっとよく知り... |ナギ|人間は極限状態に追い込まれると、&br;本性を隠さずに... |ナギ|そんな相手とぶつかることで、相手のことをよりよく&br... |ナギ|だから、君を本気にするために&br;×に協力してもらった... |K'|――――| |ナギ|これはもう君を本気にさせるには十分な状況――| |ナギ|っ……！？| |K'|……再確認した。&br;俺は、テメェがマジで嫌いだ。| |ナギ|……はは。本気、って程度じゃないかも。&br;殺気？| |K'|当たり前だ。| |K'|……ナギ。&br;テメェはあのときから何も進歩してねぇな。| |K'|あのときも言っただろ。&br;テメェの都合で、他人の運命... |K'|あいつをさらったのは俺を本気にさせるため？&br;……ふざ... |K'|その馬鹿っぷりは、一度殴ったくらいじゃ&br;治らねぇよ... |包|K'さん、危ない――！！| |K'|！？| |包|ふわぁっ！| |K'|っ、包！？| |包|うう～……ごめん。&br;左胸一発……やられたぁ……。| |？？？|……K'をかばったか。&br;無駄なことを……。| |K'|ヨミ……。| |ヨミ|ナギ様を愚弄する者は俺が許さない。&br;……観念しろ、K... |K'|っ……。| |K'|悪い、包……。&br;ヨミの気配に気づけなかった。| |包|はは……しょうがないよ。&br;K'さん、ゲームではクールに... |包|リアルでは、×お姉ちゃんのこととなると&br;すぐ熱くなっ... |K'|うるせぇ。そのまま寝てろ。| |ナギ|……ありがとう、ヨミ。&br;助かったよ。| |ヨミ|……。| |ナギ|……さてと、１対２だね？&br;いくらすーつがあると言っ... |K'|っ……。| |K'|（ざまぁないが……このまま逃げて２人を撹乱しつつ、&br;... |K'|（……俺には逃げ隠れるのがお似合いってわけかよ。&br;笑... |K'|！？| |ヨミ|っ！？ なっ――！？| |ナギ|ヨミ！？| |ヨミ|っ……。後頭部を一撃……。&br;今、のは……狙撃か……？| |ヨミ|……！ ナギ様、お逃げください！| |ナギ|！！| #endregion //------------------------------ **第9話 [#story9] #region(ネタバレ注意) |K'|（今の、気持ち悪いくらい正確な弾道……。）| |K'|（……。んだよ、死に損なってんじゃねぇか。）| |？？？|――ふぅ。| |マキシマ|まったく。&br;この銃、どう見ても狙撃銃じゃない... |マキシマ|ま、そんなおもちゃで一級品の精密射撃ができるの... |マキシマ|こんなことで無駄遣いするなと怒られそうだがな。| |マキシマ|……さて、近接攻撃は相棒に任せて、こっちは援護と... |ナギ|っ……。形勢逆転……？| |K'|どうやらそうらしいな。| |ヨミ|くっ……！| |K'|ヨミの鍵はもらった。&br;……あとはテメェだけだ。覚悟し... |K'|無様に逃げ隠れてみろよ。| |ナギ|っ……！| |ナギ|僕は逃げたりしないよ……。&br;君たちと真正面から戦う... |ナギ|行くよ、K'――！！| |K'|っ――！！| |K'|……！| |マキシマ|う……うう。| |K'|カタはついたぜ、相棒。&br;……大丈夫か？| |マキシマ|ああ……ヨミにこっぴどく撃たれまくった後、&br;這... |マキシマ|狙撃は寝ながらできるからとタカをくくっていたが…... |マキシマ|まったく。わけのわからん超技術満載の神様の遊び... |K'|鍵は２つとも手に入れた。&br;俺は宝箱を……あいつを探し... |K'|お前はここで休んでろ。| |マキシマ|待て、K'。そのことなんだが……。| |マキシマ|ここに来るまでの間に、見つけたぞ。&br;宝箱。| |K'|……！？ どこだ！？| |K'|（あいつの話じゃ、このあたりか……？）| |K'|（……くそ。宝箱なんて見当たらねぇぞ。）| |マキシマ|――宝箱って言っても、地面には落ちてなかったぜ。| |マキシマ|現地についたら、上を見るんだな。| |K'|（……とかなんとか言ってやがったな。）| |K'|（上にある宝箱？ ……いったいどういう……。）| |ビルのテナントの看板|『焼肉たからばこ』| |K'|……………………。| |〇×|あっ……K'さん！&br;お疲れさまでした！| |K'|…………………………………………。