イベントストーリー /極限焼肉繁盛記! の変更点

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**第1話  [#story1]
#region(ネタバレ注意)
|>|ある日の夜――|
|〇×|今日は誘っていただいてありがとうございます。&br;焼肉屋で夕食なんて、嬉しいです!|
|〇×|リョウさんのお父さんが経営してるお店なんですよね?|
|リョウ・サカザキ|ああ。【極限焼肉】というチェーン店で、これから行くのは &br;渋谷1号店だ。|
|ロバート・ガルシア|渋谷1号店ってことは、渋谷にいくつか店があるってことやな?&br;師匠、あの人いつの間に……。|
|リョウ・サカザキ|あ、いや、実は、渋谷にはまだ1店舗だけなんだ。この店が&br;成功すれば2号店3号店と続けて出店したいらしいんだが……。|
|〇×|すごいですね!!|
|リョウ・サカザキ|一応、世界展開を進めているチェーン店だからな。&br;今日は親父のおごりだそうだから、好きなだけ食ってくれ。|
|包|やったー! 僕、焼肉大好き!|
|〇×|(どんなお店なんだろう。楽しみだな。)|
|〇×|(ここが、リョウさんのお父さんのお店……極限焼肉か。)|
|〇×|…………。|
|リョウ・サカザキ|…………。|
|〇×|お店の人、出てきませんね。&br;私たちが来たことに気づいてないんでしょうか……?|
|ロバート・ガルシア|ドアベルが鳴ったんやし、気づかんはずないやろ。|
|包|お店の人もそうだけど、お客さんもいないよ。|
|〇×|本当だね……。|
|〇×|(確かにお客さん全然いないみたい。&br;よく見ると、店内もあちこち汚れてるし……。)|
|リョウ・サカザキ|仕方ない。呼んでみるか。&br;……頼もう!|
|〇×|……………来ないですね。|
|リョウ・サカザキ|おい、誰かいないのか! 頼もう!|
|店員A|あ? あ……らっしゃーせー。|
|リョウ・サカザキ|4名だ。|
|店員A|はあ……んじゃ、好きな席にどーぞ。|
|ロバート・ガルシア|……なんや、あの店員の態度は。|
|包|僕たち、歓迎されてない感じ?|
|〇×|と、とりあえず、席に着きましょうか。|
|リョウ・サカザキ|ああ……そうだな。|
|〇×|……あ、頼んだお肉が来ましたよ!|
|店員A|お待たせっしたー。|
|リョウ・サカザキ|これは……。&br;4人分注文したはずだが、これで全部か?|
|店員A|あ?……そーっすね。|
|〇×|(……これ、本当に4人分……?)|
#endregion

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**第2話  [#story2]
#region(ネタバレ注意)
|〇×|(あまり文句は言いたくないけど、お肉がずいぶん薄いな。&br;量も少ないし……。)|
|包|4人前でたったこれだけ?&br;全然足りないよ!|
|ロバート・ガルシア|しかも、半分凍ったままやないか。&br;冷凍肉を使うなとは言わんけど、これでよう客に出せるな。|
|リョウ・サカザキ|お前たちの言う通りだ。店員の態度といい、&br;店内の掃除が行き届いていないことといい……。|
|リョウ・サカザキ|客商売として、これは到底許されるものではないだろう。|
|〇×|(リョウさん、真面目だから余計に見過ごせないのかも &br;しれないな。何よりお父さんのお店だし…….。)|
|包|あれ、この取り皿、汚れてるみたい。|
|〇×|本当だ。取りかえてもらおうか。&br;すみませーん。|
|店員A|……なんすか。|
|〇×|お皿が汚れてるので、替えてもらってもいいですか?|
|店員A|あ? それしかないっすよ。|
|〇×|え? でも……。|
|店員A|るっせーな。ねえって言ったらねえんだよ。&br;だいたい、それくらい汚れてるうちに入んねーだろ。|
