カードストーリー /ビリー・カーン

Last-modified: Sat, 23 Jan 2021 21:30:12 JST (1190d)
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真夜中の番人 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(買い物に夢中になってたらこんな時間になっちゃった……。
急いで帰らないと……。)
〇×(でも、思った以上に荷物が重い……。
うう……買いすぎちゃったかなあ。)
〇×……はあ、疲れた。ちょっと休憩して――
ビリー・カーンおい! アンタこんなとこで何してんだよ!
〇×あ、ビリーさん!
どうしたんですか? そんなに慌てて……。
ビリー・カーンそれはアンタを探して……いや、オレのことはいいんだよ!
オレは、アンタがこんなところで何してるのか聞いてんだ。
〇×ええと……実は買い忘れてた調味料を買いに来たんですけど、
ついタイムセールに夢中になってしまって……。
〇×それで買いすぎてしまって歩くのも大変で……。
気が付いたら、こんな時間に……。
ビリー・カーンそれでこんな時間までふらふらしてたってのか。
〇×は、はい、そうです……すみません。
〇×(ビリーさん、なんだか怒っているみたい……。
なんでだろう……?)
ビリー・カーン……チッ。
おい、荷物貸せ。さっさと帰るぞ。
〇×え……荷物持ってくれるんですか?
――て、あ、あの、ちょっと待って……!
〇×(買い物袋とって、先行っちゃった……。
あ……もしかしてビリーさんが怒ってる理由って……。)
〇×……ビリーさん!
ビリー・カーン…………。
〇×あ、あの……ごめんなさい。
もしかして私が買いすぎたことを怒ってるんですか……?
ビリー・カーンは? 違ェよ。
オレが怒ってんのはそのことじゃねェ。
〇×え?
じゃあ、なんで……?
ビリー・カーンなんで、だと?
そりゃ、アンタが勝手に外に出てったからだろ。
ビリー・カーン暗い中、両手に荷物抱えてひとりでうろうろするな。
もし襲われたら、どうなってたと思ってんだよ。
〇×そ、そっか……たしかに危ないですよね……。
ビリーさん、ごめんなさい……。
ビリー・カーン……ったく。
これからは、出かけるときには声かけろよ?
〇×……はい、今度からはちゃんと気を付けます。
〇×汗もこんなにかいて……。
心配して探しにきてくれたんですよね。
〇×ビリーさん、ありがとうございます。
ビリー・カーン何いってんだ、別に心配とかそんなことは……。
ビリー・カーン…………。
ビリー・カーン……そ、それより、暗くなってんだから早く帰るぞ!
〇×ふふ、そうですね。
みなさんもお腹空かせて待っているでしょうし。
〇×(……あれ?
そういえば私、今ほとんど荷物持ってない……。)
〇×(! あんなに重かった荷物、
ビリーさんに持たせたまま……!)
〇×ビリーさん、すみません!
その荷物、私もう少し持ちます!
ビリー・カーンああ? 別にオレはこれくらい構わねェよ。
それに、アンタの小せェ手じゃ無理だろ。
〇×大丈夫です、もっと持てます!
〇×ほら、今小袋一つしか持ってないし
まだけっこう余裕ありますよ?
ビリー・カーンそう言われてもな……。
〇×こんなにたくさん買っちゃったのは私だし、
ビリーさんだけに持たせるのはさすがに悪くて……!
〇×だ、だめでしょうか……?
ビリー・カーン……チッ! わかったよ。
――ほら、この袋、半分持てよ。
〇×え……持ち手の片方だけを持つんですか?
ビリー・カーンああ、これだって持ってることに変わりねェだろ?
……文句は言わせねェからな。
〇×(何だかんだいって、こういうところが優しいんだよなぁ……。)
ビリー・カーン……おい、さっさと持てよ。荷物が袋から出ちまう。
〇×ふふ、わかりました。
じゃあこっちの持ち手、持ちますね。
〇×あはは……ひとりで持ってたときよりも、全然重くないです。
ビリー・カーンまぁ、そうだな。
……アンタに持ってもらったほうが幾分か楽だ。
ビリー・カーンそれに、これならアンタがはぐれることもない。
〇×もう、手のかかる子供みたいな言い方しないでくださいよ。
ビリー・カーンしょうがねェだろ。実際、手かかってんだからよ。
〇×う……ごもっともです。
〇×(あんなに重かった荷物を軽々と……。)
〇×(ビリーさん、たしか妹さんがいるって言ってたよね。)
〇×(頼りがいがあるお兄さんか……。
ちょっとかっこいいかも。)
ビリー・カーン……ああ? なんだよ、こっち見て。
〇×い、いえ! なんでもないです……。
〇×(み、見惚れてたなんて言ったら変な顔されるだろうし
言わないでおこう……。)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(さて、今日の仕事も全部終わったし、部屋に戻ろうかな。)
〇×(そういえばビリーさん、
夕ご飯の後どこかへ行っちゃったけど……。)
〇×(あまりみなさんと会話もしてなかったようだし、
どうかしたのかな。)
〇×(こんな時間だから、道場にはいると思うんだけど……。)
〇×(リビングにはいない、稽古場にもいなかった。
部屋に戻ってる様子もない……他に行くところあったかな?)
〇×あれ? こんな時間に縁側に誰か座ってる……。
〇×(もしかしてビリーさん? ……行ってみよう。)
ビリー・カーン…………。
〇×(やっぱりビリーさんだ。
縁側で何してるんだろう……?
〇×(それに、眉間にしわ寄せて、なんだか怖い顔……。)
〇×あの、ビリーさん……どうかしましたか?
ビリー・カーン……アンタか。
別に、なんでもねェよ。
〇×(なんだかそっけない感じが……。)
ビリー・カーン…………。
〇×(うう、気まずいかも……! えーっと、何か……。)

