カードストーリー /二階堂紅丸 の編集 Top > カードストーリー > 二階堂紅丸 &aname(top); #contents *SSR [#SSR_story] **触れる距離 [#SSR01] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ある日の夜――| |~〇×(主人公)|着替えよし、シャンプーにトリートメントよし……。&br;ちゃんとタオルも持ったから大丈夫っと。| |~〇×|(銭湯に行くの久しぶりだなぁ。今日の仕事は&br;ハードだったし、めいっぱいリラックスして来よう。)| |~〇×|じゃあ、いってきます。| |~草薙京|ああ、気を付けてな。| |~〇×|(家のお風呂もいいけど、大きいお風呂って&br;のんびりできて、何だか癒されるよね。)| |~〇×|ふふっ、楽しみ。| |~二階堂紅丸|そこにいるのは×ちゃんじゃないか。| |~|そんな荷物を持ってどこかにお出掛けかい?| |~〇×|あ、紅丸さん。| |~〇×|今日はいつも以上に仕事を頑張ったので、&br;疲れを癒しに銭湯へ行こうと思って。| |~二階堂紅丸|銭湯に?| |~〇×|はい、大きなお風呂ってゆっくり寛げるし、&br;癒されませんか?| |~二階堂紅丸|たしかに大きな湯船でリラックスできるのは、&br;美容と健康によさそうだね。| |~二階堂紅丸|でも、女の子がこんな夜更けにひとりで出かけるのは&br;危ないな……。| |~〇×|暗くても街灯があるし、そんなに心配しなくても&br;大丈夫ですよ。| |~二階堂紅丸|いや、何かあっては大変だ。| |~二階堂紅丸|……そうだ! 俺も一緒に行けば解決じゃないか。| |~〇×|えっ! そこまでしなくても……。| |~〇×|それに今まで残業で夜遅くに帰ることも多かったので、&br;夜道も慣れっこです。| |~二階堂紅丸|それは前の話で、俺がいないときのことだからね。| |~〇×|(そ、それはそうだけど……。)| |~二階堂紅丸|今は俺がいるんだから、ひとりになんてさせないよ。| |~二階堂紅丸|さあ、行こうか!| |~〇×|ちょ、ちょっと紅丸さん!?| |~〇×|(結局紅丸さんについてきてもらうことに&br;なっちゃった……。)| |~〇×|紅丸さんも銭湯には、行ったりするんですか?| |~二階堂紅丸|あまり行ったことはないけど、どんなところかは&br;知ってるよ。| |~二階堂紅丸|銭湯に行くより、家のバスルームの方が広いからね。&br;わざわざ足を運ぶこともないんだよな。| |~〇×|そうでした……紅丸さんのお家って、&br;確かすごくお金持ちなんですよね……。| |~〇×|(どんなお風呂場なのか想像つかないな……。)| |~二階堂紅丸|せっかく外出して風呂入りに行くんなら、&br;いっそ温泉まで行った方がいいなって思うよ。| |~二階堂紅丸|そうそう、×ちゃんにぴったりな温泉もあるから&br;今度連れて行ってあげる。| |~二階堂紅丸|もちろん、ふたりっきりでね。| |~〇×|(ふ、ふたりっきりで温泉なんて……。)| |~二階堂紅丸|ふふっ、×ちゃん顔赤いけど大丈夫?| |~〇×|……だ、大丈夫です!| |~〇×|(ううっ……顔が熱い……。)| |~二階堂紅丸|あそこの角を曲がったら、もう少しで銭湯だよ。&br;そこに段差があるから気を付けて。| |~〇×|これくらい平気で……きゃっ!| |~二階堂紅丸|おっと……ほらね、危ないよ。| |~〇×|あ、ありがとうございます……。| |~二階堂紅丸|どういたしまして。| |~二階堂紅丸|俺がいて役に立つこともあるでしょ?| |~〇×|はい……。| |~〇×|(紅丸さんの顔がすぐ近くに……どうしよう……。&br;すごくドキドキしてきた……。)| |~二階堂紅丸|おや? ×ちゃん、ちょっと足見せてね。| |~〇×|はい……どうかしましたか?| |~二階堂紅丸|やっぱり、これヒールが壊れちゃってる。| |~〇×|え……そんな……。| |~〇×|(銭湯まであと少しだけど、このままじゃ行けないよね……。)| |~〇×|折れてしまったのは仕方ないです。銭湯はまた今度に……。| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|(どうにか歩いて帰れるかな……。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、しっかり掴まってね。| |~〇×|掴まるって、一体なに……きゃっ!?| |~二階堂紅丸|もちろん俺にさ。| |~〇×|(これって……お姫様抱っこ……!)| |~二階堂紅丸|あ、ちなみに抱き付きも大歓迎だよ。| |~二階堂紅丸|ではお姫様を銭湯までご案内致しましょう。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|銭湯に向かう道中――| |~〇×|べ、紅丸さん……あの、ひとりで歩けますから……。| |~二階堂紅丸|ヒール折れちゃってるのに?| |~〇×|うっ……それはそうですけど……。| |~二階堂紅丸|もうちょっとで着くから、今はまだ俺の胸の中にいてね。| |~〇×|はい……。重く……ないですか?| |~二階堂紅丸|ふふっ、大丈夫だよ。どちらかと言えば軽すぎるぐらいかな。| |~二階堂紅丸|ちゃんとご飯食べてる?| |~〇×|最近ちょっと忙しかったから、少し抜いてたかも……。| |~二階堂紅丸|それはだめだね。ちゃんと食べないと。| |~二階堂紅丸|じゃあ、今度俺がご飯作ってあげるから一緒に食べようね。| |~〇×|はい! 楽しみにしてます。| |~〇×|(スマートにさっとこういうことをする紅丸さんって&br;やっぱり女の子慣れしてるんだろうな……。)| |~二階堂紅丸|さあ、目的地に到着したよ。| |~二階堂紅丸|お姫様、足もとにお気をつけください。| |~〇×|はい。| |~〇×|(もう着いちゃった……。)| |①|>|CENTER:~少し寂しい| |~|~〇×|(さっきまで恥ずかしかったけど、&br;もう少しだけこのままでもよかったな……。)| |~|~〇×|紅丸さん……。| |~|~二階堂紅丸|ん? どうかしたかい?| |~|~〇×|あ……えっと……ありがとうございました。| |~|~二階堂紅丸|いえいえ、これが騎士の役目ですから。| |②|>|CENTER:~お礼を言う| |~|~〇×|っと……無事に着地しました。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ、ご無事でなによりです、お姫様。| |~|~〇×|途中諦めちゃいましたけど、&br;紅丸さんのお陰で来ることができました!| |~|~〇×|ありがとうございます。| |~|~二階堂紅丸|喜んでもらえて良かった。&br;あ、お礼はほっぺにキスでもいいんだけどな。| |~|~〇×|そ、それは……いつか気が向いたら……。| |~|~二階堂紅丸|じゃあ、それまで楽しみに待ってるね。| |~二階堂紅丸|では早速、お風呂に……そうか……。&br;×ちゃんとは別々か……。| |~〇×|そうですね。男湯と女湯で分かれてますから、&br;紅丸さんはあっちですよ。| |~二階堂紅丸|わかってるけど……。&br;どうせなら、混浴だったらよかったのにな~って。| |~〇×|こ、混浴っ!?| |~二階堂紅丸|ふふっ。冗談だよ。| |~二階堂紅丸|じゃあ、×ちゃんまた後でね。| |~〇×|(もう、また紅丸さんの冗談に&br;驚いちゃった……。)| |~〇×|さあ、私もお風呂に入ってこよ。| |~〇×|はぁ……気持ちいい……。| |~〇×|大きいお風呂ってなんでこんなにリラックスできるんだろ。| |~〇×|それにしても……。| |~〇×|(さっきのお姫様だっこに混浴の話……。&br;紅丸さんにとっては挨拶みたいなものかもしれないけど……。)| |~〇×|んー……私が気にしすぎなだけなのかな……。| |~〇×|(本気なのかどうなのかわかんないよ……。)| |~〇×|ふぅ……さっぱりしたー。| |~〇×|(紅丸さんはまだ出てないみたい。)| |~〇×|飲み物でも買って待ってようかな……って、&br;お財布中に忘れてきちゃった!| |~〇×|は、早く取りに行かないと……!| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(えっと……お財布、&br;確かこの辺に置いたと思ったんだけど……。)| |~〇×|あれ……おかしいな……見当たらない。| |~〇×|ちょっと番頭さんに聞いて――| |~???|おっと。| |~〇×|きゃっ!? すみません……!| &attachref(アルバム /二階堂紅丸/触れる距離.jpg,zoom,触れる距離,259x200); |~???|いえ、こちらこそ……。| |~???|って、×ちゃん……?| |~〇×|(へ……この声って……。)| |~〇×|べ、紅丸さん!| |~〇×|どうしてここに……っ!?| |~〇×|(だってここ女湯!&br;しかも何でお風呂上がりの格好なの!)| |~〇×|ふ、服はどうしたんですか!?| |~二階堂紅丸|今上がったばかりだから、服は今からかな。| |~〇×|(そんなここであがったばかりって&br;どういうこと……?)| |~二階堂紅丸|って、それよりも&br;どうして×ちゃんがここに?| |~〇×|どうしてって、私は……。| |①|>|CENTER:~忘れ物取りにきました| |~|~〇×|お財布を置き忘れてしまって、&br;それを取りにきたんですけど……。| |~|~二階堂紅丸|ここに?| |~|~〇×|はい、でも置いてた場所に見当たらなくて――| |②|>|CENTER:~恥ずかしくて黙る| |~|~〇×|(お財布を取りにきただけだけど……。&br;恥ずかしくて紅丸さんを直視できない……。)| |~|~二階堂紅丸|×ちゃん?| |~|~〇×|えっと……その……。| |~二階堂紅丸|とりあえず、立ったほうがいいな。&br;お手をどうぞ。| |~〇×|は、はい、ありがとうご……えっ?| |~〇×|(慌ててたからよくわからなかったけど、&br;紅丸さんまだ濡れてる……。)| |~〇×|ひょっとしてここって……。| |~二階堂紅丸|もしかして待ちきれず、ここまで迎えに来てくれた?| |~〇×|ここ、お、男湯……!?!?| |~〇×|ごめんなさい!! 私ったら……!&br;そ、外で待ってます!| |~〇×|(び、びっくりした……。&br;一瞬何が起こったのかと……。)| |~〇×|(はぁ……。でもいくら急いでたとはいえ、&br;男湯の脱衣所に入っちゃうなんて……。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、お待たせ。| |~二階堂紅丸|待たせてごめんね。| |~〇×|いえ、大丈夫です……。| |~二階堂紅丸|はい、忘れ物はこれかな。| |~〇×|あ、私のお財布! 一体どこに?| |~二階堂紅丸|番頭さんが預かっててくれたみたいだよ。| |~〇×|よかったー……紅丸さん、ありがとうございます。| |~二階堂紅丸|ふふっ。&br;あ、あと、これを×ちゃんにプレゼント。| |~〇×|え……これは……わぁ、靴が直ってる!| |~二階堂紅丸|応急処置ってとこだけど、歩いて帰るぐらいは&br;できるかなって。| |~〇×|今日は紅丸さんに助けてもらってばかりですね。&br;本当にありがとうございます!| |~二階堂紅丸|気にしなくていいよ。&br;俺は×ちゃんの役に立てて嬉しいからね。| |~二階堂紅丸|じゃあ、帰ろうか。| |~〇×|はい!| |~二階堂紅丸|ところで、さっきなんで男湯の中にいたの?| |~〇×|え、えっと……。| |~〇×|女湯に入ったつもりが、急いでたから&br;開ける扉を間違ってしまったみたいで……。| |~二階堂紅丸|それでこっちにいたわけだ。| |~〇×|はい……まさか男湯だったなんて……。| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|紅丸さん?| |~二階堂紅丸|キミを見つけたのが俺で良かったよ。&br;もし他の男だったらと思うと恐ろしい。| |~二階堂紅丸|それに、キミのびっくりした顔も独り占めできたからね。&br;本当、他の男にぶつからなくて良かったよ。| |~〇×|あ、す、すみません……ご心配おかけして……。| |~〇×|(か、顔が熱い……。)| |~二階堂紅丸|気にしないで。さあ、このまま変な男が寄り付かないよう、&br;帰り道もしっかりガードして行くからね。| |~二階堂紅丸|安心して、一緒に帰ろう。×ちゃん。| #endregion ----- **甘い香りに誘われて [#SSR02] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|とある休日のお昼のこと――| |~矢吹真吾|ごちそーさまでしたっ!&br;おれ、食器運んでおきますね!| |~〇×(主人公)|真吾くん、いつもありがとう。| |~〇×|さてと。&br;それじゃあ私は食後のお茶の用意を――| |~〇×|!| |~〇×|(びっくりした……。&br;紅丸さんが私の手を引っ張ってる。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん。ちょっと座って?| |~〇×|は、はい……。| |~草薙京|……何か良からぬことを企んでる顔だな。&br;気をつけろよ、×。| |~二階堂紅丸|そう言うなよ。&br;実は、ちょっと二人にお願いがあるんだ。| |~草薙京|って、オレもかよ。| |~〇×|何かあったんですか?| |~二階堂紅丸|×ちゃんは、&br;俺がモデルの仕事もやってるの、知ってるよね?| |~〇×|あ、はい。もちろんです。最近も『メンズ・ノックアウト』の&br;「シビれる男の生き方特集」に載ってましたよね?| |~二階堂紅丸|見てくれたのか。&br;さっすが俺の×ちゃんだ。| |~〇×|い、いえ。&br;これもマネージャーの仕事と言いますか……!| |~〇×|(出会ったばっかりの頃は、紅丸さんがモデルの仕事してるの&br;知らなくて、本人にすっごく落ち込まれちゃったからなぁ。)| |~〇×|(それ以来、紅丸さんの出る雑誌は&br;なるべくチェックするようにしてたんだよね。)| |~二階堂紅丸|実は、その『メンズ・ノックアウト』の特集が&br;かなり好評でさ。| |~二階堂紅丸|その特集を見たっていう別の雑誌社から&br;今度はこんな特集をやってみないかって打診が来たんだ。| |~二階堂紅丸|その名も、『リングの上のプリンスたち(仮)』。| |~二階堂紅丸|KOFで大活躍した『イケメン格闘家』のインタビューと&br;グラビアを、最新号の目玉特集にしたいんだって。| |~〇×|へぇ、なんだかすごそう……。&br;その特集には、紅丸さんが出るんですか?| |~二階堂紅丸|もちろん。&br;……ただ、まだいろいろと計画段階らしくってね。| |~二階堂紅丸|企画書もこれから作るって言ってたし、俺以外に&br;誰を出演させるかとかも未定なんだ。| |~二階堂紅丸|すごくチャレンジングな企画だから、&br;俺としては全力で手伝ってあげたいんだよね。| |~二階堂紅丸|そ・こ・で……。| |~草薙京|……だいたい読めてきたぞ。つまり、その特集作りに&br;オレも協力しろっていうんだな?| |~二階堂紅丸|ビンゴ♪| |~草薙京|ビンゴじゃねぇよ。&br;ったく、何でオレが……他のやつに頼めばいいだろ。| |~二階堂紅丸|別にお前だけってわけじゃないし。ねっ?| |~〇×|えっ……わ、私もですか!?| |①|>|CENTER:~でも、私は何をすれば……?| |~|~〇×|でも、私は何をすればいいんでしょう?| |~|~二階堂紅丸|おっ、さては前向きに考えてくれてるね?&br;×ちゃん。| |②|>|CENTER:~どうしよう| |~|~〇×|(どうしよう……。&br;それって、私に手伝えることなのかな?)| |~二階堂紅丸|何も難しいことじゃないよ。お願いしたいことっていうのは、&br;キミだからこそできることなんだ。| |~〇×|どういうことですか?| |~二階堂紅丸|実は、その特集が載る雑誌は女性誌なんだ。&br;だから、女性からの意見も取り入れたいと思ってね。| |~〇×|あ、なるほど……!| |~二階堂紅丸|次の日曜日に、担当編集と会って打ち合わせする予定なんだ。&br;そこに二人も同席してくれるとありがたいんだけど……。| |~草薙京|断る。面倒くせぇ。| |~二階堂紅丸|即答かよ!? じゃあ、×ちゃんは?| |~〇×|そうですね……。&br;でも、本当に私でお役に立てるかどうか――| |~〇×|っ!?| |~〇×|(テ、テーブルの下で、&br;紅丸さんが私の手を握ってる……!?)| |~二階堂紅丸|? どうしたの、×ちゃん?| |~〇×|(ひゃっ! べ、紅丸さん、&br;手のひらを指先でくすぐらないで~……!)| |~二階堂紅丸|×ちゃん……どうかな?&br;打ち合わせ、ついてきてくれるよね……?| |~〇×|わ、わかりました!&br;私でお役に立つなら、お手伝いさせてください~!| |~二階堂紅丸|ありがとう! キミならそう言ってくれるって信じてたよ。| |~〇×|(なんだか、してやられたような気が……!)| |~草薙京|紅丸……お前今、こいつに何をした?| |~二階堂紅丸|別に何もしてないけど?| |~草薙京|……。はぁ。| |~草薙京|お前をほっとくと、×が何されるか&br;さかったもんじゃねえ。| |~草薙京|仕方ねえな。紅丸の監視がてら、オレも協力してやる。| |~二階堂紅丸|監視なんて大げさだな。&br;でも、ありがたく受け取っておくぜ。| |~二階堂紅丸|とりあえず、京も来てくれるってことで決まりだな。&br;日時については、またこちらから連絡するよ。| |>|雑誌社との打ち合わせの日――| |~草薙京|ったく。相変わらずここは人が多いな……。| |~〇×|そういえば、今日の打ち合わせの場所は&br;どこなんですか?| |~二階堂紅丸|キミがとっても幸せな気分になれるところかな。&br;ふふっ、楽しみにしててね。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|さあ、到着。ここだよ。| |~〇×(主人公)|わぁ……素敵なカフェですね!| |~二階堂紅丸|でしょ。俺のおすすめカフェへようこそ。| |~〇×|私、こんなところにカフェがあるなんて&br;知りませんでした。| |~二階堂紅丸|ちょっとした隠れ家的な感じだからね。&br;知る人ぞ知るって感じかな。| |~草薙京|確かに、人が少なくていい感じだな。| |~〇×|はい。それにすごくいい香りがします。| |~〇×|コーヒーとか、&br;紅茶とかの……それに、なんだか甘い匂いも。| |~二階堂紅丸|ここではコーヒーを好みに合わせて焙煎してくれるんだ。&br;それと、パンケーキの味も評判でね。| |~二階堂紅丸|きっと×ちゃんの口にも合うと思うよ。| |~店員|いらっしゃいませ。| |~二階堂紅丸|待ち合わせで予約をしていたのですが。| |~店員|少々お待ちください。| |~店員|お待たせいたしました。お連れ様はテラス席でお待ちです。&br;ご案内いたします。| |~二階堂紅丸|ありがとう。| |>|店内を進み、扉を一枚抜けると&br;そこは――| |~〇×|(わぁ、明るくて素敵なテラス……!)| |~二階堂紅丸|どうやら気に入ってもらえたみたいだね。&br;……っと、編集さん発見。| |~二階堂紅丸|すみません、お待たせしました。| |~女性編集者|こんにちは。&br;私も今来たところなので、大丈夫ですよ。| |~二階堂紅丸|それはよかった。| |~女性編集者|そちらが話に聞いていた協力者のお二人ですね?&br;今日はご足労いただいて、ありがとうございます。| |~〇×|い、いえ! 初めまして。&br;〇×と言います。| |~草薙京|草薙京だ。| |~女性編集者|お会いできて光栄です。&br;さ、どうぞおかけになってください。| |~〇×|(名刺もらっちゃった。&br;この出版社、すごく有名なところだよね。)| |~〇×|(雑誌の編集者さんと話すのなんて初めてだから、&br;なんだか緊張するなぁ……。)| |~女性編集者|それにしても、草薙さんたちのチームは&br;みなさん若くてかっこいいですよね!| |~草薙京|かっこいいかどうかはさておいても、&br;格闘家に年齢は関係ねぇぞ。| |~草薙京|包みたいにちっこいのもいるし、&br;老師、なんて呼ばれてる人たちだってたくさんいる。| |~二階堂紅丸|いや、褒めてもらったんだから&br;そこは素直に『ありがとう』でいいだろ?| |~女性編集者|いえいえ! 今日はそういった&br;KOFについての話も聞きたかったので助かります!| |~女性編集者|草薙さん、よかったらKOFのことを&br;もっと教えてください。| |~草薙京|KOFのこと?&br;そうだな――| |~〇×|(京さん、なんだかんだ言って楽しそうに話してるなぁ。)| |~店員|――失礼いたします。&br;ご注文のコーヒーをお持ちいたしました。| |~二階堂紅丸|ありがとう。&br;あ、そのパンケーキは彼女に。| |~店員|かしこまりました。| |~〇×|えっ?&br;わ、私、頼んでませんけど……?| |~二階堂紅丸|俺がこっそり頼んでおいたんだよ。| |~二階堂紅丸|×ちゃんったら、遠慮して&br;コーヒーしか頼まなかったでしょ?| |~〇×|は、はい……でも。| |~〇×|(打ち合わせの場だし、&br;私だけ食べるのも悪いかなって思って……。)| |~女性編集者|ふふっ。遠慮しないで食べてください。&br;ここのパンケーキ、本当においしいですから。| |~二階堂紅丸|だってさ。&br;ほら、遠慮せず食べなよ、ね?| |~〇×|すみません……ありがとうございます。| |~〇×|(それじゃあせっかくだし、&br;京さんと編集さんが話してる間に、一口……。)| |~〇×|(……。)| |~〇×|(……!!&br;お、美味しい! 美味しすぎる――!)| |~〇×|(見た目はふわっふわなのに、口に入れた瞬間&br;とろっとした甘さが溢れてきて……。)| |~〇×|(生地自体は甘いけど、フルーツの酸味があるからかな?&br;全然飽きが来そうにない……!!)| |~二階堂紅丸|……ふふっ。| |~〇×|(っ! 顔が緩んでるの紅丸さんに見られちゃった。&br;は、恥ずかしい……。)| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×(主人公)|(……紅丸さん、ずっとこっちを見てる。)| |~〇×|(今日の紅丸さん、いつもと雰囲気が違うからかな。&br;そんなに見つめられると、その、なんだか……。)| |~女性編集者|――〇さん?| |~〇×|……えっ!? あ、はい!&br;なんでしょう!?| |~草薙京|今度はあんたに話を聞きたいんだと。| |~〇×|す、すみません、聞いてなくて……!&br;なんでしょう?| |~女性編集者|〇さんは草薙さんたちのチームマネージャーを&br;されているんですよね。| |~女性編集者|みなさんすごくかっこいいですし、うっかり&br;ときめいちゃったこととか、そういうのってあります?| |~〇×|と、ときめき、ですか……!?| |~〇×|(うう……これも、特集の参考にするんだよね。&br;ま、真面目に答えないと……。)| |~〇×|た、確かに、ないわけではないですけど……。| |~女性編集者|ですよね!&br;みなさんのどういうときの姿にときめいたりしますか?| |~〇×|そうですね……。| |①|>|CENTER:~戦っているときの姿| |~|~〇×|やっぱり、戦っているときの姿、ですかね……。&br;道場で練習試合をしているときもそうですけど。| |~|~女性編集者|なるほど、やっぱりそこは格闘家ですからね!&br;思わず見とれちゃうのもわかります。| |②|>|CENTER:~リラックスしているときの姿| |~|~〇×|……リラックスしているときの姿、ですかね。| |~|~女性編集者|へぇ、戦っているときの姿ではないんですね。| |~|~〇×|それはもちろんかっこいいです!&br;でも……。| |~|~〇×|試合中の引き締まった表情から、いつものリラックスした&br;笑顔に変わる瞬間が、私、結構好きで。| |~|~二階堂紅丸|へぇ……なるほどね?| |>|数十分後――| |~女性編集者|〇さん、ありがとうございます!&br;お話、すごく参考になりました。| |~女性編集者|さすが、みなさんと一緒に暮らしているだけの&br;ことはありますね。| |~〇×|そ、そうですか?&br;お役に立てたのなら、よかったです……。| |~女性編集者|――あっ、すみません。&br;ちょっと電話に出てきますね。| |~女性編集者|はい、もしもし――| |~草薙京|今のうちにトイレにでも行ってくるか。| |~二階堂紅丸|どうぞどうぞ。&br;ゆっくり行ってきなよ。| |~草薙京|何か引っかかる言い方だな……。&br;すぐ戻るぜ。| |~二階堂紅丸|ふぅ、京も行ったところで……。| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_二階堂紅丸_甘い香りに誘われて.jpg,zoom,甘い香りに誘われて,259x200); |~二階堂紅丸|×ちゃん。&br;さっきは素敵なコメントをありがとう。| |~二階堂紅丸|×ちゃんが、俺たちのそういう姿に&br;ときめいていたとはね?| |~〇×|うっ。&br;そ、その話は蒸し返さないでください……。| |~二階堂紅丸|蒸し返すし、この際だから墓まで持って行くよ。| |~二階堂紅丸|……ま、俺はキミが見せてくれるどんな姿にも&br;毎日のようにときめいてるけどね?| |~二階堂紅丸|さっきの……美味しいパンケーキをほおばって&br;幸せそうにしてる顔にも。| |~〇×|(っ……!)| |~二階堂紅丸|どうせなら、もっと聞きたいな。&br;×ちゃんがどういうときにときめくのか。| |~二階堂紅丸|俺がどんな姿を見せたら、&br;もっとドキドキしてくれるのか――| |~〇×|(っ……。紅丸さん、顔が近い……!)| |~〇×|べ、紅丸さん! このパンケーキ、本当においしいです!&br;紅丸さんも一口どうですか!?| |~二階堂紅丸|ん?&br;もしかして、食べさせてくれるの?| |~〇×|えっ!?| |~二階堂紅丸|だって、そうやってフォークで持ち上げて&br;もう準備万端って感じじゃない?| |~二階堂紅丸|ほら、食べさせてよ。あーん?| |~〇×|(口開けて待ってる……。&br;うう、ちょっと恥ずかしいけど……!)| |~〇×|あ、あーん……?| |~二階堂紅丸|はむっ。| |~二階堂紅丸|……んー! こりゃ美味しいね。お返しに&br;×ちゃんにもあーんしてあげる。| |~〇×|わ、私は大丈夫で――| |~二階堂紅丸|だから遠慮しないの。&br;はい、口開けて? あーん。| |~〇×|……あ、あーん……。| |~女性編集者|すみません、お待たせしました――&br;って、あらあら!| |~草薙京|戻ったぞ――&br;って……何してんだ、お前ら。| |~〇×|!?| |~二階堂紅丸|あーあ。邪魔が入っちゃった。| |~二階堂紅丸|ふふっ、パンケーキ、ごちそうさま。| |~二階堂紅丸|×ちゃん。&br;今度はこの店で、二人きりでデートしようね?| |~〇×|っ~~~……。| #endregion ----- **深夜のヒミツ [#SSR03] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|京と紅丸の一件が片付いた、ある日の深夜――| |~〇×|(なんだか、今日は目が冴えちゃって眠れないや……。)| |~〇×|(見回りも兼ねて、道場の中を散歩しようかな。)| |~〇×|……あれ?| |~〇×|(道場の扉が開いてる? こんな時間に誰だろう?)| |~〇×|(あれは……紅丸さん?)| |~二階堂紅丸|ヤアッ……ハッ!| |~〇×|(もしかして……トレーニング中かな?&br;こんな遅くまで鍛えているんだ……。)| |~〇×|(私にも何かサポートできることがあれば……あっ。)| |~〇×|(そうだ。簡単な夜食くらいなら用意できるかも。)| |~〇×|(でも、トレーニングの邪魔しちゃ悪いし &br;おにぎり作って、そっと置いていこう。)| |~二階堂紅丸|エイッ! ハアッ!| |~〇×|(よし。&br;差し入れは、この辺に置いておけば気付いてもらえるかな。)| |~〇×|(それにしても……。)| |~〇×|(紅丸さんが一人でトレーニングしているところなんて&br;初めて見たかも。)| |~二階堂紅丸|雷光拳――! | |~二階堂紅丸|……いや、これじゃ遅いな。&br;ガードされる前に攻め込まないと。| |~二階堂紅丸|ハァッ!!| |~〇×|…………。| |~〇×|(それにしても……。)| |~〇×|(すごい真剣な表情。&br;いつもの優しい紅丸さんとは別人みたい……。| |~〇×|(なんだか、格好いいな……。)| |~二階堂紅丸|…………ふう。| |~二階堂紅丸|さ、そんなところに隠れてないで &br;こっちにおいで、子猫ちゃん。| |~〇×|あ……気付いてたんですね、紅丸さん。| |~二階堂紅丸|もちろん。&br;キミの熱い視線に気付かないわけがないからね。| |~二階堂紅丸|差し入れありがとう。それにしても、&br;こんな夜更けにどうしたの? 眠れないのかい?| |~〇×|はい。少し敷地内を散歩しようかと思ったら&br;道場の扉が開いているのが見えて……。| |~〇×|まさか、紅丸さんがトレーニングしているなんて &br;思いませんでした。| |~二階堂紅丸|ハハ……本来こういう姿を人に見られるのは &br;俺の美学に反するんだけどね。| |~二階堂紅丸|ひたすら練習しているだけの姿なんて &br;見ていて楽しくなかっただろ?| |~〇×|……いえ、そんなことないです!| |~〇×|修行している紅丸さん、すごく格好よかったです。&br;思わず見入っちゃいました。| |~〇×|いつもの紅丸さんも素敵ですけど &br;真剣な紅丸さんも魅力的だと思います。| |~二階堂紅丸|……ありがとう、×ちゃん。| |~二階堂紅丸|×ちゃんは優しいね。&br;そんなキミだから、こんな姿を見せてもいいと思えたのかな。| |~二階堂紅丸|なんたって、キミは俺の特別だからね。| |~〇×|(特別……そっか。私だけに見せてくれたんだ。&br;なんだか嬉しいな……。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|そういえば、この前の一件 &br;まだキミにちゃんと謝れていなかったね。| |~〇×|それって……京さんとの件ですか?| |~二階堂紅丸|ああ。あの時の俺は、京と戦いたいと思うあまり &br;周りが見えなくなっていた。| |~二階堂紅丸|そのせいで、キミや真吾には迷惑をかけてしまったと&br;反省しているんだ。| |~二階堂紅丸|ごめんね、×ちゃん。&br;この埋め合わせは必ずするよ。| |②|>|CENTER:~気にしないで| |~|~〇×|気にしないでください。みなさんが大変なときに &br;フォローするのがマネージャーの役目ですから。| |~|~〇×|それに紅丸さんの手助けができて&br;本当はちょっと嬉しかったんです。| |③|>|CENTER:~謝らなくていい| |~|~〇×|謝らないでください、紅丸さん。&br;私はむしろ、嬉しかったんです。| |~|~二階堂紅丸|……嬉しかった?| |~|~〇×|紅丸さんにはいつも助けてもらってますけど &br;私が紅丸さんを助けられることってあまりないですから。| |~|~〇×|だから、初めてワガママを言ってもらえたような気がして&br;嬉しかったんです。| |~二階堂紅丸|……×ちゃん。| |~二階堂紅丸|もしかしたら……俺は少し焦っていたのかもしれない。| |~〇×|焦り、ですか?| |~二階堂紅丸|ああ。自分で言うのもなんだけど、&br;俺は昔からなんでもできるタイプでね。| |~二階堂紅丸|勉強だろうがスポーツだろうが、他人に負けたことがなかった。&br;……京に会うまでは。| |~二階堂紅丸|あの時はビックリしたよ。草薙京なんて聞いたこともない &br;新人にしてやられたんだからね。| |~二階堂紅丸|それから京とはチームを組んだり離れたり&br;京が行方不明になったり……まあ、色々あってね。| |~二階堂紅丸|いつかは、決着をつけようと思ってた。&br;俺はその日を待ってた。| |~二階堂紅丸|……けどいくら待っても、そのチャンスはやってこない。| |~二階堂紅丸|そのうち、このままモデルの仕事を続けていていいのか。&br;それで京に勝てるのか。| |~二階堂紅丸|そんな焦りが、俺の中で生まれてきてしまったんだろうね。| |~〇×|紅丸さん……。| |~〇×|(知らなかった。&br;紅丸さんがそんなことを考えていただなんて……。)| |~〇×|(モデルの仕事も楽しそうにやっているように &br;見えてたんだけど、そうじゃなかったのかな……。)| |~〇×|(けど……。)| |~〇×|何が正しいのか、私にはわかりませんが……。| |~〇×|欲張ってみても、いいんじゃないでしょうか。| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|……欲張る?| |~〇×|えっと、確かにモデルと格闘技の両立は大変だと &br;思うんですけど……。| |~〇×|でも、もうどちらも紅丸さんの一部になっているんじゃ &br;ないかと思うんです。| |~二階堂紅丸|俺の一部……。| |~〇×|はい。だからモデルか格闘技か、1つだけに絞るのは &br;なんだかもったいないと思って。| |~〇×|モデルの仕事も続けながら、京さんに勝てるように&br;努力してみてもいいんじゃないでしょうか。| |~〇×|紅丸さんなら……二階堂紅丸という人なら&br;きっとそれができるって、私は信じています。| |~二階堂紅丸|……×ちゃん。| |~〇×|(え、紅丸さんに抱きしめられてる……!?)| |②|>|CENTER:~恥ずかしいです……| |~|~〇×|は、放してもらえませんか……! &br;恥ずかしいです……!| |~|~二階堂紅丸|ハハッ、ダーメ。&br;×ちゃんのお願いでもそれは聞けないな。| |~|~二階堂紅丸|キミが俺をこんな風にしたんだよ?| |③|>|CENTER:~大人しくしている| |~|~二階堂紅丸|……ちょっとだけ。&br;キミの温かさを感じさせてもらっていいかな。| |~二階堂紅丸|やっぱり×ちゃんは、運命の人だね……。&br;俺をこんな気持ちにさせるのはキミだけだ。| |~二階堂紅丸|ありがとう、×ちゃん。&br;キミがそう言うのなら、もっと欲張ってみることにするよ。| |~〇×|……はい! &br;私もそれがいいと――| |~二階堂紅丸|格闘技も、モデルも……。&br;そして何より×ちゃんとの恋も、ね。| |~〇×|ええっ!?