イベントストーリー /その引き金は誰が為に の編集 Top > イベントストーリー > その引き金は誰が為に **第1話 [#story1] #region(ネタバレ注意) |>|ある日の昼下がり――| |ヨミ|ナギ様、お茶の準備ができました。| |ナギ|…………。| |ヨミ|……ナギ様。テレビは、もう少し離れてご視聴を。| |テレビの声|――本日は、ただいま密かなブームとなっている&br;『サバゲ―』について特集します!| |テレビの声|みなさん、サバゲーってなんだか知ってますか?| |ナギ|さばげー? 初めて聞く名前だ……。&br;ヨミはどんなものか知っているかい?| |ヨミ|はい。サバゲーとはサバイバルゲームの略称。| |ヨミ|銃にプラスチック弾を詰め、互いに撃ち合い&br;勝利を目指す遊びになります。| |ナギ|へぇ、人間界では今こういうものが&br;流行っているのか。| |ナギ|でも、ただの撃ち合いなんだろう?&br;どこが楽しいのか僕にはわからないな。| |テレビの声|みなさん、サバゲーの面白さがどこにあるのか&br;わからない、って思っていませんか?| |ナギ|君はすごいな……まさにその通りだよ。&br;僕にその面白さを教えてくれるかい?| |テレビの声|それはですね、相手のことをよりよく知ることができる&br;というところにあるんです!| |ナギ|相手のことを……? 気になるな。&br;もっと詳しく教えてくれ。| |ヨミ|(ナギ様……テレビと話しておられる……。)| |テレビの声|人は極限状態に追い込まれると、&br;自分自身の本性を隠さずにはいられません。| |テレビの声|職場の人や最近知り合ったばかりの人。&br;そんな人たちと銃を持ち、互いにぶつかりあうことで……。| |テレビの声|今まで知らなかったその人の&br;意外な側面が見えてしまうんです!| |テレビの声|仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……!&br;そんな人たちと仲良くなるチャンスが来るかも!?| |ナギ|……。&br;仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……か。| |ナギ|……これだ。&br;これをやりたいな、ヨミ!| |ヨミ|……と、申しますと。| |ナギ|人間って、こういう遊びをして&br;仲良くなっていくものなんだね!| |ナギ|僕もさばげーで、みんなと仲良くなってみたいよ!| |>|それから数日後、深夜――| |マキシマ|K'。またゲームで徹夜する気か?| |K'|……今話しかけんな。&br;もうすぐ俺と包のチームが勝つ。| |マキシマ|包も起きてるのか……。&br;2人とも、ほどほどにしておけよ。おやすみ。| |包の声|ふふっ。K'sannマキシマさんに怒られてる~。| |K'|うるせぇ。&br;おしゃべりしてるヒマがあったら真面目に索敵しろ。| |包の声|ボイスチャットは雑談しながら楽しくやるものでしょー?&br;……あっ、いた! K'さんの3時方向に敵!| |K'|任せろ。| #endregion //------------------------------ ページの更新 ビジュアル編集モードに切り替える **第1話 [#story1] #region(ネタバレ注意) |>|ある日の昼下がり――| |ヨミ|ナギ様、お茶の準備ができました。| |ナギ|…………。| |ヨミ|……ナギ様。テレビは、もう少し離れてご視聴を。| |テレビの声|――本日は、ただいま密かなブームとなっている&br;『サバゲ―』について特集します!| |テレビの声|みなさん、サバゲーってなんだか知ってますか?| |ナギ|さばげー? 初めて聞く名前だ……。&br;ヨミはどんなものか知っているかい?| |ヨミ|はい。サバゲーとはサバイバルゲームの略称。| |ヨミ|銃にプラスチック弾を詰め、互いに撃ち合い&br;勝利を目指す遊びになります。| |ナギ|へぇ、人間界では今こういうものが&br;流行っているのか。| |ナギ|でも、ただの撃ち合いなんだろう?&br;どこが楽しいのか僕にはわからないな。