 

眠らなくていいんですか?
〇×あ、あの、ビリーさん、眠らないんですか?
ビリー・カーンいや、オレはいい。
〇×(ええと……。何か会話のきっかけがほしいなあ。)

 

今日の月、綺麗ですね
〇×きょ、今日は月が綺麗ですね!
ビリー・カーンあー? ……まぁ言われてみりゃそうだな。
〇×こうやってぼんやり月を眺めていると、
だんだん眠くなってしまいそうです……。
ビリー・カーンならとっとと寝ろ。
〇×ビリーさんは大丈夫なんですか?
ビリー・カーンああ。

 

〇×え、えーと……それに夜遅くなるともっと冷えてくるし、
ずっとここにいたら風邪ひくかも――っ!?
ビリー・カーン――ペラペラとうるせぇんだよ。黙ってろ。
〇×(び、びっくりした! 急に手を掴まれたから……。)
〇×あ、あの……私、その……ごめんなさい。
ビリー・カーンああ……いや。
脅かす気はなかった。
ビリー・カーンオレが言いてェのは……つまり……、
アンタはとっとと部屋に戻れってことだよ。
〇×でも、ビリーさんは……?
ビリー・カーンオレのことはいいから、アンタはさっさと寝ろ。
夜遅くなると冷えるんだろ? アンタこそ風邪ひくぞ。
〇×ビリーさんも手、冷たいですよ……?
ビリー・カーン……チッ。
手は冷たくても体は大丈夫だ。気にすんな。
ビリー・カーン……手、急に掴んだりして悪かったな。
〇×……いえ、私は大丈夫ですから。
ビリー・カーンじゃあほら、とっとと行け。
〇×ビリーさんも、あまり夜更かししないでくださいね。
ビリー・カーン……ああ。
〇×(もしかしたら何か、他の人には言えない悩み事があって、
眠れないのかもしれない……。)
〇×(……そうだ。
なら、せめて何か温まる飲み物を持って行ってあげよう。)
〇×(ビリーさんの手、結構冷たかった……。
口ではああ言ってたけど風邪をひいたら大変だもの。)
〇×……よし、できた。
あとは冷めないうちにビリーさんに渡しに行かなきゃ。