|リョウ・サカザキ|おい。なんだ、その態度は。|
|店員A|なんか文句あるんすか?|
|リョウ・サカザキ|先ほどから気になっていたが……肉の量や質、&br;接客の態度、店内の汚れ……。|
|リョウ・サカザキ|どれも客商売として許されるようなレベルではない。|
|店員A|因縁つけようってのか、てめえ。&br;……おい! お前ら、ちょっと来てくれ。|
|店員B|なんだよ。|
|店員C|さっきからうるせーな。|
|〇×|(お、奥から店員さんがたくさん出てきた。)|
|〇×|(全員、なんとなく不良っぽいというか、&br;あまり素行がよくなさそうな……。)|
|店員A|こいつら、さっきから偉そうなんだよ。&br;細かいことにいちいち文句つけやがって。|
|店員B|なんだと? おい、文句があるなら &br;食わなくたっていいんだぜ?|
|店員C|そうそう。さっさと出てけよ。&br;ほら、そこの女! お前もだ!|
|〇×|……!|
|リョウ・サカザキ|〇!|
|店員C|なっ……!は、離せよ!|
|リョウ・サカザキ|〇に触るな。|
|店員B|てめぇ!|
|リョウ・サカザキ|遅い!|
|店員A|お、お前ら……やっちまえ!|
|ロバート・ガルシア|させるか!|
|包|僕たちも相手になるよ!|
|リョウ・サカザキ|一撃必殺!|
|ロバート・ガルシア|龍撃拳!|
|包|いくよー!|
|店員A|く、くそっ……覚えてろよ……!|
|店員B|あっ、おい待てって!|
|店員C|オレを置いてくなよお……!|
#endregion

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**第3話  [#story3]
#region(ネタバレ注意)
|リョウ・サカザキ|ふぅ……口ほどにもない奴らだったな。|
|ロバート・ガルシア|×ちゃん、大丈夫やったか?|
|〇×|は、はい。ありがとうございます。|
|包|……けど、店員さんみんな逃げてっちゃったね。&br;どうする?|
|〇×|そ、そうだね……。どうしようか?|
|リョウ・サカザキ|ん? ……悪い、俺の携帯だ。&br;親父からだな。|
|リョウ・サカザキ|もしもし、親父か?&br;……え? ちょ、ちょっと待ってくれ。|
|リョウ・サカザキ|みんな、どうやら親父は防犯カメラでさっきの様子を &br;見ていたらしい。今スピーカーにするから、話を聞いてくれるか。|
|タクマ・サカザキ|やあ、諸君! うちの店員が失礼した。|
|ロバート・ガルシア|師匠! もうかりまっかー……と言いたいとこやけど。&br;これはいったいどういうことですのん?|
|タクマ・サカザキ|どうもこうも、渋谷1号店はご覧の有様でな。|
|タクマ・サカザキ|まずは現状を知ってもらおうと思って、&br;今日、招待したというわけだ。|
|タクマ・サカザキ|リョウ。お前に、この店のリニューアルオープンを任せるぞ!|
|リョウ・サカザキ|…………は?|
|タクマ・サカザキ|期限は10日後だ。現時点の問題を解決し、店を大繁盛させろ! &br;以上だ!|
|リョウ・サカザキ|以上ってどういうことだ! おい、親父……!|
|タクマ・サカザキ|おっと、ワシは忙しいからもう切るぞ。じゃあな。|
|リョウ・サカザキ|切れた…………。|
|ロバート・ガルシア|リニューアルやて?&br;は一。相変わらずの無茶振りやなあ、うちの師匠は。|
|包|しかも、この店を大繁盛させろだって。|
|リョウ・サカザキ|ぐ、ぐぬぬ……。|
|〇×|(リョウさん、頭を抱えちゃった。&br;それはそうだよね。焼肉屋のリニューアルなんて……。)|
|ロバート・ガルシア|どないする? リョウ。&br;このままトンズラするのも選択肢のうちやで。|
|包|そうだよ。&br;たったの10日で大繁盛させるなんて無理だもん。|
|リョウ・サカザキ|…………。|
