サイドストーリー /1st/ロバート・ガルシア のバックアップ(No.6)



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エピローグ70メインストーリー4章29話読了
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1章 Edit

1話 Edit

+  ネタバレ注意
私は、京さんたちと一緒に、格闘家のみなさんとの
飲み会へ向かっていた――
〇×(主人公)リョウさんたちの試合、すごかったですね。
私、まだドキドキしてます……。
草薙京なんだよ。まだそんなこと言ってんのか?
〇×あんなに激しい戦いを目の前で見たら、
胸がいっぱいになってしまって……。
草薙京ったく、そうやってぼんやり歩いて、
転んでも知らねえぞ。
二階堂紅丸ふふ、その時は俺が×ちゃんを
受け止めるから、大丈夫だよ。
二階堂紅丸それとも、俺が手をとってエスコートしようか?
〇×い、いえ! 大丈夫です、ありがとうございます。
矢吹真吾〇さん、無理はしないでいいっすからね!
疲れたら、いつでも言ってください!
〇×うん。真吾くんもありがとう。
〇×(……本当は、靴擦れしてて歩きづらいんだけど、
飲み会のお店までくらいなら、平気そうかな。)
二階堂紅丸……なんだ? 随分センスのいい車が停まったじゃないか。
草薙京オープンカーかよ。すかしてんな。
矢吹真吾わー、かっこいいっすね。
どんな人が乗ってるんでしょう?
〇×(あれ? 運転席の人がこっちに手を振ってる?)
〇×あ、あの人、ロバートさんじゃないですか?
ロバート・ガルシアどーも、×ちゃん。
さっきは控室まで来てくれて、ありがとうな。
ロバート・ガルシアもしよかったら、ワイの車で一緒に行かへん?
特別サービスで乗せてったるで。
二階堂紅丸なんだよ、ロバート。随分いい車に乗って来たと思ったら、
×ちゃんを、さらって行くつもりなのか?
矢吹真吾そうっすよ! 〇さんだけじゃなくて、
おれたちも乗せてってください!
ロバート・ガルシアそれがな、後部座席見てくれん?
〇×……あ、包くん。
すごく気持ちよさそうに寝てますね。
ロバート・ガルシアそういうこと。
つまり、むっさい男たちを乗せるスペースはないわけやな。
ロバート・ガルシアさ、ワイの車はレディ優先やで。
×ちゃん、助手席でよければ乗ってくれや。
〇×で、でも……。
〇×(京さんたちを置いて、
私だけってわけにはいかないよね。)
草薙京〇、いいから乗っていけよ。
〇×え? でも、私だけ乗せてもらうなんて悪いですよ。
二階堂紅丸ふふ、×ちゃんは優しいんだね。
でも気にしないで大丈夫だよ。
矢吹真吾おれもオープンカーに乗ってみたかったですけど、
今回は〇さんに譲ります。
草薙京〇、じゃあ後でな。
紅丸、真吾、行くぜ。
〇×(あ、京さんたち行っちゃった……。)
ロバート・ガルシアほな、×ちゃんはワイの車で決まりやな。
ほら、はよ乗りや。
〇×は、はい。よろしくお願いします……。
ロバート・ガルシアなんや、×ちゃん、京らのこと気にしとんの?
〇×はい。私、みなさんのマネージャーを任されてるのに、
一緒に行かなくてよくなかったかなって……。
〇×(本当は、靴擦れが痛いから、乗せてもらえるのは
嬉しいけど、やっぱりよくないよね。)
ロバート・ガルシアそんなん平気やて。
×ちゃんは真面目な子なんやなー。
ロバート・ガルシアそれに、×ちゃん、足靴擦れしとるやろ。
そういう時は、無理せんどけばええねん。
〇×え? そうですけど、なんでわかったんですか?
ロバート・ガルシア歩き方を見て、靴擦れしとんのやろなって。
ロバート・ガルシア京と紅丸も気付いてたんちゃうかな。
真吾のやつは、どうか知らんけど。