 

3話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(ビリーさん、やっぱりまだ座ってる……。
な、なんて声かけようかな……?)
ビリー・カーンおい……×、なんで戻って来てんだよ。
〇×え!? あ、あの、気付いてたんですか?
ビリー・カーンアンタの気配に気付かないはずないだろ。
それより、なんで戻って来たか聞いてんだよ。
〇×ええと……ビリーさん、きっと身体冷えてるだろうと思って、
温かい飲み物、持ってきました。
ビリー・カーン……飲み物だと?
〇×はい。飲んだら温まるし、落ち着くと思うんです。
あの、良かったらどうぞ……。
ビリー・カーンいや……。
〇×え……。
ビリー・カーン……ったく、わかったよ。
ビリー・カーンほんと、アンタ人の言うこと聞かねェな……。
〇×だって……。
ビリーさんのこと放っておいたまま眠れないですよ。
ビリー・カーンはあ……相変わらずお人好しだな、アンタは。
〇×ふふ、そうかもしれません……。
さ、ビリーさん。温かいうちに飲んでください。
ビリー・カーン……ああ。
――うまいな。それにあったけェ……。
〇×(……良かった、喜んでくれたみたい。)
〇×……あの、私も隣で飲んでもいいですか?
ビリー・カーンああ? ……まあ、構わねェけど。
〇×ありがとうございます。
それじゃあ隣、失礼しますね。
ビリー・カーン……ああ。
〇×(ビリーさん、今ならもっとお話してくれるかも……。)
〇×あの、ビリーさんはどうしてこんな時間まで縁側に……?
ビリー・カーン……別に、理由なんてねェよ。
〇×(うーん。本当かなぁ……?)
ビリー・カーンはあ……わかったよ。
そんなじっとこっち見んな。穴があくだろ。
ビリー・カーン見張りだ……。
〇×え? 見張り?
〇×もしかして、
さっき私がひとりで出かけてしまったからですか……?
ビリー・カーン……そんなんじゃねェよ。
ビリー・カーン言っとくが、これはオレが好きでやってることで、
アンタが負い目を感じることはねェからな。
〇×そうですか……。でも、何かあってからでは遅いですし、
もっと慎重に行動すべきだったと思います……。
〇×心配をかけて、本当にごめんなさい。
これからは気を付けますね。
ビリー・カーン……そうかよ。
〇×……はい。
ビリー・カーンアンタの言いたかったことはわかった……。
もう遅い……今度こそ部屋に戻れ。
〇×……よし、決めた!
私、ビリーさんが眠るまで一緒に起きてます。
ビリー・カーンはあ? あのなあ、オレはアンタの見張りをしてるんだ。
アンタがオレに付き合ってたら意味ねェだろ。
〇×でも、私の見張りをするんだったら、私が隣にいたほうが
都合がいいと思いますよ?
ビリー・カーンおい……アンタ、本気で戻らねェつもりだな……。

 

もちろんです!
〇×ふふ、もちろんです!
ビリーさんとこうしてお話しする時間が楽しくて……。
ビリー・カーン楽しいって……。まあ……アンタがそう言うなら、
好きにしろ。

 

戻ったほうがいいですか?
〇×戻ったほうがいいですか?
迷惑でしょうか……?
ビリー・カーン別に、迷惑とは言ってねェだろ。
いたいなら勝手にしろ。

 

〇×はい。
ビリーさん、ありがとうございます。
〇×……っくしゅんっ!
〇×(うう、くしゃみが……。
上着持って来ればよかったなあ……。)
ビリー・カーンアンタ……。
〇×へっ!?
あ、あの、ごめんなさい! 私急にくしゃみなんてして――