|リョウ・サカザキ|いや……そう簡単に投げ出すわけにはいかない。|
|リョウ・サカザキ|極限焼肉は、極限流道場の経営を支えるため、&br;親父が始めたビジネスだ。|
|リョウ・サカザキ|『極限』の名が付くこの店の評判を落としては、&br;極限流の名にも泥を塗ることになってしまう。|
|リョウ・サカザキ|親父の思惑に乗るようで、遺憾ではあるが……。&br;これもすべて極限流のため。|
|リョウ・サカザキ|己を高めるための試練と思って、その役目、引き受けよう!|
|〇×|リョウさん……!|
#endregion

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**第4話  [#story4]
#region(ネタバレ注意)
|ロバート・ガルシア|よっしゃ! リョウがその気なら、ワイも一肌脱ごか。&br;金のことならワイがなんとかしたる。|
|リョウ・サカザキ|金?|
|ロバート・ガルシア|設備費用やら宣伝費やら、物入りやろ? &br;投資や、投資。|
|包|はいはーい! 僕も手伝うよ。&br;なんたって同じチームなんだしね!|
|〇×|私にも何か協力させてください。&br;事務的な仕事ならお手伝いできるかもしれません。|
|ロバート・ガルシア|おっ。助かるなあ。&br;金だけではどうにもならんことも多いからな。|
|リョウ・サカザキ|お前たち……。&br;……ありがとう、恩に着る!|
|〇×|(どうなるか不安なこともあるけど…..。&br;みんなで力を合わせれば、きっとやり遂げられるはず。)|
|〇×|(お店のリニューアル、頑張ろう!)|
|>|翌日から、『極限焼肉渋谷1号店』は一時的に店を閉め、&br;本格的にリニューアルオープンの作業に取りかかった。|
|〇×|それにしても、お店がここまで汚れてるとは…….。|
|ロバート・ガルシア|ああ。こりゃ、掃除のしがいがあるってもんや。|
|リョウ・サカザキ|手間をかけるな。|
|包|気にしないでよ、リョウさん。&br;手伝うからには店中ピカピカにしちゃうからね!|
|リョウ・サカザキ|うむ。頼りにしてるぞ、包。|
|〇×|お店の清掃はしっかりやるとして……。&br;他にも考えなきゃいけないことが山積みですね。|
|ロバート・ガルシア|調理器具や必要な備品は、ワイが発注しといたで。&br;リニューアルオープン前には揃うはずや。|
|リョウ・サカザキ|次は、メニューの変更だな。肉の仕入れ先も変えたいし、&br;メニュー自体にも目新しさが欲しい。|
|包|メニューなら、僕も考えてみたよ。ほら!|
|〇×|わあ、新メニューのアイディアがたくさん…….!&br;包くん、これひとりで考えたの?|
|包|うん。僕がお客さんだったらどんなのが食べたいかなって&br;考えてみたんだ。そうしたらたくさん出てきちゃって。|
|リョウ・サカザキ|ほう、これはすごいな。&br;バラエティに富んでいて、新鮮味もあるぞ。|
|ロバート・ガルシア|客視点で考えるってのは大事なことや。&br;やるやないか、包。|
|包|えへへっ。|
|ロバート・ガルシア|じゃ、このメニューを元に、原価率の計算はワイがやったるわ。&br;とにかく利益を出さんことにはな。|
|ロバート・ガルシア|肉の仕入れ先も、いくつかアテがある。&br;早速見積もり出してもらおか。|
|〇×|そうですね……あとは、このお店の評判をどう回復させるかも&br;課題だと思うんです。|
|〇×|気になって、ネットで現時点での評判を調べてみたんですが……。|
|リョウ・サカザキ|ネットの評判か。どうだった?|
|〇×|その……言いにくいんですが、あまり……。|
#endregion

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**第5話  [#story5]