〇×そうだったんですか。
私、飲み会のお店までなら、歩けるかと思って。
ロバート・ガルシアそうは思うても、無理は禁物やで。
京らも、大事なマネージャーに無理させたくないやろ。
ロバート・ガルシアちょっとでもしんどい時は、いつでも言うんやで。
少なくとも、ワイは×ちゃんのこと、放っとかへん。
〇×はい。ありがとうございます。
〇×(ロバートさんとふたりで話すの初めてだけど、
なんだか前から知ってたような、話しやすい人だな。)
〇×(……ロバートさんの車でしばらく走って来たけど、
ずっと歩行者の視線を感じる。)
女性Aねえねえ! 信号待ちしてる車の男の人、
すっごくかっこいいね!
女性Bほんとだ! それに乗ってる車も、すごい素敵!
〇×(歩いてる女の人たちの声が聞こえてくる。
うん、確かにロバートさんって格好いいよね。)
ロバート・ガルシアどーも。お嬢さんら、声援ありがとな。
女性A手を振ってくれたー!
女性Bきゃー! 笑った顔も素敵ー!
〇×(ロバートさん、笑顔で女の人たちに手を振ってる。
なんだか、こういうことも様になっちゃう人だな。)
ロバート・ガルシアすまんなあ。ワイがオープンカーに乗っとると、
こういうことが多いんや。落ち着かんやろ。
〇×い、いえ、ちょっとびっくりしちゃうけど、
大丈夫ですよ。
〇×(ロバートさん格好いいし、こういう車に乗ってると、
すごく目立つんだろうな。)
ロバート・ガルシアほなよかった。
飲み会の店に着くまで、もうちょい寛いでってや。
ロバート・ガルシアあ、そや。今乗っとるこの車、実は日本で借りたもんなんや。
ワイの愛車は、国に置いてきてしもうてな。
ロバート・ガルシアワイの車、めっちゃ格好ええんやで。
×ちゃんに見せたかったわ。
〇×(この車でも周りの注目を集めてるのに、
愛車だったら、ロバートさんもっと目立っちゃうのかな?)
女性C――ねえねえ。あの車の男の人、すっごいかっこよくない!?
〇×(信号待ちで、また黄色い声が聞こえてきた。
私が見られてるんじゃないのに、緊張しちゃうなあ……。)
ロバート・ガルシア――あ~、そうや、×ちゃん。
あんた、いろいろ大変やったみたいやなあ。
〇×え? 私ですか?
えっと……なんのことでしょう。
ロバート・ガルシア務めてた会社が、倒産してもうたんやろ?
ロバート・ガルシア紅丸がSNSで、新しいマネージャーのこと呟いててな。
それで×ちゃんのことを知ったんや。
〇×そうだったんですね。
はい、そうなんです。突然倒産してしまって……。
ロバート・ガルシアそうなんか。上の連中もいろいろあったんやろうけど、
社員の再就職もサポートせんと、冷たい会社やなあ。
ロバート・ガルシアワイがその会社の社長やったら、
社員に絶対そんな苦労はさせへんのに……。
〇×ありがとうございます、ロバートさん。
でも、私もう大丈夫ですよ。
〇×(……とはいっても、やっぱり時々、
前の会社のこと、考えちゃうこともあるかな。)
ロバート・ガルシアま、元気だしぃや。
女の子は笑顔でいるんが一番やで!
〇×はい。ありがとうございま……きゃっ!
〇×(きゅ、急にすごいスピードに! びっくりした!)
ちょ、ちょっと、どうしたの!?
急にすごく揺れたけど!
〇×あ、包くん起きちゃったね。
今、ロバートさんが急にスピードを出したの。
ロバート・ガルシアははは、どや? びっくりしたやろ。べおもろかったんちゃう?
え、ええ? すごくびっくりはしたけど、
突然どうしたの?
ロバート・ガルシアははは、すまんすまん、ちょっとした気まぐれってやつや。
〇×(ロバートさん、私を笑わせようとしてくれたんだな。
うん、なんだか楽しくなってきたかも。)
すっかり起きてしまった包くん、ロバートさんと会話を弾ませつつ、
目的地の居酒屋へ向かっていった――