| |テレビの声|みなさん、サバゲーの面白さがどこにあるのか&br;わからない、って思っていませんか?| |ナギ|君はすごいな……まさにその通りだよ。&br;僕にその面白さを教えてくれるかい?| |テレビの声|それはですね、相手のことをよりよく知ることができる&br;というところにあるんです!| |ナギ|相手のことを……? 気になるな。&br;もっと詳しく教えてくれ。| |ヨミ|(ナギ様……テレビと話しておられる……。)| |テレビの声|人は極限状態に追い込まれると、&br;自分自身の本性を隠さずにはいられません。| |テレビの声|職場の人や最近知り合ったばかりの人。&br;そんな人たちと銃を持ち、互いにぶつかりあうことで……。| |テレビの声|今まで知らなかったその人の&br;意外な側面が見えてしまうんです!| |テレビの声|仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……!&br;そんな人たちと仲良くなるチャンスが来るかも!?| |ナギ|……。&br;仲良くしたいけど、なんとなく踏み込めない……か。| |ナギ|……これだ。&br;これをやりたいな、ヨミ!| |ヨミ|……と、申しますと。| |ナギ|人間って、こういう遊びをして&br;仲良くなっていくものなんだね!| |ナギ|僕もさばげーで、みんなと仲良くなってみたいよ!| |>|それから数日後、深夜――| |マキシマ|K'。またゲームで徹夜する気か?| |K'|……今話しかけんな。&br;もうすぐ俺と包のチームが勝つ。| |マキシマ|包も起きてるのか……。&br;2人とも、ほどほどにしておけよ。おやすみ。| |包の声|ふふっ。K'sannマキシマさんに怒られてる~。| |K'|うるせぇ。&br;おしゃべりしてるヒマがあったら真面目に索敵しろ。| |包の声|ボイスチャットは雑談しながら楽しくやるものでしょー?&br;……あっ、いた! K'さんの3時方向に敵!| |K'|任せろ。| #endregion //------------------------------ **第2話 [#story2] #region(ネタバレ注意) |包の声|やったぁー! 勝った勝った!&br;僕たちのチームの優勝~!| |K'|これくらい当然だ。| |包の声|すごいな~。僕、ソロで何回かやってるけど、&br;こんなにスムーズに勝てなかったよ。| |包の声|やっぱり、チームプレイっていいものだね!| |K'|どうだかな――| |包の声|ん? なんだろう。&br;僕たちのチーム宛てにメッセージが来たよ。| |K'|負けたチームが送りつけてきた負け惜しみだろ。&br;そういうのはブラックリストに突っ込んでおけ。| |包の声|まっさかぁ。一応読んでみようよ。| |K'|……一応な。| |包の声|えっと、なになにー?| |包の声|『K'と包に告ぐ。&br;至急、以下に指定する座標まで来られたし』……?| |K'|……なんだこれは。| |包の声|この座標、ゲームのじゃなくてリアルの座標だね。&br;位置的にはK'さんたちの隠れ家の近くかな……?| |包の声|っていうかこの人、なんで僕たちの名前を知ってるんだろう?&br;僕たち、ゲームの中じゃハンドルネーム使ってるのに。| |K'|……マキシマが仕込んだイタズラにしては&br;要領を得ないな。| |包の声|だよねぇ。| |包の声|あっ、また届いたよ?| |K'|用があるなら一度にまとめやがれ――&br;……っ!?| |メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか……わかっているね?』| |K'|…………。| |包の声|ね、ねぇ。なんでこの人、お姉ちゃんの名前まで&br;知ってるの!?| |K'|……俺に聞いたってわかるわけねぇだろ。| |K'|だからこそ、お望み通り行って確かめてやる。| |包の声|えっ!? ちょっと待って、K'さ――| |メッセージ|『すぐにこないと、〇×(主人公)が&br;どうなるか……わかっているね?』| |K'|っ……。| |K'|……このあたりだな。| |K'|っ……!?| |K'|(……。なんだ?)| |K'|(ビルの上に人影が見えた。