#region(ネタバレ注意)
|包|お姉ちゃん、そこははっきり言わなきゃ。&br;僕もSNSを見てみたけど、最悪だったよ。|
|包|『星1つも付けたくない』とか、&br;『この店に入ったのは人生で最悪の選択だった』とか。|
|リョウ・サカザキ|む……そうか。そうだろうな……。|
|ロバート・ガルシア|今の時代、悪い評判はSNSでどんどん拡散されるからなあ。|
|〇×|はい。なので、お店が新しく生まれ変わるっていうことを&br;大々的にアピールしなければいけないと思うんです。|
|ロバート・ガルシア|宣伝費用はワイが請け負うからきにせんでええけど、&br;ようはその中身を考えんことにはな。|
|〇×|そうですね……。|
|包|うーん……。|
|リョウ・サカザキ|とにかく、その内容については追々考えてみよう。&br;まずは掃除をしっかり終わらせるぞ!|
|〇×|(リニューアルの宣伝方法について、あれからずっと考えてるけど&br;なかなかいいアイディアが浮かばないな。)|
|〇×|(リョウさんも考えることがたくさんありすぎて、&br;さすがに疲れてきてるみたいだし……。)|
|ビリー・カーン|お嬢、ちょっといいか。|
|〇×|あ、ビリーさん。どうしたんですか?|
|ビリー・カーン|最近やたらと、考え込んでる顔してるな。&br;何かあったのか?|
|〇×|実は……。|
|ビリー・カーン|ふゥん……焼肉屋のリニューアルか。|
|〇×|お店はだいぶ綺麗になったし、設備などは問題なさそうなんですが、&br;まだまだ問題が山積みなんです。|
|ビリー・カーン|元々いた店員はどうしたんだ?&br;本来はそいつらの仕事じゃねェのか。|
|〇×|5人ほどいたみたいなんですが、リョウさんたちに&br;一喝されて逃げてしまって、そのまま戻ってきていません。|
|ビリー・カーン|……なるほどな。|
|ビリー・カーン|だいたいの事情はわかった。邪魔したな。|
|〇×|いえ……。|
|〇×|(ビリーさん、どうしたんだろう? &br;何か考え込んでいたみたいだけど。)|
|〇×|(それにしても鋭いなあ。&br;私が悩んでることに気付いちゃうなんて。)|
|〇×|(うーん……どうにかして打開策を見つけたいけど、&br;一体どうすれば……。)|
#endregion

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**第6話  [#story6]
#region(ネタバレ注意)
|ジョー・東|よう、×ちゃん!|
|二階堂紅丸|お疲れさま。掃除、ありがとうね。|
|〇×|ジョーさん、紅丸さん。&br;お疲れ様です。|
|ジョー・東|……ん? ×ちゃんなんか悩みでもあんのかー?|
|〇×|えっ……。|
|二階堂紅丸|かわいらしい眉間にシワが寄っているよ。&br;まるでリョウみたいだ。|
|〇×|リョウさん……ですか?&br;もしかして、お二人とも焼肉屋のこと……。|
|ジョー・東|ああ、リョウから聞いたぜ。&br;なかなか大変みたいだな。|
|二階堂紅丸|焦る気持ちも分かるけど、アイディアというのは &br;リラックスしたときほど降りてくるものだからね。|
|二階堂紅丸|少し、肩の力を抜いてごらん。|
|〇×|肩の力を……そうですね。|
|二階堂紅丸|うん、いい笑顔だ。それでこそ×ちゃんだよ。|
|ジョー・東|オレたちも協力は惜しまないぜ!&br;できることがあったらなんでも言ってくれ。|
|〇×|ありがとうございます。|
|ファンA|あのう……大門道場ってここですか?|
|〇×|はい、そうですが……何かご用でしょうか?|
|ファンB|私たち、ここの格闘家のみなさんのファンなんですけど……。|
|ファンB|って、きゃああああ! 二階堂紅丸!|
|二階堂紅丸|ん? 俺かい?|
|ファンA|ジョー・東もいるぞ! ほ、本物だ……!|
