カードストーリー /矢吹真吾 の編集 Top > カードストーリー > 矢吹真吾 **元気を届ける商人 [#SSR03] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(街の人たち、忙しそう。&br;待ちに待った儀式の目前だからかな……。)| |~矢吹真吾|こんにちはー!&br;踊り子様のお召し物をお届けに参りました!| |~〇×|(あっ、真吾くん。来てくれたんだ。)| |~矢吹真吾|素敵な衣装にアクセサリー、色々持ってきましたよ!&br;どれも踊り子様を華やかに飾ること間違いなし!| |~矢吹真吾|ほらほら、踊り子様にゆっくり見てもらうんで、&br;他の人は出てってください! 覗いちゃだめですよ!| |~矢吹真吾|……よし。皆いなくなったから、&br;もう普通に話しても大丈夫っすね。| |~〇×|真吾くん、商人が板についてきたみたい。| |~矢吹真吾|そりゃあ、商人として信用してもらわないと、&br;こうして〇さんに会いに来られませんから!| |~矢吹真吾|〇さん、全然ここから出してもらえないし。&br;うう……囚われの身で、辛いですよね。| |~矢吹真吾|でも、もうちょっとの辛抱ですよ!&br;今、ナギさんや皆が助け出す準備をしてますから!| |~〇×|ありがとう、真吾くん。私は大丈夫。&br;でも私のために色々してくれて、みなさんに申し訳ないな。| |~〇×|真吾くんも大変な思いをして会いに来てくれてるし……。&br;ごめんね。| |~矢吹真吾|〇さんが謝ることじゃないですよ!&br;だから、そんな顔しないでほしいっす!| |~矢吹真吾|えっとえっと……あっ、そうだ! 踊り子の衣装を持ってきたのは、&br;本当なんですよ。アクセサリーもあります!| |~矢吹真吾|ほら、この衣装すごくきれいじゃないですか?&br;生地もサラサラしてて気持ちいいですよ!| |~〇×|わあ、本当だね! 素敵だなぁ。| |~矢吹真吾|こっちの首飾りも見てください。&br;こうやってかざすと、宝石がキラキラするんです!| |~矢吹真吾|この耳飾りも、&br;動きに合わせて揺れるのがイイ感じだと思いますし――| |~矢吹真吾|どれもきっと、〇さんに似合うと思います!| |~〇×|(真吾くん……私を元気づけようとしてくれてるんだ。)| |~矢吹真吾|――あっ! す、すみません、&br;浮かれてる場合じゃないですよね……!| |~〇×|ううん。私も、きれいな服とアクセサリーだなって思ってた。&br;色々見せてくれてありがとう。| |~〇×|どれもすごく素敵。| |~矢吹真吾|絶対似合いますよ!| |~矢吹真吾|そうだ! もしどれがいいか迷うんだったら、&br;一度、身に着けてみるのはどうですか?| |~〇×|えっ、でも――| |~矢吹真吾|遠慮することないですよ。&br;〇さんのために用意したんですから!| |~矢吹真吾|はっ――も、もちろん、着替えてる間は外に出てますよ!&br;覗いたりしないっす!| |~〇×|……ふふっ、そんなこと疑ってないよ。| |~矢吹真吾|そ、そうですか? よかったぁ。| |~〇×|せっかくそう言ってくれるなら、試してみようかな。&br;どの道、儀式で着ることになるんだし。| |~矢吹真吾|はい、ぜひ!&br;それじゃあ、準備できたら声かけてくださいね!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(真吾くんに勧められて、&br;踊り子の衣装とアクセサリー、身に着けてみたけど――)| |~〇×|(だ、大丈夫かな……? 衣装負けしてないかな。&br;真吾くんは絶対に合うって言ってくれたけど……。)| |~矢吹真吾|えーっと……。&br;〇さん、どんな感じですかー?| |~〇×|(あ……真吾くんをあんまり待たせるのも悪いよね。&br;ここは覚悟を決めて――)| |~〇×|もういいよ、真吾くん。入って来て。| |~矢吹真吾|じゃあ、失礼しま――| |~矢吹真吾|……っ!| |~〇×|ど、どうかな? 人前に出て、大丈夫だと思う?| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|……真吾くん?| |~矢吹真吾|――あっ! はいっ!?| |~〇×|やっぱり、変かな?| |~矢吹真吾|と、とんでもないっす!&br;〇さん、すっごく似合ってますよ!| |~〇×|そ、そうかな……ふふ、ありがとう。| |~〇×|(なんだか慌ててるみたいだし、真吾くん、&br;気をつかってくれてるんだなぁ。ちょっと申し訳ない……。)| |~矢吹真吾|えっと、着心地は大丈夫ですか?| |~〇×|慣れない格好だから、ちょっと落ち着かないかも。&br;ちゃんと踊れるかな。| |~矢吹真吾|あの……ヒラヒラしてるんで、&br;あんまり大きく動くと、その――| |~〇×|あっ、そうか。捲れちゃったりしたら、&br;みっともないよね。気を付ける。| |~矢吹真吾|み、みっともないとかじゃないですけど、&br;ぜひ気を付けてください!| |~矢吹真吾|儀式の日は、色んな人が来るみたいだし。&br;その、見せたくないっていうか……。| |~〇×|そっか、当日はたくさん人が見に来るんだね。| |~〇×|本当に大丈夫なのか、色んな意味で心配になってきちゃった……。| |~矢吹真吾|だ、大丈夫ですよっ!&br;ちゃんと〇さんを助け出す作戦は考えてありますから!| |~〇×|あっ、違うんだ。みなさんのことは信じてる。&br;心配なのはそっちじゃなくて――| |~〇×|ただでさえ雨が降るかどうか不安なのに、&br;こんな何の力もない踊り子が人前に出ていいのかなって。| |~矢吹真吾|何言ってるんですか! そんなことありませんよ!| |~矢吹真吾|むしろ、この衣装で〇さんが儀式に出れば、&br;雨が降るくらいの奇跡、余裕で起こせそうです!| |①|>|CENTER:~褒めても何も出ないよ?| |~|~〇×|もう、そんなに褒めても何も出ないよ?| |~|~矢吹真吾|そ、そんなつもりじゃないですって!| |②|>|CENTER:~冗談が上手なんだね| |~|~〇×|ふふっ、真吾くんってけっこう冗談が上手なんだね。| |~|~矢吹真吾|じょ、冗談じゃないですって!| |~矢吹真吾|――こんなにきれいな〇さんが踊るの、&br;すごく楽しみなのに。こんな時じゃなきゃなあ……。| |~〇×|ん? 真吾くん、なにか言った?| |~矢吹真吾|な、な、なんでもないっす!| |~矢吹真吾|大丈夫ですよ!&br;当日は、ナギさんがなんとかしてくれますから!| |~〇×|うん、ありがとう。&br;……真吾くんもいてくれるんだもんね。| |~矢吹真吾|もちろんですっ! 雨が降ろうが槍が降ろうが、&br;必ず〇さんを守ってみせます!| |~矢吹真吾|〇さんはなんにも心配せずに、&br;儀式にのぞんでください!| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|儀式はどうなることかと思いましたけど、&br;ナギさんの力で雨が降って、本当によかったです。| |~ナギ|うんうん。ヒメが無事に帰ってきて、何よりだよ。| |~アンディ・ボガード|今日は色々あったし、早めに夕食にしようか。| |~マキシマ|ん?&br;腹が減ったって一番に騒ぎそうな奴がいないな。| |~アンディ・ボガード|そういえば……真吾はどこに行ったんだろう。| |~〇×|私、探してきますね。| |~〇×|あっ、真吾くん!| |~矢吹真吾|――! 〇さん……。| |①|>|CENTER:~みなさんが探してたよ| |~|~〇×|いなくなっちゃったから、&br;みなさんが心配して探してたよ。| |~|~矢吹真吾|……すみません。| |②|>|CENTER:~お腹すいてない?| |~|~〇×|お腹すいたんじゃない?&br;そろそろご飯にしようよ。| |~|~矢吹真吾|そ、そうっすね……!&br;すっかり腹ペコです。あはは――| |~|~矢吹真吾|はは……。| |~〇×|真吾くん、どうかした?&br;なんだかいつもと様子が違うみたい。| |~矢吹真吾|そ、そんなことは……。&br;…………。| |~矢吹真吾|――っ、〇さん!| |~〇×|はいっ!? ど、どうしたの?| |~矢吹真吾|あの、おれ――!| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_矢吹真吾_元気を届ける商人.jpg,zoom,元気を届ける商人,259x200); |~矢吹真吾|おれ、あの時……あなたに見惚れちゃってました。| |~〇×|えっ!? あの時って、儀式の時のこと?| |~矢吹真吾|は、はい……あと、初めて衣装を着てみせてくれた時も。| |~矢吹真吾|そんな場合じゃないってわかってたんですけど、&br;踊り子姿の〇さんが、本当にきれいで――| |~〇×|真吾くん……。| |~〇×|(すごく、真剣な表情。&br;顔を赤くしながら、一生懸命に伝えてくれてるんだ。)| |~〇×|(こんなふうに真っ直ぐ見つめられると、ドキドキする……。)| |~矢吹真吾|おれ、〇さんを助けなきゃって思ってたのに、&br;見惚れてるばっかりで何もできなかったです……。| |~矢吹真吾|ナギさんがいなかったら、どうなってたか。&br;本当にダメですよね……ごめんなさい。| |~〇×|そんなことないよ。真吾くんがいてくれて、&br;私、すごく助かったんだよ。| |~矢吹真吾|うう、〇さんの優しさが辛い……。| |~〇×|ほら、宮殿を訪ねてきた時、&br;私を元気づけようとしてくれたでしょ。| |~〇×|真吾くんのおかげで、すごく勇気が出たんだよ。&br;本当にありがとう。| |~矢吹真吾|〇さん……。| |~〇×|(――まただ。真吾くんにこうやって見つめられると、&br;目が離せない……胸が苦しくなって……。)| |~アンディ・ボガード|おーい! 真吾、〇さん!| |~矢吹真吾|わ……っ!!| |~アンディ・ボガード|あぁ、二人ともここにいたんだね。&br;何の話をしていたんだい?| |~〇×|あ、えっと――| |~矢吹真吾|ななな、なんでもないっす!!| |~アンディ・ボガード|……? どうしたんだい、そんなに慌てて。| |~矢吹真吾|あ、ああ、慌ててなんかないですよ!?&br;あ~お腹すいた~! ご飯にしましょう、ご飯!| |~アンディ・ボガード|そ、そうだね。皆も待ってるよ。| |~矢吹真吾|お待たせしちゃってすみません!&br;さ、行きましょう!| |~〇×|(真吾くん、まだ顔がちょっと赤い……ふふっ。&br;さっきの真吾くんはまるで別人みたいだったな。)| |~矢吹真吾|〇さんも……ほら、早く!&br;もう誰にも攫われないよう、絶対におれが守りますからね!| |~〇×|――うん!| #endregion ----- ページの更新 ビジュアル編集モードに切り替える &aname(top); #contents *SSR [#SSR_story] **一直線の努力 [#SSR01] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(うん、いい天気。洗濯物もよく乾きそう。)| |~〇×|(昨日まで雨だったから、洗濯物たまってたんだよね。&br;晴れてくれてよかった。)| |~〇×|(あ、真吾くんのシャツの襟、少し汚れてるな。&br;先に洗剤を付けて揉み洗いしとかなきゃ……。)| |~〇×|(あとは、紅丸さんと京さんのシャツと靴下も……。)| |~矢吹真吾|あ、〇さん、洗濯物なら&br;おれも手伝いますよ!| |~〇×|あ、真吾くん。じゃあ、先に洗ってたのを&br;干してもらってもいいかな?| |~矢吹真吾|了解っす!| |~〇×|ありがとう、真吾くん。&br;今日は特に量が多いから、すごく助かるよ。| |~矢吹真吾|へへ! 〇さんにはいつもお世話になってますから。&br;〇さんが来てくれてから、本当に助かってます!| |~矢吹真吾|おれたちのシャツなんかもいつもきれいに洗濯してくれて&br;みんな、〇さんに感謝してるんですよ!| |~〇×|そ、そんな……。&br;これが私の仕事なんだから、当たり前だよ。| |~矢吹真吾|それでも、感謝っすよ!&br;〇さんはいつも丁寧にしてくれてるの、知ってますから。| |~〇×|(そんなふうに思ってくれていたなんて……。)| |~矢吹真吾|そうだ、洗濯物を取りこむときも手伝いますから&br;呼んでくださいね!| |~〇×|うん、ありがとう。&br;じゃあ、お昼過ぎぐらいにまた声かけるね。| |~矢吹真吾|了解っす!| |~〇×|(さてと、洗濯物は乾いたころかなあ。)| |~〇×|(んー……あと少しってとこかな。&br;もう少ししたら真吾くんを呼びに行こうっと。)| |~〇×|(あれ、あそこにいるのって……。)| |~矢吹真吾|えーっと、あれをこーして……ここはこうで……。| |~矢吹真吾|百弐拾五式・七瀬(ななせ)は&br;荒咬み(あらがみ)をしている時にしかけるから……。| |~矢吹真吾|あれ、違うな、九傷(このきず)だったかな。&br;えーっと、たしかこっちに書いてたはず……。| |~矢吹真吾|うん、やっぱり九傷だった!| |~矢吹真吾|うーん。九傷もあと少しでマスターできそうなんだけどなあ。| |~矢吹真吾|草薙さんは簡単そうにやってるけど……。| |~矢吹真吾|でも、草薙さんから直々に教えてもらってるんだ!&br;きっとおれだっていつか……!| |~〇×|真吾くん。何見てるの?| |~矢吹真吾|わっ……!!&br;あ、〇さん!| |~〇×|その手帳、真吾くんの?&br;修行の内容を書いてるのかな?| |~〇×|(文字やイラストがびっしり……。&br;でもどれも丁寧に書かれてるなあ。)| |~矢吹真吾|見られちゃいましたね……。| |~〇×|(こういうのってあまり見られたくないものだよね。&br;真吾くんに悪いことしちゃったな……。)| |①|>|CENTER:~勝手に見ちゃってごめんね| |~|~〇×|勝手に見ちゃってごめんね。| |~|~矢吹真吾|いえ、そう言うわけじゃないんです。&br;ただ、ちょっと恥ずかしいというか……。| |②|>|CENTER:~私が見ちゃいけなかったかな……| |~|~〇×|あっ……、&br;私が見ちゃいけなかったかな……。| |~|~矢吹真吾|そ、そういうわけじゃないっす!&br;〇さんだからこそ、ちょっと照れ臭いというか……。| |③|>|CENTER:~うん、見ちゃった| |~|~〇×|うん、見ちゃった。| |~|~矢吹真吾|うう。そんな風に笑っても、誤魔化されないっすよ!| |~〇×|邪魔しちゃってごめんね。&br;真吾くんがどんなことしてるのか、ちょっと興味があって……。| |~矢吹真吾|そうだったんですか!&br;それなら、むしろ見て欲しいっす!| |~〇×|え、いいの?| |~矢吹真吾|はい! これは草薙さんから&br;教えてもらったことが書いてあるんです。| |~矢吹真吾|ちゃんと忘れないように、と思って&br;こうやってメモをとってるんです!| |~矢吹真吾|メモをしておけば、こうして見返して&br;復習できますからね。| |~〇×|そうだったんだ。熱心だね。| |~矢吹真吾|はい! おれも早く、草薙さんみたいになりたくって!| |~矢吹真吾|〇さんも一緒にこれを読んで&br;草薙さんのすごさを知ってほしいです!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|まずは、草薙流の基本! 壱式からっす!&br;立っている姿勢も大事なんですよ!| |~〇×|真吾くんは手帳に書かれてある技を&br;瞳を輝かせながら嬉しそうに解説を始めた。| |~矢吹真吾|相手の攻撃を避ける時には&br;霞(かすみ)っていう技を使うんです!| |~矢吹真吾|それから、この間習ったスッゲー技があって!&br;鳳麟 陽(ほうりん よう)って名前からイカしてるんですけど!| |~矢吹真吾|まずはこう、肩口からぶつかって……。&br;要は肩でタックルするんですけど、これがかっこよくて!| |~矢吹真吾|相手との間合いを詰めるのと攻撃が一度に&br;できるから、かなり使える技なんです。| |~矢吹真吾|あとは、遠くからでも威力のあるキックを出せる&br;九拾九式(きゅうじゅうきゅうしき)も、すごいんですよ!| |~矢吹真吾|本当、草薙さんの技はすごいっすよね!| |~矢吹真吾|おれ、草薙さんの技をすべて知りたいんです!&br;そして、いつか俺もきっと草薙さんみたいになります!| |~〇×|真吾くんは、本当に京さんのことを&br;尊敬しているんだね。| |~矢吹真吾|えへへ。そんなの、当たり前っす!| |~矢吹真吾|初めてKOFで草薙さんを見た時の衝撃は&br;今でも忘れられないですよ。| |~矢吹真吾|勇ましくてカッコいい技を&br;次々に繰り出す雄姿。そして、何より、あの炎!| |~矢吹真吾|おれ、あの時草薙さんに完全に魂持ってかれましたよ!| |~矢吹真吾|こんなにカッコよくてスゲー人が&br;この世にいるんだって、本当に感激しました!| |~矢吹真吾|まるで格闘技の神様が降臨したかって&br;錯覚するくらいの衝撃だったっす!| |~矢吹真吾|あの時初めて、おれも草薙さんみたいに&br;絶対なりたいって思ったんです。| |~矢吹真吾|でも、その時の俺はKOFに参加できるほどの&br;武力はまったくなくて、見るだけだったですからね。| |~矢吹真吾|草薙さんとの接点はあるわけないと思ってたし&br;技を教えてもらうのは夢のまた夢だと思ってたんです。| |~矢吹真吾|だから、草薙さんが同じ学校に通っていると知った時は&br;まさに運命だと思いました!| |~矢吹真吾|このチャンスを逃がすわけにはいかないって&br;必死に草薙さんにお願いして、弟子入りしたんですよ。| |~〇×|そうだったんだ。| |~矢吹真吾|はい! はじめはなかなか草薙さんも&br;首を縦に振らなかったんですけどね。| |~矢吹真吾|『めんどくせえ。第一、弟子はとらない主義だ』って&br;最初は一瞥もしてくれなかったっす!| |~矢吹真吾|だから、草薙さんの好物を調べて&br;毎日押しかけて頭下げて。| |~矢吹真吾|毎朝教室に行ってたら草薙さんのクラス担任にも&br;顔を覚えられちゃいましたよ。| |~矢吹真吾|昼休みは草薙さんは中庭で眠ってましたから&br;そこにもパンを持って押しかけたりしてました。| |~矢吹真吾|そんで、何度も押しかけて最後はおれの粘り勝ちです!| |~〇×|すごい! そこまでして弟子になったんだ。| |~矢吹真吾|へへっ! 全然すごくなんかないっすよ!&br;おれは『そこまでした』なんて、まったく思ってないっすから!| |~矢吹真吾|おれはただ、草薙さんの弟子になりたいって&br;必死だっただけです!| |~矢吹真吾|だから、今こうして草薙さんがおれを弟子にしてくれたことが&br;うれしくてしょうがないんです。| |~矢吹真吾|だからこそ、草薙さんから教えてもらったことを&br;ひとつも無駄にしたくないんです。| |~〇×|そっか。だからこうしてメモやイラストに残して&br;いつでも復習できるようにしてるんだね。| |~矢吹真吾|へへ。本当は身体で覚えたほうがいいんですけど、&br;こうやって頭で理解したほうが早いかと思って。