 
真夜中の番人
 

〇×……ビリーさん、これは……。
ビリー・カーン……風邪ひかれちゃたまんねェからな。
それでも羽織ってろ。
〇×(温かい……。
ビリーさん優しいな……。)
〇×(なんでだろう……。
なんだか顔まで熱くなってきたような……。)
〇×ビ、ビリーさん……ありがとうございます。
おかげですごく、あったかいです。
ビリー・カーン……別に、大したことじゃねェよ。
〇×(あっ、そっぽ向いちゃった。
もしかして……照れていたり……?)
〇×(ビリーさんにちゃんと話せてよかった……。
これからは、心配かけないようにしなきゃ。)

 


守りたいもの Edit

1話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンフッ、ハァ!
ビリー・カーンはぁ……はぁ……。
〇×(主人公)ビリーさん、お疲れ様です。
お茶淹れたのでよかったら休憩しませんか?
ビリー・カーンわざわざ悪ぃな、お嬢。
〇×はい、どうぞ。
ビリー・カーン……美味いな。
〇×そのお茶、ヨミさんがお土産に持ってきてくれたんですよ。
ビリー・カーンヨミが?
〇×はい。ビリーさん、昼間、結局お茶飲みませんでしたし。
ビリー・カーンナギの野郎に追いかけ回されてたんだ、仕方ねェだろ。
〇×ふふふ、そうですね。
〇×…………。
ビリー・カーン……んだよ? 急に辛気臭い顔して。
〇×あの……もう神世界チームが戦ってるところは
見れないんですか?
ビリー・カーン…………。
ビリー・カーンお嬢は見たいのか?
〇×見られたら嬉しいなとは思ってます。
沖縄KOFの1回きりじゃ寂しいなって……。
ビリー・カーン……別に、ないってわけじゃねェよ。どうしても何かの大会に
出るってんなら、ついてくつもりだ。
〇×本当ですか?
ビリー・カーンああ。あのふたりは放っておくと何しでかすかわからねェからな。
ビリー・カーンオレが見張ってねェと……お嬢に迷惑がかかるかもしれねェし。
〇×ちょっと安心しました。
ナギさんのこと、もう怖くないんですね。
ビリー・カーン……っ。そのこと、誰にも言ってねェよな?
〇×もちろんです。約束しましたから。
ビリー・カーン……はぁ。
ビリー・カーンお嬢の言うとおり、もう怖くねェよ。ありゃ世間知らずの
ガキふたり組だってわかったからな。
ビリー・カーンガキのやったことなら許してやるしかねェだろ。
〇×そっか……そうですね。
ビリー・カーンそういうことだ。
〇×……それじゃ、私そろそろ失礼しますね。
明日の朝食の準備をしないといけないので。
ビリー・カーンちょっと待ってくれ、お嬢。
〇×はい?
ビリー・カーン……テリーから聞いた。あの時、ナギのことでひとっ走りして
くれたらしいな。
ビリー・カーンオレが言うのもなんだが……ありがとな。

 

お礼を言われることじゃないです
〇×そんな……お礼を言われることじゃないです。
ビリー・カーン……なら、この借りは働いて返す。

 

お役に立ててよかったです
〇×みなさんのお役に立てたならよかったです。
ビリー・カーンマジで嬉しそうな顔してるな。
ビリー・カーン……アンタのそういうところに、
オレは救われて来たんだよな……。
〇×えっ?
ビリー・カーンっ、何でもねェよ。

 