| |~二階堂紅丸|おっと、静かに。| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_二階堂紅丸_深夜のヒミツ.jpg,zoom,深夜のヒミツ,259x200); |~二階堂紅丸|せっかく今、×ちゃんを独り占めできているんだ。&br;こんな可愛い姿、他の男に見せてたまるものか。| |~〇×|べ、紅丸さん……!?| |~二階堂紅丸|ねえ、×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|今夜のことは、俺たち二人だけのヒミツだよ。| #endregion //---------- ''スペシャル'' 七夕 ~二階堂紅丸編~ #region(ネタバレ注意) |>|七夕の日――| |~二階堂紅丸|×ちゃんとデートできて嬉しいよ。| |~〇×|私も、紅丸さんと一緒に過ごせて嬉しいです。&br;……今日は七夕ですし。| |~二階堂紅丸|特別な夜を俺と過ごせて嬉しい、なんて &br;×ちゃんも言うようになったね?| |~二階堂紅丸|ドキドキしちゃうよ。| |~〇×|(っ ……。&br;紅丸さんの顔が近い……!)| |~〇×|そ、その……本当にそう思っただけで。| |~二階堂紅丸|つまり本心からの言葉ってことでしょ? &br;ふふっ、俺は今夜の彦星に負けないくらい幸せ者だな。| |~二階堂紅丸|ほら、空を見て。| |~〇×|え? …あ、天の川! &br;街中でも、とても綺麗に見えてますね。| |~二階堂紅丸|ああ。天の川といえば、織姫と彦星。&br;この時期は雨も多いけど……晴れてよかったね。| |~〇×|はい。&br;離れ離れの二人は、今頃再会していますね。| |~二階堂紅丸|きっと、ここぞとばかりに今の俺たちのように楽しんでるだろうさ。| |~〇×|ふふ、そうかもしれません。| |~〇×|一年に一度しか会えないなんてさみしいですけど……。&br;その分、たった一日がかけがえのないものになる。| |~〇×|私は、ロマンチックだと思います。| |~二階堂紅丸|そうなのかな。離れる時間が愛を育むというけれど……。&br;だけど、毎日傍にいる愛もあるよね。| |~〇×|え……。| |~二階堂紅丸|×ちゃんは、そう思わない?| |~〇×|(あ……紅丸さんの手が。)| |~二階堂紅丸|それとも、俺とも離れ離れのほうが良い?| |~〇×|(……。そんなふうに優しく手を繋がれたら、&br;ドキドキして、紅丸さんのことしか考えられなくなる。)| |~〇×|(……手、大きくて、温かいな。)| |~〇×|いえ……一緒にいられたほうが嬉しいです。| |~二階堂紅丸|俺も同じ気持ちだよ。&br;さ……そろそろ帰ろうか。| |~二階堂紅丸|一緒に、同じ場所に…ね。| #endregion ----- **何度でもキミの元へ [#SSR04] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|わぁ……海がきれい!&br;紅丸さん、ほら、底のほうまで透き通って見えますよ!| |~二階堂紅丸|このあたりは海が澄んでいるからね。&br;日本ではなかなか見られない海の色だ。| |~〇×|はい。でも、記念日のお祝いに旅行に連れて行ってくれるとは&br;聞いてましたけど、まさか海外だなんて……。| |~〇×|(しかも二階堂家のコテージなんて、豪華すぎる……!)| |~二階堂紅丸|ふふ。特別なお祝いなんだから、非日常感が必要だろ?| |~二階堂紅丸|コテージの内装やインテリアも、今日のために&br;×ちゃん好みにコーディネートしなおしたんだ。| |~〇×|えっ……そこまでしてくれたんですか!?| |~二階堂紅丸|もちろん。これが二階堂家流……いや、俺流のおもてなしだよ。| |~〇×|紅丸さん……ありがとうございます。| |~二階堂紅丸|気に入ってもらえた?| |~〇×|はい、とっても!| |~二階堂紅丸|よかった。その笑顔を見たくて張りきったんだ。| |~〇×|内装ももちろんですし、バルコニーから見えるこの景色も……。&br;ずっと見ていても飽きそうにないです。| |~二階堂紅丸|そんなに気に入ったなら、夕食はこのテラスで&br;食べることにしようか。| |①|>|CENTER:~嬉しいです| |~|~〇×|本当ですか?嬉しいです!| |~|~二階堂紅丸|うん。きれいな景色を見ながら食べたほうが、&br;きっと何倍もおいしく感じられるだろうからね。| |~|~二階堂紅丸|夕食もキミの好きなものを、シェフが腕によりをかけて作るよ。&br;期待してて。| |~|~〇×|ありがとうございます。楽しみです。| |②|>|CENTER:~ご迷惑じゃ……| |~|~〇×|でも……ご迷惑じゃないですか?&br;準備をする手間もかけてしまいますし。| |~|~二階堂紅丸|いいんだよ。今回の旅行は、キミをおもてなしするのが&br;最優先事項。だから遠慮しないでほしいな。| |~|~〇×|ありがとうございます。&br;それじゃあ……お言葉に甘えて。| |~二階堂紅丸|夕食までまだ時間があるね。コテージの中を見てまわる?&br;それとも、近くを散歩してみようか。| |~〇×|それなら、コテージの中を拝見したいです。&br;広くてまだ見てない場所もたくさんありますし。| |~二階堂紅丸|了解。じゃ、案内するよ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|夕食後――| |~〇×|ふう……お腹いっぱいです。| |~二階堂紅丸|満足してくれたかな?| |~〇×|はい、どれもとてもおいしかったです!&br;少し食べ過ぎちゃったくらい。| |~二階堂紅丸|よかった。シェフも喜ぶよ。&br;今日はもう帰ってしまったから、明日にでも伝えておこう。| |~〇×|食後のお茶もおいしい……すっきりしてて飲みやすいですね。| |~二階堂紅丸|ジャスミンティーの一種だよ。&br;……さてと。| |~〇×|紅丸さん?どうしたんですか?| |~二階堂紅丸|俺が声をかけるまで、ここで待ってて。| |~〇×|……?はい、わかりました。| |~〇×|(部屋の中に入っていっちゃった。用事でも思い出したのかな?)| |~〇×|(どうしよう……あれからしばらく待ったけど、&br;紅丸さんが戻って来ない。もしかして、何かあったんじゃ……。)| |~〇×|…………。| |~〇×|……やっぱり心配だから様子を見に行こう。| |~〇×|わぁ……!| |~〇×|(コテージの中が一面、キャンドルで彩られてる。&br;なんてきれい……。炎が揺らめいて、すごく幻想的で……。| |~〇×|……そうだ。紅丸さんを探さなきゃ。| |~〇×|紅丸さん……?どこですか?| |~〇×|(ここにもいないみたい……。別の場所かな。&br;あと紅丸さんが行きそうな場所は……。)| |~二階堂紅丸|……こら。| |~〇×|えっ?……きゃっ……!| |~〇×|(わ、私、ベッドに押し倒されてる……!?)| |~二階堂紅丸|びっくりした?呼ぶまで待っててって言ったのに、&br;悪い子猫ちゃんだ。| |①|>|CENTER:もがく| |~|~〇×|べ、紅丸さん……!あの、ちょっとこの体勢は……。| |~|~二階堂紅丸|ん?この体勢がどうかした?| |~|~〇×|……恥ずかしい、です……。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ、そうか。キミには刺激が強すぎたかな?| |②|>|CENTER:~驚く| |~|~〇×|紅丸さん……!| |~|~二階堂紅丸|ふふっ……驚いた顔もとってもキュートだね。| |~|~〇×|もう……いきなり押し倒されたら誰だって驚きます。| |~|~二階堂紅丸|それもそうか。失礼。| |~二階堂紅丸|この体勢じゃ、落ち着いて話せないかな?&br;それじゃあ、キミの隣に……よっと。| |~二階堂紅丸|こうやって、キミの隣に寝そべってみたかったんだ。| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(わ、私、紅丸さんと同じベッドに寝そべってる……。)| |~二階堂紅丸|俺が呼びに行くまで我慢できなかった?| |~〇×|……紅丸さんがいつまでも戻って来ないから、&br;不安になって……。| |~二階堂紅丸|……!| |~二階堂紅丸|……そっか。ごめん。| |~二階堂紅丸|実はさっきまで、キャンドルを飾っていたんだ。&br;思ったより時間がかかっちゃったね。| |~二階堂紅丸|驚かせようと思ったのに、不安にさせてごめん。| |~〇×|いえ……キャンドル、とてもきれいでした。&br;ありがとうございます。| |~二階堂紅丸|どういたしまして。| |~二階堂紅丸|1周年おめでとう、×ちゃん。&br;道場へ来てくれて……俺と出会ってくれて、ありがとう。| |>|深夜――| |~〇×|(ん……あれ?私、いつの間にか眠ってたんだ。)| |~二階堂紅丸|……目が覚めちゃった?| |~〇×|あ……紅丸さん。&br;ずっとここにいてくれたんですか?| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|どうしたんですか?じっと見つめて……。| |~二階堂紅丸|キミがちゃんとここにいるなって確かめてたんだよ。| |~〇×|え……?| |~二階堂紅丸|……実はね、最近怖い夢を見たんだ。&br;大門道場に、キミがいない夢。| |~二階堂紅丸|その夢の中で、俺はこんなにも大切なキミのことを&br;忘れてしまっていた。| |~〇×|(その夢って、もしかして……この間のループのこと?)| |~〇×|(紅丸さんは、あの出来事を夢だと思ってるんだ。)| |~〇×|……大丈夫ですよ。&br;私はずっと、紅丸さんのそばにいます。| |~〇×|たとえ予期せぬことが起きて離されてしまっても、&br;何度だって戻って来ますから。| |~二階堂紅丸|×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|俺もだ。たとえ何度キミと引き離されようと、&br;何度だって戻って来る。| |~二階堂紅丸|世界一かわいくて愛おしい、俺のプリンセスの元へ。| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_二階堂紅丸_何度でもキミの元へ.jpg,zoom,何度でもキミの元へ,259x200); #endregion ----- *SR [#SR_story] **煌めく雷 [#SR01] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ある日の昼下がり――| |~二階堂紅丸|うーん……。| |~〇×(主人公)|(紅丸さん、お部屋で何か考え込んでるみたい。&br;どうしたんだろう?)| |~二階堂紅丸|うーん……これはもうちょっと&br;ボディラインがきれいに出るほうがいいかな。| |~二階堂紅丸|こっちのパンツだったらシルエットが&br;きれいに出るかもしれないね。| |~〇×|あのー……紅丸さん、そんなに考え込んで&br;何かあったんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、×ちゃんじゃないか。&br;ちょうどいいところに来てくれたね。| |~二階堂紅丸|俺の美しさを出すためには、どの服がいいか考えていたのさ。| |~〇×|なるほど、それでこんなに服が広げられていたんですね。| |~〇×|お出かけ用ですか?| |~二階堂紅丸|いや、実は今度女性誌のインタビューがあってね。&br;それに着ていく服を考えていたんだ。| |~二階堂紅丸|×ちゃんはどれがいいと思うかな?| |~〇×|え、えっと……。| |~〇×|(男性のファッションなんてわからないけど……。)| |①|>|~直感で指をさす| |~|~〇×|んー……この白のパンツと黒のジャケットなんて&br;どうですか?| |~|~二階堂紅丸|それもありかもしれないね。&br;これだとジャケットの中はどれがいいかな。| |~|~〇×|そうですね……。| |②|>|~正直に言う| |~|~〇×|どの服も素敵だから、選ぶの大変です……。| |~|~二階堂紅丸|そうなんだよね。&br;かれこれ、もう3時間ぐらい悩んでしまってるよ。| |~|~〇×|そ、そんなに!?| |~|~〇×|(それであんなに唸ってたんだ……。)| |~|~二階堂紅丸|だから×ちゃんに聞いてみたのさ。| |~|~〇×|なるほど……。| |~〇×|どれも格好よくて、紅丸さんに似合うと思います!| |~二階堂紅丸|ふふっ、サンキュー。&br;だが、それじゃあ服が決まらないな。| |~〇×|お役に立てなくて、すみません……。| |~二階堂紅丸|いや、いいんだよ。&br;俺に似合わないものはないってことじゃないか。| |~二階堂紅丸|あー、美しいってなんて罪なんだろうね。&br;×ちゃんもそう思わないかい?| |~〇×|は、はぁ……。| |~二階堂紅丸|どんな服も着こなしてしまう自分が怖い……。| |~〇×|ふふっ、紅丸さんすごくスタイルがいいから&br;羨ましいです。| |~二階堂紅丸|×ちゃんも素敵な女性で可愛いんだから、&br;もっと自信を持つといいさ。| |~二階堂紅丸|ほら、背筋を伸ばして、あごを引いて――| |~〇×|こ、こう……ですか?| |~二階堂紅丸|そうそう、呑み込みが早いな。&br;それで笑顔が出来たら完璧!| |~〇×|この状態からの笑顔……こ、こんな感じですか?| |~二階堂紅丸|んー、まだちょっと表情が硬いかな。| |~二階堂紅丸|そうだなぁ……×ちゃん、楽しいこととか、&br;好きな人でもいいから思い描いてみて。| |~〇×|え、えっと……。| |~〇×|(想像しなくても、今目の前にいるって言ったら、&br;紅丸さんどう思うかな? ……ふふっ。)| |~二階堂紅丸|あ……。| |~〇×|どうでしたか?| |~二階堂紅丸|×ちゃん、今の笑顔はパーフェクト!| |~〇×|よかったー……。| |~二階堂紅丸|いつもの×ちゃんもかわいいけど、&br;今の笑顔はそれをも超えていくよ。| |~〇×|そんなに言ってもらえると照れちゃいます……。| |~二階堂紅丸|ふふっ、その笑顔を向けてもらえる人が&br;羨ましくなるね。| |~〇×|(紅丸さんはこういう笑顔が好きなんだな。&br;覚えておこう。)| |~二階堂紅丸|さあ、そろそろ服を決めてしまわないと&br;準備ができなくなってしまう。| |~〇×|あ、すみません……時間取らせちゃって……。&br;それに服も選べなくて……。| |~二階堂紅丸|ううん、俺も楽しかったから、気にすることないよ。| |~二階堂紅丸|本当は×ちゃんが選んだ服で&br;インタビューを受けたかったんだけどね。| |~〇×|そうだったんですか。| |~二階堂紅丸|でも、さっきの×ちゃんを見て思ったのさ。| |~二階堂紅丸|こういうのは相手に聞くべきじゃない。自分で考えて&br;狙った相手に格好いいって言わせなきゃ。| |~二階堂紅丸|覚悟しててね。| |~〇×|(え……そ、それって……。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|取材当日――| |~二階堂紅丸|×ちゃん、今日はサンキューな。マネージャーとして&br;来てほしいっていう俺のわがままに付き合ってくれて。| |~〇×(主人公)|いえいえ、私にできることがあるなら、&br;なんでもお手伝いさせてください。| |~〇×|(にしても……この間、衣装が決まったって言ってたけど、&br;いつもと変わらない気がする。)| |~〇×|(どこが違うんだろう……。&br;パンツかな……違いがわからないよ……。)| |~二階堂紅丸|じゃあ、ちょっと行ってくるから&br;×ちゃんはここで待っててね。| |~〇×|はい、行ってらっしゃい。| |~〇×|(こうやってお仕事してる紅丸さんを見るのって&br;何だか新鮮な感じ……。)| |~〇×|(立ち振る舞いがスマートだからかな……。&br;いつもより格好よく見えるかも。)| |~記者|本日はありがとうございました。&br;また記事ができましたら、ご連絡致します。| |~二階堂紅丸|×ちゃん、待たせちゃってごめんね。| |~〇×|いえ、もう終わりですか?| |~二階堂紅丸|今日はね。&br;あとは後日、記事ができた時に確認して終わりかな。| |~〇×|そうなんですね。&br;あ、紅丸さん、お疲れ様でした。| |~二階堂紅丸|ふふっ、サンキュー!| |~二階堂紅丸|じゃあ、遅くなる前に帰ろうか。| |~〇×|はい。| |~〇×|(結局どこが違うのかわからなかったな……。)| |~二階堂紅丸|取材も無事に終わったし、&br;今日付き合ってくれたお礼にご飯でもどうかな?| |~〇×|はい! あ、でも、私何もしてないですよ……。| |~二階堂紅丸|ううん、来てくれたことが大事なのさ。&br;それに俺がしたいから誘ってるんだよ。| |~〇×|では、お言葉に甘えて――| |~二階堂紅丸|あ、そういえば、忘れる前に聞いておかないとね!| |~〇×|(なんだろう……。)| |~二階堂紅丸|今日の俺のファッションどうだった?| |~〇×|はい、いつもより格好よかったです!| |~二階堂紅丸|そう、いつもより……ふふっ。| |~〇×|紅丸さん?| |~二階堂紅丸|その様子だと、作戦は大成功だね!&br;いつもより格好いいって思ってもらえたんだから。| |~〇×|えっ? それってどういう……?| |~二階堂紅丸|実はね、これいつもと同じ衣装だったんだ。| |~〇×|あ、やっぱりそうだったんですか?&br;道理で見つからないはずです。| |~〇×|歩いてる時から、ずっとどこが違うのかなって&br;間違い探しみたいに探していたんですよ。| |~二階堂紅丸|騙しちゃってごめんね。| |~〇×|いえ、私のほうこそ、これを気づけないようじゃ&br;まだまだですね。| |~二階堂紅丸|じゃあ、これからもっと俺を知ってもらおうかな。| |~〇×|(そんな真っ直ぐに見つめられると&br;ドキドキしちゃうよ……。)| |~〇×|お手柔らかにお願いします……。| |~二階堂紅丸|ふふっ、俺に任せて。| |~二階堂紅丸|でも、今日は一段と×ちゃんの視線が&br;熱かったから緊張してしまったな。| |~〇×|そんなにですか?| |~二階堂紅丸|ああ、格好悪いところは見せられないからね。| |~〇×|(紅丸さんも緊張することあるんだ。ちょっと意外かも。)| |~〇×|紅丸さんの格好悪いとこなんて、今まで見たことないですよ。| |~二階堂紅丸|え、そう?| |~〇×|はい、逆に格好いいところしか思いつかないです。| |~二階堂紅丸|そう思ってくれてるならうれしいな。| |~〇×|(わ、私、今恥ずかしいこといっちゃったよね!?&br;でも、本当のことだし……いっか。)| #endregion ----- **強く華麗に美しく [#SR02] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(お昼ご飯の準備終わったし、みなさんを呼んで来よう。&br;まだ練習してるのかな……?)| |~〇×|みなさん、お昼ご飯ができましたよ。| |~草薙京|この中だと、紅丸だけ格闘スタイルが違うからな。| |~草薙京|これからのことを考えると、真吾も多めに経験を積むほうが&br;いいだろう。| |~二階堂紅丸|そうそう、視野を広げるのも大事だぜ、真吾。| |~矢吹真吾|でも、おれは早く草薙流を極めたい!| |~矢吹真吾|だから、もっと草薙さんに相手してほしいんです!| |~〇×|(話し込んでるみたいだし、間に入っちゃ悪いかな……。)| |~二階堂紅丸|おや、×ちゃん。そんなところに立ってどうしたんだい?| |~二階堂紅丸|さては、俺に会いに来てくれたんだね。| |~〇×|い、いえ、ご飯ができたので声を掛けに来たのですが……。&br;何の話し合いをされてるんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、このあと練習試合をするんだけど、&br;どういう組み合わせでするのか、なかなか決まらなくてね。| |~矢吹真吾|だから、おれは草薙さんに相手してほしいんですって!| |~二階堂紅丸|なんだ、そんなに俺の力が頼りないってか?&br;悲しいぜ、真吾。| |~矢吹真吾|あああっ、いえ、そういうわけじゃないんです!&br;ただおれは……!| |~二階堂紅丸|ははは! 冗談だって、真に受けるなよ真吾。&br;こんなの真に受けるようじゃ、まだまだだな。| |~草薙京|はぁ……×。あんたはどう思う?| |~草薙京|KOFのことを考えれば、紅丸に経験を積んでもらうほうが&br;いいだろ?| |①|>|CENTER:~紅丸さんに聞く| |~|~〇×|んー……紅丸さんはどうですか?| |~|~二階堂紅丸|そうだね、京の言うように経験を積むのもいいことだと思うよ。| |~|~二階堂紅丸|まぁ、真吾相手でも手加減はしないけどね。| |~|~二階堂紅丸|でも、本当は真吾よりも×ちゃんに相手してほしいな。&br;格闘技じゃなくて、愛の訓練を……。| |~|~〇×|そ、それはまた次の機会にでも……。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ、約束だよ。| |~|~〇×|(紅丸さんはどこまで本気なんだろう……。)| |②|>|CENTER:~困る| |~|~〇×|えっと……。| |~|~〇×|(そんな急に私に振られても困るよ……。)| |~|~矢吹真吾|〇さんも早くおれが草薙流を極めた姿を&br;見てみたいでしょう?| |~|~〇×|え……それは見てみたい気もするけど……。| |~|~矢吹真吾|ほら! 〇さんもこう言ってますし!| |~|~二階堂紅丸|こら真吾、×ちゃんが困ってるじゃないか。| |~|~二階堂紅丸|少しは俺を見習って紳士的になったらどうだい?| |~|~矢吹真吾|紳士的……うーん、おれには難しそうです……。&br;まだまだ修行が足りないんですかね……。| |~|~〇×|(ふふっ、真吾くんが紅丸さんみたいになるのは&br;想像できないかも。)| |~〇×|じゃあ、偏った組み合わせじゃなくて、&br;トータルで全員同じぐらいにすればいいんじゃないですか?| |~草薙京|いや、オレは紅丸にもKOFに向けて調整をしてほしいんだ。| |~草薙京|それに紅丸のスタイルはなかなかないからな。| |~〇×|なるほど……。&br;じゃあ、紅丸さんは同じスタイルの人と練習って――| |~二階堂紅丸|ああ、俺は自宅に自分専用トレーニングルームがあるのさ。&br;練習はそこでやったりもするけど……。| |~二階堂紅丸|俺のシューティングはワンアンドオンリーだからね。&br;同じスタイルの相手はいないのさ。| |~〇×|(京さんたちみたいに草薙流とか、&br;同じスタイルの人はいるんだと思ってたけど……。)| |~〇×|(紅丸さんみたいにいないこともあるんだ。)| |~二階堂紅丸|ふふっ、不思議そうな顔をしているね。| |~〇×|あ……そんな顔にでてました?| |~二階堂紅丸|なんでいないのかな? って、顔に書いてあるよ。&br;まったく×ちゃんは素直で可愛いね。| |~〇×|(思いっきり顔に出てたなんて、恥ずかしい……。)| |~二階堂紅丸|まぁ、俺がワンアンドオンリーなのには&br;ちゃんと理由があるんだよ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|昼食の連絡へ来たはずの道場で、私は&br;紅丸さんの格闘スタイルについて話を聞いていた。| |~二階堂紅丸|まずは、俺が格闘技を始めたところからになるかな。| |~二階堂紅丸|始めたのは、自分の帯電体質を活かした&br;何かをしたいと思ったのがきっかけさ。| |~〇×(主人公)|帯電体質……ですか?| |~二階堂紅丸|そう、×ちゃんをビビっと痺れさせちゃう。| |~〇×|ふふっ、それは気を付けないと感電しちゃいますね。| |~二階堂紅丸|そうだね。&br;でも癖になって、そのまま俺の虜になっちゃうかもよ。| |~二階堂紅丸|なんたって相手は俺だからさ。| |~草薙京|おい。| |~〇×|帯電体質を活かしたい、というきっかけはわかりました。&br;それで、えっと、紅丸さんの格闘スタイル……。| |~草薙京|シューティングだ。| |~〇×|それです、シューティング。どうしてそれにしたんですか?&br;他にもスタイルはいろいろあったと思うのですが……。| |~二階堂紅丸|そうだね。| |~二階堂紅丸|帯電体質はあくまできっかけだけど、&br;シューティングを選んだのはたまたまなのさ。| |~〇×|じゃあ、それをやりたくて&br;やったわけじゃなかったんですね。| |~二階堂紅丸|そう、帯電を格闘技の技として使ってる人は&br;いなかったんだよ。| |~二階堂紅丸|だから、組み合わせて昇華させたのは、&br;俺自身の考えだから、同じ流派は存在しないんだ。| |~〇×|(そっか……だから、どのスタイルにも当てはまらない。&br;紅丸さんだけの流派……。)| |~〇×|自分で格闘スタイルを作り上げたなんて、&br;紅丸さんすごいです!| |~二階堂紅丸|ふふっ、サンキュー!| |~二階堂紅丸|そんな特別なことだとは思ってないんだけどね。| |~二階堂紅丸|あくまで自分のやりやすい、やりたいことを&br;組み合わせてみただけなのさ。| |~二階堂紅丸|でもそれより……。| |~〇×|っ!?| |~〇×|(紅丸さんの手が私の頬に……!)| |~二階堂紅丸|×ちゃんのオンリーワンになるほうが&br;ずっと重要だよ。| |~〇×|紅丸さん……。| |~二階堂紅丸|×ちゃん、俺のオンリーワンに――| |~草薙京|はい、ストップ!| |~二階堂紅丸|なんだよ京、邪魔をするなんて野暮じゃないか。| |~草薙京|ちょっとは人目を気にしろ。×が困ってんだろ。| |~矢吹真吾|これが紳士的ってやつっすかね……。&br;手帳にメモしとかなきゃ!| |~草薙京|んなもんメモすんな。紙と鉛筆の無駄だ。| |~二階堂紅丸|俺の想いは誰にも止められないってことなんだけどね。&br;まあ、障害があるほど燃えるというものだけどね。| |~草薙京|ったく……お前誰にでもそんなこと言ってるだろ……。| |~二階堂紅丸|そんな冗談なんて言わないよ。いつでも俺は本気さ。| |~草薙京|はいはい、そうかよ。| |~矢吹真吾|うあー! もう、そんなことより腹減ったっす!&br;お腹が限界っすよ!| |~〇×|あっ! そういえば……。&br;私みなさんをご飯に呼びに来たんでした!| |~矢吹真吾|おお! ナイスタイミング!| |~〇×|早くしないと冷めちゃうかもしれないね。&br;急がないと。| |~矢吹真吾|そうですね! じゃ、おれが一番乗りいただきます!| |~草薙京|おい、真吾ちょっと待て!| |~草薙京|あいつを先に行かせると&br;オレの飯まで無くなるんじゃねーか。| |~〇×|ふふっ、&br;そんなに慌てなくても大丈夫だと思いますよ。| |~矢吹真吾|ちなみに、今日の献立はなんですか?| |~〇×|今日は鮭の塩焼きと、つみれ汁と……。| |~矢吹真吾|あ~、聞いてるだけでお腹空いてきました!&br;早く行きましょう!| |~〇×|ふふっ、そうだね。| |~二階堂紅丸|…………。| |~二階堂紅丸|ふぅ……。&br;いつになったらキミは本気と思ってくれるのかな。| |~二階堂紅丸|俺はいつでも……。| #endregion ----- **スマートな執事 [#SR03] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|おかえりなさいませ、お嬢様。| |~二階堂紅丸|こちら、ハーブティーでございます。&br;ごゆっくりお楽しみください。| |~来店客A|ありがとうございます、執事さん!| |~二階堂紅丸|何かご用がありましたら、&br;いつでもお申し付けください。| |~二階堂紅丸|執事たる私が、すぐにお嬢様のもとへ&br;駆けつけます。| |~〇×(主人公)|(……さすがというか。&br;紅丸さん、すごく様になってるなぁ……。)| |~〇×|(紅丸さんのお知り合いが喫茶店を&br;オープンしたから手伝いに来たのはいいけど……。)| |~〇×|(執事喫茶だったのは&br;ちょっとびっくりしちゃった。)| |~来店客A|ねえ、お兄さんってKOFに&br;出てた人ですよね?| |~来店客B|モデル雑誌でも見たことあります!| |~二階堂紅丸|私のことをご存じとは光栄です。&br;今日は素敵なひと時をお過ごしくださいね。| |~〇×|(お客さんすごく嬉しそう……。&br;紅丸さん、すごいなぁ……。)| |~草薙京|紅丸の奴、すげぇ活き活きしてんな。&br;これ、あいつの天職なんじゃねえか?| |~二階堂紅丸|はいはい京。サボって変なこと言って&br;×ちゃんを困らせるんじゃないぜ。| |~二階堂紅丸|あちらのお嬢様がお呼びだから行ってこい。| |~草薙京|めんどくせえ。お前が行けよ、紅丸。| |~二階堂紅丸|それができたらそうしてるさ。&br;あちらのお嬢様はお前をご指名なんだとさ。| |~二階堂紅丸|……その分、ちゃんとバイト代は&br;上乗せになるぜ?| |~草薙京|チッ、わかったよ。&br;行けばいいんだろ行けば。| |~二階堂紅丸|頑張って来いよ。&br;……さて、次は、と――。| |~〇×|(紅丸さん、頑張ってるな。&br;私も負けずにキッチンの仕事頑張ろう!)| |~二階堂紅丸|休憩入りまーす。&br;……ふう。| |~〇×|紅丸さん、お疲れ様です。| |~二階堂紅丸|お疲れ、×ちゃん。&br;キミも休憩かい?| |~〇×|はい。紅丸さん、接客頑張ってましたね。&br;キッチンから様子見てました。| |~二階堂紅丸|ははは、見られてたのはちょっと恥ずかしいな。&br;結構難しくて試行錯誤してたからね。| |~〇×|そうなんですか? そうとは思えないくらい&br;とてもスマートでしたよ。| |~二階堂紅丸|キミにそう言ってもらえると&br;頑張った甲斐があるよ。| |~〇×|あ、そうだ。あっちにスタッフ用の&br;まかない料理があるので、持ってきますね。| |~二階堂紅丸|いや、待って×ちゃん。&br;それは俺にやらせてほしい。| |~〇×|え、ですが紅丸さん休憩中ですし……。| |~二階堂紅丸|それはキミも同じだろ?&br;気にしないで、キミは座って休んでて。| |~二階堂紅丸|キッチンは暑いし、キッチン中を動き回って&br;結構疲れてるんじゃないのかい?| |~二階堂紅丸|今の俺は執事なんだから、俺に任せて。| |~二階堂紅丸|今は、キミだけの執事をやらせてほしい。| |①|>|CENTER:~お言葉に甘えて……| |~|~〇×|えっと……それじゃあ、お言葉に甘えて&br;お願いします、執事さん。| |~|~二階堂紅丸|かしこまりました、お嬢様。&br;……なんて、こういうのも新鮮で面白いかもな。| |~|~〇×|ふふっ、そうですね。| |②|>|CENTER:~紅丸さんも疲れちゃいますよ| |~|~〇×|ちゃんと休まないと、&br;紅丸さんも疲れちゃいますよ。| |~|~二階堂紅丸|……俺を心配してくれるのかい?&br;優しいお嬢様に仕えられて幸せだな。| |~|~二階堂紅丸|それじゃ、料理を持ってきたら&br;俺も休憩しようかな。| |~二階堂紅丸|さぁ、残りの仕事も一緒に頑張ろうか。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|こちら、お食事と&br;アールグレイティーでございます。| |~二階堂紅丸|紅茶は砂時計がすべて落ちたら飲み頃です。&br;ミルクと砂糖はこちらをどうぞ。| |~〇×|わあ……すごい。紅丸さん、手際がいいですね。&br;いただきます。| |~二階堂紅丸|これしきのこと、&br;執事としては当然のことでございます。……ってな?| |~草薙京|なんでそこまでやれるのか、&br;ある意味尊敬するぜ。| |~二階堂紅丸|レディを大切にするのは当然のことだろ?| |~二階堂紅丸|……って、あれ、×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|指、怪我してるね。どうしたの?| |~〇×|え?……あ、ちょっと傷ついてますね。&br;全然気づかなかった……。| |~〇×|多分、料理してるときに&br;切っちゃったんでしょうね。| |~二階堂紅丸|大丈夫?&br;痛みはないかい?| |~〇×|紅丸さんに言われるまで気づかないくらいでしたし、&br;血も出てないので大丈夫ですよ。| |~〇×|あとで絆創膏貼っておきます。| |~二階堂紅丸|ダメだよ、怪我は気づいたら&br;すぐに対処しなきゃ。| |~二階堂紅丸|絆創膏持ってくるから、待ってて。| |~二階堂紅丸|はい、これでオーケー。| |~〇×|ありがとうございます、紅丸さん。| |~二階堂紅丸|どういたしまして。| |~〇×|この絆創膏、花柄になってるんですね。| |~二階堂紅丸|すぐ目につく調度品や食器だけでなく、&br;こういった小物にも気を遣う……。| |~二階堂紅丸|店主のそういう心配りみたいだな。| |~二階堂紅丸|万が一店内で怪我をする人が出たときに、&br;少しでも気分を良くするため……なんだとさ。| |~〇×|そうなんですね。| |~〇×|確かに普通の絆創膏よりもかわいいし、&br;怪我がちょっと気にならなくなる気がします。| |~二階堂紅丸|ふふっ、そう言ってもらえると、&br;それを選んで良かったと思うよ。| |~二階堂紅丸|また何かあったらいつでも言ってくれ。&br;すぐにキミの元へ駆けつけるから。| |~二階堂紅丸|この傷は頑張ってる証でもあるけど、&br;やっぱり、キミが傷つくのは嫌だからね。| |~二階堂紅丸|今度はキミが傷つく前に、&br;必ず守ってみせるよ。| |①|>|CENTER:~嬉しいです| |~|~〇×|そう言ってもらえると嬉しいです。| |~|~〇×|でも、紅丸さんにお手数かけないよう、&br;私もちゃんと気を付けますね。| |~|~二階堂紅丸|キミはとても強い子だね。&br;そんなところも魅力的だよ。| |②|>|CENTER:~ちょっと恥ずかしいかも…….| |~|~〇×|ちょっと恥ずかしいかも……。| |~|~二階堂紅丸|そうして恥じらう姿も素敵だ。&br;より一層、守ってあげたくなるよ。| |~草薙京|おいおい、マネージャー口説いてどうすんだよ。&br;それに、休憩中まで執事ごっこやってなんになるんだ?| |~二階堂紅丸|いい執事ってのは、どこにいても&br;スマートさを失わないものだからな。| |~草薙京|へえ。そんじゃオレにもなんかやってくれ執事。| |~二階堂紅丸|それは断る。俺が忠誠を誓うのは、&br;心に決めたお嬢様だけだからな。| |~二階堂紅丸|……ね、×お嬢様?| |~〇×|えっ、えっと、は、はい……!| |~草薙京|ケチくせえ執事だなあ。| |~二階堂紅丸|やる気のない執事よりはマシだと思うぜ?| |~草薙京|そもそもオレは執事になったつもりはねえ。