| |①|>|CENTER:~すごいなあ……| |~|~〇×|真吾くんって、すごいなあ……。| |~|~矢吹真吾|そうっすか? そんなことないと思いますけど。| |②|>|CENTER:~格好いいね| |~|~〇×|真吾くんって、格好いいね。| |~|~矢吹真吾|格好いいだなんて……。&br;そんなこと言われたら照れますよ!| |③|>|CENTER:~頑張ってるんだね| |~|~〇×|真吾くん、頑張ってるんだね。| |~|~矢吹真吾|頑張ってるというよりも、&br;おれがしたいからやっているだけですよ。| |~〇×|ううん。京さんから技を教えてもらいたいっていう熱意、&br;とてもすごいと思う。| |~〇×|教えてもらった技をきちんと自分のものにできるように&br;努力しているのも、すっごく偉いよ。| |~矢吹真吾|へへっ。〇さんに&br;そんな風に言って貰えるなんて、うれしいです。| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|一通り草薙流の技を開設してくれた真吾くんは&br;今度は京さんのことを熱心に話しだした。| |~矢吹真吾|草薙さんは、本当におれの憧れなんです……!| |~矢吹真吾|見た目はもちろん、戦い方もメチャクチャカッコいいし!&br;まさに漢の中の漢っす!| |~矢吹真吾|KOFを『デカイ退屈しのぎ』だなんて言えちゃうのも&br;草薙さんだからこそですよね!| |~矢吹真吾|それから、この間草薙さんが&br;言ってたんですけど――| |~〇×|(真吾くん、すっごくイキイキしてるなあ。)| |~〇×|(本当に京さんのこと好きで&br;心から憧れているからこそだよね。)| |~〇×|(ここまでまっすぐ何かを『好き』だって言えて&br;努力している真吾くんが、なんだか眩しいや……。)| |~矢吹真吾|〇さん? どうかしましたか?| |~〇×|ううん! なんでもないよ。&br;その後、京さんはなんて言ったの?| |~矢吹真吾|あ、それがですね!&br;すっごい草薙さんらしいんですけど……。| |~〇×|(ふふっ、こんなに真吾くんに想われてるなんて&br;京さんは幸せ者だなぁ……。)| |~矢吹真吾|あ、もうこんな時間っすね!| |~〇×|本当だ。&br;そろそろ夕ご飯の支度をしなくっちゃ。| |~〇×|っと、その前に洗濯物だった!&br;すっかり忘れちゃってた……。| |~矢吹真吾|あ! おれも〇さんとの話に夢中で&br;洗濯物のこと忘れてたっす!| |~矢吹真吾|それじゃあ、おれが洗濯物取りこんでおきますから&br;〇さんは夕飯の準備をお願いします。| |~〇×|ありがとう!&br;じゃあ、今日は真吾くんの好きな料理にしようかな。| |~矢吹真吾|やった! じゃあ今日はイワシ料理がいいっす!| |~矢吹真吾|〇さんの料理はなんでもおいしいですけど&br;やっぱり、イワシが一番っすね!| |~矢吹真吾|そういえば、〇さんっていつから料理してるんですか?| |~〇×|いつって……物心ついたころからかな。&br;お芋を洗うとか、小さなことから始めたような気がするなあ。| |~矢吹真吾|へえ! じゃあ子供のころからっすか!&br;すごいですね!| |~〇×|そんなことないよ。&br;私の母が一通りの家事を覚えさせたかったみたいで。| |~〇×|私はただ、母が教えてくれることを&br;必死で覚えていただけで……。| |~〇×|(でも、お母さんが喜んでくれるのが嬉しくて&br;子供ながらに頑張ったような気がするな。)| |~矢吹真吾|じゃあ、〇さんのお母さんは&br;おれにとっての草薙さんみたいなものなんですね!| |~〇×|え、そうかな……。| |~矢吹真吾|はい! おれも草薙さんから&br;簡単な技から、少しずつ教えてらもいました!| |~矢吹真吾|〇さんも、小さなことから少しずつ積み重ねて&br;今の料理上手な〇さんになってるんですよね。| |~矢吹真吾|今の〇さんは、&br;〇さんが積み重ねたたくさんの努力の賜物っす!| |~〇×|(何気なくしてきたことなのに、&br;こんなふうに認めてもらえるなんて……。)| |~〇×|(真吾くんの言葉って、まっすぐで&br;だからこそ、すごく心に響いてくる……。)| |~〇×|ありがとう、真吾くん。&br;そんな風に言って貰えるなんて、すごく嬉しいよ。| |~矢吹真吾|へへっ! 〇さんが頑張ってくれたおかげで、&br;今のおれたちは美味しい料理を作ってもらえてるんですから!| |~矢吹真吾|だから、お礼を言うのはこっちの方っすよ!| |~矢吹真吾|おれも〇さんみたいに、草薙さんに教えてもらったことを&br;体の隅々まで吸収させます!| |~矢吹真吾|そして、いつか草薙さんみたいな最高の漢になるんです!| |~〇×|うん、待ってるね!| |~矢吹真吾|へへっ!&br;絶対ですよ!| |~矢吹真吾|あ、すみません。引き留めてしまって。&br;〇さんと話していると、つい時間を忘れちゃいますね。| |~矢吹真吾|それじゃあ、おれは洗濯物の所に行ってきます!| |~〇×|うん、よろしくね。&br;私も腕によりをかけてイワシ料理作るから!| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_矢吹真吾_一直線の努力.jpg,zoom,一直線の努力,259x200); |~矢吹真吾|へへっ!&br;楽しみにしてます!| |~矢吹真吾|今日は、〇さんといっぱい話せてうれしかったです。&br;また、こうしてお話しできたら、もっとうれしいっす!| #endregion ----- **強くなる理由 [#SSR02] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|服の裏にガスボンベをくっつけて、&br;袖に水道管のパイプを通して……。| |~矢吹真吾|あっ、〇さん! 袖のところ、&br;もう少ししっかり補強してもらってもいいですか?| |~〇×(主人公)|うん、わかった。任せて。| |~草薙京|真吾の奴、真剣に火炎放射器作ってるな……。| |~マキシマ|ここの袖から炎が出るようになるから、&br;袖口周りは入念に補強しないといけないぞ。| |~〇×|はい、わかりました!| |~〇×|……それにしても、この水道管のパイプが&br;火炎放射器の噴射口になると思うと、怖いですね……。| |~〇×|(真吾くんが危ない目に遭わないように、&br;止められるのが一番いいんだろうけど……。)| |~〇×|(頑張ろうとしてる真吾くんを止めるのも申し訳ないし&br;せめて危なくないようにサポートしなきゃ。)| |~ジョー・東|ホームセンターで買えるようなもんだし、&br;本当にこんなんで大丈夫なのか?| |~マキシマ|水道管ってのはかなり頑丈にできてるからな。&br;耐久力に関しては万全だ。| |~マキシマ|それに、どこでも気軽に買えるからこそ、&br;火炎放射器を自作するのに便利なんだ。| |~草薙京|そもそもそんなもん&br;自作する機会なんてねえだろ……。| |~矢吹真吾|マキシマさんって、本当物知りっすよね~。&br;尊敬します!| |~マキシマ|フフ、いろいろ経験積んでるからな。| |~マキシマ|お前さんが知らないようなこと、&br;もっとたくさん知ってるぜ? 例えば――| |~草薙京|おい、真吾に変なこと教えんな。| |~ジョー・東|おー、師匠は過保護だねえ。| |~矢吹真吾|お気遣いありがとうございます、草薙さん!| |~草薙京|真吾が道を外して、オレが巻き込まれたら&br;たまったもんじゃねえからな……。| |~ジョー・東|素直になれって!&br;弟子が心配で心配でしょうがないってな!| |~矢吹真吾|草薙さん、そんなにおれのことを……&br;感動です!| |~草薙京|そんなんじゃねえって言ってるだろ。| |~〇×|(ふふっ、みなさん仲が良いな。&br;……あれ?)| |~矢吹真吾|ん? 〇さん、どうしましたか?| |~〇×|真吾くん、この学ラン、&br;ボタンが1個ほつれてるよ。| |~矢吹真吾|えっ、あ、本当だ!&br;家に帰ったら母に直してもらわないと……。| |~〇×|これくらいならすぐ直せるよ。&br;ちょっと待ってて。| |~〇×|――はい、できた。| |~矢吹真吾|おおお~! さすがっす!&br;こんなにすぐできるなんて、すごいです!!| |~矢吹真吾|ありがとうございます、〇さん!&br;このボタン、一生大事にします!| |~〇×|そんな、大袈裟だよ。これくらいならすぐできるから、&br;他にも服のほつれとか気になったら言ってね。| |~矢吹真吾|はい、ほんとに助かります!!| |~草薙京|……にしても、何着防火服作るつもりだ?| |~マキシマ|学ランの改良と、普段着の改良、&br;それに新しく2着……4着は作ってるな。| |~矢吹真吾|どれが一番しっくりくるかとか、&br;いろいろ試さないといけませんからね。| |~マキシマ|もし燃えてしまったときのために、&br;予備も必要だからな。備えあれば憂いなし、だ。| |~矢吹真吾|しかも〇さんに服作ってもらえるとか、&br;さらに気合が入っちゃいますよ!| |~矢吹真吾|あなたがいてくれて、本当に良かったっす!| |~ジョー・東|おうおう真吾。&br;なんだか一世一代の告白みたいじゃねえか?| |~矢吹真吾|そ、そういうわけじゃ……!!&br;えっと、あの……か、買い出し行ってきます!!| |~ジョー・東|へへっ、若いねえ。×ちゃん、&br;これからも真吾のこと、見守ってやってくれよ!| |~〇×|はい、もちろんです!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(真吾くんのテレビ出演が終わって、&br;もう1週間経つのかあ。)| |~〇×|(いろいろあったけど、いつも通りに&br;落ち着いてくれて良かったな。)| |~〇×|(……あ、スマホに真吾くんからメッセージ来てる。)| |~矢吹真吾|今、ジョーさんと一緒にランニングしてます!&br;あともう少ししたら道場に戻ります!| |~矢吹真吾|ところで、河川敷に綺麗な花が咲いてたので&br;写真送りますね!| |~〇×|(わあ……白い花がたくさん……。&br;ふふっ、可愛いな。)| |~〇×|(写真ありがとう。&br;帰ってくるの待ってるね……と。)| |~〇×|(ふたりとももうすぐ戻ってくるのかあ。&br;帰ってきたら多分お腹空かせてるよね……。)| |~〇×|(夕食の時間までまだあるし、おやつ代わりに&br;おにぎりでも作って待ってようかな。)| |~矢吹真吾|ただいま戻りましたー!| |~ジョー・東|ただいまー! はー、腹減ったー!&br;×ちゃん、何か食うものある?| |~〇×|はい、おにぎり作っておきました。&br;おかかと明太子と鮭、お好きなものをどうぞ。| |~矢吹真吾|あっ、おれももらっていいですか?&br;もう腹ペコペコで夕飯まで待てそうになくて……。| |~〇×|うん、もちろん。召し上がれ。| |~矢吹真吾|ありがとうございます、いただきまーす!| |~矢吹真吾|うーん! めちゃくちゃおいしいっす!&br;塩加減も握り具合も、具の量もいい感じで!| |~ジョー・東|疲れた体に染み渡るって感じだな!&br;特に今日のトレーニングはハードだったしよ!| |~〇×|今日はどんなトレーニングしてきたんですか?| |~ジョー・東|まずはうさぎ跳びで河川敷を5往復だろ、&br;それからスクワット100回、腕立て300回……。| |~矢吹真吾|それから腹筋運動を300回やりました。&br;それから普通にランニングを5往復ですね。| |~ジョー・東|あとは軽く組手だな。| |~〇×|すごい……私なら途中でリタイアしちゃうよ。| |~ジョー・東|一流の格闘家たるもの、これくらい朝飯前だぜ!| |~ジョー・東|にしても、&br;今日は特にいいトレーニングができたと思うぜ。| |~ジョー・東|真吾の成長を実感したっつーのかな。&br;走るスピードは上がったし、踏み込みもしっかりしていた。| |~ジョー・東|組手したときのパンチなんかかなり効いてたぜ!| |~矢吹真吾|へへ……そう言ってもらえると照れるっす。| |~〇×|真吾くん、いい調子なんだね。&br;どう? 炎は出せそう?| |~ジョー・東|それはまだまだ無理そうだな。| |~矢吹真吾|はい……なかなかコツが掴めなくて……。| |~ジョー・東|でも、諦めなけりゃいつか絶対に努力は実る。&br;そうやってオレは前に進んできたんだからな!| |~矢吹真吾|はい! 頑張ります!| |~〇×|(京さんは、草薙家の血を引いていないと&br;草薙の炎は出せない、って言ってた。)| |~〇×|(それでもあきらめずに頑張る真吾くん……&br;なんて言って応援しようかな?)| |①|>|CENTER:~いつか絶対にできるよ| |~|~〇×|いつか絶対、炎を出せるようになるよ。&br;応援してるね。| |~|~矢吹真吾|ありがとうございます!&br;そう言ってもらえると自信湧いてきます!!| |②|>|CENTER:~無理はしないでね| |~|~〇×|無理はしないでね。&br;きちんと休むことも大事だよ。| |~|~ジョー・東|×ちゃんの言うとおりだな!&br;体壊したら格闘技自体やれなくなるかもしれねえしよ。| |~|~矢吹真吾|はいっ、気を付けます!| |~〇×|そういえば、あの火炎放射器って、&br;今はどうしてるの?| |~矢吹真吾|ああ……取り扱いが難しいので、&br;マキシマさんに保管をお願いしてます。| |~矢吹真吾|壊すのももったいないですし、何かあったときのために&br;取っておくべきだとマキシマさんに言われまして。| |~矢吹真吾|なので、もし〇さんに危険が迫ったときは、&br;おれがあれであなたを守りますよ!| |~ジョー・東|おっ、かっこいいぜ真吾!&br;まるで正義のヒーローだな!| |~矢吹真吾|正義のヒーロー……なんかワクワクします!| |~〇×|(そ、そういうものなのかな……?)| |~矢吹真吾|危ないときは、いつでもおれを呼んでくださいね!| |~〇×|う、うん。もしものときはよろしくね。| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~ジョー・東|はー、おにぎり美味かった。&br;ごちそうさん、×ちゃん| |~矢吹真吾|ごちそうさまでした。| |~〇×(主人公)|ふふっ、作りすぎちゃったかと思ったけど、&br;ふたりで全部食べちゃいましたね。| |~矢吹真吾|おれ、〇さんのおにぎりなら&br;100個でも200個でも食べられそうっす!| |~ジョー・東|確かに! いくらでも食えるよな!| |~ジョー・東|……っと、なんだ、テリーからメッセージだ。| |~ジョー・東|ちっ、用事があるから来いってマジかよ。&br;×ちゃんの夕飯食いたかったってのに……。| |~ジョー・東|わりぃ、テリーとアンディに呼ばれたから&br;オレ帰るわ、じゃな!| |~〇×|あ、はい! お疲れ様です!| |~矢吹真吾|ジョーさん、もう行っちゃった……。&br;足が速くてすごいなあ。| |~矢吹真吾|…………あれ、もしかして今、&br;おれたちふたりきりっすか?| |~〇×|う、うん……そうだね。| |~〇×|(他のみなさんは外に行ってるし、確かに今は&br;ふたりきりだ……。そう思うと少し緊張するかも。)| |~矢吹真吾|あ、あの、〇さん!&br;大事なお話があるんです!!| |~矢吹真吾|あの、おれ――!!| |~矢吹真吾|すみません、道場を使わせてほしいなんて&br;わがまま言っちゃって。| |~〇×|ううん、気にしないで。トレーニングしたいときは&br;いつでも開放するから。| |~〇×|(真吾くん、何か大きな告白でもするみたいに言うから&br;ちょっとびっくりしちゃった。)| |~〇×|(夕食の準備までまだ時間はあるし、&br;真吾くんのトレーニングのサポートしよう。)| |~矢吹真吾|よーし、今から大蛇薙をやってみますから&br;見ててくださいね!| |~矢吹真吾|喰らい……やがれええええっ!!| |~矢吹真吾|……なんて、カッコだけ真似しても&br;やっぱり炎なんて出ませんよね~。| |~〇×|(どんなに頑張っても炎が出る可能性は低い……。&br;なんて答えればいいのかな……。)| |~矢吹真吾|……〇さん、おれに気を遣わなくていいっすよ。&br;本当は炎なんて出せないってわかってますから。| |~〇×|真吾くん……?| |~矢吹真吾|草薙の炎は、草薙さんや柴舟さん……&br;草薙家の人だからこそ出せるものなんすよね。| |~矢吹真吾|草薙家になんの関係も無いおれが、&br;炎なんて出せるわけないんです。| |~矢吹真吾|……それでも、おれは頑張りたい。&br;諦めたくないんです。| |~〇×|(真吾くんの目……真剣だ……&br;すごく輝いてて、炎が燃えているみたい……。)| |~矢吹真吾|だって、諦めたらそこで&br;可能性はゼロになるじゃないですか。| |~矢吹真吾|諦めずに頑張れば……草薙の意思を忘れずに&br;前を向けば、いつかはできるかもしれない。| |~矢吹真吾|こう思うだけなら自由ですし、こういう&br;モチベーションって、大事だと思うんですよね。| |~〇×|それが諦めたくない理由……。&br;真吾くん、それだけ真剣に向き合ってるんだね。| |~矢吹真吾|はい。おれの人生の目標と言っても過言ではないです!| |~〇×|どうしてそんなに頑張ろうと思えるのか、&br;教えてもらってもいいかな?| |~|真吾くんのこと、もっといろいろ知りたいし……。| |~矢吹真吾|もちろんっす! おれが草薙さんに憧れてることは&br;ご存知ですよね?| |~〇×|うん。| |~矢吹真吾|草薙さん、なんだかんだでおれのこと、&br;期待してくれてると思うんです。| |~矢吹真吾|おれが炎を出せないってこと、草薙さんが&br;一番よくわかってるはずなのに……。| |~矢吹真吾|それなのにいつも特訓に付き合ってくれる。&br;おれを鼓舞してくれるんです。| |~矢吹真吾|草薙さん、あんまりはっきり言葉にする人じゃ&br;ないですけど、でもなんとなくわかるんです。| |~矢吹真吾|自惚れかもしれないけど……草薙さんが&br;期待してくれてるなら、それに応えたいんです。| |~〇×|自惚れなんて、そんなことないと思うよ。| |~〇×|私も、京さんは真吾くんのこと、&br;とても期待してると思う。| |~矢吹真吾|ありがとうございます!&br;そう言ってもらえると嬉しいっす!| |~〇×|真吾くんは、本当に京さんのことが好きなんだね。| |~矢吹真吾|はい! もうめちゃくちゃ尊敬してます!!&br;大好きっす!| |~矢吹真吾|…………好きといえば、もうひとつ……。| |~矢吹真吾|おれ、〇さんに出会ってから、&br;もっともっと強くなりたいって思うようになりました。| |~矢吹真吾|今までは自分の為に強くなる、っていうのが&br;大きかったんですけど……。| |~矢吹真吾|誰かの為に強くなりたいって気持ちが、&br;あなたに出会ってからどんどん膨らんできたんです。| |~矢吹真吾|それはたぶん、あなたのことが好きだからで……&br;あ、す、好きって言っても変な意味じゃなくて……!