サイドストーリー /2nd/テリー・ボガード の編集 Top > サイドストーリー > 2nd > テリー・ボガード **2話 [#story_02] #region(ネタバレ注意) |~〇×|……ここって、公園ですか?| |~テリー・ボガード|まあ、そんなところだな。ここは、パイオニアプラザって&br;呼ばれてる教会広場で……ほら、そこに教会が見えるだろ?| |~〇×|あ、本当ですね。| |~テリー・ボガード|ここはサウスタウンの中でも自然の多い場所なんだ。| |~テリー・ボガード|トレーニングセンターの近くにあるナチュラルパークも緑は&br;多いが、あっちはここよりも鬱蒼としてるから気をつけろよ。| |~〇×|? 足元が悪いとかですか?| |~テリー・ボガード|いや。ワニがいるからな。| |~〇×|ワニ!? それってワニが普通に歩いてるってことですか?| |~〇×|(ワニに遭遇したら、どうすればいいんだろう。&br;走ったら逃げ切れるのかな……。)| |~テリー・ボガード|アッハハハッ! そんな顔するなよ。| |~〇×|……へ? もしかして、冗談ですか?| |~テリー・ボガード|いや、ワニが放し飼いになってるのは本当だ。| |~〇×|!?| |~テリー・ボガード|けど、俺がそばにいるんだから何も怖いことはないだろ。&br;違うか?| |~〇×|あ……そ、そうですね。| |~〇×|(テリーさん、いろんな意味でドキッとさせてくるなぁ。)| |~おばあさん|こんにちは、テリー。| |~おじいさん|今日はいい天気だね。| |~テリー・ボガード|ああ。二人は、これからデートかい?| |~おじいさん|この先にあるカフェでお茶をするんだよ。&br;それが僕と彼女の日課だからね。| |~テリー・ボガード|そいつはいいな。楽しんできてくれ!| |~おばあさん|それじゃあ、またね。| |~〇×|テリーさんのお知り合いの方ですか?| |~テリー・ボガード|ああ。この辺りでよく会うんだ。……っと。せっかく来たのに&br;突っ立ってるだけなのも面白くないよな。少し歩くか。| |~〇×|はい、ぜひ。| |~清掃員の青年|それじゃ、俺は仕事に戻るよ。またな、テリー。| |~テリー・ボガード|ああ。いつもプラザをきれいにしてくれて、ありがとな。| |~〇×|(出会う人みんな、テリーさんに声をかけてく。&br;テリーさんってやっぱりみんなのヒーローなんだな。)| |~少年A|あー! やっぱり、テリーだ!| |~テリー・ボガード|ん?| |~少年B|待ってよ~、お兄ちゃん!| |~少年B|置いていくなんてひどいよ~。| |~少年A|ごめん。でも、お前もテリー好きだろ?| |~少年B|うん! ねぇ、テリー。今度のKOF出るんでしょ?&br;ボク、応援しに行くから!| |~テリー・ボガード|サンキュー! 俺がかっこよく勝つとこ、見ててくれよ!| |~少年B|わーい! 楽しみだな!| |~父親|おーい。そろそろ帰る時間だぞ。| |~少年A|あ、父さんだ。ほら、戻るぞ。| |~少年B|うん。テリー、バイバイ~!| |~テリー・ボガード|ああ、気をつけて帰れよ。| |~テリー・ボガード|…………。| |~〇×|(あの子たちを見つめるテリーさん、なんだか……。)| |~テリー・ボガード|ん? どうした、×。俺の袖を引っ張って。| |~〇×|いえ、その……。| |~テリー・ボガード|なんだ? あんたもあの子たちみたいに、&br;手を繋いでほしくなったか?| |~〇×|……!| |~テリー・ボガード|なら、これでオッケーだな。| |~〇×|(さっきのテリーさん、なんだか寂しそうに見えたけど……。&br;気のせいだったのかな。)| |~テリー・ボガード|……なぁ、×。| |~テリー・ボガード|よかったら、もう少し付き合ってくれないか?&br;連れて行きたいところがあるんだ。