&br;このバッグを落としてきたのは、そいつか?)| |K'|(……バッグに手紙が貼ってある。)| |手紙|『好きな銃を選んでね^U^』| |K'|(銃……だと?)| |K'|(……マジで銃だな。)| |K'|(種類の違う銃が何丁かある。&br;実弾銃にしては軽いな……おもちゃか?)| |K'|!| #endregion //------------------------------ **第3話 [#story3] #region(ネタバレ注意) |マキシマ|まったく、何も言わず出ていくなんて&br;水臭いじゃないか、相棒。| |K'|……ついてきてたのか。| |マキシマ|お前さんが大好きなゲームをほっぽりだして&br;どこへ行くのか、興味があってな?| |マキシマ|その顔色を見るに、ただごとじゃなさそうだ。| |K'|……。| |マキシマ|――なるほど。&br;お相手はお嬢さんの名前を出してきたか。| |マキシマ|ものぐさなお前さんが駆け出して行ったのにも&br;納得だ。| |K'|貴重な息抜きの時間を邪魔されて腹がたっただけだ。&br;勘違いするな。| |マキシマ|はいはい。&br;……にしても、なんだ? その大量の銃の入ったバッグは。| |K'|ビルの上から誰かが投げ落としてきた。&br;手紙には『好きな銃を選べ』と、ふざけた顔文字つきで。| |マキシマ|……ふむ。実弾銃ではないようだな。| |K'|どう見てもおもちゃだろ。こんなもんは置いてって、&br;さっさとあいつを探すぞ。| |マキシマ|! 待て相棒。……誰か来る。| |包|いたいた!&br;K'さん、マキシマさーん!| |二階堂紅丸|わお。なんだか珍しい組み合わせじゃない?| |K'|包。お前はまだ納得行くとして、&br;なんでこいつがいる?| |包|座標の場所に向かおうとしてたら、&br;途中で紅丸さんとこのリムジンが見えたからさ。| |包|電車もなかったし、丁度いいやって思って&br;事情を説明してここまで送ってもらったんだ。| |二階堂紅丸|×ちゃんの一大事と聞いたら、彼女の王子である&br;この俺が出ていかないわけにはいかないだろ?| |K'|(うぜぇ。)| |包|僕も一緒にお姉ちゃんを探すよ!&br;だって心配だもん!| |マキシマ|人手は多いに越したことはないな。&br;だがそれ以上に、今は情報が足りない。| |二階堂紅丸|座標で指定された場所はここなんだろ?&br;そのうち相手方から姿を現すんじゃないか?| |K'|チッ。だったらさっさと出てこい。&br;回りくどい真似してんじゃねぇ。| |???|ふふっ、ごめんよ。&br;ぷれいやーが集まるのを待ってたんだ。| |K'|……!| |ナギ|こんばんは。みんな来てくれて嬉しいよ。| |包|ナギさん、ヨミさん……?| |K'|テメェらが……?| |マキシマ|どういうことなのか、説明してもらおうか?| |ヨミ|……今宵、ナギ様がお前たちを呼び集めた理由は&br;他でもない。| |K'|――| |ヨミ|ナギ様は……。| |ヨミ|ナギ様は、お前たち格闘家と親睦を深めたいと&br;望んでおいでだ。| |二階堂紅丸|……。はぁ?| |包|……え、えーっと……?| |K'|……………………。| #endregion //------------------------------ **第4話 [#story4] #region(ネタバレ注意) |マキシマ|すまん……もう一度言ってくれないか。&br;よく聞こえなかった。| |ナギ|僕はみんなと一緒に楽しいことをしたいんだ!| |ナギ|だからこの銃を使って、今から僕とげーむをしよう!&br;ねっ?| |包|ナギさん、ものすごーく笑顔が輝いてる……。| |マキシマ|ちょ、ちょっと待ってくれ……。| |マキシマ|ナギ、つまりあんたは遊ぶために俺たちをここへ呼び出したのか?| |ナギ|呼び出したのはK'と包だけだよ?&br;2人はこういうの好きそうだったからね。| |ナギ|でも、どうしても遊びたいっていうなら、&br;マキシマと紅丸も仲間に入れてあげてもいいよ!| |二階堂紅丸|そういう意味じゃないって。| |マキシマ|くっ……頭が痛くなってきやがった……。| |K'|フン。ゲームか。