| |~矢吹真吾|草薙さんと同じように、尊敬してると言いますか……。| |~矢吹真吾|あの火炎放射器であなたを守れるなら&br;それもいいけど、やっぱ自分の力がいいし……。| |~矢吹真吾|だからその、おれ、頑張って強くなります!&br;そして絶対に草薙の炎を出して見せます!!| |①|>|CENTER:~うん、期待してるよ| |~|~〇×|うん、期待してるよ。| |~|~矢吹真吾|〇さんにまで期待されてるって思うと&br;照れくさいけど、嬉しいです!| |~|~矢吹真吾|体の奥からガンガン力が湧いてくる気がします!!| |②|>|CENTER:~頑張ってね、真吾くん| |~|~〇×|頑張ってね、真吾くん。| |~|~矢吹真吾|もちろん! バリバリ頑張りますよ!&br;だから見ててくださいね!| |~|~矢吹真吾|もっと強くなって、&br;あなたをびっくりさせて見せますから!| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_矢吹真吾_強くなる理由.jpg,zoom,強くなる理由,259x200); |~矢吹真吾|おれの伸びしろは、まだまだこれからっすよー!| #endregion ''スペシャル'' Episode:アウトドアデート ~矢吹真吾編~ #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|いいにおいがしてきましたね、〇さん!| |~〇×|うん。&br;自分で焼く焼き芋、すごく楽しみ。| |~矢吹真吾|あっ、火はおれの管轄ですから。&br;大丈夫、任せてください!| |~矢吹真吾|たき火の炎くらい余裕ですよ! &br;草薙の炎に比べたら。| |~〇×|じゃあ真吾くんにお願いするね。| |~矢吹真吾|はい!| |~矢吹真吾|焼き芋~焼き芋~最強の焼き芋~。&br;炎に包まれ焼けてゆけ~。| |~矢吹真吾|よーし!&br;ここでひっくり返してむらをなくす!| |~矢吹真吾|これでグレードアップ!| |~矢吹真吾|宇宙一の焼き芋~。&br;おいしくおいしく焼けてゆけ~。| |~〇×|ふふ。私、都内にこんな場所があるなんて知らなかった。| |~矢吹真吾|あ、おれもです。| |~矢吹真吾|偶然知ったんで &br;行ってみたいなって思ったんです。| |~〇×|そうだったんだ。| |~矢吹真吾|秋だから普通のバーベキューより&br;やっぱり焼き芋かなって。| |~〇×|うんうん、秋っぽい。| |~矢吹真吾|ですよね!| |~〇×|ここ、広場があって見晴らしもよくて、&br;バーベキューもできるんだもんね。| |~〇×|知らなかったけど、人気の場所なんだね。| |~矢吹真吾|確かに、こんなに人が多いとは思ってなかったっす。| |~〇×|人は多いけど、みなさん楽しそう。&br;外で何か作って食べるのって特別って感じだもんね。| |~矢吹真吾|……。| |~〇×|ふふ、なんかいいな、こういうの。&br;連れてきてくれてありがとう。| |~矢吹真吾|……。| |~〇×|真吾くん?| |~矢吹真吾|……。| |~〇×|(どうしたのかな? &br;私、何か変なこと言った?)| |~矢吹真吾|あの……。| |~矢吹真吾|〇さんと二人だけで来たくて、&br;他の人には内緒にしようとしたんですけど……。| |~矢吹真吾|でもこういうところはやっぱり&br;みんなでわいわいやるものなのかもなって。| |~矢吹真吾|反省してるんです。| |~〇×|(そうだったんだ。)| |~〇×|私、焼き芋すごく楽しいよ。&br;真吾くんは?| |~矢吹真吾|それは……楽しいですけど……。| |~〇×|ふふ。今日は私と真吾くんで&br;焼き芋を思いっきり楽しんで……| |~〇×|今度はみなさんも誘って、&br;バーベキューをするっていうのはどうかな。| |~〇×|きっとバーベキューは大勢のほうが楽しいし。| |~矢吹真吾|はい! そうしましょう!| |~矢吹真吾|今日は焼き芋に全力を尽くす! &br;炎で芋を燃やし尽くします!| |~矢吹真吾|あっ、でも、&br;二人の秘密にしたかったっていうのも本当ですよ!| |~矢吹真吾|今日は〇さんと来られて、本当に幸せです!| #endregion ----- **元気を届ける商人 [#SSR03] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(街の人たち、忙しそう。&br;待ちに待った儀式の目前だからかな……。)| |~矢吹真吾|こんにちはー!&br;踊り子様のお召し物をお届けに参りました!| |~〇×|(あっ、真吾くん。来てくれたんだ。)| |~矢吹真吾|素敵な衣装にアクセサリー、色々持ってきましたよ!&br;どれも踊り子様を華やかに飾ること間違いなし!| |~矢吹真吾|ほらほら、踊り子様にゆっくり見てもらうんで、&br;他の人は出てってください! 覗いちゃだめですよ!| |~矢吹真吾|……よし。皆いなくなったから、&br;もう普通に話しても大丈夫っすね。| |~〇×|真吾くん、商人が板についてきたみたい。| |~矢吹真吾|そりゃあ、商人として信用してもらわないと、&br;こうして〇さんに会いに来られませんから!| |~矢吹真吾|〇さん、全然ここから出してもらえないし。&br;うう……囚われの身で、辛いですよね。| |~矢吹真吾|でも、もうちょっとの辛抱ですよ!&br;今、ナギさんや皆が助け出す準備をしてますから!| |~〇×|ありがとう、真吾くん。私は大丈夫。&br;でも私のために色々してくれて、みなさんに申し訳ないな。| |~〇×|真吾くんも大変な思いをして会いに来てくれてるし……。&br;ごめんね。| |~矢吹真吾|〇さんが謝ることじゃないですよ!&br;だから、そんな顔しないでほしいっす!| |~矢吹真吾|えっとえっと……あっ、そうだ! 踊り子の衣装を持ってきたのは、&br;本当なんですよ。アクセサリーもあります!| |~矢吹真吾|ほら、この衣装すごくきれいじゃないですか?&br;生地もサラサラしてて気持ちいいですよ!| |~〇×|わあ、本当だね! 素敵だなぁ。| |~矢吹真吾|こっちの首飾りも見てください。&br;こうやってかざすと、宝石がキラキラするんです!| |~矢吹真吾|この耳飾りも、&br;動きに合わせて揺れるのがイイ感じだと思いますし――| |~矢吹真吾|どれもきっと、〇さんに似合うと思います!| |~〇×|(真吾くん……私を元気づけようとしてくれてるんだ。)| |~矢吹真吾|――あっ! す、すみません、&br;浮かれてる場合じゃないですよね……!| |~〇×|ううん。私も、きれいな服とアクセサリーだなって思ってた。&br;色々見せてくれてありがとう。| |~〇×|どれもすごく素敵。| |~矢吹真吾|絶対似合いますよ!| |~矢吹真吾|そうだ! もしどれがいいか迷うんだったら、&br;一度、身に着けてみるのはどうですか?| |~〇×|えっ、でも――| |~矢吹真吾|遠慮することないですよ。&br;〇さんのために用意したんですから!| |~矢吹真吾|はっ――も、もちろん、着替えてる間は外に出てますよ!&br;覗いたりしないっす!| |~〇×|……ふふっ、そんなこと疑ってないよ。| |~矢吹真吾|そ、そうですか? よかったぁ。| |~〇×|せっかくそう言ってくれるなら、試してみようかな。&br;どの道、儀式で着ることになるんだし。| |~矢吹真吾|はい、ぜひ!&br;それじゃあ、準備できたら声かけてくださいね!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(真吾くんに勧められて、&br;踊り子の衣装とアクセサリー、身に着けてみたけど――)| |~〇×|(だ、大丈夫かな……? 衣装負けしてないかな。&br;真吾くんは絶対に合うって言ってくれたけど……。)| |~矢吹真吾|えーっと……。&br;〇さん、どんな感じですかー?| |~〇×|(あ……真吾くんをあんまり待たせるのも悪いよね。&br;ここは覚悟を決めて――)| |~〇×|もういいよ、真吾くん。入って来て。| |~矢吹真吾|じゃあ、失礼しま――| |~矢吹真吾|……っ!| |~〇×|ど、どうかな? 人前に出て、大丈夫だと思う?| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|……真吾くん?| |~矢吹真吾|――あっ! はいっ!?| |~〇×|やっぱり、変かな?| |~矢吹真吾|と、とんでもないっす!&br;〇さん、すっごく似合ってますよ!| |~〇×|そ、そうかな……ふふ、ありがとう。| |~〇×|(なんだか慌ててるみたいだし、真吾くん、&br;気をつかってくれてるんだなぁ。ちょっと申し訳ない……。)| |~矢吹真吾|えっと、着心地は大丈夫ですか?| |~〇×|慣れない格好だから、ちょっと落ち着かないかも。&br;ちゃんと踊れるかな。| |~矢吹真吾|あの……ヒラヒラしてるんで、&br;あんまり大きく動くと、その――| |~〇×|あっ、そうか。捲れちゃったりしたら、&br;みっともないよね。気を付ける。| |~矢吹真吾|み、みっともないとかじゃないですけど、&br;ぜひ気を付けてください!| |~矢吹真吾|儀式の日は、色んな人が来るみたいだし。&br;その、見せたくないっていうか……。| |~〇×|そっか、当日はたくさん人が見に来るんだね。| |~〇×|本当に大丈夫なのか、色んな意味で心配になってきちゃった……。| |~矢吹真吾|だ、大丈夫ですよっ!&br;ちゃんと〇さんを助け出す作戦は考えてありますから!| |~〇×|あっ、違うんだ。みなさんのことは信じてる。&br;心配なのはそっちじゃなくて――| |~〇×|ただでさえ雨が降るかどうか不安なのに、&br;こんな何の力もない踊り子が人前に出ていいのかなって。| |~矢吹真吾|何言ってるんですか! そんなことありませんよ!| |~矢吹真吾|むしろ、この衣装で〇さんが儀式に出れば、&br;雨が降るくらいの奇跡、余裕で起こせそうです!| |①|>|CENTER:~褒めても何も出ないよ?| |~|~〇×|もう、そんなに褒めても何も出ないよ?| |~|~矢吹真吾|そ、そんなつもりじゃないですって!| |②|>|CENTER:~冗談が上手なんだね| |~|~〇×|ふふっ、真吾くんってけっこう冗談が上手なんだね。| |~|~矢吹真吾|じょ、冗談じゃないですって!| |~矢吹真吾|――こんなにきれいな〇さんが踊るの、&br;すごく楽しみなのに。こんな時じゃなきゃなあ……。| |~〇×|ん? 真吾くん、なにか言った?| |~矢吹真吾|な、な、なんでもないっす!| |~矢吹真吾|大丈夫ですよ!&br;当日は、ナギさんがなんとかしてくれますから!| |~〇×|うん、ありがとう。&br;……真吾くんもいてくれるんだもんね。| |~矢吹真吾|もちろんですっ! 雨が降ろうが槍が降ろうが、&br;必ず〇さんを守ってみせます!| |~矢吹真吾|〇さんはなんにも心配せずに、&br;儀式にのぞんでください!| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|儀式はどうなることかと思いましたけど、&br;ナギさんの力で雨が降って、本当によかったです。| |~ナギ|うんうん。ヒメが無事に帰ってきて、何よりだよ。| |~アンディ・ボガード|今日は色々あったし、早めに夕食にしようか。| |~マキシマ|ん?&br;腹が減ったって一番に騒ぎそうな奴がいないな。| |~アンディ・ボガード|そういえば……真吾はどこに行ったんだろう。| |~〇×|私、探してきますね。| |~〇×|あっ、真吾くん!| |~矢吹真吾|――! 〇さん……。| |①|>|CENTER:~みなさんが探してたよ| |~|~〇×|いなくなっちゃったから、&br;みなさんが心配して探してたよ。| |~|~矢吹真吾|……すみません。| |②|>|CENTER:~お腹すいてない?| |~|~〇×|お腹すいたんじゃない?&br;そろそろご飯にしようよ。| |~|~矢吹真吾|そ、そうっすね……!&br;すっかり腹ペコです。あはは――| |~|~矢吹真吾|はは……。| |~〇×|真吾くん、どうかした?&br;なんだかいつもと様子が違うみたい。| |~矢吹真吾|そ、そんなことは……。&br;…………。| |~矢吹真吾|――っ、〇さん!| |~〇×|はいっ!? ど、どうしたの?| |~矢吹真吾|あの、おれ――!| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_矢吹真吾_元気を届ける商人.jpg,zoom,元気を届ける商人,259x200); |~矢吹真吾|おれ、あの時……あなたに見惚れちゃってました。| |~〇×|えっ!? あの時って、儀式の時のこと?| |~矢吹真吾|は、はい……あと、初めて衣装を着てみせてくれた時も。| |~矢吹真吾|そんな場合じゃないってわかってたんですけど、&br;踊り子姿の〇さんが、本当にきれいで――| |~〇×|真吾くん……。| |~〇×|(すごく、真剣な表情。&br;顔を赤くしながら、一生懸命に伝えてくれてるんだ。)| |~〇×|(こんなふうに真っ直ぐ見つめられると、ドキドキする……。)| |~矢吹真吾|おれ、〇さんを助けなきゃって思ってたのに、&br;見惚れてるばっかりで何もできなかったです……。| |~矢吹真吾|ナギさんがいなかったら、どうなってたか。&br;本当にダメですよね……ごめんなさい。| |~〇×|そんなことないよ。真吾くんがいてくれて、&br;私、すごく助かったんだよ。| |~矢吹真吾|うう、〇さんの優しさが辛い……。| |~〇×|ほら、宮殿を訪ねてきた時、&br;私を元気づけようとしてくれたでしょ。| |~〇×|真吾くんのおかげで、すごく勇気が出たんだよ。&br;本当にありがとう。| |~矢吹真吾|〇さん……。| |~〇×|(――まただ。真吾くんにこうやって見つめられると、&br;目が離せない……胸が苦しくなって……。)| |~アンディ・ボガード|おーい! 真吾、〇さん!| |~矢吹真吾|わ……っ!!| |~アンディ・ボガード|あぁ、二人ともここにいたんだね。&br;何の話をしていたんだい?| |~〇×|あ、えっと――| |~矢吹真吾|ななな、なんでもないっす!!| |~アンディ・ボガード|……? どうしたんだい、そんなに慌てて。| |~矢吹真吾|あ、ああ、慌ててなんかないですよ!?&br;あ~お腹すいた~! ご飯にしましょう、ご飯!| |~アンディ・ボガード|そ、そうだね。皆も待ってるよ。| |~矢吹真吾|お待たせしちゃってすみません!&br;さ、行きましょう!| |~〇×|(真吾くん、まだ顔がちょっと赤い……ふふっ。&br;さっきの真吾くんはまるで別人みたいだったな。)| |~矢吹真吾|〇さんも……ほら、早く!&br;もう誰にも攫われないよう、絶対におれが守りますからね!| |~〇×|――うん!| #endregion ----- **まっすぐな執事 [#ssr_04] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|そろそろ開店時間だから、準備しないと。| |~〇×|(執事喫茶のお手伝いをするのも、だいぶ慣れてきたかな。)| |~矢吹真吾|猫野さん! 今日はよろしくお願いします!| |~〇×| (わあ、真吾くんの執事姿......!)| |~矢吹真吾|あれ……〇さん? おれ、なんか変でしょうか!?| |~〇×|ううん。なんだか新鮮で、ちょっと驚いちゃっただけ。&br;すごく似合ってるよ、真吾くん。| |~矢吹真吾|ほ、本当ですか!? よかった~!| |~矢吹真吾|実はこの格好、ちょっと落ち着かなくて……。 | |~〇×|落ち着かない?| |~矢吹真吾|走ったりしたら破いちゃいそうで、&br;思いっきり動けないっていうか……! | |~ビリー・カーン|あー、気持ちはわかる。窮屈だよな。| |~二階堂紅丸|そりゃ、執事は本来、&br;走り回ったり派手に動き回る必要ないからな。| |~矢吹真吾|えっ、急いで買い出しに行ったりしなくていいんですか?| |~矢吹真吾|おれ、速さには自信がありますよ!&br;草薙さんに鍛えられてますから!| |~二階堂紅丸|はあ……いいか? 真吾。&br;人手が足りないから、手伝ってくれるのは助かるけど| |~二階堂紅丸|執事っていうのは、優雅さと落ち着きが大切なんだ。&br;頼むぜ?| |~矢吹真吾 |は、はいっ! 大丈夫です! たぶん。 | |~ビリー・カーン|ま、頑張れよ。| |~矢吹真吾|ありがとうございます! | |~〇×|(真吾くん、大丈夫かな......?) | |~ビリー・カーン|真吾、お嬢様の出迎え頼む。| |~矢吹真吾|はい、わかりました!| |~矢吹真吾|いらっしゃいませ、お客様! | |~ビリー・カーン|おい、挨拶が違うぞ。| |~矢吹真吾|あっ、しまった!&br;えっと――おかえりなさい、お、お嬢様っ! | |~二階堂紅丸|…………。| |~〇×|真吾くん、このティーセット、 3番席にお願い。| |~矢吹真吾|はいっ、任せてください。| |~矢吹真吾|お待たせしました、お客さ……お嬢様!&br;ご注文のティーセットです!| |~女性客|え? 私、まだ注文してないけど……。| |~ビリー・カーン|おいおい、そこじゃねえよ。隣だ。| |~矢吹真吾|ああっ!? し、失礼しましたーっ!| |~二階堂紅丸|…………。| |~矢吹真吾|さ、さっきはすみませんでした!&br;ご注文はお決まりですか?| |~女性客|はい。このケーキセットをお願いします。&br;日替わりのケーキが美味しそうで……。| |~矢吹真吾|あっ、フルーツケーキですか? わかります!&br;おれも食べてみたいなーって思ってたんで!| |~矢吹真吾|でも、モンブランも美味しそうなんですよねー!&br;つい目移りしちゃうっていうか | |~ビリー・カーン|おーい、そっちまだか!? 注文つかえてるぞ!| |~矢吹真吾|ええっ!? ご、ごめんなさい、 今行きますー!| |>|閉店後| |~二階堂紅丸 |まったく……真吾、お前ってやつは……。 | |~二階堂紅丸|落ち着きがないし、挨拶はぎこちないし、配膳は間違えるし。&br;そのうえ話し込んで、他のお嬢様をお待たせするなんて。| |~矢吹真吾|うう……すみません。| |~二階堂紅丸 |執事喫茶っていうのは、&br;女の子に非日常を楽しんでもらう場所なんだ。| |~二階堂紅丸|執事がしっかりしてないとお嬢様を楽しませられない。&br;それはわかるだろ?| |~矢吹真吾|はい……。 | |~二階堂紅丸|――よし、決めた。真吾、&br;明日は休日だけど、店に来てくれ。| |~二階堂紅丸|特訓するぞ!| |~矢吹真吾|と、特訓……!?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |>|休日の執事喫茶――| |~矢吹真吾|お、おかえりなさい、&br;お客様……じゃなくて、お嬢様!| |~二階堂紅丸|お帰りなさい“ませ”だ、真吾。| |~矢吹真吾|あっ、すみません…….&br;おかえりなさいませ、お嬢様!| |~矢吹真吾|うーん、どうしても口馴染みがないから、慣れないと……。