| |K'|……お前はなんで肉を焼いてる。| |〇×|え、えーっと……。| |？？？|やぁ。×、&br;用意してくれてありがとう！| |〇×|ナギさん。| |包|うわぁ～！ お肉のいい匂い～！| |二階堂紅丸|やれやれ……まったく&br;今夜はひどい目にあった... |マキシマ|〇、お前さんも災難だったな。| |〇×|あはは……みなさんこそ。| |K'|……。&br;説明を受けてないのは俺だけか？| #endregion //------------------------------ **第10話 [#story10] #region(ネタバレ注意) |ナギ|改めまして、K'。&br;優勝おめでとう！| |ナギ|×にはずっと、&br;この『焼肉たからばこ』にいてもらっ... |ナギ|僕、最近ここの店長と仲良くなってね。&br;無理を言っ... |ナギ|それで、×には勝敗がつくまでの間、&br;品物の注文をお... |〇×|えっと……ナギさんに指示をもらって、みなさんが相手に&b... |〇×|これが、紅丸さんがヨミさんに撃たれた時のタン塩で、&b... |〇×|こっちは、K'さんがナギさんを倒したときにオーダーした... |K'|……………………。| |K'|帰る。| |〇×|ええっ！？ け、K'さん！？| |マキシマ|まぁ待てK'。怒るのも無理ないがな――| |K'|怒る？ んなかわいいもんだったら&br;さぞ良かっただろ... |K'|こっちは最悪の気分だ。&br;……ナギ、テメェには金輪際一... |ナギ|えっ……。| |K'|さっきも言ったがな。テメェのそういう他人の都合を&br;... |K'|冗談でしたで済まされねぇこともあるってことを&br;これ... |ナギ|っ……。| |〇×|あ、あのっ！| |K'|……？| |〇×|その……。| |〇×|……私も、ナギさんに言わせてください。&br;今回のは、ち... |〇×|みなさん、何の説明もされないまま&br;いきなりゲームに... |〇×|私も、今みなさんに心配をかけてるんだろうなって思った... |ナギ|×……。| |ナギ|…………。| |ナギ|……ごめん。僕は……。&br;ただみんなともっと仲良くなり... |〇×|……ナギさん。| |〇×|ナギさんはまだ、なんとなく私たちに踏み込みづらいのか... |〇×|最初から私たちと遊びたいとか、こういうことがしたい！... |〇×|というか、相談してください。&br;それでだいたいのこと... |ナギ|…………。| |〇×|K'さんが言いたいのは、&br;つまりそういうことですよね... |K'|…………。| |ナギ|……相談……。| |ナギ|……そっか。僕は自分でも知らない間に、&br;君たちと向... |ナギ|K'。……それに、みんなも。&br;本当にごめん。| |K'|…………。| |ナギ|ヨミも巻きこんじゃってごめんね。| |ヨミ|いえ。俺は……。| |ヨミ|……。俺も、最初からナギ様をお止めできていれば&br;よ... |ナギ|って、君も最初から&br;×と同意見だったのかい！？| |ヨミ|準備を進めるナギ様が、&br;あまりにも楽しそうだった... |ナギ|うう。そうならそうと言ってほしかったなあ……。| |〇×|あはは……。| |マキシマ|よし。〇の説教で&br;ナギがまたひとつ学んだとこ... |包|待ってました～！&br;深夜の焼肉パーティー、だねっ！| |K'|チッ……調子狂う……。| |包|あれ？ K'さん帰っちゃうの？| |包|お肉だよ？ 国産黒毛和牛だよ？&br;お姉ちゃんが焼いて... |K'|…………………………………………。| |〇×|K'さん……。| |K'|レアだ。| |〇×|えっ？| |K'|俺はレアしか食わない。&br;さっさと焼け。| |〇×|……！ はいっ！| |K'|ナギ。ここに並んでる肉以外もオーダーするぞ。&br;いい... |ナギ|……！| |ナギ|うん！ 好きなもの、どんどん頼んでいいよ！| |マキシマ|お、機嫌直したか？ 相棒。| |K'|うるせぇ。| |K'|（……最悪の夜だぜ……。）| #endregion //------------------------------ 終了行: **第1話 [#story1] #region(ネタバレ注意) |>|ある日の昼下がり――| |ヨミ|ナギ様、お茶の準備ができました。| |ナギ|…………。| |ヨミ|……ナギ様。