| #endregion //---------- ページの更新 ビジュアル編集モードに切り替える &aname(top); **1話 [#story_01] #region(ネタバレ注意) |>|KOF開会式・前日――| |~〇×|……ふぅ。&br;とりあえず、明日の準備はこのくらいでいいかな| |~〇×|(この後はどうやってすごそう……。)| |~テリー・ボガード|ヘイ! ×!| |~〇×|!? テ、テリーさん?| |~テリー・ボガード|おっと、これじゃダメだったな。| |~〇×|(あ、あれ? テリーさん、外に出て行っちゃった……。&br;何か用事があったんじゃなかったのかな。)| |>|'''(ノック音)'''| |~〇×|は、はい!| |~テリー・ボガード|×。入ってもいいか?| |~〇×|(あ、もしかして……。)| |~〇×|もちろんです。どうぞ。| |~〇×|ふふっ。これならアンディさんにも怒られませんね。| |~テリー・ボガード|さすが×。よくわかってるな。ここにアンディがいたら、&br;『女性の部屋にいきなり入るな』って怒られてたところだ。| |~テリー・ボガード|ここに来る前まではちゃんと覚えてたんだぜ?&br;けど、ドアの向こうにあんたがいると思ったら、ついな。| |~〇×|そうだったんですね。| |~〇×|(けど、わざわざ入り直すことなんてないのに。&br;テリーさんって面白いな。)| |~テリー・ボガード|あ、そうだ。| |~〇×|?| |~〇×|(テリーさん、両手を広げて何してるんだろう?)| |~テリー・ボガード|…………。| |~〇×|……?| |~テリー・ボガード|……うーん。さすがに今度は伝わらなかったか。| |~テリー・ボガード|再会のハグだ! 思いっきり飛び込んでこい!| |~〇×|……えっ!?| |~テリー・ボガード|ほらほら、早く来い!| |~〇×|(テリーさん、すっごくワクワクしてる……。)| |~〇×|そ、それじゃあ……テリーさん、行きますよっ!| |~テリー・ボガード|ははは! いい勢いだったな!&br;サウスタウンへようこそ。俺の×。| |~〇×|俺の……。| |~テリー・ボガード|違うのか?| |~〇×|いえ。……違わないです。&br;会いたかったです、テリーさん。| |~テリー・ボガード|ああ、俺もだ。&br;なあ。もっとよく顔を見せてくれないか?| |~〇×|えっと……これでいいですか?| |~テリー・ボガード|…………。| |~〇×|……あ、あの。テリーさん?| |~テリー・ボガード|――よしっ。&br;顔色も良さそうだし、この後ちょっと出かけないか?| #endregion //---------- **2話 [#story_02] #region(ネタバレ注意) |~〇×|……ここって、公園ですか?| |~テリー・ボガード|まあ、そんなところだな。ここは、パイオニアプラザって&br;呼ばれてる教会広場で……ほら、そこに教会が見えるだろ?| |~〇×|あ、本当ですね。| |~テリー・ボガード|ここはサウスタウンの中でも自然の多い場所なんだ。| |~テリー・ボガード|トレーニングセンターの近くにあるナチュラルパークも緑は&br;多いが、あっちはここよりも鬱蒼としてるから気をつけろよ。| |~〇×|? 足元が悪いとかですか?| |~テリー・ボガード|いや。ワニがいるからな。| |~〇×|ワニ!? それってワニが普通に歩いてるってことですか?| |~〇×|(ワニに遭遇したら、どうすればいいんだろう。&br;走ったら逃げ切れるのかな……。)| |~テリー・ボガード|アッハハハッ! そんな顔するなよ。| |~〇×|……へ? もしかして、冗談ですか?| |~テリー・ボガード|いや、ワニが放し飼いになってるのは本当だ。| |~〇×|!?| |~テリー・ボガード|けど、俺がそばにいるんだから何も怖いことはないだろ。&br;違うか?| |~〇×|あ……そ、そうですね。| |~〇×|(テリーさん、いろんな意味でドキッとさせてくるなぁ。)