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2章 Edit

2話 Edit

+  ネタバレ注意
私の力のことも、黒いモヤのことも、
わからないまま朝を迎えた――
〇×(主人公)(なんだかあんまり眠れなかったけど、
早く朝ご飯の支度をしに行かなくちゃ。))
〇×(あれ? 道場の方から誰かの声がする。
誰かトレーニングしてるのかな?)
矢吹真吾てやっ!このっ!
ロバート・ガルシアハッ! ハッ! トリャッ!
〇×(ロバートさんと、真吾くん。
ふたりとも、こんな早い時間から手合わせしてるんだ。)
矢吹真吾隙あり!
真吾キィィィック!!
ロバート・ガルシア残念、そっちこそ隙だらけや!
とりゃ! とりゃ! とりゃ!
矢吹真吾くぁっ!
くっ! まだまだっ!
ロバート・ガルシアお、まだ起き上がるん?
ほんなら、これはどないや!
矢吹真吾ひぃっ! 容赦なさすぎっす!
〇×(ロバートさん、流れるようなキックの連続。
真吾くん、防ぐだけで精一杯みたい。)
ロバート・ガルシア――ふう。
まあこんなもんかな。お疲れさん。
矢吹真吾はあ、はあ……。
あ、ありがとうございました……。
ロバート・ガルシア朝からええ運動になったで。
こっちこそありがとな。
矢吹真吾い、いい運動って……おれはもう限界っす。
さすがは極限流師範代、強すぎですよー。
ロバート・ガルシアいやいや、真吾もなかなか強かったで。
なんなら、極限流の門下生にならんか?
矢吹真吾え? 何言ってるんですか!
おれの師匠は、草薙さんだけっすよ!
ロバート・ガルシアははは、わかっとるって。
冗談や、冗談。
ロバート・ガルシアほんで、×ちゃんはどやった?
ワイの技、かっこよかったやろ?
矢吹真吾へ? 〇さん?
いつの間に……!
〇×ふたりの手合わせの途中から、お邪魔してました。
矢吹真吾ひどいっすよー。声かけてくれれば、
もうちょっと格好いいとこ見せたのに。
ロバート・ガルシア真吾、残念やけど、×ちゃんは
ワイに見惚れてたみたいやで?
ロバート・ガルシアな? そやろ?
×ちゃんの熱視線、感じたで。
〇×えっ! い、いえいえ! そんなことは……!
ロバート・ガルシアははっ。そないに全力で否定することないやん。
ウブやなぁ。
ロバート・ガルシアあんときは、正気じゃなかったとはいえ、
こんな可愛らしい子を、恐ろしい目に合わせてもうたんやな。
ロバート・ガルシア嬢ちゃん。ほんま、あんときはおおきにな。
〇×そんな、気にしないでください……え?
〇×(ひゃっ! ロバートさんが手を……。)
矢吹真吾ちょ、ロバートさん、何してるんですか!
〇×あ、あの、ロバートさん? どうしたんですか?
ロバート・ガルシアほんま、女神様みたいな綺麗な手やなあと思ってな。
この手がワイらを救ってくれたんやな。
〇×女神様だなんて。まだ私の能力が何かわかりませんし、
それに、あのときはただ必死だっただけですから。
ロバート・ガルシアその必死な気持ちが、ワイとリョウを救ったんやろ。
ロバート・ガルシアほんまおおきに。
×ちゃんは、ワイらの命の恩人や。
〇×そんな、ロバートさんだって、
私を逃がすために、戦ってくれたじゃないですか。
ロバート・ガルシアそりゃそうや。命の恩人を守るのは当然やで。
ロバート・ガルシアこれからは、ワイとリョウが、あんたを助ける。
今ここで、誓わせてくれや。
〇×は、はい。
ロバートさん、ありがとうございます。
〇×(ロバートさん、真剣な目で、誓ってくれた。
――私も、何かロバートさんの助けになりたいな。)
ロバート・ガルシアそう言ってもらえてよかったわ。
これから、改めてよろしゅうな。
矢吹真吾ちょっと、ロバートさん、
いつまで〇さんの手を握ってるんですか?
ロバート・ガルシアお、そういえばワイ、手合わせで汗かいたんやった。
いつまでも×ちゃんに引っ付いてたら悪いわ。
ロバート・ガルシアほんなら、シャワーでも行ってくるわ。
おふたりさん、また後でな。
矢吹真吾ロバートさん、行っちゃいましたね。
おれ、ロバートさんに全然歯が立たなかったっす。
〇×そういえば、手合わせのあと、ロバートさんのこと
『極限流師範代』って言ってたけど、それって……?
矢吹真吾あれ? 〇さん、知らないんすか?
ロバートさんは『極限流』って流派の師範代なんですよ?
矢吹真吾極限流は、リョウさんが師範で、ロバートさんが師範代で、
ふたりは『無敵の龍』『最強の虎』って呼ばれてるんですよ!
〇×『無敵の龍』に『最強の虎』って、
なんだかすごく強そうだね。
矢吹真吾ですよね! しかも、そう呼ばれるのが納得できるくらい、
ふたりはめちゃくちゃ強いんです!
〇×(ロバートさん、武術の流派の師範代だったなんて、
普段の雰囲気からはイメージできない……不思議な人だな。)
ロバート・ガルシア(×ちゃん、顔赤くして可愛かったなあ。
あんなウブな子見たんは、久しぶりや。)
ロバート・ガルシア(と、あかんあかん。
にやけてる場合ちゃう、気い引き締めな。)
ロバート・ガルシア……さて。かけなおしとくか。
ロバート・ガルシア――ロバートや。悪いな、カーマン。
ずっと電話に出れんかった。
ロバート・ガルシアそうや、ちぃと憂き目を見る羽目になってもうたが、
もう大丈夫や。こっちには女神様がついとる。
ロバート・ガルシアそれより、今回のKOFの主催は、ほんまヤバいで。
ロバート・ガルシア――大会スポンサーをだまくらかしてくれたこと、
よくよく後悔させなあかんようや。

