カードストーリー /八神庵 の変更点


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#contents

*SSR [#SSR_story]
**差し伸べた手 [#SSR01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|うん、買い物はこれくらいでいいかな。|
|~〇×|あれ、あそこの自販機の横に座ってるのって&br;八神さん……?|
|~八神庵|ダメだ。もういいだろう。|
|~〇×|(電話中なのかな?&br;挨拶した方がいいかなって思ったんだけど……。)|
|~八神庵|何度ねだってもダメだ。もう行け。|
|~〇×|あれ? 携帯を持ってる様子はないし……&br;電話中じゃない?|
|~八神庵|なんだ、絡んでくるな。|
|~〇×|う~ん、でもひとりみたいだし、&br;誰に話しかけてるんだろう?|
|~八神庵|この牛乳は空だ。|
|~猫|にゃあ。|
|~〇×|(あ、なるほど……。猫ちゃんが居たのね。)|
|~八神庵|はぁ、もう無いと言っているのが聞こえないのか。|
|~猫|にゃー?|
|~八神庵|わかったのか?|
|~猫|にゃー……。|
|~八神庵|……すり寄って来るな。&br;絶対にわかっていないだろう。|
|~〇×|(猫ちゃん、八神さんにすごくなついてるな。)|
|~〇×|(八神さん、あの時と……つーちゃんの時と同じ――)|
|~〇×|(笑顔じゃないけど、猫ちゃんといるときの&br;八神さんの表情柔らかい……。)|
|~〇×|(たぶん八神さん、こういうところ人に&br;見られたくないんだろうな。)|
|~八神庵|そんなに欲しいのか?|
|~猫|にゃあ!|
|~〇×|(ああでも、最後まで見守りたい……。)|
|~八神庵|まだ足りないのか……。|
|~〇×|(あ、立ち上がった!&br;か、隠れないと!)|
|~八神庵|ん? 誰だ。|
|~〇×|あ、えっと……。|
|~八神庵|……×、いたのか。|
|~〇×|……こんにちは。|
|~〇×|(み、見つかっちゃた。&br;どうしよう……)|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|八神さん、すみません。&br;私……。|
|~八神庵|構わん。それより……。|
|~猫|にゃあ!|
|~〇×|あ、猫ちゃん。|
|~〇×|(八神さん、急に猫ちゃんを持ち上げて&br;どうしたんだろう……。)|
|~八神庵|やる。|
|~〇×|え? ええ!?|
|~八神庵|じゃあな。|
|~〇×|八神さん、どこに行くんですか!?|
|~八神庵|貴様には関係ない。|
|~〇×|(関係ないって、八神さんに猫ちゃん託されたまま&br;どうすれば……。)|
 
|①|>|CENTER:~呼びかける|
|~|~〇×|八神さん! 私、どうすれば……。|
|~|~八神庵|そんなの、自分で決めろ。|
|~|~〇×|で、でも……。|
|~|~八神庵|じゃあな。|
|~|~〇×|(置いてかれちゃった……。&br;でも、私ひとりじゃどうしていいか分からない……。)|
|~|~〇×|とにかく、八神さんを追いかけなきゃ。|
 
|②|>|CENTER:~引き止める|
|~|~〇×|待ってください。|
|~|~猫|にゃあ。|
|~|~八神庵|……知らん。&br;こいつが勝手に付きまとっているだけだ。|
|~|~〇×|で、ですが……。|
|~|~八神庵|用はそれだけか?&br;俺は行くぞ。|
|~|~〇×|あっ!|
|~|~〇×|(ここにいてもどうしていいか&br;わからないし……。)|
 
|③|>|CENTER:~何も言えない|
|~|~八神庵|……。|
|~|~〇×|どうしよう……。|
|~|~猫|にゃあ。|
|~|~〇×|猫ちゃん……。|
|~|~〇×|そうだよね、ここにいても&br;どうしようもならないよね。|
|~|~八神庵|…………。|
|~|~猫|にゃあ。|
|~|~〇×|うん、八神さんを追いかけよう!|
 
|~〇×|八神さん、待ってください~!|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|はぁ、はぁ、よかった、追いついた。&br;八神さん、待ってください!|
|~〇×|八神さん、あの、この猫ちゃんは。|
|~八神庵|俺には関係ないと&br;言っただろう。ついてくるな……。|
|~〇×|で、でも……。|
|~八神庵|……おそらく捨て猫だが人には慣れている。&br;道場で飼ってやれ。|
|~〇×|そういうわけには……。|
|~八神庵|俺は気が向いて構ってやっただけだ。&br;飼えないなら捨てろ。|
|~〇×|そんな、捨てるだなんて……!|
|~八神庵|じゃあ、道場で飼ってやるんだな。|
|~〇×|うう……。|
|~〇×|(道場で飼うのは難しいよね……。&br;どうしたらいいんだろう。)|
|~猫|にゃあ! にゃあ!|
|~〇×|わっ、暴れちゃだめだよ。|
|~八神庵|どうした?|
|~〇×|わかりません。突然鳴いて暴れ始めちゃって……。|
|~〇×|(もしかして私が不安がってるから、&br;感じ取っちゃったのかな。)|
|~〇×|ご、ごめんね。大丈夫だよ。|
|~猫|にゃあ……にゃあ!|
|~〇×|(どうしよう、さらに鳴きはじめちゃった。)|
|~八神庵|……はぁ。|
|~八神庵|おい、どうした。&br;そんなに鳴いていたら迷惑だろう。|
|~猫|ぅにゃあ……。|
|~〇×|あ、凄い……八神さんが近づいたら&br;おとなしくなった……。|
|~八神庵|フン、現金な奴だ。|
|~猫|ふにゃあ。|
|~〇×|(ひょっとして、八神さんに置いてかれると思って&br;鳴いてたのかな?)|
|~八神庵|あまり鳴くな。迷惑だと言っている。|
|~〇×|あの……ありがとうございます。&br;猫ちゃんを撫でてくれて。|
|~八神庵|別に。こいつが鳴くから対処をしたまでだ。|
|~猫|ゴロゴロ……。|
|~〇×|ふふっ……。&br;八神さんに撫でられて嬉しいんでしょうね。|
|~八神庵|フンッ……。&br;猫はこうやればだいたいこの声で鳴く。|
|~〇×|(う~ん、でもこの声って猫がなついてる時に&br;出してくれる声だよね。)|
|~八神庵|ほら、満足したか?|
|~猫|ふにゃあ……。|
|~〇×|あの、道場で少し相談しませんか、この子のこと。|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|(提案してみたけど、どうかな?&br;考えてはくれてるみたいだけど……。)|
|~〇×|あの、八神さん……。|
|~八神庵|仕方がない。少しだけだからな。|
|~〇×|はい!|
|~〇×|八神さん、底の浅い段ボールにタオルを&br;敷いてみたんですけど、これでいいですか?|
|~八神庵|ああ、いいんじゃないか。|
|~〇×|猫ちゃん、どうでしょうか?|
|~猫|にゃあ。|
|~〇×|あ、見てください、八神さん。&br;猫ちゃん、寝てくれましたよ。|
|~八神庵|ああ、安心してるみたいだな。|
|~〇×|はい、よかったです。|
|~〇×|でも、この猫ちゃん八神さんにとってもなついてますよね。&br;私がベッドを作っている間もずっと八神さんの傍にいましたし。|
|~八神庵|またその話か。&br;先程も言ったが俺は飼えんぞ……。|
|~〇×|は、はい、わかっています……。|
|~〇×|(事情はあるんだろうけど……。&br;こんなに八神さんになついてるのに。)|
|~〇×|(やっぱりここで飼うことにした方が早いのかな。&br;ここなら八神さんもたまに来てくれるし。)|
|~矢吹真吾|ただいま戻りました!|
|~矢吹真吾|わあっ! 八神さん!?&br;なんでここに……!?|
|~〇×|あ、お帰りなさい、真吾くん。|
|~包|僕も一緒だよ~。|
|~〇×|お帰り、包くん。&br;あれ、手に持ってるチラシどうしたの?|
|~矢吹真吾|あ! それ、迷子猫のチラシです!|
|~包|歩いてる途中で飼い主さんから渡されたんだ。&br;一昨日からいなくなって探してるみたい。|
|~〇×|それは、心配だね……。|
|~包|うん。飼い主さんもすごく心配してたよね……。|
|~矢吹真吾|おれたち明日も探すつもりです!|
|~〇×|私も買い物の時、気を付けて見てみようかな。|
|~矢吹真吾|ありがとうございます!|
|~〇×|……あれ、この猫ちゃんひょっとして……?|
#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|このチラシの迷子猫って、&br;八神さんと一緒にいたこの子に似てる気がする……。|
|~包|でも、ちょっと色が違うような?|
|~矢吹真吾|このチラシだとお腹のところが白いですけど、&br;この猫はグレーですもんね。|
|~〇×|うーん、そうだよね。|
|~包|それにしても、この子すやすや寝ててかわいいね。|
|~〇×|そうなの。八神さんにとてもなついててね。&br;今さっきまで八神さんと遊んでたんだよ。|
|~八神庵|別に、くっついてきてただけだ。|
|~包|やっぱり違う子なのかな?|
|~〇×|でも、場所とか『とても人懐っこい猫です』っていう&br;ところからしてこの子のような気がするんだけど。|
|~矢吹真吾|っていうか、八神さんが連れてきたって&br;意外すぎるんですけど……。|
|~八神庵|連れて来たのはこの女だ。|
|~矢吹真吾|あっおれ、そろそろ帰ります……。|
|~〇×|えっ、真吾くん!?|
|~〇×|行っちゃった……。|
|~包|真吾さんは、八神さんが苦手だから。|
|~八神庵|で、どうするんだ。&br;違う猫ってことでいいのか?|
|~〇×|ちょっと、待ってくださいね。&br;チラシには……『完全室内飼いの子です』って書いてある。|
|~〇×|もしかしたら汚れているから写真と違って見えるのかも。|
|~包|そっか、じゃあ洗ってみたらいいかもしれないね!|
|~〇×|でも、ひとりで洗ってあげられるかな……。&br;私、猫ちゃん洗ったことないし……。|
|~包|八神さん、×お姉ちゃんを手伝ってあげて。|
|~八神庵|何故俺なんだ。&br;貴様が手伝え。|
|~包|僕インコ派だから猫は洗わない。|
|~〇×|え、えっと……。|
|~〇×|(ひとりで大丈夫ですとは言えないし、&br;どうしよう。)|
|~八神庵|はぁ……仕方ない。手伝え、×。|
|~〇×|え、いいんですか!?|
|~八神庵|さっさと来ないと、気が変わるぞ。|
|~〇×|は、はい!|
|~包|いってらっしゃ~い。|
|~猫|にゃあ!|
|~八神庵|おい、大人しくしていろ。|
|~猫|にゃあ、にゃあ!|
|~〇×|だ、大丈夫ですか!?|
|~八神庵|猫は水が嫌いだからな。|
|~〇×|はい……、&br;暴れちゃうのはしょうがないですね。|
|~八神庵|そうだ。だから注意しないと……。|
|~猫|ふしゃあ!|
|~〇×|わっ!|
|~八神庵|ぐ……っ!|
 
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|~八神庵|――大丈夫か?|
|~〇×|は、はい。少しお湯がかかたくらいなので……。&br;ですが、八神さんが――|
|~八神庵|これしきのこと、造作もないことだ。&br;ッ……クシュッ……!|
|~〇×|……? 八神さん、今のってくしゃみ、ですか?|
|~八神庵|俺がくしゃみなどするはずがあるまい。&br;……っ。俺より、こいつに集中白。|
|~〇×|あ、はい!|
|~〇×|(八神さんがそう言うならそっとしておこう……。)|
|~八神庵|……風呂場が水浸しになったな。|
|~〇×|お風呂場でよかったですね。|
|~八神庵|予想以上に暴れたな。&br;あと少しだ。爪を立てるなよ。|
|~〇×|(八神さん、最初は嫌そうだったけど、&br;洗ってる時の手つきはすごく優しい。)|
|~八神庵|これなら、やはり俺のところでは無理だな。|
|~〇×|え?|
|~八神庵|隠れ家に来る猫とケンカをされると迷惑だと思っていた。|
|~〇×|(そっか、だから飼えないって言ってたんだ。)|
|~八神庵|よし、いいだろう。|
|~八神庵|おい、先に戻ってタオルの準備をしろ。|
|~〇×|はい。|
|~〇×|ふぅ、大変でしたけど、&br;おかげで猫ちゃんふわふわになりましたね。|
|~八神庵|ああ、どうだ?&br;チラシの猫と見比べてみたか?|
|~〇×|はい。やっぱり汚れてて毛の色が&br;変わってたみたいですね。|
|~八神庵|喜べ、飼い主が見つかったみたいだぞ。|
|~猫|にゃあ……。|
|~〇×|(猫ちゃん、八神さんの傍から離れたくなさそう……。)|
|~〇×|あの、今日はもう遅いし、&br;明日この飼い主さんには連絡します。|
|~八神庵|すぐに連絡しなくていいのか?|
|~〇×|明日朝一に連絡は入れます。&br;でも、猫ちゃんが八神さんと一緒にいたいみたいですし……。|
|~〇×|洋服も濡れちゃいましたし、どうでしょうか……。|
|~八神庵|…………特別だからな。|
|~〇×|はい!&br;猫ちゃん、もうちょっとここにいてくれる?|
|~猫|にゃあ!|
|~八神庵|フン……仕方ない。&br;付き合ってやるとしよう。|
#endregion
 


-----



**不機嫌な執事 [#SSR02]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(紅丸さんのお知り合いが、喫茶店をオープンしたから&br;お手伝いに来たのはいいけど……。)|
|~二階堂紅丸|おかえりなさいませ、お嬢様。&br;……と、こんな感じでいいですかね?|
|~執事喫茶の店主|ああ、よろしく頼むよ。|
|~〇×|(まさかそれが執事喫茶だったなんて、&br;ちょっとびっくりしちゃったな。)|
|~〇×|(慣れないお店だけど、とにかく私は&br;キッチンの仕事頑張ろう。)|
|~〇×|(開店時間までにあとやっておくことは――)|
|~八神庵|………………なんだここは。|
|~〇×|えっ、や、八神さん!?|
|~八神庵|貴様、何故こんなところにいる。|
|~〇×|何故って、アルバイトですが……&br;まさか八神さんも?|
|~八神庵|ああ。それなりに給料がいいと思ったら、&br;こんな奇怪な喫茶店だったとは……。|
|~八神庵|俺としたことが、職選びを間違えたか。|
|~〇×|お金が必要なんですか?|
|~八神庵|ああ。ベースのメンテナンスや&br;ライブハウスを借りるためにな。|
|~執事喫茶の店主|あ、八神くん、待ってたよ。&br;はいこれ、今日着てもらう制服。|
|~八神庵|………………。|
|~〇×|(わあ、ぴしっとした服……。)|
|~執事喫茶の店主|君には執事として、来店してくるお嬢様たちに&br;接客をしてもらうからね。|
|~八神庵|ふざけるな。そんな接客、聞いていないぞ。|
|~執事喫茶の店主|とはいえこれがこの店の経営方針だから。|
|~八神庵|……。|
|~執事喫茶の店主|そんなにムスッとした顔してたらお嬢様たちが&br;怖がっちゃうから、もっと笑顔で。|
|~八神庵|…………。|
|~執事喫茶の店主|接客態度は、紅丸くんを参考にするといいよ。|
|~二階堂紅丸|行ってらっしゃいませお嬢様。お帰りをお待ちして&br;おります。……どうだ、いい感じだろ?|
|~テリー・ボガード|ははっ、決まってるじゃないか紅丸!|
|~二階堂紅丸|当然さ。|
|~八神庵|………………。|
|~〇×|(八神さん、ちょっと困ってるみたい……。)|
|~八神庵|……くだらん、付き合っていられるか。&br;俺は帰るぞ。|
|~執事喫茶の店主|お給料、いらないのかい?|
|~八神庵|………………。|
|~執事喫茶の店主|ライブのためにいろいろお金が&br;必要なんじゃないのかな。|
|~八神庵|…………クソ。&br;どこで着替えればいい。|
|~執事喫茶の店主|あっちの更衣室だよ。よろしくね。|
|~草薙京|はー、やっと着替え終わったぜ。ったく&br;なんだこの着にくい服は――って。|
|~八神庵|京……!|
|~草薙京|げっ、八神!?|
|~八神庵|ほう、白い服とは。俺に殺される為に着ている&br;死に装束か。よく似合っているぞ。|
|~八神庵|すぐにでもその白を赤く染め上げてやろう。|
|~草薙京|相変わらずわけわかんねえこと言いやがって!&br;おい×! なんでこいつがここにいるんだよ!?|
|~〇×|あ、ば、バイトの広告を見たそうで……。|
|~八神庵|ここが貴様の死に場所だ!|
|~草薙京|うるせぇ! てめぇこそ、&br;ここでおねんねしな!|
|~執事喫茶の店主|ちょ、ちょっと! 暴れられると困るよ!&br;オープンしたばかりの店が――。|
|~〇×|(な、なんとかして八神さんと京さんを&br;止めないと……そ、そうだ!)|
|~〇×|や、八神さん! あ、あの、向こうの棚にあるものが&br;届かないので、取ってもらえますか!?|
|~八神庵|…………フン、仕方あるまい。&br;命拾いしたようだな。|
|~草薙京|逃げるのか八神?|
|~八神庵|貴様にはもっと相応しい死に場所と&br;死に装束があると思ったまでだ。|
|~草薙京|へっ、そうかよ。その死に場所とやらが、&br;てめぇの墓場にならねぇよう気を付けな。|
|~八神庵|くだらん。|
|~八神庵|……それで、届かないものとやらはどこだ。|
|~〇×|あ、はい、あっちの棚にあるボウルを……。|
|~執事喫茶の店主|はぁ……助かったよマネージャーさん。&br;ありがとう。|
|~〇×|い、いえ……。|
|~〇×|(な、なんだか大変そうだけど……&br;とにかく、頑張ろう……!)|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|…………客か。&br;勝手に座れ。|
|~八神庵|――水だと?&br;勝手に持っていけ。|
|~執事喫茶の店主|ちょ、ちょっと、八神くん!&br;きちんと接客しないと減給だよ!|
|~八神庵|チッ…………。|
|~八神庵|……お、おかえりなさいませ、&br;オジョウ……サマ……。|
|~〇×(主人公)|(や、八神さん……大丈夫かな……。)|
|~来店客A|あれ、お兄さんテレビで見たことある!&br;確かKOFに出てた人!|
|~来店客B|本当だ! 近くで見るとテレビよりも&br;かっこいいですね~!|
|~八神庵|こ、こちらの席に…………、&br;ご案内、いたします……。|
|~〇×|(ちょっとぎこちないけど、&br;八神さん、頑張ってるみたい。)|
|~〇×|(私もお料理にお皿洗いに、&br;キッチンの仕事頑張らないと。)|
|~八神庵|……次に運ぶのはどれだ。|
|~〇×|えっと、このケーキと紅茶のセットを、&br;3番テーブルのお嬢様たちへ。|
|~八神庵|まったく、料理を運ぶのにも、いちいち&br;気を遣わねばならんとは面倒だ。|
|~八神庵|食器ひとつ触るのにも手袋をしたままとは、&br;どれほど繊細なんだこの食器は。|
|~〇×|指紋がついたら駄目だそうですからね……。|
|~八神庵|テーブルや椅子なども細工が崩れるといけないから&br;ぶつからないように気を付けろだと?|
|~八神庵|人が物に気を遣ってなんになると言うんだ。|
 