|ジョー・東|おお! まさしくオレがジョー・東だ!|
|ファンA|この間のKOF見ました! チョーかっこよかったっす!&br;あの、握手してもらってもいいっすか……!|
|ジョー・東|握手くらい構わないぞ!&br;ほら、いくらでも握ってくれ!|
|ファンB|べ、紅丸さん……! サインくださいっ!|
|二階堂紅丸|もちろんだよ。お安いご用だ。|
|〇×|(相変わらず、お二人ともファンに優しいなあ。&br;ファンの人たちも嬉しそう。)|
|〇×|(…そうだ!)|
|リョウ・サカザキ|〇、みんなを集めてどうしたんだ?&br;しかもジョーと紅丸まで呼ぶとは。|
|〇×|はい。前に話していたお店の評判を上げる方法ですが……。|
|〇×|この極限焼肉渋谷1号店を『KOFのファイターが働く店』として&br;PRするのはどうでしょうか?|
#endregion

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**第7話  [#story7]
#region(ネタバレ注意)
|〇×|この極限焼肉渋谷1号店を『KOFのファイターが働く店』として&br;PRするのはどうでしょうか?|
|リョウ・サカザキ|ほう……。|
|〇×|幸い、前回のKOFのおかげでファイターのみなさんへの&br;好感度はかなり高まっています。|
|〇×|今はKOFが開催されていませんが、その分、&br;ファイターたちを間近で見られるとなれば……。|
|リョウ・サカザキ|この店に足を運ぶ客も増える、というわけか。|
|ロバート・ガルシア|ええんやないか。ワイは大賛成や!|
|二階堂紅丸|ファンサービスの一環ってことだね。&br;俺でよければ力になるよ。|
|ジョー・東|もちろん、オレもだ!|
|リョウ・サカザキ|なるほど……これならいけるかもしれん。&br;……ありがとう、みんな。それに、〇も。|
|〇×|いえ、そんな。|
|包|あ、じゃあさ。新しいメニューにも、KOFをテーマにしたものを&br;入れてみたらどうかな?|
|包|それをビラにして、お店の前や駅前で僕たちが直接配ったりとか。|
|包|紅丸さんが配ったら、女の子たちいーっぱい来るよ!|
|二階堂紅丸|俺が?&br;それが×ちゃんの助けになるなら、手伝おうかな。|
|リョウ・サカザキ|おお……いい考えだ!&br;では、その路線で行こう!|
|〇×|はい!|
|ロバート・ガルシア|KOFをテーマにした新メニュー、ファイターによるビラ配り。&br;どれもなかなかええとは思うが……。|
|ロバート・ガルシア|欲を言えば、もう一押し、派手なPRをしたいとこやな。|
|リョウ・サカザキ|これ以上、何かPRが必要か?|
|ロバート・ガルシア|前にも言ったやろ。悪い評判はSNSであっという間に広まる。&br;一度悪うなったイメージを払拭するには、一筋縄ではいかんのや。|
|ロバート・ガルシア|やりすぎと思われるくらい、ド派手なPRをせんとあかん。|
|草薙京|……っ、邪魔するぞ!|
|〇×|京さん? どうしたんですか?|
|草薙京|あ? なんだお前ら、揃いも揃って。|
|二階堂紅丸|ここ、極限焼肉。知らないで入ってきたのか?|
|草薙京|うるせーな。こっちは八神を撒いてきたとこなんだよ。&br;身を隠すのにちょうどいいと思って飛び込んできただけだ。|
|草薙京|悪いが、少し休ませてもらうぜ。|
|リョウ・サカザキ|それは構わんが……。|
|八神庵|……見つけたぞ、京!&br;逃げても無駄だ。今すぐ死ね!|
|草薙京|相変わらずしつこい奴だな……。&br;仕方ねぇ。相手になってやるよ!|
|〇×|(ああ……お店の中でお二人の戦いが始まってしまった……!)|
|リョウ・サカザキ|まったく……仕方のない奴らだな。|
|二階堂紅丸|×ちゃん、危ないからこっちにおいで。|
|〇×|は、はい、でも……。|