3話 Edit

+  ネタバレ注意
伊勢へ向かうための買い出し中――
×お姉ちゃん、まずはどこのお店に行く?
〇×(主人公)うーん。どのくらい伊勢にいるかわからないし、
着替えとか日用品とか、あとはもしもの時の薬とか――
あと、おやつも忘れないでね!
二階堂紅丸おいおい包。おやつって、遠足に行くんじゃないんだぜ?
えー、でもおやつは絶対必要だよ!
……ほら、あのお店のお菓子とか、美味しそう!
二階堂紅丸あっ! おい、包、ひとりで行くな。迷子になるぞ。
〇×あっ、ふたりとも待ってください!
ロバート・ガルシアははは、これから泉の水を浄化して、
世界救おうとしとるとは思えんな。
〇×ふふ、そうですね。
なんだか、いつものお買い物みたいです。
ロバート・ガルシアそうやな。でも伊勢行く前に
のんびりみんなで買い物できるんは、今日だけかもな。
ロバート・ガルシアと、いうわけやから、この貴重な時間、
ちょっとワイに貸してくれへん?
〇×え?
ええと、どういう意味でしょう?
ロバート・ガルシア×ちゃんが、ワイを救ってくれたことへのお礼、
まだしてへんかったやろ?
ロバート・ガルシア後々なんかできたらって思てたんやけど、
こんな状況やし、今お礼させてや。
〇×そんな、お礼なんて……。
それに今は、包くんと紅丸さんを追いかけないと。
ロバート・ガルシアだーいじょうぶやって。あいつらが迷子になることないやろ。
ちょっとくらい別行動したってかまへん。
ロバート・ガルシアほら、行こうや。
×ちゃんに、来てほしい店があんねん。
〇×(……ここって、靴のお店?)
ロバート・ガルシア×ちゃん、前にワイの車乗った日、靴擦れしてたやん?
その靴、合うとらんのやろ?
〇×実は、そうなんです。長く歩くと少し痛むんですけど、
ここ最近、買い替える時間が無くて、そのままで……。
ロバート・ガルシアあかんあかん。伊勢行ったらたくさん歩くことになるやろし、
足に合った靴、買っといたほうがええと思うで。
〇×あ、あの、『お礼』って、もしかして……?
ロバート・ガルシアおう、そやで。
ワイが×ちゃんに合う靴、買うたるわ。
〇×そ、そんな、いいですよ。
申し訳ないです……!
ロバート・ガルシア前も言うたやろ、
『×ちゃんは命の恩人』やって。
ロバート・ガルシアほんまに感謝してるんや。
こんくらいのことはさせてもらえんと、困るわ。
〇×……わかりました。
あの、本当にありがとうございます。
ロバート・ガルシアええんやって! ほら、×ちゃん足のサイズ何センチ?
ワイが、よさそうなん、いくつか見繕ってくるわ。
ロバート・ガルシアほらほら、そこの椅子座って。
のんびり待っててくれればええからな。
ロバート・ガルシアとりあえず、ワイが見た中でよさそうなんは、
これと、これと、こいつと、こっちと、それと――
〇×(わあ、ロバートさん、たくさん靴を持ってきてくれた。
どれもすごく素敵だなぁ。)
ロバート・ガルシアほな、まずはこの靴から履こうか。
×ちゃん、足貸してえな。
〇×ま、待ってください、ロバートさん、
私、靴の脱ぎ履きくらい自分でできます……!
ロバート・ガルシアええから。任しとき、
〇×(ロバートさんの手が脚に触れて……。
なんだか恥ずかしい……。)
ロバート・ガルシア――うーん、こっちは違ったな。これもだめや。
ロバート・ガルシアお、これはどうやろう?
×ちゃん、歩いてみてくれへん?
〇×あ、はい。
――そうですね。歩いてみて違和感はないです。
ロバート・ガルシアうーん、でもなあ、ちょーっと体重のかかり方が悪そうや。
なかなか難しいなあ。
〇×(ロバートさん、すごくこだわって選んでくれてるみたい。)
ロバート・ガルシアあ、そうや!
×ちゃん、ちょっと座って待っててな。
〇×(ロバートさん、何か思いついたみたいに、
嬉しそうに歩いて行った。どうしたんだろう?)
ロバート・ガルシア――×ちゃん、お待たせ。
このスニーカー、履いてみてくれへん?
〇×これですか? わあ、デザインが可愛いですね……!
ロバート・ガルシアええのは見た目だけやないで。
この靴のメーカーの靴は、履き心地が抜群なんや。
ロバート・ガルシアこのメーカーはな、めっちゃ企業努力してるんやで。
ええ靴を作るための研究を、かかさんのや。
ロバート・ガルシアいろんな人種、性別、年齢、体形の人の、
足に掛かる負荷をデータ化して、靴作りにいかしとる。
ロバート・ガルシアそれに、最高のスポーツシューズを作るために、
スポーツチームやスタジアムを、いくつも保有してるんやで。
〇×なるほど……。いい靴を作るために、
頑張ってるメーカーさんなんですね。
ロバート・ガルシアそうなんや。どうも、創業者の妻が、大ケガして
足に後遺症を持っとる人らしくてな。
ロバート・ガルシアそういうこともあって、よりいい靴、歩きやすい靴を
作ることに、情熱を注いでるっちゅう話や。
〇×そうだったんですか。
創業者の人、きっといろいろな思いがあるんでしょうね……。
ロバート・ガルシアそういうこっちゃな。さ、×ちゃん、メーカーの
努力の結晶の靴、履いて歩いてみてくれんか。
〇×はい。
――わ、この靴とても歩きやすいし、すごく軽いです!
ロバート・ガルシアうんうん、歩き方もきれいやな。
よっしゃ、この靴で決まりや!