| |~おばあさん|こんにちは、テリー。| |~おじいさん|今日はいい天気だね。| |~テリー・ボガード|ああ。二人は、これからデートかい?| |~おじいさん|この先にあるカフェでお茶をするんだよ。&br;それが僕と彼女の日課だからね。| |~テリー・ボガード|そいつはいいな。楽しんできてくれ!| |~おばあさん|それじゃあ、またね。| |~〇×|テリーさんのお知り合いの方ですか?| |~テリー・ボガード|ああ。この辺りでよく会うんだ。……っと。せっかく来たのに&br;突っ立ってるだけなのも面白くないよな。少し歩くか。| |~〇×|はい、ぜひ。| |~清掃員の青年|それじゃ、俺は仕事に戻るよ。またな、テリー。| |~テリー・ボガード|ああ。いつもプラザをきれいにしてくれて、ありがとな。| |~〇×|(出会う人みんな、テリーさんに声をかけてく。&br;テリーさんってやっぱりみんなのヒーローなんだな。)| |~少年A|あー! やっぱり、テリーだ!| |~テリー・ボガード|ん?| |~少年B|待ってよ~、お兄ちゃん!| |~少年B|置いていくなんてひどいよ~。| |~少年A|ごめん。でも、お前もテリー好きだろ?| |~少年B|うん! ねぇ、テリー。今度のKOF出るんでしょ?&br;ボク、応援しに行くから!| |~テリー・ボガード|サンキュー! 俺がかっこよく勝つとこ、見ててくれよ!| |~少年B|わーい! 楽しみだな!| |~父親|おーい。そろそろ帰る時間だぞ。| |~少年A|あ、父さんだ。ほら、戻るぞ。| |~少年B|うん。テリー、バイバイ~!| |~テリー・ボガード|ああ、気をつけて帰れよ。| |~テリー・ボガード|…………。| |~〇×|(あの子たちを見つめるテリーさん、なんだか……。)| |~テリー・ボガード|ん? どうした、×。俺の袖を引っ張って。| |~〇×|いえ、その……。| |~テリー・ボガード|なんだ? あんたもあの子たちみたいに、&br;手を繋いでほしくなったか?| |~〇×|……!| |~テリー・ボガード|なら、これでオッケーだな。| |~〇×|(さっきのテリーさん、なんだか寂しそうに見えたけど……。&br;気のせいだったのかな。)| |~テリー・ボガード|……なぁ、×。| |~テリー・ボガード|よかったら、もう少し付き合ってくれないか?&br;連れて行きたいところがあるんだ。| #endregion //---------- **3話 [#story_03] #region(ネタバレ注意) |~〇×|(連れて行きたいところがあるって言われてついてきたけど、&br;この一軒家、誰の家なんだろう……。)| |~テリー・ボガード|さあ、遠慮せずに入ってくれ。| |~〇×|え? お邪魔しちゃっていいんですか?| |~テリー・ボガード|ああ、もちろんだ。| |~〇×|ええと、それじゃあ……お邪魔します。| |~テリー・ボガード|散らかってるから足元には気をつけてくれ。| |~〇×|はい。| |~〇×|(掃除道具や段ボールが無造作に置かれてる。&br;何かの作業中……なのかな?)| |~〇×|テリーさん、ここはいったい……?| |~テリー・ボガード|ここは、俺の秘密基地さ。| |~〇×|えっ。テリーさんの?| |~テリー・ボガード|ああ。俺の……というか、俺たちのって言うほうが正解か。| |~テリー・ボガード|ここは俺とアンディ、それから……。&br;父さんと暮らしてた家なんだ。| |~〇×|(それじゃここは、テリーさんの実家ってこと?)| |~テリー・ボガード|長いことほったらかしだったんだが、もう一度住めるように&br;今、片づけてる最中でな。| |~テリー・ボガード|ただアンディには内緒にしてるから、あんたも黙っててくれるか?| |~〇×|わかりました。| |~テリー・ボガード|それから……もしよかったらこっちにいる間、片づけを手伝って&br;もらえると嬉しいんだが……。