| |~二階堂紅丸|執事やらなきゃバイト代出ないぜ?| |~草薙京|執事だってわかってたら別の仕事してたぜ、ったく。| |~草薙京|紅丸の持ち掛けてくる仕事なんざ&br;だいたいろくなもんじゃねえな。| |~二階堂紅丸|それでも付き合ってくれて感謝してるぜ、京。| |~草薙京|そりゃどーも。| |~〇×|ふふっ。紅丸さんも京さんも、&br;本当に仲がいいですね。| |~二階堂紅丸|仲がいいっていうか、腐れ縁みたいな感じだな。| |~草薙京|付き合い長いしな。| |~二階堂紅丸|……さて、と。そろそろ休憩時間も終わるし、&br;お嬢様たちのところへ戻るぜ、京。| |~草薙京|へいへい。| |~〇×|私も、キッチンの仕事に戻らないと。| |~二階堂紅丸|お気をつけて、×お嬢様。&br;それでは、私は行って参ります。……なんてな?| |~〇×|ふふっ、行ってらっしゃい。&br;お帰りをお待ちしてますわ……なんて。| |~二階堂紅丸|本当、また怪我をしたりしないよう、&br;何かあったらすぐ呼んで欲しいな。| |~二階堂紅丸|じゃあ、行ってくるよ。| |~〇×|(怪我、か。……紅丸さんが貼ってくれた絆創膏、&br;すごくかわいいな。)| |~〇×|(……よし、頑張ろう!)| #endregion ----- **温泉合宿 [#SR04] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ホテル内・廊下――| |~二階堂紅丸|やあ、×ちゃん。| |~〇×(主人公)|紅丸さん、遅い時間にどうしたんですか?| |~二階堂紅丸|キミこそこんな夜更けに廊下にいるなんて感心しないな。| |~二階堂紅丸|ただでさえこの旅館は暑苦しい男たちだらけなんだぜ。| |~二階堂紅丸|俺の×ちゃんに何かあったら困る。| |~二階堂紅丸|キミは俺の――可愛い子猫ちゃんなんだから。| |~〇×|……!&br;紅丸さん、それは……!| |~二階堂紅丸|あれ、ほっぺにキスは&br;ふたりきりの時でもだめだっけ?| |~二階堂紅丸|そんなに可愛い顔されたら&br;俺の心臓がもたないな。| |~二階堂紅丸|このまま俺の部屋に連れて帰りたいぐらいだよ。| |~〇×|紅丸さんこそ、心臓に悪いです……!| |~二階堂紅丸|ふふ、ごめんね。&br;それで本当はどうしてこんな時間に部屋を出たんだい?| |~〇×|実は、お風呂に入りそびれてしまって……。&br;上のお風呂が閉まる前に入ってこようかと。| |~二階堂紅丸|ああ、確かに。&br;屋上のお風呂は23時までだったね。| |~二階堂紅丸|入っておいでと言いたいところだけど&br;キミをひとりで行かせるのも心配だな。| |~二階堂紅丸|俺も一緒に……入ろうかな?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|紅丸の部屋――| |~二階堂紅丸|×ちゃん、&br;お風呂は楽しめた?| |~〇×|最高でした!&br;ゆっくりお湯に浸かると癒されますね。| |~二階堂紅丸|露天風呂から見える夜空も綺麗だったね。| |~〇×|はい、空が広くて星が綺麗に見えましたね。| |~二階堂紅丸|そういえば前に、&br;一緒に銭湯に行ったことがあったよね。| |~二階堂紅丸|合宿って形にはなったけど&br;キミとこうして温泉に来られて良かったな。| |~〇×|ふふ。私も合宿という言葉に甘えて&br;思いきり楽しんでしまってます。| |~二階堂紅丸|良いんだよ、キミは好きなだけ楽しんで。&br;日頃の疲れを癒してね。| |~〇×|はい! みなさんをサポートしつつ、&br;私もゆっくりします。| |~二階堂紅丸|ふふ。真面目で良い子だな、キミは。| |~二階堂紅丸|今はふたりきりの時間なんだから&br;マネージャーの仕事は終わり。| |~二階堂紅丸|今夜は……。&br;俺だけのお姫様でいてくれるだろ?| |~〇×|(紅丸さんの唇が、耳元に……!)| |~二階堂紅丸|そんなに赤くなっていると、&br;可愛すぎて食べてしまいたくなるけど――| |~〇×|――!| |~二階堂紅丸|その前に、お姫様の髪を乾かしてあげないとな。| |~二階堂紅丸|今夜は俺が何でもしてあげるよ。&br;キミはただ甘えてくれたらいい。| |~二階堂紅丸|ふたりきりの「癒し」の時間は&br;まだこれから、だからね。| #endregion ----- **心を見透かす目 [#SR05] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(思ったより掃除に時間かかっちゃった。&br;明日も早いし、そろそろ寝ないと――)| |~二階堂紅丸|やあ、×ちゃん。| |~〇×|紅丸さん。| |~〇×|(あれ?&br;紅丸さんって今日は帰ったんじゃなかったっけ……?)| |~二階堂紅丸|ちょっといいかな。&br;キミにお願いがあるんだけど、聞いてくれるかい?| |~〇×|(紅丸さんのお願い? ……なんだろう?)| |①|>|CENTER:~はい、私にできることでしたら| |~|~〇×|はい、私にできることでしたら&br;いくらでも手伝いますよ。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ。嬉しいね。&br;けど、他の男にそんなセリフは言わないで欲しいかな。| |~|~二階堂紅丸|みんなに優しい×ちゃんは素敵だけど&br;ちょっと妬けちゃうからね。| |②|>|CENTER:~今から、ですか?| |~|~〇×|今から、ですか?| |~|~二階堂紅丸|まさか。&br;こんな夜中に×ちゃんの手を煩わせたりなんかしないさ。| |~|~二階堂紅丸|夜更かしさせて、キミのきれいな肌が&br;荒れでもしたら大変だからね。| |~二階堂紅丸|――実は、今度新しく仕事を始めようと&br;思っているんだけど……。| |~二階堂紅丸|×ちゃんには、&br;それを手伝ってもらいたいんだ。| |~〇×|そうなんですね。&br;どんな仕事なんですか?| |~二階堂紅丸|んー、そうだなぁ。&br;それは当日までの秘密にしておこうか。| |~二階堂紅丸|×ちゃん。来週の土曜日は空いているかな?| |~二階堂紅丸|この地図の場所へ、18時に来てくれると嬉しいんだけど。| |~〇×|あ、はい。&br;土曜日なら、大丈夫だと思います。| |~二階堂紅丸|ありがと。&br;それじゃ、当日はよろしくね。| |~〇×|(紅丸さんの新しい仕事ってなんだろう?&br;秘密って言ってたけど……。)| |>|翌週土曜日、夕方――| |~〇×|(紅丸さんの言ってた場所って、この先だよね?)| |~〇×|(えっと……もしかして、あの小さなお屋敷なのかな。)| |~〇×|と、とりあえず行ってみよう……!| |~〇×|し、失礼します……。&br;紅丸さん、いらっしゃいますか?| |~二階堂紅丸|ああ、待っていたよ、×ちゃん。&br;来てくれてありがとう。| |~〇×|え、紅丸さん?&br;その格好は、もしかして――| |~二階堂紅丸|ふふ、この前の人狼ゲームでインスピレーションを受けてね。&br;占い師を始めることにしたんだ。| |~二階堂紅丸|女性には占いが好きな人も多いって話を聞いたから、&br;それならぜひ×ちゃんの意見を聞きたいと思ってね。| |~〇×|なるほど、そういうことだったんですね。| |~二階堂紅丸|どうだい? 屋敷に、服に、タロットカード。&br;全部特注品で、色々こだわったつもりなんだけど。| |~〇×|そうですね……。| |~〇×|この香り……お香でしょうか?&br;どこかエキゾチックなのに、安心する良い香りです。| |~二階堂紅丸|よく気付いたね。&br;イランイランとベルガモットをブレンドしてみたんだ。| |~二階堂紅丸|少しでも、非日常感を出したいと思ってね。| |~〇×|はい。まるで海外にいるみたい……。&br;なんだかここに来るだけで、ワクワクしそうです。| |~二階堂紅丸|なるほどねぇ、参考になるよ。| |~二階堂紅丸|そうだ。せっかくだし、&br;×ちゃんのこと占っちゃおうかな?| |~〇×|え、私をですか?| |~二階堂紅丸|協力してくれたお礼だよ。&br;さ、俺の前の椅子に座って。| |~〇×|は、はい。| |~二階堂紅丸|さて……何が出るかな?| |~〇×|(い、いったい何を占われるんだろう。&br;少しドキドキする……。)| |~二階堂紅丸|おっと、このカードは……。| |~二階堂紅丸|……いけない子だね、×ちゃん。&br;キミ、俺に隠し事してるでしょ?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|そんな……。何も隠し事なんてしてないですよ。| |~二階堂紅丸|ふふっ、じゃあ内容も当ててしまおうかな。| |~二階堂紅丸|ちょっと失礼。&br;少し近くで、観察させてもらうよ。| |~二階堂紅丸|ふーん……?| |~〇×|(べ、紅丸さん……本当に顔が近いです……!)| |~二階堂紅丸|俺のことが好き……っていう隠し事なら、&br;かわいくてたまらないんだけど……。| |~二階堂紅丸|どうやらそうじゃないみたいだ。&br;キミは――人狼だね?| |~〇×|え!? な、何言ってるんですか、紅丸さん……!?| |~二階堂紅丸|ふふ。嘘が下手だね。&br;俺には全部見えてるんだよ、キミの心が。| |~二階堂紅丸|ほら、あまり動揺すると、かわいいシッポが見えちゃうよ。| |~〇×|シッポ?&br;そんなの、あるはずが――| |~〇×|(……って、あれ? お尻の方に違和感が……。&br;……そんな、まさか……。)| |~〇×|(し、シッポが生えてる――!?)| |~二階堂紅丸|おやおや、シッポどころか耳まで出てきてしまったね。| |~〇×|ええっ!?| |~二階堂紅丸|ずいぶん、モフモフでかわいらしい人狼さんだ。&br;こんな人狼さんなら、怖くないね。| |~二階堂紅丸|ずっとそばで、かわいがってあげたくなっちゃうな。| |~〇×|ず、ずっと……!?| |~二階堂紅丸|ほら、おいで。&br;俺のかわいい人狼ちゃん。| |~〇×|紅丸さん!? あのっ、その、えっと……!| |~〇×|ごめんなさいーーーーっ!!| |~〇×|……って、え……?&br;……夢?| |~〇×|(シッポは――ない。&br;ってことは、やっぱり夢だったんだ……。)| |~〇×|良かったぁ……。| |~〇×|わっ!| |~〇×|って、なんだ。メッセージか……。| |~〇×|(紅丸さんからだ。なんてタイミング……。)| |~紅丸からのメッセージ|『また人狼やりたいね。&br;俺、嘘つきの×ちゃんも見てみたいな。』| |~〇×|嘘つき、かぁ……。| |~二階堂紅丸|……いけない子だね、×ちゃん。&br;キミ、俺に隠し事してるでしょ?| |~〇×|(うう、紅丸さんの前で、&br;うまく嘘つける自信ないなぁ……。)| #endregion //---------- ''スペシャル'' #region(ネタバレ注意) |>|フルーツパーラーにて――| |~矢吹真吾|うわっ! このフルーツサンドに挟まってるバナナ……、&br;スーパーで買うのよりずうっと濃厚ですっごく甘いですよ!| |~包|生クリームもふわっふわで甘さ控えめ……。| |~二階堂紅丸|おい、包。&br;反対側からクリームが溢れてるぞ。| |~包|あ、ほんとだ! ありがとう紅丸さん!| |~二階堂紅丸|(どうしてもフルーツサンドが食べたいとゴネるから&br;連れてきてやったものの……。)| |~二階堂紅丸|(どうして俺がこいつらの面倒を……。)| |~二階堂紅丸|(窓から見える海を眺めながら甘いデザート。)| |~二階堂紅丸|(×ちゃんの喜ぶ顔が目に浮かぶな……。)| |~二階堂紅丸|(パインボート、バナナパフェ、フルーツの盛り合わせ……。&br;彼女はどれが一番気にいるだろう。)| |~二階堂紅丸|(ふふ、×ちゃんと来るのが楽しみだ。)| |~二階堂紅丸|(楽しみだっていうのに……。)| |~矢吹真吾|紅丸さん! このフルーツサンド、おいしいですよ!| |~二階堂紅丸|ハァ……。| |~包|あれ、ため息なんてついちゃって&br;紅丸さんはフルーツサンド嫌いなの?| |~二階堂紅丸|せっかく伊豆に来てまでお前らの面倒を&br;見ることにうんざりしてるんだよ。| |~二階堂紅丸|フルーツサンドは×ちゃんとの&br;デートに備えて食べておかないとな。| |~矢吹真吾|じゃあ一つ残しておきますね!| |~二階堂紅丸|……おい、真吾。&br;クリーム付いてるぞ。| |~矢吹真吾|え? どこですか?| |~矢吹真吾|口ですか……あれ?&br;鼻……でもない……おでこ……? ん? どこですか?| |~二階堂紅丸|はあ……耳。右耳だ。| |~矢吹真吾|えっ……耳?| |~矢吹真吾|わっ! ほんとだ!&br;紅丸さんありがとうございます!| |~二階堂紅丸|やれやれ……。&br;どうやったら耳たぶにクリームがつくんだお前は……。| |~包|あはは! 真吾さん慌てて食べるからだよー。| |~包|でも、紅丸さんって……。&br;なんだかんだ僕たちに優しいよね。| |~矢吹真吾|へへ、そうっすよね。&br;面倒見が良いっていうか……。| |~二階堂紅丸|おいおい、やめてくれ。&br;俺が優しいのはレディにだけだ。| |~真吾&包|へへっ。| |~二階堂紅丸|まったく……お前らは……。&br;お子様の相手はもう終わりだ。帰るぞ。| |~真吾&包|え~~!| |~二階堂紅丸|(早く帰って×ちゃんとデートの予定を立てないとな。)| #endregion ----- **夜デート [#SR06] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|空港・到着ロビー――| |~二階堂紅丸|やあ、マイ・プリンセス。&br;会いたかったよ!| |~〇×(主人公)|べ、紅丸さん、人がたくさん見てますから……!| |~二階堂紅丸|あれ? 恋人同士の再会にはハグは重要だと思うんだけどな。| |~〇×|再会って……。&br;二日しか離れてなかったじゃないですか……!| |~〇×|ところで、その格好は?| |~二階堂紅丸|ああ、このスーツかい? 似合うかな?&br;今日の撮影衣装なんだ。| |~二階堂紅丸|着替える時間も惜しいから、そのまま迎えに来たんだ。| |~二階堂紅丸|どう?&br;プリンセスを出迎えるナイトに見えるかな。| |~〇×|はい、とっても素敵です!| |~二階堂紅丸|南の島でスーツの撮影だなんてどうかしてると思ったけど……。&br;キミが喜んでくれるならこの仕事、受けて良かったよ。| |~二階堂紅丸|ふぅ、朝からこの暑さで倒れそうだったけど、&br;キミの顔を見た瞬間、吹き飛んだよ。| |~二階堂紅丸|さすがは俺の可愛い子猫ちゃん。| |~〇×|紅丸さん、近いです……!| |~二階堂紅丸|ははっ。俺の子猫ちゃんは恥ずかしがり屋だな。| |~二階堂紅丸|とにかく、来てくれてありがとう。長旅お疲れ様。&br;もう少しで撮影も終わるから、コテージで待っていてくれる?| |~〇×|わかりました。| |~二階堂紅丸|キミの顔を見てしまったら、たった1時間の別れさえ寂しいよ。&br;このまま一緒に帰りたいぐらいだ。| |~〇×|ふふ、ちゃんとコテージで待ってますから。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|コテージ――| |~二階堂紅丸|×ちゃん、ただいま!| |~〇×|あれ、紅丸さんそのスーツ……。&br;まだ撮影終わらないんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、これ?&br;キミが似合うって言ってくれたから買い取ったんだ。| |~二階堂紅丸|デ・オールの、&br;これから発売される最新コレクション。| |~〇×|(ブランドには詳しくないけど、買い取っちゃうなんて……。&br;ものすごくお高いんじゃ……。)| |~二階堂紅丸|もう一度キミに見て欲しくてね。&br;どうかな? マイ・プリンセス。| |~〇×|……! やっぱり、すごく素敵です……!| |~二階堂紅丸|ふふ。顔が真っ赤だな。&br;本当に素直で可愛くて……いい子だね、キミは。| |~二階堂紅丸|やっとふたりきりの時間だね。| |~二階堂紅丸|今日は朝まで……付き合ってもらおうかな。| |~〇×|(紅丸さんに抱き寄せられてる……。)| |~二階堂紅丸|……キミに見せたいものがあるんだ。| |~二階堂紅丸|ほら、こっちにおいで。| |~〇×|えっ? こっちは……テラス?| |~二階堂紅丸|うん。&br;ここから見る星空は……とても綺麗なんだ。| |~二階堂紅丸|空に輝く星の全てを、キミにプレゼントするよ。| |~二階堂紅丸|世界でたったひとりの恋人に、&br;俺を選んでくれた、そのお礼に。| |~二階堂紅丸|……キミの綺麗さには到底及ばないけどね。| #endregion ----- **KOFG学園 [#SR07] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ある日の登校中――| |~〇×(主人公)|(なんだろう? すごい人だかり……!)| |~女子生徒A|撮影してるところ見られるなんてほんとラッキー!| |~女子生徒B|紅丸くん、今日もカッコいいよね~。| |~二階堂紅丸|じゃあ、始めようか。&br;今日も俺を美しく撮ってくれよ?| |~〇×|(紅丸くんが撮影してるから、こんなに見物人がいたんだ。&br;さすが人気者だなあ……。)| |~二階堂紅丸|次はこんな感じかな?| |~〇×|(わあ、さすがだな。&br;ただ車の前に立ってるだけなのに、すごく絵になる……。)| |~〇×|うわっ! ご、ごめんなさい!| |~〇×|(よそ見してたら、人にぶつかっちゃった……。&br;しかも転んじゃうなんて……いたたっ。)| |~二階堂紅丸|大丈夫かい?&br;お手をどうぞ。×ちゃん。| |~〇×|あ、ありがとう紅丸くん。| |~〇×|まだあまり話したことなかったけど、&br;私の名前、覚えててくれたんですね。| |~二階堂紅丸|ふふっ、当然だよ。女の子の名前は、&br;忘れない主義だからね。| |~二階堂紅丸|ん? 制服が汚れてしまったみたいだね。ちょっといいかな?| |~〇×|あっ……。ありがとう。&br;でもハンカチが汚れちゃいますよ。| |~二階堂紅丸|かまわないさ。&br;このハンカチはキミと出会う運命だった。……はい、落ちた。| |~〇×|(紅丸くん、私が気にしないように気を使ってくれてるのかな。&br;優しい人だな。)| |~二階堂紅丸|おっと、そろそろ始業時間か。&br;もしよければこのままエスコートさせてくれないかな?| |~〇×|えっ? エスコートってどこに……。| |~二階堂紅丸|ふふっ、もちろん教室だよ。&br;……お手をどうぞプリンセス。| |~〇×|は……はい。| |~〇×|(なんだか紅丸くんと話していると夢みたいで&br;現実を忘れちゃいそう……。)| |~二階堂紅丸|……ふふっ。&br;それじゃあ、行こうか。| |~〇×|(エスコート姿も堂々としていてかっこいいし。&br;女の子たちが憧れる気持ち、よくわかるなぁ。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|その日の放課後――| |~〇×|ふぅ、忘れ物しちゃった。| |~〇×|(あれ、カーテンが揺れてる。&br;窓が開いてるのかも。)| |~〇×|日直が閉め忘れたのかな。&br;閉めないと――| |~〇×|……!?| |~二階堂紅丸|やぁ、×ちゃん。&br;もしかして、俺に会いにきてくれたのかな?| |~〇×|べ、紅丸くん!&br;……どうしてカーテンの裏に?| |~二階堂紅丸|しーっ、静かに。&br;……こっちにおいで。| |~〇×|(わっ、うそ、抱きしめられてる!?)| |~女子生徒A|紅丸くん、どこに行っちゃったのかな?&br;絶対こっちに来たと思ったんだけど……。| |~女子生徒B|今日こそ一緒に帰りたかったのに~!&br;あっちも探してみよう!| |~〇×|(もしかして、あの子たちから隠れてたのかな?)| |~二階堂紅丸|……。&br;急に抱き寄せてしまってごめんね。| |~〇×|いえ、……大丈夫です。&br;紅丸くん、もしかして女の子から隠れてたんですか?| |~二階堂紅丸|ふふ、キミに隠し事はできないな。&br;彼女たちに誰か一人を選んでほしいってお願いされてしまってね。| |~二階堂紅丸|それは大勢の子猫ちゃんたちに悲しい顔をさせてしまうことになる。&br;俺にそんなことはできないからね……。| |~〇×|そうなんですね……。私はみんなの紅丸くんも素敵だけど、&br;誰か一人とじっくり向き合う紅丸くんも素敵だと思いますよ。| |~二階堂紅丸|へぇ。| |~〇×|(あ、ちょっと踏み込みすぎちゃったかな?)| |~〇×|急にごめんなさい……。&br;じゃあ、私はそろそ――| |~二階堂紅丸|待って。| |~〇×|えっ……?| |~二階堂紅丸|もう少しキミと話がしたいな。&br;いいかな?| |~〇×|え……? はい。| |~二階堂紅丸|×ちゃんが誰か一人を想うときは、&br;どんなことを考えているの?| |~〇×|うーん……そうですね。今日はこんなことがあったなって&br;思い返して嬉しくなったり、ドキドキしたり。| |~〇×|明日は、もっといろんな事お話できるかなって楽しみだったり。&br;すごくいろんなことを考えますね。| |~二階堂紅丸|ドキドキして楽しい、か。&br;それって、もしかして今の俺みたいに?| |~〇×|……えっ?| |~二階堂紅丸|キミと話してると、&br;なんだかすごく新鮮で、楽しい気分になるんだ。| |~二階堂紅丸|キミといつまでも話していたいな。&br;そうだ! 明日の朝、家まで迎えに行ってもいいかい?| |~〇×|えっ! 急にどうしてですか?| |~二階堂紅丸|ふふっ、朝からキミと一緒に過ごせたら&br;もっと楽しい学園生活が送れそうな気がするんだ。| |~二階堂紅丸|どうかな? マイプリンセス。&br;俺と一緒に、楽しい学園生活を送らないかい?| #endregion ----- **誘いの悪魔 [#SR08] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~カメラマン|いいね~紅丸くん!&br;花嫁さん……ほら、笑って!| |~〇×(主人公)|(うう、緊張で笑えない……。)| |~〇×|(ウェディングフェアの撮影の代役……、&br;引き受けたのはいいけど、思った以上に難しいな……。)| |~二階堂紅丸|……。| |~二階堂紅丸|みんな。朝早くからの撮影で疲れてないかい?&br;そろそろ一度、休憩を入れたらどうかな?| |~二階堂紅丸|差し入れのスイーツを持ってきてるんだ。&br;よかったらみんなで食べてよ。| |~スタッフ|ありがとうございます!&br;そうですね。それじゃあ、15分休憩入りまーす!| |~メイクの女性|わあ、スイーツ!?&br;そろそろ食べたいと思ってたのよね。| |~スタイリストの女性|紅丸くんって相変わらずそういうところ、気が利くわよね~。| |~二階堂紅丸|さ、×ちゃんにも、特別な差し入れを用意してあるからね。&br;少し休んで、リラックスしよう。| |~〇×|(……紅丸さん、もしかして、&br;私に気を遣って休憩にしてくれたのかな?)| |~〇×|なんだかすみません……。| |~二階堂紅丸|なんで×ちゃんが謝るの?&br;謝るのは俺の方だよ。| |~二階堂紅丸|いきなり代役を頼んだりして、本当にごめんね。| |~〇×|いえ。ただ、ずっと笑顔でいるって&br;すごく難しいんだなって思いました。| |~二階堂紅丸|最初はみんなそんな感じだよ。&br;慣れれば大丈夫さ。| |~二階堂紅丸|キミの笑顔は世界一だって、&br;この俺が保証するから。| |~〇×|ふふっ。| |~二階堂紅丸|そう、その笑顔だよ。| |~〇×|(紅丸さん、優しいな。)| |~二階堂紅丸|おっと……×ちゃんへの差し入れを忘れるところだった。&br;はい、どうぞ。| |~〇×|ありがとうございます。&br;このドリンク……ワインかブドウジュース、ですか?| |~〇×|(それにしては赤黒くて、変な臭い……。)| |~二階堂紅丸|……キミは悪魔が結婚式で飲むものを知っている?| |~〇×|悪魔の飲み物……ですか?&br;いいえ。| |~二階堂紅丸|悪魔は結婚式に、血で乾杯をするんだ。| |~二階堂紅丸|このグラスに注がれた飲み物のように、&br;真っ赤な生き血でね。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|生き血!?&br;あ、また私を和ませようとして冗談を……。| |~二階堂紅丸|これでも冗談だって思えるかな?| |~〇×|(うそ、紅丸さんの背中から真っ黒い羽根が……!&br;これは夢? まさか現実じゃないよね!?)| |~二階堂紅丸|驚いているみたいだね。&br;実は俺……魔界を仕切る魔王の息子なんだ。| |~〇×|うそ……。| |~二階堂紅丸|キミはそのドレスを着て、俺の花嫁になってくれるんだろ?| |~〇×|これはウェディングフェアの花嫁役で……!| |~二階堂紅丸|なんのことかな。招待客もこんなに大勢集まっているんだ。&br;今さら結婚を中止になんてできないよ。| |~悪魔たち|キーキー!&br;王子のケッコン、バンザーイ!| |~〇×|(えっ! さっきまで居た人たちが魔物に……!)| |~二階堂紅丸|こうなることは運命だったんだよ。&br;手の甲を見てごらん。| |~〇×|(手の甲? なにこれ……気味の悪いアザがある。&br;さっきまでなかったのに……!)| |~二階堂紅丸|その印は、悪魔の花嫁になる者が持っている証さ。&br;キミが花嫁になってくれないと……。| |~〇×|……どうなるんですか?| |~悪魔たち|運命の相手と結ばれなかった悪魔は、灰になって消えるんだキー!| |~〇×|ええっ!? そんな……!&br;止める方法はないんですか?| |~二階堂紅丸|子猫ちゃん……。&br;もちろん俺の側にいてくれるよね?| |~〇×|(悪魔の花嫁になるのは怖いけど、&br;紅丸さんが灰になってしまうのは嫌……! どうしよう……。)| |~二階堂紅丸|ふふ、どのみち悪魔に魅入られたが最後。&br;もう逃げだすことなんて不可能さ。| |~〇×|私が花嫁になれば、紅丸さんは灰にならずに済むんですよね?| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|……飲めばいいんですよね、これ。&br;い、いきますよ……う、苦っ!| |~二階堂紅丸|ハハハ……キミは本当にいい子だね!| |~〇×|どういう……意味――| |~〇×|(あ……だんだん頭がボーッとして……。)| |~二階堂紅丸|おっと……。| |~二階堂紅丸|これで……。&br;キミはもう一生……俺から離れられないよ。| |~二階堂紅丸|さぁマイ・プリンセス。&br;悪魔たちの祝福を受けながら、俺と永遠の愛を誓おう。| #endregion ----- **無人島ロマンス [#SR09] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(うう……どこを見ても真っ暗、&br;こんな肝試し怖すぎるよ……!)| |~〇×|あの、紅丸さん……。| |~二階堂紅丸|どうしたの、子猫ちゃん?| |~〇×|私たち確か、&br;包くんのご招待でリゾートに来たんですよね?| |~〇×|それがどうしてペア同士手錠で繋がれたまま、&br;無人島で肝試しをする羽目になったんでしょうか……。| |~二階堂紅丸|うーん。&br;でも夏だし、いいんじゃない?| |~〇×|(うーん、なんというか……。&br;さすが、余裕だなあ。)| |~〇×|きゃっ!そこ、何か動いてます!| |~二階堂紅丸|ん?&br;どうやら、ゾンビのお出ましみたいだね。| |~ゾンビ|ぐおおおおおお……っ!| |~〇×|きゃあああっ!!| |~二階堂紅丸|ハハッ。&br;×ちゃん、よく見て?&br;あれは人形だよ。| |~〇×|え?&br;あ、本当だ。&br;ふう、びっくりした……。| |~二階堂紅丸|おっと、待った。今度は本当に危ないみたいだ……| |~〇×|(うそいつの間にか足元に&br;巨大な穴が開いてるんですけど……!?)| |~二階堂紅丸|落とし穴か……すごい仕掛けだな。&br;あと一歩前に踏み出していたら、危なかったね。| |~二階堂紅丸|まぁ俺的には、×ちゃんを抱きしめる口実が出来て&br;ラッキーだったけどさ。| |~〇×|あっ!そ、その……すみません!| |~二階堂紅丸|おっと。| |~〇×|(うう、心臓がもたない……。&br;早くゴールしたい……!)| |~二階堂紅丸|あ、待って×ちゃん!&br;上になにかある!| |~〇×|(上って……バケツ!?)| |~〇×|わ……きゃあっ!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(うう……まさかバケツから水が落ちてくるなんて……。&br;ここだけリゾート仕様にしなくてもいいのに……。)| |~〇×|(というか、肝試しにも関係ないようなっ――&br;って、あれ?私、濡れてない……!)| |~二階堂紅丸|ふう。大丈夫だった?&br;×ちゃん。| |~〇×|紅丸さん……びしょ濡れじゃないですか!&br;もしかして私を庇って……。| |~〇×|いや、そんなことより、何か拭けるものを……!| |~二階堂紅丸|いや、暑いし、水を被るくらいでちょうどいいよ。&br;歩いていれば乾くだろうし。| |~二階堂紅丸|それより、×ちゃんは濡れなかった?| |~〇×|だ、大丈夫ですけど……。&br;ん……!?| |~二階堂紅丸|ふう……。&br;それにしても、まさか髪まで濡れるなんてね。| |~〇×|(うそでしょ……びしょ濡れになったことで&br;紅丸さんの色気が怖いくらい増してる!?)| |~二階堂紅丸|これが本当の、水も滴るいい男……なんて。&br;どう?| |~〇×|す、素敵です……。| |~〇×|(髪をかきあげるだけでそんなに様になるのは、&br;紅丸さん以外にはきっといないよね。)| |~二階堂紅丸|さ、冗談はこのくらいにして、そろそろゴールしようか。&br;大事な×ちゃんに、風邪を引かせたら大変だからね。| |~〇×|(こんな時なのに心配してくれるんだ……。&br;優しいな、紅丸さん。)| |~二階堂紅丸|ゴールはこっちのほうかな。| |~二階堂紅丸|プリンセスの手を取ってビーチをエスコートだなんて、&br;悪くない夜だ。| |~〇×|(頼もしいなあ、パートナーが紅丸さんでよかった。&br;くじ引きに感謝かも……。)| |~〇×|あの、紅丸さ……。| |~二階堂紅丸|しっ……静かに。| |~二階堂紅丸|波の音に交じって……モーターの音がする……。&br;少し先だ……あった、岩の影に!| |~〇×|な、なんですかあれ……?&br;……パイ投げマシン!?| |~二階堂紅丸|ハハッ!よくもまぁ次から次へと、&br;こんな仕掛けを思いつくなぁ~。| |~〇×|ふふっ。怖いというよりはイタズラって感じですけどね。| |~〇×|(あれ……私……気づいたら肝試しが怖くなくなってる?&br;これって紅丸さんのおかげかも。)| |~二階堂紅丸|俺の顔をみつめたりして、どうかした?| |~〇×|あ、いえ。&br;紅丸さんのおかげで、だんだん楽しくなってきたなって。| |~二階堂紅丸|それはよかった。エスコートのし甲斐があるよ。&br;せっかく二人で過ごす夜なんだ、楽しまなきゃ損だからね。| |~〇×|そう言ってくれて嬉しいですけど……。&br;あの、何かお礼をさせてもらえませんか?| |~二階堂紅丸|お礼か……なんでもいいの?| |~〇×|はい、私で叶えられることだったら……| |~二階堂紅丸|ふふ、だったら、キミのバカンスを俺に独り占めさせてくれる?| #endregion ----- **夢見Night [#SR10] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|雨……どんどん強くなってきますね。| |~〇×|(外出しているみなさんは、&br;出先で足止めされて、今日は帰れないっていうし……。)| |~〇×|紅丸さん、夕飯はどうしましょうか?| |~二階堂紅丸|こうなるかと思って、撮影の帰りに&br;イタリアンの店でディナーを買ってきたんだ。| |~〇×|えっ、そうだったんですか?| |~二階堂紅丸|ああ。馴染みの店がテイクアウトを始めていてね。&br;味は保証するよ。| |~二階堂紅丸|もちろんキミの料理が一番だけど、&br;こうして二人でゆっくりできるのもいいと思わない?| |~〇×|(紅丸さんがそんなふうに言ってくれるなんて嬉しいな……&br;いつも家事を頑張っていてよかったかも。)| |~二階堂紅丸|お礼はもう一個あってね。&br;……はい、これ。キミにプレゼント。| |~〇×|この包み……なんですか?| |~二階堂紅丸|開けてみるといいよ。| |~〇×|わあ、可愛いパジャマ!&br;肌触りもよくて、すごく着やすそう……| |~二階堂紅丸|人気のルームウエアブランドからの依頼で、&br;俺がデザインした限定品さ。| |~二階堂紅丸|しかもこれは世界に二着しかない、&br;スペシャルエディションなんだ。| |~〇×|(スペシャルエディション……? なんだかすごそう。)| |~〇×|世界に二着って、あともう一着は……?| |~二階堂紅丸|もちろん、この俺の分さ。| |~〇×|(えっ、紅丸さんとお揃い!?)| |~二階堂紅丸|そうだ……せっかく二人きりだし、&br;今夜はこのパジャマを着て、パジャマパーティーといこうか?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|ん~、美味しい!&br;あんなにあったのに、全部食べちゃいましたね……。| |~二階堂紅丸|はは。気に入って貰えたようでなによりだよ。| |~〇×|あ、もうこんな時間……。明日もお仕事なんですよね?&br;遅くまで付き合わせてしまってすみません。| |~二階堂紅丸|子猫ちゃんがそんなこと気にしなくていいんだよ。&br;それに、誘ったのは俺なんだからね?| |~〇×|(それにしても……。&br;どんな服装をしていても、紅丸さんはかっこいいなあ。)| |~二階堂紅丸|ん、どうしたの? じっと俺のことを見て。&br;もしかして、惚れ直した?| |~〇×|もう……。違います。&br;そのパジャマ、とってもよく似合ってるなあと思って。| |~二階堂紅丸|キミこそ、よく似合っているよ。キミが着ることで&br;デザインの愛らしさが、更に引き立つね。| |~〇×|ふふ、それは褒め過ぎですよ。| |~〇×|(……ん、なんだか、&br;お腹いっぱいになったせいか眠くなってきたな……。)| |~二階堂紅丸|デザートのお代わりはどうだい?&br;それともシャンパンでも……。| |~〇×|……ん、そうですね……。| |~二階堂紅丸|って、あれ? 眠そうだな。