4話 Edit

+  ネタバレ注意
新しい靴のフィッティングが終わり――
〇×(主人公)(そう言えば、ロバートさんが
選んでくれた靴、いくらなんだろう?)
〇×(――ええっ!?
これ、私が想像してた値段と桁が違う……!)
店員こちら、お買い上げですね。
ありがとうございます。
ロバート・ガルシアプレゼント用に包んでくれはります?
ええと、リボンの色は――
〇×あ、あの、ロバートさん! やっぱりいいです!
私、こんな高い靴だって知らなくて。ごめんなさい!
ロバート・ガルシアなんや? ×ちゃん、まだ遠慮しとるん?
ええって。足に合うならそれが何よりやろ?
店員こちら、お買い上げいただきましたお品になります。
お出口までお運びしますね。
ロバート・ガルシアどうもおおきに。
ロバート・ガルシアほら×ちゃん、はよ行くで。
〇×あ、ちょっと、ロバートさん……!
〇×あの、あんなに高い靴買っていただいて、本当にすみません。
私、ぜんぜん値段を見てなくて。
ロバート・ガルシアだからええんやって。
ええもんは高い。当然やろ?
ロバート・ガルシアまあ、この大量消費の時代、高級品てのは贅沢品と
思われがちやけどな。
ロバート・ガルシアけど値が張るもんてのは、ええもんを届けようとした人らの、
妥協なき理想と、技術の結晶なんやで。
ロバート・ガルシアそういうんを、ワイらが使っていくんも、
ええことなんやないかな?
〇×(そっか。この靴のメーカーさんも、
頑張って靴を作ってくれたんだよね。)
〇×……そうですね。ありがとうございます。
私、この靴大切に履きますね。
ロバート・ガルシアうんうん。
足は第二の心臓や。ええ靴で守っとくんやで。
〇×(うん、この靴があれば、
きっとたくさん歩いても、大丈夫だよね。)
アナウンサー――速報をお伝えします。
〇×わっ! びっくりした……。
速報……?
ロバート・ガルシアなんや? あの街頭ビジョンからか。
記者Aガルシアさん! 今回のKOFの混乱、
出資者としてどう思われますか!?
初老の男…………。
〇×(報道の人たちが、年配の男性を取り囲んでる?
KOFの出資者って、あの人が?)
記者Bガルシアさん! 何かコメントを!
出資者としての責任は――
〇×(あ、年配の男の人、何も答えずに行っちゃった。)
〇×ロバートさん、今のは……。
ロバート・ガルシアああ。報道の連中が、今回のKOFの混乱についての、
出資者側の反応を聞こうとしとるんやろうな。
ロバート・ガルシア主催者が何も答えへんから、流れ弾を喰らっとるんやろ。
まあ、しゃあないわな。
〇×出資者なら、実際の大会運営はしてないですよね。んRなのにあんなに追いかけられるなんて、大変ですね。
ロバート・ガルシア……ああ、そうやな。
〇×(あれ? ロバートさん、なんだか浮かない表情。
さっきの映像のこと、心配してるのかな?)
×お姉ちゃーん!
〇×あっ! 包くんに、紅丸さん!
ちょっとロバートさん、酷いよ!
×お姉ちゃんを連れてっちゃうなんて!
二階堂紅丸全くだ。美しいレディの独り占めなんて、許せないな。
ロバート・ガルシアすまんすまん、ちょいと×ちゃんと
デートしたくなってもうて。
〇×で、デートだなんて、私そんな……!
もうっ! ×お姉ちゃん、
次は僕に付き合ってもらうからね!
二階堂紅丸さっき向こうに素敵なカフェを見つけたんだ。
そこで休憩なんてどうかな?
賛成! 僕、ちょっと喉が渇いてきちゃったんだ。
〇×それじゃあ、カフェで休憩にしようか。
〇×あの、ロバートさん? 一緒に行きましょう。
ロバート・ガルシアあ? ……ああ。ついてくから、先に行っとってくれ。
〇×わかりました。待ってますね!
報道陣……ご覧のようにアルバート・ガルシアさんは、
報道陣の問いかけに答えることなく――
ロバート・ガルシア(大勢で取り囲んどいて、『問いかけ』とはな。)
ロバート・ガルシア――ようやっとかけてくれはったな。
テレビ観てたで、親父。
ロバート・ガルシアええ加減黙っとらんで、
身の振り方考えんとまずいんちゃうか?
ロバート・ガルシア――!
ロバート・ガルシア……なんやて?
親父、何考えとるんや?