| |~テリー・ボガード|もちろん、あんたがヒマな時でいい。| |~〇×|私でよければ喜んで!| |~テリー・ボガード|サンキュー! すごく助かるぜ、ありがとうな。| |~〇×|その手伝いって今からでもいいですか?&br;せっかく連れてきてもらったので何かしたくて。| |~テリー・ボガード|お、さすが×。やる気ゲージMAXだな!| |~テリー・ボガード|もちろんいいぞ。何か必要なものとか、わからないことがあれば&br;なんでも聞いてくれ。| |~〇×|はい! ……あ。優先して片づけたい部屋があれば、&br;教えていただけると嬉しいです!| |~テリー・ボガード|……そうだな。それじゃまず、俺と×の部屋を&br;決めるところから始めるか。| |~〇×|えっ!?| |~テリー・ボガード|ん?| |~〇×|えっと……私の部屋っていうのは……。| |~テリー・ボガード|必要だろう?&br;×はもう俺の家族も同然なんだからさ。| |~〇×|(か、家族……!?)| |~テリー・ボガード|やっぱり日当たりのいい部屋がいいか。どう思う?| |~テリー・ボガード|……って、どうした。顔が赤いぞ。| |~〇×|ええっと、これは……。| |~〇×|(だって今の言い方だと、まるでプロポーズみたいで……。)| |~〇×|と、とりあえず、どんな部屋があるのか見せてもらっても&br;いいですか?| |~テリー・ボガード|ああ、もちろん。こっちだ。| |~〇×|ふぅ……。| |~〇×|(まだ顔が熱い……。テリーさんに変に思われなかったかな。)| |~〇×|(いきなり家族って言われた時は驚いたけど……テリーさんが&br;今でも大切にしているこの場所で家族になれたら……。)| |~〇×|(……素敵、だろうな。)| |~テリー・ボガード|おーい、×!| |~〇×|はい、今行きます!| #endregion //---------- **4話 [#story_04] #region(ネタバレ注意) |>|京チームと社チームの試合を控えた、ある日――| |~テリー・ボガード|なぁ、×。| |~〇×|はい?| |~テリー・ボガード|手の空いている時に手伝ってほしいって言ったのは俺だが……。&br;もうすぐ京たちの試合だろう? サポートはいいのか?| |~〇×|大丈夫ですよ。チームとしてのトレーニングは午前中に終わって、&br;午後からは自由時間なんです。だから、ぜひ手伝わせてください!| |~テリー・ボガード|そうか。そういうことなら大歓迎だ。| |~〇×|片づけ、だいぶ進みましたよね。&br;積んであった段ボールの数もだいぶ減りましたし。| |~テリー・ボガード|ああ。×が手伝ってくれたおかげで足の踏み場もできたし。&br;これなら、俺が思ってたよりも早く住めるようになるかもな。| |~テリー・ボガード|……待て。×。| |~〇×|テリーさん……?| |~テリー・ボガード|誰かが家に入った気配がある。| |~〇×|え!?| |~テリー・ボガード|シー……。| |~テリー・ボガード|……物音はしないからもう立ち去った後かもしれないが、&br;念のため、俺の後ろに隠れたままついてきてくれ。| |~〇×|は、はい……!| |~テリー・ボガード|…………。| |~〇×|(変わったところがあるようには見えないけど……。&br;テリーさんが言うからには何かあるんだよね。)| |~〇×|(……まさか、空き巣? それとも強盗……!?)| |~テリー・ボガード|! これは……。| |~〇×|な、なんですか? テリーさん……!| |~〇×|(テリーさんの背中で何も見えない……!)| |~テリー・ボガード|……×、もう前に出てきて大丈夫だ。&br;お客さんはソファでお休みみたいだからな。| |~〇×|……それって大丈夫なんですか?| |~テリー・ボガード|ああ。| |~〇×|――えっ。小さな女の子……?| |~女の子|……んっ。んんー……。| |~〇×|(あ、起こしちゃったかな。)