| |~〇×|すみません……なんだかお腹いっぱいになったら眠く……。| |~二階堂紅丸|夜はまだまだこれからだってのに……困ったお姫様だ。| |~二階堂紅丸|けど、眠っちゃって風邪を引かせたらいけないな。&br;よし、部屋まで運んであげるよ。| |~二階堂紅丸|よいしょ、っと……。| |~〇×|(ん……私、紅丸さんに運ばれて……?)| |~二階堂紅丸|さあ、子猫ちゃん。ベッドまで運んであげるから、&br;そのまま、眠ってしまってもいいんだよ。| |~〇×|(紅丸さんの腕の中、なんだか安心して……&br;すごく眠く……。)| |~二階堂紅丸|安心しきっている寝顔はとても可愛いけど……。&br;他の男にそんな顔は見せないでくれよ?| |~二階堂紅丸|……おやすみ、俺のプリンセス。&br;パーティーの続きは夢の中で……ね。| #endregion ----- **ハロウィン [#SR11] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(今日はハロウィン。町内会のイベントで、&br;子供たちがお菓子をもらいにくる日なんだよね。)| |~〇×|(そろそろ準備しようかな……。)| |~二階堂紅丸|ハッピーハロウィン、×ちゃん!| |~〇×|あれっ、紅丸さん!?&br;その格好ってもしかして……?| |~二階堂紅丸|セクシーヴァンパイアさ。&br;どうだい、俺の仮装は。| |~二階堂紅丸|自分で言うのもなんだけど、&br;似合ってるだろ?| |~〇×|はい!&br;すごく素敵です。| |~二階堂紅丸|キミのそんな笑顔が見られるなんて。馴染みのブランドで&br;オーダーした甲斐があったよ。| |~〇×|オーダーメイド……。&br;さすが紅丸さん、本格的です……..。| |~二階堂紅丸|まあね。それより、子供たちにお菓子を配るんだって?&br;俺も手伝うよ。| |~〇×|ありがとうございます。&br;助かります!| |~二階堂紅丸|じゃ、×ちゃんもこれに着替えて。&br;はい、どうぞ。| |~〇×|えっ?| |~二階堂紅丸|キミの分の衣装も用意したんだ。&br;俺とお揃いのヴァンパイアさ。| |~〇×|……わぁ、すごく可愛いですね!| |~二階堂紅丸|着替えるのに手伝いが必要だったら呼んでね。| |~〇×|だ、大丈夫です!&br;部屋で着替えてきますね……!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|お菓子配り、楽しかったですね。| |~二階堂紅丸|ああ。子供たちも大喜びしてたな。&br;大盛況でよかったよ。| |~〇×|ふふっ。&br;きっと、紅丸さんの仮装のおかげですよ。| |~〇×|子供たちも、&br;本物のヴァンパイアみたいだって驚いてましたし。| |~二階堂紅丸|そうかい……?| |~〇×|(わ、じっと見つめられるとドキドキしちゃう。&br;やっぱり紅丸さんって、かっこいいなあ。)| |~〇×|そ、そういえば……喉、乾きませんか?&br;お茶でも入れてきま――| |~二階堂紅丸|…….待った。| |~〇×|(わっ……!?な、なに!?)| |~二階堂紅丸|お茶よりキミの血が欲しい……。| |~二階堂紅丸|今すぐこのきれいな首筋に牙を立てて、&br;乾いた喉を潤したい……。| |~〇×|……っ!&br;また私を、からかってるんですか……?| |~二階堂紅丸|いたずらと、お菓子のように甘いひと時、&br;キミはどっちが欲しい?| |~二階堂紅丸|さあ早く選んで。&br;甘い香りがするレディ……。| |~〇×|(甘い香り……?&br;あ、そうだこれ!)| |~〇×|さっき子供たちから、&br;お礼にってクッキーをもらったんです。| |~〇×|甘い香りってもしかしたらこれだったのかも……。&br;よかったら紅丸さんも……どうぞ!| |~〇×|そ、それじゃ、お茶を入れてきますね!| |~二階堂紅丸|あ……×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|ははっ。まさかヴァンパイアが、&br;クッキーで撃退されるとはね。| |~二階堂紅丸|まったく、可愛い小悪魔ちゃん。&br;キミにはやられっぱなしだよ。| #endregion ----- **プールサイドに佇んで [#SR012] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|わぁ……すごい!| |~〇×|(紅丸さんと夏らしいことをしようって話になって、&br;近所のプールへ遊びに来たけど……。)| |~〇×|(こんなに豪華だったなんて知らなかったな。)| |~二階堂紅丸|せっかく×ちゃんと泳げるんだから、&br;俺は海外のビーチリゾートを貸し切っても良かったんだけどね。| |~〇×|海外!?お休みは今日だけなのに、&br;帰って来られなくなっちゃいますよ……!| |~二階堂紅丸|はは、確かにそうか。&br;じゃあ次の機会に。| |~二階堂紅丸|それにしても……いろんな種類のプールがあるね。&br;×ちゃん、まずは何して遊ぼうか?| |①|>|CENTER:~流れるプールに行きたいです| |~|~〇×|あそこの流れるプールなんてどうですか?&br;園内を一周できるみたいですし、楽しそうですよ!| |~|~二階堂紅丸|そうだね。さっそく行ってみよう。| |②|>|CENTER:~泳いで遊びたいです| |~|~〇×|ウォータースライダーとかも楽しそうですけど……。&br;せっかくだから、まずは紅丸さんと泳ぎたいです!| |~|~二階堂紅丸|じゃあ、流れるプールにでも行ってみようか。| |~〇×|あ……そうだ!| |~〇×|紅丸さん、プールへ入る前に&br;浮き輪を借りに行ってきてもいいですか?| |~〇×|深くないので大丈夫だとは思うんですが、&br;一応持っておくに越したことはないかなと思って……。| |~二階堂紅丸|オーケー。それなら俺は、&br;ウォーミングアップでもしながら待つことにするよ。| |~〇×|ありがとうございます。すぐ戻って来ますね。| |~〇×|(浮き輪、借りられなくて残念だったな……。)| |~〇×|(紅丸さん、もうプールで泳いでるかな?)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、こっちだよ。| |~〇×|あっ、紅丸さん!お待たせしました。| |~女性A|残念!あのお兄さん、女の子連れだったよ。| |~女性B|イケメンだしやっぱりね~。解散解散!| |~〇×|(プールサイドの紅丸さん、絵になるな……。)| |~〇×|(他の人たちが噂したくなっちゃう気持ちもわかるかも。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、手ぶらで戻って来てどうしたの?&br;浮き輪を借りに来るって言ってたよね?| |~〇×|それが……あと一つしか残ってなかったんです。| |~〇×|ちょうど小さい女の子が借りに来てたから、&br;その子に譲っちゃって……。| |~二階堂紅丸|そうだったんだね。&br;じゃあ……×ちゃんは、こっち。| |~〇×|えっ!?| |~〇×|(私……どうして紅丸さんに抱きしめられてるの!?)| |~二階堂紅丸|俺にしっかりかまってて。行くよ!| |~〇×|きゃあっ!?| |~〇×|び、びっくりした……!| |~二階堂紅丸|ハハッ。&br;でも、俺につかまっていれば、溺れる心配なんてないだろう?| |~〇×|確かにそうかもしれませんけど……。| |~〇×|(ただでさえ水着なのに、&br;密着してるのは恥ずかしい……!)| |~二階堂紅丸|それにね、本当はちょっと思ってたんだ。&br;浮き輪じゃなくて俺を頼って欲しいって。| |~二階堂紅丸|キミを守るために日々鍛えているんだ。&br;だから×ちゃんは、遠慮なく俺を頼ってくれていいんだよ?| |~〇×|あ、ありがとうございます。| |~〇×|(そっか。&br;紅丸さん、真剣に私のことを気遣ってくれてたんだ……。)| |~〇×|(ドキドキしちゃうけど、やっぱり頼もしいな。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|流れるプールも、ウォータースライダーも&br;楽しかったですね!| |~二階堂紅丸|ああ。子猫ちゃんは案外スリリングなものが&br;お好みみたいだね。| |~〇×|得意ってほどではないんですけど……。&br;紅丸さんと一緒になら、安心かなって。| |~二階堂紅丸|ふふ、それなら良かった。| |~〇×|(あっ、あんなところに、飛び込み台がある!)| |~〇×|(あの高さから飛び込むなんて、&br;すごく勇気がいりそうだな……。)| |~二階堂紅丸|ん?どうしたんだい?&br;天井なんか見上げて。| |~二階堂紅丸|――ああ、飛び込み台があるね。&br;あの高さだと……10メートルってとこかな。| |~〇×|飛込競技って、あんなに高い場所から飛び込むんですね。&br;生で見たらすごい迫力なんだろうなぁ……!| |~二階堂紅丸|じゃあ、飛んでみようか?| |~〇×|え?| |~二階堂紅丸|×ちゃんのお望みとあらばお安いご用さ。&br;そこでちょっと待ってて。| |~〇×|あっ、紅丸さん!?| |~〇×|(行っちゃったけど……。&br;まさか本当に飛び込むつもりなの!?)| |~女性C|見て見て!飛び込み台に人が立ってる!| |~〇×|(あっ、紅丸さんだ!)| |~女性D|ほんとだ!しかもすごいイケメンじゃない!?| |~〇×|(ギャラリーが集まって来てる……。)| |~〇×|(紅丸さんなら大丈夫だと思うけど、&br;あの高さから飛ぶなんて……どうしよう、緊張しちゃう!)| |~〇×|あっ、飛んだ……!| |~男性|すげえ……なんだ、今の!?| |~〇×|(今の……紅丸さんなんだよね!?)| |~〇×|(すごいもの見ちゃった……!)| |~二階堂紅丸|やあ、ただいま。| |~〇×|おかえりなさい!&br;紅丸さんにあんな特技があるなんて知りませんでした。| |~二階堂紅丸|高跳び込みは、着水までの技の美しさを競うのさ。&br;美を追求する俺にはぴったりの競技だと思わないかい?| |①|>|CENTER:~ドキドキしました| |~|~〇×|確かに……紅丸さんの無駄のない飛び込みフォーム&br;見ててドキドキしました。| |~|~二階堂紅丸|だろう?キミを夢中にさせられたのなら&br;大成功だね。| |②|>|CENTER:~その通りだと思います!| |~|~〇×|その通りだと思います!| |~|~〇×|飛び込む一瞬がゆっくり見えるくらい、&br;魅入ってしまいました。| |~|~二階堂紅丸|はは、×ちゃんにそう言ってもらえるなら&br;飛んだ甲斐があったね。| |~二階堂紅丸|とは言え、今日はせっかくのデートだからね。&br;この後は2人でのんびり過ごそうか。| |~〇×|ふふ、そうですね。| |~〇×|(紅丸さんの意外な一面……。&br;これからも、たくさん知っていけたら嬉しいな。)| #endregion //---------- ''スペシャル'' #region(ネタバレ注意) Episode:おうちデート ~二階堂紅丸編~ |~〇×|(今日は紅丸さんと&br;道場でのんびり過ごそうって話してだけど……。)| |~二階堂紅丸|すー、すー……。| |~〇×|(紅丸さん、眠っちゃってる……。&br;昨日は練習試合だったし、きっと疲れてたんだろうな。)| |~〇×|(そうだ!紅丸さんが起きるまで、&br;甘いものでも作って待ってようっと。)| |~〇×|焼き加減はこのくらいかな。&br;裏面もひっくり返して……っと。| |~二階堂紅丸|×ちゃん。| |~〇×|きゃっ!?紅丸さん!?| |~〇×|突然抱きつかれたら、その……びっくりしちゃいます!| |~二階堂紅丸|ごめんごめん。&br;可愛い背中を見つけたらつい、ね。| |~二階堂紅丸|それに、今日はキミと2人きりで過ごそうって決めてたのに……。&br;すっかり眠ってしまって悪かったね。| |~〇×|紅丸さんもお疲れだったんだと思います。&br;ちょうどおやつの用意をしてたところですし、大丈夫ですよ。| |~二階堂紅丸|ああ、サンキュー。&br;キミが焼いているのはパンケーキかな?| |~〇×|はい!今日は新しいレシピに挑戦してみました。| |~二階堂紅丸|へえ、美味しそうだ。| |~二階堂紅丸|じゃあ、俺はキミのスイーツにぴったりな&br;コーヒーを淹れるとしようか。| |~〇×|ありがとうございます!| |~〇×|(最近はお互いバタバタしてたから……。&br;久しぶりに、オフの日が過ごせて嬉しいな。)| |~〇×|お待たせしました!&br;こっちが紅丸さんの分のパンケーキです。| |~二階堂紅丸|サンキュー。へぇ、デコレーションもしてくれたんだね。&br;美しいよ。| |~二階堂紅丸|それじゃあ×ちゃん、&br;さっそくいただこうか。| |~〇×|はい!いただきます――| |~〇×|(あれ?紅丸さん、こっちをじっと見て……。&br;どうしたんだろう?)| |~〇×|えっと……どうかしましたか?| |~二階堂紅丸|ん?こういう時は、&br;キミが食べさせてくれるんだろ?| |~〇×|ええっ!?それは恥ずかしすぎます……!| |~二階堂紅丸|ふふ、照れちゃって可愛いね。| |~二階堂紅丸|でも……キミが愛情の魔法をかけてくれたら、&br;もっと美味しくなると思うんだけどな?| |~〇×|(うう、そんな期待に満ちた目で見られたら断れない……!)| |~〇×|じゃあ……一口だけ、ですよ?| |~二階堂紅丸|ふふ、キミならそう言ってくれると思ったよ。| |~〇×|じゃあ、紅丸さん、あーんしてください。| |~二階堂紅丸|あーん。&br;……うん、美味しい。| |~二階堂紅丸|やっぱり×ちゃんの作るスイーツは、&br;世界で一番だね。| |~〇×|ふふ、お口に合ったみたいで良かったです。| |~二階堂紅丸|じゃあ。×ちゃんもどうぞ。| |~〇×|(ん?フォークが差し出された、ってことは……。)| |~〇×|ええっ!私もやるんですか!?| |~二階堂紅丸|もちろん。キミにこんなことができるのは&br;俺の特権だろ?| |~〇×|(うう、される方も恥ずかしい……。)| |~〇×|じゃあ、あーん……あっ。| |~二階堂紅丸|はは、頬にクリームが付いちゃったね。&br;俺が取ってあげるから、じっとしてて。| |~二階堂紅丸|――はい、取れた。| |~〇×|あ、ありがとうございます。って――| |~〇×|(紅丸さん……今、クリーム舐めたよね!?)| |~二階堂紅丸|どうしたの?×ちゃん。顔が真っ赤だよ?| |~〇×|な、なんでもないです!| |~〇×|(相変わらず紅丸さんには&br;ドキドキさせられてばっかり……。)| |~〇×|(だけど、たまにはこうやってのんびりすることが、&br;紅丸さんにとってもいい息抜きになったら嬉しいな。)| #endregion ----- **Starlight Journey [#SR13] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|撮影を終えた次の日――| |~二階堂紅丸|この辺りでどう?&br;海もよく見えるし、休憩するにはよさそうだ。| |~〇×|うわぁ、素敵な眺め……。&br;じゃあここでさっき買ったフラッペコーヒーを――| |~二階堂紅丸|フフッ、ずっと楽しみにしてたからね。| |~〇×|だって街行く人たち、みなさん飲んでいたので気になって。&br;紅丸さんだって、気になってるんじゃないですか?| |~二階堂紅丸|もちろん気になってるさ。&br;ほら、×ちゃんの分。| |~〇×|ありがとうございます。いただきます!| |~二階堂紅丸|お味はどうだい?| |~〇×|甘くて美味しい……これは毎日でも飲めちゃう味ですね。| |~二階堂紅丸|簡単に作れそうだったし、日本に戻ったら一緒に作ろうか。| |①|>|CENTER:~みなさんのために作る| |~|~〇×|いいですね!&br;そうしたら他のみなさんにも味わわせてあげられます。| |~|~二階堂紅丸|……そうだな。きっとあいつらも喜ぶ。| |~|~二階堂紅丸|でも、真っ先に思い浮かぶのが俺じゃなくて他の男なのは&br;ちょっと複雑だぜ。| |~|~〇×|あ……ごめんなさい……。| |~|~二階堂紅丸|ははっ、悪い子猫ちゃんだ。| |②|>|CENTER:~紅丸のために作る| |~|~〇×|そうしたらまた今日の事を一緒に思い出せますね。| |~|~二階堂紅丸|だったら思い出に残るような事をもっとたくさんしないとな。| |~|~〇×|ふふっ、もう十分楽しい思い出をもらってますよ。| |~|~二階堂紅丸|俺はまだまだ足りないね。&br;キミでいっぱいになりたいんだから。| |~〇×|……あれ、これ……鐘の音?&br;どこから聞こえてくるんだろう。| |~二階堂紅丸|ああ、そういえば近くに教会があったな。&br;もしかしたら結婚式でもしているのかもしれないね。| |~〇×|結婚式!&br;いいな~、こんな素敵な場所で式を挙げるなんて憧れちゃいます。| |~二階堂紅丸|ふふっ、×ちゃんが望むなら、&br;しかるべきときにまた連れてきてあげるよ。| |~〇×|しかるべきとき……?| |~二階堂紅丸|……さて、×ちゃん。足は疲れてないかい?| |~〇×|はい。まだまだ全然平気です。| |~二階堂紅丸|だったらコーヒーも飲み終わったし、少し歩こうか。| |~二階堂紅丸|一緒に行きたいところがあるんだ。| |~〇×|どこに行くんですか?| |~二階堂紅丸|それは着いてからのお楽しみ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|綺麗な花のアーチ……これは――| |~二階堂紅丸|ウエディングアーチっていうんだ。| |~二階堂紅丸|有名なフォトスポットで、&br;ここで写真を撮るのが恋人たちのお決まりになってるらしい。| |~〇×|……本当ですね、なんだか幸せそうなカップルばかり&br;写真を撮ってる。| |~二階堂紅丸|ここで×ちゃんと写真を撮りたかったんだ。| |~二階堂紅丸|近くにカメラマンがいると思うから声を掛けてくる。&br;少し待っててくれるかい?| |~〇×|はい、わかりました。| |~二階堂紅丸|俺以外の男に目移りしちゃダメだぜ?| |~〇×|(いよいよ次は私たちの撮影の番……なんだか緊張してきた。)| |~二階堂紅丸|……表情が硬いな。&br;もしかして緊張してる?| |~〇×|はい、少し……。| |~〇×|あんなにちゃんとしたカメラで撮ってもらう機会なんて&br;ほとんどないですから。| |~二階堂紅丸|じゃあそんなキミに、とっておきのおまじないを教えてあげよう。| |~〇×|おまじない、ですか?| |~二階堂紅丸|ああ。カメラの事なんてあっという間に気にならなくなる。| |~〇×|是非教えてください……!| |~二階堂紅丸|じゃあまずは――| |~〇×|……?あの、どうして私の後ろに回るんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、ダメだぜ×ちゃん。&br;俺が見えなくて寂しいかもしれないけど、前を向いててくれ。| |~〇×|わかりました……。| |~〇×|(いったいどんなおまじないなんだろう……?)| |~二階堂紅丸|少し首が冷たいかもしれないけど――| |~〇×|ひゃっ……!え、これって――| |~二階堂紅丸|ブルーダイヤモンドのネックレスさ。&br;今日ここで×ちゃんに渡そうって前から決めてたんだ。| |~二階堂紅丸|今日こうしてこの場に立てる記念に。&br;そして、キミの幸せを願って。| |~〇×|私の、幸せ……?| |~二階堂紅丸|×ちゃんはサムシングフォーって知ってる?| |~〇×|いえ……。| |~二階堂紅丸|結婚式で花嫁が身に着けると幸せになれると言われる&br;4つのものさ。| |~二階堂紅丸|サムシングブルー、何か青いものを身に着ける。&br;サムシングボロウ、何か借りたものを身に着ける。| |~二階堂紅丸|サムシングオールド、何か古い、歴史のあるものを身に着ける。&br;サムシングニュー、何か新しいものを身に着ける。| |~二階堂紅丸|その中のサムシングブルーとして、このネックレスを&br;贈りたかったってわけだ。| |~二階堂紅丸|俺はね×ちゃん。本気でキミとの将来を考えてる。| |~二階堂紅丸|色んなことが落ち着いて、俺とキミの準備が整ったら&br;今度は同じ石がついた指輪を贈ろう。| |~二階堂紅丸|そのときは、この手を取って頷いて。| |~二階堂紅丸|ずっと俺だけのものでいると、約束してほしい。| |~〇×|紅丸さん……。| |~〇×|私、嬉しいです……嬉しいのに、言葉が出てこない……。| |~〇×|そんな言葉をもらえるなんて思ってなかったから……。| |~二階堂紅丸|うん。俺のことで頭がいっぱいって顔してる。&br;可愛いな。| |~二階堂紅丸|……カメラ、気にしてる場合じゃなくなったろ?| |~〇×|はい。| |~二階堂紅丸|じゃあ一緒に笑おう。&br;今俺たちはきっと世界で1番幸せ者の顔をしてる。| |~二階堂紅丸|そんな最高な瞬間、カメラに収めないなんてもったいない。| |~〇×|でも、私――| |~二階堂紅丸|しー……。今は、いいよ。| |~二階堂紅丸|キミからの愛の言葉は、あとでゆっくりもらうから。| #endregion ----- **1stアニバーサリー [#SR14] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(今日は一日お休みをいただいたけど……。&br;何をして過ごそうかな?)| |~〇×|(特に出かける用事もないし、普段できない家事を &br;済ませることにしよう。)| |~二階堂紅丸|やあ、×ちゃん。| |~〇×|あっ、紅丸さん!| |~〇×|確か紅丸さんも、今日はお休みだって &br;話してましたよね。| |~二階堂紅丸|ああ。×ちゃんをエスコートするために、&br;休日を合わせておいたのさ。| |~〇×|えっ!? エスコート、ですか?| |~二階堂紅丸|ふふ、頑張り屋さんの子猫ちゃんのことだ。| |~二階堂紅丸|道場にいたら、溜まった家事を片付けるなんて&br;言い出しかねないと思ってね。| |~〇×|(うっ……図星……!)| |~〇×|さすが紅丸さん、なんでもお見通しですね……。| |~二階堂紅丸|はは。&br;ということで、さっそく出かけようか!| |~二階堂紅丸|今日は×ちゃんに、&br;とっておきのヒーリングスポットを紹介するよ。| |~〇×|でも、紅丸さんだってせっかくの休日なのに、&br;いいんですか?| |~二階堂紅丸|心配は無用さ! 今日はふたりで &br;のんびりできる場所を押さえておいたからね。| |~〇×|(紅丸さん、張り切ってるように見えるけど……。&br;どこに連れて行ってくれるんだろう?)| |~二階堂紅丸|さあ、着いたよ! ×ちゃん。| |~〇×|えっと……ここって、ホテルですよね?| |~〇×|(なんだかすごくラグジュアリーな雰囲気……。&br;映画のセットに出てきそう。)| |~二階堂紅丸|ああ、でもね。ホテルは何も&br;宿泊するために存在する訳じゃない……。| |~二階堂紅丸|日々の疲れを癒やすには、絶好の &br;リラクゼーションスポットでもあるんだ。| |~二階堂紅丸|だから、楽しみにしてて。| |~〇×|は、はい……!| |~〇×|(ちょっとびっくりしちゃったけど……。&br;紅丸さんが勧めてくれてるんだし、間違いはないよね。)| |~〇×|(私も思い切って、のんびり過ごしてみようっと!)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(温泉なんて久しぶりだったから、つい長湯しちゃった。&br;ヘッドスパやフットケアも気持ちよかったな……。)| |~二階堂紅丸|おかえり、×ちゃん。| |~〇×|紅丸さん! お待たせしてしまってすみません。| |~二階堂紅丸|大丈夫だよ。 俺もさっき戻って来たところだから。| |~二階堂紅丸|ふふ……その顔を見るに、&br;リラックスできたみたいだね。| |~〇×|はい! ホテルに着いた時よりも、&br;身体が軽くなったような気がします。| |~二階堂紅丸|それならよかった。&br;キミにもたまには、自分を労って欲しいと思ってたから。| |~〇×|ふふ、ありがとうございま| |~〇×|(しまった、気を抜いたらお腹が……!!)| |~二階堂紅丸|はは、お腹が空いちゃったかな?| |~〇×|すみません、つい……。| |~二階堂紅丸|謝らないで。キミが俺に &br;気を許してくれてるって思うと嬉しいよ。| |~二階堂紅丸|次はとっておきのランチに案内するから、&br;おいで。| |~ウェイター|お待たせいたしました。&br;季節のベジタブルプレートでございます。| |~〇×|わぁ! 色鮮やかで美味しそうですね。| |~二階堂紅丸|今日は存分に癒されてもらおうと思って、&br;デトックスランチにしてみたよ。| |~〇×|ありがとうございます!&br;紅丸さんはよく食べるんですか?| |~二階堂紅丸|まあね。ファイターたるもの、外見ばかりじゃなくて &br;内面の美しさも追求していかなくちゃならないから。| |~〇×|(見た目だけじゃなくて、内側のケアも欠かさない……。&br;さすが紅丸さんだなあ。)| |~二階堂紅丸|うーん。でも……。| |~〇×|紅丸さん?| |~二階堂紅丸|もし、×ちゃんがもっときれいになったら……。&br;俺は今以上に、キミに夢中になってしまうね。| |~二階堂紅丸|それこそ、道場での稽古に &br;身が入らなくなってしまうほどに……。| |~〇×|ええっ! そ、それは……困ります……!| |~二階堂紅丸|はは、冗談だよ。| |~二階堂紅丸|引き止めてごめんね。&br;ほら、冷めないうちに食べて。| |~〇×|は、はい! いただきます。| |~〇×|(たまにドキッとさせられちゃうけど……。&br;紅丸さんはいつも気遣ってくれて、優しい……。)| |~〇×|(リラックスもデトックスもできて癒されたし、&br;紅丸さんとも過ごせて、すごく贅沢な休日だな……。)| #endregion ----- **新年'21 [#SR15] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|夕刻。飛行場にて――| |~〇×|紅丸さん。&br;こんな時間から飛行機に乗って、どこへ行くんですか?| |~二階堂紅丸|それは乗ってからのお楽しみだよ。&br;キミのために、とっておきのプランを用意したんだ。| |~二階堂紅丸|二階堂家のプライベートジェットで、大空へご案内するよ。&br;さぁ、お手をどうぞ……俺の可愛い子猫ちゃん。| |~〇×|この飛行機に私たちふたりだけで乗るのって、&br;初めてですよね……。| |~二階堂紅丸|そうだね。年越しからずっとキミに会えなかったから、&br;ふたりきりの時間を満喫したいんだ。| |~〇×|ご実家での年越しパーティー、いかがでしたか?| |~二階堂紅丸|まあ、相変わらず言うか……。&br;パーティーって言っても、親戚の集まりのようなものだったんだ。| |~二階堂紅丸|急に実家から呼び出しがかかって、何事かと思って行ってみれば、&br;お酒飲んで近況報告して終わり。| |~二階堂紅丸|もちろん、家族も大切だけど……俺は×ちゃん特製の&br;年越しそばとおせち料理も食べたかったなぁ。| |~〇×|おそばとおせちなら、まだ少し残ってますよ。&br;道場に戻ったら一緒に食べましょうか。| |~二階堂紅丸|それは楽しみだな。ありがとう、×ちゃん。| |~二階堂紅丸|さて、そろそろかな……。&br;×ちゃん、窓から外を覗いてごらん。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|わぁ、きれいな夕焼け……!| |~二階堂紅丸|初日の出を一緒に見られなかったから、&br;せめてサンセットくらいは……と思って。| |~二階堂紅丸|上空から見る日の入も、なかなかのものだろ?| |~〇×|はい!&br;こんな素敵な光景をふたり占めするなんて、なんだか贅沢ですね。| |~二階堂紅丸|喜んでもらえてよかった。&br;もう少し経つと、日が沈んで星が見えるようになるよ。| |~二階堂紅丸|とてもロマンチックだから、楽しみにしていてね。| |~〇×|星がたくさん瞬いてる……。| |~〇×|私、今日は感動で胸がいっぱいです。&br;紅丸さん、ありがとうございました。| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|あの……?| |~二階堂紅丸|……ごめん。ちょっと考えごとしてたんだ。&br;まだキミを帰したくないな……って。| |~二階堂紅丸|×ちゃん、こっちへおいで。| |~〇×|あ……。| |~二階堂紅丸|このままキミをさらって、どこまでも飛んでいきたいな。&br;×ちゃんの温もりを感じながら、ずっと星を眺めていたい。| |~二階堂紅丸|一緒にサンライズも見たいから、&br;いっそ、朝が来るまで大空デートを続けようか……?| #endregion ----- **素敵なプレゼント [#SR16] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|チョコレート販売会場| |~お客さん|すごい……! まさかチョコレートに&br;デコレーションまでしてくれるなんて……!| |~お客さん|紅丸様のおかげで、素敵なプレゼントになりました。&br;ありがとうございます!| |~二階堂紅丸|サンキュー。でも、それはキミが選んだトッピングが&br;可愛くて素敵だったからだよ。| |~二階堂紅丸|とてもエクセレントな出来映えだね。&br;そのチョコを受け取る相手がうらやましいくらいだ。| |~お客さん|そ、そうですか……?| |~お客さん|……あの! そうしたら、そこの高級ブランドのチョコも&br;買いますので、良ければもらっていただけますか……?| |~二階堂紅丸|俺にかい? キミは天使みたいに優しいんだね。&br;麗しきレディからのプレゼントは、いつだって募集中さ。| |~お客さん|きゃあーっ!| |~草薙京|マジかよ、またラッピングの仕事が増えやがった……。| |~〇×|紅丸さん効果なのか、本当にすごい人ですね。&br;列の終わりが見えませんし……。| |~二階堂紅丸|そうだね。&br;ありがたいことだけど……ん?| |~二階堂紅丸|失礼。小さなレディが、ここに来るのに手間取ってるみたいだ。&br;ちょっと迎えに行ってくるよ。| |~〇×|え、紅丸さん?| |~草薙京|小さなレディって……子供か?&br;そんなのどこにいるんだよ。| |~〇×|あっ、いました。あそこです……!| |~〇×|(この人混みの中で、小さな女の子が困ってるのを&br;見つけるなんて、やっぱり紅丸さんはすごいな……。)| |~二階堂紅丸|はい、着いた。&br;チョコレート売り場はここだよ、小さなレディ。| |~女の子|ありがとう、お兄ちゃん!| |~二階堂紅丸|それで今日は、どんなチョコを買いに来たんだい?&br;誰かへのプレゼントかな?| |~女の子|えっとね……お母さん!| |~女の子|お母さん、毎日お仕事頑張ってくれてるの。&br;だからね、お礼にチョコをあげようと思って……。| |~女の子|私がチョコをあげたら、喜んでくれるかな?| |~二階堂紅丸|もちろん!&br;お母さん、きっとすごく喜んでくれると思うよ。| |~女の子|ホント? そしたらね……お母さんはイチゴが好きだから&br;赤いチョコがいいな。| |~二階堂紅丸|そっか、なるほど。……んー、ルビーチョコならあるんだけど&br;イチゴ味とはちょっと違うんだよね。| |~二階堂紅丸|それなら……こっちの、中にイチゴが入ってるチョコケーキは&br;どうかな? 上にいっぱいイチゴを乗せられるよ。| |~女の子|うん、それにする!&br;ありがとう、お兄ちゃん!| |~〇×|……。| |~二階堂紅丸|ん? どうしたの、×ちゃん。&br;そんなにニコニコして。| |~〇×|いえ……紅丸さんって、やっぱり人を笑顔にする&br;天才なんだなって思って。| |~〇×|きっとその子のお母さんも、すごく喜んでくれると思います。| |~二階堂紅丸|……そうかい? ありがとう。&br;×ちゃんにそう言ってもらえるなんて嬉しいな。| |~二階堂紅丸|そういう×ちゃんは、俺を幸せにする天才だね。| |~〇×|え、いや、そんなことないですよ……!| |~草薙京|おーい、お前ら。&br;おしゃべりしてる暇があるなら、ラッピング手伝ってくれよ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|イベントからの帰り道――| |~〇×|(今日は大変だったけど、すごく充実した一日だったな。)| |~二階堂紅丸|ご機嫌だね、×ちゃん。&br;チョコレートが完売したからかな?| |~〇×|はい、完売も嬉しいんですけど……チョコレートを買った&br;お客さんが、みなさん幸せそうだったのを思い出して。| |~二階堂紅丸|そうだね……。みんな、このイルミネーションの下を&br;笑顔で歩いていた……。| |~二階堂紅丸|なんだか見ているこっちまで、&br;幸せな気分になってしまったよ。| |~〇×|はい、私もです。| |~〇×|(あとは……私が紅丸さんのために作ったチョコレートを&br;いつ渡すかなんだけど……。)| |~〇×|(日中は忙しくてタイミングがなかったし、渡すなら今だよね。&br;……よし!)| |~二人|あの――| |~二人|……!| |~二階堂紅丸|おっと、被っちゃったね。&br;×ちゃんからでいいよ。| |①|>|CENTER:~紅丸さんからどうぞ| |~|~〇×|いえ、紅丸さんからで大丈夫です。| |~|~二階堂紅丸|いや、×ちゃんからで大丈夫だよ。| |~|~〇×|いえいえ、そんな。| |~|~〇×|…………。| |~|~二人|……ふふっ。| |~|~二階堂紅丸|なら、せーので一緒に言おうか。| |~|~〇×|わかりました。| |②|>|CENTER:~それじゃあ、一緒に言いませんか?| |~|~〇×|それじゃあ、一緒にいませんか?| |~|~二階堂紅丸|なるほど、それもそうだね。| |~二階堂紅丸|じゃあ、いくよ。せーのー| |~二人|ハッピーバレンタイン!| |~〇×|あ……。| |~二階堂紅丸|……くすっ。| |~二階堂紅丸|どうやら、ふたりで同じことを考えていたみたいだね。| |~〇×|そうみたいですね。| |~二階堂紅丸|ありがとう。……×ちゃんからのチョコレート&br;大切に食べさせてもらうよ。| |~〇×|こちらこそ、ありがとうございます。&br;紅丸さんのチョコレート、とっても嬉しいです。| |~二階堂紅丸|……こっちにおいで、×ちゃん。&br;抱きしめてあげる。| |~二階堂紅丸|ああ……、愛おしいな。&br;本当にキミは俺を幸せにしてくれるね……。| |~二階堂紅丸|大好きだよ、×ちゃん。