5話 Edit

+  ネタバレ注意
第一の泉浄化後・山中――
〇×(主人公)次の泉に行かなきゃいけないのに、
休憩になってしまって……すみません。
アンディ・ボガード気にしないで。
泉の浄化には、〇さんの力が必要なんだしね。
ジョー・東ああ。まずは泉を一つ浄化できたんだ。
無理しねーで、確実に進んでいこうぜ。
〇×はい。ありがとうございます。
〇×(そうだよね。無理しないで、ちゃんと自分の力を
出せるようにしておかなきゃ。)
〇×(でも、私が泉を浄化しなきゃ、世界が大変なことに
なっちゃうなんて、やっぱりプレッシャーだな……。)
テリー・ボガード×、飲み物はいるか?
ずいぶん歩いたからな、水分補給はしておけよ。
お菓子もあるよ。
×お姉ちゃん、一緒に食べようよ。
〇×包くん、テリーさん、ありがとうございます。
でも、ちょっと近くを歩いてきていいですか?
〇×せっかくだから、山からの景色を見ようかと思って。
〇×(これからのこととか、つい考えちゃうし、
ひとりになって頭を冷やしてこよう。)
ジョー・東景色? あ、わかったぜ。泉が淀んでた時の空気で、
まだ気持ちが悪いんだろ?
アンディ・ボガード違うよジョー。
誰にだって、ひとりになりたいときがあるものさ。
アンディ・ボガード〇さん、気分転換してくるのもいいけど、
あんまり遠くには行っちゃだめだよ。
〇×ありがとうございます、アンディさん。
落ち着いたら、すぐ戻ってきますね。
〇×(頭を冷やしたくて、離れてきちゃったけど、
みなさんに悪いことしちゃったかな。)
〇×(はあ……本当に泉を浄化出来ちゃったし、
これから私、どうなっていくんだろ――)
ロバート・ガルシア――せやからん、何度も言うとるやろ!!
〇×(わ! び、びっくりした。
あれ? ロバートさんだ。電話してるみたい。)
ロバート・ガルシアしつこいわ!
なに言われようと、ワイはそっちには帰らへん!
ロバート・ガルシア親父こそ、ええ加減目ぇ覚ましや!
自分がやっとること、おかしいってわからんのか?
〇×(帰らない? 親父?
ロバートさん、ご実家からの電話なのかな?)
〇×(それに、ロバートさんすごく怒ってるみたい。
どうしちゃったんだろう?)
ロバート・ガルシア親父、おおっぴらにはしとらんようやけど、
出資、まだ続けとるんやろ?
ロバート・ガルシア何を言われたかしらんが、
これ以上奴らに金出すメリットは、なんもあらへんて!
〇×(え、出資? 金を出す?
な、なんだか、かなりプライベートな話のような……。)
ロバート・ガルシア――ああ、そうかいな。じゃあもう勝手にせぇ!
今にわかるで、ワイの言うことが正しかったってことがな!
〇×(あ、ロバートさん電話終わったみたい。
……聞いちゃったこと、ちゃんと謝ろうかな。)
〇×あ、あの、ロバートさん。
ロバート・ガルシア嬢ちゃん? なんや、いつの間にいたんや?
〇×すこし前です。
すみません。私、ロバートさんの電話聞いてしまって……。
ロバート・ガルシアあー、そうなんか。
ええよ、ワイが×ちゃんおるの気付かんかっただけや。
ロバート・ガルシアそれより、大声出してて驚いたやろ。
×ちゃん、堪忍な。
〇×ロバートさん、今の電話大丈夫ですか?
余計なお世話かもしれないけど、私、心配です。
ロバート・ガルシア大丈夫。×ちゃんが気にするようなことは、
なんもあれへん。
〇×あ、あの、ロバートさん。私見当違いなことを
言ってるのかもしれないですけど――
〇×ロバートさんに何かつらいことがあったら、
私が味方になりたいって、思ってますから。
ロバート・ガルシア……そっか、おおきにな。
ワイも、何があっても、×ちゃんの味方や。

6話 Edit

+  ネタバレ注意
第二の泉浄化後、旅館・自室――
〇×(主人公)(今日はなんだかとても疲れた……。
山道をたくさん歩いたせいかな?)
〇×(なんだか、何もしてないと寝ちゃいそう。
テレビでもつけてよう。)
ニュースキャスター――続いてのニュースです。
〇×(あ、ちょうどニュース番組やってる。観ておこうかな。)
ニュースキャスター観客が暴徒化するなどして、中止に追い込まれたKOF。
我々はKOFの出資者にインタビューを試みました。
〇×(KOFの話題だ……。出資者の人って、
最近よくテレビで観る年配の男の人かな?)
記者――アルバート・ガルシアさん! KOFの中止について、
出資者としての責任はどう果たされるんですか!?
初老の男…………。
〇×(あ、やっぱり、ロバートさんに靴を買ってもらった時に、
街頭ビジョンで見た男の人だ。)
ニュースキャスター――このように、アルバート・ガルシアさんは、
現在、記者の問いかけに答える様子はありません。
ニュースキャスター世界有数の大財閥の長であり、KOFの巨額出資者。
アルバート・ガルシアさんには、KOF中止の責任が――
〇×(大財閥のトップで巨額出資者だと、自分が主催じゃない
KOFの責任まで問われちゃうの? それって変だよね。)
〇×(――あ、あれ? アルバート・ガルシア?
『ガルシア』って、ロバートさんの苗字だよね……?)
〇×(『ガルシア』に『出資』。
そういえば、最初に泉を浄化したあと――)
ロバート・ガルシア親父こそ、ええ加減目ぇ覚ましや!
自分がやっとること、おかしいってわからんのか?
ロバート・ガルシア親父、おおっぴらにはしとらんようやけど、
出資、まだ続けとるんやろ?
ロバート・ガルシア何を言われたか知らんが、
これ以上奴らに金出すめりっとは、なんもあらへんて!
〇×(あの時ロバートさんも、出資がどうのって話してた。
まさか、『ガルシア』って、ロバートさんは――)
ロバート・ガルシア×ちゃん、おるか?
〇×(――! ロバートさんだ。)
〇×(ガルシア財団のこと、思い切って聞いてみようかな。)
ロバート・ガルシアおう、×ちゃん。
随分疲れてたみたいやけど、体調どうや?
〇×はい。ちょっと疲れちゃったけど、少し休めば大丈夫です。
〇×それより私、ロバートさんに伺いたいことがあるんです。
ちょっとだけお話できますか?
ロバート・ガルシアなんや、×ちゃん?
愛の告白かいな?
〇×ち、ちがいます!
ええと、今流れているニュースのことです。
ニュースキャスター繰り返します。KOFの巨額出資者、ガルシア財団の
アルバート・ガルシアさんは、現在も何も語らず――
〇×ロバートさんって、もしかしてガルシア財団の……。
ロバート・ガルシア――嬢ちゃんの想像の通りやで。
ワイは、ガルシア財団の人間や。
ロバート・ガルシアそんで、最近テレビに出とるあのおっさんは、
ガルシア財団の総帥で、ワイの親父なんや。
〇×(やっぱり……!)
〇×もしかして、最初の泉を鎮めたあとの電話も、
お父さんがテレビで騒がれていることに関係があるんですか?
ロバート・ガルシアああ。あの時は、ガルシア財団の、KOFへの
出資について、言い争いになってな。
ロバート・ガルシア報道の連中は知らんようやが、KOFが中止した今も、
ガルシア財団からナギへの出資が続いてるようなんや。
〇×KOFが中止になった、今でも……?
ロバート・ガルシアなんでかは分からんけどな、
親父が出した金の使い道なら見当がつく。
ロバート・ガルシアおそらく、ナギが言っていた『神世界の礎』っちゅうのになる
格闘家を集めるための、活動資金やろな。
〇×(ガルシア財団からの出資が、ナギさんたちの
活動資金に……それって、大変なことなんじゃ。)
ロバート・ガルシアワイは、親父に出資をやめるように何度も電話で話した。
けど、全く聞く耳持ってくれんかったわ。
〇×息子であるロバートさんの意見を
全然聞いてくれないなんて、どうしてなんでしょう?
ロバート・ガルシア親父曰く、KOF中止によって生まれた、ガルシア財団への
世間の不信感を払拭したいんやと。
ロバート・ガルシアその手立てを、ナギたちは真摯に考えてくれとるから、
手を切るわけにはいかない、とか言うとったが、どうだかな。
〇×そうなんですか……。
それは、ロバートさんもおつらいですよね。
〇×(自分の父親が、ナギさんたちの協力者だなんて、
ロバートさん、どれだけ苦しいだろう。)
ロバート・ガルシアワイは、親父を止めてやりたいが、
親父のやつ、ワイにすぐ帰国しろとまで言ってきとるんや。

7話 Edit

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)ロバートさん、帰国してしまうんですか……?
ロバート・ガルシアまさか。帰らんよ。
ワイはここで、嬢ちゃんに恩返しせなあかん。
ロバート・ガルシアそれに、このままナギたちに
気持ちよく仕事さすんは癪に障る。
ロバート・ガルシア親父は聞く耳を持ってくれる様子はないが、
これからも辛抱強く、説得を続けるつもりや。
〇×(ロバートさん、まだ帰国しないでいてくれるんだ……。)
〇×良かった……。
ロバート・ガルシアはは、声に出てるで。声に。
〇×……! すみません。
つい、不安になってしまって……。
ロバート・ガルシア大丈夫や。×ちゃんは何も心配することあらへん。
親父のことは、ちゃんとワイが説得する。
〇×わかりました。
もし、私にできることがあったら、すぐに言ってくださいね。
ロバート・ガルシアおおきに、頼りにしとるで、×ちゃん。
ロバート・ガルシアほんなら、ワイはもうお暇するわ。
すまんかったな、突然部屋にきて。
〇×いえ、私の方こそ、急にご家庭のことに首を突っ込んで、
すみませんでした。
ロバート・ガルシアはは、ガルシア財団のこと、確認したくなるのもわかるで。
ほな、またあとでな。
〇×(ロバートさん、行っちゃった。)
〇×(ガルシア財団総帥の子供かぁ……びっくりしたけど、
ロバートさんがロバートさんなことに、変わりはないよね。)
ロバート・ガルシア――はあ……。
あれ? なんでワイ、ちょっとがっかりしてんねやろ。
リョウ・サカザキ〇に、家のことを知られてしまったから……、
じゃないのか?
ロバート・ガルシアうおっ。
なんやリョウ、いつからいたんや。
リョウ・サカザキお前と、〇が話している途中からな。
ロバート・ガルシアったく、立ち聞きなんて、趣味悪いでほんま。
リョウ・サカザキそれについては、すまなかった。
リョウ・サカザキだがロバート、〇は、人を色眼鏡で見るような
人間には見えない。それだけは、言わせてくれ。
ロバート・ガルシアせやな。それはわかっとるよ。
でも、これは性分みたいなもんなんや。
ロバート・ガルシア他人にワイのバックボーンを知られる瞬間は、
いつだって身構えてまう。
ロバート・ガルシアこれまで、ワイの生まれを知ってから
態度を変えられたことなんて、数えきれないほどあるからな。
ロバート・ガルシアでも×ちゃんはそんなんやない。
それは、ちゃんとわかっとるよ。
リョウ・サカザキ……わかった。それならいいんだ。
リョウ・サカザキところで、親父さんは大丈夫なのか?
ロバート・ガルシア全然大丈夫やない。もう少し頭のええ親父やと思てたけど、
あそこまで意固地になるとはな。
リョウ・サカザキ聞く耳持たず、か。
……ロバート、これはあくまで俺の推測なんだが――
ロバート・ガルシアおっと、ちょい待ち。
どうやら、考えてることは一緒のようやで。
ロバート・ガルシア親父の、あの取り付くしまもない感じ……。
ワイらの考え通りの可能性が高いやろな。

8話 Edit

+  ネタバレ注意
八神さんの暴走を止め、旅館へ戻るころには夜になっていた――
×お姉ちゃん、大丈夫かな……。
あれからずっと眠ってるけど。
リョウ・サカザキ包、落ち着け。〇の脈も呼吸も異常はない。
今はしばらく休ませよう。
うn……。
うう、×お姉ちゃん、早く目を覚まさないかなあ。
――あれ? そう言えばロバートさんは?
あんなに心配そうに、×ちゃんを抱えて来たのに。
リョウ・サカザキロバートは『やることがある』と言って、
どこかに出かけて行ったぞ。
どこか? それってどこなの?
リョウ・サカザキさあな。
ロバートのことだ、何か考えがあってのことだろう。
うーん、×お姉ちゃんがこんな状態なのに、
ロバートさん、どこに行っちゃったんだろう?
ロバート・ガルシア(最後の泉は見つかったが、やっぱちいとやっかいやな。)
ロバート・ガルシア――と言うわけでして、是非そちらの所有する泉の調査を、
させていただけないでしょうか?
御用邸の主人ほっほっ。そんなに硬くならずに。
かのガルシア家からの依頼、断るわけがございません。
主人の娘そうですわ。ロバート様からのお願いなら、
なんでも聞いて差し上げたいくらい。
御用邸の主人その通り。
満足いくまで、泉の調査をしてください。
ロバート・ガルシアはい。快くご協力いただいたこと、感謝いたします。
御用邸の主人よいのですよ。力になれることがあれば、
何なりと仰ってください。
ロバート・ガルシア(このおっさんの笑顔の裏に、ガルシア家と
コネクション持ちたいっちゅう魂胆が、丸見えや……。)
ロバート・ガルシア(それに、なんで主人の娘も同席しとるんや。
嫌な予感するし、早よ帰ろ。)
ロバート・ガルシアそれでは、そろそろ失礼いたします。
今回のご協力、ありがとうござい――
御用邸の主人ほっほっほっ。ロバート様はせっかちなお方だ。
実は、こちらからもお話があるんですよ。
ロバート・ガルシア……それはどういったお話でしょう?
御用邸の主人ロバート様は、そろそろ身を固めたいなどとは、
お考えではありませんか?
用邸の主人実は、うちの娘も、そろそろ年頃でしてね。
主人の娘うふふ、私、ロバート様と歳も近いし、
お話も合うと思うんです。
御用邸の主人無理に、とは言いませんが、娘から私が所有する
泉の話でも、聞いていってはくださいませんか?
ロバート・ガルシア(泉に入ることを許可するから、
娘とええ感じになってけっちゅうことか……。)
ロバート・ガルシア(ああ、またや。ワイがガルシア家だから、
この人らもこうやって、必死に気を引こうとしよる。)
ロバート・ガルシア(やーっと帰れた。とんでもない時間やないか!)
ロバート・ガルシア(それにしてもあの娘さん、玉の輿狙ってるんが
みえみえの会話ばっかしとったなあ。)
ロバート・ガルシア(こういうんはよくあるとはいえ、
ああまで露骨なんは、ほんま勘弁してほしいわ。)
ロバート・ガルシア(ほんま呪いやな……。どこに行っても何をしても、
ガルシア家っちゅう名前で、みんな目の色変えよる。)
ロバート・ガルシアはあ……×ちゃんが心配やな。
気い取り直して、とっとと戻ろ。

9話 Edit

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3章 Edit

10話 Edit

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11話 Edit

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17話 Edit

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19話 Edit

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エピローグ Edit

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