| |K'|確かにさっきも、&br;プレイヤーがどうのとか言ってやがったな。| |ナギ|そのとおり。| |K'|……!| |包|わぁ……! 何、これ!?| |マキシマ|街の様子が……。&br;ナギ、あんたがやっているのか?| |ナギ|ようこそ、僕のばとるふぃーるどへ!| |ナギ|ここは、僕たち以外の人間は入れないようになってる。&br;だから――| |ナギ|君たちにはここで、この銃を使って、&br;僕たちとさばいばるげーむをしてもらうよ。| |K'|サバゲーだと?&br;……このおもちゃみてぇな銃でか。| |ナギ|ふふ。この銃は、この領域でこそ&br;真価を発揮するんだ。| |ナギ|K'.その銃で足もとを撃ってごらんよ。| |K'|……。| |K'|っ……?&br;なんだこれは……インクか?| |マキシマ|いや。そう見えるが、違うな。&br;視認できるが、実体がまるでつかめない。| |マキシマ|このフィールドもそうだが……全部あんたが神の力とやらを&br;無駄遣いして作った、幻影なんだろ?| |ナギ|ご明察だよ。| |ナギ|その弾にあたっても、&br;色のついた痕が残るだけでケガはしない。けど……。| |ナギ|その色に塗られた場所から、&br;体の力が吸い取られていくんだ。| |ナギ|急所を撃たれたらそれでおしまい。&br;被弾箇所が増えれば増えるほど、ただ歩くのも辛くなっていく。| |包|うわぁ。タチ悪い……。| |ナギ|痛い思いはしないけど、&br;勝敗がつけやすくていいでしょ?| |ナギ|君たち4人には、2つのちーむに分かれてもらう。| |ナギ|K'と包の『K’ちーむ』。&br;マキシマと紅丸で、『マキシマちーむ』という具合にね。| |ナギ|君たちから見て標的となる僕とヨミは、&br;それぞれ単騎で戦うよ。| |ナギ|そして、ここからが重要なんだけど――| |ナギ|僕とヨミは、それぞれ1つずつ&br;『鍵』を持っている。| |ナギ|これは、『宝箱』を開けるために必要な鍵だよ。| |K'|宝箱……?| |ナギ|この領域内のどこかに宝箱がある。&br;その宝箱を見事開けることが出来れば、君たちの勝ちだ。| |ナギ|その宝箱を開けるには、この2つの鍵が必要になる。&br;どちらか一方だけじゃ、鍵は開かないから注意して。| |ナギ|宝箱の中には豪華賞品が入っているよ。&br;だからみんな、優勝目指して頑張ってね。| |マキシマ|一応聞くが……その賞品ってのはなんだ?| |ナギ|ふふ。それはもちろん……。| |ナギ|君たちが今、一番欲しいと思っているものだよ。| #endregion //------------------------------ **第5話 [#story5] #region(ネタバレ注意) |包|まさか……その宝箱の中に&br;お姉ちゃんを閉じ込めてるとか言わないよね?| |ナギ|ご想像にお任せするよ。| |K'|ふざけやがって……。| |二階堂紅丸|だとしたら、許せないな。&br;一刻も早くお姫様を助けに行かないとね。| |ナギ|ふふっ。&br;君たちならそう言ってくれると思った。| |ナギ|それじゃあそろそろ、&br;位置についてもらおうかな――| |K'|その必要はねぇ。| |K'|――今ここでテメェらを撃てば、終わる話だ。| |包|っ……!&br;ナギさんとヨミさん、消えちゃった!| |ナギの声|せっかちだなぁ。&br;まだげーむは開始してないよ。| |ナギ|2チームとも、今からそれぞれの携帯に送る座標においで。&br;位置についたら、戦闘開始だ!| |K'|チッ……!| |マキシマ|まったく……!&br;何を考えているんだ、ナギの奴は。| |二階堂紅丸|一度は改心した彼のことだから、×ちゃんに&br;手荒な真似はしていないと思いたいけど……。| |二階堂紅丸|それにしたって腹が立つな。&br;……このゲームに乗っかるしかない状況にもね。| |K'|くだらねぇ。さっさと終わらすぞ。| |包|あっ! 待ってよK'さん!&br;僕も行くー!!| |二階堂紅丸|はぁ……くだらないと言いつつ、ノリノリじゃない?&br;おたくの息子さん。| |マキシマ|ああ、ノリがいいのかなんなのか……。| ||って、誰が誰の息子だって!?| |二階堂紅丸|さーて。