テレビは、もう少し離れてご視聴を。| |テレビの声|――本日は、ただいま密かなブームとなっている&br... |テレビの声|みなさん、サバゲーってなんだか知ってますか？| |ナギ|さばげー？ 初めて聞く名前だ……。&br;ヨミはどんなも... |ヨミ|はい。サバゲーとはサバイバルゲームの略称。| |ヨミ|銃にプラスチック弾を詰め、互いに撃ち合い&br;勝利を... |ナギ|へぇ、人間界では今こういうものが&br;流行っているの... |ナギ|でも、ただの撃ち合いなんだろう？&br;どこが楽しいの... |テレビの声|みなさん、サバゲーの面白さがどこにあるのか&br... |ナギ|君はすごいな……まさにその通りだよ。&br;僕にその面白... |テレビの声|それはですね、相手のことをよりよく知ることが... |ナギ|相手のことを……？ 気になるな。&br;もっと詳しく教え... |ヨミ|（ナギ様……テレビと話しておられる……。）| |テレビの声|人は極限状態に追い込まれると、&br;自分自身の... |テレビの声|職場の人や最近知り合ったばかりの人。&br;そん... |テレビの声|今まで知らなかったその人の&br;意外な側面が見... |テレビの声|仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……！&... |ナギ|……。&br;仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……... |ナギ|……これだ。&br;これをやりたいな、ヨミ！| |ヨミ|……と、申しますと。| |ナギ|人間って、こういう遊びをして&br;仲良くなっていくも... |ナギ|僕もさばげーで、みんなと仲良くなってみたいよ！| |>|それから数日後、深夜――| |マキシマ|K'。またゲームで徹夜する気か？| |K'|……今話しかけんな。&br;もうすぐ俺と包のチームが勝つ。| |マキシマ|包も起きてるのか……。&br;２人とも、ほどほどにし... |包の声|ふふっ。K'sannマキシマさんに怒られてる～。| |K'|うるせぇ。&br;おしゃべりしてるヒマがあったら真面目に... |包の声|ボイスチャットは雑談しながら楽しくやるものでしょ... |K'|任せろ。| #endregion //------------------------------ **第2話 [#story2] #region(ネタバレ注意) |包の声|やったぁー！ 勝った勝った！&br;僕たちのチームの... |K'|これくらい当然だ。| |包の声|すごいな～。僕、ソロで何回かやってるけど、&br;こ... |包の声|やっぱり、チームプレイっていいものだね！| |K'|どうだかな――| |包の声|ん？ なんだろう。&br;僕たちのチーム宛てにメッセ... |K'|負けたチームが送りつけてきた負け惜しみだろ。&br;そう... |包の声|まっさかぁ。一応読んでみようよ。| |K'|……一応な。| |包の声|えっと、なになにー？| |包の声|『K'と包に告ぐ。&br;至急、以下に指定する座標まで... |K'|……なんだこれは。| |包の声|この座標、ゲームのじゃなくてリアルの座標だね。&br... |包の声|っていうかこの人、なんで僕たちの名前を知ってるん... |K'|……マキシマが仕込んだイタズラにしては&br;要領を得ない... |包の声|だよねぇ。| |包の声|あっ、また届いたよ？| |K'|用があるなら一度にまとめやがれ――&br;……っ！？| |メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか... |K'|…………。| |包の声|ね、ねぇ。なんでこの人、お姉ちゃんの名前まで&br;... |K'|……俺に聞いたってわかるわけねぇだろ。| |K'|だからこそ、お望み通り行って確かめてやる。| |包の声|えっ！？ ちょっと待って、K'さ――| |メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか... |K'|っ……。| |K'|……このあたりだな。| |K'|っ……！？| |K'|（……。なんだ？）| |K'|（ビルの上に人影が見えた。&br;このバッグを落としてき... |K'|（……バッグに手紙が貼ってある。）| |手紙|『好きな銃を選んでね＾U＾』| |K'|（銃……だと？）