|①|>|CENTER:~確かに大変ですよね|
|~|~〇×|確かに、ちょっと大変ですよね。&br;それでも、これがお仕事ですから、頑張りましょう。|
|~|~八神庵|ああ。言われずともわかっている。|
 
|②|>|CENTER:~お給料をもらうためですから|
|~|~〇×|とはいえ、これがお仕事ですし。&br;頑張って、お給料をもらいましょう。|
|~|~八神庵|……わかっている。今の俺には&br;金が必要だからな。|
 
|~八神庵|それで、このセットも&br;気を付けて運ばねばならんのか。|
|~〇×|そうですね。ティーセットはガラス製ですし……。|
|~八神庵|面倒だ。|
|~〇×|えーっと、子猫ちゃんを運ぶときのように気を付ければ&br;大丈夫だと思います。|
|~八神庵|その程度ならば容易い|
|~〇×|(さすが八神さん……。)|
|~八神庵|無事に運んだぞ。&br;次は何を持って行けばいい。|
|~〇×|5番テーブルにこのケーキを。飴細工が乗ってて&br;崩れやすくなってるので気を付けてくださいね。|
|~八神庵|これも猫を運ぶときのようにすればいいのか。|
|~〇×|そ、そうですね、たぶん……。|
|~八神庵|わかった。|
|~来店客C|わあー! すっごく綺麗~!|
|~来店客D|写真撮ろ、写真!|
|~八神庵|……ごゆっくり、お楽しみ、ください。|
|~来店客C|ありがとうございます執事さん!|
|~八神庵|………………。|
|~〇×|(八神さん、なんだかんだで頑張ってるみたい。&br;実は結構真面目な人だよね。)|
|~草薙京|へえ、あいつも意外とやるもんだな。&br;よっぽど金に困ってんのか?|
|~〇×|あ、京さん。お疲れ様です。|
|~草薙京|お疲れ。八神の野郎、&br;客からかなり好評みてえじゃねぇか。|
|~八神庵|少なくとも貴様よりは&br;仕事をしているからな。|
|~草薙京|へっ、こういう仕事でしかオレに&br;勝てねぇの間違いなんじゃねえの?|
|~八神庵|ほう、ずいぶんな口ぶりだな。それが貴様の&br;思い上がりであること、ここで証明してやろう。|
|~草薙京|堅苦しいのにちょうど疲れてたんだ。&br;付き合ってやってもいいぜ。|
|~〇×|(い、いけない! 京さんと八神さんの喧嘩が……!&br;と、止めないと……えーっと……。)|
|~〇×|や、八神さん! このお料理を、&br;8番テーブルへ運んでください!|
|~八神庵|……また仕事か。仕方あるまい。|
|~八神庵|……京。このようなところで貴様を殺すのは&br;いささかもったいない。|
|~草薙京|あぁ、そう言われりゃ同感だ。&br;てめぇの死に場所はもっと別にある。|
|~八神庵|勝負は預けたぞ、京。|
|~草薙京|まあ、とっとと返すことになるだろうけどな。|
|~〇×|(ふう……なんとかなった……かな……?&br;良かった……。)|
|~二階堂紅丸|お帰りなさいませお嬢様。|
|~テリー・ボガード|ほら、こっちのテーブルだ。|
|~来店客D|わあ、本当にKOFに出てる格闘家の&br;人達が執事やってる~!|
|~来店客E|SNSで話題になってたから来てみたけど&br;まさかマジだったなんてね~。|
|~草薙京|誰だよそんないらねぇ情報流したの……。&br;おかげで忙しいったらありゃしねぇ……。|
|~八神庵|だが、それだけ働けば給料は上がる。|
|~草薙京|わーってるっての。|
|~〇×|(本当に忙しい……みなさんもかなり&br;疲れて来てるみたい……。)|
|~〇×|(……あ、小麦粉が無くなっちゃった。&br;ストックは確か棚の上にあったはず。)|
|~〇×|(私の背じゃ届きそうにないから踏み台使って……&br;うーん、もう少し、届かな――)|
|~〇×|あっ……!|
#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|いたた……。バランス崩して転んじゃった……。|
|~〇×|何か壊したり落としたりはしてなかったけど、&br;小麦粉は取れなかったな。……痛っ。|
|~〇×|(ちょっとぶつけちゃったみたい。&br;痣になってる……けどまあ、大丈夫かな。)|
|~八神庵|……おい、何をしている。|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_八神庵_不機嫌な執事.jpg,zoom,八神庵 不機嫌な執事,356x200);
 
|~〇×|あ……八神さん。|
|~八神庵|立て。|
|~〇×|す、すみません。ありがとうございます。|
|~〇×|(八神さんの手、あったかい……。)|
|~八神庵|怪我はないようだな。|
|~〇×|は、はい。|
|~八神庵|それで、どうして倒れたりなどしたんだ。|
|~〇×|(う……八神さんの顔、少し怖いかも……。)|
|~〇×|そ、その、棚の上の小麦粉を取ろうとしたんですが、&br;なかなか取れなくて……。)|
|~〇×|背伸びして取ろうとしたらバランスを&br;崩してしまいまして……。|
|~八神庵|……そうか。|
|~八神庵|…………これでいいのか。|
|~〇×|あ、はい! ありがとうございます!|
|~〇×|(八神さん、小麦粉取ってくれた……。)|
|~八神庵|…………貴様。&br;どうして俺を頼らない。|
|~〇×|え?|
|~八神庵|貴様は今日、&br;何かと俺にあれこれ押し付けていただろう。|
|~八神庵|これも俺に押し付ければ、貴様は&br;転ぶことなどなかったはずだ。|
|~〇×|あ……えっと、八神さんにいろいろと頼んでいたのは&br;京さんとの喧嘩を止めるためで……。|
|~〇×|それに、八神さん忙しくて疲れているみたいですし、&br;お願いしすぎるのも良くないかと思ったんです。|
|~八神庵|くだらん。|
|~〇×|す、すみません……。&br;――っ。|
|~八神庵|……どうした。|
|~〇×|転んだときに少しぶつけてしまったみたいで……。&br;大したことじゃないので大丈夫です。|
|~八神庵|痛いのか。|
|~〇×|す、少しだけですよ。|
|~八神庵|痣になっているな。|
|~八神庵|……俺ならば、これしきの痣は気にしない。|
|~八神庵|だが、貴様にとっては痛いものなのだろう。|
|~八神庵|…………ここには、扱いが難しいものが多い。|
|~〇×|……八神さん?|
|~八神庵|貴様は休んでいろ。|
|~〇×|ですがまだやることが……。|
|~八神庵|強がったところでその後の業務に&br;支障をきたすだけだ。|
|~八神庵|これでまた転ばれでもしたらそっちのほうが&br;迷惑だからな。|
|~八神庵|だから貴様はこの椅子にでも座って、&br;大人しく休んでいろ。|
|~〇×|(椅子を出す八神さんの仕草……、&br;なんだか、本当の執事さんみたい……。)|
 
|①|>|CENTER:~ありがとうございます|
|~|~〇×|ありがとうございます。それじゃあ、&br;お言葉に甘えさせてもらいます。|
|~|~〇×|わあ……ふかふかで座り心地のいい椅子ですね。|
|~|~八神庵|気に入ったのならそれでいい。|
 
|②|>|CENTER:~いいんですか?|
|~|~〇×|で、でも、本当にいいんですか?|
|~|~八神庵|俺がいいと言っている。&br;大人しく言うことを聞いておけ。|
|~|~〇×|は、はい。……その、ありがとうございます。|
|~|~八神庵|礼などいらん|
 
|~八神庵|簡単な調理程度ならできんこともない。&br;貴様はそこから作る物の指示を出せ。|
|~〇×|わかりました。それじゃあえっと、&br;6番テーブルの注文でオムライスを……。|
|~〇×|チキンライスは作り置きがあるので&br;それを温めて、卵は2個使って焼いてください。|
|~八神庵|わかった……オムライスと言うことは、&br;巻かねばならんのか。|
|~〇×|そうですね、あとはケチャップでオムライスに&br;ハートマークを描いて……。|
|~八神庵|ハートマーク…………。|
|~〇×|八神さん、しかめっつらしてますが&br;大丈夫ですか?|
|~八神庵|元よりこういう顔だ。&br;とにかく、調理は俺に任せろ。|
|~〇×|はい、ありがとうございます。|
|~八神庵|感謝されるほどのことではない。&br;給料のため、当然のことをしているまでだ。|
|~〇×|……ふふっ。|
|~八神庵|何がおかしい。|
|~〇×|いえ、なんでもありません。&br;本当に助かります、八神さん。|
|~八神庵|……フン。何度も言わせるな。&br;貴様の為ではない。|
|~〇×|はい、わかってます。|
|~〇×|(八神さんってぶっきらぼうに見えるけど、&br;とても優しい人だよね。)|
#endregion
 


-----



**凍える夜の甘さ [#SSR03]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>|2月14日――バレンタイン当日。|
|~〇×|(よし、これでみんなの分の&br;チョコが準備できたかな?)|
|~〇×|それにしても…….。|
|~〇×|つい八神さんだけ豪華に……。&br;きっと今日は会えないよね。|
|~〇×|(あ、でも……..。&br;今夜はライブに出演する予定なんだ。)|
|~〇×|……もしかしたら会えるかも。|
|~二階堂紅丸|×ちゃん、&br;出かけるのかい?|
|~〇×|紅丸さん。ええと……。|
|~二階堂紅丸|……ああ、野暮だったか。|
|~二階堂紅丸|今日も冷えるから風邪は引かないように。&br;これあげるよ。|
|~〇×|わ、カイロ!&br;ありがとうございます!|
|~二階堂紅丸|気をつけて。|
|~〇×|はい、行ってきます!|
|~〇×|(えっと……あ、今日のライブは対バンなんだ。&br;なら、出てくるの遅いかな?)|
|~〇×|(何時に終わるかくらい、聞いておけばよかった。&br;うう、寒いっ。)|
|~〇×|紅丸さんがカイロをくれて助かった……。&br;温かい……。|
|~〇×|(どこか入ってたら、見逃しちゃうかもしれないし、&br;頑張ってここで待とう!)|
|~〇×|――くしゅ!うう、もう手がかじかんで……。&br;って、あ!|
|~女性A|ちょー最高だったね〜。|
|~女性B|は~、いおりん、早く出て来ないかな~。|
|~〇×|(出待ちの子みたい。&br;なら、もう少し待てば来るよね。)|
|~〇×|(邪魔にならないように、この木陰に潜んで――&br;って、この状況、怪しいかな?ストーカーっぽい!?)|
|~〇×|あ……。|
|~女性B|きゃあああああ!&br;いおりーん!!|
|~八神庵|……なんだ、この騒ぎは。|
|~女性C|今日も最高のプレイだったよ~~!&br;チョコ、受け取ってぇぇぇ!!|
|~女性D|ねっ私の気持ち、手紙にしたの。貰ってっ!!|
|~女性C|ちょっと、私が先に声かけたのよっ!|
|~八神庵|黙れ……。&br;死にたいのか貴様ら。|
|~〇×|(八神さん、すごい人気……。)|
|~〇×|なんか私、場違いかも。|
|~〇×|(八神さんは受け取ってくれるかも、わからないのに&br;こんなところまで来ちゃって……。)|
|~〇×|(そもそもチョコが好きかどうかも知らない。&br;渡す時、なんて言えばいいのかも……。)|
|~〇×|(あんな場所に出ていけないよ。)|
|~八神庵|……ん?&br;あの女は。|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|(なぜ、あの女があんなところに?)|
|~女性B|いおりーんっ! 好き~~っ!|
|~八神庵|おい……用が済んだ奴はとっとと散れ。|
|~女性C|いおりんってばそっけなく言いつつ優しいんだから~!&br;また次のライブも楽しみにしてる~っ!|
|~八神庵|(やっと帰ったか。)|
|~八神庵|(だがあいつはまだ……。&br;木陰で一体何をやってるんだ?)|
|~ボーカル|おい八神! 俺ら打ち上げしてくけど。&br;どーする?|
|~八神庵|今日は帰る。|
|~ボーカル|そっか、じゃーな。|
|~八神庵|……。|
|~〇×|どうしよう、なんて言えば……。&br;もらってください? その前にお疲れ様です?|
|~八神庵|おい、女。|
|~〇×|わあ!?|
|~八神庵|貴様、こんなところで……何をしている?|
|~〇×|八神さん!&br;ええと、あの……それが……。|
|~八神庵|何をしていると聞いているんだ。|
 
|①|>|CENTER:~散歩中なんです|
|~|~〇×|散歩中なんです。&br;あえて寒い中でするのがいいかなって。|
|~|~八神庵|そうだとしても、こんな時間にか?&br;物好きだな。|
 
|②|>|CENTER:~かくれんぼを少々……|
|~|~〇×|実は、かくれんぼを少々……。&br;なーんて……。|
|~|~八神庵|ひとりでか?&br;おかしな趣味だな。|
 
|~〇×|あはは……。|
|~〇×|(やっぱり、チョコレートなんて渡せない。&br;このまま隠しておこう。)|
|~八神庵|……。&br;貴様、何を持っているんだ?|
|~〇×|えっ……! 八神さん!?|
|~〇×|(チョコレート、見つかっちゃった!)|
|~八神庵|……なんだこの冷たい手は。|
|~〇×|え?|
|~八神庵|……来い。|
|~〇×|えっ、どうしたんですか?&br;八神さん!?|
|~〇×|(……八神さん歩くの早い……!)|
|~八神庵|早く歩け。そのままでは凍えるぞ。|
|~〇×|……あ、ここ少し暖かいですね。|
|~八神庵|ああ、ここは空調が効いている。|
|~八神庵|こっちへ来い。隣に座れ。|
|~〇×|は、はい……!|