俺たちも開始地点とやらに行こうぜ。| |マキシマ|待て! 俺はこれでもまだ20代だーーー!!| |>|一方その頃――| |〇×(主人公)|……ん……。| |〇×|……あ、あれ……?| |〇×|(ここ、どこ? 道場じゃない……。)| |〇×|(私、なんでこんな知らない場所に――)| |〇×|(っ! ドアが開かない。&br;私、閉じ込められてるの……?)| |〇×|ひゃっ!| |〇×|(びっくりした……。&br;私のケータイ、テーブルの上にあったんだ。)| |〇×|(メッセージが来てる。……ナギさんからだ。&br;ええっと……?)| |〇×|(……???)| #endregion //------------------------------ **第6話 [#story6] #region(ネタバレ注意) |二階堂紅丸|逃がさねぇっ!| |ヨミ|っ……!| |二階堂紅丸|よっしゃ!| |マキシマ|馬鹿! 撃ったらすぐに隠れろと言っただろう!| |二階堂紅丸|うおわっ!? まずいまずい……っ。| |マキシマ|相手はヨミだけのようだな。ナギのほうは、&br;うちの相棒たちがどうにかしてくれているといいが……。| |二階堂紅丸|どうにかして連絡が取れるといいんだけどなぁ。&br;このフィールド、ケータイは圏外みたいだし。| |マキシマ|加えて、俺のセンサーもうまく働かん。| |二階堂紅丸|はぁ。&br;あんたの索敵能力、アテにしてたんだけどなぁ。| |マキシマ|格闘家の勘もアテにしてくれ。&br;……気配が消えたな。移動するぞ。| |マキシマ|にしても、あんた、そこそこ射撃が上手いじゃないか。&br;驚いたぞ。| |二階堂紅丸|二階堂家の御曹司たるもの、あらゆる知識と経験が&br;なくちゃね。射撃訓練くらいやってるよ。| |マキシマ|なんでもできるようにってか。&br;御曹司ってのは大変だな。| |二階堂紅丸|ノブレス・オブリージュってやつだよ。&br;……って、これどっかの誰かさんと被るな――| |二階堂紅丸|――! 気配……そこかっ!!| |二階堂紅丸|!? 嘘だろ、確かに手ごたえはあったのに……!| |マキシマ|!! 紅丸、伏せろ!| |二階堂紅丸|っ――!?| |二階堂紅丸|っ……くそ……。&br;マジで、身体の、力が…………。| |ヨミ|……。| |ヨミ|出てこい、マキシマ。&br;……鍵はここにあるぞ。| |マキシマ|かくれんぼはもうお終いか?&br;いや、助かるね。| |マキシマ|センサーが使えなくなって実感したよ。&br;お前さんの芸当は本当に人間離れしてるな。| |マキシマ|気配を完全に消したり、敢えて相手に&br;自分の居所を悟らせるほどの殺気を放ってきたり。| |ヨミ|御託はいい。&br;鍵がほしくば、全力でかかってこい。| |マキシマ|……そうだな。善処しよう。| |マキシマ|(まったく。前に伊勢や大阪で相対したときよりも&br;ずっと分が悪くないか?)| |マキシマ|(笑えないねぇ……。さて、どうする?)| |>|一方、K'チームは――| |K'|チッ……!| |包|あ、当たらない~!&br;うう、ゲームよりずっと難しいよ……!| |K'|うろたえるな。&br;ナギの野郎の動きをよく見ろ。| |包|う、うんっ!| #endregion //------------------------------ **第7話 [#story7] #region(ネタバレ注意) |K'|チッ。……どこ行きやがった。| |包|うーん。&br;確かにこの建物の中に入っていったよね。| |K'|面倒くせぇ……どうにかしてさっさとケリをつけてやる。&br;行くぞ。| |包|あっ、K'さん待って!| |K'|……?| |包|その……さっきまで僕たちがやってたゲームのことを&br;思い出して?| |K'|は?| |包|ゲームでも差、建物内に逃げ込んだターゲットを&br;追いかけることがあったでしょ?| |包|そういうときは、焦らず騒がず、&br;どうするのが定石だって言ってたっけ?| |K'|……。| |K'|逃げ込んだのが1人だけならまだいい。&br;だが、もしかすると伏兵が潜んでいる可能性がある。| |K'|相手が複数いるかもしれない状況で&br;狭い場所に1人で入り込んでいくのはリスクしかない……。