| |K'|（……マジで銃だな。）| |K'|（種類の違う銃が何丁かある。&br;実弾銃にしては軽いな…... |K'|！| #endregion //------------------------------ **第3話 [#story3] #region(ネタバレ注意) |マキシマ|まったく、何も言わず出ていくなんて&br;水臭いじ... |K'|……ついてきてたのか。| |マキシマ|お前さんが大好きなゲームをほっぽりだして&br;ど... |マキシマ|その顔色を見るに、ただごとじゃなさそうだ。| |K'|……。| |マキシマ|――なるほど。&br;お相手はお嬢さんの名前を出して... |マキシマ|ものぐさなお前さんが駆け出して行ったのにも&br;... |K'|貴重な息抜きの時間を邪魔されて腹がたっただけだ。&br;... |マキシマ|はいはい。&br;……にしても、なんだ？ その大量の... |K'|ビルの上から誰かが投げ落としてきた。&br;手紙には『好... |マキシマ|……ふむ。実弾銃ではないようだな。| |K'|どう見てもおもちゃだろ。こんなもんは置いてって、&br;... |マキシマ|！ 待て相棒。……誰か来る。| |包|いたいた！&br;K'さん、マキシマさーん！| |二階堂紅丸|わお。なんだか珍しい組み合わせじゃない？| |K'|包。お前はまだ納得行くとして、&br;なんでこいつがいる？| |包|座標の場所に向かおうとしてたら、&br;途中で紅丸さんと... |包|電車もなかったし、丁度いいやって思って&br;事情を説明... |二階堂紅丸|×ちゃんの一大事と聞いたら、彼女の王子である&b... |K'|（うぜぇ。）| |包|僕も一緒にお姉ちゃんを探すよ！&br;だって心配だもん！| |マキシマ|人手は多いに越したことはないな。&br;だがそれ以... |二階堂紅丸|座標で指定された場所はここなんだろ？&br;その... |K'|チッ。だったらさっさと出てこい。&br;回りくどい真似し... |？？？|ふふっ、ごめんよ。&br;ぷれいやーが集まるのを待っ... |K'|……！| |ナギ|こんばんは。みんな来てくれて嬉しいよ。| |包|ナギさん、ヨミさん……？| |K'|テメェらが……？| |マキシマ|どういうことなのか、説明してもらおうか？| |ヨミ|……今宵、ナギ様がお前たちを呼び集めた理由は&br;他で... |K'|――| |ヨミ|ナギ様は……。| |ヨミ|ナギ様は、お前たち格闘家と親睦を深めたいと&br;望ん... |二階堂紅丸|……。はぁ？| |包|……え、えーっと……？| |K'|……………………。| #endregion //------------------------------ **第4話 [#story4] #region(ネタバレ注意) |マキシマ|すまん……もう一度言ってくれないか。&br;よく聞こ... |ナギ|僕はみんなと一緒に楽しいことをしたいんだ！| |ナギ|だからこの銃を使って、今から僕とげーむをしよう！&br... |包|ナギさん、ものすごーく笑顔が輝いてる……。| |マキシマ|ちょ、ちょっと待ってくれ……。| |マキシマ|ナギ、つまりあんたは遊ぶために俺たちをここへ呼... |ナギ|呼び出したのはK'と包だけだよ？&br;２人はこういうの... |ナギ|でも、どうしても遊びたいっていうなら、&br;マキシマ... |二階堂紅丸|そういう意味じゃないって。| |マキシマ|くっ……頭が痛くなってきやがった……。| |K'|フン。ゲームか。| |K'|確かにさっきも、&br;プレイヤーがどうのとか言ってやが... |ナギ|そのとおり。| |K'|……！| |包|わぁ……！ 何、これ！？| |マキシマ|街の様子が……。&br;ナギ、あんたがやっているのか？| |ナギ|ようこそ、僕のばとるふぃーるどへ！| |ナギ|ここは、僕たち以外の人間は入れないようになってる。&... |ナギ|君たちにはここで、この銃を使って、&br;僕たちとさば... |K'|サバゲーだと？&br;……このおもちゃみてぇな銃でか。| |ナギ|ふふ。この銃は、この領域でこそ&br;真価を発揮するん... |ナギ|K'.その銃で足もとを撃ってごらんよ。| |K'|……。| |K'|っ……？&br;なんだこれは……インクか？| |マキシマ|いや。そう見えるが、違うな。