ビリー・カーン引き止めて悪かったな。
〇×いえ。それじゃ、おやすみなさい。
その日の深夜――
〇×(これは……夢?)
〇×(……あ、やっぱりそうだ。
だってこの景色は、沖縄KOFで私が見たものだから。)
〇×(3人の空気に会場全体が圧倒されてる。
この光景をまた見られたらいいのに――)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×……雑巾がけはこれくらいでいいかな。
〇×(今日は神世界チームと京さんチームの手合わせがあるから、
朝から気合を入れて掃除しちゃった。)
〇×うん、いい感じ!
〇×(ビリーさんは相変わらず渋々って雰囲気だったけど、
この前も自分が面倒見ないとって言ってたし……。)
〇×(断らなかったってことは、また神世界チームとして
戦うつもりがあるってことだよね。)
〇×どんな試合になるのか楽しみだなぁ。
???――何が楽しみだってェ?
〇×!?
〇×(どうして山崎さんが道場に……!)
〇×な、何かご用ですか……?
山崎竜二んな怖がるなよなァ。今日は、この間のお礼に……。
ここの連中と手合わせをしに来たんだからよォ。
〇×手合わせ、って……。
〇×(絶対にいい意味じゃないよね……。)
〇×(それに……この人はビリーさんにも、テリーさんにも
酷いことをした……。)
山崎竜二まだ他のヤツらは来てねェみたいだな。
それなら、待たせてもらうぜェ?
〇×――だ、ダメです!
山崎竜二……クククッ、両手広げて俺を止めてるつもりかァ?
〇×そうです!
山崎竜二あァァ?
〇×ここは神聖な道場です! あなたのようなフェアプレイの
できない方に敷居をまたがせるわけにはいきません……!
〇×みなさんが来る前に帰ってください……!
〇×(怖いけど、また誰かが傷つくほうがもっと怖い。
だから、ここで引くわけにはいかない……!)
山崎竜二弱っちいくせにいきりやがって……どけ、女!
〇×……っ。
〇×(殴られる……!)
???――させるかよっ!
山崎竜二チッ……!
ビリー・カーンお嬢、大丈夫か!?
〇×ビ、ビリーさん……っ!
ビリー・カーン下がってろって言いたいところだが、動けそうにねェな。
足がすくんでるんだろ?
〇×きゃっ……!?

 
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ビリー・カーンカタがつくまで、オレのそばから離れるんじゃねェぞ。
〇×……は、はいっ。
〇×(走って来てくれたんだ……。
ビリーさんの身体、すごく熱い……。)
山崎竜二ビリー、テメェ……。
ビリー・カーンお嬢の言う通りだ。山崎、ここはテメェみてェな外道が
上がりこんでいい場所じゃねェ。
ビリー・カーンとっとと消えやがれ。

 

3話

+  ネタバレ注意
テリー・ボガードビリー!
草薙京いったい、何の騒ぎだ!?
草薙京っ……てめぇは……!
矢吹真吾うわっ! なんで、あんたがここにいるんですか!?
〇×みなさん……!
山崎竜二ぞろぞろ集まってきやがったなァ。
全員、相手にしてやろうか?
???その中には僕たちも入っているのかい?
ナギそれなら僕たちも黙ってはいられないね、ヨミ。
ヨミはい。
〇×ナギさん、ヨミさん……!

 
守りたいもの
 

ビリー・カーンで、ここにいる全員、相手にするつもりか?
山崎竜二……まァまァ、落ち着け。
ビリー・カーンわざとらしく両手なんか上げて降参のつもりか?
山崎竜二見りゃわかんだろォ? 今回は道場には入らないでおいてやるよ。
その代わり――
ナギ……これは招待状かい?
山崎竜二ああ。俺の知り合いが主催する地下格闘大会のな。
参加してくれるってんなら、もうこの道場には現れねェよ。
山崎竜二そこでテメェらの悲鳴が聞けるのを楽しみにしてるぜェ……。
新生・神世界チーム。
ビリー・カーンくそ、言い逃げかよ。
ナギ……招待状というのは本当のようだね。
ヨミいかがなさいますか?
ナギ売られた喧嘩は買うのが礼儀なんでしょ?
ナギところで……君たちふたりはいつまでくっついているの?
〇×……え。
ビリー・カーンっ……!
〇×(……あ。
ビリーさんに抱きしめられたままなの忘れてた……!)
二階堂紅丸はぁ、俺としたことが出遅れたな。
まったく、ビリーも隅に置けないね。
ビリー・カーンッ!? 違ェよ! 山崎の汚ねェ手が、今にもお嬢に
触れそうだったから庇っただけだ! 勘違いすんな!