| |~テリー・ボガード|グッドモーニング。| |~女の子|パパ、ママ……?| |~テリー・ボガード|…………。| |~〇×|…………。| |~〇×|……ええっ!?| |~テリー・ボガード|まさか……×の隠し子とかじゃないよな?| |~〇×|ち、違いますよ! なんでそうなるんですか!?| |~テリー・ボガード|ハハッ、だよな。&br;先に言っておくが、俺の子でもないからな。| |~女の子|……ちがう。パパ、どこ……。ふぇっ、えーん……!| |~〇×|あぁ……! 大きな声出して怖かったよね、ごめんね。| |~女の子|ふぇぇ……ひっく……っ。パパぁ、ママぁ……。| |~〇×|よしよし。大丈夫だからね。| |~〇×|(空き巣や強盗じゃなくてよかったけど……。&br;この子は、どうしてここにいたんだろう……?)| |~テリー・ボガード|×がそうやって、膝の上に子どもを乗せてあやしてると、&br;本当の母親みたいだな。| |~〇×|そ、そんなことないと思いますけど……!| |~〇×|(テリーさんの眼差しが優しくて、なんだかくすぐったい……。)| |~リンファ|……リンファ、パパを探してたの。| |~テリー・ボガード|おっ。×のおかげで泣き止んだみたいだな。| |~テリー・ボガード|なあ、パパを探してたっていうのはどういうことなんだ?| |~リンファ|パパがお仕事に行ったまま、帰ってこないの。&br;ずっとずっとおうちで待ってたけど……。| |~〇×|待てなくなっちゃったのかな?| |~リンファ|……うん。それであっちこっち歩いてたんだけどね、&br;疲れちゃってここで休んでたの。| |~テリー・ボガード|なるほどな。リンファがここにいた理由はわかった。&br;けど、勝手に家を出てきたら、ママが心配するだろう?| |~リンファ|……ママはもういないの。| |~テリー・ボガード|……そう、か。&br;なら、パパが帰ってこなくて不安になるのも当然だよな。| |~テリー・ボガード|そういうことなら俺に任せろ。&br;人探しはお手のものだ。&br;俺が必ずリンファのパパを見つけてやるから、安心しろ。| |~リンファ|ほんとう!?| |~テリー・ボガード|ああ。約束だ!| |~〇×|(さっき、テリーさんは私のことをお母さんみたいって&br;言ったけど……。)| |~〇×|(リンファちゃんの頭をなでてるテリーさんも、&br;まるでお父さんみたいに見える。)| #endregion //---------- **5話 [#story_05] #region(ネタバレ注意) |~テリー・ボガード|それじゃ早速だが、リンファのパパのことを俺たちに教えてくれ。&br;パパは出かけるとき、どんな格好だった?| |~リンファ|えっとね、スーツ着てたよ。あと……そう!&br;手首にお花の模様があるの。| |~テリー・ボガード|オーケー。その調子でパパのことを俺たちにどんどん教えてくれ。| |~リンファ|うーん……。| |~〇×|(あとどんなことを聞いたら手がかりになるかな。&br;……そうだ!)| |~〇×|お父さんのお仕事は? さっき、お仕事に行ったまま&br;帰ってこなくなっちゃったって言ってたよね。| |~テリー・ボガード|おっ、いい質問だな。| |~リンファ|……わかんない。| |~テリー・ボガード|わからない?| |~リンファ|パパ、お仕事のことは教えてくれないの。&br;ナイショなんだって。| |~テリー・ボガード|…………。| |~テリー・ボガード|……×、ちょっといいか。| |~〇×|? はい。| |~リンファ|お兄ちゃん?| |~テリー・ボガード|ん? なんでもない。ちょっとした作戦会議だ。&br;俺たちが相談してる間、リンファにひとつお願いしていいか?| |~リンファ|なに?| |~テリー・ボガード|さっき、パパの手首には花の模様があるって言ってただろ?&br;どんな花か、この紙に描いてみてくれないか?| |~リンファ|わかった!