&br;視認できるが、... |マキシマ|このフィールドもそうだが……全部あんたが神の力と... |ナギ|ご明察だよ。| |ナギ|その弾にあたっても、&br;色のついた痕が残るだけでケ... |ナギ|その色に塗られた場所から、&br;体の力が吸い取られて... |ナギ|急所を撃たれたらそれでおしまい。&br;被弾箇所が増え... |包|うわぁ。タチ悪い……。| |ナギ|痛い思いはしないけど、&br;勝敗がつけやすくていいで... |ナギ|君たち４人には、２つのちーむに分かれてもらう。| |ナギ|K'と包の『K’ちーむ』。&br;マキシマと紅丸で、『マキ... |ナギ|君たちから見て標的となる僕とヨミは、&br;それぞれ単... |ナギ|そして、ここからが重要なんだけど――| |ナギ|僕とヨミは、それぞれ１つずつ&br;『鍵』を持っている。| |ナギ|これは、『宝箱』を開けるために必要な鍵だよ。| |K'|宝箱……？| |ナギ|この領域内のどこかに宝箱がある。&br;その宝箱を見事... |ナギ|その宝箱を開けるには、この２つの鍵が必要になる。&br... |ナギ|宝箱の中には豪華賞品が入っているよ。&br;だからみん... |マキシマ|一応聞くが……その賞品ってのはなんだ？| |ナギ|ふふ。それはもちろん……。| |ナギ|君たちが今、一番欲しいと思っているものだよ。| #endregion //------------------------------ **第5話 [#story5] #region(ネタバレ注意) |包|まさか……その宝箱の中に&br;お姉ちゃんを閉じ込めてると... |ナギ|ご想像にお任せするよ。| |K'|ふざけやがって……。| |二階堂紅丸|だとしたら、許せないな。&br;一刻も早くお姫様... |ナギ|ふふっ。&br;君たちならそう言ってくれると思った。| |ナギ|それじゃあそろそろ、&br;位置についてもらおうかな――| |K'|その必要はねぇ。| |K'|――今ここでテメェらを撃てば、終わる話だ。| |包|っ……！&br;ナギさんとヨミさん、消えちゃった！| |ナギの声|せっかちだなぁ。&br;まだげーむは開始してないよ。| |ナギ|２チームとも、今からそれぞれの携帯に送る座標におい... |K'|チッ……！| |マキシマ|まったく……！&br;何を考えているんだ、ナギの奴は。| |二階堂紅丸|一度は改心した彼のことだから、×ちゃんに&br;手... |二階堂紅丸|それにしたって腹が立つな。&br;……このゲームに... |K'|くだらねぇ。さっさと終わらすぞ。| |包|あっ！ 待ってよK'さん！&br;僕も行くー！！| |二階堂紅丸|はぁ……くだらないと言いつつ、ノリノリじゃない... |マキシマ|ああ、ノリがいいのかなんなのか……。| ||って、誰が誰の息子だって！？| |二階堂紅丸|さーて。俺たちも開始地点とやらに行こうぜ。| |マキシマ|待て！ 俺はこれでもまだ２０代だーーー！！| |>|一方その頃――| |〇×(主人公)|……ん……。| |〇×|……あ、あれ……？| |〇×|（ここ、どこ？ 道場じゃない……。）| |〇×|（私、なんでこんな知らない場所に――）| |〇×|（っ！ ドアが開かない。&br;私、閉じ込められてるの……... |〇×|ひゃっ！| |〇×|（びっくりした……。&br;私のケータイ、テーブルの上にあ... |〇×|（メッセージが来てる。……ナギさんからだ。&br;ええっと... |〇×|（……？？？）| #endregion //------------------------------ **第6話 [#story6] #region(ネタバレ注意) |二階堂紅丸|逃がさねぇっ！| |ヨミ|っ……！| |二階堂紅丸|よっしゃ！| |マキシマ|馬鹿！ 撃ったらすぐに隠れろと言っただろう！| |二階堂紅丸|うおわっ！？ まずいまずい……っ。| |マキシマ|相手はヨミだけのようだな。ナギのほうは、&br;う... |二階堂紅丸|どうにかして連絡が取れるといいんだけどなぁ。&... |マキシマ|加えて、俺のセンサーもうまく働かん。| |二階堂紅丸|はぁ。&br;あんたの索敵能力、アテにしてたんだ... |マキシマ|格闘家の勘もアテにしてくれ。&br;……気配が消えた... |マキシマ|にしても、あんた、そこそこ射撃が上手いじゃない... |二階堂紅丸|二階堂家の御曹司たるもの、あらゆる知識と経験... |マキシマ|なんでもできるようにってか。