&br;これからもずっと一緒にいようね。| #endregion ----- &aname(top){上へ戻る}; ページの更新 ビジュアル編集モードに切り替える &aname(top); #contents *SSR [#SSR_story] **触れる距離 [#SSR01] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ある日の夜――| |~〇×(主人公)|着替えよし、シャンプーにトリートメントよし……。&br;ちゃんとタオルも持ったから大丈夫っと。| |~〇×|(銭湯に行くの久しぶりだなぁ。今日の仕事は&br;ハードだったし、めいっぱいリラックスして来よう。)| |~〇×|じゃあ、いってきます。| |~草薙京|ああ、気を付けてな。| |~〇×|(家のお風呂もいいけど、大きいお風呂って&br;のんびりできて、何だか癒されるよね。)| |~〇×|ふふっ、楽しみ。| |~二階堂紅丸|そこにいるのは×ちゃんじゃないか。| |~|そんな荷物を持ってどこかにお出掛けかい?| |~〇×|あ、紅丸さん。| |~〇×|今日はいつも以上に仕事を頑張ったので、&br;疲れを癒しに銭湯へ行こうと思って。| |~二階堂紅丸|銭湯に?| |~〇×|はい、大きなお風呂ってゆっくり寛げるし、&br;癒されませんか?| |~二階堂紅丸|たしかに大きな湯船でリラックスできるのは、&br;美容と健康によさそうだね。| |~二階堂紅丸|でも、女の子がこんな夜更けにひとりで出かけるのは&br;危ないな……。| |~〇×|暗くても街灯があるし、そんなに心配しなくても&br;大丈夫ですよ。| |~二階堂紅丸|いや、何かあっては大変だ。| |~二階堂紅丸|……そうだ! 俺も一緒に行けば解決じゃないか。| |~〇×|えっ! そこまでしなくても……。| |~〇×|それに今まで残業で夜遅くに帰ることも多かったので、&br;夜道も慣れっこです。| |~二階堂紅丸|それは前の話で、俺がいないときのことだからね。| |~〇×|(そ、それはそうだけど……。)| |~二階堂紅丸|今は俺がいるんだから、ひとりになんてさせないよ。| |~二階堂紅丸|さあ、行こうか!| |~〇×|ちょ、ちょっと紅丸さん!?| |~〇×|(結局紅丸さんについてきてもらうことに&br;なっちゃった……。)| |~〇×|紅丸さんも銭湯には、行ったりするんですか?| |~二階堂紅丸|あまり行ったことはないけど、どんなところかは&br;知ってるよ。| |~二階堂紅丸|銭湯に行くより、家のバスルームの方が広いからね。&br;わざわざ足を運ぶこともないんだよな。| |~〇×|そうでした……紅丸さんのお家って、&br;確かすごくお金持ちなんですよね……。| |~〇×|(どんなお風呂場なのか想像つかないな……。)| |~二階堂紅丸|せっかく外出して風呂入りに行くんなら、&br;いっそ温泉まで行った方がいいなって思うよ。| |~二階堂紅丸|そうそう、×ちゃんにぴったりな温泉もあるから&br;今度連れて行ってあげる。| |~二階堂紅丸|もちろん、ふたりっきりでね。| |~〇×|(ふ、ふたりっきりで温泉なんて……。)| |~二階堂紅丸|ふふっ、×ちゃん顔赤いけど大丈夫?| |~〇×|……だ、大丈夫です!| |~〇×|(ううっ……顔が熱い……。)| |~二階堂紅丸|あそこの角を曲がったら、もう少しで銭湯だよ。&br;そこに段差があるから気を付けて。| |~〇×|これくらい平気で……きゃっ!| |~二階堂紅丸|おっと……ほらね、危ないよ。| |~〇×|あ、ありがとうございます……。| |~二階堂紅丸|どういたしまして。| |~二階堂紅丸|俺がいて役に立つこともあるでしょ?| |~〇×|はい……。| |~〇×|(紅丸さんの顔がすぐ近くに……どうしよう……。&br;すごくドキドキしてきた……。)| |~二階堂紅丸|おや? ×ちゃん、ちょっと足見せてね。| |~〇×|はい……どうかしましたか?| |~二階堂紅丸|やっぱり、これヒールが壊れちゃってる。| |~〇×|え……そんな……。| |~〇×|(銭湯まであと少しだけど、このままじゃ行けないよね……。)| |~〇×|折れてしまったのは仕方ないです。銭湯はまた今度に……。| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|(どうにか歩いて帰れるかな……。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、しっかり掴まってね。| |~〇×|掴まるって、一体なに……きゃっ!?| |~二階堂紅丸|もちろん俺にさ。| |~〇×|(これって……お姫様抱っこ……!)| |~二階堂紅丸|あ、ちなみに抱き付きも大歓迎だよ。| |~二階堂紅丸|ではお姫様を銭湯までご案内致しましょう。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|銭湯に向かう道中――| |~〇×|べ、紅丸さん……あの、ひとりで歩けますから……。| |~二階堂紅丸|ヒール折れちゃってるのに?| |~〇×|うっ……それはそうですけど……。| |~二階堂紅丸|もうちょっとで着くから、今はまだ俺の胸の中にいてね。| |~〇×|はい……。重く……ないですか?| |~二階堂紅丸|ふふっ、大丈夫だよ。どちらかと言えば軽すぎるぐらいかな。| |~二階堂紅丸|ちゃんとご飯食べてる?| |~〇×|最近ちょっと忙しかったから、少し抜いてたかも……。| |~二階堂紅丸|それはだめだね。ちゃんと食べないと。| |~二階堂紅丸|じゃあ、今度俺がご飯作ってあげるから一緒に食べようね。| |~〇×|はい! 楽しみにしてます。| |~〇×|(スマートにさっとこういうことをする紅丸さんって&br;やっぱり女の子慣れしてるんだろうな……。)| |~二階堂紅丸|さあ、目的地に到着したよ。| |~二階堂紅丸|お姫様、足もとにお気をつけください。| |~〇×|はい。| |~〇×|(もう着いちゃった……。)| |①|>|CENTER:~少し寂しい| |~|~〇×|(さっきまで恥ずかしかったけど、&br;もう少しだけこのままでもよかったな……。)| |~|~〇×|紅丸さん……。| |~|~二階堂紅丸|ん? どうかしたかい?| |~|~〇×|あ……えっと……ありがとうございました。| |~|~二階堂紅丸|いえいえ、これが騎士の役目ですから。| |②|>|CENTER:~お礼を言う| |~|~〇×|っと……無事に着地しました。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ、ご無事でなによりです、お姫様。| |~|~〇×|途中諦めちゃいましたけど、&br;紅丸さんのお陰で来ることができました!| |~|~〇×|ありがとうございます。| |~|~二階堂紅丸|喜んでもらえて良かった。&br;あ、お礼はほっぺにキスでもいいんだけどな。| |~|~〇×|そ、それは……いつか気が向いたら……。| |~|~二階堂紅丸|じゃあ、それまで楽しみに待ってるね。| |~二階堂紅丸|では早速、お風呂に……そうか……。&br;×ちゃんとは別々か……。| |~〇×|そうですね。男湯と女湯で分かれてますから、&br;紅丸さんはあっちですよ。| |~二階堂紅丸|わかってるけど……。&br;どうせなら、混浴だったらよかったのにな~って。| |~〇×|こ、混浴っ!?| |~二階堂紅丸|ふふっ。冗談だよ。| |~二階堂紅丸|じゃあ、×ちゃんまた後でね。| |~〇×|(もう、また紅丸さんの冗談に&br;驚いちゃった……。)| |~〇×|さあ、私もお風呂に入ってこよ。| |~〇×|はぁ……気持ちいい……。| |~〇×|大きいお風呂ってなんでこんなにリラックスできるんだろ。| |~〇×|それにしても……。| |~〇×|(さっきのお姫様だっこに混浴の話……。&br;紅丸さんにとっては挨拶みたいなものかもしれないけど……。)| |~〇×|んー……私が気にしすぎなだけなのかな……。| |~〇×|(本気なのかどうなのかわかんないよ……。)| |~〇×|ふぅ……さっぱりしたー。| |~〇×|(紅丸さんはまだ出てないみたい。)| |~〇×|飲み物でも買って待ってようかな……って、&br;お財布中に忘れてきちゃった!| |~〇×|は、早く取りに行かないと……!| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(えっと……お財布、&br;確かこの辺に置いたと思ったんだけど……。)| |~〇×|あれ……おかしいな……見当たらない。| |~〇×|ちょっと番頭さんに聞いて――| |~???|おっと。| |~〇×|きゃっ!? すみません……!| &attachref(アルバム /二階堂紅丸/触れる距離.jpg,zoom,触れる距離,259x200); |~???|いえ、こちらこそ……。| |~???|って、×ちゃん……?| |~〇×|(へ……この声って……。)| |~〇×|べ、紅丸さん!| |~〇×|どうしてここに……っ!?| |~〇×|(だってここ女湯!&br;しかも何でお風呂上がりの格好なの!)| |~〇×|ふ、服はどうしたんですか!?| |~二階堂紅丸|今上がったばかりだから、服は今からかな。| |~〇×|(そんなここであがったばかりって&br;どういうこと……?)| |~二階堂紅丸|って、それよりも&br;どうして×ちゃんがここに?| |~〇×|どうしてって、私は……。| |①|>|CENTER:~忘れ物取りにきました| |~|~〇×|お財布を置き忘れてしまって、&br;それを取りにきたんですけど……。| |~|~二階堂紅丸|ここに?| |~|~〇×|はい、でも置いてた場所に見当たらなくて――| |②|>|CENTER:~恥ずかしくて黙る| |~|~〇×|(お財布を取りにきただけだけど……。&br;恥ずかしくて紅丸さんを直視できない……。)| |~|~二階堂紅丸|×ちゃん?| |~|~〇×|えっと……その……。| |~二階堂紅丸|とりあえず、立ったほうがいいな。&br;お手をどうぞ。| |~〇×|は、はい、ありがとうご……えっ?| |~〇×|(慌ててたからよくわからなかったけど、&br;紅丸さんまだ濡れてる……。)| |~〇×|ひょっとしてここって……。| |~二階堂紅丸|もしかして待ちきれず、ここまで迎えに来てくれた?| |~〇×|ここ、お、男湯……!?!?| |~〇×|ごめんなさい!! 私ったら……!&br;そ、外で待ってます!| |~〇×|(び、びっくりした……。&br;一瞬何が起こったのかと……。)| |~〇×|(はぁ……。でもいくら急いでたとはいえ、&br;男湯の脱衣所に入っちゃうなんて……。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、お待たせ。| |~二階堂紅丸|待たせてごめんね。| |~〇×|いえ、大丈夫です……。| |~二階堂紅丸|はい、忘れ物はこれかな。| |~〇×|あ、私のお財布! 一体どこに?| |~二階堂紅丸|番頭さんが預かっててくれたみたいだよ。| |~〇×|よかったー……紅丸さん、ありがとうございます。| |~二階堂紅丸|ふふっ。&br;あ、あと、これを×ちゃんにプレゼント。| |~〇×|え……これは……わぁ、靴が直ってる!| |~二階堂紅丸|応急処置ってとこだけど、歩いて帰るぐらいは&br;できるかなって。| |~〇×|今日は紅丸さんに助けてもらってばかりですね。&br;本当にありがとうございます!| |~二階堂紅丸|気にしなくていいよ。&br;俺は×ちゃんの役に立てて嬉しいからね。| |~二階堂紅丸|じゃあ、帰ろうか。| |~〇×|はい!| |~二階堂紅丸|ところで、さっきなんで男湯の中にいたの?| |~〇×|え、えっと……。| |~〇×|女湯に入ったつもりが、急いでたから&br;開ける扉を間違ってしまったみたいで……。| |~二階堂紅丸|それでこっちにいたわけだ。| |~〇×|はい……まさか男湯だったなんて……。| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|紅丸さん?| |~二階堂紅丸|キミを見つけたのが俺で良かったよ。&br;もし他の男だったらと思うと恐ろしい。| |~二階堂紅丸|それに、キミのびっくりした顔も独り占めできたからね。&br;本当、他の男にぶつからなくて良かったよ。| |~〇×|あ、す、すみません……ご心配おかけして……。| |~〇×|(か、顔が熱い……。)| |~二階堂紅丸|気にしないで。さあ、このまま変な男が寄り付かないよう、&br;帰り道もしっかりガードして行くからね。| |~二階堂紅丸|安心して、一緒に帰ろう。×ちゃん。| #endregion ----- **甘い香りに誘われて [#SSR02] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|とある休日のお昼のこと――| |~矢吹真吾|ごちそーさまでしたっ!&br;おれ、食器運んでおきますね!| |~〇×(主人公)|真吾くん、いつもありがとう。| |~〇×|さてと。&br;それじゃあ私は食後のお茶の用意を――| |~〇×|!| |~〇×|(びっくりした……。&br;紅丸さんが私の手を引っ張ってる。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん。ちょっと座って?| |~〇×|は、はい……。| |~草薙京|……何か良からぬことを企んでる顔だな。&br;気をつけろよ、×。| |~二階堂紅丸|そう言うなよ。&br;実は、ちょっと二人にお願いがあるんだ。| |~草薙京|って、オレもかよ。| |~〇×|何かあったんですか?| |~二階堂紅丸|×ちゃんは、&br;俺がモデルの仕事もやってるの、知ってるよね?| |~〇×|あ、はい。もちろんです。最近も『メンズ・ノックアウト』の&br;「シビれる男の生き方特集」に載ってましたよね?| |~二階堂紅丸|見てくれたのか。&br;さっすが俺の×ちゃんだ。| |~〇×|い、いえ。&br;これもマネージャーの仕事と言いますか……!| |~〇×|(出会ったばっかりの頃は、紅丸さんがモデルの仕事してるの&br;知らなくて、本人にすっごく落ち込まれちゃったからなぁ。)| |~〇×|(それ以来、紅丸さんの出る雑誌は&br;なるべくチェックするようにしてたんだよね。)| |~二階堂紅丸|実は、その『メンズ・ノックアウト』の特集が&br;かなり好評でさ。| |~二階堂紅丸|その特集を見たっていう別の雑誌社から&br;今度はこんな特集をやってみないかって打診が来たんだ。| |~二階堂紅丸|その名も、『リングの上のプリンスたち(仮)』。| |~二階堂紅丸|KOFで大活躍した『イケメン格闘家』のインタビューと&br;グラビアを、最新号の目玉特集にしたいんだって。| |~〇×|へぇ、なんだかすごそう……。&br;その特集には、紅丸さんが出るんですか?| |~二階堂紅丸|もちろん。&br;……ただ、まだいろいろと計画段階らしくってね。| |~二階堂紅丸|企画書もこれから作るって言ってたし、俺以外に&br;誰を出演させるかとかも未定なんだ。| |~二階堂紅丸|すごくチャレンジングな企画だから、&br;俺としては全力で手伝ってあげたいんだよね。| |~二階堂紅丸|そ・こ・で……。| |~草薙京|……だいたい読めてきたぞ。つまり、その特集作りに&br;オレも協力しろっていうんだな?| |~二階堂紅丸|ビンゴ♪| |~草薙京|ビンゴじゃねぇよ。&br;ったく、何でオレが……他のやつに頼めばいいだろ。| |~二階堂紅丸|別にお前だけってわけじゃないし。ねっ?| |~〇×|えっ……わ、私もですか!?| |①|>|CENTER:~でも、私は何をすれば……?| |~|~〇×|でも、私は何をすればいいんでしょう?| |~|~二階堂紅丸|おっ、さては前向きに考えてくれてるね?&br;×ちゃん。| |②|>|CENTER:~どうしよう| |~|~〇×|(どうしよう……。&br;それって、私に手伝えることなのかな?)| |~二階堂紅丸|何も難しいことじゃないよ。お願いしたいことっていうのは、&br;キミだからこそできることなんだ。| |~〇×|どういうことですか?| |~二階堂紅丸|実は、その特集が載る雑誌は女性誌なんだ。&br;だから、女性からの意見も取り入れたいと思ってね。| |~〇×|あ、なるほど……!| |~二階堂紅丸|次の日曜日に、担当編集と会って打ち合わせする予定なんだ。&br;そこに二人も同席してくれるとありがたいんだけど……。| |~草薙京|断る。面倒くせぇ。| |~二階堂紅丸|即答かよ!? じゃあ、×ちゃんは?| |~〇×|そうですね……。&br;でも、本当に私でお役に立てるかどうか――| |~〇×|っ!?| |~〇×|(テ、テーブルの下で、&br;紅丸さんが私の手を握ってる……!?)| |~二階堂紅丸|? どうしたの、×ちゃん?| |~〇×|(ひゃっ! べ、紅丸さん、&br;手のひらを指先でくすぐらないで~……!)| |~二階堂紅丸|×ちゃん……どうかな?&br;打ち合わせ、ついてきてくれるよね……?| |~〇×|わ、わかりました!&br;私でお役に立つなら、お手伝いさせてください~!| |~二階堂紅丸|ありがとう! キミならそう言ってくれるって信じてたよ。| |~〇×|(なんだか、してやられたような気が……!)| |~草薙京|紅丸……お前今、こいつに何をした?| |~二階堂紅丸|別に何もしてないけど?| |~草薙京|……。はぁ。| |~草薙京|お前をほっとくと、×が何されるか&br;さかったもんじゃねえ。| |~草薙京|仕方ねえな。紅丸の監視がてら、オレも協力してやる。| |~二階堂紅丸|監視なんて大げさだな。&br;でも、ありがたく受け取っておくぜ。| |~二階堂紅丸|とりあえず、京も来てくれるってことで決まりだな。&br;日時については、またこちらから連絡するよ。| |>|雑誌社との打ち合わせの日――| |~草薙京|ったく。相変わらずここは人が多いな……。| |~〇×|そういえば、今日の打ち合わせの場所は&br;どこなんですか?| |~二階堂紅丸|キミがとっても幸せな気分になれるところかな。&br;ふふっ、楽しみにしててね。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|さあ、到着。ここだよ。| |~〇×(主人公)|わぁ……素敵なカフェですね!| |~二階堂紅丸|でしょ。俺のおすすめカフェへようこそ。| |~〇×|私、こんなところにカフェがあるなんて&br;知りませんでした。| |~二階堂紅丸|ちょっとした隠れ家的な感じだからね。&br;知る人ぞ知るって感じかな。| |~草薙京|確かに、人が少なくていい感じだな。| |~〇×|はい。それにすごくいい香りがします。| |~〇×|コーヒーとか、&br;紅茶とかの……それに、なんだか甘い匂いも。| |~二階堂紅丸|ここではコーヒーを好みに合わせて焙煎してくれるんだ。&br;それと、パンケーキの味も評判でね。| |~二階堂紅丸|きっと×ちゃんの口にも合うと思うよ。| |~店員|いらっしゃいませ。| |~二階堂紅丸|待ち合わせで予約をしていたのですが。| |~店員|少々お待ちください。| |~店員|お待たせいたしました。お連れ様はテラス席でお待ちです。&br;ご案内いたします。| |~二階堂紅丸|ありがとう。| |>|店内を進み、扉を一枚抜けると&br;そこは――| |~〇×|(わぁ、明るくて素敵なテラス……!)| |~二階堂紅丸|どうやら気に入ってもらえたみたいだね。&br;……っと、編集さん発見。| |~二階堂紅丸|すみません、お待たせしました。| |~女性編集者|こんにちは。&br;私も今来たところなので、大丈夫ですよ。| |~二階堂紅丸|それはよかった。| |~女性編集者|そちらが話に聞いていた協力者のお二人ですね?&br;今日はご足労いただいて、ありがとうございます。| |~〇×|い、いえ! 初めまして。&br;〇×と言います。| |~草薙京|草薙京だ。| |~女性編集者|お会いできて光栄です。&br;さ、どうぞおかけになってください。| |~〇×|(名刺もらっちゃった。&br;この出版社、すごく有名なところだよね。)| |~〇×|(雑誌の編集者さんと話すのなんて初めてだから、&br;なんだか緊張するなぁ……。)| |~女性編集者|それにしても、草薙さんたちのチームは&br;みなさん若くてかっこいいですよね!| |~草薙京|かっこいいかどうかはさておいても、&br;格闘家に年齢は関係ねぇぞ。| |~草薙京|包みたいにちっこいのもいるし、&br;老師、なんて呼ばれてる人たちだってたくさんいる。| |~二階堂紅丸|いや、褒めてもらったんだから&br;そこは素直に『ありがとう』でいいだろ?| |~女性編集者|いえいえ! 今日はそういった&br;KOFについての話も聞きたかったので助かります!| |~女性編集者|草薙さん、よかったらKOFのことを&br;もっと教えてください。| |~草薙京|KOFのこと?&br;そうだな――| |~〇×|(京さん、なんだかんだ言って楽しそうに話してるなぁ。)| |~店員|――失礼いたします。&br;ご注文のコーヒーをお持ちいたしました。| |~二階堂紅丸|ありがとう。&br;あ、そのパンケーキは彼女に。| |~店員|かしこまりました。| |~〇×|えっ?&br;わ、私、頼んでませんけど……?| |~二階堂紅丸|俺がこっそり頼んでおいたんだよ。| |~二階堂紅丸|×ちゃんったら、遠慮して&br;コーヒーしか頼まなかったでしょ?| |~〇×|は、はい……でも。| |~〇×|(打ち合わせの場だし、&br;私だけ食べるのも悪いかなって思って……。)| |~女性編集者|ふふっ。遠慮しないで食べてください。&br;ここのパンケーキ、本当においしいですから。| |~二階堂紅丸|だってさ。&br;ほら、遠慮せず食べなよ、ね?| |~〇×|すみません……ありがとうございます。| |~〇×|(それじゃあせっかくだし、&br;京さんと編集さんが話してる間に、一口……。)| |~〇×|(……。)| |~〇×|(……!!&br;お、美味しい! 美味しすぎる――!)| |~〇×|(見た目はふわっふわなのに、口に入れた瞬間&br;とろっとした甘さが溢れてきて……。)| |~〇×|(生地自体は甘いけど、フルーツの酸味があるからかな?&br;全然飽きが来そうにない……!!)| |~二階堂紅丸|……ふふっ。| |~〇×|(っ! 顔が緩んでるの紅丸さんに見られちゃった。&br;は、恥ずかしい……。)| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×(主人公)|(……紅丸さん、ずっとこっちを見てる。)| |~〇×|(今日の紅丸さん、いつもと雰囲気が違うからかな。&br;そんなに見つめられると、その、なんだか……。)| |~女性編集者|――〇さん?| |~〇×|……えっ!? あ、はい!&br;なんでしょう!?| |~草薙京|今度はあんたに話を聞きたいんだと。| |~〇×|す、すみません、聞いてなくて……!&br;なんでしょう?| |~女性編集者|〇さんは草薙さんたちのチームマネージャーを&br;されているんですよね。| |~女性編集者|みなさんすごくかっこいいですし、うっかり&br;ときめいちゃったこととか、そういうのってあります?| |~〇×|と、ときめき、ですか……!?| |~〇×|(うう……これも、特集の参考にするんだよね。&br;ま、真面目に答えないと……。)| |~〇×|た、確かに、ないわけではないですけど……。| |~女性編集者|ですよね!&br;みなさんのどういうときの姿にときめいたりしますか?| |~〇×|そうですね……。| |①|>|CENTER:~戦っているときの姿| |~|~〇×|やっぱり、戦っているときの姿、ですかね……。&br;道場で練習試合をしているときもそうですけど。| |~|~女性編集者|なるほど、やっぱりそこは格闘家ですからね!&br;思わず見とれちゃうのもわかります。| |②|>|CENTER:~リラックスしているときの姿| |~|~〇×|……リラックスしているときの姿、ですかね。| |~|~女性編集者|へぇ、戦っているときの姿ではないんですね。| |~|~〇×|それはもちろんかっこいいです!&br;でも……。| |~|~〇×|試合中の引き締まった表情から、いつものリラックスした&br;笑顔に変わる瞬間が、私、結構好きで。| |~|~二階堂紅丸|へぇ……なるほどね?| |>|数十分後――| |~女性編集者|〇さん、ありがとうございます!&br;お話、すごく参考になりました。| |~女性編集者|さすが、みなさんと一緒に暮らしているだけの&br;ことはありますね。| |~〇×|そ、そうですか?&br;お役に立てたのなら、よかったです……。| |~女性編集者|――あっ、すみません。&br;ちょっと電話に出てきますね。| |~女性編集者|はい、もしもし――| |~草薙京|今のうちにトイレにでも行ってくるか。| |~二階堂紅丸|どうぞどうぞ。&br;ゆっくり行ってきなよ。| |~草薙京|何か引っかかる言い方だな……。&br;すぐ戻るぜ。| |~二階堂紅丸|ふぅ、京も行ったところで……。| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_二階堂紅丸_甘い香りに誘われて.jpg,zoom,甘い香りに誘われて,259x200); |~二階堂紅丸|×ちゃん。&br;さっきは素敵なコメントをありがとう。| |~二階堂紅丸|×ちゃんが、俺たちのそういう姿に&br;ときめいていたとはね?| |~〇×|うっ。&br;そ、その話は蒸し返さないでください……。| |~二階堂紅丸|蒸し返すし、この際だから墓まで持って行くよ。| |~二階堂紅丸|……ま、俺はキミが見せてくれるどんな姿にも&br;毎日のようにときめいてるけどね?| |~二階堂紅丸|さっきの……美味しいパンケーキをほおばって&br;幸せそうにしてる顔にも。| |~〇×|(っ……!)| |~二階堂紅丸|どうせなら、もっと聞きたいな。&br;×ちゃんがどういうときにときめくのか。| |~二階堂紅丸|俺がどんな姿を見せたら、&br;もっとドキドキしてくれるのか――| |~〇×|(っ……。紅丸さん、顔が近い……!)| |~〇×|べ、紅丸さん! このパンケーキ、本当においしいです!&br;紅丸さんも一口どうですか!?| |~二階堂紅丸|ん?&br;もしかして、食べさせてくれるの?| |~〇×|えっ!?| |~二階堂紅丸|だって、そうやってフォークで持ち上げて&br;もう準備万端って感じじゃない?| |~二階堂紅丸|ほら、食べさせてよ。あーん?| |~〇×|(口開けて待ってる……。&br;うう、ちょっと恥ずかしいけど……!)| |~〇×|あ、あーん……?| |~二階堂紅丸|はむっ。| |~二階堂紅丸|……んー! こりゃ美味しいね。お返しに&br;×ちゃんにもあーんしてあげる。| |~〇×|わ、私は大丈夫で――| |~二階堂紅丸|だから遠慮しないの。&br;はい、口開けて? あーん。| |~〇×|……あ、あーん……。| |~女性編集者|すみません、お待たせしました――&br;って、あらあら!| |~草薙京|戻ったぞ――&br;って……何してんだ、お前ら。| |~〇×|!?| |~二階堂紅丸|あーあ。邪魔が入っちゃった。| |~二階堂紅丸|ふふっ、パンケーキ、ごちそうさま。| |~二階堂紅丸|×ちゃん。&br;今度はこの店で、二人きりでデートしようね?| |~〇×|っ~~~……。| #endregion ----- **深夜のヒミツ [#SSR03] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|京と紅丸の一件が片付いた、ある日の深夜――| |~〇×|(なんだか、今日は目が冴えちゃって眠れないや……。)| |~〇×|(見回りも兼ねて、道場の中を散歩しようかな。)| |~〇×|……あれ?| |~〇×|(道場の扉が開いてる? こんな時間に誰だろう?)| |~〇×|(あれは……紅丸さん?)| |~二階堂紅丸|ヤアッ……ハッ!| |~〇×|(もしかして……トレーニング中かな?&br;こんな遅くまで鍛えているんだ……。)| |~〇×|(私にも何かサポートできることがあれば……あっ。)| |~〇×|(そうだ。簡単な夜食くらいなら用意できるかも。)| |~〇×|(でも、トレーニングの邪魔しちゃ悪いし &br;おにぎり作って、そっと置いていこう。)| |~二階堂紅丸|エイッ! ハアッ!| |~〇×|(よし。&br;差し入れは、この辺に置いておけば気付いてもらえるかな。)| |~〇×|(それにしても……。)| |~〇×|(紅丸さんが一人でトレーニングしているところなんて&br;初めて見たかも。)| |~二階堂紅丸|雷光拳――! | |~二階堂紅丸|……いや、これじゃ遅いな。&br;ガードされる前に攻め込まないと。| |~二階堂紅丸|ハァッ!!| |~〇×|…………。| |~〇×|(それにしても……。)| |~〇×|(すごい真剣な表情。&br;いつもの優しい紅丸さんとは別人みたい……。| |~〇×|(なんだか、格好いいな……。)| |~二階堂紅丸|…………ふう。| |~二階堂紅丸|さ、そんなところに隠れてないで &br;こっちにおいで、子猫ちゃん。| |~〇×|あ……気付いてたんですね、紅丸さん。| |~二階堂紅丸|もちろん。&br;キミの熱い視線に気付かないわけがないからね。| |~二階堂紅丸|差し入れありがとう。それにしても、&br;こんな夜更けにどうしたの? 眠れないのかい?| |~〇×|はい。少し敷地内を散歩しようかと思ったら&br;道場の扉が開いているのが見えて……。| |~〇×|まさか、紅丸さんがトレーニングしているなんて &br;思いませんでした。| |~二階堂紅丸|ハハ……本来こういう姿を人に見られるのは &br;俺の美学に反するんだけどね。| |~二階堂紅丸|ひたすら練習しているだけの姿なんて &br;見ていて楽しくなかっただろ?| |~〇×|……いえ、そんなことないです!| |~〇×|修行している紅丸さん、すごく格好よかったです。&br;思わず見入っちゃいました。| |~〇×|いつもの紅丸さんも素敵ですけど &br;真剣な紅丸さんも魅力的だと思います。| |~二階堂紅丸|……ありがとう、×ちゃん。| |~二階堂紅丸|×ちゃんは優しいね。&br;そんなキミだから、こんな姿を見せてもいいと思えたのかな。| |~二階堂紅丸|なんたって、キミは俺の特別だからね。| |~〇×|(特別……そっか。私だけに見せてくれたんだ。&br;なんだか嬉しいな……。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|そういえば、この前の一件 &br;まだキミにちゃんと謝れていなかったね。| |~〇×|それって……京さんとの件ですか?| |~二階堂紅丸|ああ。あの時の俺は、京と戦いたいと思うあまり &br;周りが見えなくなっていた。| |~二階堂紅丸|そのせいで、キミや真吾には迷惑をかけてしまったと&br;反省しているんだ。| |~二階堂紅丸|ごめんね、×ちゃん。&br;この埋め合わせは必ずするよ。| |②|>|CENTER:~気にしないで| |~|~〇×|気にしないでください。みなさんが大変なときに &br;フォローするのがマネージャーの役目ですから。| |~|~〇×|それに紅丸さんの手助けができて&br;本当はちょっと嬉しかったんです。| |③|>|CENTER:~謝らなくていい| |~|~〇×|謝らないでください、紅丸さん。&br;私はむしろ、嬉しかったんです。| |~|~二階堂紅丸|……嬉しかった?| |~|~〇×|紅丸さんにはいつも助けてもらってますけど &br;私が紅丸さんを助けられることってあまりないですから。| |~|~〇×|だから、初めてワガママを言ってもらえたような気がして&br;嬉しかったんです。| |~二階堂紅丸|……×ちゃん。| |~二階堂紅丸|もしかしたら……俺は少し焦っていたのかもしれない。| |~〇×|焦り、ですか?| |~二階堂紅丸|ああ。自分で言うのもなんだけど、&br;俺は昔からなんでもできるタイプでね。| |~二階堂紅丸|勉強だろうがスポーツだろうが、他人に負けたことがなかった。&br;……京に会うまでは。| |~二階堂紅丸|あの時はビックリしたよ。草薙京なんて聞いたこともない &br;新人にしてやられたんだからね。| |~二階堂紅丸|それから京とはチームを組んだり離れたり&br;京が行方不明になったり……まあ、色々あってね。| |~二階堂紅丸|いつかは、決着をつけようと思ってた。&br;俺はその日を待ってた。| |~二階堂紅丸|……けどいくら待っても、そのチャンスはやってこない。| |~二階堂紅丸|そのうち、このままモデルの仕事を続けていていいのか。&br;それで京に勝てるのか。| |~二階堂紅丸|そんな焦りが、俺の中で生まれてきてしまったんだろうね。| |~〇×|紅丸さん……。| |~〇×|(知らなかった。&br;紅丸さんがそんなことを考えていただなんて……。)| |~〇×|(モデルの仕事も楽しそうにやっているように &br;見えてたんだけど、そうじゃなかったのかな……。)| |~〇×|(けど……。)| |~〇×|何が正しいのか、私にはわかりませんが……。| |~〇×|欲張ってみても、いいんじゃないでしょうか。| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|……欲張る?| |~〇×|えっと、確かにモデルと格闘技の両立は大変だと &br;思うんですけど……。| |~〇×|でも、もうどちらも紅丸さんの一部になっているんじゃ &br;ないかと思うんです。| |~二階堂紅丸|俺の一部……。| |~〇×|はい。だからモデルか格闘技か、1つだけに絞るのは &br;なんだかもったいないと思って。| |~〇×|モデルの仕事も続けながら、京さんに勝てるように&br;努力してみてもいいんじゃないでしょうか。| |~〇×|紅丸さんなら……二階堂紅丸という人なら&br;きっとそれができるって、私は信じています。| |~二階堂紅丸|……×ちゃん。| |~〇×|(え、紅丸さんに抱きしめられてる……!?)| |②|>|CENTER:~恥ずかしいです……| |~|~〇×|は、放してもらえませんか……! &br;恥ずかしいです……!| |~|~二階堂紅丸|ハハッ、ダーメ。&br;×ちゃんのお願いでもそれは聞けないな。| |~|~二階堂紅丸|キミが俺をこんな風にしたんだよ?| |③|>|CENTER:~大人しくしている| |~|~二階堂紅丸|……ちょっとだけ。&br;キミの温かさを感じさせてもらっていいかな。| |~二階堂紅丸|やっぱり×ちゃんは、運命の人だね……。&br;俺をこんな気持ちにさせるのはキミだけだ。| |~二階堂紅丸|ありがとう、×ちゃん。&br;キミがそう言うのなら、もっと欲張ってみることにするよ。| |~〇×|……はい! &br;私もそれがいいと――| |~二階堂紅丸|格闘技も、モデルも……。