|ロバート・ガルシア|いつものことや。放っておけばそのうち終わるやろ。|
|〇×|(本当に大丈夫かな……。)|
|包|……あれ? なんか美味しそうな匂いがする!|
#endregion

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**第8話  [#story8]
#region(ネタバレ注意)
|ジョー・東|~~♪|
|〇×|……えっ、ジョーさん!?&br;いつの間に焼肉なんて……!|
|ジョー・東|ああ、悪いな、リョウ。&br;ちょっと鉄板を借りてるぞ!|
|リョウ・サカザキ|それは構わないが……いきなりどうしたというんだ。|
|ジョー・東|ちょっと新しいメニューをひらめいてよ!&br;試しに作ってみてるんだ。|
|草薙京|……ん? なんだ?&br;すげぇ美味そうな匂いだな。|
|八神庵|…………。|
|ジョー・東|……よし、できた!&br;ちょうどいい。そこにいる京と八神、食ってみてくれ!|
|草薙京|なんでオレが……。まぁ美味そうだし、もらえるなら食うけどよ。|
|ジョー・東|おーい、八神もこっちに来い。&br;肉が固くなるぞー。|
|八神庵|………なぜ俺が京と同じテーブルにつかねばならん。|
|草薙京|別にオレ一人で全部食ってもいいんだぜ。|
|八神庵|フン、好きにしろ。……だが覚えておけ。&br;それが貴様の最後の晩餐とな――|
|ジョー・東|いいから、早く座れって!|
|八神庵|お、おい……! 引っ張るな!|
|草薙京|へえ。いい匂いじゃねぇか。&br;走り疲れて腹減ってたんだよな。|
|八神庵|……………………。|
|草薙京|んじゃ、いただき!|
|八神庵|待て。こちら側の網に乗っている肉は俺の獲物だ。&br;手を出したら殺す。|
|草薙京|わかったわかった。……むぐ、もぐもぐ……。|
|草薙京|……うめぇ! なんだこれ! &br;信じられねぇくらい美味いぞ!|
|八神庵|くっ……!?|
|八神庵|なんだ、この抗いがたい衝動は……!|
|〇×|(ふ、二人とも、ものすごい勢いで食べてる……!)|
|草薙京|肉が柔らかくて口の中で溶けてくのに、全然脂っこくねぇ。&br;これならいくらでも食えるぞ!|
|八神庵|そして肉と野菜の旨みを最大限に引き出す、芳醇なタレ…。&br;くっ……箸が止まらん……!|
|包|いいなあ、二人とも。うらやましいー!|
|ジョー・東|包にも後で食わせてやるぞ!|
|包|ほんと? やったー!|
|〇×|(京さんと八神さんの戦いを止めた焼肉……!&br;いったいどれだけ美味しいの!?)|
|草薙京|ふぅ……ごちそーさん! 最高に美味かったぜ!|
|八神庵|まさか、この世にこんな焼肉があるとはな……。|
|草薙京|……じゃ、そういうことで。オレは帰るぜ。&br;邪魔したな!|
|八神庵|京! 貴様、逃げる気か! 待て!|
|〇×|あっ、二人とも……! &br;……行っちゃいましたね。|
|ロバート・ガルシア|……よし! 撮影完了や。|
|リョウ・サカザキ|どうしたんだ?|
|包|ロバートさん、もしかして今のをずっとスマホで録画してたの?|
|ロバート・ガルシア|ふっふっふ、その通りや。|
|ロバート・ガルシア|草薙京VS八神庵、宿命の対決! ……せやけど、次の瞬間には&br;二人で仲良く焼肉を食べとる。|
|ロバート・ガルシア|どや? なかなかインパクトあるやろ?|
|〇×|はい……! すごい動画だと思います。|
|ロバート・ガルシア|これをCMに編集して、ネットにアップする。&br;きっとあっちゅー間に拡散されるで。|
|リョウ・サカザキ|そうか! ロバート、頼めるか?|
|ロバート・ガルシア|まかせとき!|
|包|それじゃあ僕は、ビラ配りに行ってこようかな。&br;紅丸さんも行こうよ!|
|二階堂紅丸|それじゃあ着替えてくるよ。|
|包|え!? お店の宣伝なんだから着替えちゃダメだよ!|