| |~〇×|……それで、どうしたんですか?| |~テリー・ボガード|……リンファの父親なんだが、&br;もしかしたらチャイニーズマフィアかもしれない。| |~〇×|え……。| |~テリー・ボガード|裏社会の人間は家族に自分の仕事を教えないことが多いんだ。&br;家族を危険に巻き込まないために。| |~テリー・ボガード|もし、リンファの父親がマフィアだったとしたら、&br;例のアンドロイドたちに襲われてる可能性もある。| |~〇×|あ……!| |~〇×|(ネスツ製のアンドロイドが、サウスタウンマフィアやギャングを&br;襲って精神力を奪ってるっていう、あの話……!?)| |~テリー・ボガード|だから、手遅れになる前に見つけたい。&br;……いや、何があっても見つけてくる。| |~〇×|それなら、私も手伝います!| |~テリー・ボガード|×は、この家であの子を守っててくれ。| |~テリー・ボガード|リンファは今、とても心細いと思うんだ。ひとりには&br;させられない。| |~テリー・ボガード|だから、あんたにあの子を支えて欲しいんだ。| |~〇×|テリーさん……。| |~〇×|(そっか……。テリーさんの言うように、&br;ここであの子のそばについていてあげたほうがいいかも。)| |~〇×|わかりました。&br;リンファちゃんのことは私に任せてください。| |~テリー・ボガード|任せたぜ。……それじゃ、行ってくる。| |~〇×|はい。いってらっしゃい!| |~リンファ|……パパ、見つかるかな。| |~〇×|大丈夫。&br;だって、テリーさんはすごいんだから。| |~リンファ|そうなの?| |~〇×|うん。……私、少し前に酷い目にあったんだけどね。&br;テリーさんが助けに来てくれたの。| |~〇×|あの時、テリーさんを見て……私、すごくホッとしたんだよ。| |~〇×|テリーさんは、そうやっていつも私に希望をくれるの。私が怯えて&br;立ち止まってしまっても、明るい言葉で照らしてくれて……。| |~リンファ|……??| |~〇×|(……って、少し難しかったかな。)| |~〇×|ええっと……テリーさんはサウスタウンのヒーローだから&br;絶対に約束を守ってくれるよ。だから、私と信じて待とう。ね?| |~リンファ|ヒーロー……。&br;……うん! わかった!| |~テリー・ボガード|――×、リンファ!| |~〇×|テリーさん!| |~リンファ|お兄ちゃん、パパは……?| #endregion //---------- **6話 [#story_06] #region(ネタバレ注意) |~リンファの父|――リンファ!| |~リンファ|パパっ!!| |~リンファの父|どうして家の外に出たんだ。隣のおばさんの家で一緒に&br;待ってるように言っただろう。| |~リンファ|っ……。だって……。| |~テリー・ボガード|リンファを怒らないでやってくれ。&br;あんたのことが心配で、いても立っても居られなかったんだ。| |~テリー・ボガード|生きていく以上、仕事は大事だ。だから、あんたの仕事を&br;どういう言うつもりはない。| |~テリー・ボガード|けど、家族も大切にしてやってくれ。母親だけじゃなく、&br;あんたまでいなくなったらこの子は悲しむ。わかるだろう?| |~リンファの父|……はい。| |~リンファの父|ひとりにして悪かったよ。さあ、一緒に帰ろう。| |~リンファ|うんっ!| |~リンファの父|テリーさん、本当にありがとうございました。| |~テリー・ボガード|礼はいらないさ。&br;その代わり、その子のことを大事にしてやってくれ。| |~リンファの父|もちろんです。ほら、おまえもふたりに礼を言いなさい。| |~リンファ|お姉ちゃんの言うとおりだったね!&br;ありがとう、サウスタウンヒーロー!| |~テリー・ボガード|父子(おやこ)が手を繋いで帰ってる……。いい光景だな。| |~〇×|本当ですね……。| |~〇×|あ、それであの子のお父さんはどこに?| |~テリー・ボガード|チャイナタウンの路地裏だ。&br;仲間のマフィアがアンドロイドに襲われたらしくてな。| |~テリー・ボガード|あの子の父親はそのアンドロイドを追いかけて、精神力を&br;奪われそうになってたんだ。| |~テリー・ボガード|……今回は間一髪のところで助けられた。けど、アンドロイドの&br;被害にあってるのはひとりやふたりじゃない。| |~テリー・ボガード|たとえ裏社会の人間だって、家族がいる。&br;そういう人たちのためにも、アンドロイドを止めないとな。| |~〇×|そうですね。| |~テリー・ボガード|ところで。&br;俺がいない間、あの子に俺のこと、なんて話したんだ?| |~〇×|えっ……!? ど、どうしてそんなことを……?| |~テリー・ボガード|あの子が『お姉ちゃんの言うとおり』って言ってたの、&br;ちゃんと聞いたぜ?| |~〇×|え、ええっと……。| |~〇×|……テリーさんの存在が私の心の支えになってるっていう&br;話をしたんです。| |~〇×|いつでも私に希望をくれて、だから私はつらいことや苦しいことが&br;あっても、前を向いて歩いていけるんだって。| |~テリー・ボガード|……っ!| |~テリー・ボガード|ほんっとうにキュートだなぁ、×は!!| |~〇×|きゃっ……!| |~テリー・ボガード|まったく。なんだって、あんたはそんなに可愛いんだろうな!&br;本当に和むぜ!| |~〇×|く、苦しいです、テリーさん……!| |~〇×|(……!)| |~テリー・ボガード|俺から、感謝のキスだよ。| |~テリー・ボガード|……あんたがあの子のそばにいてくれてよかった。&br;本当にありがとな。| |~〇×|そ、そんな……。私は大したことはしていませんし……。| |~テリー・ボガード|謙遜なんてしなくていい。あんたも間違いなく、&br;あの子にとってのヒーローさ。| |~テリー・ボガード|……いつもそばにいてくれた大人がいないっていうのは、&br;それだけで不安になるもんだからな。| |~テリー・ボガード|そんな時に大人がそばにいてくれる。それは、あんたが&br;思っている以上に大きな意味があるんだよ。| |~テリー・ボガード|あの日、あの時も……×がそばにいてくれたら&br;よかったのにな。| |~〇×|あ……。| |~〇×|(……テリーさんはお父さんを失った時、この家にいたのかな。)| |~〇×|(アンディさんとふたりで。子どもたちだけで、ここに……?)| |~〇×|私も、その時にテリーさんのそばにいてあげたかった……。| |~テリー・ボガード|×……。| |~〇×|リンファちゃんだけじゃなくて、&br;テリーさんのヒーローにもなりたかったです。| |~テリー・ボガード|ハハッ。何言ってるんだ。| |~テリー・ボガード|あんたはとっくに俺のヒーローになってるよ。| |~〇×|え……? 私が?| |~テリー・ボガード|ああ。俺の中の狼を起こしてくれたのは、誰だっけ?| |~〇×|あ……。| |~テリー・ボガード|そうだ。他の誰でもない、あんただ。| |~テリー・ボガード|×は俺の女神で、俺のヒーロー。&br;そして何より大切な……俺の愛しい恋人だ。| #endregion //---------- **エピローグ [#story_07] #region(ネタバレ注意) |>|サウスタウンKOF終結後、日本にて――| |~テリー・ボガード|ワオ……こいつはすごい。&br;やっぱり、桜は日本のシンボルだな。| |~〇×|ふふ。……でも、驚きました。『日本で桜を一緒に見よう』って&br;連絡の後、すぐにテリーさんが来たので。| |~〇×|サウスタウンKOFで優勝したばかりなのに。&br;忙しかったんじゃないですか?| |~テリー・ボガード|まあ、インタビューの依頼はひっきりなしに来るが、&br;桜の奴は待ってくれないからな。