&br;御曹司ってのは... |二階堂紅丸|ノブレス・オブリージュってやつだよ。&br;……っ... |二階堂紅丸|――！ 気配……そこかっ！！| |二階堂紅丸|！？ 嘘だろ、確かに手ごたえはあったのに……！| |マキシマ|！！ 紅丸、伏せろ！| |二階堂紅丸|っ――！？| |二階堂紅丸|っ……くそ……。&br;マジで、身体の、力が…………。| |ヨミ|……。| |ヨミ|出てこい、マキシマ。&br;……鍵はここにあるぞ。| |マキシマ|かくれんぼはもうお終いか？&br;いや、助かるね。| |マキシマ|センサーが使えなくなって実感したよ。&br;お前さ... |マキシマ|気配を完全に消したり、敢えて相手に&br;自分の居... |ヨミ|御託はいい。&br;鍵がほしくば、全力でかかってこい。| |マキシマ|……そうだな。善処しよう。| |マキシマ|（まったく。前に伊勢や大阪で相対したときよりも&... |マキシマ|（笑えないねぇ……。さて、どうする？）| |>|一方、K'チームは――| |K'|チッ……！| |包|あ、当たらない～！&br;うう、ゲームよりずっと難しいよ…... |K'|うろたえるな。&br;ナギの野郎の動きをよく見ろ。| |包|う、うんっ！| #endregion //------------------------------ **第7話 [#story7] #region(ネタバレ注意) |K'|チッ。……どこ行きやがった。| |包|うーん。&br;確かにこの建物の中に入っていったよね。| |K'|面倒くせぇ……どうにかしてさっさとケリをつけてやる。&br... |包|あっ、K'さん待って！| |K'|……？| |包|その……さっきまで僕たちがやってたゲームのことを&br;思... |K'|は？| |包|ゲームでも差、建物内に逃げ込んだターゲットを&br;追い... |包|そういうときは、焦らず騒がず、&br;どうするのが定石だ... |K'|……。| |K'|逃げ込んだのが1人だけならまだいい。&br;だが、もしかす... |K'|相手が複数いるかもしれない状況で&br;狭い場所に１人で... |K'|互いの背中を守りながら、内部をクリアリングしつつ&br;... |包|だよね！| |K'|んだよ。今もそうしろって言うのか？&br;ありゃゲームの... |包|案外、今の状況ってゲームのまんまだと思うんだよね。&br... |包|いつもどおり、K'さんの背中は僕が守るよ。&br;だからK'... |K'|……。&br;俺一人で十分だ……と言いたいとこだが。| |K'|好きにしろ。| |包|了解であります、隊長！| |？？？|ふふっ。仲間って感じで、すっごくいいね。| |K'|！| |包|わお。クリアリングする前に出てきちゃったよ。| |K'|……近くにヨミがいるかもしれない。&br;警戒しろ。| |包|っ……！ うん。| |ナギ|その心配はいらないよ。ね？ ヨミ。| |K'|……！？ 何……？| |ヨミ|マキシマチームは殲滅した。&br;残るはお前たちだけだ。| |包|ええーっ！？&br;あの２人、負けちゃったの～！？| |K'|……。| |ナギ|きっとこんな構図になるだろうとは思ってたんだ。&br;…... |K'|！ 包、散開しろ！！| |包|っ、了解！！| |K'|っ……。| |K'|（相手と真正面からかちあった場合の対策は、&br;包なら... |K'|（クソ、出てくるのが唐突すぎんだよ……！）| |ナギ|K'、みーつけた！| |K'|！？| |K'|げほっ、ごほ……！&br;っ……テメェ……！| |ナギ|煙幕であぶりだし成功～。&br;隠れてないで、撃ち合お... |K'|隠れないサバゲーがあるかよ。&br;……それより……。| |K'|煙幕なんてものまで用意してやがったのか。&br;だったら... |ナギ|主催者権限。| |K'|アンフェアだ。| |ナギ|ふふ。おこらないで。お詫びに、君にもとっておきのも... #endregion //------------------------------ **第8話 [#story8] #region(ネタバレ注意) |K'|くっ――！？| |ナギ|どう？ 僕が用意した、&br;K'専用ぼでぃすーつ！| |ナギ|被弾しても多少攻撃を軽減してくれるし、&br;何よりそ... |K'|っ……何をのんきな――！| |ナギ|おっと、危ない危ない……！