&br;そして何より×ちゃんとの恋も、ね。| |~〇×|ええっ!?| |~二階堂紅丸|おっと、静かに。| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_二階堂紅丸_深夜のヒミツ.jpg,zoom,深夜のヒミツ,259x200); |~二階堂紅丸|せっかく今、×ちゃんを独り占めできているんだ。&br;こんな可愛い姿、他の男に見せてたまるものか。| |~〇×|べ、紅丸さん……!?| |~二階堂紅丸|ねえ、×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|今夜のことは、俺たち二人だけのヒミツだよ。| #endregion //---------- ''スペシャル'' 七夕 ~二階堂紅丸編~ #region(ネタバレ注意) |>|七夕の日――| |~二階堂紅丸|×ちゃんとデートできて嬉しいよ。| |~〇×|私も、紅丸さんと一緒に過ごせて嬉しいです。&br;……今日は七夕ですし。| |~二階堂紅丸|特別な夜を俺と過ごせて嬉しい、なんて &br;×ちゃんも言うようになったね?| |~二階堂紅丸|ドキドキしちゃうよ。| |~〇×|(っ ……。&br;紅丸さんの顔が近い……!)| |~〇×|そ、その……本当にそう思っただけで。| |~二階堂紅丸|つまり本心からの言葉ってことでしょ? &br;ふふっ、俺は今夜の彦星に負けないくらい幸せ者だな。| |~二階堂紅丸|ほら、空を見て。| |~〇×|え? …あ、天の川! &br;街中でも、とても綺麗に見えてますね。| |~二階堂紅丸|ああ。天の川といえば、織姫と彦星。&br;この時期は雨も多いけど……晴れてよかったね。| |~〇×|はい。&br;離れ離れの二人は、今頃再会していますね。| |~二階堂紅丸|きっと、ここぞとばかりに今の俺たちのように楽しんでるだろうさ。| |~〇×|ふふ、そうかもしれません。| |~〇×|一年に一度しか会えないなんてさみしいですけど……。&br;その分、たった一日がかけがえのないものになる。| |~〇×|私は、ロマンチックだと思います。| |~二階堂紅丸|そうなのかな。離れる時間が愛を育むというけれど……。&br;だけど、毎日傍にいる愛もあるよね。| |~〇×|え……。| |~二階堂紅丸|×ちゃんは、そう思わない?| |~〇×|(あ……紅丸さんの手が。)| |~二階堂紅丸|それとも、俺とも離れ離れのほうが良い?| |~〇×|(……。そんなふうに優しく手を繋がれたら、&br;ドキドキして、紅丸さんのことしか考えられなくなる。)| |~〇×|(……手、大きくて、温かいな。)| |~〇×|いえ……一緒にいられたほうが嬉しいです。| |~二階堂紅丸|俺も同じ気持ちだよ。&br;さ……そろそろ帰ろうか。| |~二階堂紅丸|一緒に、同じ場所に…ね。| #endregion ----- **何度でもキミの元へ [#SSR04] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|わぁ……海がきれい!&br;紅丸さん、ほら、底のほうまで透き通って見えますよ!| |~二階堂紅丸|このあたりは海が澄んでいるからね。&br;日本ではなかなか見られない海の色だ。| |~〇×|はい。でも、記念日のお祝いに旅行に連れて行ってくれるとは&br;聞いてましたけど、まさか海外だなんて……。| |~〇×|(しかも二階堂家のコテージなんて、豪華すぎる……!)| |~二階堂紅丸|ふふ。特別なお祝いなんだから、非日常感が必要だろ?| |~二階堂紅丸|コテージの内装やインテリアも、今日のために&br;×ちゃん好みにコーディネートしなおしたんだ。| |~〇×|えっ……そこまでしてくれたんですか!?| |~二階堂紅丸|もちろん。これが二階堂家流……いや、俺流のおもてなしだよ。| |~〇×|紅丸さん……ありがとうございます。| |~二階堂紅丸|気に入ってもらえた?| |~〇×|はい、とっても!| |~二階堂紅丸|よかった。その笑顔を見たくて張りきったんだ。| |~〇×|内装ももちろんですし、バルコニーから見えるこの景色も……。&br;ずっと見ていても飽きそうにないです。| |~二階堂紅丸|そんなに気に入ったなら、夕食はこのテラスで&br;食べることにしようか。| |①|>|CENTER:~嬉しいです| |~|~〇×|本当ですか?嬉しいです!| |~|~二階堂紅丸|うん。きれいな景色を見ながら食べたほうが、&br;きっと何倍もおいしく感じられるだろうからね。| |~|~二階堂紅丸|夕食もキミの好きなものを、シェフが腕によりをかけて作るよ。&br;期待してて。| |~|~〇×|ありがとうございます。楽しみです。| |②|>|CENTER:~ご迷惑じゃ……| |~|~〇×|でも……ご迷惑じゃないですか?&br;準備をする手間もかけてしまいますし。| |~|~二階堂紅丸|いいんだよ。今回の旅行は、キミをおもてなしするのが&br;最優先事項。だから遠慮しないでほしいな。| |~|~〇×|ありがとうございます。&br;それじゃあ……お言葉に甘えて。| |~二階堂紅丸|夕食までまだ時間があるね。コテージの中を見てまわる?&br;それとも、近くを散歩してみようか。| |~〇×|それなら、コテージの中を拝見したいです。&br;広くてまだ見てない場所もたくさんありますし。| |~二階堂紅丸|了解。じゃ、案内するよ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|夕食後――| |~〇×|ふう……お腹いっぱいです。| |~二階堂紅丸|満足してくれたかな?| |~〇×|はい、どれもとてもおいしかったです!&br;少し食べ過ぎちゃったくらい。| |~二階堂紅丸|よかった。シェフも喜ぶよ。&br;今日はもう帰ってしまったから、明日にでも伝えておこう。| |~〇×|食後のお茶もおいしい……すっきりしてて飲みやすいですね。| |~二階堂紅丸|ジャスミンティーの一種だよ。&br;……さてと。| |~〇×|紅丸さん?どうしたんですか?| |~二階堂紅丸|俺が声をかけるまで、ここで待ってて。| |~〇×|……?はい、わかりました。| |~〇×|(部屋の中に入っていっちゃった。用事でも思い出したのかな?)| |~〇×|(どうしよう……あれからしばらく待ったけど、&br;紅丸さんが戻って来ない。もしかして、何かあったんじゃ……。)| |~〇×|…………。| |~〇×|……やっぱり心配だから様子を見に行こう。| |~〇×|わぁ……!| |~〇×|(コテージの中が一面、キャンドルで彩られてる。&br;なんてきれい……。炎が揺らめいて、すごく幻想的で……。| |~〇×|……そうだ。紅丸さんを探さなきゃ。| |~〇×|紅丸さん……?どこですか?| |~〇×|(ここにもいないみたい……。別の場所かな。&br;あと紅丸さんが行きそうな場所は……。)| |~二階堂紅丸|……こら。| |~〇×|えっ?……きゃっ……!| |~〇×|(わ、私、ベッドに押し倒されてる……!?)| |~二階堂紅丸|びっくりした?呼ぶまで待っててって言ったのに、&br;悪い子猫ちゃんだ。| |①|>|CENTER:もがく| |~|~〇×|べ、紅丸さん……!あの、ちょっとこの体勢は……。| |~|~二階堂紅丸|ん?この体勢がどうかした?| |~|~〇×|……恥ずかしい、です……。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ、そうか。キミには刺激が強すぎたかな?| |②|>|CENTER:~驚く| |~|~〇×|紅丸さん……!| |~|~二階堂紅丸|ふふっ……驚いた顔もとってもキュートだね。| |~|~〇×|もう……いきなり押し倒されたら誰だって驚きます。| |~|~二階堂紅丸|それもそうか。失礼。| |~二階堂紅丸|この体勢じゃ、落ち着いて話せないかな?&br;それじゃあ、キミの隣に……よっと。| |~二階堂紅丸|こうやって、キミの隣に寝そべってみたかったんだ。| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(わ、私、紅丸さんと同じベッドに寝そべってる……。)| |~二階堂紅丸|俺が呼びに行くまで我慢できなかった?| |~〇×|……紅丸さんがいつまでも戻って来ないから、&br;不安になって……。| |~二階堂紅丸|……!| |~二階堂紅丸|……そっか。ごめん。| |~二階堂紅丸|実はさっきまで、キャンドルを飾っていたんだ。&br;思ったより時間がかかっちゃったね。| |~二階堂紅丸|驚かせようと思ったのに、不安にさせてごめん。| |~〇×|いえ……キャンドル、とてもきれいでした。&br;ありがとうございます。| |~二階堂紅丸|どういたしまして。| |~二階堂紅丸|1周年おめでとう、×ちゃん。&br;道場へ来てくれて……俺と出会ってくれて、ありがとう。| |>|深夜――| |~〇×|(ん……あれ?私、いつの間にか眠ってたんだ。)| |~二階堂紅丸|……目が覚めちゃった?| |~〇×|あ……紅丸さん。&br;ずっとここにいてくれたんですか?| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|どうしたんですか?じっと見つめて……。| |~二階堂紅丸|キミがちゃんとここにいるなって確かめてたんだよ。| |~〇×|え……?| |~二階堂紅丸|……実はね、最近怖い夢を見たんだ。&br;大門道場に、キミがいない夢。| |~二階堂紅丸|その夢の中で、俺はこんなにも大切なキミのことを&br;忘れてしまっていた。| |~〇×|(その夢って、もしかして……この間のループのこと?)| |~〇×|(紅丸さんは、あの出来事を夢だと思ってるんだ。)| |~〇×|……大丈夫ですよ。&br;私はずっと、紅丸さんのそばにいます。| |~〇×|たとえ予期せぬことが起きて離されてしまっても、&br;何度だって戻って来ますから。| |~二階堂紅丸|×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|俺もだ。たとえ何度キミと引き離されようと、&br;何度だって戻って来る。| |~二階堂紅丸|世界一かわいくて愛おしい、俺のプリンセスの元へ。| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_二階堂紅丸_何度でもキミの元へ.jpg,zoom,何度でもキミの元へ,259x200); #endregion ----- *SR [#SR_story] **煌めく雷 [#SR01] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ある日の昼下がり――| |~二階堂紅丸|うーん……。| |~〇×(主人公)|(紅丸さん、お部屋で何か考え込んでるみたい。&br;どうしたんだろう?)| |~二階堂紅丸|うーん……これはもうちょっと&br;ボディラインがきれいに出るほうがいいかな。| |~二階堂紅丸|こっちのパンツだったらシルエットが&br;きれいに出るかもしれないね。| |~〇×|あのー……紅丸さん、そんなに考え込んで&br;何かあったんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、×ちゃんじゃないか。&br;ちょうどいいところに来てくれたね。| |~二階堂紅丸|俺の美しさを出すためには、どの服がいいか考えていたのさ。| |~〇×|なるほど、それでこんなに服が広げられていたんですね。| |~〇×|お出かけ用ですか?| |~二階堂紅丸|いや、実は今度女性誌のインタビューがあってね。&br;それに着ていく服を考えていたんだ。| |~二階堂紅丸|×ちゃんはどれがいいと思うかな?| |~〇×|え、えっと……。| |~〇×|(男性のファッションなんてわからないけど……。)| |①|>|~直感で指をさす| |~|~〇×|んー……この白のパンツと黒のジャケットなんて&br;どうですか?| |~|~二階堂紅丸|それもありかもしれないね。&br;これだとジャケットの中はどれがいいかな。| |~|~〇×|そうですね……。| |②|>|~正直に言う| |~|~〇×|どの服も素敵だから、選ぶの大変です……。| |~|~二階堂紅丸|そうなんだよね。&br;かれこれ、もう3時間ぐらい悩んでしまってるよ。| |~|~〇×|そ、そんなに!?| |~|~〇×|(それであんなに唸ってたんだ……。)| |~|~二階堂紅丸|だから×ちゃんに聞いてみたのさ。| |~|~〇×|なるほど……。| |~〇×|どれも格好よくて、紅丸さんに似合うと思います!| |~二階堂紅丸|ふふっ、サンキュー。&br;だが、それじゃあ服が決まらないな。| |~〇×|お役に立てなくて、すみません……。| |~二階堂紅丸|いや、いいんだよ。&br;俺に似合わないものはないってことじゃないか。| |~二階堂紅丸|あー、美しいってなんて罪なんだろうね。&br;×ちゃんもそう思わないかい?| |~〇×|は、はぁ……。| |~二階堂紅丸|どんな服も着こなしてしまう自分が怖い……。| |~〇×|ふふっ、紅丸さんすごくスタイルがいいから&br;羨ましいです。| |~二階堂紅丸|×ちゃんも素敵な女性で可愛いんだから、&br;もっと自信を持つといいさ。| |~二階堂紅丸|ほら、背筋を伸ばして、あごを引いて――| |~〇×|こ、こう……ですか?| |~二階堂紅丸|そうそう、呑み込みが早いな。&br;それで笑顔が出来たら完璧!| |~〇×|この状態からの笑顔……こ、こんな感じですか?| |~二階堂紅丸|んー、まだちょっと表情が硬いかな。| |~二階堂紅丸|そうだなぁ……×ちゃん、楽しいこととか、&br;好きな人でもいいから思い描いてみて。| |~〇×|え、えっと……。| |~〇×|(想像しなくても、今目の前にいるって言ったら、&br;紅丸さんどう思うかな? ……ふふっ。)| |~二階堂紅丸|あ……。| |~〇×|どうでしたか?| |~二階堂紅丸|×ちゃん、今の笑顔はパーフェクト!| |~〇×|よかったー……。| |~二階堂紅丸|いつもの×ちゃんもかわいいけど、&br;今の笑顔はそれをも超えていくよ。| |~〇×|そんなに言ってもらえると照れちゃいます……。| |~二階堂紅丸|ふふっ、その笑顔を向けてもらえる人が&br;羨ましくなるね。| |~〇×|(紅丸さんはこういう笑顔が好きなんだな。&br;覚えておこう。)| |~二階堂紅丸|さあ、そろそろ服を決めてしまわないと&br;準備ができなくなってしまう。| |~〇×|あ、すみません……時間取らせちゃって……。&br;それに服も選べなくて……。| |~二階堂紅丸|ううん、俺も楽しかったから、気にすることないよ。| |~二階堂紅丸|本当は×ちゃんが選んだ服で&br;インタビューを受けたかったんだけどね。| |~〇×|そうだったんですか。| |~二階堂紅丸|でも、さっきの×ちゃんを見て思ったのさ。| |~二階堂紅丸|こういうのは相手に聞くべきじゃない。自分で考えて&br;狙った相手に格好いいって言わせなきゃ。| |~二階堂紅丸|覚悟しててね。| |~〇×|(え……そ、それって……。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|取材当日――| |~二階堂紅丸|×ちゃん、今日はサンキューな。マネージャーとして&br;来てほしいっていう俺のわがままに付き合ってくれて。| |~〇×(主人公)|いえいえ、私にできることがあるなら、&br;なんでもお手伝いさせてください。| |~〇×|(にしても……この間、衣装が決まったって言ってたけど、&br;いつもと変わらない気がする。)| |~〇×|(どこが違うんだろう……。&br;パンツかな……違いがわからないよ……。)| |~二階堂紅丸|じゃあ、ちょっと行ってくるから&br;×ちゃんはここで待っててね。| |~〇×|はい、行ってらっしゃい。| |~〇×|(こうやってお仕事してる紅丸さんを見るのって&br;何だか新鮮な感じ……。)| |~〇×|(立ち振る舞いがスマートだからかな……。&br;いつもより格好よく見えるかも。)| |~記者|本日はありがとうございました。&br;また記事ができましたら、ご連絡致します。| |~二階堂紅丸|×ちゃん、待たせちゃってごめんね。| |~〇×|いえ、もう終わりですか?| |~二階堂紅丸|今日はね。&br;あとは後日、記事ができた時に確認して終わりかな。| |~〇×|そうなんですね。&br;あ、紅丸さん、お疲れ様でした。| |~二階堂紅丸|ふふっ、サンキュー!| |~二階堂紅丸|じゃあ、遅くなる前に帰ろうか。| |~〇×|はい。| |~〇×|(結局どこが違うのかわからなかったな……。)| |~二階堂紅丸|取材も無事に終わったし、&br;今日付き合ってくれたお礼にご飯でもどうかな?| |~〇×|はい! あ、でも、私何もしてないですよ……。| |~二階堂紅丸|ううん、来てくれたことが大事なのさ。&br;それに俺がしたいから誘ってるんだよ。| |~〇×|では、お言葉に甘えて――| |~二階堂紅丸|あ、そういえば、忘れる前に聞いておかないとね!| |~〇×|(なんだろう……。)| |~二階堂紅丸|今日の俺のファッションどうだった?| |~〇×|はい、いつもより格好よかったです!| |~二階堂紅丸|そう、いつもより……ふふっ。| |~〇×|紅丸さん?| |~二階堂紅丸|その様子だと、作戦は大成功だね!&br;いつもより格好いいって思ってもらえたんだから。| |~〇×|えっ? それってどういう……?| |~二階堂紅丸|実はね、これいつもと同じ衣装だったんだ。| |~〇×|あ、やっぱりそうだったんですか?&br;道理で見つからないはずです。| |~〇×|歩いてる時から、ずっとどこが違うのかなって&br;間違い探しみたいに探していたんですよ。| |~二階堂紅丸|騙しちゃってごめんね。| |~〇×|いえ、私のほうこそ、これを気づけないようじゃ&br;まだまだですね。| |~二階堂紅丸|じゃあ、これからもっと俺を知ってもらおうかな。| |~〇×|(そんな真っ直ぐに見つめられると&br;ドキドキしちゃうよ……。)| |~〇×|お手柔らかにお願いします……。| |~二階堂紅丸|ふふっ、俺に任せて。| |~二階堂紅丸|でも、今日は一段と×ちゃんの視線が&br;熱かったから緊張してしまったな。| |~〇×|そんなにですか?| |~二階堂紅丸|ああ、格好悪いところは見せられないからね。| |~〇×|(紅丸さんも緊張することあるんだ。ちょっと意外かも。)| |~〇×|紅丸さんの格好悪いとこなんて、今まで見たことないですよ。| |~二階堂紅丸|え、そう?| |~〇×|はい、逆に格好いいところしか思いつかないです。| |~二階堂紅丸|そう思ってくれてるならうれしいな。| |~〇×|(わ、私、今恥ずかしいこといっちゃったよね!?&br;でも、本当のことだし……いっか。)| #endregion ----- **強く華麗に美しく [#SR02] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(お昼ご飯の準備終わったし、みなさんを呼んで来よう。&br;まだ練習してるのかな……?)| |~〇×|みなさん、お昼ご飯ができましたよ。| |~草薙京|この中だと、紅丸だけ格闘スタイルが違うからな。| |~草薙京|これからのことを考えると、真吾も多めに経験を積むほうが&br;いいだろう。| |~二階堂紅丸|そうそう、視野を広げるのも大事だぜ、真吾。| |~矢吹真吾|でも、おれは早く草薙流を極めたい!| |~矢吹真吾|だから、もっと草薙さんに相手してほしいんです!| |~〇×|(話し込んでるみたいだし、間に入っちゃ悪いかな……。)| |~二階堂紅丸|おや、×ちゃん。そんなところに立ってどうしたんだい?| |~二階堂紅丸|さては、俺に会いに来てくれたんだね。| |~〇×|い、いえ、ご飯ができたので声を掛けに来たのですが……。&br;何の話し合いをされてるんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、このあと練習試合をするんだけど、&br;どういう組み合わせでするのか、なかなか決まらなくてね。| |~矢吹真吾|だから、おれは草薙さんに相手してほしいんですって!| |~二階堂紅丸|なんだ、そんなに俺の力が頼りないってか?&br;悲しいぜ、真吾。| |~矢吹真吾|あああっ、いえ、そういうわけじゃないんです!&br;ただおれは……!| |~二階堂紅丸|ははは! 冗談だって、真に受けるなよ真吾。&br;こんなの真に受けるようじゃ、まだまだだな。| |~草薙京|はぁ……×。あんたはどう思う?| |~草薙京|KOFのことを考えれば、紅丸に経験を積んでもらうほうが&br;いいだろ?| |①|>|CENTER:~紅丸さんに聞く| |~|~〇×|んー……紅丸さんはどうですか?| |~|~二階堂紅丸|そうだね、京の言うように経験を積むのもいいことだと思うよ。| |~|~二階堂紅丸|まぁ、真吾相手でも手加減はしないけどね。| |~|~二階堂紅丸|でも、本当は真吾よりも×ちゃんに相手してほしいな。&br;格闘技じゃなくて、愛の訓練を……。| |~|~〇×|そ、それはまた次の機会にでも……。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ、約束だよ。| |~|~〇×|(紅丸さんはどこまで本気なんだろう……。)| |②|>|CENTER:~困る| |~|~〇×|えっと……。| |~|~〇×|(そんな急に私に振られても困るよ……。)| |~|~矢吹真吾|〇さんも早くおれが草薙流を極めた姿を&br;見てみたいでしょう?| |~|~〇×|え……それは見てみたい気もするけど……。| |~|~矢吹真吾|ほら! 〇さんもこう言ってますし!| |~|~二階堂紅丸|こら真吾、×ちゃんが困ってるじゃないか。| |~|~二階堂紅丸|少しは俺を見習って紳士的になったらどうだい?| |~|~矢吹真吾|紳士的……うーん、おれには難しそうです……。&br;まだまだ修行が足りないんですかね……。| |~|~〇×|(ふふっ、真吾くんが紅丸さんみたいになるのは&br;想像できないかも。)| |~〇×|じゃあ、偏った組み合わせじゃなくて、&br;トータルで全員同じぐらいにすればいいんじゃないですか?| |~草薙京|いや、オレは紅丸にもKOFに向けて調整をしてほしいんだ。| |~草薙京|それに紅丸のスタイルはなかなかないからな。| |~〇×|なるほど……。&br;じゃあ、紅丸さんは同じスタイルの人と練習って――| |~二階堂紅丸|ああ、俺は自宅に自分専用トレーニングルームがあるのさ。&br;練習はそこでやったりもするけど……。| |~二階堂紅丸|俺のシューティングはワンアンドオンリーだからね。&br;同じスタイルの相手はいないのさ。| |~〇×|(京さんたちみたいに草薙流とか、&br;同じスタイルの人はいるんだと思ってたけど……。)| |~〇×|(紅丸さんみたいにいないこともあるんだ。)| |~二階堂紅丸|ふふっ、不思議そうな顔をしているね。| |~〇×|あ……そんな顔にでてました?| |~二階堂紅丸|なんでいないのかな? って、顔に書いてあるよ。&br;まったく×ちゃんは素直で可愛いね。| |~〇×|(思いっきり顔に出てたなんて、恥ずかしい……。)| |~二階堂紅丸|まぁ、俺がワンアンドオンリーなのには&br;ちゃんと理由があるんだよ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|昼食の連絡へ来たはずの道場で、私は&br;紅丸さんの格闘スタイルについて話を聞いていた。| |~二階堂紅丸|まずは、俺が格闘技を始めたところからになるかな。| |~二階堂紅丸|始めたのは、自分の帯電体質を活かした&br;何かをしたいと思ったのがきっかけさ。| |~〇×(主人公)|帯電体質……ですか?| |~二階堂紅丸|そう、×ちゃんをビビっと痺れさせちゃう。| |~〇×|ふふっ、それは気を付けないと感電しちゃいますね。| |~二階堂紅丸|そうだね。&br;でも癖になって、そのまま俺の虜になっちゃうかもよ。| |~二階堂紅丸|なんたって相手は俺だからさ。| |~草薙京|おい。| |~〇×|帯電体質を活かしたい、というきっかけはわかりました。&br;それで、えっと、紅丸さんの格闘スタイル……。| |~草薙京|シューティングだ。| |~〇×|それです、シューティング。どうしてそれにしたんですか?&br;他にもスタイルはいろいろあったと思うのですが……。| |~二階堂紅丸|そうだね。| |~二階堂紅丸|帯電体質はあくまできっかけだけど、&br;シューティングを選んだのはたまたまなのさ。| |~〇×|じゃあ、それをやりたくて&br;やったわけじゃなかったんですね。| |~二階堂紅丸|そう、帯電を格闘技の技として使ってる人は&br;いなかったんだよ。| |~二階堂紅丸|だから、組み合わせて昇華させたのは、&br;俺自身の考えだから、同じ流派は存在しないんだ。| |~〇×|(そっか……だから、どのスタイルにも当てはまらない。&br;紅丸さんだけの流派……。)| |~〇×|自分で格闘スタイルを作り上げたなんて、&br;紅丸さんすごいです!| |~二階堂紅丸|ふふっ、サンキュー!| |~二階堂紅丸|そんな特別なことだとは思ってないんだけどね。| |~二階堂紅丸|あくまで自分のやりやすい、やりたいことを&br;組み合わせてみただけなのさ。| |~二階堂紅丸|でもそれより……。| |~〇×|っ!?| |~〇×|(紅丸さんの手が私の頬に……!)| |~二階堂紅丸|×ちゃんのオンリーワンになるほうが&br;ずっと重要だよ。| |~〇×|紅丸さん……。| |~二階堂紅丸|×ちゃん、俺のオンリーワンに――| |~草薙京|はい、ストップ!| |~二階堂紅丸|なんだよ京、邪魔をするなんて野暮じゃないか。| |~草薙京|ちょっとは人目を気にしろ。×が困ってんだろ。| |~矢吹真吾|これが紳士的ってやつっすかね……。&br;手帳にメモしとかなきゃ!| |~草薙京|んなもんメモすんな。紙と鉛筆の無駄だ。| |~二階堂紅丸|俺の想いは誰にも止められないってことなんだけどね。&br;まあ、障害があるほど燃えるというものだけどね。| |~草薙京|ったく……お前誰にでもそんなこと言ってるだろ……。| |~二階堂紅丸|そんな冗談なんて言わないよ。いつでも俺は本気さ。| |~草薙京|はいはい、そうかよ。| |~矢吹真吾|うあー! もう、そんなことより腹減ったっす!&br;お腹が限界っすよ!| |~〇×|あっ! そういえば……。&br;私みなさんをご飯に呼びに来たんでした!| |~矢吹真吾|おお! ナイスタイミング!| |~〇×|早くしないと冷めちゃうかもしれないね。&br;急がないと。| |~矢吹真吾|そうですね! じゃ、おれが一番乗りいただきます!| |~草薙京|おい、真吾ちょっと待て!| |~草薙京|あいつを先に行かせると&br;オレの飯まで無くなるんじゃねーか。| |~〇×|ふふっ、&br;そんなに慌てなくても大丈夫だと思いますよ。| |~矢吹真吾|ちなみに、今日の献立はなんですか?| |~〇×|今日は鮭の塩焼きと、つみれ汁と……。| |~矢吹真吾|あ~、聞いてるだけでお腹空いてきました!&br;早く行きましょう!| |~〇×|ふふっ、そうだね。| |~二階堂紅丸|…………。| |~二階堂紅丸|ふぅ……。&br;いつになったらキミは本気と思ってくれるのかな。| |~二階堂紅丸|俺はいつでも……。| #endregion ----- **スマートな執事 [#SR03] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|おかえりなさいませ、お嬢様。| |~二階堂紅丸|こちら、ハーブティーでございます。&br;ごゆっくりお楽しみください。| |~来店客A|ありがとうございます、執事さん!| |~二階堂紅丸|何かご用がありましたら、&br;いつでもお申し付けください。| |~二階堂紅丸|執事たる私が、すぐにお嬢様のもとへ&br;駆けつけます。| |~〇×(主人公)|(……さすがというか。&br;紅丸さん、すごく様になってるなぁ……。)| |~〇×|(紅丸さんのお知り合いが喫茶店を&br;オープンしたから手伝いに来たのはいいけど……。)| |~〇×|(執事喫茶だったのは&br;ちょっとびっくりしちゃった。)| |~来店客A|ねえ、お兄さんってKOFに&br;出てた人ですよね?| |~来店客B|モデル雑誌でも見たことあります!| |~二階堂紅丸|私のことをご存じとは光栄です。&br;今日は素敵なひと時をお過ごしくださいね。| |~〇×|(お客さんすごく嬉しそう……。&br;紅丸さん、すごいなぁ……。)| |~草薙京|紅丸の奴、すげぇ活き活きしてんな。&br;これ、あいつの天職なんじゃねえか?| |~二階堂紅丸|はいはい京。サボって変なこと言って&br;×ちゃんを困らせるんじゃないぜ。| |~二階堂紅丸|あちらのお嬢様がお呼びだから行ってこい。| |~草薙京|めんどくせえ。お前が行けよ、紅丸。| |~二階堂紅丸|それができたらそうしてるさ。&br;あちらのお嬢様はお前をご指名なんだとさ。| |~二階堂紅丸|……その分、ちゃんとバイト代は&br;上乗せになるぜ?| |~草薙京|チッ、わかったよ。&br;行けばいいんだろ行けば。| |~二階堂紅丸|頑張って来いよ。&br;……さて、次は、と――。| |~〇×|(紅丸さん、頑張ってるな。&br;私も負けずにキッチンの仕事頑張ろう!)| |~二階堂紅丸|休憩入りまーす。&br;……ふう。| |~〇×|紅丸さん、お疲れ様です。| |~二階堂紅丸|お疲れ、×ちゃん。&br;キミも休憩かい?| |~〇×|はい。紅丸さん、接客頑張ってましたね。&br;キッチンから様子見てました。| |~二階堂紅丸|ははは、見られてたのはちょっと恥ずかしいな。&br;結構難しくて試行錯誤してたからね。| |~〇×|そうなんですか? そうとは思えないくらい&br;とてもスマートでしたよ。| |~二階堂紅丸|キミにそう言ってもらえると&br;頑張った甲斐があるよ。| |~〇×|あ、そうだ。あっちにスタッフ用の&br;まかない料理があるので、持ってきますね。| |~二階堂紅丸|いや、待って×ちゃん。&br;それは俺にやらせてほしい。| |~〇×|え、ですが紅丸さん休憩中ですし……。| |~二階堂紅丸|それはキミも同じだろ?&br;気にしないで、キミは座って休んでて。| |~二階堂紅丸|キッチンは暑いし、キッチン中を動き回って&br;結構疲れてるんじゃないのかい?| |~二階堂紅丸|今の俺は執事なんだから、俺に任せて。| |~二階堂紅丸|今は、キミだけの執事をやらせてほしい。| |①|>|CENTER:~お言葉に甘えて……| |~|~〇×|えっと……それじゃあ、お言葉に甘えて&br;お願いします、執事さん。| |~|~二階堂紅丸|かしこまりました、お嬢様。&br;……なんて、こういうのも新鮮で面白いかもな。| |~|~〇×|ふふっ、そうですね。| |②|>|CENTER:~紅丸さんも疲れちゃいますよ| |~|~〇×|ちゃんと休まないと、&br;紅丸さんも疲れちゃいますよ。| |~|~二階堂紅丸|……俺を心配してくれるのかい?&br;優しいお嬢様に仕えられて幸せだな。| |~|~二階堂紅丸|それじゃ、料理を持ってきたら&br;俺も休憩しようかな。| |~二階堂紅丸|さぁ、残りの仕事も一緒に頑張ろうか。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~二階堂紅丸|こちら、お食事と&br;アールグレイティーでございます。| |~二階堂紅丸|紅茶は砂時計がすべて落ちたら飲み頃です。&br;ミルクと砂糖はこちらをどうぞ。| |~〇×|わあ……すごい。紅丸さん、手際がいいですね。&br;いただきます。| |~二階堂紅丸|これしきのこと、&br;執事としては当然のことでございます。……ってな?| |~草薙京|なんでそこまでやれるのか、&br;ある意味尊敬するぜ。| |~二階堂紅丸|レディを大切にするのは当然のことだろ?| |~二階堂紅丸|……って、あれ、×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|指、怪我してるね。どうしたの?| |~〇×|え?……あ、ちょっと傷ついてますね。&br;全然気づかなかった……。| |~〇×|多分、料理してるときに&br;切っちゃったんでしょうね。| |~二階堂紅丸|大丈夫?&br;痛みはないかい?| |~〇×|紅丸さんに言われるまで気づかないくらいでしたし、&br;血も出てないので大丈夫ですよ。| |~〇×|あとで絆創膏貼っておきます。| |~二階堂紅丸|ダメだよ、怪我は気づいたら&br;すぐに対処しなきゃ。| |~二階堂紅丸|絆創膏持ってくるから、待ってて。| |~二階堂紅丸|はい、これでオーケー。| |~〇×|ありがとうございます、紅丸さん。| |~二階堂紅丸|どういたしまして。| |~〇×|この絆創膏、花柄になってるんですね。| |~二階堂紅丸|すぐ目につく調度品や食器だけでなく、&br;こういった小物にも気を遣う……。| |~二階堂紅丸|店主のそういう心配りみたいだな。| |~二階堂紅丸|万が一店内で怪我をする人が出たときに、&br;少しでも気分を良くするため……なんだとさ。| |~〇×|そうなんですね。| |~〇×|確かに普通の絆創膏よりもかわいいし、&br;怪我がちょっと気にならなくなる気がします。| |~二階堂紅丸|ふふっ、そう言ってもらえると、&br;それを選んで良かったと思うよ。| |~二階堂紅丸|また何かあったらいつでも言ってくれ。&br;すぐにキミの元へ駆けつけるから。| |~二階堂紅丸|この傷は頑張ってる証でもあるけど、&br;やっぱり、キミが傷つくのは嫌だからね。| |~二階堂紅丸|今度はキミが傷つく前に、&br;必ず守ってみせるよ。| |①|>|CENTER:~嬉しいです| |~|~〇×|そう言ってもらえると嬉しいです。| |~|~〇×|でも、紅丸さんにお手数かけないよう、&br;私もちゃんと気を付けますね。| |~|~二階堂紅丸|キミはとても強い子だね。&br;そんなところも魅力的だよ。| |②|>|CENTER:~ちょっと恥ずかしいかも…….| |~|~〇×|ちょっと恥ずかしいかも……。| |~|~二階堂紅丸|そうして恥じらう姿も素敵だ。&br;より一層、守ってあげたくなるよ。| |~草薙京|おいおい、マネージャー口説いてどうすんだよ。&br;それに、休憩中まで執事ごっこやってなんになるんだ?| |~二階堂紅丸|いい執事ってのは、どこにいても&br;スマートさを失わないものだからな。| |~草薙京|へえ。そんじゃオレにもなんかやってくれ執事。| |~二階堂紅丸|それは断る。俺が忠誠を誓うのは、&br;心に決めたお嬢様だけだからな。| |~二階堂紅丸|……ね、×お嬢様?| |~〇×|えっ、えっと、は、はい……!| |~草薙京|ケチくせえ執事だなあ。| |~二階堂紅丸|やる気のない執事よりはマシだと思うぜ?| |~草薙京|そもそもオレは執事になったつもりはねえ。| |~二階堂紅丸|執事やらなきゃバイト代出ないぜ?| |~草薙京|執事だってわかってたら別の仕事してたぜ、ったく。| |~草薙京|紅丸の持ち掛けてくる仕事なんざ&br;だいたいろくなもんじゃねえな。| |~二階堂紅丸|それでも付き合ってくれて感謝してるぜ、京。| |~草薙京|そりゃどーも。| |~〇×|ふふっ。紅丸さんも京さんも、&br;本当に仲がいいですね。| |~二階堂紅丸|仲がいいっていうか、腐れ縁みたいな感じだな。| |~草薙京|付き合い長いしな。| |~二階堂紅丸|……さて、と。そろそろ休憩時間も終わるし、&br;お嬢様たちのところへ戻るぜ、京。| |~草薙京|へいへい。| |~〇×|私も、キッチンの仕事に戻らないと。| |~二階堂紅丸|お気をつけて、×お嬢様。&br;それでは、私は行って参ります。……なんてな?| |~〇×|ふふっ、行ってらっしゃい。&br;お帰りをお待ちしてますわ……なんて。| |~二階堂紅丸|本当、また怪我をしたりしないよう、&br;何かあったらすぐ呼んで欲しいな。| |~二階堂紅丸|じゃあ、行ってくるよ。| |~〇×|(怪我、か。……紅丸さんが貼ってくれた絆創膏、&br;すごくかわいいな。)| |~〇×|(……よし、頑張ろう!)| #endregion ----- **温泉合宿 [#SR04] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ホテル内・廊下――| |~二階堂紅丸|やあ、×ちゃん。| |~〇×(主人公)|紅丸さん、遅い時間にどうしたんですか?| |~二階堂紅丸|キミこそこんな夜更けに廊下にいるなんて感心しないな。| |~二階堂紅丸|ただでさえこの旅館は暑苦しい男たちだらけなんだぜ。| |~二階堂紅丸|俺の×ちゃんに何かあったら困る。| |~二階堂紅丸|キミは俺の――可愛い子猫ちゃんなんだから。| |~〇×|……!&br;紅丸さん、それは……!| |~二階堂紅丸|あれ、ほっぺにキスは&br;ふたりきりの時でもだめだっけ?| |~二階堂紅丸|そんなに可愛い顔されたら&br;俺の心臓がもたないな。| |~二階堂紅丸|このまま俺の部屋に連れて帰りたいぐらいだよ。| |~〇×|紅丸さんこそ、心臓に悪いです……!| |~二階堂紅丸|ふふ、ごめんね。&br;それで本当はどうしてこんな時間に部屋を出たんだい?| |~〇×|実は、お風呂に入りそびれてしまって……。&br;上のお風呂が閉まる前に入ってこようかと。| |~二階堂紅丸|ああ、確かに。&br;屋上のお風呂は23時までだったね。| |~二階堂紅丸|入っておいでと言いたいところだけど&br;キミをひとりで行かせるのも心配だな。| |~二階堂紅丸|俺も一緒に……入ろうかな?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|紅丸の部屋――| |~二階堂紅丸|×ちゃん、&br;お風呂は楽しめた?| |~〇×|最高でした!&br;ゆっくりお湯に浸かると癒されますね。| |~二階堂紅丸|露天風呂から見える夜空も綺麗だったね。| |~〇×|はい、空が広くて星が綺麗に見えましたね。| |~二階堂紅丸|そういえば前に、&br;一緒に銭湯に行ったことがあったよね。| |~二階堂紅丸|合宿って形にはなったけど&br;キミとこうして温泉に来られて良かったな。| |~〇×|ふふ。私も合宿という言葉に甘えて&br;思いきり楽しんでしまってます。| |~二階堂紅丸|良いんだよ、キミは好きなだけ楽しんで。&br;日頃の疲れを癒してね。| |~〇×|はい! みなさんをサポートしつつ、&br;私もゆっくりします。| |~二階堂紅丸|ふふ。真面目で良い子だな、キミは。| |~二階堂紅丸|今はふたりきりの時間なんだから&br;マネージャーの仕事は終わり。| |~二階堂紅丸|今夜は……。&br;俺だけのお姫様でいてくれるだろ?| |~〇×|(紅丸さんの唇が、耳元に……!)| |~二階堂紅丸|そんなに赤くなっていると、&br;可愛すぎて食べてしまいたくなるけど――| |~〇×|――!| |~二階堂紅丸|その前に、お姫様の髪を乾かしてあげないとな。| |~二階堂紅丸|今夜は俺が何でもしてあげるよ。&br;キミはただ甘えてくれたらいい。| |~二階堂紅丸|ふたりきりの「癒し」の時間は&br;まだこれから、だからね。| #endregion ----- **心を見透かす目 [#SR05] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(思ったより掃除に時間かかっちゃった。&br;明日も早いし、そろそろ寝ないと――)| |~二階堂紅丸|やあ、×ちゃん。| |~〇×|紅丸さん。| |~〇×|(あれ?&br;紅丸さんって今日は帰ったんじゃなかったっけ……?)| |~二階堂紅丸|ちょっといいかな。&br;キミにお願いがあるんだけど、聞いてくれるかい?| |~〇×|(紅丸さんのお願い? ……なんだろう?)| |①|>|CENTER:~はい、私にできることでしたら| |~|~〇×|はい、私にできることでしたら&br;いくらでも手伝いますよ。| |~|~二階堂紅丸|ふふっ。嬉しいね。&br;けど、他の男にそんなセリフは言わないで欲しいかな。| |~|~二階堂紅丸|みんなに優しい×ちゃんは素敵だけど&br;ちょっと妬けちゃうからね。| |②|>|CENTER:~今から、ですか?| |~|~〇×|今から、ですか?| |~|~二階堂紅丸|まさか。&br;こんな夜中に×ちゃんの手を煩わせたりなんかしないさ。| |~|~二階堂紅丸|夜更かしさせて、キミのきれいな肌が&br;荒れでもしたら大変だからね。| |~二階堂紅丸|――実は、今度新しく仕事を始めようと&br;思っているんだけど……。| |~二階堂紅丸|×ちゃんには、&br;それを手伝ってもらいたいんだ。| |~〇×|そうなんですね。&br;どんな仕事なんですか?| |~二階堂紅丸|んー、そうだなぁ。&br;それは当日までの秘密にしておこうか。| |~二階堂紅丸|×ちゃん。来週の土曜日は空いているかな?| |~二階堂紅丸|この地図の場所へ、18時に来てくれると嬉しいんだけど。| |~〇×|あ、はい。&br;土曜日なら、大丈夫だと思います。| |~二階堂紅丸|ありがと。&br;それじゃ、当日はよろしくね。| |~〇×|(紅丸さんの新しい仕事ってなんだろう?&br;秘密って言ってたけど……。)| |>|翌週土曜日、夕方――| |~〇×|(紅丸さんの言ってた場所って、この先だよね?)| |~〇×|(えっと……もしかして、あの小さなお屋敷なのかな。)| |~〇×|と、とりあえず行ってみよう……!| |~〇×|し、失礼します……。&br;紅丸さん、いらっしゃいますか?| |~二階堂紅丸|ああ、待っていたよ、×ちゃん。&br;来てくれてありがとう。| |~〇×|え、紅丸さん?&br;その格好は、もしかして――| |~二階堂紅丸|ふふ、この前の人狼ゲームでインスピレーションを受けてね。&br;占い師を始めることにしたんだ。| |~二階堂紅丸|女性には占いが好きな人も多いって話を聞いたから、&br;それならぜひ×ちゃんの意見を聞きたいと思ってね。| |~〇×|なるほど、そういうことだったんですね。| |~二階堂紅丸|どうだい? 屋敷に、服に、タロットカード。&br;全部特注品で、色々こだわったつもりなんだけど。| |~〇×|そうですね……。| |~〇×|この香り……お香でしょうか?&br;どこかエキゾチックなのに、安心する良い香りです。| |~二階堂紅丸|よく気付いたね。&br;イランイランとベルガモットをブレンドしてみたんだ。| |~二階堂紅丸|少しでも、非日常感を出したいと思ってね。| |~〇×|はい。まるで海外にいるみたい……。&br;なんだかここに来るだけで、ワクワクしそうです。| |~二階堂紅丸|なるほどねぇ、参考になるよ。| |~二階堂紅丸|そうだ。せっかくだし、&br;×ちゃんのこと占っちゃおうかな?| |~〇×|え、私をですか?| |~二階堂紅丸|協力してくれたお礼だよ。&br;さ、俺の前の椅子に座って。| |~〇×|は、はい。| |~二階堂紅丸|さて……何が出るかな?| |~〇×|(い、いったい何を占われるんだろう。&br;少しドキドキする……。)| |~二階堂紅丸|おっと、このカードは……。| |~二階堂紅丸|……いけない子だね、×ちゃん。&br;キミ、俺に隠し事してるでしょ?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|そんな……。何も隠し事なんてしてないですよ。| |~二階堂紅丸|ふふっ、じゃあ内容も当ててしまおうかな。| |~二階堂紅丸|ちょっと失礼。&br;少し近くで、観察させてもらうよ。| |~二階堂紅丸|ふーん……?| |~〇×|(べ、紅丸さん……本当に顔が近いです……!)| |~二階堂紅丸|俺のことが好き……っていう隠し事なら、&br;かわいくてたまらないんだけど……。| |~二階堂紅丸|どうやらそうじゃないみたいだ。&br;キミは――人狼だね?| |~〇×|え!? な、何言ってるんですか、紅丸さん……!?| |~二階堂紅丸|ふふ。嘘が下手だね。&br;俺には全部見えてるんだよ、キミの心が。| |~二階堂紅丸|ほら、あまり動揺すると、かわいいシッポが見えちゃうよ。| |~〇×|シッポ?&br;そんなの、あるはずが――| |~〇×|(……って、あれ? お尻の方に違和感が……。&br;……そんな、まさか……。)| |~〇×|(し、シッポが生えてる――!?)| |~二階堂紅丸|おやおや、シッポどころか耳まで出てきてしまったね。| |~〇×|ええっ!?| |~二階堂紅丸|ずいぶん、モフモフでかわいらしい人狼さんだ。&br;こんな人狼さんなら、怖くないね。| |~二階堂紅丸|ずっとそばで、かわいがってあげたくなっちゃうな。| |~〇×|ず、ずっと……!?| |~二階堂紅丸|ほら、おいで。&br;俺のかわいい人狼ちゃん。| |~〇×|紅丸さん!? あのっ、その、えっと……!| |~〇×|ごめんなさいーーーーっ!!| |~〇×|……って、え……?&br;……夢?| |~〇×|(シッポは――ない。&br;ってことは、やっぱり夢だったんだ……。)| |~〇×|良かったぁ……。| |~〇×|わっ!| |~〇×|って、なんだ。メッセージか……。| |~〇×|(紅丸さんからだ。なんてタイミング……。)| |~紅丸からのメッセージ|『また人狼やりたいね。&br;俺、嘘つきの×ちゃんも見てみたいな。』| |~〇×|嘘つき、かぁ……。| |~二階堂紅丸|……いけない子だね、×ちゃん。&br;キミ、俺に隠し事してるでしょ?| |~〇×|(うう、紅丸さんの前で、&br;うまく嘘つける自信ないなぁ……。)| #endregion //---------- ''スペシャル'' #region(ネタバレ注意) |>|フルーツパーラーにて――| |~矢吹真吾|うわっ! このフルーツサンドに挟まってるバナナ……、&br;スーパーで買うのよりずうっと濃厚ですっごく甘いですよ!| |~包|生クリームもふわっふわで甘さ控えめ……。| |~二階堂紅丸|おい、包。&br;反対側からクリームが溢れてるぞ。| |~包|あ、ほんとだ! ありがとう紅丸さん!| |~二階堂紅丸|(どうしてもフルーツサンドが食べたいとゴネるから&br;連れてきてやったものの……。)| |~二階堂紅丸|(どうして俺がこいつらの面倒を……。)| |~二階堂紅丸|(窓から見える海を眺めながら甘いデザート。)| |~二階堂紅丸|(×ちゃんの喜ぶ顔が目に浮かぶな……。)| |~二階堂紅丸|(パインボート、バナナパフェ、フルーツの盛り合わせ……。&br;彼女はどれが一番気にいるだろう。)| |~二階堂紅丸|(ふふ、×ちゃんと来るのが楽しみだ。)| |~二階堂紅丸|(楽しみだっていうのに……。)| |~矢吹真吾|紅丸さん! このフルーツサンド、おいしいですよ!| |~二階堂紅丸|ハァ……。| |~包|あれ、ため息なんてついちゃって&br;紅丸さんはフルーツサンド嫌いなの?| |~二階堂紅丸|せっかく伊豆に来てまでお前らの面倒を&br;見ることにうんざりしてるんだよ。| |~二階堂紅丸|フルーツサンドは×ちゃんとの&br;デートに備えて食べておかないとな。| |~矢吹真吾|じゃあ一つ残しておきますね!| |~二階堂紅丸|……おい、真吾。&br;クリーム付いてるぞ。| |~矢吹真吾|え? どこですか?| |~矢吹真吾|口ですか……あれ?&br;鼻……でもない……おでこ……? ん? どこですか?| |~二階堂紅丸|はあ……耳。右耳だ。| |~矢吹真吾|えっ……耳?| |~矢吹真吾|わっ! ほんとだ!&br;紅丸さんありがとうございます!| |~二階堂紅丸|やれやれ……。&br;どうやったら耳たぶにクリームがつくんだお前は……。| |~包|あはは! 真吾さん慌てて食べるからだよー。| |~包|でも、紅丸さんって……。&br;なんだかんだ僕たちに優しいよね。| |~矢吹真吾|へへ、そうっすよね。&br;面倒見が良いっていうか……。| |~二階堂紅丸|おいおい、やめてくれ。&br;俺が優しいのはレディにだけだ。| |~真吾&包|へへっ。| |~二階堂紅丸|まったく……お前らは……。&br;お子様の相手はもう終わりだ。帰るぞ。| |~真吾&包|え~~!| |~二階堂紅丸|(早く帰って×ちゃんとデートの予定を立てないとな。)| #endregion ----- **夜デート [#SR06] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|空港・到着ロビー――| |~二階堂紅丸|やあ、マイ・プリンセス。&br;会いたかったよ!| |~〇×(主人公)|べ、紅丸さん、人がたくさん見てますから……!| |~二階堂紅丸|あれ? 恋人同士の再会にはハグは重要だと思うんだけどな。| |~〇×|再会って……。&br;二日しか離れてなかったじゃないですか……!| |~〇×|ところで、その格好は?| |~二階堂紅丸|ああ、このスーツかい? 似合うかな?&br;今日の撮影衣装なんだ。| |~二階堂紅丸|着替える時間も惜しいから、そのまま迎えに来たんだ。| |~二階堂紅丸|どう?&br;プリンセスを出迎えるナイトに見えるかな。| |~〇×|はい、とっても素敵です!| |~二階堂紅丸|南の島でスーツの撮影だなんてどうかしてると思ったけど……。&br;キミが喜んでくれるならこの仕事、受けて良かったよ。| |~二階堂紅丸|ふぅ、朝からこの暑さで倒れそうだったけど、&br;キミの顔を見た瞬間、吹き飛んだよ。| |~二階堂紅丸|さすがは俺の可愛い子猫ちゃん。| |~〇×|紅丸さん、近いです……!| |~二階堂紅丸|ははっ。俺の子猫ちゃんは恥ずかしがり屋だな。| |~二階堂紅丸|とにかく、来てくれてありがとう。長旅お疲れ様。&br;もう少しで撮影も終わるから、コテージで待っていてくれる?| |~〇×|わかりました。| |~二階堂紅丸|キミの顔を見てしまったら、たった1時間の別れさえ寂しいよ。&br;このまま一緒に帰りたいぐらいだ。| |~〇×|ふふ、ちゃんとコテージで待ってますから。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|コテージ――| |~二階堂紅丸|×ちゃん、ただいま!| |~〇×|あれ、紅丸さんそのスーツ……。&br;まだ撮影終わらないんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、これ?&br;キミが似合うって言ってくれたから買い取ったんだ。| |~二階堂紅丸|デ・オールの、&br;これから発売される最新コレクション。| |~〇×|(ブランドには詳しくないけど、買い取っちゃうなんて……。&br;ものすごくお高いんじゃ……。)| |~二階堂紅丸|もう一度キミに見て欲しくてね。&br;どうかな? マイ・プリンセス。| |~〇×|……! やっぱり、すごく素敵です……!| |~二階堂紅丸|ふふ。顔が真っ赤だな。&br;本当に素直で可愛くて……いい子だね、キミは。| |~二階堂紅丸|やっとふたりきりの時間だね。| |~二階堂紅丸|今日は朝まで……付き合ってもらおうかな。| |~〇×|(紅丸さんに抱き寄せられてる……。)| |~二階堂紅丸|……キミに見せたいものがあるんだ。| |~二階堂紅丸|ほら、こっちにおいで。| |~〇×|えっ? こっちは……テラス?| |~二階堂紅丸|うん。&br;ここから見る星空は……とても綺麗なんだ。| |~二階堂紅丸|空に輝く星の全てを、キミにプレゼントするよ。| |~二階堂紅丸|世界でたったひとりの恋人に、&br;俺を選んでくれた、そのお礼に。| |~二階堂紅丸|……キミの綺麗さには到底及ばないけどね。| #endregion ----- **KOFG学園 [#SR07] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ある日の登校中――| |~〇×(主人公)|(なんだろう? すごい人だかり……!)| |~女子生徒A|撮影してるところ見られるなんてほんとラッキー!| |~女子生徒B|紅丸くん、今日もカッコいいよね~。| |~二階堂紅丸|じゃあ、始めようか。&br;今日も俺を美しく撮ってくれよ?| |~〇×|(紅丸くんが撮影してるから、こんなに見物人がいたんだ。&br;さすが人気者だなあ……。)| |~二階堂紅丸|次はこんな感じかな?| |~〇×|(わあ、さすがだな。&br;ただ車の前に立ってるだけなのに、すごく絵になる……。)| |~〇×|うわっ! ご、ごめんなさい!| |~〇×|(よそ見してたら、人にぶつかっちゃった……。&br;しかも転んじゃうなんて……いたたっ。)| |~二階堂紅丸|大丈夫かい?&br;お手をどうぞ。×ちゃん。| |~〇×|あ、ありがとう紅丸くん。| |~〇×|まだあまり話したことなかったけど、&br;私の名前、覚えててくれたんですね。| |~二階堂紅丸|ふふっ、当然だよ。女の子の名前は、&br;忘れない主義だからね。| |~二階堂紅丸|ん? 制服が汚れてしまったみたいだね。ちょっといいかな?| |~〇×|あっ……。ありがとう。&br;でもハンカチが汚れちゃいますよ。| |~二階堂紅丸|かまわないさ。&br;このハンカチはキミと出会う運命だった。……はい、落ちた。| |~〇×|(紅丸くん、私が気にしないように気を使ってくれてるのかな。&br;優しい人だな。)| |~二階堂紅丸|おっと、そろそろ始業時間か。&br;もしよければこのままエスコートさせてくれないかな?| |~〇×|えっ? エスコートってどこに……。| |~二階堂紅丸|ふふっ、もちろん教室だよ。&br;……お手をどうぞプリンセス。| |~〇×|は……はい。| |~〇×|(なんだか紅丸くんと話していると夢みたいで&br;現実を忘れちゃいそう……。)| |~二階堂紅丸|……ふふっ。&br;それじゃあ、行こうか。| |~〇×|(エスコート姿も堂々としていてかっこいいし。&br;女の子たちが憧れる気持ち、よくわかるなぁ。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|その日の放課後――| |~〇×|ふぅ、忘れ物しちゃった。| |~〇×|(あれ、カーテンが揺れてる。&br;窓が開いてるのかも。)| |~〇×|日直が閉め忘れたのかな。&br;閉めないと――| |~〇×|……!?| |~二階堂紅丸|やぁ、×ちゃん。&br;もしかして、俺に会いにきてくれたのかな?| |~〇×|べ、紅丸くん!&br;……どうしてカーテンの裏に?| |~二階堂紅丸|しーっ、静かに。&br;……こっちにおいで。| |~〇×|(わっ、うそ、抱きしめられてる!?)| |~女子生徒A|紅丸くん、どこに行っちゃったのかな?&br;絶対こっちに来たと思ったんだけど……。| |~女子生徒B|今日こそ一緒に帰りたかったのに~!&br;あっちも探してみよう!| |~〇×|(もしかして、あの子たちから隠れてたのかな?)| |~二階堂紅丸|……。&br;急に抱き寄せてしまってごめんね。| |~〇×|いえ、……大丈夫です。&br;紅丸くん、もしかして女の子から隠れてたんですか?| |~二階堂紅丸|ふふ、キミに隠し事はできないな。&br;彼女たちに誰か一人を選んでほしいってお願いされてしまってね。| |~二階堂紅丸|それは大勢の子猫ちゃんたちに悲しい顔をさせてしまうことになる。&br;俺にそんなことはできないからね……。| |~〇×|そうなんですね……。私はみんなの紅丸くんも素敵だけど、&br;誰か一人とじっくり向き合う紅丸くんも素敵だと思いますよ。| |~二階堂紅丸|へぇ。| |~〇×|(あ、ちょっと踏み込みすぎちゃったかな?)| |~〇×|急にごめんなさい……。&br;じゃあ、私はそろそ――| |~二階堂紅丸|待って。| |~〇×|えっ……?| |~二階堂紅丸|もう少しキミと話がしたいな。&br;いいかな?| |~〇×|え……? はい。| |~二階堂紅丸|×ちゃんが誰か一人を想うときは、&br;どんなことを考えているの?| |~〇×|うーん……そうですね。今日はこんなことがあったなって&br;思い返して嬉しくなったり、ドキドキしたり。| |~〇×|明日は、もっといろんな事お話できるかなって楽しみだったり。&br;すごくいろんなことを考えますね。| |~二階堂紅丸|ドキドキして楽しい、か。&br;それって、もしかして今の俺みたいに?| |~〇×|……えっ?| |~二階堂紅丸|キミと話してると、&br;なんだかすごく新鮮で、楽しい気分になるんだ。| |~二階堂紅丸|キミといつまでも話していたいな。&br;そうだ! 明日の朝、家まで迎えに行ってもいいかい?| |~〇×|えっ! 急にどうしてですか?| |~二階堂紅丸|ふふっ、朝からキミと一緒に過ごせたら&br;もっと楽しい学園生活が送れそうな気がするんだ。| |~二階堂紅丸|どうかな? マイプリンセス。&br;俺と一緒に、楽しい学園生活を送らないかい?| #endregion ----- **誘いの悪魔 [#SR08] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~カメラマン|いいね~紅丸くん!&br;花嫁さん……ほら、笑って!| |~〇×(主人公)|(うう、緊張で笑えない……。)| |~〇×|(ウェディングフェアの撮影の代役……、&br;引き受けたのはいいけど、思った以上に難しいな……。)| |~二階堂紅丸|……。| |~二階堂紅丸|みんな。朝早くからの撮影で疲れてないかい?&br;そろそろ一度、休憩を入れたらどうかな?| |~二階堂紅丸|差し入れのスイーツを持ってきてるんだ。&br;よかったらみんなで食べてよ。| |~スタッフ|ありがとうございます!&br;そうですね。それじゃあ、15分休憩入りまーす!| |~メイクの女性|わあ、スイーツ!?&br;そろそろ食べたいと思ってたのよね。| |~スタイリストの女性|紅丸くんって相変わらずそういうところ、気が利くわよね~。| |~二階堂紅丸|さ、×ちゃんにも、特別な差し入れを用意してあるからね。&br;少し休んで、リラックスしよう。| |~〇×|(……紅丸さん、もしかして、&br;私に気を遣って休憩にしてくれたのかな?)| |~〇×|なんだかすみません……。| |~二階堂紅丸|なんで×ちゃんが謝るの?&br;謝るのは俺の方だよ。| |~二階堂紅丸|いきなり代役を頼んだりして、本当にごめんね。| |~〇×|いえ。ただ、ずっと笑顔でいるって&br;すごく難しいんだなって思いました。| |~二階堂紅丸|最初はみんなそんな感じだよ。&br;慣れれば大丈夫さ。| |~二階堂紅丸|キミの笑顔は世界一だって、&br;この俺が保証するから。| |~〇×|ふふっ。| |~二階堂紅丸|そう、その笑顔だよ。| |~〇×|(紅丸さん、優しいな。)| |~二階堂紅丸|おっと……×ちゃんへの差し入れを忘れるところだった。&br;はい、どうぞ。| |~〇×|ありがとうございます。&br;このドリンク……ワインかブドウジュース、ですか?| |~〇×|(それにしては赤黒くて、変な臭い……。)| |~二階堂紅丸|……キミは悪魔が結婚式で飲むものを知っている?| |~〇×|悪魔の飲み物……ですか?&br;いいえ。| |~二階堂紅丸|悪魔は結婚式に、血で乾杯をするんだ。| |~二階堂紅丸|このグラスに注がれた飲み物のように、&br;真っ赤な生き血でね。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|生き血!?&br;あ、また私を和ませようとして冗談を……。| |~二階堂紅丸|これでも冗談だって思えるかな?| |~〇×|(うそ、紅丸さんの背中から真っ黒い羽根が……!&br;これは夢? まさか現実じゃないよね!?)| |~二階堂紅丸|驚いているみたいだね。&br;実は俺……魔界を仕切る魔王の息子なんだ。| |~〇×|うそ……。| |~二階堂紅丸|キミはそのドレスを着て、俺の花嫁になってくれるんだろ?| |~〇×|これはウェディングフェアの花嫁役で……!| |~二階堂紅丸|なんのことかな。招待客もこんなに大勢集まっているんだ。&br;今さら結婚を中止になんてできないよ。| |~悪魔たち|キーキー!&br;王子のケッコン、バンザーイ!| |~〇×|(えっ! さっきまで居た人たちが魔物に……!)| |~二階堂紅丸|こうなることは運命だったんだよ。&br;手の甲を見てごらん。| |~〇×|(手の甲? なにこれ……気味の悪いアザがある。&br;さっきまでなかったのに……!)| |~二階堂紅丸|その印は、悪魔の花嫁になる者が持っている証さ。&br;キミが花嫁になってくれないと……。| |~〇×|……どうなるんですか?| |~悪魔たち|運命の相手と結ばれなかった悪魔は、灰になって消えるんだキー!| |~〇×|ええっ!? そんな……!&br;止める方法はないんですか?| |~二階堂紅丸|子猫ちゃん……。&br;もちろん俺の側にいてくれるよね?| |~〇×|(悪魔の花嫁になるのは怖いけど、&br;紅丸さんが灰になってしまうのは嫌……! どうしよう……。)| |~二階堂紅丸|ふふ、どのみち悪魔に魅入られたが最後。&br;もう逃げだすことなんて不可能さ。| |~〇×|私が花嫁になれば、紅丸さんは灰にならずに済むんですよね?| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|……飲めばいいんですよね、これ。&br;い、いきますよ……う、苦っ!| |~二階堂紅丸|ハハハ……キミは本当にいい子だね!| |~〇×|どういう……意味――| |~〇×|(あ……だんだん頭がボーッとして……。)| |~二階堂紅丸|おっと……。| |~二階堂紅丸|これで……。&br;キミはもう一生……俺から離れられないよ。| |~二階堂紅丸|さぁマイ・プリンセス。&br;悪魔たちの祝福を受けながら、俺と永遠の愛を誓おう。| #endregion ----- **無人島ロマンス [#SR09] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(うう……どこを見ても真っ暗、&br;こんな肝試し怖すぎるよ……!)| |~〇×|あの、紅丸さん……。| |~二階堂紅丸|どうしたの、子猫ちゃん?| |~〇×|私たち確か、&br;包くんのご招待でリゾートに来たんですよね?| |~〇×|それがどうしてペア同士手錠で繋がれたまま、&br;無人島で肝試しをする羽目になったんでしょうか……。| |~二階堂紅丸|うーん。&br;でも夏だし、いいんじゃない?| |~〇×|(うーん、なんというか……。&br;さすが、余裕だなあ。)| |~〇×|きゃっ!そこ、何か動いてます!| |~二階堂紅丸|ん?&br;どうやら、ゾンビのお出ましみたいだね。| |~ゾンビ|ぐおおおおおお……っ!| |~〇×|きゃあああっ!!| |~二階堂紅丸|ハハッ。&br;×ちゃん、よく見て?&br;あれは人形だよ。| |~〇×|え?&br;あ、本当だ。&br;ふう、びっくりした……。| |~二階堂紅丸|おっと、待った。今度は本当に危ないみたいだ……| |~〇×|(うそいつの間にか足元に&br;巨大な穴が開いてるんですけど……!?)| |~二階堂紅丸|落とし穴か……すごい仕掛けだな。&br;あと一歩前に踏み出していたら、危なかったね。| |~二階堂紅丸|まぁ俺的には、×ちゃんを抱きしめる口実が出来て&br;ラッキーだったけどさ。| |~〇×|あっ!そ、その……すみません!| |~二階堂紅丸|おっと。| |~〇×|(うう、心臓がもたない……。&br;早くゴールしたい……!)| |~二階堂紅丸|あ、待って×ちゃん!&br;上になにかある!| |~〇×|(上って……バケツ!?)| |~〇×|わ……きゃあっ!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(うう……まさかバケツから水が落ちてくるなんて……。&br;ここだけリゾート仕様にしなくてもいいのに……。)| |~〇×|(というか、肝試しにも関係ないようなっ――&br;って、あれ?私、濡れてない……!)| |~二階堂紅丸|ふう。大丈夫だった?&br;×ちゃん。| |~〇×|紅丸さん……びしょ濡れじゃないですか!&br;もしかして私を庇って……。| |~〇×|いや、そんなことより、何か拭けるものを……!| |~二階堂紅丸|いや、暑いし、水を被るくらいでちょうどいいよ。&br;歩いていれば乾くだろうし。| |~二階堂紅丸|それより、×ちゃんは濡れなかった?| |~〇×|だ、大丈夫ですけど……。&br;ん……!?| |~二階堂紅丸|ふう……。&br;それにしても、まさか髪まで濡れるなんてね。| |~〇×|(うそでしょ……びしょ濡れになったことで&br;紅丸さんの色気が怖いくらい増してる!?)| |~二階堂紅丸|これが本当の、水も滴るいい男……なんて。&br;どう?| |~〇×|す、素敵です……。| |~〇×|(髪をかきあげるだけでそんなに様になるのは、&br;紅丸さん以外にはきっといないよね。)| |~二階堂紅丸|さ、冗談はこのくらいにして、そろそろゴールしようか。&br;大事な×ちゃんに、風邪を引かせたら大変だからね。| |~〇×|(こんな時なのに心配してくれるんだ……。&br;優しいな、紅丸さん。)| |~二階堂紅丸|ゴールはこっちのほうかな。| |~二階堂紅丸|プリンセスの手を取ってビーチをエスコートだなんて、&br;悪くない夜だ。| |~〇×|(頼もしいなあ、パートナーが紅丸さんでよかった。&br;くじ引きに感謝かも……。)| |~〇×|あの、紅丸さ……。| |~二階堂紅丸|しっ……静かに。| |~二階堂紅丸|波の音に交じって……モーターの音がする……。&br;少し先だ……あった、岩の影に!| |~〇×|な、なんですかあれ……?&br;……パイ投げマシン!?| |~二階堂紅丸|ハハッ!よくもまぁ次から次へと、&br;こんな仕掛けを思いつくなぁ~。| |~〇×|ふふっ。怖いというよりはイタズラって感じですけどね。| |~〇×|(あれ……私……気づいたら肝試しが怖くなくなってる?&br;これって紅丸さんのおかげかも。)| |~二階堂紅丸|俺の顔をみつめたりして、どうかした?| |~〇×|あ、いえ。&br;紅丸さんのおかげで、だんだん楽しくなってきたなって。| |~二階堂紅丸|それはよかった。エスコートのし甲斐があるよ。&br;せっかく二人で過ごす夜なんだ、楽しまなきゃ損だからね。| |~〇×|そう言ってくれて嬉しいですけど……。&br;あの、何かお礼をさせてもらえませんか?| |~二階堂紅丸|お礼か……なんでもいいの?| |~〇×|はい、私で叶えられることだったら……| |~二階堂紅丸|ふふ、だったら、キミのバカンスを俺に独り占めさせてくれる?| #endregion ----- **夢見Night [#SR10] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|雨……どんどん強くなってきますね。| |~〇×|(外出しているみなさんは、&br;出先で足止めされて、今日は帰れないっていうし……。)| |~〇×|紅丸さん、夕飯はどうしましょうか?| |~二階堂紅丸|こうなるかと思って、撮影の帰りに&br;イタリアンの店でディナーを買ってきたんだ。| |~〇×|えっ、そうだったんですか?| |~二階堂紅丸|ああ。馴染みの店がテイクアウトを始めていてね。&br;味は保証するよ。| |~二階堂紅丸|もちろんキミの料理が一番だけど、&br;こうして二人でゆっくりできるのもいいと思わない?| |~〇×|(紅丸さんがそんなふうに言ってくれるなんて嬉しいな……&br;いつも家事を頑張っていてよかったかも。)| |~二階堂紅丸|お礼はもう一個あってね。&br;……はい、これ。キミにプレゼント。| |~〇×|この包み……なんですか?| |~二階堂紅丸|開けてみるといいよ。| |~〇×|わあ、可愛いパジャマ!&br;肌触りもよくて、すごく着やすそう……| |~二階堂紅丸|人気のルームウエアブランドからの依頼で、&br;俺がデザインした限定品さ。| |~二階堂紅丸|しかもこれは世界に二着しかない、&br;スペシャルエディションなんだ。| |~〇×|(スペシャルエディション……? なんだかすごそう。)| |~〇×|世界に二着って、あともう一着は……?| |~二階堂紅丸|もちろん、この俺の分さ。| |~〇×|(えっ、紅丸さんとお揃い!?)| |~二階堂紅丸|そうだ……せっかく二人きりだし、&br;今夜はこのパジャマを着て、パジャマパーティーといこうか?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|ん~、美味しい!&br;あんなにあったのに、全部食べちゃいましたね……。| |~二階堂紅丸|はは。気に入って貰えたようでなによりだよ。| |~〇×|あ、もうこんな時間……。明日もお仕事なんですよね?&br;遅くまで付き合わせてしまってすみません。| |~二階堂紅丸|子猫ちゃんがそんなこと気にしなくていいんだよ。&br;それに、誘ったのは俺なんだからね?| |~〇×|(それにしても……。&br;どんな服装をしていても、紅丸さんはかっこいいなあ。)| |~二階堂紅丸|ん、どうしたの? じっと俺のことを見て。&br;もしかして、惚れ直した?| |~〇×|もう……。違います。&br;そのパジャマ、とってもよく似合ってるなあと思って。| |~二階堂紅丸|キミこそ、よく似合っているよ。キミが着ることで&br;デザインの愛らしさが、更に引き立つね。| |~〇×|ふふ、それは褒め過ぎですよ。| |~〇×|(……ん、なんだか、&br;お腹いっぱいになったせいか眠くなってきたな……。)| |~二階堂紅丸|デザートのお代わりはどうだい?&br;それともシャンパンでも……。| |~〇×|……ん、そうですね……。| |~二階堂紅丸|って、あれ? 眠そうだな。| |~〇×|すみません……なんだかお腹いっぱいになったら眠く……。| |~二階堂紅丸|夜はまだまだこれからだってのに……困ったお姫様だ。| |~二階堂紅丸|けど、眠っちゃって風邪を引かせたらいけないな。&br;よし、部屋まで運んであげるよ。| |~二階堂紅丸|よいしょ、っと……。| |~〇×|(ん……私、紅丸さんに運ばれて……?)| |~二階堂紅丸|さあ、子猫ちゃん。ベッドまで運んであげるから、&br;そのまま、眠ってしまってもいいんだよ。| |~〇×|(紅丸さんの腕の中、なんだか安心して……&br;すごく眠く……。)| |~二階堂紅丸|安心しきっている寝顔はとても可愛いけど……。&br;他の男にそんな顔は見せないでくれよ?| |~二階堂紅丸|……おやすみ、俺のプリンセス。&br;パーティーの続きは夢の中で……ね。| #endregion ----- **ハロウィン [#SR11] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(今日はハロウィン。町内会のイベントで、&br;子供たちがお菓子をもらいにくる日なんだよね。)| |~〇×|(そろそろ準備しようかな……。)| |~二階堂紅丸|ハッピーハロウィン、×ちゃん!| |~〇×|あれっ、紅丸さん!?&br;その格好ってもしかして……?| |~二階堂紅丸|セクシーヴァンパイアさ。&br;どうだい、俺の仮装は。| |~二階堂紅丸|自分で言うのもなんだけど、&br;似合ってるだろ?| |~〇×|はい!&br;すごく素敵です。| |~二階堂紅丸|キミのそんな笑顔が見られるなんて。馴染みのブランドで&br;オーダーした甲斐があったよ。| |~〇×|オーダーメイド……。&br;さすが紅丸さん、本格的です……..。| |~二階堂紅丸|まあね。それより、子供たちにお菓子を配るんだって?&br;俺も手伝うよ。| |~〇×|ありがとうございます。&br;助かります!| |~二階堂紅丸|じゃ、×ちゃんもこれに着替えて。&br;はい、どうぞ。| |~〇×|えっ?| |~二階堂紅丸|キミの分の衣装も用意したんだ。&br;俺とお揃いのヴァンパイアさ。| |~〇×|……わぁ、すごく可愛いですね!| |~二階堂紅丸|着替えるのに手伝いが必要だったら呼んでね。| |~〇×|だ、大丈夫です!&br;部屋で着替えてきますね……!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|お菓子配り、楽しかったですね。| |~二階堂紅丸|ああ。子供たちも大喜びしてたな。&br;大盛況でよかったよ。| |~〇×|ふふっ。&br;きっと、紅丸さんの仮装のおかげですよ。| |~〇×|子供たちも、&br;本物のヴァンパイアみたいだって驚いてましたし。| |~二階堂紅丸|そうかい……?| |~〇×|(わ、じっと見つめられるとドキドキしちゃう。&br;やっぱり紅丸さんって、かっこいいなあ。)| |~〇×|そ、そういえば……喉、乾きませんか?&br;お茶でも入れてきま――| |~二階堂紅丸|…….待った。| |~〇×|(わっ……!?な、なに!?)| |~二階堂紅丸|お茶よりキミの血が欲しい……。| |~二階堂紅丸|今すぐこのきれいな首筋に牙を立てて、&br;乾いた喉を潤したい……。| |~〇×|……っ!&br;また私を、からかってるんですか……?| |~二階堂紅丸|いたずらと、お菓子のように甘いひと時、&br;キミはどっちが欲しい?| |~二階堂紅丸|さあ早く選んで。&br;甘い香りがするレディ……。| |~〇×|(甘い香り……?&br;あ、そうだこれ!)| |~〇×|さっき子供たちから、&br;お礼にってクッキーをもらったんです。| |~〇×|甘い香りってもしかしたらこれだったのかも……。&br;よかったら紅丸さんも……どうぞ!| |~〇×|そ、それじゃ、お茶を入れてきますね!| |~二階堂紅丸|あ……×ちゃん……。| |~二階堂紅丸|ははっ。まさかヴァンパイアが、&br;クッキーで撃退されるとはね。| |~二階堂紅丸|まったく、可愛い小悪魔ちゃん。&br;キミにはやられっぱなしだよ。| #endregion ----- **プールサイドに佇んで [#SR012] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|わぁ……すごい!| |~〇×|(紅丸さんと夏らしいことをしようって話になって、&br;近所のプールへ遊びに来たけど……。)| |~〇×|(こんなに豪華だったなんて知らなかったな。)| |~二階堂紅丸|せっかく×ちゃんと泳げるんだから、&br;俺は海外のビーチリゾートを貸し切っても良かったんだけどね。| |~〇×|海外!?お休みは今日だけなのに、&br;帰って来られなくなっちゃいますよ……!| |~二階堂紅丸|はは、確かにそうか。&br;じゃあ次の機会に。| |~二階堂紅丸|それにしても……いろんな種類のプールがあるね。&br;×ちゃん、まずは何して遊ぼうか?| |①|>|CENTER:~流れるプールに行きたいです| |~|~〇×|あそこの流れるプールなんてどうですか?&br;園内を一周できるみたいですし、楽しそうですよ!| |~|~二階堂紅丸|そうだね。さっそく行ってみよう。| |②|>|CENTER:~泳いで遊びたいです| |~|~〇×|ウォータースライダーとかも楽しそうですけど……。&br;せっかくだから、まずは紅丸さんと泳ぎたいです!| |~|~二階堂紅丸|じゃあ、流れるプールにでも行ってみようか。| |~〇×|あ……そうだ!| |~〇×|紅丸さん、プールへ入る前に&br;浮き輪を借りに行ってきてもいいですか?| |~〇×|深くないので大丈夫だとは思うんですが、&br;一応持っておくに越したことはないかなと思って……。| |~二階堂紅丸|オーケー。それなら俺は、&br;ウォーミングアップでもしながら待つことにするよ。| |~〇×|ありがとうございます。すぐ戻って来ますね。| |~〇×|(浮き輪、借りられなくて残念だったな……。)| |~〇×|(紅丸さん、もうプールで泳いでるかな?)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、こっちだよ。| |~〇×|あっ、紅丸さん!お待たせしました。| |~女性A|残念!あのお兄さん、女の子連れだったよ。| |~女性B|イケメンだしやっぱりね~。解散解散!| |~〇×|(プールサイドの紅丸さん、絵になるな……。)| |~〇×|(他の人たちが噂したくなっちゃう気持ちもわかるかも。)| |~二階堂紅丸|×ちゃん、手ぶらで戻って来てどうしたの?&br;浮き輪を借りに来るって言ってたよね?| |~〇×|それが……あと一つしか残ってなかったんです。| |~〇×|ちょうど小さい女の子が借りに来てたから、&br;その子に譲っちゃって……。| |~二階堂紅丸|そうだったんだね。&br;じゃあ……×ちゃんは、こっち。| |~〇×|えっ!?| |~〇×|(私……どうして紅丸さんに抱きしめられてるの!?)| |~二階堂紅丸|俺にしっかりかまってて。行くよ!| |~〇×|きゃあっ!?| |~〇×|び、びっくりした……!| |~二階堂紅丸|ハハッ。&br;でも、俺につかまっていれば、溺れる心配なんてないだろう?| |~〇×|確かにそうかもしれませんけど……。| |~〇×|(ただでさえ水着なのに、&br;密着してるのは恥ずかしい……!)| |~二階堂紅丸|それにね、本当はちょっと思ってたんだ。&br;浮き輪じゃなくて俺を頼って欲しいって。| |~二階堂紅丸|キミを守るために日々鍛えているんだ。&br;だから×ちゃんは、遠慮なく俺を頼ってくれていいんだよ?| |~〇×|あ、ありがとうございます。| |~〇×|(そっか。&br;紅丸さん、真剣に私のことを気遣ってくれてたんだ……。)| |~〇×|(ドキドキしちゃうけど、やっぱり頼もしいな。)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|流れるプールも、ウォータースライダーも&br;楽しかったですね!| |~二階堂紅丸|ああ。子猫ちゃんは案外スリリングなものが&br;お好みみたいだね。| |~〇×|得意ってほどではないんですけど……。&br;紅丸さんと一緒になら、安心かなって。| |~二階堂紅丸|ふふ、それなら良かった。| |~〇×|(あっ、あんなところに、飛び込み台がある!)| |~〇×|(あの高さから飛び込むなんて、&br;すごく勇気がいりそうだな……。)| |~二階堂紅丸|ん?どうしたんだい?&br;天井なんか見上げて。| |~二階堂紅丸|――ああ、飛び込み台があるね。&br;あの高さだと……10メートルってとこかな。| |~〇×|飛込競技って、あんなに高い場所から飛び込むんですね。&br;生で見たらすごい迫力なんだろうなぁ……!| |~二階堂紅丸|じゃあ、飛んでみようか?| |~〇×|え?| |~二階堂紅丸|×ちゃんのお望みとあらばお安いご用さ。&br;そこでちょっと待ってて。| |~〇×|あっ、紅丸さん!?| |~〇×|(行っちゃったけど……。&br;まさか本当に飛び込むつもりなの!?)| |~女性C|見て見て!飛び込み台に人が立ってる!| |~〇×|(あっ、紅丸さんだ!)| |~女性D|ほんとだ!しかもすごいイケメンじゃない!?| |~〇×|(ギャラリーが集まって来てる……。)| |~〇×|(紅丸さんなら大丈夫だと思うけど、&br;あの高さから飛ぶなんて……どうしよう、緊張しちゃう!)| |~〇×|あっ、飛んだ……!| |~男性|すげえ……なんだ、今の!?| |~〇×|(今の……紅丸さんなんだよね!?)| |~〇×|(すごいもの見ちゃった……!)| |~二階堂紅丸|やあ、ただいま。| |~〇×|おかえりなさい!&br;紅丸さんにあんな特技があるなんて知りませんでした。| |~二階堂紅丸|高跳び込みは、着水までの技の美しさを競うのさ。&br;美を追求する俺にはぴったりの競技だと思わないかい?| |①|>|CENTER:~ドキドキしました| |~|~〇×|確かに……紅丸さんの無駄のない飛び込みフォーム&br;見ててドキドキしました。| |~|~二階堂紅丸|だろう?キミを夢中にさせられたのなら&br;大成功だね。| |②|>|CENTER:~その通りだと思います!| |~|~〇×|その通りだと思います!| |~|~〇×|飛び込む一瞬がゆっくり見えるくらい、&br;魅入ってしまいました。| |~|~二階堂紅丸|はは、×ちゃんにそう言ってもらえるなら&br;飛んだ甲斐があったね。| |~二階堂紅丸|とは言え、今日はせっかくのデートだからね。&br;この後は2人でのんびり過ごそうか。| |~〇×|ふふ、そうですね。| |~〇×|(紅丸さんの意外な一面……。&br;これからも、たくさん知っていけたら嬉しいな。)| #endregion //---------- ''スペシャル'' #region(ネタバレ注意) Episode:おうちデート ~二階堂紅丸編~ |~〇×|(今日は紅丸さんと&br;道場でのんびり過ごそうって話してだけど……。)| |~二階堂紅丸|すー、すー……。| |~〇×|(紅丸さん、眠っちゃってる……。&br;昨日は練習試合だったし、きっと疲れてたんだろうな。)| |~〇×|(そうだ!紅丸さんが起きるまで、&br;甘いものでも作って待ってようっと。)| |~〇×|焼き加減はこのくらいかな。&br;裏面もひっくり返して……っと。| |~二階堂紅丸|×ちゃん。| |~〇×|きゃっ!?紅丸さん!?| |~〇×|突然抱きつかれたら、その……びっくりしちゃいます!| |~二階堂紅丸|ごめんごめん。&br;可愛い背中を見つけたらつい、ね。| |~二階堂紅丸|それに、今日はキミと2人きりで過ごそうって決めてたのに……。&br;すっかり眠ってしまって悪かったね。| |~〇×|紅丸さんもお疲れだったんだと思います。&br;ちょうどおやつの用意をしてたところですし、大丈夫ですよ。| |~二階堂紅丸|ああ、サンキュー。&br;キミが焼いているのはパンケーキかな?| |~〇×|はい!今日は新しいレシピに挑戦してみました。| |~二階堂紅丸|へえ、美味しそうだ。| |~二階堂紅丸|じゃあ、俺はキミのスイーツにぴったりな&br;コーヒーを淹れるとしようか。| |~〇×|ありがとうございます!| |~〇×|(最近はお互いバタバタしてたから……。&br;久しぶりに、オフの日が過ごせて嬉しいな。)| |~〇×|お待たせしました!&br;こっちが紅丸さんの分のパンケーキです。| |~二階堂紅丸|サンキュー。へぇ、デコレーションもしてくれたんだね。&br;美しいよ。| |~二階堂紅丸|それじゃあ×ちゃん、&br;さっそくいただこうか。| |~〇×|はい!いただきます――| |~〇×|(あれ?紅丸さん、こっちをじっと見て……。&br;どうしたんだろう?)| |~〇×|えっと……どうかしましたか?| |~二階堂紅丸|ん?こういう時は、&br;キミが食べさせてくれるんだろ?| |~〇×|ええっ!?それは恥ずかしすぎます……!| |~二階堂紅丸|ふふ、照れちゃって可愛いね。| |~二階堂紅丸|でも……キミが愛情の魔法をかけてくれたら、&br;もっと美味しくなると思うんだけどな?| |~〇×|(うう、そんな期待に満ちた目で見られたら断れない……!)| |~〇×|じゃあ……一口だけ、ですよ?| |~二階堂紅丸|ふふ、キミならそう言ってくれると思ったよ。| |~〇×|じゃあ、紅丸さん、あーんしてください。| |~二階堂紅丸|あーん。&br;……うん、美味しい。| |~二階堂紅丸|やっぱり×ちゃんの作るスイーツは、&br;世界で一番だね。| |~〇×|ふふ、お口に合ったみたいで良かったです。| |~二階堂紅丸|じゃあ。×ちゃんもどうぞ。| |~〇×|(ん?フォークが差し出された、ってことは……。)| |~〇×|ええっ!私もやるんですか!?| |~二階堂紅丸|もちろん。キミにこんなことができるのは&br;俺の特権だろ?| |~〇×|(うう、される方も恥ずかしい……。)| |~〇×|じゃあ、あーん……あっ。| |~二階堂紅丸|はは、頬にクリームが付いちゃったね。&br;俺が取ってあげるから、じっとしてて。| |~二階堂紅丸|――はい、取れた。| |~〇×|あ、ありがとうございます。って――| |~〇×|(紅丸さん……今、クリーム舐めたよね!?)| |~二階堂紅丸|どうしたの?×ちゃん。顔が真っ赤だよ?| |~〇×|な、なんでもないです!| |~〇×|(相変わらず紅丸さんには&br;ドキドキさせられてばっかり……。)| |~〇×|(だけど、たまにはこうやってのんびりすることが、&br;紅丸さんにとってもいい息抜きになったら嬉しいな。)| #endregion ----- **Starlight Journey [#SR13] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|撮影を終えた次の日――| |~二階堂紅丸|この辺りでどう?&br;海もよく見えるし、休憩するにはよさそうだ。| |~〇×|うわぁ、素敵な眺め……。&br;じゃあここでさっき買ったフラッペコーヒーを――| |~二階堂紅丸|フフッ、ずっと楽しみにしてたからね。| |~〇×|だって街行く人たち、みなさん飲んでいたので気になって。&br;紅丸さんだって、気になってるんじゃないですか?| |~二階堂紅丸|もちろん気になってるさ。&br;ほら、×ちゃんの分。| |~〇×|ありがとうございます。いただきます!| |~二階堂紅丸|お味はどうだい?| |~〇×|甘くて美味しい……これは毎日でも飲めちゃう味ですね。| |~二階堂紅丸|簡単に作れそうだったし、日本に戻ったら一緒に作ろうか。| |①|>|CENTER:~みなさんのために作る| |~|~〇×|いいですね!&br;そうしたら他のみなさんにも味わわせてあげられます。| |~|~二階堂紅丸|……そうだな。きっとあいつらも喜ぶ。| |~|~二階堂紅丸|でも、真っ先に思い浮かぶのが俺じゃなくて他の男なのは&br;ちょっと複雑だぜ。| |~|~〇×|あ……ごめんなさい……。| |~|~二階堂紅丸|ははっ、悪い子猫ちゃんだ。| |②|>|CENTER:~紅丸のために作る| |~|~〇×|そうしたらまた今日の事を一緒に思い出せますね。| |~|~二階堂紅丸|だったら思い出に残るような事をもっとたくさんしないとな。| |~|~〇×|ふふっ、もう十分楽しい思い出をもらってますよ。| |~|~二階堂紅丸|俺はまだまだ足りないね。&br;キミでいっぱいになりたいんだから。| |~〇×|……あれ、これ……鐘の音?&br;どこから聞こえてくるんだろう。| |~二階堂紅丸|ああ、そういえば近くに教会があったな。&br;もしかしたら結婚式でもしているのかもしれないね。| |~〇×|結婚式!&br;いいな~、こんな素敵な場所で式を挙げるなんて憧れちゃいます。| |~二階堂紅丸|ふふっ、×ちゃんが望むなら、&br;しかるべきときにまた連れてきてあげるよ。| |~〇×|しかるべきとき……?| |~二階堂紅丸|……さて、×ちゃん。足は疲れてないかい?| |~〇×|はい。まだまだ全然平気です。| |~二階堂紅丸|だったらコーヒーも飲み終わったし、少し歩こうか。| |~二階堂紅丸|一緒に行きたいところがあるんだ。| |~〇×|どこに行くんですか?| |~二階堂紅丸|それは着いてからのお楽しみ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|綺麗な花のアーチ……これは――| |~二階堂紅丸|ウエディングアーチっていうんだ。| |~二階堂紅丸|有名なフォトスポットで、&br;ここで写真を撮るのが恋人たちのお決まりになってるらしい。| |~〇×|……本当ですね、なんだか幸せそうなカップルばかり&br;写真を撮ってる。| |~二階堂紅丸|ここで×ちゃんと写真を撮りたかったんだ。| |~二階堂紅丸|近くにカメラマンがいると思うから声を掛けてくる。&br;少し待っててくれるかい?| |~〇×|はい、わかりました。| |~二階堂紅丸|俺以外の男に目移りしちゃダメだぜ?| |~〇×|(いよいよ次は私たちの撮影の番……なんだか緊張してきた。)| |~二階堂紅丸|……表情が硬いな。&br;もしかして緊張してる?| |~〇×|はい、少し……。| |~〇×|あんなにちゃんとしたカメラで撮ってもらう機会なんて&br;ほとんどないですから。| |~二階堂紅丸|じゃあそんなキミに、とっておきのおまじないを教えてあげよう。| |~〇×|おまじない、ですか?| |~二階堂紅丸|ああ。カメラの事なんてあっという間に気にならなくなる。| |~〇×|是非教えてください……!| |~二階堂紅丸|じゃあまずは――| |~〇×|……?あの、どうして私の後ろに回るんですか?| |~二階堂紅丸|ああ、ダメだぜ×ちゃん。&br;俺が見えなくて寂しいかもしれないけど、前を向いててくれ。| |~〇×|わかりました……。| |~〇×|(いったいどんなおまじないなんだろう……?)| |~二階堂紅丸|少し首が冷たいかもしれないけど――| |~〇×|ひゃっ……!え、これって――| |~二階堂紅丸|ブルーダイヤモンドのネックレスさ。&br;今日ここで×ちゃんに渡そうって前から決めてたんだ。| |~二階堂紅丸|今日こうしてこの場に立てる記念に。&br;そして、キミの幸せを願って。| |~〇×|私の、幸せ……?| |~二階堂紅丸|×ちゃんはサムシングフォーって知ってる?| |~〇×|いえ……。| |~二階堂紅丸|結婚式で花嫁が身に着けると幸せになれると言われる&br;4つのものさ。| |~二階堂紅丸|サムシングブルー、何か青いものを身に着ける。&br;サムシングボロウ、何か借りたものを身に着ける。| |~二階堂紅丸|サムシングオールド、何か古い、歴史のあるものを身に着ける。&br;サムシングニュー、何か新しいものを身に着ける。| |~二階堂紅丸|その中のサムシングブルーとして、このネックレスを&br;贈りたかったってわけだ。| |~二階堂紅丸|俺はね×ちゃん。本気でキミとの将来を考えてる。| |~二階堂紅丸|色んなことが落ち着いて、俺とキミの準備が整ったら&br;今度は同じ石がついた指輪を贈ろう。| |~二階堂紅丸|そのときは、この手を取って頷いて。| |~二階堂紅丸|ずっと俺だけのものでいると、約束してほしい。| |~〇×|紅丸さん……。| |~〇×|私、嬉しいです……嬉しいのに、言葉が出てこない……。| |~〇×|そんな言葉をもらえるなんて思ってなかったから……。| |~二階堂紅丸|うん。俺のことで頭がいっぱいって顔してる。&br;可愛いな。| |~二階堂紅丸|……カメラ、気にしてる場合じゃなくなったろ?| |~〇×|はい。| |~二階堂紅丸|じゃあ一緒に笑おう。&br;今俺たちはきっと世界で1番幸せ者の顔をしてる。| |~二階堂紅丸|そんな最高な瞬間、カメラに収めないなんてもったいない。| |~〇×|でも、私――| |~二階堂紅丸|しー……。今は、いいよ。| |~二階堂紅丸|キミからの愛の言葉は、あとでゆっくりもらうから。| #endregion ----- **1stアニバーサリー [#SR14] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(今日は一日お休みをいただいたけど……。&br;何をして過ごそうかな?)| |~〇×|(特に出かける用事もないし、普段できない家事を &br;済ませることにしよう。)| |~二階堂紅丸|やあ、×ちゃん。| |~〇×|あっ、紅丸さん!| |~〇×|確か紅丸さんも、今日はお休みだって &br;話してましたよね。| |~二階堂紅丸|ああ。×ちゃんをエスコートするために、&br;休日を合わせておいたのさ。| |~〇×|えっ!? エスコート、ですか?| |~二階堂紅丸|ふふ、頑張り屋さんの子猫ちゃんのことだ。| |~二階堂紅丸|道場にいたら、溜まった家事を片付けるなんて&br;言い出しかねないと思ってね。| |~〇×|(うっ……図星……!)| |~〇×|さすが紅丸さん、なんでもお見通しですね……。| |~二階堂紅丸|はは。&br;ということで、さっそく出かけようか!| |~二階堂紅丸|今日は×ちゃんに、&br;とっておきのヒーリングスポットを紹介するよ。| |~〇×|でも、紅丸さんだってせっかくの休日なのに、&br;いいんですか?| |~二階堂紅丸|心配は無用さ! 今日はふたりで &br;のんびりできる場所を押さえておいたからね。| |~〇×|(紅丸さん、張り切ってるように見えるけど……。&br;どこに連れて行ってくれるんだろう?)| |~二階堂紅丸|さあ、着いたよ! ×ちゃん。| |~〇×|えっと……ここって、ホテルですよね?| |~〇×|(なんだかすごくラグジュアリーな雰囲気……。&br;映画のセットに出てきそう。)| |~二階堂紅丸|ああ、でもね。ホテルは何も&br;宿泊するために存在する訳じゃない……。| |~二階堂紅丸|日々の疲れを癒やすには、絶好の &br;リラクゼーションスポットでもあるんだ。| |~二階堂紅丸|だから、楽しみにしてて。| |~〇×|は、はい……!| |~〇×|(ちょっとびっくりしちゃったけど……。&br;紅丸さんが勧めてくれてるんだし、間違いはないよね。)| |~〇×|(私も思い切って、のんびり過ごしてみようっと!)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(温泉なんて久しぶりだったから、つい長湯しちゃった。&br;ヘッドスパやフットケアも気持ちよかったな……。)| |~二階堂紅丸|おかえり、×ちゃん。| |~〇×|紅丸さん! お待たせしてしまってすみません。| |~二階堂紅丸|大丈夫だよ。 俺もさっき戻って来たところだから。| |~二階堂紅丸|ふふ……その顔を見るに、&br;リラックスできたみたいだね。| |~〇×|はい! ホテルに着いた時よりも、&br;身体が軽くなったような気がします。| |~二階堂紅丸|それならよかった。&br;キミにもたまには、自分を労って欲しいと思ってたから。| |~〇×|ふふ、ありがとうございま| |~〇×|(しまった、気を抜いたらお腹が……!!)| |~二階堂紅丸|はは、お腹が空いちゃったかな?| |~〇×|すみません、つい……。| |~二階堂紅丸|謝らないで。キミが俺に &br;気を許してくれてるって思うと嬉しいよ。| |~二階堂紅丸|次はとっておきのランチに案内するから、&br;おいで。| |~ウェイター|お待たせいたしました。&br;季節のベジタブルプレートでございます。| |~〇×|わぁ! 色鮮やかで美味しそうですね。| |~二階堂紅丸|今日は存分に癒されてもらおうと思って、&br;デトックスランチにしてみたよ。| |~〇×|ありがとうございます!&br;紅丸さんはよく食べるんですか?| |~二階堂紅丸|まあね。ファイターたるもの、外見ばかりじゃなくて &br;内面の美しさも追求していかなくちゃならないから。| |~〇×|(見た目だけじゃなくて、内側のケアも欠かさない……。&br;さすが紅丸さんだなあ。)| |~二階堂紅丸|うーん。でも……。| |~〇×|紅丸さん?| |~二階堂紅丸|もし、×ちゃんがもっときれいになったら……。&br;俺は今以上に、キミに夢中になってしまうね。| |~二階堂紅丸|それこそ、道場での稽古に &br;身が入らなくなってしまうほどに……。| |~〇×|ええっ! そ、それは……困ります……!| |~二階堂紅丸|はは、冗談だよ。| |~二階堂紅丸|引き止めてごめんね。&br;ほら、冷めないうちに食べて。| |~〇×|は、はい! いただきます。| |~〇×|(たまにドキッとさせられちゃうけど……。&br;紅丸さんはいつも気遣ってくれて、優しい……。)| |~〇×|(リラックスもデトックスもできて癒されたし、&br;紅丸さんとも過ごせて、すごく贅沢な休日だな……。)| #endregion ----- **新年'21 [#SR15] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|夕刻。飛行場にて――| |~〇×|紅丸さん。&br;こんな時間から飛行機に乗って、どこへ行くんですか?| |~二階堂紅丸|それは乗ってからのお楽しみだよ。&br;キミのために、とっておきのプランを用意したんだ。| |~二階堂紅丸|二階堂家のプライベートジェットで、大空へご案内するよ。&br;さぁ、お手をどうぞ……俺の可愛い子猫ちゃん。| |~〇×|この飛行機に私たちふたりだけで乗るのって、&br;初めてですよね……。| |~二階堂紅丸|そうだね。年越しからずっとキミに会えなかったから、&br;ふたりきりの時間を満喫したいんだ。| |~〇×|ご実家での年越しパーティー、いかがでしたか?| |~二階堂紅丸|まあ、相変わらず言うか……。&br;パーティーって言っても、親戚の集まりのようなものだったんだ。| |~二階堂紅丸|急に実家から呼び出しがかかって、何事かと思って行ってみれば、&br;お酒飲んで近況報告して終わり。| |~二階堂紅丸|もちろん、家族も大切だけど……俺は×ちゃん特製の&br;年越しそばとおせち料理も食べたかったなぁ。| |~〇×|おそばとおせちなら、まだ少し残ってますよ。&br;道場に戻ったら一緒に食べましょうか。| |~二階堂紅丸|それは楽しみだな。ありがとう、×ちゃん。| |~二階堂紅丸|さて、そろそろかな……。&br;×ちゃん、窓から外を覗いてごらん。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|わぁ、きれいな夕焼け……!| |~二階堂紅丸|初日の出を一緒に見られなかったから、&br;せめてサンセットくらいは……と思って。| |~二階堂紅丸|上空から見る日の入も、なかなかのものだろ?| |~〇×|はい!&br;こんな素敵な光景をふたり占めするなんて、なんだか贅沢ですね。| |~二階堂紅丸|喜んでもらえてよかった。&br;もう少し経つと、日が沈んで星が見えるようになるよ。| |~二階堂紅丸|とてもロマンチックだから、楽しみにしていてね。| |~〇×|星がたくさん瞬いてる……。| |~〇×|私、今日は感動で胸がいっぱいです。&br;紅丸さん、ありがとうございました。| |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|あの……?| |~二階堂紅丸|……ごめん。ちょっと考えごとしてたんだ。&br;まだキミを帰したくないな……って。| |~二階堂紅丸|×ちゃん、こっちへおいで。| |~〇×|あ……。| |~二階堂紅丸|このままキミをさらって、どこまでも飛んでいきたいな。&br;×ちゃんの温もりを感じながら、ずっと星を眺めていたい。| |~二階堂紅丸|一緒にサンライズも見たいから、&br;いっそ、朝が来るまで大空デートを続けようか……?| #endregion ----- **素敵なプレゼント [#SR16] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|チョコレート販売会場| |~お客さん|すごい……! まさかチョコレートに&br;デコレーションまでしてくれるなんて……!| |~お客さん|紅丸様のおかげで、素敵なプレゼントになりました。&br;ありがとうございます!| |~二階堂紅丸|サンキュー。でも、それはキミが選んだトッピングが&br;可愛くて素敵だったからだよ。| |~二階堂紅丸|とてもエクセレントな出来映えだね。&br;そのチョコを受け取る相手がうらやましいくらいだ。| |~お客さん|そ、そうですか……?| |~お客さん|……あの! そうしたら、そこの高級ブランドのチョコも&br;買いますので、良ければもらっていただけますか……?| |~二階堂紅丸|俺にかい? キミは天使みたいに優しいんだね。&br;麗しきレディからのプレゼントは、いつだって募集中さ。| |~お客さん|きゃあーっ!| |~草薙京|マジかよ、またラッピングの仕事が増えやがった……。| |~〇×|紅丸さん効果なのか、本当にすごい人ですね。&br;列の終わりが見えませんし……。| |~二階堂紅丸|そうだね。&br;ありがたいことだけど……ん?| |~二階堂紅丸|失礼。小さなレディが、ここに来るのに手間取ってるみたいだ。&br;ちょっと迎えに行ってくるよ。| |~〇×|え、紅丸さん?| |~草薙京|小さなレディって……子供か?&br;そんなのどこにいるんだよ。| |~〇×|あっ、いました。あそこです……!| |~〇×|(この人混みの中で、小さな女の子が困ってるのを&br;見つけるなんて、やっぱり紅丸さんはすごいな……。)| |~二階堂紅丸|はい、着いた。&br;チョコレート売り場はここだよ、小さなレディ。| |~女の子|ありがとう、お兄ちゃん!| |~二階堂紅丸|それで今日は、どんなチョコを買いに来たんだい?&br;誰かへのプレゼントかな?| |~女の子|えっとね……お母さん!| |~女の子|お母さん、毎日お仕事頑張ってくれてるの。&br;だからね、お礼にチョコをあげようと思って……。| |~女の子|私がチョコをあげたら、喜んでくれるかな?| |~二階堂紅丸|もちろん!&br;お母さん、きっとすごく喜んでくれると思うよ。| |~女の子|ホント? そしたらね……お母さんはイチゴが好きだから&br;赤いチョコがいいな。| |~二階堂紅丸|そっか、なるほど。……んー、ルビーチョコならあるんだけど&br;イチゴ味とはちょっと違うんだよね。| |~二階堂紅丸|それなら……こっちの、中にイチゴが入ってるチョコケーキは&br;どうかな? 上にいっぱいイチゴを乗せられるよ。| |~女の子|うん、それにする!&br;ありがとう、お兄ちゃん!| |~〇×|……。| |~二階堂紅丸|ん? どうしたの、×ちゃん。&br;そんなにニコニコして。| |~〇×|いえ……紅丸さんって、やっぱり人を笑顔にする&br;天才なんだなって思って。| |~〇×|きっとその子のお母さんも、すごく喜んでくれると思います。| |~二階堂紅丸|……そうかい? ありがとう。&br;×ちゃんにそう言ってもらえるなんて嬉しいな。| |~二階堂紅丸|そういう×ちゃんは、俺を幸せにする天才だね。| |~〇×|え、いや、そんなことないですよ……!| |~草薙京|おーい、お前ら。&br;おしゃべりしてる暇があるなら、ラッピング手伝ってくれよ。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|イベントからの帰り道――| |~〇×|(今日は大変だったけど、すごく充実した一日だったな。)| |~二階堂紅丸|ご機嫌だね、×ちゃん。&br;チョコレートが完売したからかな?| |~〇×|はい、完売も嬉しいんですけど……チョコレートを買った&br;お客さんが、みなさん幸せそうだったのを思い出して。| |~二階堂紅丸|そうだね……。みんな、このイルミネーションの下を&br;笑顔で歩いていた……。| |~二階堂紅丸|なんだか見ているこっちまで、&br;幸せな気分になってしまったよ。| |~〇×|はい、私もです。| |~〇×|(あとは……私が紅丸さんのために作ったチョコレートを&br;いつ渡すかなんだけど……。)| |~〇×|(日中は忙しくてタイミングがなかったし、渡すなら今だよね。&br;……よし!)| |~二人|あの――| |~二人|……!| |~二階堂紅丸|おっと、被っちゃったね。&br;×ちゃんからでいいよ。| |①|>|CENTER:~紅丸さんからどうぞ| |~|~〇×|いえ、紅丸さんからで大丈夫です。| |~|~二階堂紅丸|いや、×ちゃんからで大丈夫だよ。| |~|~〇×|いえいえ、そんな。| |~|~〇×|…………。| |~|~二人|……ふふっ。| |~|~二階堂紅丸|なら、せーので一緒に言おうか。| |~|~〇×|わかりました。| |②|>|CENTER:~それじゃあ、一緒に言いませんか?| |~|~〇×|それじゃあ、一緒にいませんか?| |~|~二階堂紅丸|なるほど、それもそうだね。| |~二階堂紅丸|じゃあ、いくよ。せーのー| |~二人|ハッピーバレンタイン!| |~〇×|あ……。| |~二階堂紅丸|……くすっ。| |~二階堂紅丸|どうやら、ふたりで同じことを考えていたみたいだね。| |~〇×|そうみたいですね。| |~二階堂紅丸|ありがとう。……×ちゃんからのチョコレート&br;大切に食べさせてもらうよ。| |~〇×|こちらこそ、ありがとうございます。&br;紅丸さんのチョコレート、とっても嬉しいです。| |~二階堂紅丸|……こっちにおいで、×ちゃん。&br;抱きしめてあげる。| |~二階堂紅丸|ああ……、愛おしいな。&br;本当にキミは俺を幸せにしてくれるね……。| |~二階堂紅丸|大好きだよ、×ちゃん。&br;これからもずっと一緒にいようね。| #endregion ----- &aname(top){上へ戻る}; データ参照プラグイン 入力支援ツールを表示 ▼参照先ページ選択:データを表示 元データの書式(インラインプラグイン)を継承する