| |~テリー・ボガード|サウスタウンにも桜はあるが、向こうにはあんたがいない。&br;だから、やっぱり日本に来ないとな。| |~〇×|テリーさん……。| |~テリー・ボガード|それに、あんたには直接、謝らないといけないことも&br;あったし……。| |~テリー・ボガード|その、俺の家のこと……本当に悪かった!| |~〇×|い、いえ。気にしないでください……!| |~〇×|(まさか、テリーさんの実家がもう人手に渡っていて、&br;それを知らずに片付けをしていたなんて思わなかったな。)| |~テリー・ボガード|ま、長いことほったらかしにしてくれた買い手のほうも&br;悪いよな……。| |~テリー・ボガード|むしろ、『掃除する手間が省けて助かった』、&br;なぁんて笑ってったっけ。| |~テリー・ボガード|代わりにアンディにはめちゃくちゃ怒られたけどな。| |~テリー・ボガード|まさか俺が今更実家に住もうとしてるなんて考えてなかったとか、&br;そういうことは先に相談してくれとか、いろいろ言われたよ。| |~テリー・ボガード|……俺自身、どこか一ヶ所に腰を落ち着けようなんて思う日が&br;来るなんて、あんたと出会うまで想像もしてなかったしな。| |~テリー・ボガード|けど今思うと、俺の理想ばかり押しつけて、&br;あんたのことを考えてなかった。| |~テリー・ボガード|悪かったな。| |~〇×|いいえ、そんな! 短い間でしたけど、あの家でテリーさんと&br;これからのことを考えながら過ごすのは楽しかったです。| |~テリー・ボガード|×……。| |~テリー・ボガード|サウスタウンであんたと暮らすっていうのは夢で終わったが、&br;俺はもうひとつの夢を諦めるつもりはないぜ。| |~〇×|え? もう一つの夢……?| |~テリー・ボガード|あんたと家族になるって夢だ。| |~〇×|……!| |~〇×|(桜がさっきより輝いている……?)| &attachref(アルバム /サイドスチル/SSスチル2_テリー・ボガード.jpg,zoom,テリー・ボガード,356x200); |~テリー・ボガード|……なあ、×。&br;あれから、俺もいろいろ考えた。| |~テリー・ボガード|あんたはここで、大門道場の管理人っていう仕事がある。| |~テリー・ボガード|あんたは途中で仕事を投げ出すようなことはしないだろうし、&br;させたくない。あんたの仕事は俺にとっても特別だ。| |~テリー・ボガード|もし、あんたが道場の管理人でも、京チームのマネージャーでも&br;なかったら、俺と出会えてなかったかもしれないだろ?| |~テリー・ボガード|だから、あんたの仕事は尊重したい。&br;けど、すぐに会える距離にあんたがいないのは寂しい。| |~テリー・ボガード|だったら、俺がこっちに腰を落ち着ければいい。&br;名案だろ?| |~テリー・ボガード|もう住む家も考えてあるんだ。&br;けど、勘違いしないでくれ。何も今すぐにってわけじゃない。| |~テリー・ボガード|さっきも言ったが、仕事もあるだろうしな。| |~テリー・ボガード|だから、いつかでいい。| |~テリー・ボガード|……さっき、あんた言ったよな。『あの家で俺とこれからのことを&br;考えながら過ごすのは楽しかった』って。| |~テリー・ボガード|俺も同じだ。| |~テリー・ボガード|だから、あんたとの『これから』を、また一緒に考えていきたい。&br;あんたと家族になれる場所を一緒に作っていきたいんだ。| |~テリー・ボガード|その場所が、新しい俺の――俺たちの家になる。| |~テリー・ボガード|愛してる、×。| |~テリー・ボガード|もし『YES』なら、この手を取ってくれないか?| #endregion //---------- &aname(top){上へ戻る}; データ参照プラグイン 入力支援ツールを表示 ▼参照先ページ選択:データを表示 元データの書式(インラインプラグイン)を継承する