|二階堂紅丸|なんだって!&br;俺にこのTシャツで外に出ろっていうのか……。|
|〇×|ふふ。極限Tシャツを着ている紅丸さんも素敵ですよ。|
|二階堂紅丸|はあ。×ちゃんのハートが掴めるなら悪くないか。&br;俺も手伝うよ。|
|リョウ・サカザキ|二人とも、任せたぞ!|
|〇×|(リニューアルオープンまであと少し。&br;気合いを入れて頑張らなきゃ!)|
|>|そして、いよいよリニューアルオープン当日――|
|〇×|す、すごい行列……! &br;リョウさん、お店の前に長蛇の列ができてます……!|
|リョウ・サカザキ|あ、ああ……これは一体……。|
#endregion

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**第9話  [#story9]
#region(ネタバレ注意)
|包|例のCMがSNSでバズってるみたいだよ。&br;すごいね、1000万回再生だって! ほら、コメントもこんなに!|
|ロバート・ガルシア|包と紅丸が配ってくれたビラも効果があったようやな。|
|リョウ・サカザキ|そ、そうか……ありがたい話だが……。|
|ジョー・東|どうした? もっと喜べよ!|
|リョウ・サカザキ|……さしたる接客経験のない俺たちに、この人数を&br;さばききれるのか、少し不安になってな。|
|〇×|(確かに……。)|
|二階堂紅丸|とにかく、そろそろ店を開けないと。お客さんが待ちかねてるよ。|
|リョウ・サカザキ|……そうだな。 みんな、よろしく頼むぞ!|
|客A|すいませーん、注文お願いします!|
|客B|さっき頼んだカルビ定食、まだですか?|
|客C|こっちもずっと待ってるんだけど!|
|〇×|は、はい、ただいま!&br;少々お待ちください……!|
|〇×|(さっきからものすごい忙しさ。目が回りそう……!)|
|包|ねえ、3番テーブルの注文まだー? &br;お客さん怒ってるよー。|
|ジョー・東|ちょっと待ってくれ! 今、手が離せん!|
|ロバート・ガルシア|こっち先に頼む! オーダーミスや!&br;2人前やなくて3人前!|
|リョウ・サカザキ|おい、誰かレジ頼む!&br;会計のお客さんが待ってるぞ!|
|二階堂紅丸|そんなこと言ったって、文 誰も手なんか空いてないぜ!|
|〇×|(どうしよう、このままじゃお客さんの我慢が&br;限界を超えてしまう。)|
|〇×|(せっかくこんなにたくさん来てくれてるのに……。)|
|リョウ・サカザキ|……クソッ、どうすればいいんだ!&br;とにかく人手を……!|
|ビリー・カーン|人手ならここにあるぜ!|
|〇×|ビリーさん! それに……。&br;この前の店員さんたち!?|
|ビリー・カーン|テメェら! 一度請けた仕事は最後まできっちりやれ。&br;いいな!?|
|店員たち|はい! ビリーさん!|
|〇×|……ええっ!?|
|〇×|(一体どういうこと? あんなに素行が悪そうだったのに……。)|
|店員A|オレ、厨房入るっす!|
|店員B|レジ行ってきます!|
|店員C|これどのテーブルに運べばいいっすか!|
|リョウ・サカザキ|あ、ああ……では3番テーブルに頼む。|
|店員C|オス!|
|リョウ・サカザキ|どういうことなんだ……。 ビリー、何があった?|
|ビリー・カーン|どうもこうも、あいつらをとっ捕まえて&br;『教育』してきただけだ。|
|二階堂紅丸|はぁ……一体どんな『教育』なんだか。|
|包|けど、助かっちゃうね! あの人たち元々この店にいたから &br;なんだかんだでよくわかってるみたいだし。|
|ロバート・ガルシア|その通りやな。 じゃ、手が空いたワイらは皿洗いでもするか。|
|〇×|私も手伝います!|
|ジョー・東|包、冷蔵庫から塊肉を出してきてくれるか?|
|包|りょうかーい!|