| |ナギ|でも、本気になってきてくれたみたいでよかったよ。&br... |K'|っ……本気の俺と、だと……？| |ナギ|僕、格闘家のみんなのことを&br;もっともっとよく知り... |ナギ|人間は極限状態に追い込まれると、&br;本性を隠さずに... |ナギ|そんな相手とぶつかることで、相手のことをよりよく&br... |ナギ|だから、君を本気にするために&br;×に協力してもらった... |K'|――――| |ナギ|これはもう君を本気にさせるには十分な状況――| |ナギ|っ……！？| |K'|……再確認した。&br;俺は、テメェがマジで嫌いだ。| |ナギ|……はは。本気、って程度じゃないかも。&br;殺気？| |K'|当たり前だ。| |K'|……ナギ。&br;テメェはあのときから何も進歩してねぇな。| |K'|あのときも言っただろ。&br;テメェの都合で、他人の運命... |K'|あいつをさらったのは俺を本気にさせるため？&br;……ふざ... |K'|その馬鹿っぷりは、一度殴ったくらいじゃ&br;治らねぇよ... |包|K'さん、危ない――！！| |K'|！？| |包|ふわぁっ！| |K'|っ、包！？| |包|うう～……ごめん。&br;左胸一発……やられたぁ……。| |？？？|……K'をかばったか。&br;無駄なことを……。| |K'|ヨミ……。| |ヨミ|ナギ様を愚弄する者は俺が許さない。&br;……観念しろ、K... |K'|っ……。| |K'|悪い、包……。&br;ヨミの気配に気づけなかった。| |包|はは……しょうがないよ。&br;K'さん、ゲームではクールに... |包|リアルでは、×お姉ちゃんのこととなると&br;すぐ熱くなっ... |K'|うるせぇ。そのまま寝てろ。| |ナギ|……ありがとう、ヨミ。&br;助かったよ。| |ヨミ|……。| |ナギ|……さてと、１対２だね？&br;いくらすーつがあると言っ... |K'|っ……。| |K'|（ざまぁないが……このまま逃げて２人を撹乱しつつ、&br;... |K'|（……俺には逃げ隠れるのがお似合いってわけかよ。&br;笑... |K'|！？| |ヨミ|っ！？ なっ――！？| |ナギ|ヨミ！？| |ヨミ|っ……。後頭部を一撃……。&br;今、のは……狙撃か……？| |ヨミ|……！ ナギ様、お逃げください！| |ナギ|！！| #endregion //------------------------------ **第9話 [#story9] #region(ネタバレ注意) |K'|（今の、気持ち悪いくらい正確な弾道……。）| |K'|（……。んだよ、死に損なってんじゃねぇか。）| |？？？|――ふぅ。| |マキシマ|まったく。&br;この銃、どう見ても狙撃銃じゃない... |マキシマ|ま、そんなおもちゃで一級品の精密射撃ができるの... |マキシマ|こんなことで無駄遣いするなと怒られそうだがな。| |マキシマ|……さて、近接攻撃は相棒に任せて、こっちは援護と... |ナギ|っ……。形勢逆転……？| |K'|どうやらそうらしいな。| |ヨミ|くっ……！| |K'|ヨミの鍵はもらった。&br;……あとはテメェだけだ。覚悟し... |K'|無様に逃げ隠れてみろよ。| |ナギ|っ……！| |ナギ|僕は逃げたりしないよ……。&br;君たちと真正面から戦う... |ナギ|行くよ、K'――！！| |K'|っ――！！| |K'|……！| |マキシマ|う……うう。| |K'|カタはついたぜ、相棒。&br;……大丈夫か？| |マキシマ|ああ……ヨミにこっぴどく撃たれまくった後、&br;這... |マキシマ|狙撃は寝ながらできるからとタカをくくっていたが…... |マキシマ|まったく。わけのわからん超技術満載の神様の遊び... |K'|鍵は２つとも手に入れた。&br;俺は宝箱を……あいつを探し... |K'|お前はここで休んでろ。| |マキシマ|待て、K'。そのことなんだが……。| |マキシマ|ここに来るまでの間に、見つけたぞ。&br;宝箱。| |K'|……！？ どこだ！？| |K'|（あいつの話じゃ、このあたりか……？）| |K'|（……くそ。宝箱なんて見当たらねぇぞ。）| |マキシマ|――宝箱って言っても、地面には落ちてなかったぜ。| |マキシマ|現地についたら、上を見るんだな。| |K'|（……とかなんとか言ってやがったな。）| |K'|（上にある宝箱？ ……いったいどういう……。）