| |K'|互いの背中を守りながら、内部をクリアリングしつつ&br;殲滅する。……これに限る。| |包|だよね!| |K'|んだよ。今もそうしろって言うのか?&br;ありゃゲームの話だぞ。| |包|案外、今の状況ってゲームのまんまだと思うんだよね。&br;だから試してみない?| |包|いつもどおり、K'さんの背中は僕が守るよ。&br;だからK'さんは、慎重にクリアリングしていって。ね?| |K'|……。&br;俺一人で十分だ……と言いたいとこだが。| |K'|好きにしろ。| |包|了解であります、隊長!| |???|ふふっ。仲間って感じで、すっごくいいね。| |K'|!| |包|わお。クリアリングする前に出てきちゃったよ。| |K'|……近くにヨミがいるかもしれない。&br;警戒しろ。| |包|っ……! うん。| |ナギ|その心配はいらないよ。ね? ヨミ。| |K'|……!? 何……?| |ヨミ|マキシマチームは殲滅した。&br;残るはお前たちだけだ。| |包|ええーっ!?&br;あの2人、負けちゃったの~!?| |K'|……。| |ナギ|きっとこんな構図になるだろうとは思ってたんだ。&br;……それじゃ、始めようか。| |K'|! 包、散開しろ!!| |包|っ、了解!!| |K'|っ……。| |K'|(相手と真正面からかちあった場合の対策は、&br;包ならわかってるか……。)| |K'|(クソ、出てくるのが唐突すぎんだよ……!)| |ナギ|K'、みーつけた!| |K'|!?| |K'|げほっ、ごほ……!&br;っ……テメェ……!| |ナギ|煙幕であぶりだし成功~。&br;隠れてないで、撃ち合おうよ!| |K'|隠れないサバゲーがあるかよ。&br;……それより……。| |K'|煙幕なんてものまで用意してやがったのか。&br;だったら、こっちにもよこしやがれ。| |ナギ|主催者権限。| |K'|アンフェアだ。| |ナギ|ふふ。おこらないで。お詫びに、君にもとっておきのものを&br;ぷれぜんとしてあげるからさ!| #endregion //------------------------------ **第8話 [#story8] #region(ネタバレ注意) |K'|くっ――!?| |ナギ|どう? 僕が用意した、&br;K'専用ぼでぃすーつ!| |ナギ|被弾しても多少攻撃を軽減してくれるし、&br;何よりそれっぽくてかっこいいよね!| |K'|っ……何をのんきな――!| |ナギ|おっと、危ない危ない……!| |ナギ|でも、本気になってきてくれたみたいでよかったよ。&br;僕は本気の君とぶつかりあいたかったんだ……!| |K'|っ……本気の俺と、だと……?| |ナギ|僕、格闘家のみんなのことを&br;もっともっとよく知りたかったんだ。| |ナギ|人間は極限状態に追い込まれると、&br;本性を隠さずにはいられないんでしょ?| |ナギ|そんな相手とぶつかることで、相手のことをよりよく&br;知ることができる……そうてれびが教えてくれたんだ。| |ナギ|だから、君を本気にするために&br;×に協力してもらったんだよ。| |K'|――――| |ナギ|これはもう君を本気にさせるには十分な状況――| |ナギ|っ……!?| |K'|……再確認した。&br;俺は、テメェがマジで嫌いだ。| |ナギ|……はは。本気、って程度じゃないかも。&br;殺気?| |K'|当たり前だ。| |K'|……ナギ。&br;テメェはあのときから何も進歩してねぇな。| |K'|あのときも言っただろ。&br;テメェの都合で、他人の運命を狂わせるなと。| |K'|あいつをさらったのは俺を本気にさせるため?&br;……ふざけんじゃねぇよ。| |K'|その馬鹿っぷりは、一度殴ったくらいじゃ&br;治らねぇようだな――!?| |包|K'さん、危ない――!!| |K'|!?| |包|ふわぁっ!| |K'|っ、包!?| |包|うう~……ごめん。&br;左胸一発……やられたぁ……。| |???|……K'をかばったか。&br;無駄なことを……。| |K'|ヨミ……。| |ヨミ|ナギ様を愚弄する者は俺が許さない。&br;……観念しろ、K'。| |K'|っ……。| |K'|悪い、包……。&br;ヨミの気配に気づけなかった。| |包|はは……しょうがないよ。&br;K'さん、ゲームではクールに決めてくれるけど……。| |包|リアルでは、×お姉ちゃんのこととなると&br;すぐ熱くなっちゃうもんね?| |K'|うるせぇ。そのまま寝てろ。| |ナギ|……ありがとう、ヨミ。&br;助かったよ。| |ヨミ|……。| |ナギ|……さてと、1対2だね?&br;いくらすーつがあると言っても、分が悪いんじゃないかな?| |K'|っ……。| |K'|(ざまぁないが……このまま逃げて2人を撹乱しつつ、&br;1人ずつ仕留めるしかねぇな。)| |K'|(……俺には逃げ隠れるのがお似合いってわけかよ。&br;笑えねぇぜ……。)| |K'|!?| |ヨミ|っ!? なっ――!?| |ナギ|ヨミ!?| |ヨミ|っ……。後頭部を一撃……。&br;今、のは……狙撃か……?| |ヨミ|……! ナギ様、お逃げください!| |ナギ|!!| #endregion //------------------------------ **第9話 [#story9] #region(ネタバレ注意) |K'|(今の、気持ち悪いくらい正確な弾道……。)| |K'|(……。んだよ、死に損なってんじゃねぇか。)| |???|――ふぅ。| |マキシマ|まったく。&br;この銃、どう見ても狙撃銃じゃないんだがなぁ……。| |マキシマ|ま、そんなおもちゃで一級品の精密射撃ができるのは、&br;博士特製の俺ぐらいなものだろう。| |マキシマ|こんなことで無駄遣いするなと怒られそうだがな。| |マキシマ|……さて、近接攻撃は相棒に任せて、こっちは援護と行くか。| |ナギ|っ……。形勢逆転……?| |K'|どうやらそうらしいな。| |ヨミ|くっ……!| |K'|ヨミの鍵はもらった。&br;……あとはテメェだけだ。覚悟しやがれ。| |K'|無様に逃げ隠れてみろよ。| |ナギ|っ……!| |ナギ|僕は逃げたりしないよ……。&br;君たちと真正面から戦うって、決めたんだ!!| |ナギ|行くよ、K'――!!| |K'|っ――!!| |K'|……!| |マキシマ|う……うう。| |K'|カタはついたぜ、相棒。&br;……大丈夫か?| |マキシマ|ああ……ヨミにこっぴどく撃たれまくった後、&br;這いつくばってここまできたからな……。| |マキシマ|狙撃は寝ながらできるからとタカをくくっていたが……&br;そろそろ限界だ。| |マキシマ|まったく。わけのわからん超技術満載の神様の遊びも&br;今日限りにしてほしいもんだね。| |K'|鍵は2つとも手に入れた。&br;俺は宝箱を……あいつを探してくる。| |K'|お前はここで休んでろ。| |マキシマ|待て、K'。そのことなんだが……。| |マキシマ|ここに来るまでの間に、見つけたぞ。&br;宝箱。| |K'|……!? どこだ!?| |K'|(あいつの話じゃ、このあたりか……?)| |K'|(……くそ。宝箱なんて見当たらねぇぞ。)| |マキシマ|――宝箱って言っても、地面には落ちてなかったぜ。| |マキシマ|現地についたら、上を見るんだな。| |K'|(……とかなんとか言ってやがったな。)| |K'|(上にある宝箱? ……いったいどういう……。)| |ビルのテナントの看板|『焼肉たからばこ』| |K'|……………………。| |〇×|あっ……K'さん!&br;お疲れさまでした!| |K'|…………………………………………。| |K'|……お前はなんで肉を焼いてる。| |〇×|え、えーっと……。| |???|やぁ。×、&br;用意してくれてありがとう!| |〇×|ナギさん。| |包|うわぁ~! お肉のいい匂い~!| |二階堂紅丸|やれやれ……まったく&br;今夜はひどい目にあったよ。| |マキシマ|〇、お前さんも災難だったな。| |〇×|あはは……みなさんこそ。| |K'|……。&br;説明を受けてないのは俺だけか?| #endregion //------------------------------ **第10話 [#story10] #region(ネタバレ注意) |ナギ|改めまして、K'。&br;優勝おめでとう!| |ナギ|×にはずっと、&br;この『焼肉たからばこ』にいてもらったんだ。| |ナギ|僕、最近ここの店長と仲良くなってね。&br;無理を言って、深夜に貸し切りをお願いしたんだよ。| |ナギ|それで、×には勝敗がつくまでの間、&br;品物の注文をお願いしておいたってわけ。| |〇×|えっと……ナギさんに指示をもらって、みなさんが相手に&br;被弾させるごとに品物をオーダーしておきました。| |〇×|これが、紅丸さんがヨミさんに撃たれた時のタン塩で、&br;こっちはヨミさんがマキシマさんを撃ったときのハラミ……。| |〇×|こっちは、K'さんがナギさんを倒したときにオーダーした、&br;国産黒毛和牛特上カルビです!| |K'|……………………。| |K'|帰る。| |〇×|ええっ!? け、K'さん!?| |マキシマ|まぁ待てK'。怒るのも無理ないがな――| |K'|怒る? んなかわいいもんだったら&br;さぞ良かっただろうな。| |K'|こっちは最悪の気分だ。&br;……ナギ、テメェには金輪際一切関わらねぇ。| |ナギ|えっ……。| |K'|さっきも言ったがな。テメェのそういう他人の都合を&br;一切考えねぇところが嫌いだ。| |K'|冗談でしたで済まされねぇこともあるってことを&br;これを機会に学んどけ。……じゃあな。| |ナギ|っ……。| |〇×|あ、あのっ!| |K'|……?| |〇×|その……。| |〇×|……私も、ナギさんに言わせてください。&br;今回のは、ちょっとやりすぎだったと思います。| |〇×|みなさん、何の説明もされないまま&br;いきなりゲームに巻き込まれて……。| |〇×|私も、今みなさんに心配をかけてるんだろうなって思ったら&br;気が気じゃなかったです。| |ナギ|×……。| |ナギ|…………。| |ナギ|……ごめん。僕は……。&br;ただみんなともっと仲良くなりたくて……。| |〇×|……ナギさん。| |〇×|ナギさんはまだ、なんとなく私たちに踏み込みづらいのかも&br;しれないですけど……。| |〇×|最初から私たちと遊びたいとか、こういうことがしたい!&br;って相談してくれれば、それで大丈夫なんですよ。| |〇×|というか、相談してください。&br;それでだいたいのことは上手くいくと思いますから。| |ナギ|…………。| |〇×|K'さんが言いたいのは、&br;つまりそういうことですよね?| |K'|…………。| |ナギ|……相談……。| |ナギ|……そっか。僕は自分でも知らない間に、&br;君たちと向き合うことから逃げてたのかもしれない……。| |ナギ|K'。……それに、みんなも。&br;本当にごめん。| |K'|…………。| |ナギ|ヨミも巻きこんじゃってごめんね。| |ヨミ|いえ。俺は……。| |ヨミ|……。俺も、最初からナギ様をお止めできていれば&br;よかったのですが。| |ナギ|って、君も最初から&br;×と同意見だったのかい!?| |ヨミ|準備を進めるナギ様が、&br;あまりにも楽しそうだったもので。| |ナギ|うう。そうならそうと言ってほしかったなあ……。| |〇×|あはは……。| |マキシマ|よし。〇の説教で&br;ナギがまたひとつ学んだところで……。| |包|待ってました~!&br;深夜の焼肉パーティー、だねっ!| |K'|チッ……調子狂う……。| |包|あれ? K'さん帰っちゃうの?| |包|お肉だよ? 国産黒毛和牛だよ?&br;お姉ちゃんが焼いてくれるんだよ??| |K'|…………………………………………。| |〇×|K'さん……。| |K'|レアだ。| |〇×|えっ?| |K'|俺はレアしか食わない。&br;さっさと焼け。| |〇×|……! はいっ!| |K'|ナギ。ここに並んでる肉以外もオーダーするぞ。&br;いいんだな?| |ナギ|……!| |ナギ|うん! 好きなもの、どんどん頼んでいいよ!| |マキシマ|お、機嫌直したか? 相棒。| |K'|うるせぇ。| |K'|(……最悪の夜だぜ……。)| #endregion //------------------------------ データ参照プラグイン 入力支援ツールを表示 ▼参照先ページ選択:データを表示 元データの書式(インラインプラグイン)を継承する