#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(……二人でイルミネーションを見れるなんて。&br;今日、来てよかったな。)|
|~〇×|八神さん、ライブはどうでしたか?|
|~八神庵|特に変わりない。&br;前と同じだ。|
|~〇×|それって大成功ってことですよね。&br;それじゃあ……。|
 
|①|>|CENTER:~ライブは楽しかったですか?|
|~|~〇×|ライブは楽しかったですか?&br;いつもステージではクールですけど……。|
|~|~八神庵|フッ……。まあな。|
 
|②|>|CENTER:~演奏の出来はどうでした?|
|~|~〇×|演奏の出来はどうでした?&br;きっと、最高だったんでしょうけど……。|
|~|~八神庵|そこまでわかっているなら、&br;答えはいらないだろう。|
 
|~八神庵|それより、貴様だ。|
|~〇×|え?|
|~八神庵|あそこで何をしていた。&br;先程と同じ返答は認めん。|
|~〇×|(……誤魔化したって、バレてる。&br;ここはもう言うしかないよね。)|
|~〇×|えっと、実は……八神さんに&br;バレンタインのチョコレートを持ってきたんです。|
|~〇×|でも、出てくる時間がわからなかったから、&br;しばらく待つことになっちゃって……。|
|~八神庵|はあ…。|
|~〇×|(お、怒られるのかな……。)|
|~〇×|え……八神、さん……!?|
|~〇×|(抱きしめられてる!?)|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|(八神さん、温かい……。&br;でも、ドキドキして落ち着かないよ。)|
|~〇×|あの、八神さん――|
|~八神庵|寄越してみろ。|
|~〇×|へ?|
|~八神庵|その、バレンタインチョコレートとやらを。|
|~〇×|は……はいっ!|
|~〇×|どうぞ!|
|~八神庵|……器用に包んだものだな。|
|~〇×|う、開けづらくてごめんなさい。&br;特別仕様で張り切りすぎちゃって……。|
|~八神庵|この程度、どうということはない。|
|~八神庵|……?&br;なんだこれは?|
|~〇×|あっ……!&br;チョコ、溶けちゃってる……!|
|~〇×|(猫型になってたのに……。&br;あっ、もしかしてカイロが紙袋に入っちゃった!?)|
|~〇×|(きっとそうだ。木陰にいる時に……。)|
|~〇×|作り直しますっ!&br;だから返して――|
|~八神庵|必要ない。|
|~八神庵|フン……不格好だが、味は悪くない。|
|~八神庵|貴様も食べてみるといい。|
|~〇×|ええっ!?|
|~八神庵|早くしないとねじ込むぞ。|
|~〇×|えっ……そ、そんな……。&br;あ……。|
|~八神庵|ほら。|
|~〇×|……んっ!|
|~〇×|(こんなの、味がわかるわけがない!)|
|~八神庵|……顔が赤いな。&br;まだ寒いか。|
|~〇×|あ、えっと……これは。|
|~八神庵|貴様を送り届けてやろうと思ったが&br;……気が変わった。|
|~〇×|へっ?|
|~八神庵|帰るぞ、×。|
|~八神庵|俺の家で&br;その体、存分に温めてやる。|
 
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#endregion
//----------
 
''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
Episode: ~八神庵編~
|八神庵の部屋――|
|>|八神庵の部屋――|
|~〇×|(あれから……何も話さまいまま、&br;部屋まで来てしまったけど……。)|
|~八神庵|ベースを置いてくる。&br;座っておけ、×。|
|~〇×|は、はい……!|
|~〇×|(八神さんの部屋、初めて来るわけじゃないのに&br;どうしてこんなに緊張するんだろう……。)|
|~〇×|(チョコを食べさせられた時から、&br;心臓がバクバクする……。)|
|~〇×|平常心、平常心……。|
|~八神庵|×。&br;人の部屋で何をぶつぶつと唱えている。|
|~〇×|いえ、その……精神を落ち着けようかと……。|
|~八神庵|訳の分からないことを言うな。|
|~八神庵|勝手を知らない家ではないだろう。|
|~〇×|うっ。そ、そうですね……。|
|~〇×|そういえば、すみませんでした。&br;不格好なチョコレートを押し付けてしまって。|
|~〇×|今度絶対に、リベンジします!|
|~八神庵|貴様がそうしたいならば構わんが……。&br;チョコレートの形など大きな問題ではない。|
|~八神庵|それよりも、貴様があの寒い屋外で&br;立ち尽くしていたことのほうが余程問題だと思うが?|
|~八神庵|その貧弱な体で、無謀な真似をするな。|
|~〇×|はい……。|
|~八神庵|×。|
|~〇×|(……!八神さんの顔が、目の前に……。)|
|~八神庵|貴様は、何が欲しい?|
|~〇×|……!?|
|~八神庵|不格好だろうが何だろうがチョコレートは貰ってやる。&br;その礼に何が欲しいかと聞いている。|
|~〇×|お礼なんてそんな……!&br;渡せるだけで嬉しいです。|
|~八神庵|フン。俺への願いぐらい、&br;素直に口に出したらどうだ。|
|~〇×|(そ、そんなに顔を近づけられたら、&br;何も考えられないです……!)|
|~八神庵|先ほどまでは震えて白かった頬が&br;今は赤く染まっているな。|
|~八神庵|温めてやろうと思ったが、&br;これではその必要もないか?|
|~〇×|やっ、八神さんちょっと待ってくださ――&br;きゃっ!?|
|~八神庵|うっ…………。|
|~〇×|な、何が起こって……。|
|~猫|にゃあ。|
|~〇×|つーちゃん……!?|
|~八神庵|降りろ、ツァラトゥストラ……。|
|~猫|にゃあ!|
|~〇×|あ、はは……。&br;八神さんがかまってくれないから寂しくなっちゃったのかな?|
|~八神庵|チッ……。|
|~八神庵|×、ツァラトゥストラは貴様が抱いていろ。&br;俺は貴様で手一杯だからな。|
 
#endregion
 
-----
 
**血の絆 [#ssr_04]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|京さん、その道を右です!|
|~草薙京|おう!|
|~〇×|(八神さんが暴走したっていう知らせを受けてから&br;……もう1時間は経ったはず。)|
|~草薙京|少しスピードを上げる! 振り落とされないよう&br;しっかりつかまってろよ、マネージャー!|
|~〇×|はい……!|
|~〇×|(……八神さん、別れ際にどうして&br;「もう、ここには来るな」なんて言ったんだろう……。)|
|~〇×|(私が、八神さんを怒らせてしまったから……?)|
|~〇×|(京さんと八神さんの戦いを&br;私が否定してしまったから……?)|
|~〇×|(……ううん、だとしたら謝らなきゃ。&br;せめて、もう一度ちゃんと話がしたい。)|
|~〇×|(どうか無事でいてください、八神さん……!)|
|~草薙京|心配すんな、×。&br;八神の野郎は、オレとK'が必ず正気に戻してやる。|
|~草薙京|あんたを危ない目には絶対遭わせねえ。&br;安全な場所で信じて待ってろ。いいな。|
|~〇×|はい。&br;お願いします、京さん……!|
|>|それから数時間後――|
|~〇×|うん、傷の手当はこれくらいで大丈夫かな。|
|~〇×|(一時はどうなることかと思ったけど&br;なんとか暴走も収まって良かった……。)|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|(八神さん、ぐっすり眠ってる……。&br;すごい戦闘だったし、当然だよね。)|
|~〇×|それにしても、京さん&br;まだ帰ってこないのかな……?|
|~〇×|(さっきから、八神さんが&br;私のひざで寝ちゃってるんだよね……。)|
|~〇×|(むりやり起こすのもかわいそうだけど……この状況を&br;京さんに見られるのも、なんだか恥ずかしいかも……。)|
|~八神庵|…………ん。|
|~〇×|あ、目が覚めましたね。&br;おはようございます、八神さん。|
|~八神庵|……×。|
|~八神庵|この包帯は……貴様が手当てしたのか?|
|~〇×|はい、簡単な応急処置だけですけど。&br;どこか他に痛いところはありませんか?|
|~八神庵|ない、が……。|
|~八神庵|……京はどうした。|
|~〇×|K'さんを追っていきました。本当はお二人とも&br;まだ安静にしてもらいたかったんですが……。|
|~八神庵|……女。|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|死にたいのか、女。|
|~〇×|え……っ?|
|~八神庵|死にたいのかと聞いている。|
|~八神庵|俺はもう来るなと言ったはずだ。&br;顔を見せるなとでも言わないと、わからないのか。|
|~〇×|(八神さん……怒ってる……。)|
 
|①|>|CENTER:~すみません、無謀でした|
|~|~〇×|……すみません、無謀でした。&br;それはわかっているんです。|
|~|~八神庵|……俺の、血の暴走を見ていただろう。&br;近づく者は誰であれ破壊する。それが、この血の呪いだ。|
|~|~八神庵|知人だから傷つけないだろうなどという&br;甘い考えは捨てろ。|
 
|②|>|CENTER:~死にたくはないです|
|~|~〇×|……っ、死にたくは、ないです。|
|~|~〇×|決して、自暴自棄になっているわけじゃないです。&br;自分の命は、自分で守らなきゃと思っています。|
|~|~八神庵|……ならば、何故俺に近寄る。京の護りもなしに。|
|~|~〇×|それは……。|
 
|~〇×|私……てっきり八神さんを怒らせてしまったと&br;思っていたんです。|
|~〇×|八神さんが出て行く直前に……私&br;「京さんと殺し合わずにすめば良いのに」って言いましたよね。|
|~〇×|それが八神さんの逆鱗に触れてしまったと……&br;そう思ったんです。|
|~〇×|(何度も八神さんのところにお邪魔して、お話しして……。br少しは打ち解けたと思っていた。ううん、つもりになっていた。)|
|~〇×|(でも結局私は、八神さんのこと何も知らなかったんだ。)|
|~〇×|京さんも、八神さんと戦うことをやめるのはできないと&br;言っていました。|
|~〇×|お二人には、お二人の事情があるのに……。&br;八神さんの触れられたくない場所に、私が触れてしまった。|
|~〇×|だから、突き放されたと思ったんです。|
|~〇×|だとしたら……ちゃんと謝らないと。&br;そう思って、ここまで来ました。|
|~八神庵|……それが理由か。|
|~〇×|……はい。|
|~八神庵|……馬鹿な女だ。|
#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|俺が貴様を遠ざけたのは、血の暴走から貴様を守るためだ。|
|~八神庵|気に食わない事を言われた程度で、&br;貴様を手放したりなどしない。|
|~〇×|八神さん……。|
|~八神庵|……そもそも、他人のすべてをわかる者などいない。&br;いるとしたら、それはわかったフリをする愚か者だけだ。|
|~八神庵|×。&br;貴様と俺を繋ぐもの、それはなんだ。|
|~〇×|私と八神さんの……繋がりですか?|
|~八神庵|ああ。貴様の考えを言ってみろ。|
 
|①|>|CENTER:~……わかりません|
|~|~〇×|(八神さんとの繋がり……?&br;そういえばなんだろう。)|
|~|~〇×|(強いて言うなら、つーちゃんだけど……。じゃあ私は&br;つーちゃんがいなくなったら、八神さんに会えないの?)|
|~|~〇×|(それは嫌だけど……でも、正解がわからない。)|
|~|~〇×|……すみません、わからないです。|
|~|~八神庵|……謝るな。&br;だが考え続けろ、女。|
 
|②|>|CENTER:~意思、でしょうか|
|~|~〇×|意思、でしょうか。|
|~|~八神庵|ほう。どういう意味だ。|
|~|~〇×|……色々考えてみたんですけど、&br;あまり私と八神さんの共通点ってなくて……。|
|~|~〇×|でもこうして今、八神さんの隣にいるのは&br;私がそばにいたいと願ったからだと思うんです。|
|~|~八神庵|それが貴様の答えか。|
|~|~〇×|はい。|
 
|~八神庵|……貴様と俺を繋ぐものは、理解ではない。&br;理解したところで、常に共に居られるわけではない。|
|~八神庵|もちろん優しさでもないし&br;ましてや、ぬるま湯のような愛でもない。|
|~八神庵|――血だ。&br;血で運命を書き記すその精神に、俺は焦がれる。|
|~八神庵|宿命の輪の中で、血へどを吐きながら&br;もがき続ける者だけが、俺を魅了する。|
|~〇×|(血……って、きっと本当の血液のことじゃないよね。&br;そういう気持ちが大切……ってことなのかな。)|
|~〇×|八神さんの言うことは少し……いえ、すごく難しいです。|
|~〇×|でも、私は八神さんのことを知りたいです。&br;知ろうとすることを諦めたくないです。|
|~八神庵|ああ。|
|~〇×|(八神さんがうなずいてる。間違っているわけじゃなさそう。)|
|~〇×|あの……私からも1ついいですか?|
|~八神庵|なんだ。|
|~〇×|八神さんのこと……もっと伝えてください。&br;何を考え、どんな思いで、何を選択したのか教えてください。|
|~〇×|何も説明されず置いて行かれるのは……私を守るためでも&br;やっぱり悲しいですから。|
|~〇×|たとえ知ることで傷ついても……。&br;私はその傷を、八神さんと分かち合いたいです。|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|……ああ。わかった。|
|~〇×|――あ、風が強くなってきましたね。&br;私、何か羽織るものを取ってきます。|
|~八神庵|――行くな、×。|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_八神庵_血の絆.jpg,zoom,血の絆,259x200);
 
|~八神庵|もう少し、ここにいろ。|
|~〇×|八神さん……?|
|~八神庵|……貴様が、言えと言ったのだぞ。&br;これが俺の……望みだ。|
|~〇×|(もしかして……これが、八神さんなりの謝罪なのかな。)|
|~〇×|わかりました。&br;じゃあ、もう少しだけ……。|
#endregion
//----------
 
''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
Episode:お花見 ~八神庵編~
|~〇×|(帰りが遅くなっちゃった。ちょっと近道しようかな。)|
|~〇×|(こんなところに、桜の木があったんだ。&br;花が月明かりに照らされて、きれいだなあ……。)|
|~〇×|あ……木のそばに、誰かいるみたい。&br;あれは――|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|八神さん、こんばんは。|
|~八神庵|……×、貴様か。&br;こんな時間に何をしている。|
|~〇×|外出先から帰るところです。&br;八神さんは?|
|~八神庵|……桜を眺めていただけだ。|
|~〇×|とてもきれいですよね。&br;眺めていたくなる気持ち、わかります。|
|~〇×|お昼なら、&br;お花見する人たちが集まっていたでしょうね。|
|~八神庵|そうだ。だから昼間は騒がしい……。&br;ゆっくりと見物できたものではない。|
|~〇×|それで夜に……。&br;あ。私、お邪魔してしまいましたか……?|
|~八神庵|……そんなことは言っていない。|
|~〇×|じゃあ、ここでもう少し、&br;一緒に見ていてもいいですか?|
|~八神庵|好きにしろ……。|
|~〇×|ありがとうございます。&br;静かにしていますね。|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|無理に黙っている必要はない。&br;貴様の声は、煩わしいとは思わん。|
|~〇×|そうですか……?&br;なんだか、嬉しいです。|
|~八神庵|何を喜んでいる……おかしな女だ。|
|~八神庵|貴様こそ、道場の連中と花見でもしている方が、&br;楽しいのではないのか?|
|~〇×|八神さんとこうして夜桜を見るのも、&br;楽しいですよ。|
|~八神庵|……やはり、おかしな女だ。|
|~〇×|ふふ……。|
|~〇×|それにしても……陽差しに照らされた桜と、&br;月明かりに照らされた桜って、表情が違いますね。|
|~八神庵|月に照らされる桜の方がいい。|
|~八神庵|冴えた月の光が、&br;夜の静寂と桜の華やかさを引き立たせる……。|
|~〇×|確かに、月明りの中で見る桜って、&br;静かな雰囲気で素敵ですよね。|
|~〇×|(桜もそうだけど、八神さんにも、月が似合うなあ。)|
|~〇×|(冴え冴えとした光に照らされた、凛とした横顔……。&br;目が離せなくなるというか……。)|
|~八神庵|…………おい。|
|~〇×|は、はいっ?|
|~八神庵|貴様……俺を見つめてどうする。|
|~〇×|あっ、す、すみません……!|
|~〇×|あれ……八神さん、少し耳が赤くないですか……?|
|~八神庵|……貴様の見間違いだ。&br;いいから、桜を見ていろ……。|
#endregion
 


**シャッターチャンス [#ssr_05]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|あ、この漢方とかいいかも。&br;こっちでもいいかな……?|
|~八神庵|女……何を見ている。|
|~〇×|えっ、八神さん……!?&br;偶然ですね。お買い物ですか?|
|~|(まさか八神さんと中華街で会えるなんて……!)|
|~八神庵|何を見ていると言ったんだ。|
|~〇×|ええと、漢方を……。&br;みんなのサポートに使えないかと思って。|
|~八神庵|漢方がサポートになるのか?|
|~〇×|体内の調子を整えるのに役立つと思いまして。&br;外側は、みなさん充分に鍛えていますから。|
|~八神庵|なるほど……それは一理あるか。&br;貴様は一人でいても、そんなことを考えているのか。|
|~〇×|最初は普通に買い物をしていたんですが……つい。|
|~八神庵|フン……ついて来い。|
|~〇×|え?|
 
|①|>|CENTER:~一緒に買い物してくれるんですか?|
|~|~〇×|もしかして、一緒に買い物をしてくれるんですか?|
|~|~八神庵|休日まで仕事に時間を割くな。行くぞ。|
 
|②|>|CENTER:~私にご用ですか?|
|~|~〇×|私にご用ですか?&br;もしかして、良い漢方のお店を知っているとか?|
|~|~八神庵|貴様は、黙ってついてくればいい。|
 
|③|>|CENTER:~どうしてですか?|
|~|~〇×|えっと、どうしてですか?|
|~|~八神庵|フン……無理に来いとは言っていない。|
 
|~〇×|じゃあ、急いでお会計を済ませて来ますね。|
|~八神庵|早くしろ。|
|~〇×|お待たせしました――あっ。|
|~|(八神さん、お店の前でずっと待っててくれたんだ。)|
|~八神庵|おい、なにをニヤニヤ笑っている。|
|~〇×|ふふっ。&br;八神さんと一緒にいられるのが、うれしくて。|
|~八神庵|…………。&br;さっさと行くぞ。|
|~〇×|はいっ!|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(さっきからずっと、八神さんと中華街を並んで歩いてる。&br;まるでデートしてるみたい……。)|
|~|あ、八神さん!|
|~|あるフルーツティーのお店、気になりませんか?&br;外観に拘りを感じますね……。|
|~八神庵|くだらん。|
|~〇×|(行っちゃった。でも気になるなあ……。)|
|~八神庵|……貴様、飲みたいのか?|
|~〇×|い、いえ、大丈夫です。興味はありますけど……。|
|~|(一人で飲んでも、きっとつまらないし。)|
|~|あ、でも、フルーツティーも体にいいものがあるから……。&br;もしかしたら強くなれるヒントがあるかも?|
|~八神庵|……入るぞ。|
|~〇×|え?|
|~八神庵|強くなるヒントがあるなら、見つけてみせろ。&br;付き合ってやる。|
|~〇×|あ……ありがとうございます!|
|>| |
|~〇×|わぁ、色んな種類の商品があるんですね。&br;どれも可愛くて迷っちゃいます!|
|~八神庵|フン。飲み物に可愛さなど必要ないだろう。&br;強くなれるヒントを探すじゃなかったのか?|
|~〇×|そ、そうでした。じゃあこのアップルティーでしょうか。&br;疲労回復にはリンゴが良いって言いますし。|
|~|あ!でも、オレンジも代謝を良くする効果があるんでしたっけ。&br;うーん、悩むなあ……。|
|~八神庵|だったらこれにしたらどうだ?|
|~〇×|『スペシャルフルーツティー』……。&br;いいですね!これなら色んな種類の果物が楽しめそうです。|
|~|八神さんもそれにしますか?|
|~八神庵|……ああ。|
|~〇×|わかりました!&br;すみません、スペシャルフルーツティーを2つください。|
|~店員|かしこまりました。|
|~|こちらの商品ですね。気を付けてお持ちください。|
|~〇×|ありがとうございます。えっと、お財布……。|
|~八神庵|代金ならこれで足りるだろう。|
|~〇×|え……!?&br;そんな、私が――|
|~八神庵|行くぞ。|
|~〇×|八神さん……。ありがとうございます。|
|~八神庵|……想像よりも悪くない。|
|~〇×|そうですね。&br;フルーツの酸味が上手くマッチしてるのかもしれません。|
|~|(それにしても、フルーツティーと八神さんの組み合わせって&br;なんだか可愛い……。)|
|~八神庵|……何をぼーっとしている。|
|~〇×|あ、あの、&br;せっかくだから記念撮影しませんか!?|
|~八神庵|――何?|
|~〇×|こっち見てください。|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_八神庵_シャッターチャンス1.jpg,zoom,シャッターチャンス,259x200);
 
|~八神庵 |やめろ。勝手に写真を撮るな。|
|~|一体なんの記念だ。|
|~〇×|八神さんとフルーツティーのお店に来た記念です。|
|~八神庵|断る。|
|~〇×|1枚だけですから!|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|お願いします……。|
|~八神庵|……さっさとしろ。|
|~八神庵|……何が楽しいんだ。|
|~〇×|(はっ……!&br;ついテンションが上げって……やりすぎちゃったかな?)|
|~|すみません……。怒ってますか?|
|~八神庵|怒っているなら、とっくにそのスマホを取り上げている。|
|~〇×|良かった……!&br;八神さんの貴重な写真、宝物にしますね。|
|~八神庵|…………。&br;写真を眺めるくらいなら、また出かければいいだけの話だ。|
|~〇×|えっ、いいんですか?|
|~八神庵|まあ、退屈しのぎにはなるしな。|
#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|さっきからいい香りがしてきますね。&br;せっかくの中華街ですから、食べ歩きしませんか?|
|~八神庵|ああ。|
|~〇×|それなら、あそこの屋台なんかどうですか?&br;豚まんやちまきが売られてるみたいですよ!|
|~|……いい香りを嗅いでたら、&br;ものすごくお腹が空いて来ちゃいました。|
|~八神庵|ふっ、そういう顔をしている。|
|~〇×|えっ……?|
|~八神庵|腹を空かせたときのツァラトゥストラと同じだ。|
|~〇×|(つーちゃんと一緒は、ちょっと恥ずかしいかも……。)|
|~八神庵|行くぞ。&br;その腹を満たしにな。|
|~〇×|豚角煮まん、すごく柔らかくて美味しいですね。|
|~八神庵|たまになら、こういうのもいい。&br;……貴様は食べるのが遅いな。|
|~〇×|え、八神さんもう食べ終わってる!?|
|~八神庵|食べながらフラフラとしているからだ。|
|~〇×|フラフラなんて……。|
|~八神庵|喋ったり、俺を見たり、店を見たりと忙しない。|
|~〇×|(……興味津々で色んなものを見てるってバレちゃってる。&br;でも、八神さん楽しそう?)|
|~|あの……八神さん。&br;今日は付き合ってくれてありがとうございました。|
|~八神庵|フン……こういう日も悪くない。|
|~〇×|八神さん……。&br;……ふふっ、なんだか嬉しいです。|
|~八神庵|気が済んだなら、行くぞ。|
|~〇×|(あ、もう帰っちゃうんだ。)|
|~八神庵|なんだ、まだ一緒にいたいのか?|
|~〇×|えっと……できれば、一緒にいたいです。|
|~八神庵|ならば……ツァラトゥストラを見に来るか?|
#endregion
 


-----
**粋BODY [#SSR06]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|――それで、今日は何の用だ?|
|~〇×|八神さんにお仕事のオファーが来ていて、&br;その話をしに来ました。|
|~〇×|女性向け雑誌の企画で、ぜひ撮影とインタビューを&br;させてほしいとのことです。|
|~〇×|(本当は京さんも一緒だけど……今は言わない方がいいよね。)|
|~八神庵|くだらんな、そんなことに付き合っている暇はない。|
|~〇×|(う...やっぱり一筋縄じゃいかなさそう……。)|
|~〇×|で、でも企画された編集者の方が、どうしても&br;八神さんがいいって仰ってるんです。|
|~〇×|少し考えてみてくれませんか?|
|~八神庵|考えようが考えまいが、同じことだ。&br;話はそれだけか?|
|~〇×|は、はい……。|
|~〇×|(編集者さん、八神さんにどうしてもって言ってたし、&br;このまま引き下がるわけにもいかないけど……。)|
|~八神庵|おい、まだいるつもりか?|
|~〇×|あ、すみません……。お忙しいですよね。|
|~八神庵|……俺はこれからペースの練習をする。&br;そこにいたいなら勝手にすればいい。|
|~〇×|えっ、いいんですか?&br;……じゃあ、お言葉に甘えて……。|
|~八神庵|……。|
|~〇×|(情熱的で激しい曲……。&br;八神さんのペースを聞くの、久しぶりかも……。|
|~〇×|(初めてライブに行った時を思い出すな……。&br;会場の熱狂と八神さんの人気にびっくりしたんだよね……。)|
|~〇×|やっぱり格好いいな……。|
|~八神庵|……貴様は俺がベースを弾いているのが好きなのか。|
|~〇×|え? あっ、すみません!&br;声に出すつもりはなかったんですけど……。|
|~〇×|ペースを弾いているところが好きというか、&br;ペースを弾いているところもやっぱり格好いいなと思って。|
|~八神庵|……そうか。|
|~〇×|改めて見せてもらって、初めてライブに行った時のことを&br;思い出しました。|
|~〇×|あのライブに行かなかったら、八神さんがベースを弾くことも&br;知らないままだったんですよね。|
|~八神庵|だろうな。だが、知らなくともどうということはない。|
|~〇×|それはそうかもしれませんけど……。&br;私は、八神さんの新しい一面が知れて嬉しかったです。|
|~〇×|八神さんが思っている以上に、八神さんを知りたいと&br;思っている人はたくさんいると思います。|
|~〇×|それこそ、雑誌にインタビュー記事や写真が載ってたら、&br;読みたいですよ。|
|~八神庵|……その話は先ほど断ったばかりだろう。&br;貴様もなかなかしぶとい女だな。|
|~〇×|やっぱり……ダメ、ですか?|
|~八神庵|………………ぐっ。&br;はぁ、今回だけだ。|
|~〇×|本当ですか! ありがとうございます!|
|~草薙京|ここがスタジオか。|
|~〇×|そうみたいですね。|
|~編集者|草薙さん! お越しいただきありがとうございます。&br;今日はよろしくお願いします!|
|~草薙京|おう。こっちこそ、よろしく――|
|~八神庵|その声は……やはり、京!!!|
|~草薙京|げっ、八神!&br;なんでてめえがここにいるんだよ!?|
|~八神庵|フハハハハ! 感謝するぞ、女。&br;撮影とインタビューなどくだらんと思っていたが――|
|~八神庵|京がいるなら話は別だ!|
|~草薙京|はぁ!? どういうことだよマネージャー!?|
|~〇×|(八神さんが引き受けてくれたことに安心して、&br;おふたりに一緒に撮影だって伝えるの忘れてた!)|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|じ、実は八神さんにも依頼が来てまして……。&br;私が説得を……。|
|~草薙京|おいおい、聞いてねえぞ!|
|~八神庵|ここが貴様の墓場だ、京! 死ね!|
|~〇×|や、やめてください八神さん!|
|~編集者|落ち着いてください!&br;撮影がありますので、今ここで戦うのは……!|
|~八神庵|知ったことか! 今すぐ殺させろ!|
|~草薙京|おい、ちょっとは頭を働かせろよ。&br;こんなとこで暴れたら、どうなるかくらいわかんだろ。|
|~〇×|お願いします、八神さん……!|
|~八神庵|ぐっ……。|
|~八神庵|……フン、仕方あるまい。&br;今はその時ではないということか。|
|~草薙京|そういうことだ。&br;撮影が終わるまで大人しくしてな。|
|~八神庵|これが終わったら覚悟しておけ、京。|
|~草薙京|頼むから、インタビューはこいつと別にしてくれよな……。|
|~カメラマン|それでは草薙さん、八神さん、&br;こちらに視線お願いしまーす!|
|~〇×|(うわぁ……。『粋BODY特集』とは聞いてたけど、&br;撮影も大胆だな……。)|
|~〇×|(服を濡らしてると、普段隠れてる筋肉とか&br;体の凹凸がよくわかる……。)|
|~〇×|(なんだか、見ちゃいけないものを見てるみたいで&br;ドキドキする……!)|
|~カメラマン|少し視線外しましょうか。&br;顔の向きはそのままで、マネージャーさんの方を見てください。|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|(っ! 八神さんの視線、すごく真剣……。&br;なんだか顔まで熱くなってきちゃったな……。)|
|~カメラマン|はい、OKです! 一旦確認入りまーす!|
|~編集者|八神さんたちも確認お願いします。&br;気に入った写真があれば、ぜひ教えていただきたいです。|
|~八神庵|…….俺には、どれも同じに見えるが。&br;女、貴様が選べ。|
|~〇×|私ですか!? そ、そうですね……。&br;どれも素敵ですけど、強いて言えばこれでしょうか?|
 
|①|>|CENTER:~体がきれいに見えるので|
|~|~〇×|これが一番、体がきれいに見えます。&br;特集の内容にも合っているかと……。|
|~|~八神庵|そうか。ならば、それにしろ。|
 
|②|>|CENTER:~格好良く写っているので|
|~|~〇×|この八神さんが一番、格好良く見えると思います。|
|~|~八神庵|……フン、貴様が気に入ったなら、&br;そうなのだろう。|
 
|~編集者|じゃあ、お墨付きのこの1枚も掲載させていただきますね。|
|~編集者|あとはいくつかポージングをお願いしたいので、&br;引き続きよろしくお願いします!|
|~八神庵|まだあるのか。|
|~〇×|あと少しなので、頑張ってください八神さん!|
|~八神庵|……仕方ない。|
 
#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(一時はどうなることかと思ったけど、撮影は無事に終わったし、&br;インタビューはふたり別々だし一安心かな……。)|
|~〇×|(八神さんも真面目に答えてくれてるみたい。)|
|~インタビュアー|ちなみに、異性の体で「ここに惹かれる」という&br;ポイントはありますか?|
|~八神庵|手……か? 惹かれるというよりは、&br;自分との差を感じる部位だ。|
|~八神庵|あの女の手に触れた時……あんな小さな手で、&br;運命に立ち向かってきたのかと感じた。|
|~〇×|(っ! それって……。)|
|~インタビュアー|それでは逆に、ご自身の体の中で一番のお気に入りはどこですか?|
|~八神庵|……それも手だな。指が長いとベースを弾くのには楽だろう。&br;あの女もよく俺の手を触りたがる。綺麗だ、と言っていたな。|
|~八神庵|そう思ったことはないが……不思議な女だ。|
|~〇×|(っ……八神さんがこっちを見て……。&br;なんだか照れくさいな……。)|
|~インタビュアー|――それでは、インタビューは以上です。&br;本日はありがとうございました。|
|~八神庵|フン、俺は京を殺しに行く。|
|~〇×|あ、八神さん..... !|
|~〇×|ま、待ってください八神さん!|
|~八神庵|なんだ、インタビューとやらはもう終わっただろう。|
|~〇×|そうなんですが、最後にお礼を言おうと思って。&br;今日はありがとうございました。|
|~八神庵|礼は必要ない。&br;……それより、貴様の満足いく結果だったのか。|
|~〇×|え?|
|~八神庵|貴様が読みたいと言ったのだろう。&br;俺が載っている雑誌を。|
|~〇×|(それって……私のためにこのオファーを&br;受けてくれたってこと?)|
 
|①|>|CENTER:~発売を楽しみにしてます!|
|~|~〇×|はい! 絶対いい雑誌になると思います。&br;今から発売が楽しみです!|
|~|~八神庵|そうか。……貴様は本当に不思議な女だな。|
|~|~八神庵|俺には良し悪しはわからん。&br;が、貴様が良いと言うならば、俺はそれでいい。|
 
|②|>|CENTER:~みんなも喜ぶと思います!|
|~|~〇×|もちろんです! 私も八神さんのファンの方々も&br;みなさん喜ぶ仕上がりになりそうです。|
|~|~八神庵|……そうか。&br;まぁ、元から俺は雑誌などどうでもいいがな。|
 
|~八神庵|貴様はもう帰るのか?|
|~〇×|はい、スタッフさんたちに挨拶をしたら帰ります。|
|~八神庵|それなら、さっさと済ませて来い。|
|~〇×|え……一緒に帰ってもいいんですか?|
|~八神庵|俺は京を殺しに行く。&br;行き先は貴様が帰る方向と同じだろう。|
|~〇×|(京さんを殺すのはやめてほしいけど……。&br;一緒に帰ってもらえるのは嬉しいな。)|
|~〇×|ありがとうございます!&br;じゃあ、すぐ戻ります!|
|~八神庵|……ああ。|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_八神庵_粋BODY.jpg,zoom,粋BODY,259x200);
 
#endregion

 
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**旅LOG! [#SSR07]
''1話''
#region(ネタバレ注意)

|~〇×|フライト時間長かったですね。&br;ホテルは車でここから10分だそうです。|
|~八神庵|まずはタクシーを捕まえるべきだな。&br;いくぞ。|
|~〇×|はい。|
|~〇×|(まさか、八神さんと一緒に &br;イタリア旅行に来られるなんて思わなかったな……。|
|~〇×|(一等の旅行券が当たった時はビックリしたけど、&br;勇気を出して、誘ってみて良かった!)|
|~八神庵|……何を見ている。|
|~〇×|あ、いえ……! なんでもないです。|
|~〇×|(旅行が決まってずっとソワソワしてたから、 &br;挙動不審に思われてないといいけど……。)|
|~〇×|ん……?|
|~〇×|(あ! あれってピザ回しだよね! &br;すごい、生地が破れたりしないのかな。)|
|~八神庵|おい、あまり俺から離れるな。&br;こんなところで迷子になられると厄介だ。|
|~〇×|あ、すみません……! &br;お店の窓からピザ回しが見えたので、見入ってしまって。|
|~八神庵|……あれが気になるのか?|
|~〇×|気になるというか、テレビでしか見たことなかったので、&br;こうやって見るとイタリアに来たんだなって実感しちゃって。|
|~〇×|本当にああやって作るんですね。すごいなあ……|
|~八神庵|あれは貴様のような者の足を止めるための &br;パフォーマンスだろう。店の策だな。|
|~〇×|う、確かにそうかもしれませんが……。|
|~八神庵|……店に入らないのか?|
|~〇×|え?|
|~八神庵|あえて策に嵌まるということなら、&br;一緒に入ってやらんこともない。|
|~八神庵|それに、飯を食うにもちょうど良い時間だろう。&br;ホテルまで急ぐこともないしな。|
|~〇×|わぁ、ありがとうございます! &br;じゃあ、入りましょう。|
|~〇×|先にシャワーお借りしました。 &br;八神さん、次、どうぞ。|
|~八神庵|ああ。|
|~〇×|(今日は私の行きたいところばかり行ってしまったけど、&br;八神さんは楽しんでくれてたのかな……。)|
|~〇×|楽しんでくれてたら、いいな……。 &br;……明日もあるし、早めに寝よう。|
|~〇×|……ベッド、どっちが良いとかあるかな? &br;八神さんはあまり気にするタイプじゃなさそうだけど……。|
|~〇×|(というか、このツインベッド、なんだか近くない? &br;き、気のせいかな……?)|
|~八神庵|そんなところに突っ立ってどうした?|
|~〇×|あ、八神さん! &br;えっと、あの、その……。|
|~八神庵|せっかく風呂に入ったのに、そうしていては体が冷める。&br;さっさと寝ろ。明日もあるからな。|
|~〇×|あ、はい。おやすみなさい。|
|~八神庵|ああ。……おやすみ。|

#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|ふわぁ〜。朝だ……。|
|~〇×|(昨日は隣に八神さんが寝てるんだって意識したら、&br;なかなか寝付けなかった……。)|
|~〇×|八神さん、もう起きてるかな……。&br;……あれ、いない!?|
|~〇×|八神さん……? 八神さーん……。&br;……どこにもいないみたい。|
|~〇×|どこに行っちゃったんだろう……?|
 
|①|>|CENTER:~探しにいこう|
|~|~〇×|探しに行った方がいいかな。&br;ええと、まずは着替えて……。|
|~|~八神庵|起きていたか。&br;……何をそんなに慌てている?|
|~|~〇×|八神さん! 起きたらいないので探しに行こうかと……。&br;|
|~|~八神庵|……そうか。起こさないように外に出たつもりだったが、&br;かえって良くなかったな。|
 
|②|>|CENTER:~ここで待っていよう|
|~|~〇×|待っていたら、帰ってくるよね。&br;とりあえず、着替えておこう。|
|~|~八神庵|起きていたか。|
|~|~〇×|あ、八神さん! 良かった……。&br;起きたらいなかったので、ビックリしました。|
|~|~八神庵|……そうか、驚かせたな。|
 
|~八神庵|俺はただ、コーヒーを買いに行っていただけだ。|
|~〇×|なんだ、そうだったんですね。&br;帰ってきてくれて、安心しました。|
|~八神庵|そんなに不安がらずとも、貴様を置いていくはずがないだろう。&br;ほら、貴様の分のカプチーノとブリオッシュだ。|
|~八神庵|何が良いかわからなかったから、&br;店員の勧めるものを買ってきた。|
|~〇×|いいんですか? ありがとうございます! &br;嬉しいです。|
|~〇×|でも、なんだか昨日から八神さんばかりに気を遣わせて &br;しまっていますね……。|
|~〇×|もし八神さんが気になる場所とかお店があったら、&br;遠慮せず言ってくださいね!|
|~八神庵|別に、俺は構わん。&br;貴様は自分のしたいことを優先していれば良い。|
|~〇×|で、でも……。|
|~八神庵|貴様の行く場所が、俺の行く場所だ。&br;同じ旅路に就くからには、当然そうなる。|
|~〇×|それなら、八神さんの行きたい場所は私の行きたい場所です。&br;一緒に行かせてください。|
|~八神庵|……フ。考えておこう。|
|~〇×|はい!|
|~八神庵|今日は列車に乗って、ベネチアまで行く予定だな。|
|~〇×|はい。いくつか乗り継ぎがあるので、&br;早めに出ましょう。|

#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|わぁ、大きな運河……。それに細い水路が続いてますね。&br;さすが、水の都って呼ばれているだけあります。|
|~八神庵|ああ……。悪くない景色だ。|
|~〇×|(八神さんもこの景色を楽しんでるみたい。&br;しばらくここで眺めていよう。)|
|~八神庵|船を漕いでる奴がいるな……。|
|~〇×|あれはゴンドラですね。ベネチアの観光名物の一つです。|
|~〇×|ベネチアでは車が走れないから、代わりに水上タクシーが &br;利用されているそうですよ。|
|~八神庵|ほう、そうか……。|
|~〇×|(もしかして、ゴンドラに興味があるのかな? &br;私も乗ってみたかったし、声を掛けてみよう。)|
 
|①|>|CENTER:~興味があるんですか?|
|~|~〇×|もしかして、ゴンドラに興味があるんですか?|
|~|~八神庵|興味……? いや、ない。|
|~|~八神庵|だが、あれがここの名物というならば、&br;貴様が乗りたいのではないかと思っただけだ。|
|~|~〇×|はい、乗りたいです。&br;八神さんもそう思っていたらいいなって思って……|
 
|②|>|CENTER:~乗っても良いですか?|
|~|~〇×|私、ゴンドラに乗ってみたかったんです。&br;良かったら、乗ってみませんか?|
|~|~八神庵|貴様がそうしたいならすれば良いと &br;今朝言っただろう。|
 
|~八神庵|いくぞ。|
|~〇×|(ゴンドラって結構小さいんだな……。)|
|~八神庵|手を出せ。乗る際にかなり揺れる。|
|~〇×|はい、ありがとうございます。&br;……わっ!|
|~八神庵|!……揺れると先に言っただろう。|
|~〇×|す、すみません……。|
|~〇×|(だ、抱き留められちゃった……。)|
|~八神庵|…… どうかしたのか?|
|~〇×|い、いえ、なんでもないです……!|
|~〇×|わぁ、地上から見る景色とは全然違いますね!|
|~八神庵|ああ、そうだな。|
|~〇×|(……八神さんもちょっと楽しそうな顔してる……? &br;良かった!)|
|~八神庵|景色を見上げるのも良いが、&br;水面に映るものを堪能するのも、悪くない。|
|~〇×|水面……こうしてみると鏡みたいで、&br;私と八神さんが映ってますね。|
|~八神庵|……ああ。|
|~八神庵|×、もっとそばに寄れ。|
|~〇×|(わっ、肩を抱き寄せられて……。)|
|~〇×|や、八神さん!?|
|~八神庵|さっきのように揺れて、貴様が落ちるのは困る。&br;風邪を引かれては旅行の続きが出来んからな。|
|~〇×|あ、ありがとうございます。|
|~〇×|(ちょっと強引だけど、やっぱり優しいな。&br;触れる肩が温かい……。)|
|~〇×|(なるべく長く、こうしていられたらいいな……。)|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_八神庵_旅LOG!.jpg,zoom,旅LOG!,259x200);
 
#endregion
 
-----
**鶴寿千歳 [#SSR08]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>| |
|~||
|~||
|~||
|~|&br;|
 
|①|>|CENTER:~選択肢1|
|~|~||
|~|~||
 
|②|>|CENTER:~選択肢2|
|~|~||
|~|~||
 
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|>| |
|~||
|~||
|~||
|~|&br;|
 
|①|>|CENTER:~選択肢1|
|~|~||
|~|~||
 
|②|>|CENTER:~選択肢2|
|~|~||
|~|~||
 
#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|>| |
|~||
|~||
|~||
|~|&br;|
 
|①|>|CENTER:~選択肢1|
|~|~||
|~|~||
 
|②|>|CENTER:~選択肢2|
|~|~||
|~|~||
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_八神庵_鶴寿千歳.jpg,zoom,鶴寿千歳,259x200);
 
#endregion
 
-----
*SR [#SR_story]
**因縁の蒼い炎 [#SR01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(さて、買い物も終わったし、そろそろ帰ろかな。)|
|~|(――あれ?このお店……。&br;もしかして、八神さんがつけてるアクセサリーの?)|
|~???|おい女、そこで何をしている。|
|~〇×|や、八神さん!?どうしてここに?|
|~八神庵|俺のことはいい。&br;貴様がここで何をしているのか、聞いているんだ。|
|~〇×|(う……八神さんのつけてるブランドだから見てたんだけど、&br;迫力がすごくて言いづらい……。)|
|~|その、ここのお店が、ちょっと気になって……。|
|~八神庵|気になるなら、さっさと入ればいいだろう。|
|~〇×|え?ええと……そうなんですけど、私は……。|
|~八神庵|フン……ついて来い。|
|~〇×|え?ちょ、ちょっと八神さん、待ってください。|
|~|(追いかけなきゃ……!)|
|~〇×|(わあ……格好いいメンズアクセサリーばっかり。&br;どれも、八神さんに似合いそう。)|
|~八神庵|来たか、こっちだ。|
|~〇×|あ、八神さん、待ってください。|
|~八神庵|おい、ここを見ろ。|
|~〇×|え?えっと……。|
|~八神庵|レディースは、このショーケースだ。|
|~〇×|は、はい。ありがとうございます……。|
|~八神庵|おい、どうするんだ?|
|~〇×|ど……どれも可愛いですね……!|
|~|(うーん……さっきから、私と八神さん、&br;ちゃんと意思の疎通ができていないような……。)|
|~八神庵|……ここじゃなかったのか。&br;だったら2階だ。ついて来い。|
|~〇×|は、はい……!|
|~|(あれ?2階に展示されてるのって……、&br;もしかして、アクセサリーと同じブランドの家具?)|
|~|すごく格好いい家具ですね!|
|~八神庵|フン、当然だ。|
|~〇×|八神さんのおうちは、ここの家具を置いてるんですか?|
|~八神庵|ああ。俺の趣味に合うからな。|
|~〇×|(うん。すごく八神さんっぽい……!)|
|~店員|お客様、こちらいかがでしょうか?&br;よろしければ。ご案内いたします――|
|~八神庵|構うな。見ているだけだ。|
|~店員|は、はい……!|
|~〇×|(や、八神さんの迫力に、&br;店員さんもびっくりして行っちゃった……。)|
|~|八神さんは買わないんですか?|
|~八神庵|今日は買う予定がない。|
|~〇×|(そうだよね。家具とかそうそう買わないだろうし。)|
|~|そうなんですか。でも、見てるだけで楽しいですね。&br;ここの家具、どれも格好いい感じなのに、上品だし。|
|~八神庵|……フン。貴様にも、良さがわかるようだな。&br;構わん。ゆっくり見て行け。|
|~〇×|はい。ありがとうございます。|
|~|(なぜか、八神さんとお店を見ることになっちゃったけど、&br;ふたりでこうしてるのも、楽しいかも。)|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(さっきのお店、すごく格好良かったな。)|
|~八神庵|貴様、欲しいものがあったんじゃないのか?|
|~〇×|い、いえ、私は何も……。|
|~八神庵|……なら、何故あの店の前で、入りづらそうにしてたんだ。|
|~〇×|い、いえ、入りづらかったわけじゃなくて、&br;八神さんのアクセサリーだなって、見てただけなんです。|
|~八神庵|なんだと?&br;何故、俺が使ってると知っている?|
|~〇×|八神さんのインタビュー記事に、載ってたんです。&br;格好いいアクセサリーだなって思ったから、覚えてて。|
|~八神庵|ああ、なるほどな。|
|~〇×|あ、あの……もしかして、私がお店に入れるようにって、&br;連れて行ってくれたんですか?|
|~八神庵|……フン。&br;それより、あの店はどうだった?|
 
|①|>|CENTER:~ゴツいですね|
|~|~〇×|そうですね……どれもすごくゴツくて、&br;格好いいなっておもいました。|
|~|~八神庵|そうか。良さを感じられるなら、&br;貴様、見る目があるかもしれないな。|
 
|②|>|CENTER:~繊細ですね|
|~|~〇×|そうですね……格好良くて、男らしい感じなのに、&br;どれも作りが繊細で、素敵だなって思いました。|
|~|~八神庵|……フン、悪くない答えだ。&br;貴様、なかなか見る目がある。|
 
|~〇×|(ほ……褒められた……?)|
|~八神庵|では次だ。さっさと来い。|
|~〇×|え?今度はどこに?&br;……って、八神さん、待ってください!|
|~八神庵|着いたぞ。どの店がいいんだ?|
|~〇×|え?着いたって……。&br;ファッションビルの裏口……?|
|~八神庵|付き合ってやる。&br;早く行きたい店を言え。|
|~〇×|あの、このビルには来たことがなくて、&br;どんなお店があるのか、よくわからないです。|
|~八神庵|……貴様、ファッションに興味がないのか?|
|~〇×|い、いえ、そういうわけではないんですけど、&br;八神さんみたいには、詳しくないと思います。|
|~八神庵|……そうか。それなら俺が見立ててやるから、&br;普段どんな服を買っているのか、言え。|
|~〇×|え?私の服を選んでくれるんですか?|
|~八神庵|貴様、買うためにフラフラしていたんじゃないのか?|
|~〇×|(あ、そうか!八神さん、私が買い物中だと思ってるんだ!)|
|~|お気遣いありがとうございます。&br;でも、服やアクセサリーを買いに来てたんじゃないんです。|
|~八神庵|なんだと?……それを先に言え。|
|~〇×|すみません……!&br;買い物に付き合ってくれようとしてたのに……。|
|~八神庵|フン……そんな顔をされては、怒る気にもならん。|
|~|それに、ひとりで立ってる貴様を、&br;そのままにできなかったのは、俺だからな。|
|~|それで、貴様は本当に、どこへ行くつもりだったんだ?|
|~〇×|お買い物が終わったので、&br;もう帰ろうかなって、思ってたところだったんです。|
|~八神庵|帰るのか……それなら、こっちの方向だな。|
|~〇×|え、八神さん、そっちは逆じゃ――|
|~八神庵|道場に帰るんだろう?ついて来い。|
|~〇×|……道場まで送ってくれるんですか?|
|~八神庵|……不満か?|
|~〇×|そ、そんなはずないです!&br;ありがとうございます。|
|~八神庵|フン、貴様のような呑気な女、&br;目を離して、何かあったらたまらんからな。|
#endregion
 



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**すぐ楽にしてやる [#SR02]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~矢吹真吾|うーん!&br;やっぱり、×さんのメシは、美味いっすね!|
|~テリー・ボガード|ああ。しかも毎日これが食べられるんだから、最高だな。|
|~アンディ・ボガード|兄さん、そうは言っても、体重管理も格闘家の務めだからね。&br;食べすぎには気を付けてよ。|
|~草薙京|食った分動けば問題ねえだろ。|
|~〇×(主人公)|そうですよ。みなさん、おかわりたくさんありますし、&br;遠慮なく食べてくださいね。|
|~|(――って、あれ?窓の向こうに人影が見える。&br;……玄関のほうに立ってるのは、もしかして、八神さん?)|
|~|あ、あの、ちょっと用事を思いでしたので、行って来ます。|
|>| |
|~〇×|あ、大門さん。&br;さっき、八神さん来られてませんでしたか?|
|~大門五郎|ああ。どうもおぬしに用があったようなのだが、&br;京たちと昼飯の最中だと言ったら、帰ってしまってな。|
|~〇×|そうなんですか。&br;じゃあ私、追いかけてみます。|
|~大門五郎|そうか。&br;急げば追いつくと思うぞ。気を付けて行ってこい。|
|~〇×|――八神さん、待ってください!|
|~八神庵|……貴様か。何の用だ?|
|~〇×|大門さんから、八神さんが私を訪ねて来たって聞いて……。|
|~八神庵|野暮用で寄っただけだ。それに、ヤツの食事中を襲うなど、&br;姑息な真似はできないからな。|
|~〇×|でも、せっかくだから、母屋まで来てくれたらなって……。&br;たまには道場で、八神さんとゆっくりお話したいですし。|
|~八神庵|そんなに俺と話がしたいのか。&br;だったら、貴様があの道場を出ればいいだろう?|
|~〇×|え?出るって……道場に住むのをやめるってことですか?|
|~八神庵|ああ。なんなら、俺が住む場所くらい世話してやってもいい。|
|~〇×|(す、住む場所をって……ええっ……!)|
|~|す……すみません。道場には、住み込みのお仕事で居るので、&br;引っ越しは……!|
|~八神庵|貴様、俺の申し出を断るほど、&br;今の仕事が気に入っているのか?|
 
|①|>|CENTER:~自分で契約したから|
|~|~〇×|それもありますけど、住み込みの契約をしたのは自分だし、&br;破るようなことはしたくなくて……。|
|~|~八神庵|フン、義務感か……。&br;自らあの道場に、縛られることもないだろうにな。|

 
|②|>|CENTER:~すごく楽しいです|
|~|~〇×|そうですね。道場のみなさんも優しいし、&br;毎日いろいろなことがあるし、すごく楽しいんです。|
|~|~八神庵|楽しい、か。&br;騒がしい連中に、囲まれているだけに見えるがな……。|
 
|~八神庵|……まあ、貴様がそう言うならいい。&br;どうせ、俺も京を倒しに行くからな。|
|~〇×|え?それって、どういう意味ですか?|
|~八神庵|さあな……少しは、自分で考えたらどうだ。|
|~〇×|(……会いに来てくれるってことかな?)|
|~八神庵|――全く、貴様は鈍すぎる。|
|~〇×|そ、そんなことない……です……。|
|~八神庵|そんな顔をするな。&br;これをやるから、機嫌を直せ。|
|~〇×|え?これって……チケット?|
|~八神庵|俺のバンドのライブチケットだ。&br;……貴様も、たまには聴きに来い。|
|~〇×|え、いいんですか?ありがとうございます!|
|~|(もしかして、八神さんが道場に来たのって、&br;私にチケットを渡すため……?)|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|テリーさん、今日は付き合ってくれてありがとうございます。&br;私、こういう場所は慣れてないから、助かりました。|
|~テリー・ボガード|いや、俺も、ちょうど息抜きしたいと思ってたんだ。&br;誘ってもらえて嬉しいよ。|
|~|もうすぐ八神のライブの時間だな。&br;どんな音が聞けるか、すごく楽しみだ。|
|~〇×|はい、私も楽しみです。|
|~テリー・ボガード|――おっと、照明が落ちた。始まるぜ。|
|~〇×|(わあ……どの曲もすごく激しい曲だなあ。&br;なんだか、圧倒されちゃう。)|
|~テリー・ボガード|八神、最高のパフォーマンスだな。&br;この後の曲も期待できそうだ。|
|~〇×|はい……!|
|~アナウンス|――続いては、今夜だけの特別な一曲です。&br;セッティングをお待ちください。|
|~〇×|(特別な曲……?)|
|~テリー・ボガード|――なんだ?八神のやつ、マイクの前に立ったな。&br;あいつが歌うのか?|
|~〇×|……そうみたいです。&br;特別な曲って、そういうことなんでしょうか。|
|~|(八神さんが歌うのか……。&br;なんでだろう、聴く私のほうがドキドキしちゃうな……。)|
|~|(あれ?この曲、さっきまでの激しい曲と全然違う。&br;落ち着いてて、ちょっと切なくなるメロディ……。)|
|~テリー・ボガード|……へえ。これは、アメリカの有名アーティストの曲だな。|
|~〇×|メロディがすごく素敵ですね……。&br;だけど、英語の歌詞なので内容がわからなくて残念……。|
|~テリー・ボガード|そうか……それは残念だ。&br;せっかく八神が×の前で、この曲を歌ったのにな。|
|~〇×|あの、八神さんが歌ってる歌、どんな歌詞なんですか?|
|~テリー・ボガード|うーん、教えてはあげたいんだが……。&br;この歌詞は、自分で調べたほうがいい。|
|~〇×|そうなんですか?|
|~テリー・ボガード|ああ。八神もそうだと思うぜ。|
|~〇×|(どんな意味の歌詞なんだろう……。)|
|~テリー・ボガード|さてと、今日はもうお開きみたいだな。&br;俺は先に帰るから、×は八神に送ってもらってくれ。|
|~〇×|え?一緒に帰らないんですか?|
|~テリー・ボガード|そうだな……さっきの八神の歌を聞いて&br;あんたらの間に入るほど、俺は野暮じゃないってことさ。|
|~|それじゃ、先に帰るよ。|
|~〇×|あ、テリーさん……!|
|~|(本当に帰っちゃった。&br;どうしよう……八神さん、まだ忙しいかもしれないし。)|
|~八神庵|――おい、ライブは終わりだ。行くぞ。|
|~〇×|え!?八神さん?|
|~|(び、びっくりした。&br;八神さん、いつのまに後ろに……。)|
|~八神庵|何を呆けている。行くぞと言ったんだ。|
|~〇×|あ、あの、行くってどこへ……?|
|~八神庵|道場だ。送ってやる。|
|~〇×|え?いいんですか?&br;……って、ちょっと待ってください!|
|>| |
|~〇×|(テリーさんが言ったとおり、&br;本当に八神さんに、送ってもらうことになっちゃった。)|
|~|……あの、ありがとうございます。&br;送ってもらっちゃって。|
|~八神庵|構わん。&br;聴きに来いと言ったのは、俺だからな。|
|~〇×|いえ、すごく素敵なライブだったから、&br;私のほうがお礼しなきゃいけないくらいです。|
|~八神庵|フン、俺のライブなのだから、当然だ。|
|~〇×|はい。&br;それに、さっき八神さんが歌ってた曲、すごく素敵でした。|
|~八神庵|……だろうな。|
|~〇×|でも私、英語の歌詞がわからなくて……。|
|~八神庵|ああ。貴様にはわからないだろうと思っていた。|
|~〇×|うう……確かに英語はあんまり……。&br;でも、有名な曲って聞いたし、私でも調べられそうです。|
|~八神庵|おい、有名な曲だと、誰に聞いた?|
|~〇×|テリーさんです。今日は一緒に来てもらったんですけど、&br;八神さんの歌を聞いたら、先に帰ってしまって……。|
|~八神庵|……ヤツめ。余計なことを。|
|~〇×|(余計なこと?……どういう意味だろう。)|
|~|あの、八神さんの歌った曲の歌詞、帰ったらすぐ調べますね。&br;私も、どんな意味なのか知りたいし。|
|~八神庵|……そんなことはしなくていい。|
|~〇×|え?でも、せっかく歌ってくれたのに、&br;どんな歌詞かわからないなんて……。|
|~八神庵|しなくていいと言ってるんだ……!|
|~〇×|え……!は、はい……!|
|~|(――あれ?八神さんの耳、ちょっと赤いような……。)|
|~八神庵|……わざわざ調べなくても、また歌ってやる。|
|~〇×|え?いいんですか?&br;でも、ライブハウスでは今日だけだって……。|
|~八神庵|ならば、貴様は特別扱いだ。ありがたく思え。|
#endregion
 



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**意外な一面 [#SR03]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~包|それにしても、紅丸さんがチケットくれたのに、&br;一緒に行けなくて残念だね。|
|~〇×|急に電話がきたと思ったら、&br;慌てて仕事に向かっちゃったもんね。|
|~包|チケット、1枚あまっちゃったけど&br;今日はみーんな忙しいって言うし。|
|~包|……ねえお姉ちゃん、水族館なかなか見えてこないね。|
|~〇×|うーん、もう大分歩いたと思うんだけど……。|
|~八神庵|……貴様ら、こんなところで何をしている。|
|~〇×|あ、八神さん!|
|~包|八神さん、こんにちは!&br;僕たち、これから水族館に行くところなんだ。|
|~包|でも、ぜんぜん着かなくて…&br;八神さん、水族館がどこにあるか知ってる?|
|~八神庵|水族館だと?&br;……水族館なら駅の反対側だが。|
|~包|ええっ! 僕たち、まさか別の方向に歩いてた!?|
|~〇×|反対の出口から出ちゃったみたい……。|
|~八神庵|ふん。さっさと行け。|
|~〇×|(あれ……なんだか……。)|
|~八神庵|なんだ、女。&br;じっと見て、まだ何か用があるのか?|
|~〇×|八神さん、良かったら水族館に一緒に行きませんか?|
|~八神庵|なんだと?|
|~包|賛成賛成! ちょうどチケットも1枚あまってるし、&br;八神さんも一緒に行こうよ。|
|~八神庵|行かん。なぜ俺が貴様らの子守など……。|
|~〇×|八神さんの目元に、クマが見えたんです。&br;最近お疲れじゃないですか?|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|水族館って、良い気分転換になると思うんです。|
|~包|うんうん! 水の中ですいすい泳ぐ魚を見てたら、&br;心も軽くなるはずだよ。ねっ!|
|~〇×|どうでしょう、八神さん。|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|(これが、根負けということか……。)|
|~包|うわ~! おっきい水槽!&br;お姉ちゃん、八神さん、早く行こう!|
|~〇×|あ、待って包くん!|
|~〇×|すみません八神さん、&br;無理やり連れてきてしまいましたよね……。|
|~八神庵|全くだ。&br;謝るぐらいなら最初から俺を誘うな。|
|~〇×|うっ……。|
|~八神庵|だが……。&br;ペースの練習には飽き飽きしていたところだ。|
|~八神庵|付き合ってやる。行くぞ。|
|~〇×|はい!|
|~〇×|(八神さん、もしかしてバンドのことで&br;何か悩んでいたのかな……?)|
|~包|わー、すごい!&br;水槽がトンネルになってる!|
|~包|魚がたくさん見えるね、お姉ちゃん!&br;あはは、見てみて! このお魚、すごく変な顔してる!|
|~〇×|ふふっ、そうだね。|
|~八神庵|…おい、まだ先に行かないのか。|
|~〇×|あ、お待たせしてしまってすみません。&br;もう少し見たら先に進みますから。|
|~八神庵|……あまり待たせるな。|
|~〇×|(あれ……? 八神さん、もしかして、&br;私たちが見終わるまで待っててくれるのかな。)|
|~八神庵|なんだ、変な顔で見るな。|
|~〇×|いえ、なんでもないです。&br;八神さん、何か気に入ったものはありましたか?|
|~八神庵|……そうだな。|
|~八神庵|あのサバは、よく肥えて美味そうだが。|
|~〇×|(食……!)|
|~包|もう~! 八神さん、&br;水族館で魚を食べる話しないでよ~!|
|~八神庵|食い物にしか見えん。|
|~〇×|あはは……。その気持ちもわかりますが……。|
|~〇×|(八神さんらしいけど……せっかく来たんだから、&br;魚の可愛さとかにも気づいて欲しいな。……よし!)|
|~〇×|八神さん、あのペンギン、可愛いと思いませんか?|
|~八神庵|可愛い? 何を言ってるんだ、貴様は。|
|~〇×|じゃあ、あっちの魚は?&br;うろこが七色に輝いていて、綺麗じゃないですか?|
|~八神庵|お、おい……。|
|~〇×|この魚はお気に召しませんか?&br;なら、次のコーナーに行きましょう!|

#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~包|あ、あそこ、色んなお土産が売ってるね。&br;ぬいぐるみもある!|
|~〇×|本当だ、皆にお土産に買って行ってもいいかもね。|
|~八神庵|ふん、女子供が好みそうなものだな。|
|~〇×|だって可愛いんですもん。&br;ほら、このペンギンのぬいぐるみ、可愛くないですか?|
|~八神庵|欲しいなら買って行け。|
|~八神庵|……それより、その鳥が気になるなら、&br;こんなところで油を売っていていいのか?|
|~〇×|どういうことですか?|
|~八神庵|そこの掲示板を見てみろ。|
|~包|なになに~?|
|~包|……あっ! あと10分でペンギンのエサやりがあるって!&br;お姉ちゃん、見に行こう!|
|~〇×|う、うん。&br;えっと、ペンギンの広場は……。|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|八神さん……?|
|~八神庵|道順は出入り口で地図を見たからわかる。&br;ついてこい。|
|~〇×|は、はいっ!|
|~飼育員|ペンギンにエサをあげる時は、&br;名前を呼んであげてくださいね。|
|~飼育員|それじゃ、早速エサやりをしてみてください。|
|~包|わぁ、楽しそう……!&br;お姉ちゃん、僕たちもやってみようよ。|
|~〇×|うん、そうだね。|
|~〇×|(せっかくだし、八神さんも一緒にできたら嬉しいけど……。)|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|(じっと、ペンギンをにらみつけてる……。)|
|~包|八神さん、どうしたんだろう。&br;もしかしてペンギンも食べようと……?|
|~〇×|た、大変!&br;八神さん、待ってください……!|
|~八神庵|……おい、鳥。|
|~〇×|えっ?|
|~ペンギン|きゅいきゅいっ!|
|~八神庵|なるほど、こうやってエサをやればいいのか。|
|~包|……すごーい!&br;八神さん、ペンギンと会話してる!|
|~八神庵|……おい、焦るな。&br;エサぐらいくれてやる。順番に並んでいろ。|
|~包|あははっ。&br;ペンギンに大人気だね!|
|~〇×|ふふ、きれいに列に並んでるね。|
|~八神庵|おい、貴様は今食べただろう。他の奴に譲れ。|
|~包|この様子、写真で撮っておこ〜っと!|
|~八神庵|おい、貴様らも見てないで、やったらどうだ。|
|~〇×|はい、今やります!|
|~包|僕も僕もー!|
|~八神庵|……ここまで来れば迷わないだろう。|
|~〇×|はい。八神さん、今日は付き合ってくださって&br;ありがとうございました!|
|~八神庵|全くだ。&br;鳥どもに囲まれるとはな……。|
|~〇×|えっと、それは……。|
|~八神庵|……ふん、まぁいい。&br;ベースの調子も少しは良くなりそうだ。|
|~〇×|(あ、やっぱり……バンドのことが、&br;うまくいっていなかったみたい。)|
|~八神庵|今日の礼だ。|
|~〇×|えっ、これって……ライブのチケット、ですか?|
|~八神庵|子守の礼を貰いたいところだが、&br;水族館への入場券を貰っているからな。|
 
|①|>|CENTER:~楽しみにしてます|
|~|~〇×|はい、楽しみにしてます!&br;八神さんの素敵な演奏が見られるんですね。|
|~|~八神庵|当然だ。&br;期待しておくといい。|
 
|②|>|CENTER:~みなさんも誘って、聞かせてください|
|~|~〇×|じゃあ、みなさんも誘って聞かせてもらいますね。|
|~|~八神庵|貴様ら以外にも、だと?|
|~|~包|みんなでライブ見に行くの、楽しそう!|
|~|~八神庵|断る。わらわらと来られては落ち着かん。|
 
|~八神庵|俺はもう行く。&br;貴様らもふらふらせずに早く帰るんだな。|
|~包|はーい。八神さん、またねー!|
|~包|……八神さん、なんだかんだ、僕たちのこと&br;駅まで送ってくれたし、優しい人だよね。|
|~〇×|ふふ、そうだね。&br;気分転換してもらえたみたいで、良かった。|
|~〇×|(八神さんのライブ、楽しみにしてようっと……!)|

#endregion
 



-----
**温泉合宿 [#SR04]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|貴様、こんなところで何をしている。|
|~八神庵|フン、餓えているのか?|
|~八神庵|貴様にくれてやるモノはない。|
|~八神庵|……。|
|~野良猫|にゃあ~。|
|~八神庵|フン、素直に甘えてばかりでは&br;喰われてしまうぞ。|
|~〇×(主人公)|あれ、八神さん。&br;猫ちゃんですか?|
|~八神庵|!|
|~野良猫|にゃあ。|
|~〇×|可愛い三毛猫……!&br;このあたりは、結構猫を見かけますね。|
|~八神庵|女、貴様一体どこから来た……。|
|~〇×|ちょっとコンビニへ行って帰ってきたら&br;八神さんの姿が見えまして……お邪魔でしたか?|
|~八神庵|いや、構わん。&br;猫にじゃれつかれていただけだ。|
|~八神庵|……?&br;その両手の荷物はなんだ。|
|~〇×|みなさん稽古で頑張っているので&br;差し入れに栄養ドリンクを持って行こうと……!|
|~〇×|思ったんですが、買いすぎちゃいましたね。あはは。|
|~八神庵|……一度に運べる量を考えろ。|
|~八神庵|貸せ。|
|~〇×|大丈夫です、これでも最近鍛えて――|
|~八神庵|こんな、細い腕をして、か?|
|~〇×|(……!?&br;八神さんに腕を掴まれて……。)|
|~八神庵|部屋までは運んでやる。|
|~八神庵|ついてこい。|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|>|旅館・八神庵の部屋――|
|~〇×|八神さん、お昼は&br;お手伝いいただきありがとうございました!|
|~八神庵|それをわざわざ言いに&br;この部屋まで来たのか?|
|~〇×|はい、あれから何往復もお願いしてしまって……。&br;八神さんのおかげで仕事がはかどりました。|
|~八神庵|フン、あれぐらい何でもない。|
|~八神庵|……貴様はまだ働くのか。|
|~〇×|そうですね、明日の稽古の&br;メニュー表を立ててみようかと思ってます。|
|~八神庵|必要ない。&br;稽古など好きにさせろ。|
|~八神庵|それよりも――貴様は……。|
|~八神庵|本当にこの夜更けに、&br;ただ礼を言うために来たのか?|
|~〇×|っ……それは……。|
|~八神庵|……。|
|~〇×|(八神さんの指先が、&br;私のネックレスに……!)|
|~八神庵|何だ?|
|~〇×|う……。お礼を言いたかったのも本当ですが&br;八神さんに会いたくて……。|
|~八神庵|……フン。&br;貴様も、素直なものだな。|
|~八神庵|こうして首元に触れると、&br;擦り寄ってくる。|
|~〇×|や、八神さん……。&br;くすぐったいです……。|
|~八神庵|喰われても知らんぞ。|
|~〇×|えっ――|
|~八神庵|入れ、×。&br;すぐには楽にしてやらんぞ。|
#endregion
 


-----



**夜デート [#SR05]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(会場前に中に来いって言われてるけど、&br;八神さんどこだろう?)|
|~八神庵|おい、ここだ。|
|~〇×|(……! 八神さん、スーツ姿だ……!)|
|~〇×|こんばんは。&br;今日はライブにご招待いただいて、ありがとうございます。|
|~八神庵|ああ。&br;……貴様、その格好はどうした。|
|~〇×|今日のライブはドレスコードが正装だと聞いたので&br;思い切ってドレスを借りてみました。|
|~〇×|八神さんも、スーツなんですね!&br;よくお似合いです!|
|~八神庵|フン……動きにくいだけだ。&br;ベースを弾くには、不便だな。|
|~〇×|ふふ。あの、今日ってなんのライブなんですか?&br;いつものライブと雰囲気が違うみたいですけど。|
|~八神庵|世話になっているライブハウスのオーナーが、&br;ジャズバンドをやっていて――|
|~八神庵|ベースが来れなくなって困っているから、&br;助けてほしいと頼まれた。|
|~〇×|それでいつもと違う雰囲気だったんですね。|
|~八神庵|ああ、頼まれただけだ。&br;自分のバンドではこんな格好はしない。|
|~八神庵|……貴様もそんな恰好では風邪をひくぞ。|
|~〇×|ライブが始まれば、きっと温まります!|
|~八神庵|フン。気概があるな。&br;期待しておくといい。|
|~八神庵|それと……ライブが終わっても、&br;貴様はこの客席で待っていろ。|
|~〇×|ここに居ていいんですか?|
|~八神庵|どこかに見えなくなるよりは良い。&br;始めから終わりまで、そこで見ていろ。|
|~〇×|はい、楽しみにしていますね!|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|それにしても本当に素敵なライブでしたね。|
|~八神庵|気に入ったか。|
|~〇×|はい、とても。&br;もっと聴いていたかったです。|
|~八神庵|フン。&br;手を抜いた演奏はしない。|
|~八神庵|もうこんな格好は御免だがな。|
|~〇×|ふふ、目に焼き付けておいてよかったです。|
|~〇×|……あれ。&br;八神さん、スーツを着たままで帰るんですか?|
|~八神庵|そうだな。ステージが終わっても&br;動きにくいことに変わりはないが……。|
|~八神庵|貴様も、その格好で帰るのだろう。|
|~〇×|そうですね、着替えは持って来ていなくて……。|
|~八神庵|……。|
|~八神庵|――×。|
|~八神庵|食事にでも、行くか。|
|~八神庵|俺も貴様も……こんな服を着て&br;外に出ることなどそう無いだろう。|
|~〇×|えっ……。この格好で、ですか?&br;なんだかデートみたい……ですね!|
|~八神庵|……何を驚いているのか知らんが。&br;「みたい」では無い。|
|~八神庵|貴様の言う、そのデートとやらに&br;付き合ってやると言っている。|
|~〇×|……!?|
|~八神庵|――手を貸せ。|
|~〇×|(わ……。&br;八神さんに、引き寄せられて……!)|
|~八神庵|貴様はどんなデートが望みだ?|
|~八神庵|その口から、聞かせてもらおう。|
#endregion
 


-----



**KOFG学園 [#SR06]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>|ある日の昼休み――|
|~〇×(主人公)|(わっ! あの人だかりなんだろう……。)|
|~女子生徒A|いおりーんっ! 週末のライブのチケット取れたよ!|
|~女子生徒B|あたし、今からめちゃくちゃ楽しみにしてるから!|
|~女子生徒C|ねぇ、いおりん。今日こそは私にあれちょうだい!|
|~八神庵|貴様らにやるものは何もない。&br;さっさと散れ。|
|~〇×|(あっ、八神さんだ。&br;今日も女の子たちに囲まれててすごいなぁ。)|
|~〇×|(それにしても『あれ』ってなんだろう?)|
|~〇×|(って、こんなところでのんびりしてる場合じゃない。&br;早くお弁当食べないとお昼休みが終わっちゃう!)|
|>|放課後――|
|~〇×|(先生の手伝いをしてたら、すっかり遅くなっちゃった。&br;早く帰ろう!)|
|~〇×|――わっ!|
|~〇×|(今、何か蹴っちゃったような……。)|
|~〇×|これって……ボタン?|
|~???|――おい、女。|
|~〇×|(今の声って……。)|
|~〇×|や、八神さん……。|
|~八神庵|貴様。&br;何を持っている?|
|~〇×|え? 何ってボタンですけど……。&br;もしかして、八神さんのですか?|
|~八神庵|…………だとしたら何だというのだ。|
|~〇×|(あれ? 今、気づいたけど八神さんの制服って&br;ボタン1つもない……。)|
|~〇×|(昼間に聞いた『あれ』って、もしかして&br;ボタンのことだったのかな。)|
|~八神庵|さっさとそれを寄こせ。|
|~〇×|あの、もしよかったらこのボタン、&br;つけましょうか……?|
|~八神庵|なに?|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|あの、よかったらこのボタン、つけましょうか……?&br;少しの間、上着借りてもよければ。|
|~八神庵|……フン。|
|~〇×|(あ、上着渡してくれた。&br;これってつけていいってことだよね?)|
|~〇×|ありがとうございます。すぐ終わらせますね!|
|~八神庵|……つけたところで、どうせすぐに取られるだけだがな。|
|~〇×|そういえば、ボタン、どうして取られちゃうんですか?|
|~八神庵|……身に着けているものが欲しいそうだ。&br;くだらん。|
|~〇×|(好きな人の持ち物はなんでもほしいって感じなのかな。&br;でも、八神さんは喜んでいるわけじゃないみたい……?)|
|~〇×|(よし! それなら簡単に取れないように&br;強めにつけておこう。)|
|~〇×|終わりました!&br;お待たせしてすみません。|
|~八神庵|……さっさと寄こせ。|
|~〇×|大丈夫そうですか?|
|~八神庵|……悪くない。|
|~〇×|よかったです。&br;もう取られないように強めにつけておきました!|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|女、手を出せ。|
|~〇×|は、はい?|
|~〇×|(なんだろう……これ、チケット?&br;何かのライブのものみたいだけど……。)|
|~〇×|(メンバーの名前も書いてある。&br;八神……庵……これって……。)|
|~〇×|もしかして、&br;八神さんのバンドのライブチケットですか?|
|~八神庵|たまたま、余っていただけだ。|
|~八神庵|……興味がなければ適当に処分しておけ。|
|~〇×|(あっ、行っちゃう!)|
|~〇×|(もしかして、ボタンのお礼なのかな?)|
|~〇×|八神さん、ありがとうございます!&br;週末、絶対行きますね!|
|~八神庵|……フン。&br;気が向いたら、ステージの上から貴様の姿を探してやる。|
#endregion
 


-----



**誘いの悪魔 [#SR07]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~スタイリスト|……はい、これで花嫁のほう準備OKです!&br;念のため鏡でチェックお願いします。はい、どうぞ。|
|~〇×(主人公)|わあ……!|
|~〇×|(ちゃんとメイクしてもらってドレスを着せてもらって……。&br;まるで自分じゃないみたい。)|
|~〇×|(ブライダルフェアのモデルの代役だなんて聞いたときは&br;驚いたけど、ちょっとウキウキしてきちゃったな。)|
|~〇×|(それに、撮影とはいえ八神さんと結婚式だなんて……。&br;ええと、別室で準備をしているはずだけど、もうすぐ来るかな?)|
|~スタッフの男性|八神さん、入りまーす!|
|~八神庵|……。|
|~〇×|(わあ、素敵……!)|
|~スタッフの女性A|八神さん、すごく似合いますね!|
|~スタッフの女性B|身長が高いから何着ても決まるわよねえ。|
|~八神庵|フン。下らん……。&br;……貴様。|
|~〇×|(や、八神さん私のことじっと見つめて&br;どうしたんだろう……。)|
|~八神庵|……邪魔な布だな。|
|~〇×|(あっ、ベールを捲られちゃった……。)|
|~カメラマン|それじゃ、二人とも視線をこっちにもらえますかー?|
|~〇×|は、はい!|
|~カメラマン|まだ表情が硬いですね~。|
|~〇×|(だ、だって撮影なんて初めてだし、八神さんも&br;なんだかいつもよりすごくかっこいいし、緊張しちゃう……。)|
|~八神庵|…………×、手を出せ。|
|~〇×|(あっ、そうだ。ここで指輪を交換するんだっけ……。)|
|~八神庵|まさか貴様に&br;指輪を贈る日が来ることになるとはな。|
|~〇×|そうですね……。&br;フリとはいえ、なんだか緊張します。|
|~八神庵|フリ?&br;俺はそのつもりはないが。|
|~〇×|えっ……。|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(八神さんが私の左手の薬指に指輪を――)|
|~八神庵|これは貴様が俺のものという証だ。|
|~〇×|八神さん……?|
|~八神庵|聞こえなかったか?&br;貴様は俺のものだ。誰にも渡さないと言った。|
|~八神庵|――神ではなく、俺は自分に誓おう。&br;貴様を永遠に俺だけのものにすると。|
|~〇×|(なんだか本当の結婚式みたい……。)|
|~八神庵|……それにしても、まさか悪魔である俺が&br;フリとはいえ神の前でこんなことを誓うことになるとはな。|
|~〇×|(え! 悪魔!?&br;いったいどういう事……?)|
|~〇×|(あれ? どうして……声がでない……!)|
|~八神庵|×、怖くはないのか。|
|~〇×|(……そうか。&br;八神さんは悪魔だったんだ……。)|
|~〇×|(怖い……?)|
|~〇×|私は何も怖くないですよ。|
|~八神庵|……その従順な眼差しは悪くない。&br;このまま永遠に、閉じ込めておきたくなる。|
|~〇×|(あ……八神さんの指が私の首元に……。)|
|~八神庵|この首に首輪でも巻いて、&br;鎖にでも繋いでおくか?|
|~八神庵|……そうすれば、貴様はどこにも行けなくなる。|
|~〇×|それも……いいかもしれませんね。|
|~八神庵|貴様、意味をわかっているのか?|
|~八神庵|……フン。|
|~八神庵|ならば、もう覚悟は決まっているということだな?|
|~〇×|はい、もうとっくに前から……。|
|~八神庵|……貴様の覚悟がどの程度かは知らんが、&br;俺との契約は――|
|~八神庵|いや、俺は、&br;たとえ何度生まれ変わっても必ずお前を見つける。|
|~八神庵|その永遠ともいえる時を俺に捧げるとでもいうのか?|
|~〇×|必ず私を……?|
|~八神庵|悪魔は不老不死だ。×という人間が朽ち果てても、&br;貴様の次の生で、貴様を探し出し、必ずこの手に収める。|
|~〇×|(永遠ってそういうことなんだ。&br;八神さんの傍に永遠にいられるのなら……。)|
|~〇×|……わかりました、きっと見つけてくださいね。|
|~八神庵|ククッ……本当に変わった女だ。|
|~八神庵|俺はしつこいぞ。&br;覚悟しておけ。|
|~〇×|(あ、八神さんの手が頬に……。)|
|~〇×|はい、私は……何度でも巡り合って、&br;何度でも八神さんを好きになります。|
|~八神庵|貴様は……。&br;本当に愚かな女だ。|
|~〇×|(なんだか八神さん、言葉とは裏腹に&br;穏やかな目をしている気がするな。)|
|~八神庵|……こういう時くらい、目を閉じろ。|
|~〇×|はい……。|
|~八神庵|……後悔しても、もう遅い。&br;永遠に貴様は俺のものだ。|
#endregion
 


-----

**無人島ロマンス [#SR08]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(リゾートに来たはずだったのに、到着したら無人島で、&br;なぜか肝試しに参加させられることになったんだけど……。)|
|~〇×|(ゴールまで行ったらリゾートって言われても、&br;夜の森って暗くて少し不気味だな。)|
|~八神庵|何をしている。|
|~〇×|や、八神さん……。|
|~〇×|(あみだくじで八神さんと組むことになったけど、&br;ちゃんと参加してくれるんだ……。)|
|~〇×|すみません、思っていたより暗くて……。|
|~八神庵|……フン。|
|~〇×|(足手まといだと思われちゃったかな?)|
|~八神庵|さっさと行くぞ。|
|~〇×|(あ……手、引かれて――&br;それにしても、躊躇なく進むなあ。)|
|~〇×|八神さんは怖くないんですか?|
|~八神庵|怖い?何がだ。|
|~八神庵|肝試しとやらがなんだろうが、ゴールに到着すれば終わる。&br;なら進めばいいだけだ。|
|~〇×|(……ちょっと心強いな。)|
|~八神庵|……止まれ。|
|~〇×|(八神さん、急に立ち止まってどうしたんだろう?)|
|~八神庵|俺の後ろに隠れていろ。|
|~〇×|え?|
|~〇×|(何か人影が……もしかして本当にお化け!?&br;でも、それにしてはピクリとも動かないような……。)|
|~〇×|(あれ?もしかして……。)|
|~〇×|八神さん、それって人形じゃないですか?|
|~八神庵|……フン。紛らわしい。|
|~〇×|(まさか人形だなんて……。&br;でも今、八神さん、私を庇ってくれた……。)|
|~〇×|(……って、何か顔に冷たいものが……!?)|
|~〇×|……きゃあっ!|
|~八神庵|どうした!?|
|~〇×|……こ、こんにゃくです。|
|~八神庵|……は?|
|~〇×|これも肝試しの仕掛け、だったみたいです。&br;あはは……。|
|~八神庵|くだらん。|
|~〇×|(八神さんが慌てるの、珍しい気がする……。)|
|~八神庵|……。|
|~〇×|八神さん?&br;どうしたんですか?|
|~八神庵|道を見失った。|
|~〇×|ええっ!あ……こっち、なんだか開けているようですよ。&br;もしかしたらゴールかも……。|
|~八神庵|……フン。行ってみるぞ。|
|~〇×|……ん?なんだかしょっぱい匂いが。&br;わあ!八神さん、見てください!|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|……海か。|
|~〇×|この道、海に繋がっていたんですね。|
|~〇×|(綺麗だけど、夜の海って引き込まれてしまいそう……。|
|~八神庵|もしや貴様……寒いなどと言うわけではないだろうな?|
|~〇×|い、いえ!&br;夜の海って怖いなって思って。|
|~八神庵|……肝試しにはそこまで怖がらないのに、&br;夜の海が怖いとは、変わった女だ。|
|~〇×|言われてみればそうかもしれないですね……。|
|~〇×|(それにしても、さっきまでそれどころじゃなかったけど&br;こうして落ち着いてみると……。)|
|~〇×|(私、ずっと八神さんと手をつないでるんだよね……。)|
|~〇×|(う……ちょっとドキドキしてきたかも。&br;八神さんはなんとも思っていないのかな?)|
|~〇×|え、えっと……そういえば、リゾートに着いたら&br;八神さんは何をするんですか?|
|~八神庵|……特に決めていないな。&br;別に何もしなくてもいい。|
|~〇×|そうなんですね。京さんたちはサーフィンをするって&br;言ってたので、もしかしたらって……。|
|~八神庵|京が?ほう、なるほど。&br;……ならばサーフィンで勝負をするというのも悪くないな。|
|~〇×|(サーフィンで勝負……ってどうやるんだろう?)|
|~〇×|それにしても、八神さんがサーフィンだなんて、&br;想像できないですね。|
|~八神庵|何を|
|~〇×|(あれ?&br;八神さん、私をじっと見つめてどうしたんだろう?)|
|~八神庵|髪が乱れている。|
|~〇×|あ……。|
|~〇×|(八神さんの指が私の髪を……。)|
|~〇×|(それにしても、なんだかとても優しい手付き……。&br;ううっ、またドキドキしてきちゃった……!)|
|~八神庵|…………。&br;リゾートなど、下らんと思っていたが貴様がいるなら|
|~八神庵|……早くゴールに向かうぞ。|
|~〇×|あっ……待ってください、八神さん!|
|~〇×|(もしかして照れてるのかな?)|
|~〇×|(なんだかいつも見られない表情を見られて……&br;肝試しの相手、八神さんでよかったな。)|
#endregion
 


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**夢見Night [#SR09]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>|動物病院からの帰り道|
|~〇×|それにしても、大したことなくて本当によかったですね。|
|~八神庵|熱中症とはな。&br;人騒がせな猫だ。|
|~つーちゃん|にゃー。|
|~〇×|(ふふっ。言葉とは裏腹に優しい声……。&br;八神さんすっかり安心したみたい。)|
|~〇×|(つーちゃんがぐったりしてるって連絡が来たときは&br;どうなるかと思ったけど、本当によかった……。)|
|~〇×|あ……それじゃあ私はこれで。&br;送ってくれてありがとうございます。|
|~八神庵|……待て。&br;猫も、連れていけ。|
|~〇×|え? 八神さん、つーちゃんと帰らないんですか?|
|~八神庵|……あそこには冷房がないからな。|
|~〇×|(そういえば、お医者さん、しばらくの間は&br;涼しいところで休ませてあげてって言ってたっけ……。)|
|~〇×|(だけど、なんだか辛そう……。&br;もしかして八神さん、自分を責めてるのかな……?|
|~〇×|わかりました。任せてください。&br;その、もしよかったら八神さんも一緒に泊っていきませんか?|
|~八神庵|なぜ俺が……。|
|~つーちゃん|にゃー……。|
|~〇×|ほら、つーちゃんも寂しそうにしてますし。|
|~八神庵|……フン。&br;一晩だけだぞ、猫。|
|~〇×|(たぶん八神さんも心配していたんだよね……。)|
|~〇×|(つーちゃんが引き留めてくれてよかった。)|
|~〇×|つーちゃん、ありがとう。|
|~つーちゃん|にゃん!|
|~〇×|ふふ、もしかして言葉がわかるんですかね?|
|~八神庵|……知るか。邪魔するぞ。|
|~〇×|はい、すぐに夕飯の支度しますね!|
|~八神庵|……フン。|
|~〇×|(八神さん、どこにいるのかな?)|
|~〇×|(パジャマ、これしかなかったけど、&br;実はこのパジャマとお揃いなんだよね……。)|
|~〇×|(さすがに柄は違うけど……八神さん、嫌がるかな?&br;だけど、着替えないよりはマシだよね……?)|
|~八神庵|……。|
|~〇×|あ。八神さん、ここにいたんですね。&br;よかったら寝る時これ使ってください。|
|~八神庵|なんだこれは……。|
|~〇×|え、えっと新品のものがこれしかなくて……。&br;私とお揃いなんですけど……。|
|~八神庵|揃いだと? 下らん。|
|~〇×|(あっ……。&br;やっぱり八神さん怒っちゃったかな?)|
 
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(うーん、なんだか目が覚めちゃったな。)|
|~八神庵|……元気になったか。|
|~つーちゃん|ゴロゴロ……。|
|~八神庵|……まったく、本当に人騒がせなヤツだ。|
|~〇×|(この声は、八神さん?)|
|~〇×|(ふふっ、すごく優しい声。&br;やっぱりつーちゃんのこと心配だったんだろうな。)|
|~〇×|あの、八神さー|
|~八神庵|貴様……!|
|~〇×|(八神さん、パジャマ着てくれてる!)|
|~八神庵|……なぜここにいる?|
|~〇×|そ、その……目が覚めてしまって……。|
|~八神庵|……フン。そうか。|
|~〇×|パジャマ、着てくれたんですね。|
|~八神庵|他に着るものがなかったから、仕方なくな。|
|~〇×|(そ、それにしても八神さん……。&br;ネコさんの柄のパジャマ似合ってるかも……。)|
|~八神庵|……ジロジロ見るな。|
|~〇×|す、すみません。|
|~八神庵|……揃いと言っていたが、貴様とは模様が違うのか。|
|~〇×|あ、はい。私のは三毛猫です。|
|~八神庵|……俺に揃いのパジャマを着せるなんて&br;世界で貴様くらいなものだ。|
|~〇×|あ、あはは……すみません。|
|~八神庵|……もう少しこっちに来い。そっちの猫も構ってやる。|
|~〇×|や、八神さん……。&br;あの!|
|~〇×|(八神さんに抱え込まれちゃった……!|
|~八神庵|仕返しだ。|
|~〇×|(喉をくすぐる指はすごく優しいけど……!&br;や、八神さん……顔が近いです!)|
|~〇×|え、えっと……あ、あの! 今日は月が綺麗ですね!&br;ほら、見てください!|
|~八神庵|……クッ。|
|~八神庵|……ああ。そうだな。&br;たまにはこうやって眺めるのも悪くない。|
|~〇×|(ふう、離れてくれた……。)|
|~〇×|(だけど本当に、八神さんとこうして見上げる月は&br;なんだかいつもよりも綺麗に見えるな……。)|
|~〇×|ありがとうございます、八神さん。|
|~八神庵|どうした、急に。&br;おかしな女だ。|
|~八神庵|それに礼を言うなら俺の方が……。|
|~〇×|八神さん?|
|~八神庵|……何も言っていない。&br;ただ、月が綺麗だ、と言った。|
|~〇×|ふふっ……そうですね。|
|~〇×|(静かで、まるで世界に二人きりで……。&br;こうしてずっと八神さんと静かに過ごしていきたいな……。)|
 
#endregion
 


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**グラスを合わせて [#SR10]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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**ハロウィン [#SR11]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(よし、着いた。八神さん用の衣装もばっちり用意してきたし、&br;あとはどうにかして八神さんをパーティーに誘えれば……。)|
|~〇×|(せっかくだから私も仮装をしてみたけど、&br;八神さんびっくりするかな……?)|
|~〇×|八神さん。いらっしゃいますか?|
|~八神庵|……今開ける。|
|~八神庵|……女。なんだその格好は。|
|~〇×|トリックオアトリート、です!|
|~八神庵|…………。……とにかく入れ。|
|~八神庵|それで……そのふざけた衣装はなんだ?|
|~〇×|ええと、この看護師の仮装、&br;似合ってますか?|
|~八神庵|……そう言う問題ではない。|
|~〇×|あ、こっちが、八神さんの分です。|
|~八神庵|……なっ。|
|~八神庵|貴様は俺の話を聞いていたのか?&br;これはどうしたと聞いている。|
|~〇×|これは、紅丸さんに用意してもらいまして……。|
|~〇×|今日はハロウィンですし、この後、&br;道場でパーティーをすることになっていて――|
|~〇×|よかったら八神さんにもぜひ来てもらいたいんです。&br;それで、せっかくなので八神さんにも仮装をしてほしくて……。|
|~八神庵|くだらん。&br;なぜ、そんなところに俺が行かねばならんのだ。|
|~八神庵|しかも、こんな馬鹿げた格好をして。|
|~〇×|八神さんにどうしてもパーティーに来てほしくて……。&br;だってハロウィンは1年に1回なんですよ。|
|~八神庵|そんなもの、関係な――|
|~〇×|八神さんと一緒に&br;ハロウィンの思い出を作りたいんです。|
|~八神庵|……。|
|~〇×|ダメですか?|
|~八神庵|……クッ。|
|~八神庵|少しそこで待ってろ。|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~八神庵|……望み通り、着替えたぞ。&br;これで満足か?|
|~〇×|や、八神さん……。&br;すごく似合いますね。|
|~八神庵|こんなものが似合ったところで&br;何も嬉しくない。|
|~〇×|(で、でも想像していたよりもずっとかっこいい……。&br;身長が高いから、白衣が似合うな……。)|
|~八神庵|それで? そのパーティーとやらは何時からだ?|
|~〇×|あ、はい。&br;夜からなのでもうすぐ――|
|~〇×|もしかして、パーティーにも来てくれるんですか?|
|~八神庵|……行くと言わないとまた&br;しつこくつきまとうつもりだろう。|
|~〇×|あはは、ばれちゃいましたか?|
|~〇×|でも、八神さん本当にかっこいいから&br;みなさんびっくりすると思います!|
|~八神庵|……貴様はその衣装で行くのか?|
|~〇×|はい。もちろん。&br;お医者さんの横に看護師さんがいるのは当たり前ですから!|
|~八神庵|気が変わった。|
|~〇×|え?|
|~〇×|(あ……八神さんに腕を掴まれて――)|
|~八神庵|ハロウィンというのは確か、&br;悪戯をしていい日だったな?|
|~〇×|え? そ、それはお菓子を持っていなかったらですよ。&br;八神さんの分はこっちに……。|
|~八神庵|知らん。&br;……みすみす奴らの目に貴様を触れさせたくなくなった。|
|~八神庵|今日は観念して、一日ここにいるんだな。|
|~〇×|そ、そんな……。|
|~八神庵|恨むなら俺のところに来たことを恨むがいい。&br;……さて、どうしてほしい?|
|~八神庵|どんな悪戯をされるかは、&br;貴様に選ばせてやる。|
#endregion
 
-----
**1stアニバーサリー [#SR12]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(みなさんからいただいた久しぶりのお休み……。&br;何をして過ごそうか迷っちゃうな。)|
|~〇×|(買い物したり、映画を見に行くのもいいけど……。)|
|~〇×|……八神さんとつーちゃん、どうしてるかな?|
|~八神庵|――それで、わざわざここに来たのか?|
|~〇×|はい……お邪魔でしたか?|
|~八神庵|他にいくらでも過ごし方はあるだろう。|
|~〇×|私も色々考えたんですけど……。&br;やっぱり、八神さんと一緒にいたくて。|
|~〇×|それに、つーちゃんとも一緒に遊びたかったですし。&br;ね、つーちゃん。|
|~つーちゃん|にゃー!|
|~八神庵|……フン、好きにしろ。&br;俺は俺のやるべきことをやるだけだ。|
|~〇×|(あ、八神さんがベースを……。練習するのかな。&br;邪魔しないようにしなくちゃ。)|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|(すごく力強いメロディ……。&br;なんだか、体の奥から揺さぶられるみたい。)|
|~つーちゃん|にゃっ!にゃっ!にゃあー!|
|~〇×|ふふ、つーちゃん歌ってるの?|
|~八神庵|俺が弾いている時はいつもこうだ。&br;騒がしくて、集中できん。|
|~〇×|(でも、八神さんちょっと楽しそうだな。)|
|~八神庵|今日はこれくらいにしておくか。|
|~〇×|お疲れ様でした。|
|~八神庵|……貴様、まだここにいるつもりなのか?|
|~〇×|えっと……お邪魔じゃなければ、ですが。|
|~八神庵|……フン。勝手にするがいい。&br;俺は出かける。|
|~〇×|え?|
|~〇×|(八神さん、どこに行くんだろう……?&br;ついて行ってみようかな。)|

#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(ここって、ペットショップ……だよね?)|
|~八神庵|……ついて来たのか。|
|~〇×|すみません、どこに行くのか気になっちゃって……。&br;もしかして、つーちゃんに何か買いに来たんですか?|
|~八神庵|ああ。以前、紙を丸めたものをやったが、&br;使い物にならなくなったからな。|
|~八神庵|あいつの暇潰しになるようなものを、&br;いくつか適当に見繕うつもりだ。|
|~〇×|そうだったんですね。良かったら、私も選んでいいですか?|
|~八神庵|好きにしろ。|
|~八神庵|…………。|
|~〇×|(八神さん、目が真剣だ。&br;それだけつーちゃんのことを思ってるんだな。)|
|~〇×|(……あ、このネズミのおもちゃかわいい。&br;電池で動くんだ。)|
|~八神庵|何をじっと見ている?|
|~〇×|あ……電池で動くおもちゃを見つけまして。&br;活発なつーちゃんにぴったりかなって。|
|~八神庵|フッ……追いかけ回す様が目に浮かぶな。|
|~〇×|(あ、買ってくれるみたい……。&br;なんだか嬉しいな。)|
|~〇×|たくさん買いましたね。|
|~八神庵|ああ。これでしばらくはもつだろう。|
|~〇×|ふふ、つーちゃん喜んでくれるといいですね。|
|~八神庵|……本当に良かったのか。|
|~〇×|え?|
|~八神庵|貴重な休日だろう。&br;貴様はこれで満足しているのかと聞いている。|
|~〇×|はい、もちろんです。こうやって、&br;普段の八神さんの様子が見られて嬉しいですから。|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|フン……相変わらず変わった女だ。|
 
#endregion
 

-----
**新年'21 [#SR13]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|八神さんから連絡をもらった時は驚きました。&br;新年会、とても楽しかったです。|
|~〇×|バンドのみなさん、とても親切でしたね。|
|~八神庵|フン。騒がしいだけだろう。|
|~〇×|ふふ。八神さんとバンドのみなさん、とても仲がいいんだなって、&br;改めてそう感じました。|
|~〇×|今日は誘ってくださって、本当にありがとうございます。|
|~八神庵|……あいつらのワガママに付き合わされただけだというのに礼か。&br;貴様はつくづくおかしな女だな。|
|~八神庵|だが、今夜あいつらと接してみてわかっただろう。&br;あの馬鹿騒ぎを俺の部屋でやられては、たまったものではない。|
|~〇×|確かに……つーちゃんが驚いちゃいますね。|
|~〇×|(こうやって静かな道を八神さんとふたりで歩いていると、&br;さっきの賑やかさが嘘みたい。)|
|~〇×|(……道場に着いたら八神さんとお別れなんだよね。&br;もう少し八神さんと一緒にいたいけど……。)|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|女。まだ時間はあるか。|
|~〇×|え?あ、はい。大丈夫です……。|
|~八神庵|……ならば、来い。|
|~〇×|ここは……神社?|
|~八神庵|騒がしい場所に長く留まりすぎた。……静寂が欲しい。|
|~八神庵|女。貴様も付き合え。|
|~〇×|……!はいっ。|
|~八神庵|……嬉しそうだな。|
|~八神庵|…………。&br;貴様、手が冷えているではないか。|
|~〇×|え?そ、そう、ですか……?|
 
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(八神さんの手、あったかいな……。)|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|……こっちに来い。貴様の身体を温めるのに適したものが、&br;この神社にはあるようだ。|
|~〇×|……?|
|~八神庵|熱いからな。落とすなよ。|
|~〇×|八神さんが言ってた「身体を温めてくれるもの」って&br;甘酒だったんですね。|
|~八神庵|ああ。この時期だけ参拝者に配られている。&br;……これで身体を温めろ。|
|~〇×|ありがとうございます。いただきますね。|
|~〇×|……はぁ、あったかい……。|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|どこかに座って飲むか。|
|~〇×|あっ、はい、そうですね。|
|~〇×|(あ……八神さんが隣に座った。)|
|~〇×|(甘酒はもちろん温かくおいしいけど。&br;今、私の心を温かくしてくれてるのは、八神さんだ。)|
|~〇×|(今年もこんな風に、&br;一緒に過ごせる時間がたくさんあればいいな。)|
|~〇×|八神さん。メッセージでも伝えましたけど、&br;改めて今年も一年よろしくお願いしますね。|
|~八神庵|……まったく、律儀な女だ。&br;そんな当然のことを口にして何になる。|
|~八神庵|今年も、これからも。貴様という女は俺と共に在る。&br;そうだろう?|
 
#endregion
 


-----
*R [#R_story]
**FOR YOU [#R_01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~ボーカル|今日はお疲れ、八神!&br;久しぶりにスタジオ練来てくれて嬉しかったぜ。|
|~ボーカル|この調子で、今週末のライブも&br;最高のパフォーマンスをしような!|
|~八神庵|フン、当然だ。|
|~ボーカル|あ、そうだ。そういえば八神、&br;ちゃんと彼女さんにプレゼント用意してるか?|
|~八神庵|……急になんの話だ。|
|~ボーカル|ほら、もうすぐクリスマスだろ?&br;何かあげたりしねーの?|
|~八神庵|くだらん、余計なお世話だ。|
|~ボーカル|まぁ八神からなら彼女さん、&br;なんでも喜んでくれるとは思うけどさ。|
|~ボーカル|ちゃんと心を込めて選んでやれよ。|
|~八神庵|おい、人の話を――|
|~ボーカル|じゃ、俺こっちだからまたな!|
|~八神庵|(全く……聞くだけ無駄な戯言だったな。)|
|~八神庵|……ん? あそこで光っているのはなんだ。|
|~八神庵|(これは……このアクセサリー店のショーケースか。)|
|~八神庵|…………。|
|~八神庵|(……悪くないデザインのネックレスだ。&br;繊細だが力強い輝きを放っている。)|
|~八神庵|(もし×の首に飾れば……より美しく、&br;そしてより強く光り輝くだろう。)|
|~八神庵|……チッ、戯言に惑わされたか。|
|~八神庵|(だが……存外悪くない。)|
|~八神庵|……フッ、あの女がこの輝きを前に&br;どんな表情を見せるのか……見ものだな。|
#endregion


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