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**第10話  [#story10]
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|客A|はー、美味かった……! また来るよ!|
|リョウ・サカザキ|ありがとうございました!|
|店員たち|ありがとうございましたー!|
|〇×|今のお客さんで最後ですね。|
|リョウ・サカザキ|ああ。みんな、お疲れさん!|
|ロバート・ガルシア|はあ、やれやれ……やっと終わったか。|
|包|疲れたー。でも、すっごく楽しかった!|
|ジョー・東|ああ。こんな経験、なかなかできるものじゃないしな!|
|〇×|ビリーさんも、フロアリーダーお疲れ様でした。|
|ビリー・カーン|チッ……フロアリーダーなんてガラじゃねぇってのによ……|
|二階堂紅丸|そうかな。結構、様になってたと思うけどね。|
|店員A|あの、みなさん……ありがとうございました。&br;そんで……すんませんでした!|
|店員B|オレたち、ビリーさんのおかげで目が覚めたっす。|
|店員C|この店は、オレたちの力で頑張って続けようと思います!|
|リョウ・サカザキ|お前ら……。&br;……そうか。ここは親父の大事な店だ。頼んだぞ!|
|店員たち|はいっ!|
|〇×|(よかった。この様子なら、きっと彼らだけで大丈夫そう。)|
|〇×|……あれ?|
|リョウ・サカザキ|ん? どうした、〇。|
|〇×|でも……このお店、『KOFのファイターが働く店』として&br;PRしてしまいましたよね。|
|〇×|これからも、それを期待して来るお客さんが&br;いるんじゃないでしょうか?|
|ファイターたち|あ。|
|リョウ・サカザキ|……確かに、言われてみればその通りだな。|
|ロバート・ガルシア|ま、ええんちゃう? 手伝いってことなら。|
|包|僕、また手伝いたい! まかないで焼肉も食べられるしね。|
|二階堂紅丸|はは、ちゃっかりしてるな。|
|ジョー・東|オレもまだまだ新しいメニューを開発したいと&br;思っていたところだ!|
|ビリー・カーン|まあ……たまにならな。|
|リョウ・サカザキ|……仕方ないな。乗りかかった船だ。|
|店員A|みなさん……オレ、感激っす!|
|店員B|あの、実はオレらも焼肉屋やりながら&br;格闘家目指そうと思ってるんす。|
|店員C|オレらも、リョウさんやビリーさん……みなさんみたいに&br;強くなりてーんです!|
|リョウ・サカザキ|おお、そうか!&br;極限流はいつでも弟子入り歓迎だぞ!|
|〇×|ふふ……これならお店のイメージも問題なさそうですね。|
|リョウ・サカザキ|よし、それじゃあみんな、さっさと片付けをして&br;打ち上げをするぞ!|
|リョウ・サカザキ|今日は店のおごりだ。遠慮せず、じゃんじゃん食ってくれ!|
|ジョー・東|でも、冷蔵庫の肉はほとんど使い切ってしまったぞ?|
|ロバート・ガルシア|大丈夫や。打ち上げ用の肉は残してあるし、&br;明日の分はちゃんと入荷するからな。|
|二階堂紅丸|やったね。何を頼もうかな。|
|包|僕、CMのやつが食べたい!|
|店員A|あの、オレらもいいんすか?|
|リョウ・サカザキ|当たり前だ!|
|店員B|あざっす! ゴチになります!|
|ビリー・カーン|テメェら、ちゃんと配分考えて食えよ!|
|店員C|うっす!|
|リョウ・サカザキ|〇もありがとう。お前のアイディアや頑張りのおかげで、&br;この難局を乗り切ることができた。|
|リョウ・サカザキ|今夜ばかりは、少し羽目を外そう。以前食べさせてやれなかった分、&br;存分に食べていってくれ!|
|〇×|はいっ! ごちそうになります、リョウさん!|
#endregion

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