&br;おかえりなさいませ、おかえりなさいませ……。| |~二階堂紅丸|焦ることはないさ。&br;今日は一日、みっちり特訓してやる。&br;| |~二階堂紅丸|……まあ、挨拶の練習で&br;つっかかってるっていうなら先が思いやられるけどな。| |~矢吹真吾|うう……が、頑張ります!| |~二階堂紅丸|おっと――お嬢様が来たみたいだ。| |~矢吹真吾|あれ?今日はお店、お休みのはずじゃ……。| |~矢吹真吾|えっ――〇さん!?| |~〇×|頑張ってるみたいだね、真吾くん。| |~矢吹真吾|どうして〇さんが……。| |~二階堂紅丸|やあ、×ちゃん。今日はありがとう。| |~矢吹真吾|あの、紅丸さん。&br;これってどういう――| |~二階堂紅丸|×ちゃんにも、特訓に協力をお願いしたんだ。&br;お嬢様として、真吾の相手をしてほしいって。| |~矢吹真吾|〇さんが、お嬢様……!| |①|>|CENTER:~不思議な感じだね| |~|~〇×|昨日はスタッフとして一緒に働いてたのに、&br;不思議な感じだね。| |~|~矢吹真吾|おれもです。〇さんの接客をするなんて、&br;なんだか緊張します……。| |②|>|CENTER:~責任重大だね| |~|~〇×|真吾くんの練習相手として、責任重大だね。&br;ちゃんと務まるといいんだけど……。| |~|~矢吹真吾|〇さん、おれのために……!| |~|~矢吹真吾|せ、精一杯おもてなしさせて頂きますっ!| |~矢吹真吾|〇さん、よろしくお願いします!| |~〇×|私の方こそ、よろしくね。| |~二階堂紅丸|よし。それじゃあ早速、特訓を始めようか。| |~二階堂紅丸|大前提として、接客は丁寧に。お出迎えの時も、&br;ちゃんと一礼して、それからお嬢様の目を見て| |~二階堂紅丸|お帰りなさいませ、お嬢様。| |~矢吹真吾|おぉ……!&br;さすが紅丸さんです!&br;ベテランって感じがします!| |~二階堂紅丸|こんな感じで、×ちゃんに改めて挨拶してみてくれ。| |~矢吹真吾|は、はいっ!&br;やってみます!| |~矢吹真吾|えっと、一礼して……お嬢様の目を| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|……真吾くん?| |~矢吹真吾|……え、えへへ。| |~二階堂紅丸|なに照れてるんだよ。| |~矢吹真吾|すみません、相手が〇さんだと思うと……。| |~〇×|(そ、そんなふうに言われると、&br;私までちょっと気恥ずかしくなってきちゃった……。)| |~二階堂紅丸|やれやれ……次は、お嬢様を席へご案内して。| |~矢吹真吾|わかりました!&br;こちらへどうぞ、〇さん!| |~二階堂紅丸|こら、お嬢様だぞ。| |~矢吹真吾|あっ、そうでした……!&br;どうぞ、お嬢様!| |~二階堂紅丸|ただ席へお連れするだけじゃなくて、&br;お嬢様が座りやすいように椅子を引いてあげるんだ。| |~二階堂紅丸|座ってもらったら、お嬢様より目線を低くして話すと、&br;より信頼してもらえる。| |~矢吹真吾|なるほど……勉強になりますっ!&br;メモしておかないと……!| |~〇×|(あ、生徒手帳に書き込んでる。真吾くん、&br;本当に一生懸命、仕事を覚えようとしてるなあ。)| |~〇×|(私も、少しでも力になれるといいな。)| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |>|後日、開店前の執事喫茶――| |~矢吹真吾|よし、ケーキのショーケースの準備、&br;これで完了ですね!| |~矢吹真吾|うーん、どれも美味しそうです!| |~〇×|ありがとう、真吾くん。手伝ってくれて。| |~矢吹真吾|いえ!おれの方こそ、このあいだは&br;特訓に付き合ってもらって、ありがとうございました!| |~矢吹真吾|今日は特訓の成果が出せるよう頑張らないと……!| |~二階堂紅丸|よし、真吾。開店前に、復習するか。| |~二階堂紅丸|×ちゃん。またお嬢様役、頼めるかな?| |~〇×|はい、わかりました。| |~矢吹真吾|わあ、緊張してきた……!| |~二階堂紅丸|始めるぞ。まずはお出迎えからだ。| |~矢吹真吾|は、はい……!&br;〇さん、よろしくお願いします!| |~〇×|こちらこそ。| |~矢吹真吾|よーし――| |~矢吹真吾|おかえりなさいませ、お嬢様!&br;お待ちしてました!| |~矢吹真吾|お席へご案内します。こちらへ!| |~矢吹真吾|椅子を引いて、と……。&br;どうぞ、お座りください!| |~〇×|ありがとう。| |~〇×|(真吾くん、だいぶ慣れてきたみたい。)| |~矢吹真吾|こちら、本日のメニューです&br;ご注文はどうされますか?| |~〇×|えっと、じゃあ――おすすめのスイーツは?| |~矢吹真吾|えっ!おすすめ、ですか?| |~〇×|(あ……思わず聞いちゃったけど、&br;真吾くん、困っちゃうかな?)| |~矢吹真吾|えっと……そうですね。うーん……。| |~矢吹真吾|そうだ!お嬢様、こちらへ!| |~〇×|(あ、手を取られて……ついていけばいいのかな?)| |~二階堂紅丸|おいおい、お嬢様を立たせるなんて……。&br;まあ、もう少し様子を見るか。| |~矢吹真吾|お嬢様、こちらが本日のケーキです!| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_矢吹真吾_まっすぐな執事.jpg,zoom,まっすぐな執事,259x200); |~〇×|(あ、さっき一緒に準備したショーケース……。)| |~矢吹真吾|このショートケーキは、生クリームたっぷりで、&br;甘酸っぱいイチゴとの相性もばっちりですよ!| |~矢吹真吾|こっちのチョコレートケーキは、ココアパウダーが&br;ちょっとほろ苦くて、チョコが濃厚で――| |~〇×|(真吾くん、美味しそうに説明するなあ。)| |~〇×|(それに、こうして実際にケーキを見ながら&br;一緒に選ぶのって、なんだか楽しいな。)| |~矢吹真吾|――以上が、本日のケーキです!&br;おれのおすすめは、ショートケーキですかね。| |~矢吹真吾|あー、でも他のケーキも美味しそうだなあ……。&br;お嬢様、どうしましょうか?| |①|>|CENTER:ショートケーキ| |~|~〇×|じゃあ、ショートケーキにしようかな。| |~|~矢吹真吾|わかりました!&br;今、お取りしますね!| |②|>|CENTER:~どれも美味しそう| |~|~〇×|私も迷っちゃうな……真吾くんの話を聞いてると、&br;どれもこれも美味しそうで。| |~|~矢吹真吾|本当ですか!?美味しそうに説明できたなら、&br;よかったです!| |~|~矢吹真吾|えへへ、じゃあもう少し、&br;どれにするか一緒に迷いましょうか!| |~二階堂紅丸|――よし、そこまで。| |~二階堂紅丸|うーん、スマートさには欠けるけど……&br;×ちゃんは、接客されててどうだった?| |~〇×|楽しい気分になれました。ケーキひとつ選ぶのにも、&br;真吾くんが寄り添ってくれるみたいで……。| |~〇×|こんなふうに親しみやすい執事さんも、素敵だと思います。| |~矢吹真吾|〇さん……!| |~二階堂紅丸|……お嬢様が満足したのなら、それが一番かな。| |~二階堂紅丸|優雅さと落ち着きにこだわっちまったけど、&br;真吾は真吾らしいままでいいのかもしれないな。| |~二階堂紅丸|よし、その調子で今日はよろしく頼むぜ。| |~矢吹真吾|はいっ!任せてください!| |>|閉店後――| |~矢吹真吾|〇さん、お疲れ様ですっ。| |~〇×|お疲れ様、真吾くん。&br;今日の接客、ばっちりだったね。| |~〇×|ケーキの説明も上手だし、親身に接してくれるって、&br;お嬢様たち嬉しそうだったよ。| |~矢吹真吾|みなさんに喜んでもらえてよかったです!&br;本当に、〇さんと紅丸さんのおかげですね!| |~〇×|真吾くんの本来の良さが出せたんだよ。&br;特訓、よく頑張ったね。| |~矢吹真吾|えへへ……〇さんに褒めてもらえるのが、&br;一番嬉しいっす!| |~矢吹真吾|あの、〇さん。お店の片づけが終わったら、&br;この後、時間ありますか?| |~矢吹真吾|よかったら、一緒にケーキを選んで、お茶したいです。&br;今度は、特訓とか練習じゃなく!| #endregion ----- **あたたかな冬 [#SSR05] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|ある冬の早朝――| |~〇×|(うっさ、寒い……!&br;いつもより早く目が覚めちゃった。)| |~〇×|(ん……あれ? 外から聞こえるの、何の音だろう。&br;何かを踏みしめるような……足音?)| |~〇×|(うう……ふ、布団から出るのがつらい……。&br;でも、この音が気になるし――)| |~〇×|(わっ、雪が積もってる! どうりで寒いと思った。&br;今日は買い物に行くの、大変そうだなあ……。)| |~〇×|(あれ、庭に誰かいる――)| |~矢吹真吾|あっ! 〇さーん! &br;おはようございますー!| |~〇×|真吾くん! こんなに雪が積もってるのに、&br;今朝もトレーニング? 寒くない?| |~矢吹真吾|はいっ! 寒いっす!| |~矢吹真吾|でも寒いからこそ、体を温めるために走ってきました! &br;今はポカポカです!| |~〇×|なるほど、真吾くんらしいね。| |~〇×|ランニングが終わったなら、中に入らない? &br;風邪ひかないうちに、汗を拭いた方がいいよ。| |~矢吹真吾|ありがとうございます! &br;でも、もうちょっとだけ……この辺りの雪を踏んでから!| |~〇×|雪を?| |~矢吹真吾|一番乗りで足跡つけるのがなんだか楽しくって!| |~矢吹真吾|まだ誰も起きてないうちにと思ったら、&br;つい夢中になっちゃいました!| |~〇×|じゃあ、あの音は真吾くんだったんだね。| |~矢吹真吾|あっ! もしかして、〇さんを起こしちゃいましたか?&br;ごめんなさい……!| |~〇×|ううん、大丈夫だよ。&br;先に寒くて目が覚めちゃったから。| |~〇×|それに、なんだかわかる気がするなあ。&br;まっさらな雪って、足跡つけたくなるよね。| |~矢吹真吾|へへっ、わかってくれますか!| |~矢吹真吾|〇さんも来ませんか? &br;体を動かすと、温まりますよ!| |~草薙京|ふああぁ~……なんだよ、騒がしいなあ。&br;朝っぱらからはしゃぐんじゃねえよ。| |~矢吹真吾|あっ、おはようございますっ! &br;草薙さんもどうですか、雪に足跡つけるの!| |~矢吹真吾|それとも、トレーニングつけてくれますか!? &br;ちょうど体も温まってるっす!| |~草薙京|ったく、この寒いのによくやるぜ。| |~草薙京|オレはパス。二度寝するわ。| |~矢吹真吾|え一つ、そんなこと言わずに! &br;この冬こそ、炎を出せるように| |~矢吹真吾|あっ、そうか! 炎を出せば、&br;温まりながらトレーニングできますよねっ!| |~草薙京|おい、暖を取るためにオレの炎を使おうとするんじゃねぇよ。| |~矢吹真吾|えへへ、やっぱダメですか。| |~〇×|(ふふ……真吾くんったら、冬でも元気だなあ。&br;私も、寒いからって縮こまってばかりいられないよね。)| |~〇×|(よーし。準備して、買い物に出かけよう!)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|できましたー! &br;どうですか、草薙さんっ!| |~草薙京|どうもこうもあるかよ……。| |~〇×|(真吾くんと京さん、まだトレーニングしてるのかな?)| |~矢吹真吾|あっ、〇さん! &br;見てください!| |~矢吹真吾|どうですか、この雪だるま! &br;草薙さんをイメージして作ってみたんですよ!| |~〇×|えっ、京さんを?| |~草薙京|オレはこんなちんちくりんじゃねえっつーの。| |~矢吹真吾|でもでも、このキリッとした目なんか似てると思いませんか!? &br;ね、〇さんっ!| |①|>|CENTER:~そっくりだね| |~|~〇×|言われてみると、京さんによく似てるかも……。| |~|~矢吹真吾|ですよねっ!? &br;〇さんならわかってくれると思いました!| |~|~草薙京|ウソだろ? お前らそろって、&br;日頃からオレをどんな目で見てんだよ……!| |②|>|CENTER:~似てないかも| |~|~〇×|うーん…….可愛いけど、京さんには似てないかなあ。| |~|~矢吹真吾|え一つ、そうでしょうか……?| |~|~草薙京|当たり前だろ。似ててたまるか。| |~矢吹真吾|ところで〇さん、お出かけですか?| |~〇×|うん、買い物に行ってくるね。| |~矢吹真吾|それじゃあ、おれ、荷物持ちについていきますよ!| |~〇×|ありがとう、でも大丈夫。&br;そんなに重い物を買う予定はないから。| |~〇×|私も真吾くんを見習って、&br;寒さに負けないようにしなきゃね。| |~矢吹真吾|ええっ、おれを見習って!?| |~矢吹真吾|へへ……..なんか照れますね~!| |~草薙京|なんとかは風邪ひかないって言うからな。&br;寒さにも強いんだろ。| |~矢吹真吾|おおっ! 草薙さんにも褒められたっす!| |~草薙京|……やれやれ。| |~〇×|ふふ。真吾くんは、留守番をお願いね。| |~矢吹真吾|了解っす!| |~〇×|ふう……出発した時は寒かったけど、&br;買い物で歩いてるうちに平気になっちゃった。| |~〇×|体を動かすと温まるって、&br;真吾くんが言ってたとおりだな。| |~矢吹真吾|〇さん、おかえりなさい!| |~〇×|ただいま。真吾くん、&br;もしかしてあれからずっと外にいたの?| |~矢吹真吾|はいっ! どうしても完成させたかったんで!| |~〇×|完成させるって――?| |~矢吹真吾|じゃじゃーん! どうですか!? &br;草薙さん雪だるま・改!| |~〇×|(こ、この雪だるま、京さんより大きい……!)| |~矢吹真吾|あの後、草薙さんに言われたんです! オレに似せるつもりなら、&br;もっと迫力のある雪だるまにしてみろって!| |~矢吹真吾|だから、どんどん大きくしていったんですけど、&br;雪だるまを作るって、すごくいい鍛練になったんです!| |~〇×|そ、そうなの?| |~矢吹真吾|はいっ!&br;体全体の筋肉を使えて、冬にピッタリのトレーニングでした!| |~矢吹真吾|草薙さんは、これを見越してああ言ってくれたんですね!&br;いや~、さすがっす!| |~〇×|(たぶん違うと思うけど…… &br;真吾くん、すごく満足そうだし、いっか。)| |~矢吹真吾|でも、まだまだです! もっともっと修行しなきゃ! &br;よし、もう一度走り込みを| |~〇×|今日はこれくらいにしておいたら? &br;真吾くん、鼻の頭まで赤くなってるよ。| |~矢吹真吾|ええっ、でも……!| |~〇×|風邪ひいたら、&br;しばらくトレーニングできなくなっちゃうよ?| |~矢吹真吾|そ、それは困るっす! &br;わかりました、中に入ります!| |~矢吹真吾|あっ、〇さん! &br;その買い物カバン、おれに持たせてください!| |~〇×|でも、悪いよ。&br;雪だるま作りで疲れてるんじゃ……| |~矢吹真吾|全然大丈夫ですっ!&br;これが最後のトレーニングってことで!| |~〇×|ふふ……そういうことなら、お願いしようかな。| |~矢吹真吾|はいっ! 任せてください!| #endregion //---------- ''3話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|――は、はくしゅっ!| |~〇×|大丈夫? 真吾くん。&br;昼間、体を冷やしちゃったかな。| |~矢吹真吾|へ、平気ですっ! &br;でも、夜になってますます寒くなってきたような……。| |~矢吹真吾|よーし! 体を温めるために、もう一度雪だるまを――!| |~〇×|待って、真吾くん。&br;こたつがあるって大門さんが言ってたから、出してみない?| |~矢吹真吾|おおっ、こたつ! いいっすね〜!| |~矢吹真吾|じゃあ早速、組み立てましょう!| |~矢吹真吾|できましたー! それじゃ、スイッチを入れて、&br;中に入って、と――| |~〇×|どう、真吾くん? &br;体、温まってきた?| |~矢吹真吾|お、おおおっ!&br;めちゃくちゃあったかいですよ!| |~〇×|よかった。&br;みかんとおせんべい、持ってきたよ。| |~矢吹真吾|ありがとうございます!&br;日本の冬って感じがしますね~!| |~矢吹真吾|ほら、〇さんも入ってください!| |~〇×|じゃあ、お邪魔します。| |~〇×|……! &br;は~……あ、あったかい…….| |~矢吹真吾|いや~、これは抜け出せなくなりそうですね〜!| |~〇×|うん、動きたくなくなっちゃうね……。| |~矢吹真吾|あはは、もしかして〇さん、&br;寒いの苦手なんですか?| |①|>|CENTER:~そうかも| |~|~〇×|そうかもしれないなあ。&br;朝、布団から抜け出すのもつらかったし。| |~|~〇×|でも、冬でも元気な真吾くんを見てたら、&br;寒いのも克服できそうかも。| |~|~矢吹真吾|ほんとですか!? &br;へへ、なんか嬉しいです!| |~|~矢吹真吾|おれを見て〇さんが寒いの平気になるなら、&br;修行にもますます身が入ります!| |②|>|CENTER:~暑い方が苦手| |~|~〇×|どっちかというと、暑い方が苦手かも。| |~|~矢吹真吾|そうなんですか? じゃあ、こたつの温度、&br;熱くなりすぎないように気をつけないと!| |~矢吹真吾|それにしても、美味しそうなみかんですね! &br;ひとつ、いただきます!| |~〇×|うん、どうぞ。| |~矢吹真吾|よいしょ、っと――| |~〇×|(あ、こたつの中で何か触れて…… &br;真吾くんの足かな?)| |~矢吹真吾|あっ……す、すみませんっ! 足……。| |~〇×|いいよ、同じこたつに入ってるんだから。| |~矢吹真吾|で、でも、あの……。| |~〇×|どうしたの?&br;なんだかそわそわしてるみたいだけど……。| |~〇×|あ、まだ寒い?| |~矢吹真吾|全然っ! 寒さなんか吹っ飛んじゃいました! &br;むしろ、熱いくらいで……!| |~〇×|確かに、顔が赤いみたい……。&br;こたつの温度、高すぎたかな?| |~矢吹真吾|い、いいえ! このままで大丈夫ですっ!| |~矢吹真吾|このまま、 〇さんとずっと一緒に入っていたいくらいです!| |~〇×|えっ! し、真吾くんったら……。| |~矢吹真吾|あっ……すみません! &br;おれ、変なこと言って……!| |~矢吹真吾|でも……こうして〇さんと一緒にこたつに入ってると、&br;体だけじゃなくて、気持ちもあったかくなって……。| |~矢吹真吾|ずっとこうしていたいのは、ほんとですよ。| |~〇×|-うん。私も、真吾くんと一緒だと、&br;身も心もぽかぽかするよ。| |~矢吹真吾|えへへへ……。| |~〇×|(冬って、寒いばかりじゃなくて、&br;あったかいものなんだなあ……。)| &attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_矢吹真吾_あたたかな冬.jpg,zoom,あたたかな冬,259x200); #endregion //---------- ''スペシャル'' #region(ネタバレ注意) |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| |~|| #endregion ----- *SR [#SR_story] **自称・一番弟子 [#SR01] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(さてと、お夕飯の仕込みはこのくらいでいいかな。)| |~〇×|(あとは、麦茶をもう少し沸かしておこっと。&br;作っても作ってもすぐになくなっちゃうんだよね。)| |~〇×|(まあ、こんなに暑いしね。&br;熱中症も心配だし、いっぱい作っておこう。)| |~矢吹真吾|〇さん、麦茶いただけますかー?&br;草薙さんのとおれのと、二人分っす!| |~〇×|(ふふ、言ってる傍から。)| |~〇×|うん。ちょっと待ってね。&br;……それにしても、ふたりともすごい汗ですね。| |~草薙京|ああ、このクソ暑いのに&br;真吾の奴が稽古をつけてくれってうるさくてな。| |~矢吹真吾|へへ! おれも早く草薙さんみたいに炎を出したくって!| |~草薙京|…………。| |~〇×|そっか、頑張ってるんだね。| |~〇×|はい、麦茶おまたせしました。| |~矢吹真吾|ありがとうございます!&br;わー! 氷もいっぱい入れてくれたんですね!| |~矢吹真吾|はー! 稽古の後の麦茶は美味いっすね!&br;冷え冷えで最高っす!| |~草薙京|そうだな。&br;稽古の後にはちょうどいいが……。| |~草薙京|どうせならアイスも食いてえな。&br;おい、真吾。お前ちょっと行ってこい。| |~矢吹真吾|了解っす!&br;いつものやつっすね!| |~〇×|(『いつものやつ』で通じるなんて&br;ふたりとも仲がいいんだなあ。)| |~矢吹真吾|〇さんは、何か食べたいアイスありますか?| |~〇×|えっ、私もいいの?| |~草薙京|ついでだし、あんたも頼んだらいい。| |~矢吹真吾|なんでも大丈夫っすよ!&br;これも一つのトレーニングですから!| |~矢吹真吾|〇さんの好きなアイスを言ってください!| |~〇×|ええと、好きなアイス……。&br;じゃあ、ルイーゼアイスのチョコ味をお願いしようかな。| |~矢吹真吾|ルイーゼアイスのチョコ味っすね!&br;分かりました!| |~矢吹真吾|じゃあ、すぐに買ってきますから&br;ふたりとも待っていてくださいね!| |~草薙京|ああ。| |~〇×|うん、よろしくね。| |~矢吹真吾|いってきまーす!| |~〇×|(あっという間に行っちゃった。&br;本当、フットワークが軽いなあ。)| |~〇×|(でも、今日は特に暑かったから&br;アイスは嬉しいな。)| |~〇×|(ルイーゼアイスのチョコ味って久しぶりだし……。&br;……って、しまった!!)| |~〇×|(たしかあのアイスって&br;この近くのお店には売ってなかったはず!)| |~〇×|ど、どうしよう……。| |~草薙京|どうした、変な顔して。| |~〇×|そ、それが……さっき真吾くんに頼んだアイス&br;近くのお店には売ってないんです。| |~〇×|真吾くんに、悪いことしちゃいました。&br;今からでも言ってくるべきでしょうか……。| |~草薙京|なんだ、そんなことか。| |~草薙京|気にするな、あいつもそっちの方が燃えるし&br;いいトレーニングになるだろ。| |~〇×|そ、そんな。&br;他人事だと思って……。| |~草薙京|それに、今更伝えに行ったところで&br;無駄になるだけだ。| |~〇×|え……?| |~矢吹真吾|ただいま戻りました!| |~〇×|えっ、真吾くん!?| |~〇×|(さっき出たばっかりなのにもう帰ってきたの!?)| |~草薙京|おう、遅かったな。| |~〇×|(ええっ、全然遅くないっていうか、早すぎじゃない!?)| |~矢吹真吾|えへへ、お待たせしました!&br;草薙さんのアイスはこれですよね。| |~草薙京|ああ、サンキュ。| |~矢吹真吾|それから、〇さんのはこれ!&br;……でよかったんですよね?| |~〇×|う、うん……。| |~〇×|(本当に、ルイーゼアイスのチョコ味を&br;買ってきてくれてる……。)| |~〇×|(でも、このアイスがあるお店って&br;私の足でも30分はかかるのに。)| |~〇×|(一体、真吾くんはどうやって買ってきたの!?)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|あれ、このアイスじゃなかったですか?| |~〇×(主人公)|ううん。&br;これで合ってるよ、ありがとう。| |~矢吹真吾|よかった!&br;間違ってたら申し訳ないなって思ってたんですよ!| |~矢吹真吾|だから、ちゃんと合ってて安心したっす!| |~〇×|で、でも、これって近くのお店にはなかったでしょ?| |~矢吹真吾|はい! でも駅前のコンビニにはちゃんとありましたよ?| |~〇×|でもあそこのコンビニってかなり遠いのに……。| |~〇×|車もないのに&br;一体、どうやって行ったの?| |~矢吹真吾|どうやってって、&br;普通に自分の足で行きましたよ?| |~矢吹真吾|あ、溶けちゃいけないって思って&br;いつもよりは走りましたけど。| |~矢吹真吾|でも、あのくらいの距離ヨユーっすよ!| |~〇×|そうなんだ……。&br;真吾くんって、足速いんだね。| |~〇×|(っていう話で片付けちゃっていいのかな?)| |~矢吹真吾|へへ! ありがとうございます!&br;それだけは草薙さんも認めてくれてるんですよ!| |~草薙京|……まあ、そういうことにしといてやるよ。| |~矢吹真吾|え、認めてくれてますよね?| |~草薙京|お前がそういうなら、そうなんだろ。| |~矢吹真吾|それ、ちょっとひどくないっすか?&br;折角アイス買ってきたのに!| |~草薙京|ははは。| |~矢吹真吾|もー! 草薙さんはいつもそうなんですから!| |①|>|CENTER:~仲がいいんですね| |~|~〇×|仲がいいんですね。| |~|~矢吹真吾|はい!&br;草薙さんはおれの憧れの人ですから!| |②|>|CENTER:~なんだか兄弟みたい| |~|~〇×|なんだか兄弟みたい。| |~|~矢吹真吾|きょ、兄弟っすか……!?| |~|~矢吹真吾|えへへ……。&br;草薙さんが本当の兄貴だったら最高ですね!| |~|~草薙京|おい、ニヤニヤすんな。真吾。| |③|>|CENTER:~アイス溶けちゃうよ?| |~|~〇×|アイス溶けちゃうよ?| |~|~矢吹真吾|わわっ! 本当だ!| |~草薙京|ふう、美味かった。&br;やっぱり夏はアイスに限るな。| |~草薙京|それじゃ、オレは部屋に戻る。&br;夕飯になったら呼んでくれ。| |~〇×|はい。分かりました。| |~矢吹真吾|草薙さん、また稽古つけてくださいね!| |~草薙京|気が向いたらな。| |~矢吹真吾|約束っすよ!| |~〇×|(真吾くんって、本当に草薙さんのことが&br;好きなんだなあ。)| |~〇×|(そうだ、さっきは驚いてちゃんとお礼言えてないから&br;改めてお礼言っておこう。)| |~〇×|真吾くん、今日は暑いのに遠くまで&br;アイス、買いに行ってくれてありがとう。| |~矢吹真吾|いえいえ! たいしたことないですから!| |~〇×|このアイス、久しぶりに食べたから&br;とっても美味しかったよ。| |~矢吹真吾|へへ! またいつでも言ってください!&br;おれ、どこへだって買いに行きますから!| |~矢吹真吾|あ! そうだ〇さん。&br;今日みたいに買い物とかあったら、おれを呼んでくださいね。| |~〇×|え……?| |~矢吹真吾|おれが走って行って買ってくるんで!&br;重い物でも全然問題なっす!| |~〇×|うん。ありがとう、真吾くん。| |~〇×|(たまにはふたりで一緒にお買い物行ってみたいなぁ……。)| |~〇×|(真吾くんと一緒なら、きっとすごく楽しそう。)| |~矢吹真吾|でも、ふたりで行くときは走りませんから&br;大丈夫っすよ!| |~〇×|えっ、私とふたりで……?| |~矢吹真吾|……あ! す、すみません。おれは、〇さんと&br;一緒に買い物とかしてみたいなって……。| |~矢吹真吾|図々しいこと言っちゃいましたよね……!| |~〇×|ううん。真吾くんも同じこと考えてくれてたんだなって思ったら&br;ちょっと嬉しくなっちゃって。| |~矢吹真吾|え! 本当ですか!?&br;〇さんも、おれと買い物行きたいんですか!?| |~〇×|うん。| |~矢吹真吾|へへ! 嬉しいっす!&br;じゃあ、早速今日の夕飯の買い出し一緒に行きませんか?| |~矢吹真吾|飲み物でもお米でもなんでも&br;荷物持ちは、おれに任せてくださいね!| |~〇×|ふふ。うん、よろしくね。| #endregion ----- **いつかは炎を! [#SR02] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(今日のお夕飯もみなさんよく食べてくれたなあ。&br;あんなにたくさん食べてくれると作り甲斐があるよね。)| |~〇×|(さてと、あとは明日の分のお米を研いで……。)| |~矢吹真吾|……〇さん&br;ちょっといいですか?| |~〇×|あれ、真吾くん、どうしたの?| |~矢吹真吾|実は……ってあ、米研ぎっすか?&br;おれも手伝います!| |~〇×|ありがとう。&br;じゃあ、お米を計ってボウルに入れてくれるかな?| |~矢吹真吾|了解っす!| |~〇×|(真吾くんって、よく気がついてくれるし&br;本当に優しくていい子だなあ。)| |~〇×|そう言えば真吾くん、私に何か用があったんじゃないの?| |~矢吹真吾|は、はい、実は……。&br;〇さんとふたりきりで、話したいことがあるんです。| |~矢吹真吾|あとで、おれの部屋に来てくれませんか?| |~〇×|え? 真吾くんの部屋に?| |~〇×|(突然ふたりきりで話したいって&br;一体どうしたんだろう?)| |~〇×|えっと、今ここで話すのは難しい話なのかな?| |~矢吹真吾|今、ここでですか?| |~〇×|あ、うん……。そんなに深刻な話なのかなって&br;気になっちゃって。| |~矢吹真吾|えっと、じゃあちょっと耳貸してください。| |~〇×|え……?| |~〇×|(わわっ!顔が近い!)| |~矢吹真吾|実は……。&br;〇さんに見せたいものがあるんです。| |~矢吹真吾|ただ、他の人には秘密にしておいてほしくって。| |~〇×|みなさんには秘密で見せたいもの……?| |~矢吹真吾|はい、絶対、誰にも内緒っすよ!| |~〇×|(秘密って、一体なんだろう……。)| |~〇×|(というか、急に真吾くんの顔が近くに来て&br;すごくドキドキしちゃった……。)| |~〇×|じゃ、じゃあ、ここが終わったらすぐに行くから。&br;ちょっと待っててくれるかな?| |~矢吹真吾|はい! それじゃあ、部屋で待ってます!| |~〇×|真吾くん&br;〇だけど……。| |~矢吹真吾|そのまま、そっと&br;入って来てください。| |~〇×|う、うん。| |~矢吹真吾|〇さん、来てくれて&br;ありがとうございます。| |~〇×|(真吾くん、すごく真剣な顔……。&br;私も真剣に話を聞かなきゃ。)| |~〇×|それで、見せたいものって?| |~矢吹真吾|その前に、戸をしっかりと閉めてください。| |~〇×|あ、うん。| |~〇×|(こんなに人の目を気にするなんて。&br;一体、真吾くんが見せたいものってなんなんだろう?)| |~矢吹真吾|実は、これなんですけど……。| |~〇×|DVD?&br;それが見せたいものなの?| |~矢吹真吾|はい。この中に&br;とても重大なことが映っているんです。| |~〇×|(気軽に来ちゃったけど&br;とんでもないものだったらどうしよう。)| |~矢吹真吾|今から再生しますね。&br;〇さん、覚悟はいいですか?| |~〇×|う、うん。分かった。| |~〇×|…………。| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|え、この映像って……ここの道場、だよね?| |~矢吹真吾|はい、外に設置してある防犯カメラの映像です。| |~〇×|だよね……。| |~〇×|(なんだか拍子抜けしちゃった。&br;それに、特に何も変わった様子は見られないけど……。)| |①|>|CENTER:~どこか変な所があるの?| |~|~〇×|どこか変な所があるの?| |~|~矢吹真吾|はい!&br;よーっく見てると分かりますよ!| |②|>|CENTER:~泥棒でも入ったの?| |~|~〇×|泥棒でも入ったの?| |~|~矢吹真吾|泥棒よりも、もっとすごいですよ!| |③|>|CENTER:~どうして私に見せてくれたの?| |~|~〇×|どうして私に見せてくれたの?| |~|~矢吹真吾|そ、それは、&br;〇さんなら真剣に見てくれると思って……。| |~矢吹真吾|〇さん、よく見てください。&br;ほら、あそこの木のところとか、よーっく!| |~〇×|えーっと……?| |~矢吹真吾|分かりませんか?&br;これ、怪奇現象が映ってるんですよ!| |~〇×|ええっ!? 怪奇現象……!?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|ちょっと一時停止しますね。&br;ほら、ここっす!| |~矢吹真吾|この木、急に発光しだしたりして&br;怪しくないっすか!?| |~矢吹真吾|あと、ここも!&br;道場の陰から、怪しい男の顔がのぞいてるんです!| |~〇×|わっ! 本当だ……!| |~〇×|(――って、あれ? もしかしてこれって……。)| |~〇×|(確かに、木が光ったり、男の人の顔が&br;映ったりしてはいるけど……。)| |~〇×|ええっと……。&br;真吾くん、あのね、ちょっと言いにくいんだけど――| |~〇×|これって怪奇現象じゃないと思うよ。| |~矢吹真吾|ええっ!?&br;どうしてですか!?| |~〇×|だってね、この光る木の所よく見てみて?| |~矢吹真吾|え、どれどれ……。&br;ああっ! 紅丸さんがいるっす!| |~矢吹真吾|じゃ、じゃあもしかしてこの光はっ!?| |~〇×|うん、紅丸さんの雷靭拳(らいじんけん)じゃないのかな?| |~矢吹真吾|そ、そんな!&br;紅丸さんがこんなコッソリと特訓をしてるなんて!| |~〇×|意外とストイックな所があるんだね。| |~矢吹真吾|いや、まだこれが紅丸さん本人だと&br;決まったわけじゃないですから!| |~〇×|え? それってどういう意味?| |~矢吹真吾|ひょっとしたら、これは紅丸さんの&br;ドッペルゲンガーという可能性も捨てきれないっす!| |~〇×|あはは、それは流石に無理があるよ。| |~〇×|あとね、道場の陰にいる男の人の顔なんだけど。&br;どこかで見たことない?| |~矢吹真吾|ん? そんなことは……ってこれは八神さん!?| |~〇×|多分、道場で京さんが訓練してるのを&br;覗き見してたんじゃないかな?| |~矢吹真吾|そ、そんな……!&br;いや、これは今度こそ八神さんのドッペルゲンガー……!| |~〇×|真吾くん、ドッペルゲンガーからちょっと離れよう!| |~矢吹真吾|そ、それじゃあこのDVDに映った映像は……!?| |①|>|CENTER:~怪奇現象じゃなかったね| |~|~〇×|うーん、怪奇現象じゃなかったね。| |~|~矢吹真吾|そ、そんなあ……。&br;おれ、てっきり本物の怪奇現象だと思ってたのに。| |②|>|CENTER:~真吾くんの勘違いだよ| |~|~〇×|ふふ、真吾くんの勘違いだったね。| |~|~矢吹真吾|はあ……すみません、〇さんを巻き込んでしまって。| |③|>|CENTER:~どんまい!| |~|~〇×|どんまい! ……だね。| |~|~矢吹真吾|うう、慰めてくれるんですね。&br;ありがとうございます、〇さん。| |~矢吹真吾|そうですよね、そんなに簡単に&br;怪奇現象なんて起こらないですよね。| |~〇×|(真吾くん、すごいガッカリしちゃってる。)| |~〇×|真吾くんは、怪奇現象とか怖いと思わないの?| |~矢吹真吾|そうですね。生きてる怖い人とはあまり会いたくないですけど&br;怪奇現象ってなんかわくわくするじゃないですか。| |~矢吹真吾|あ、でも、もし怖い奴らが〇さんになんかしようとしたら&br;おれがちゃんと守りますから! 安心してください!| |~〇×|えっ!?| |~矢吹真吾|あ、なんですか、その反応。やっぱり、おれじゃ不安ですか?| |~〇×|え、そう言うわけじゃないけど。| |~〇×|(ただ、急に『守る』なんて言われたから&br;ドキッとしちゃっただけで……。)| |~矢吹真吾|そりゃあおれは、草薙さんほど&br;頼りがいはないかもしれないですけど……。| |~矢吹真吾|それでも、〇さんを守りたいっていう気持ちは&br;誰にも負けないつもりです!| |~〇×|ふふ、嬉しいよ。ありがとう、頼りにしてるね。| |~矢吹真吾|……本当にそう思ってるんですか?| |~〇×|もちろんだよ。真吾くんは強いし優しいし、&br;すっごく気が利くし、とても頼りになるって思ってるよ。| |~矢吹真吾|〇さん……。&br;はい! おれ、全力で〇さんを守ります!| |~矢吹真吾|だから、これからも、よろしくお願いしますね、〇さん!| |~〇×|うん、こちらこそよろしくね、真吾くん。| |~〇×|……ところで、なんでこのDVD&br;みなさんには秘密にしたかったの?| |~矢吹真吾|え、それはその……&br;〇さんと一緒にワクワクしたかったというか……。| |~矢吹真吾|〇さんとおれの二人だけの&br;秘密が欲しかったというか……。| |~矢吹真吾|でも、結局怪奇現象じゃなかったのでちょっとガッカリっす。| |~〇×|そうだったんだね。| |~〇×|(うう、私は怪奇現象ちょっと怖いな……。)| |~矢吹真吾|あ、そうだ!&br;今度は本物の怪奇現象を探してきますね!| |~矢吹真吾|だから、〇さんも楽しみにしていてください!| |~〇×|(秘密、か。&br;真吾くんと一緒に見るなら大丈夫かもしれないなあ……。)| #endregion ----- **温泉合宿 [#SR03] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|おはようございます、〇さん!| |~〇×(主人公)|わ。&br;朝早いね、真吾くん。| |~矢吹真吾|おれは朝のジョギングを終えてきたところです。&br;海風が気持ちよくて、最高でした!| |~矢吹真吾|あれ、〇さんはお風呂ですか?| |~〇×|うん、朝に入る温泉も&br;気持ちよさそうだなって思って。| |~矢吹真吾|体がすっきりしそうで良いですね!| |~〇×|よかったら、真吾くんも行く?| |~矢吹真吾|えっ!?| |~矢吹真吾|あっ、えっと、おれも一緒に……ですか!?| |~矢吹真吾|はぁ~……。| |~矢吹真吾|(男湯と女湯が分かれてるっていっても、&br;すぐ近くに〇さんがいると思うと……。ぶくぶく。)| |~矢吹真吾|(朝風呂、気持ち良いはずなのに&br;〇さんのことばっかり頭に浮かんで――)| |~矢吹真吾|(すぐのぼせそうっす……!)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|あ、〇さん。&br;おかえりなさい!| |~〇×|真吾くん。&br;待っててくれたの?| |~矢吹真吾|おれも今出たところなんです!| |~矢吹真吾|(ホントは、のぼせかけて&br;15分前に出たけど……秘密っす。)| |~〇×|すごく気持ちよかったね、&br;朝のお風呂。| |~矢吹真吾|はい!| |~矢吹真吾|(って、〇さんの髪、濡れてて……。&br;いつもと雰囲気が違う……!)| |~矢吹真吾|(それになんだかいい匂いまで……。&br;近くにいると緊張するっす!)| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|…………。| |~矢吹真吾|(まずい、〇さんの顔を直視できなくて&br;会話が続かない……。)| |~矢吹真吾|(そうだ……アイスの約束……。)| |~矢吹真吾|〇さんアイス食べませんか!?| |~〇×|アイス? あ、あの約束……。&br;覚えててくれたんだね。| |~矢吹真吾|もちろんです!&br;〇さんとの大事な約束ですから!| |~〇×|う~ん。でも、朝食前だしどうしよう……。| |~矢吹真吾|じゃあ1個買って半分こしましょう!| |~〇×|うん! それなら!| |~矢吹真吾|はい! 〇さん!&br;あーん!| |~〇×|えっ! ……あーん。&br;うん。美味しい。| |~矢吹真吾|(あれ? ……おれ自然になにやってんだ!&br;でも……〇さん受け入れてくれた。)| |~〇×|じゃあ真吾くんも、あーん。| |~矢吹真吾|あ、あーん。&br;めちゃくちゃ美味しいっす!!| |~矢吹真吾|おれ、〇さんとこうやって二人だけの&br;特別な時間を過ごせて最高に幸せです!| #endregion ----- **浮かべる笑顔 [#SR04] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×(主人公)|(買い忘れはないよね?&br;牛乳と、お肉と……あ、チョコレート。)| |~〇×|(バレンタインシーズンだからたくさん売ってて、&br;つい買っちゃった。)| |~〇×|(おやつにしようかな。それか……。)| |~矢吹真吾|〇さん、おかえりなさい。&br;買い物ならおれが行ったのに!| |~〇×|ただいま。ふふ、ありがとう。&br;そんなに多くなかったし、大丈夫だよ。| |~矢吹真吾|なら、次は誘ってください。&br;荷物持ちしますよ!| |~〇×|そうだね、お願いしようかな。&br;……って、あれ?| |~ロバート・ガルシア|よぉ、×ちゃん。&br;元気しとったか?| |~〇×|あ、ロバートさん。こんにちは。&br;その赤いバラ……すごいですね。どうしたんですか?| |~ロバート・ガルシア|もちろん、×ちゃんに持ってきたんやで。&br;あと、このチョコレートもな。| |~ロバート・ガルシア|明日はバレンタインやろ?&br;嬢ちゃんにプレゼントや。| |~矢吹真吾|あれ? バレンタインって……。&br;女の子が男に渡すものじゃないんですか?| |~ロバート・ガルシア|日本ならそうやけど、イタリアじゃ、&br;男から女性へプレゼントを贈ることも多いんやで。| |~ロバート・ガルシア|つーか男女は関係あれへん。バレンタインってのは、&br;互いに好きな者同士が気持ちを伝えあう日なんや。| |~〇×|素敵な風習ですね。| |~ロバート・ガルシア|やろ? ちゃんと真吾たちの分もチョコレート買ってきたで。&br;はい、受け取ってや!| |~矢吹真吾|あ、ありがとうございます……。&br;義理でも嬉しいです。| |~ロバート・ガルシア|義理? そんなんちゃうで。&br;ワイからの気持ちや。友情の証~~ってな。| |~ロバート・ガルシア|こういうんは儀礼がどうかより、&br;「喜ぶ顔が見たい」って気持ちが一番大事やからな。| |~矢吹真吾|喜ぶ顔……。| |~矢吹真吾|――が、喜んでくれたら……。| |~〇×|え?| |~矢吹真吾|……よし! 決めたぁぁぁ!&br;〇さん、ロバートさん。ちょっと失礼します!| |~〇×|真吾くん……!?| |>| | |~矢吹真吾|こうして、チョコをかき混ぜて……っと!&br;いい感じだ!| |~矢吹真吾|(おれが作ったチョコを渡したら、&br;〇さんはどんな顔するんだろ?)| |~矢吹真吾|(喜んでくれるかな……?)| |~矢吹真吾|めちゃくちゃ楽しみになってきた!&br;よーし、もっと気合い入れてやるぞーっ!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|この型に入れて、冷やす……と。&br;チョコ作りって奥が深いなー。| |~包|あれ、真吾さん料理中?&br;……へぇ、チョコ作り? 楽しそう~!| |~矢吹真吾|はい、楽しいですよ!&br;包くん、明日はバレンタインって知ってますか?| |~包|もちろん知ってるよ。&br;ふふ、真吾さん頑張ってね!| |~矢吹真吾|ん? 今の、一体どういう意味ですか?&br;……行っちゃった。| |~マキシマ|お、なんだ菓子か。&br;うまそうだな。食っていいか?| |~矢吹真吾|えっ、ダメです!&br;マキシマさんでも、これは……!| |~マキシマ|はは、冗談だ。&br;これだけ気合いが入ってるってことは、大事なものなんだろ。| |~矢吹真吾|はい。&br;これはおれにとって、特別なものなんです。| |~矢吹真吾|(ふう。これを無事に〇さんに渡すまで、&br;油断はできない……。)| |>|バレンタイン当日――| |~〇×|真吾くん、どうしたの?&br;話があるって……トレーニングのこと?| |~矢吹真吾|いやっ、違うんです。| |①|>|CENTER:~じゃあ、ご飯のこと?| |~|~〇×|じゃあ、ご飯のこと?&br;夕食のリクエストとか……。| |~|~矢吹真吾|ち、違います!&br;確かに、それも話したいですけど……。| |②|>|CENTER:~もしかして、悩み事?| |~|~〇×|もしかして、何か悩み事?&br;私でよかったら相談に乗るよ。| |~|~矢吹真吾|おれは元気いっぱいです!| |~矢吹真吾|あの! これ! おれが作ったんです。&br;〇さんに受け取って欲しくて……。| |~矢吹真吾|初めて作ったんで、&br;不格好になっちゃったんですけど……。| |~〇×|え。……どうしよう。| |~矢吹真吾|う、その反応は……。| |~〇×|実はね、私も用意してたんだ。&br;真吾くんにチョコレート。| |~矢吹真吾|えっ……おれにっ!?| |~〇×|そうだよ、はい。&br;開けてみて。| |~矢吹真吾|す……すごい。&br;めちゃくちゃ美味しそうです!| |~〇×|真吾くんのも、すごく美味しそう。| |~矢吹真吾|〇さんのほうが美味しそうですよ!&br;ありがとうございます!| |~〇×|こちらこそありがとう。&br;ふふ。私たち、同じこと考えてたんだね。| |~矢吹真吾|はは、本当ですね。| |~〇×|今、お茶淹れてくるから、&br;一緒に食べない?| |~矢吹真吾|はい!| |~矢吹真吾|へへ、〇さんを笑顔にできて、&br;俺も笑顔にしてもらって、最高のバレンタインです!| #endregion ''スペシャル'' Episode:バレンタイン ~矢吹真吾編~ #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|〇さんのチョコすっごく美味しかったです!| |~矢吹真吾|おれ、チョコ大好きなんですけど〇さんのチョコが &br;今までで一番だと思います!| |~〇×|ふふ、大げさだよ真吾くん。&br;でも、ありがとう。| |~矢吹真吾|え~! ホントですって!| |~〇×|ふふふ。あ! もうこんな時間。&br;夕飯の買い出しに行かないと!| |~矢吹真吾|えっ……! こんなに時間がたってたなんて。&br;全く気が付きませんでした! おれも行きますよ!| |~〇×|ううん。大丈夫。&br;そんなに荷物も無いと思うし。| |~矢吹真吾|いえ……あ……あの……。&br;おれがもっと〇さんと一緒に居たいっていうか……。| |~矢吹真吾|えっと……。&br;と……とにかく一緒に行きます!| |~〇×|えっ! 真吾くん!| |~〇×|真吾くん、買い物に付き合ってくれてありがとう。&br;意外と大荷物になっちゃったから助かったよ。| |~矢吹真吾|へへっ。&br;お役に立ててよかったっす!| |~矢吹真吾|しかも、夕飯がハンバーグだなんて。&br;おれ、今日一日大好きなものばっかりで幸せです!| |~〇×|お手伝いしてくれる良い子にはご褒美です!| |~矢吹真吾|やった〜!&br;って、良い子ってお子様扱いしすぎで……危ない!| |~〇×|きゃっ!| |~矢吹真吾|自転車があんなスピードで走って来るなんて……。&br;危ないなあ……。| |~矢吹真吾|大丈夫でしたか? 〇さん。| |~〇×|うん……。大丈夫。| |~〇×|真吾くんが居なかったらぶつかってたかも……。&br;ありがとう。| |~矢吹真吾|怪我がなくてよかったです!&br;あ、そうだ! はい。〇さん。| |~〇×|(え……? 真吾くん手を差し出してどうしたんだろう。)| |~矢吹真吾|この道は危ないっすからね!&br;おれが道場まで〇さんを護衛します!| |~〇×|え……! 護衛!?| |~矢吹真吾|はい! はぐれないように手をつなぎましょう……!| |~〇×|(真吾くんと手を!? &br;嬉しいような……恥ずかしいような……!)| |~矢吹真吾|〇さん?| |~〇×|えっと……。あの……。&br;はい! よろしくお願いします!| |~矢吹真吾|任せてください…! &br;〇さんはおれが守ります!| #endregion ----- **夜デート [#SR05] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|す、すみません〇さんっ!&br;お待たせしちゃいました!| |~矢吹真吾|こういう服は着慣れなくて、&br;準備に手間取っちゃって……!| |~〇×(主人公)|ううん、大丈夫だよ。| |~〇×|スーツ姿の真吾くんって、&br;あまり見ないからすごく新鮮だね。| |~矢吹真吾|そうっすか!? あの……ど、どうですかね?&br;似合ってます……?| |~〇×|うん、似合ってる。格好いいよ。| |~矢吹真吾|ほ、ほんとに!? よっしゃあ!| |~〇×|あ、でも……ネクタイが解けそう。| |~矢吹真吾|えっ!? あ、あちゃー!&br;やっぱり……上手く結べなかったんですよね……!| |~矢吹真吾|うう、格好悪いっすね、おれ……。| |~〇×|そんなことないよ。&br;結び直すから、ちょっとじっとしててね。| |~矢吹真吾|えっ、あ……!| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|――はい、出来た。&br;これで大丈夫だよ。| |~矢吹真吾|あ……ありがとう、ございます……えへへ。| |~矢吹真吾|そ、それじゃあ、あの――ゴホン!| |~矢吹真吾|……行きましょうか、〇さん。&br;今夜はおれが、エスコート……します!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|いやあ~見ごたえありましたね、ナイトパレード!&br;めちゃくちゃキラキラしてて!| |~〇×|うん、これは夜じゃなきゃ見られないよね!| |~矢吹真吾|次はどこ行きます?&br;〇さんの好きなところ、どこへでもお供します!| |~〇×|ええと、じゃあ……観覧車に乗りたいな。| |~矢吹真吾|……! か、観覧車、ですか?| |~〇×|うん、夜景がきれいに見えそうだなって。&br;だめかな?| |~矢吹真吾|い、いいえ! ぜひ乗りましょうっ!| |~〇×|わぁ……。&br;高いところから見る景色、やっぱりすごくきれいだね!| |~矢吹真吾|……あ、あの、〇さん。&br;今日はその、楽しかったですか?| |~〇×|うん、すごく楽しかった。&br;連れてきてくれてありがとう。| |~矢吹真吾|よかったぁ……!&br;今日は恩返しのつもりでしたから!| |~〇×|恩返し?| |~矢吹真吾|〇さん、道場の掃除やご飯の用意、&br;毎日頑張ってくれてるじゃないですか?| |~矢吹真吾|それなのに、考えてみたら、&br;何もお返しが出来てないなって思って。| |~〇×|お返しなんて……気にしなくていいのに。| |~矢吹真吾|でも、おれ本当に〇さんに感謝してるんです!| |~矢吹真吾|〇さんのおかげで修業に集中できるし、&br;頑張れるし!| |~矢吹真吾|それに、〇さんがいてくれるから、&br;毎日道場に帰りたくなるというか……。| |~矢吹真吾|日常の大切さを感じられるっていうか……。| |~矢吹真吾|だから今日は、ビシッとエスコートして、&br;〇さんに楽しい思いをしてもらいたくて!| |~矢吹真吾|ま、まあ、&br;おれもすっかり一緒に楽しんじゃったんですけどね。| |~矢吹真吾|〇さんと一緒にいると、つい楽しくて……。| |~〇×|真吾くん……ありがとう。| |~〇×|私も、真吾くんと一緒にいると、&br;すごく楽しいよ。| |~矢吹真吾|へへ……。&br;そう言ってもらえると嬉しいです。| |~矢吹真吾|これからも一緒に、&br;たくさん楽しいことしましょうね!| #endregion ----- **KOFG学園 [#SR06] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|昼休み――| |~〇×(主人公)|(今日は天気も良いし、お弁当は外で食べようかな。)| |~???|わっ、危ない――っ!| |~〇×|え……きゃあっ!?| |~???|わわわ……ごめんなさいっ!&br;お怪我はないですか!?| |~〇×|あ……うん、大丈夫。| |~〇×|(それにしてもこの人、すごい速さで走ってきたなあ。)| |~???|ああっ!? これ、あなたのお弁当ですよね!?&br;ひっくり返っちゃってる……!| |~???|ほ、本当にごめんなさいっ!&br;おれ、なんてお詫びをしたら……!| |~〇×|ううん、私も周りをよく見てなかったから……気にしないで。| |~???|そういうわけには――とにかく、片づけます!| |~〇×|そんな、いいのに……。| |>| | |~〇×|ありがとう、一緒に片づけてくれて。&br;急いでたみたいなのに、ごめんね。| |~???|いえ、おれが悪いんです……!&br;これじゃお弁当、食べられないですよね……。| |~???|あっ、そうだ! これ、購買部で買ってきた焼きそばパンです!&br;お昼に食べてください!| |~〇×|でもそれじゃあ、あなたのお昼が――| |~???|大丈夫っす! もう一回買ってきますから!&br;おれ、昼飯はもう食べましたし!| |~〇×|え?| |~???|それじゃ、おれはこれで!| |~〇×|ま、待って……!| |~???|あっ! 名乗りもせずに失礼しました!| |~矢吹真吾|おれ、1年の矢吹真吾っていいます!&br;本当にすみませんでした……!| |~矢吹真吾|それじゃ――!| |~〇×|(わっ、やっぱりすごい速さ。もしかして陸上部なのかな?)| |~〇×|(焼きそばパン、思わず受け取っちゃった。&br;お礼も言いそびれちゃったな……。)| |>|放課後――| |~矢吹真吾|よーし、準備運動ばっちり!&br;今日も張り切って練習を――あれ!?| |~〇×|こんにちは。やっぱり陸上部の子だったんだね。| |~矢吹真吾|あなたは、昼間の……!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|これ、どうぞ。| |~矢吹真吾|スポーツドリンク? おれに?| |~〇×|お昼のお礼に、差し入れに来たんだ。&br;焼きそばパン、ありがとう。| |~矢吹真吾|そんな、あれはお詫びだったのに……!&br;かえって気をつかわせちゃって、すみません!| |~矢吹真吾|でも……嬉しいです! 差し入れって、憧れてたんですよね。&br;えへへ、ありがとうございます!| |~〇×|(わあ、笑顔が眩しい……!)| |~〇×|あ……こっちの自己紹介がまだだったね。&br;私、2年の〇×。よろしく。| |~矢吹真吾|2年生ですか!&br;こちらこそ、よろしくお願いします!| |~〇×|ところで、気になったんだけど……あの焼きそばパン、&br;自分のお昼じゃないようなこと言ってなかった?| |~矢吹真吾|はい! ある人の昼飯で――&br;あ、ちゃんとまた購買部で買えたんで大丈夫ですよ!| |~矢吹真吾|いつもより5秒遅くなっちゃったんですが、&br;許してくれましたし!| |~〇×|……ねえ真吾くん。&br;カツアゲとかされてるなら、我慢しないで先生に相談しよう?| |~矢吹真吾|へ……?| |~〇×|なんなら、私がその人に言うよ。&br;パシリみたいなことはやめるように――| |~矢吹真吾|ちょちょ、ちょっと待ってください! 誤解です!| |~矢吹真吾|おれはただ、尊敬する草薙先輩の役に立ちたくて、&br;好きでお昼を買ってきてるだけですよ!| |~〇×|え……そ、そうなの?&br;いじめられたりしてない?| |~矢吹真吾|もちろんです! 草薙先輩はそんな人じゃないですから!| |~〇×|そうなんだ……早とちりして、ごめんね。| |~矢吹真吾|いえ! 〇先輩……優しい人なんですね。&br;昼間のことも全然怒らないし、おれのこと心配してくれるし。| |~矢吹真吾|おれ、〇先輩のこと大好きになっちゃいました……!| |~〇×|えっ!| |~矢吹真吾|あ! 好きってそうじゃなくて……!&br;憧れるって意味で……!| |~〇×|ふふ、びっくりした。ありがとう。| |~矢吹真吾|へへっ……!&br;〇先輩これからも仲良くしてくださいね!| #endregion ----- **誘いの悪魔 [#SR07] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|――う、う……ううぅ……。| |~〇×(主人公)|真吾くん、大丈夫?| |~矢吹真吾|はひっ!? だ、だだだ、大丈夫ですッ!| |~矢吹真吾|……うぅ、嘘です。めちゃくちゃ緊張してます……。| |~〇×|無理もないよ。私も落ち着かないし……。&br;なんだか、今でもちょっと実感がないなあ。| |~〇×|真吾くんがウェディングフェアの広告塔に選ばれて、&br;花嫁役のモデルさんが来られなくなって――| |~〇×|私がその代役をすることになるなんて……。| |~矢吹真吾|ほ、ほんとですね……おれもびっくりしました。&br;まさか、〇さんが……。| |~矢吹真吾|うう……ただでさえ、こんなこと初めてなのに――| |~矢吹真吾|相手が〇さんなんて、&br;余計に緊張しちゃいますよ……!| |~〇×|(えっ……そ、そんなこと言われると、&br;私もなんだか緊張してきちゃうな……。)| |~矢吹真吾|もうこの日が来ちゃうなんて……。&br;まだ心の準備ができてなかったのに。| |~矢吹真吾|もうちょっと順序を踏んでからと思ってましたけど……。&br;でも、ここまできたらもう、やるっきゃないです……!| |~〇×|……? 真吾くん、何の話?| |~矢吹真吾|もちろん、いよいよ〇さんの魂を奪うって話です!| |~〇×|……え?| |~矢吹真吾|あ――ああ~っ!! い、言っちゃった~!!| |~〇×|???| |~矢吹真吾|うう、ばれちゃいました……!&br;もう正体を隠してはおけないっす……!| |~〇×|え……ええぇっ!?&br;真吾くん、その格好は……!?| |~矢吹真吾|〇さん、今まで隠しててごめんなさい!&br;実は、おれ――| |~矢吹真吾|悪魔だったんです!!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|……あ、悪魔……?| |~矢吹真吾|はいっ! このツバサ! 悪魔の証です!| |~矢吹真吾|……と言っても、新米悪魔なんですけどね。&br;まだ修行中の身です。| |~矢吹真吾|今まで一度も、人間の魂を奪えたことがないですから……。| |~〇×|魂……?| |~矢吹真吾|はい! 悪魔は人間の魂を奪うことが出来て、&br;初めて一人前になれますから!| |~矢吹真吾|だから、その……申し訳ないとは思ったんですが、&br;〇さんの魂を狙ってました……!| |~〇×|そ、そうだったんだ……。| |~〇×|(これって、夢……なのかな?&br;だとしたら、変わった夢だなぁ……。)| |~矢吹真吾|魂を奪うには、&br;人と悪魔が結婚式を挙げないといけないんです。| |~矢吹真吾|だから突然、こういうことになって――&br;びっくりしましたけど、チャンスだと思ってました!| |~矢吹真吾|それなのに……まさか、ばれちゃうなんて!&br;無念です……!| |~矢吹真吾|悪魔の正体を見破るなんて、すごいです!&br;さすが〇さんです!!| |~〇×|(真吾くんが自分で言っちゃっただけなんだけど……。)| |~矢吹真吾|おれ、まだまだ未熟ですね……。&br;もっと修業しないと……!| |~矢吹真吾|いつか、一人前の立派な悪魔になってみせます!| |~〇×|(悪魔でも、真吾くんは一生懸命なんだなあ。)| |~〇×|(応援してあげたいのは、やまやまだけど――)| |~〇×|ねえ真吾くん。魂を奪われたら、どうなっちゃうの?&br;もしかして、死んじゃうとか……?| |~矢吹真吾|まさか! 〇さんにそんなひどいことしませんよ!| |~矢吹真吾|でも……えっと、そのー……。| |~〇×|……?| |~矢吹真吾|……た、魂を奪われると、悪魔にメロメロになって、&br;ずーっと離れらなく'''(※原文ママ)'''なります……っ!| |~〇×|えっ……!| |~矢吹真吾|だから、人間をいっぱい侍らせて、&br;ハーレムを作ってる悪魔の先輩もいます……。| |~〇×|……真吾くんも、そうしたいの?| |~矢吹真吾|――おれは……。| |~矢吹真吾|おれが欲しいのは、あなたの魂だけですっ!!| |~〇×|っ! 真吾くん……。| |~矢吹真吾|でも……今のままじゃ、&br;まだまだあなたに相応しい悪魔には程遠いですよね……。| |~矢吹真吾|だから、その……今回は、魂を奪いません。&br;でも、誓いだけは立てさせてください。| |~矢吹真吾|もっとたくさん修行して、&br;身も心も強くなって――| |~矢吹真吾|カッコイイ悪魔になったら、&br;あなたを奪いにきます!| #endregion ----- **憧れから仲間へ [#SR08] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |>|京と紅丸の一件後| |~矢吹真吾|ふう。それにしても結構たまってたんだなー。&br;草薙さんたちが載ってる雑誌。| |~矢吹真吾|親にいらないものは整理しろって言われたけど……。&br;うーん。捨てていい記事なんて1つもないよな。| |~矢吹真吾|どこに炎を出すヒントが転がっているか、わからないし。&br;うん、やっぱり全部取っておこう!| |~矢吹真吾|あ、この写真| |~矢吹真吾|(昔の京チームの……草薙さんが学ラン着てるってことは&br;まだチームを組んだばかりの頃だよな?)| |~矢吹真吾|(自信にあふれてて、めちゃくちゃ格好いいし&br;すごく仲よさそうだなぁ……。)| |~矢吹真吾|……いいなあ。| |~矢吹真吾|(それに比べて、おれ、本当に京チームの一員として&br;ちゃんとやれてるのかな……。)| |~矢吹真吾|(草薙さんの一番弟子として&br;できることはやっているつもりだけど……。)| |~矢吹真吾|(草薙さん、またいつ事件に巻き込まれてもおかしくないし。&br;ずっとこのままじゃ……いられないよな。)| |~〇×|真吾くん?| |~矢吹真吾|……え、〇さん!?| |~矢吹真吾|い、いつからそこに……!?| |~〇×|ついさっきだけど……。&br;あ、その写真見てたの?| |~〇×|昔の京チームのみなさん……本当に仲よさそうだよね。&br;やっぱり真吾くんもその写真が好きなの?| |~矢吹真吾|え、あ、えっと……これは、その……!| |~矢吹真吾|な、なんでもないんです~!| |~〇×|え!? 真吾くん!?| |~〇×|行っちゃった……。&br;一人の時間、邪魔しちゃったかな。| |~〇×|(でもさっき、聞こえちゃったんだよね……。)| |~矢吹真吾|……いいなあ。| |~〇×|(やっぱり真吾くん、京さんたちに対して憧れ……&br;というか遠慮がまだあるのかな。)| |~〇×|(そうだよね。真吾くん一番年下だし&br;後からチームに入ったとなったら、どうしても気を遣うよね。)| |①|>|CENTER:~何かしてあげられることは……| |~|~〇×|(何か真吾くんにしてあげられることはないかな?)| |~|~〇×|(どうにかして、真吾くんもチームの一員だって&br;自信を持てるような……。)| |~|~〇×|……うーん。| |②|>|CENTER:~京さんたちに相談しようかな| |~|~〇×|(京さんたちに相談しようかな?)| |~|~〇×|(……って、なんて説明すればいいんだろう。&br;真吾くんが仲間に入れなくて、困ってますなんて言えないし。)| |~|~〇×|(ダメダメ。やっぱりこの方法はなしにしよう。)| |~〇×|……うーん。| |~〇×|あ、そうだ!&br;写真!| |~〇×|よし、試してみよう。&br;そうと決まったら、早速買いに行かなきゃ!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(みなさん、そろってる。話を切り出すなら今かな……。| |~〇×|あの、みなさん。ちょっとこれ見てください!| |~草薙京|ん?| |~矢吹真吾|どうしたんですか、〇さん。&br;それ、カメラですか?| |~二階堂紅丸|ポラロイドカメラだね。写真がその場で出てきて、&br;書き込みもできるから楽しいって、ファンの子が言ってたよ。| |~〇×|そうなんです。昨日買ってきちゃいました。&br;みなさんの何気ない普段の姿を撮っておきたくて。| |~〇×|よろしければ、写真お撮りしても構いませんか?| |~二階堂紅丸|なるほど。俺の美しい姿が撮りたいんだね。&br;もちろんだよ、どんなポーズを取ればいいのかな?| |~草薙京|はあ、写真ねえ……。| |~草薙京|大会んときに記者に散々撮られてっからなあ。&br;わざわざ自分で撮る意味あんのか?| |~矢吹真吾|あの……!| |~草薙京|ん?| |~矢吹真吾|お、おれは……もっと、草薙さんとも&br;みなさんとも撮りたいです!| |~矢吹真吾|いつまで一緒にいられるか……わかりませんから。| |~京&紅丸|…………。| |~京&紅丸|……フッ。| |~草薙京|バー力。撮らねえとは言ってねえだろうが。| |~二階堂紅丸|まったく。真吾はさみしがり屋だな。| |~矢吹真吾|わっ!なんですか、いきなり!&br;頭ぐちゃぐちゃにしないでくださいって……!| |~〇×|(あ。これはもしかして、シャッターチャンス……!?)| |~〇×|(わあ、いい写真……!)| |~〇×|ね、真吾くん。&br;この写真、見てみて。| |~矢吹真吾|え?| |~〇×|真吾くんを真ん中に……チームって感じがする良い写真だね。| |~〇×|この写真は、真吾くんにあげるね。| |~矢吹真吾|……!&br;ありがとうございます、〇さん!| |~矢吹真吾|おれ、家宝にしますね!| |~草薙京|家宝って大げさな。ただの写真だろ?| |~二階堂紅丸|そういや、真吾と三人で写真を撮るのはこれが初めてか。&br;イベント以外で写真を撮る機会なんて、そうないからな。| |~二階堂紅丸|よし。せっかくだし、今日は一日撮影会としようか。&br;さ、×ちゃん。俺の隣においで。| |~矢吹真吾|だったらおれ、シャッター押しますんで&br;草薙さんも入ってください!| |~草薙京|なんでお前が撮る側なんだよ。タイマーついてねえのか。| |~矢吹真吾|え? あ、ホントだ。ついてますね。| |~〇×|ふふふっ。| |~矢吹真吾|えっと、タイマーはこれかな……って、うわ!※&br;もうカウント始まっちゃいました!| |~矢吹真吾|わ、ど、どうすれば……!| |~草薙京|ったく……!&br;カメラは机の上に置いて、さっさとこっち来い!| |~矢吹真吾|はい! 草薙さん!| #endregion //---------- ''スペシャル'' #region(ネタバレ注意) Episode:七夕~矢吹真吾編~ |>|七夕の日の夕方――| |~矢吹真吾|〇さん、笹の位置はこんな感じでどうですか?| |~〇×|えーっと、もう少し角度があったほうがいいかも。&br;みなさんが短冊を飾りやすくなるから。| |~矢吹真吾|よっと……!&br;この辺ですか?| |~〇×|うん、ばっちり。&br;飾り付けもやっちゃおう。| |~矢吹真吾|はい、上の方は任せてください!| |~〇×|ありがとう。上の方に飾るのは……。&br;真吾くんが作った、この星がいいかな。| |~〇×|金の折り紙で作ってあるから&br;キラキラして、きれいだと思う。| |~矢吹真吾|自信作ですから、そう言ってもらえて嬉しいです!| |~矢吹真吾|(〇さんと一緒に飾りつけ担当になれただけでも、&br;充分嬉しいですけど。)| |~矢吹真吾|(そういえば、〇さんって&br;どんな願い事をするんだろう……?)| |~矢吹真吾|……これでよし。&br;全部つけ終わりました!| |~〇×|こっちも終わり。&br;みなさんまだ来てないけど、先に短冊書いちゃおっか。| |~矢吹真吾|はい、そうしましょう!| |~〇×|(願い事……どうしようかな。)| |~〇×|(……そうだ!)| |~矢吹真吾|書き終わりました!&br;あの……〇さんはどんな願い事を……?| |~〇×|えーと。&br;……真吾くんは?| |~矢吹真吾|お、おれですか? ええと……。| |~〇×|せっかくだから……お互いに当ててみる?| |~矢吹真吾|いいですね。〇さんの願い事は……。| |~矢吹真吾|料理がうまくなりたい、ですか?&br;あっ、いや、今でも上手ですけど!| |~〇×|ふふっ、ありがとう。でも、はずれ。&br;真吾くんと言えば……炎を出せるようになりたい……とか?| |~矢吹真吾|それは修行あるのみ!&br;ですから……はずれです。| |~〇×|……うーん、難しいね。&br;せーの、で見せ合おっか?| |~矢吹真吾|はい。&br;……せーの!| |~〇×|あ……。| |~矢吹真吾|これって……。| |~〇×|大切な人と、これからも幸せにいられますように。| |~矢吹真吾|同じ、ですね。| |~〇×|ふふっ。&br;私たち、気が合うね。| |~矢吹真吾|はい、〇さんと同じ願いで嬉しいです。&br;心が通じ合った気がします!| |~矢吹真吾|(この胸の想いが空に届いて&br;……一番大切なあなたが、幸せになれますように。)| #endregion ----- **無人島ロマンス [#SR09] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|いやあ、びっくりですね!&br;リゾートに招待されたかと思ったら、無人島で肝試しなんて!| |~矢吹真吾|確かに、肝試しにはうってつけのロケーションです!&br;そのうえパートナーとは手錠で繋がれるとか、本格的っすね〜。| |~〇×|真吾くん、なんだか楽しそうだね……?| |~矢吹真吾|はいっ!&br;おれ、怪談とか大好きなんで!| |~〇×|そ、そうなんだ……。| |~矢吹真吾|こういう無人島での話の定番と言えば、戦で負けた&br;落ち武者が流れ着いてそいつが今も彷徨ってるとか……。| |~矢吹真吾|極秘の研究が行われてて&br;そこで犠牲になった人が夜な夜な歩き回っているとか| |~〇×|ちょ、や、やめて!&br;こんな場所で怪談なんて怖すぎるよ!| |~矢吹真吾|あっ、ごめんなさい!つい……。| |~矢吹真吾|大丈夫です!もし本物のお化けが出てきたって、&br;おれがやっつけちゃいますから!| |~矢吹真吾|頑張って肝試しをクリアして、&br;ゴールのリゾートを目指しましょう!| |~〇×|うん、そうだねー| |~〇×|きゃっ!?| |~矢吹真吾|わっ!?〇さん……!?| |~〇×|ご、ごめん、物音に驚いちゃって……。| |~矢吹真吾|い、いえ。でもあの、ちょっと近い、というか……。| |~〇×|え?……あ!&br;そ、そうだよね、ごめんね……!| |~〇×|(びっくりして、真吾くんにくっついちゃうなんて……。)| |~矢吹真吾|い……いいっすよ、離れなくても……!| |~〇×|え……?| |~矢吹真吾|その、こうして手錠で繋がれてるんだし。&br;〇さんとは、一心同体というか……。| |~矢吹真吾|あ、わわ、なんでもないです!&br;その、暗いし、足元も悪いんで| |~矢吹真吾|お……おれから、離れないでくださいっ!| |~〇×|真吾くん……うん、わかった。&br;ありがとう。| |~矢吹真吾|へへ……じゃあ、行きましょうか!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|着きましたよ!&br;ここがゴールのビーチですね!| |~〇×|よかった、たどり着けて……!&br;途中、いろいろ仕掛けが出てきて、すごくドキドキしたよ……!| |~〇×|驚いて、何度も真吾くんに迷惑かけちゃった。&br;ごめんね……?| |~矢吹真吾|い、いえいえ!全然大丈夫です……!| |~〇×|真吾くん、全然動じないから頼もしくって。&br;本当に怖くなかったんだね。すごいよ。| |~矢吹真吾|いえ……おれも、ドキドキしっぱなしでしたよ。&br;肝試しとは違う意味で……。| |~〇×|え?| |~矢吹真吾|な、なんでもないっす!&br;それよりも――| |~矢吹真吾|いいですよね~、海!潮風が気持ちいいです!&br;リゾートがますます楽しみっすね!| |~〇×|うん、リゾートってどんなところなんだろう……。&br;こんなふうに素敵な海が見えるといいな。| |~矢吹真吾|海なら、おれ、シュノーケリングやりたいです!&br;潜って、魚とか見られたらいいですよね~!| |~矢吹真吾|あ、魚を想像したら、ちょっと腹減ってきちゃいました。| |~〇×|ふふっ。真吾くん、いつも楽しそうだよね。| |~矢吹真吾|あ……す、すみません!&br;おればっかりはしゃいじゃって……!| |~〇×|ううん。楽しそうな真吾くんを見てると、&br;私も楽しくなるよ。| |~〇×|肝試しも、ドキドキはしたけど、&br;一人でやるより全然怖くなかったと思う。| |~〇×|真吾くんのおかげだよ。&br;ありがとう。| |~矢吹真吾|〇さん……。| |~矢吹真吾|じゃ、じゃあ、&br;シュノーケリングも一緒にやりましょう!| |~矢吹真吾|海の中でも、&br;おれから離れないでくださいね……!| |~〇×|うん!| |~〇×|(真吾くんと一緒なら、&br;楽しいリゾートになるだろうなあ。)| #endregion //---------- ----- **夢見Night [#SR10] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|〇さん。&br;ちょっとお願いがあるんですけど――今、いいですか?| |~〇×(主人公)|あ、真吾くん。いいよ、どうしたの?| |~矢吹真吾|失礼します。実は――| |~|って……〇さんのパジャマ、&br;おれの着てるやつとお揃い!? な、なんで!?| |~〇×|あ……それ、私のとペアになってるパジャマだ。| |~矢吹真吾|ええっ!?| |~〇×|懸賞か何かで当たったんだけど、女性物だけ&br;私が使わせてもらって、男性物はしまってあったの。| |~|真吾くんこそ、どうしてそのパジャマを?| |~矢吹真吾|じ、実はですね……。&br;今日、ビリーさんの洗濯を手伝ってたんですけど――| |~|草薙さんのパジャマを取り込もうとした時に、&br;うっかり引っ掛けて破いちゃって……。| |~|責任取って、おれのパジャマを草薙さんに貸したんですけど、&br;代わりにってこれを着せられちゃったんです……!| |~〇×|そういうことだったんだ……。| |~矢吹真吾|こ、この可愛すぎる柄が恥ずかしくて……。&br;早く自分のパジャマを返してもらいたくて――| |~|それで〇さんに、破れた草薙さんのパジャマを&br;直してもらおうと、お願いに来たんです。| |~|でも……まさか、〇さんとお揃いだったなんて……。| |~〇×|確かにそのパジャマ、&br;普段の真吾くんからすると可愛い雰囲気で……。| |~矢吹真吾|そうなんですよ! 草薙さんにも&br;からかわれて……。| |~〇×|(……結構似合っていると思うけど、&br;そう言ったら落ち込んじゃうかな。)| |~|京さんのパジャマ、直してみるね。| |~矢吹真吾|あ、ありがとうございます……!| |~〇×|真吾くんのパジャマを早く返してもらえるように、&br;急いで縫っちゃうね。| |~矢吹真吾|あっ、いえ! 急がなくても大丈夫です!&br;だから、あの――| |~|パジャマが直るまで、一緒にいてもいいですか……?| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|真吾くん、&br;そこの糸切りばさみ、取ってもらってもいい?| |~矢吹真吾|了解です! はい、どうぞ!| |~|それにしても、さすが〇さん!&br;手際がいいですね!| |~〇×|ありがとう。もう少しだから、待っててね。| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|……ふふ。真吾くん、そんなにじっと見つめられると、&br;なんだかくすぐったいよ。| |~矢吹真吾|あっ! す、すみません……!| |~〇×|大丈夫だよ。京さんのパジャマ、ちゃんと直るから。| |~矢吹真吾|ありがとうございます……でも、&br;それが心配なわけじゃなくて――| |~|……ほんとに、お揃いなんだなあって。| |~〇×|え? あ……私と真吾くんのパジャマのこと?| |~矢吹真吾|はい……なんか、不思議な感じがします。| |~|最初は、このパジャマを着てるのが恥ずかしくて、&br;早く着替えちゃいたいと思ってたんですけど――| |~|〇さんとお揃いだと思うと、悪くないなあっていうか……。&br;むしろ嬉しいなあっていうか……。| |~|もうちょっと着ていたいなあ、なんて……。| |~〇×|真吾くん……。| |~矢吹真吾|あっ! ご、ごめんなさい!&br;〇さんの気持ちも考えずに、変なこと言って……!| |~|〇さんは、おれとお揃いのパジャマなんて、&br;恥ずかしいですよね――| |~〇×|ちょっと照れるけど……私も真吾くんとお揃いで、嬉しいよ。| |~矢吹真吾|……! 〇さん……。| |~|よかった……じゃあ、&br;お互い、気持ちもお揃いですね!| |~〇×|ふふ、そうだね。| |~矢吹真吾|――あの、〇さん!&br;草薙さんのパジャマを直すの、やっぱり明日でいいです!| |~〇×|えっ……いいの?| |~矢吹真吾|はいっ! 頼んでおいて、ごめんなさい!| |~|それで――その代わりに……。| |~|今夜はこのまま、もうしばらく一緒にいさせてください……!| #endregion ----- **ハロウィン [#SR11] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|いやあ~、今日は楽しかったですね!&br;盛り上がってよかったです!| |~〇×|うん! 真吾くんのヴァンパイア、&br;近所の子どもたちに大好評だったね。| |~矢吹真吾|みんなを怖がらせちゃったら&br;どうしようかと思ってたんですけど| |~矢吹真吾|むしろおれの周りに集まってきちゃって、&br;お菓子が足りなくなっちゃうかと思いました……!| |~〇×|(仮装をしてても、真吾くんの人懐っこさが&br;子どもたちに伝わったんだろうなあ。)| |~〇×|あ、そうだ。予備のお菓子がまだ残ってるよ。&br;真吾くん、食べる?| |~矢吹真吾|え、本当ですか? いただきます!&br;張り切ったら、お腹空いちゃって――| |~矢吹真吾|あっ、ちょっと待ってください。&br;どうせなら……。| |~矢吹真吾|トリックオアトリート!&br;お菓子くれなきゃ悪戯しちゃいますよ〜! がおー!| |~〇×|ふふっ、真吾くんったら。&br;はい、じゃあお菓子あげるね。| |~矢吹真吾|えへへ、ありがとうございます!| |~〇×|でも、真吾くんみたいなヴァンパイアだったら、&br;悪戯されても許しちゃうなあ。| |~矢吹真吾|えっ!? 本当ですか?| |~矢吹真吾|ハッ! い、いえあの、違うんですっ!&br;別にその、〇さんに悪戯したいとかそういう意味では!!| |~矢吹真吾|――って、何言ってるんだろ、おれ……!&br;ご、ごめんなさいっ!| |~〇×|う、ううん! 私のほうこそ、&br;変なこと言っちゃってごめんね!| |~〇×|(でも、真吾くんならどんな悪戯するんだろう……。&br;考えるだけで、ちょっとドキドキしちゃうかも……。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|ええと、その……そういえば、今回のハロウィンは、&br;ずっとおどかす役ばっかりだった気がします。| |~〇×|ふふっ。子どもたち、ヴァンパイア姿の真吾くんから&br;離れなかったね。| |~矢吹真吾|へへ。なんだかおどかすの楽しくなっちゃって……。| |~矢吹真吾|子どもたちも楽しんでくれて嬉しかったですけど、&br;他のオバケをあんまり見られなかったのはちょっと残念です。| |~矢吹真吾|おれも、おどかされてみたかったかも……。| |~〇×|(そういえば真吾くん、怪談好きだし、&br;ハロウィンのオバケとか興味あるのかな?)| |~〇×|(よーし、それじゃあ――)| |~〇×|ト……トリックオアトリート!| |~矢吹真吾|えっ!? 〇さん……!?| |~〇×|お、お菓子をくれないと、悪戯しちゃうぞー!| |~〇×|――って、ごめん……。&br;私がやっても、怖くないよね?| |~矢吹真吾|あ……おれが、&br;おどかされたいって言ったから……。| |~矢吹真吾|……えへへ、ありがとうございます。&br;〇さんの気持ち、嬉しいです!| |~矢吹真吾|ちなみに〇さんは、なんのオバケなんですか?| |~〇×|えっと、そうだなあ……。&br;真吾くんと同じヴァンパイア、かな?| |~〇×|だから、えっと……ち、血を吸っちゃうぞー!| |~矢吹真吾|うおっ、それは怖いなあ~!| |~矢吹真吾|でも……こんなに可愛いヴァンパイアなら、&br;血を吸われちゃってもいいかも……?| |~〇×|……! し、真吾くんったら……。| |~矢吹真吾|あっ!? す、すみません!&br;おれ、また変なこと……!| |~矢吹真吾|あ、あははは……。&br;それじゃ、〇さんにもお菓子を| |~矢吹真吾|ああっ!? な、ない!&br;さっき、おれが全部食べちゃいました……!| |~〇×|えっ! そ、それじゃあ……。| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|…………。| |~矢吹真吾|……い、いいですよ?&br;悪戯しても……。| |~矢吹真吾|おれ、あなたになら……!| #endregion ----- **1stアニバーサリー [#SR12] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(せっかくの休日だからって、&br;真吾くんと出かけることになったけど……。)| |~〇×|あの、真吾くん。どこへ向かってるの? &br;この先は森しかないと思うんだけど……。| |~矢吹真吾|それは着いてからのお楽しみっす!&br;もうちょっとで着きますから。| |~〇×|う、うん。| |~〇×|(もしかして、森で一緒に修行とか……?)| |~矢吹真吾|着きました! 目的地到着っす!| |~〇×|ここは……?| |~〇×|(水が透き通っててすごくきれい……。&br;木漏れ日を浴びてキラキラしてる……。)| |~矢吹真吾|実はここ、マイナスイオンとかで有名な &br;パワースポットらしいんです。| |~矢吹真吾|地元の人でも、&br;知る人ぞ知る穴場なんですよ!| |~〇×|そうなんだ……! &br;すごい。よく知ってたね、真吾くん。| |~矢吹真吾|そりゃもう、めちゃくちゃ調べましたから!| |~〇×|え?| |~矢吹真吾|あ、いや、その……姉と妹から、&br;女の人はこういうのが好きだって聞いたので。| |~矢吹真吾|いつも忙しい〇さんに喜んで……、&br;リラックスしてもらえたらなって思って。| |~〇×|(じゃあ、私のためにわざわざ……。)| |~矢吹真吾|ハッ! もしかして迷惑でしたか!?| |~〇×|ううん、そんなことないよ。&br;すごく嬉しい……!| |~矢吹真吾|本当ですか! 良かった~……。| |~〇×|パワースポットって話にはよく聞くけど &br;来たことってあんまりないんだ。| |~〇×|だから、とっても新鮮な気分。&br;泉をぐるっと一周してもいい?| |~矢吹真吾|もちろん! 時間はたっぷりありますし、&br;ゆっくりマイナスイオンを浴びてください!| |~〇×|ふふ、ありがとう。| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|本当に神秘的な場所だね。&br;空気もすごく美味しい……。| |~矢吹真吾|そうっすね!&br;疲れも不思議と消えてく気がします。| |~矢吹真吾|あ、それはもちろん、〇さんが &br;一緒だからってこともありますけど!| |~〇×|私?| |~矢吹真吾|はい! 〇さんがそばにいてくれると &br;おれ、疲れなんて忘れて楽しい気分になるんで!| |~〇×|(そんなふうに思ってもらえてるなんて、&br;ちょっと照れちゃうな……。)| |~矢吹真吾|あっ!&br;〇さん、動かないでください。| |~〇×|え?| |~〇×|(わ、真吾くんが急に目の前に……。)| |~矢吹真吾|取れた! 髪に木の葉がついてましたよ。| |~〇×|え……あっ、ありがとう!| |~矢吹真吾|いえいえ。落ち葉も多い時期ですし! &br;あ、もしかして、おれにもついてます?| |~〇×|うーん、ちょっとしゃがんでくれる?| |~矢吹真吾|はい!| |~〇×|ついてはない、かな? &br;大丈夫そうだよ、真吾く――| |~矢吹真吾|…………。| |~〇×|ど、どうしたの!? 顔が赤いよ?| |~矢吹真吾|い、いや、思ったより近――じゃなくて! &br;お腹が減って!| |~〇×|お腹が減ると赤くなるの……?| |~矢吹真吾|た、体質なんす……へへっ。| |~〇×|? でもそうだね、パワースポットも満喫できたし、&br;そろそろ街の方へ戻ろうか。| |~矢吹真吾|は、はい!| |~矢吹真吾|んん~! やっぱりここの豚玉は美味しいですね!| |~〇×|(良かった。真吾くんの顔色すっかり戻ったみたい。)| |~〇×|真吾くん、今日はとっても癒されたよ。&br;連れて来てくれてありがとね。| |~矢吹真吾|そう言ってもらえて嬉しいっす!&br;また、一緒に休みを過ごしましょうね。| |~〇×|うん、楽しみにしてるね。| #endregion ----- **新年'21 [#SR13] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|〇さん!&br;絵馬、頂いてきましたよ。どうぞ!| |~〇×|ありがとう。 ごめんね。真吾くんだけ授与所に行かせちゃって。| |~矢吹真吾|このくらいお安い御用です!&br;授与所も人が多かったですし。| |~矢吹真吾|せっかくきれいな着物姿の〇さんが &br;もみくちゃにされたら大変ですからね!| |~〇×|……! あ、ありがとう……。| |~矢吹真吾|……! &br;ええっと、あの……え、絵馬、書きましょうか!| |~〇×|そ、そうだね!| |~〇×|(願いごとか……うーん。)| |~〇×|(やっぱり、「今年もマネージャーとして、&br;真吾くんのことを一番そばで支えられますように」かな。)| |~〇×|(これでよしっと。真吾くんは……。)| |~〇×|(まだ書いてるみたい。すごく真剣な顔してるな。)| |~矢吹真吾|……あっ。| |~矢吹真吾|〇さん、もう書き終わってたんですね。&br;すみません…!| |~〇×|慌てなくても大丈夫だよ。&br;私のことは気にしないで、ゆっくり書いてね。| |~矢吹真吾|ありがとうございます。&br;もうちょっとでできるので!| |~矢吹真吾|よーしっ……!| |~〇×|(真吾くんが、こんなに気合いを入れて書く願いごとって、&br;やっぱりアレかな…?)| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~矢吹真吾|できましたっ!| |~〇×|願いごと、書けたみたいだね。| |~矢吹真吾|はい! 「草薙の炎が出せますように!」って &br;でっかく書きました!| |~矢吹真吾|いろいろお願いしたいことはあったんですけど、&br;やっぱりこれは外せないと思って。| |~〇×|(大きな字で、絵馬いっぱいに書いてある。&br;真吾くんらしいな。)| |~〇×|真吾くんの気持ち、神様にも届くと思うよ。| |~矢吹真吾|えへへ…届いてくれたら、すっげー嬉しいです!| |~矢吹真吾|そういえば、〇さんは絵馬になんて書いたんですか?| |~矢吹真吾|「今年もマネージャーとして、真吾くんのことを一番そばで &br;支えられますように」……かぁ。| |~矢吹真吾|〇さん、ありがとうございます。&br;改めて今年もよろしくお願いしますね!| |~〇×|こちらこそ。それじゃ、絵馬をかけようか。| |~矢吹真吾|はい!| |~〇×|真吾くん、この後はどうする?| |~矢吹真吾|あのっ。少し待っていてもらってもいいですか?| |~〇×|え? いいけど、どうしたの?| |~矢吹真吾|あー……えっと。え、絵馬は落ちると縁起が悪いって聞いたので &br;もう一度ちゃんとかかってるか確認してきます!| |~矢吹真吾|(……こっちの絵馬は持ち帰ろうかと思ったけど……。)| |~矢吹真吾|(せっかく〇さんと来たんだから、&br;やっぱり飾っていこう。)| |~矢吹真吾|……よしっ。| |~矢吹真吾|(さっきこっそり書いた、おれのもう一つの願いごと。)| |~矢吹真吾|(〇さんとずっと一緒にいられますように――)| #endregion ----- **フルパワーでファイト! [#SR14] ''1話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|(今日は1日、バーの店員さんとして働くことになったけど…… &br;客足も順調に増えていってるし良かった。)| |~〇×|(そろそろ真吾くんには休憩に入ってもらいたいけど、&br;どこにいるんだろう?)| |~矢吹真吾|ここはこうやって… &br;このボタンを押しながらスティックを動かすんだよ!| |~男の子|わかった! ありがとう、真語さん!| |~〇×|(ふふ、一生懸命接客してる…。&br;遊んでる子たちも楽しそうだな。)| |~矢吹真吾|あ、〇さん! &br;お疲れ様です!| |~〇×|お疲れ様。こっちのコーナーはどう?| |~矢吹真吾|順調だと思います!&br;これなら、お店の売上もきっと大丈夫ですよ!| |~矢吹真吾|〇さんの方は、バーカウンターがあるから &br;大人のお客さんが多いですよね。| |~矢吹真吾|あの…変な人に絡まれたりしてないですか? &br;お酒飲んでる人も多いですし……。| |~〇×|心配してくれてありがとう。&br;でも、いいお客さんばかりだから大丈夫だよ。| |~〇×|あ、それでね、そろそろ真吾くんに &br;休憩を取ってもらおうと思って探してたの。| |~〇×|この調子なら、夜にお客さんがもっと増えるだろうから、&br;時間ある時に取ってほしくて。| |~矢吹真吾|ありがとうございます! &br;じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます!| |~矢吹真吾|うーん!&br;やっぱり、〇さんのご飯は美味しいですね!| |~〇×|ふふ、どういたしまして。| |~矢吹真吾|ごちそうさまでした! &br;おかげで、この後もバリバリ働けそうです!| |~〇×|良かった。じゃあ、お皿片づけちゃうね。&br;時間までゆっくりしてて。| |~矢吹真吾|あ、あの、〇さん……!| |~〇×|えっ? ……!| |~〇×|(真吾くん、急に身を乗り出すからびっくりした……。&br;すごく真剣だけど、どうしたんだろう?)| |~矢吹真吾|おれ、お店のためにもっと何かできないかと思うんです。| |~矢吹真吾|〇さんはご飯を作ったりできるし……。| |~矢吹真吾|包くんはゲームに詳しくて、おれみたいに遊び方だけじゃなくて &br;お客さんにコツを教えてあげたりしてます。| |~矢吹真吾|おれは自分に出来ることってよくわからなくて……。&br;だから、おれに出来ることがあったらなんでも言ってください!| |~〇×|真吾くん……。| |②|>|CENTER:~そのままで十分| |~|~〇×|私はそのままで十分だと思うよ。さっきも見てたけど、&br;真吾くんが遊び方を教えてあげた男の子、とても楽しんでたし。| |~|~矢吹真吾|そう、ですか?| |~|~〇×|うん。明るく元気いっぱいなのが真吾くんらしさだと思うから、&br;この調子で頑張ってくれると嬉しい。| |~|~矢吹真吾|そっか……ありがとうございます! &br;じゃあ、このまま頑張ります!| |③|>|CENTER:~人と比べないで| |~|~〇×|ありがとう。&br;でも、あんまり人と比べなくていいと思うな。| |~|~〇×|真吾くんらしくいてくれたら、周りのお客さんも &br;十分楽しんでくれると思う。| |~|~矢吹真吾|おれらしく、ですか……。&br;なるほど! わかりました。| |~|~矢吹真吾|じゃあ、休憩明けもこのまま頑張ります!| |~〇×|うん。そのために今はしっかり休んで。&br;売上の目標額、達成しようね!| |~矢吹真吾|はい!| #endregion //---------- ''2話'' #region(ネタバレ注意) |~〇×|ふう……。&br;休憩が明けたら、もう一踏ん張りしよう!| |~男性客A|おい、こっちこっち!&br;すげーバトルしてるぜ!| |~女性客A|ねぇ、あっちすごく盛り上がってない? &br;行ってみようよ。| |~〇×|ん? なんだろう。| |~〇×|(ゲームコーナーに人だかりが……。&br;あそこにいるの……真吾くんだ!)| |~矢吹真吾|うおおおお!!&br;飛び蹴り! からのアッパー!| |~矢吹真吾|う、避けられた……!&br;でも、まだまだっす!!| |~〇×|(ゲームしてる真吾くん、すごい気迫……!)| |~〇×|(格闘ゲームって、あのゲージが0になったら終わりなんだよね。&br;対戦してる人とすごい拮抗してるな……。)| |~〇×|(なんだか見てるこっちがハラハラする……!)| |~矢吹真吾|いきますよ、超必殺技!!| |~男性客B|うわー、負けたっ! &br;ありがとうございました!| |~矢吹真吾|でも、すごくギリギリでした! &br;こちらこそ、ありがとうございました!| |~男性客A|いい試合だったなぁ! &br;俺も久しぶりにやってみるか!| |~女性客A|私もやりたくなっちゃった。&br;対戦しよう!| |~〇×|(あ、観戦してた人もゲームに近づいていく……。&br;あんな試合見せられたら、やりたくなっちゃうよね。)| |~矢吹真吾|〇さんも見ててくれたんですね!&br;どうでしたか?| |~〇×|つい見入っちゃった!&br;すごい気迫だったよ。| |~矢吹真吾|えへへ、〇さんが言ってくれたことを &br;信じてやっただけです!| |~矢吹真吾|どんなことだって全力でやるのも、&br;おれらしさかなって思って。| |~矢吹真吾|そしたらどんどん周りに人が集まってきてくれたんです。&br;〇さんのおかげです!| |~〇×|ううん。私は何もしてないよ。真吾くんの全力が &br;伝わったから、みんなも興味を惹かれたんだよ。| |~〇×|格闘ゲームをやらない私でも&br;見てて楽しかったから。| |~矢吹真吾|本当ですか? そう言ってもらえて嬉しいです!| |~矢吹真吾|そうだ! 良かったら〇さんも対戦しませんか? &br;おれが相手になりますよ!| |~〇×|(私に出来るかな……。&br;でも、真吾くんの戦いを見たらやりたくなってきた!)| |~〇×|あと10分で休憩が終わるから、&br;その間だけになっちゃうけど、ぜひ!| |~矢吹真吾|やった! もちろんです!&br;全力で楽しみましょう!| #endregion ----- &aname(top){上へ戻る}; データ参照プラグイン 入力支援ツールを表示 ▼参照先ページ選択:データを表示 元データの書式(インラインプラグイン)を継承する