| |ビルのテナントの看板|『焼肉たからばこ』| |K'|……………………。| |〇×|あっ……K'さん！&br;お疲れさまでした！| |K'|…………………………………………。| |K'|……お前はなんで肉を焼いてる。| |〇×|え、えーっと……。| |？？？|やぁ。×、&br;用意してくれてありがとう！| |〇×|ナギさん。| |包|うわぁ～！ お肉のいい匂い～！| |二階堂紅丸|やれやれ……まったく&br;今夜はひどい目にあった... |マキシマ|〇、お前さんも災難だったな。| |〇×|あはは……みなさんこそ。| |K'|……。&br;説明を受けてないのは俺だけか？| #endregion //------------------------------ **第10話 [#story10] #region(ネタバレ注意) |ナギ|改めまして、K'。&br;優勝おめでとう！| |ナギ|×にはずっと、&br;この『焼肉たからばこ』にいてもらっ... |ナギ|僕、最近ここの店長と仲良くなってね。&br;無理を言っ... |ナギ|それで、×には勝敗がつくまでの間、&br;品物の注文をお... |〇×|えっと……ナギさんに指示をもらって、みなさんが相手に&b... |〇×|これが、紅丸さんがヨミさんに撃たれた時のタン塩で、&b... |〇×|こっちは、K'さんがナギさんを倒したときにオーダーした... |K'|……………………。| |K'|帰る。| |〇×|ええっ！？ け、K'さん！？| |マキシマ|まぁ待てK'。怒るのも無理ないがな――| |K'|怒る？ んなかわいいもんだったら&br;さぞ良かっただろ... |K'|こっちは最悪の気分だ。&br;……ナギ、テメェには金輪際一... |ナギ|えっ……。| |K'|さっきも言ったがな。テメェのそういう他人の都合を&br;... |K'|冗談でしたで済まされねぇこともあるってことを&br;これ... |ナギ|っ……。| |〇×|あ、あのっ！| |K'|……？| |〇×|その……。| |〇×|……私も、ナギさんに言わせてください。&br;今回のは、ち... |〇×|みなさん、何の説明もされないまま&br;いきなりゲームに... |〇×|私も、今みなさんに心配をかけてるんだろうなって思った... |ナギ|×……。| |ナギ|…………。| |ナギ|……ごめん。僕は……。&br;ただみんなともっと仲良くなり... |〇×|……ナギさん。| |〇×|ナギさんはまだ、なんとなく私たちに踏み込みづらいのか... |〇×|最初から私たちと遊びたいとか、こういうことがしたい！... |〇×|というか、相談してください。&br;それでだいたいのこと... |ナギ|…………。| |〇×|K'さんが言いたいのは、&br;つまりそういうことですよね... |K'|…………。| |ナギ|……相談……。| |ナギ|……そっか。僕は自分でも知らない間に、&br;君たちと向... |ナギ|K'。……それに、みんなも。&br;本当にごめん。| |K'|…………。| |ナギ|ヨミも巻きこんじゃってごめんね。| |ヨミ|いえ。俺は……。| |ヨミ|……。俺も、最初からナギ様をお止めできていれば&br;よ... |ナギ|って、君も最初から&br;×と同意見だったのかい！？| |ヨミ|準備を進めるナギ様が、&br;あまりにも楽しそうだった... |ナギ|うう。そうならそうと言ってほしかったなあ……。| |〇×|あはは……。| |マキシマ|よし。〇の説教で&br;ナギがまたひとつ学んだとこ... |包|待ってました～！&br;深夜の焼肉パーティー、だねっ！| |K'|チッ……調子狂う……。| |包|あれ？ K'さん帰っちゃうの？| |包|お肉だよ？ 国産黒毛和牛だよ？&br;お姉ちゃんが焼いて... |K'|…………………………………………。| |〇×|K'さん……。| |K'|レアだ。| |〇×|えっ？| |K'|俺はレアしか食わない。&br;さっさと焼け。| |〇×|……！ はいっ！| |K'|ナギ。ここに並んでる肉以外もオーダーするぞ。&br;いい... |ナギ|……！| |ナギ|うん！ 好きなもの、どんどん頼んでいいよ！| |マキシマ|お、機嫌直したか？ 相棒。| |K'|うるせぇ。| |K'|（……最悪の夜だぜ……。）| #endregion //------------------------------ ページ名:
