サイドストーリー /1st/ロバート・ガルシア のバックアップ(No.3)


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私は、京さんたちと一緒に、格闘家のみなさんとの
飲み会へ向かっていた――
〇×(主人公)リョウさんたちの試合、すごかったですね。
私、まだドキドキしてます……。
草薙京なんだよ。まだそんなこと言ってんのか?
〇×あんなに激しい戦いを目の前で見たら、
胸がいっぱいになってしまって……。
草薙京ったく、そうやってぼんやり歩いて、
転んでも知らねえぞ。
二階堂紅丸ふふ、その時は俺が×ちゃんを
受け止めるから、大丈夫だよ。
二階堂紅丸それとも、俺が手をとってエスコートしようか?
〇×い、いえ! 大丈夫です、ありがとうございます。
矢吹真吾〇さん、無理はしないでいいっすからね!
疲れたら、いつでも言ってください!
〇×うん。真吾くんもありがとう。
〇×(……本当は、靴擦れしてて歩きづらいんだけど、
飲み会のお店までくらいなら、平気そうかな。)
二階堂紅丸……なんだ? 随分センスのいい車が停まったじゃないか。
草薙京オープンカーかよ。すかしてんな。
矢吹真吾わー、かっこいいっすね。
どんな人が乗ってるんでしょう?
〇×(あれ? 運転席の人がこっちに手を振ってる?)
〇×あ、あの人、ロバートさんじゃないですか?
ロバート・ガルシアどーも、×ちゃん。
さっきは控室まで来てくれて、ありがとうな。
ロバート・ガルシアもしよかったら、ワイの車で一緒に行かへん?
特別サービスで乗せてったるで。
二階堂紅丸なんだよ、ロバート。随分いい車に乗って来たと思ったら、
×ちゃんを、さらって行くつもりなのか?
矢吹真吾そうっすよ! 〇さんだけじゃなくて、
おれたちも乗せてってください!
ロバート・ガルシアそれがな、後部座席見てくれん?
〇×……あ、包くん。
すごく気持ちよさそうに寝てますね。
ロバート・ガルシアそういうこと。
つまり、むっさい男たちを乗せるスペースはないわけやな。
ロバート・ガルシアさ、ワイの車はレディ優先やで。
×ちゃん、助手席でよければ乗ってくれや。
〇×で、でも……。
〇×(京さんたちを置いて、
私だけってわけにはいかないよね。)
草薙京〇、いいから乗っていけよ。
〇×え? でも、私だけ乗せてもらうなんて悪いですよ。
二階堂紅丸ふふ、×ちゃんは優しいんだね。
でも気にしないで大丈夫だよ。
矢吹真吾おれもオープンカーに乗ってみたかったですけど、
今回は〇さんに譲ります。
草薙京〇、じゃあ後でな。
紅丸、真吾、行くぜ。
〇×(あ、京さんたち行っちゃった……。)
ロバート・ガルシアほな、×ちゃんはワイの車で決まりやな。
ほら、はよ乗りや。
〇×は、はい。よろしくお願いします……。
ロバート・ガルシアなんや、×ちゃん、京らのこと気にしとんの?
〇×はい。私、みなさんのマネージャーを任されてるのに、
一緒に行かなくてよくなかったかなって……。
〇×(本当は、靴擦れが痛いから、乗せてもらえるのは
嬉しいけど、やっぱりよくないよね。)
ロバート・ガルシアそんなん平気やて。
×ちゃんは真面目な子なんやなー。
ロバート・ガルシアそれに、×ちゃん、足靴擦れしとるやろ。
そういう時は、無理せんどけばええねん。
〇×え? そうですけど、なんでわかったんですか?
ロバート・ガルシア歩き方を見て、靴擦れしとんのやろなって。
ロバート・ガルシア京と紅丸も気付いてたんちゃうかな。
真吾のやつは、どうか知らんけど。
〇×そうだったんですか。
私、飲み会のお店までなら、歩けるかと思って。
ロバート・ガルシアそうは思うても、無理は禁物やで。
京らも、大事なマネージャーに無理させたくないやろ。
ロバート・ガルシアちょっとでもしんどい時は、いつでも言うんやで。
少なくとも、ワイは×ちゃんのこと、放っとかへん。
〇×はい。ありがとうございます。
〇×(ロバートさんとふたりで話すの初めてだけど、
なんだか前から知ってたような、話しやすい人だな。)
〇×(……ロバートさんの車でしばらく走って来たけど、
ずっと歩行者の視線を感じる。)
女性Aねえねえ! 信号待ちしてる車の男の人、
すっごくかっこいいね!
女性Bほんとだ! それに乗ってる車も、すごい素敵!
〇×(歩いてる女の人たちの声が聞こえてくる。
うん、確かにロバートさんって格好いいよね。)
ロバート・ガルシアどーも。お嬢さんら、声援ありがとな。
女性A手を振ってくれたー!
女性Bきゃー! 笑った顔も素敵ー!
〇×(ロバートさん、笑顔で女の人たちに手を振ってる。
なんだか、こういうことも様になっちゃう人だな。)
ロバート・ガルシアすまんなあ。ワイがオープンカーに乗っとると、
こういうことが多いんや。落ち着かんやろ。
〇×い、いえ、ちょっとびっくりしちゃうけど、
大丈夫ですよ。
〇×(ロバートさん格好いいし、こういう車に乗ってると、
すごく目立つんだろうな。)
ロバート・ガルシアほなよかった。
飲み会の店に着くまで、もうちょい寛いでってや。
ロバート・ガルシアあ、そや。今乗っとるこの車、実は日本で借りたもんなんや。
ワイの愛車は、国に置いてきてしもうてな。
ロバート・ガルシアワイの車、めっちゃ格好ええんやで。
×ちゃんに見せたかったわ。
〇×(この車でも周りの注目を集めてるのに、
愛車だったら、ロバートさんもっと目立っちゃうのかな?)
女性C――ねえねえ。あの車の男の人、すっごいかっこよくない!?
〇×(信号待ちで、また黄色い声が聞こえてきた。
私が見られてるんじゃないのに、緊張しちゃうなあ……。)
ロバート・ガルシア――あ~、そうや、×ちゃん。
あんた、いろいろ大変やったみたいやなあ。
〇×え? 私ですか?
えっと……なんのことでしょう。
ロバート・ガルシア務めてた会社が、倒産してもうたんやろ?
ロバート・ガルシア紅丸がSNSで、新しいマネージャーのこと呟いててな。
それで×ちゃんのことを知ったんや。
〇×そうだったんですね。
はい、そうなんです。突然倒産してしまって……。
ロバート・ガルシアそうなんか。上の連中もいろいろあったんやろうけど、
社員の再就職もサポートせんと、冷たい会社やなあ。
ロバート・ガルシアワイがその会社の社長やったら、
社員に絶対そんな苦労はさせへんのに……。
〇×ありがとうございます、ロバートさん。
でも、私もう大丈夫ですよ。
〇×(……とはいっても、やっぱり時々、
前の会社のこと、考えちゃうこともあるかな。)
ロバート・ガルシアま、元気だしぃや。
女の子は笑顔でいるんが一番やで!
〇×はい。ありがとうございま……きゃっ!
〇×(きゅ、急にすごいスピードに! びっくりした!)
ちょ、ちょっと、どうしたの!?
急にすごく揺れたけど!
〇×あ、包くん起きちゃったね。
今、ロバートさんが急にスピードを出したの。
ロバート・ガルシアははは、どや? びっくりしたやろ。べおもろかったんちゃう?
え、ええ? すごくびっくりはしたけど、
突然どうしたの?
ロバート・ガルシアははは、すまんすまん、ちょっとした気まぐれってやつや。
〇×(ロバートさん、私を笑わせようとしてくれたんだな。
うん、なんだか楽しくなってきたかも。)
すっかり起きてしまった包くん、ロバートさんと会話を弾ませつつ、
目的地の居酒屋へ向かっていった――

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