 

(…………。)
〇×(…………。)
〇×(意識したら、この状況が恥ずかしくなってきた……!)
ビリー・カーンっ……。

 

で、ですよね……!
〇×で、ですよね……!
大丈夫です、わかってますから!
ビリー・カーンそうか……なら、いいけどよ。

 

ビリー・カーン……悪かったな、いきなり抱き寄せたりして。
〇×い、いえ! 助けてくれてありがとうございました。
ビリー・カーンいい。気にすんな。
ビリー・カーンおい、ナギ! 地下大会の作戦会議するぞ!
ナギ……っ! ビリー、一緒に参加してくれるのかい!?
ビリー・カーン当然だ。……こうなったら、オレたちであの野郎の
鼻っ柱を折り尽くしてやろうぜ。ナギ、ヨミ。
ナギそうだね!
〇×…………。
草薙京×、今回の大会だけ、
神世界チームのマネージャーしてやれよ。
〇×え? い、いいんですか?
草薙京言いも何も「サポートしたい」って顔に書いてあるぜ。
〇×京さん……、ありがとうございます!
〇×3人とも、待ってくださーい!

 
スペシャル

+  ネタバレ注意

Episode:バレンタイン ~ビリー・カーン編~

バレンタイン当日・夜
ビリー・カーン……お嬢、起きてるか。
〇×ビリーさん? はい、開けますね――
ビリー・カーン……。
〇×わ……どうしたんですか?
その花束。
ビリー・カーン昼にバレンタインチョコレートってヤツを
もらっちまったからな。
ビリー・カーンその礼だ。
〇×きれいな花束……白いガーベラですね。
ビリー・カーン花の名前まではよくわかんねェけど――
ビリー・カーン想像通り、
アンタにはよく似合ってるな。
〇×(淡い花の香りに混じって、
ビリーさんの煙草の香りもする……。)
〇×(どうしてか、落ち着く香り。)
ビリー・カーンっと……悪ぃな。用はそれだけだ。
アンタもう、寝るところだったろ。
ビリー・カーンオレはもう行くぜ。
〇×あ、あの……! ビリーさんさえ良かったら、
少しお部屋にあがっていきませんか?
ビリー・カーン……!
〇×私、これからこのお花を花瓶に生けて……。
そうだ、暖かい飲み物も淹れてきます!
ビリー・カーン――ダメだ。
〇×(……!?
ビリーさんに、抱きしめられて……?)
ビリー・カーン×。
ビリー・カーンそんな寝間着姿で外に出るんじゃねェよ。
ビリー・カーンそれに、こんな夜に男を
部屋の中に入れるのもダメだ。
ビリー・カーンアンタはもう布団に入れ。
良いな。
〇×でも――
ビリー・カーンんな顔しなくたって、
オレはすぐ外にいる。
ビリー・カーンアンタが寝付くまで
話し相手になってやる。
〇×はい……。
ありがとうございます、ビリーさん。
ビリー・カーンよし、良いな。
ビリー・カーンほら、とっとと布団に入れ。
体を冷やすなよ。
〇×はい。ビリーさんからもらったお花、
大事にしますね。
ビリー・カーン……おう。
おやすみ、お嬢。

 


頼れるフロアリーダー Edit

1話

+  ネタバレ注意
『極限焼肉渋谷1号店』リニューアルオープン当日――
〇×(主人公)(混雑してる店内を仕切るためにフロアリーダーを
立てることになって、ビリーさんが抜擢されたけど……。)
ビリー・カーン冗談じゃねェ。
ロバート・ガルシアけど、あんだけの不良店員たちをまとめあげた手腕は、
フロアリーダーにぴったりやと思うけどな。
ビリー・カーンまとめあげたなんて大げさだ。
あれはたまたま、あいつらがついてきただけで……。
ビリー・カーンだいたいオレは愛想もねェし、客を怖がらせちまうだろ。
裏方が向いてんだよ。
〇×でも、確かに元からいた店員さんたちは、ビリーさんのこと
とても慕ってます。
〇×店員さんたちがスムーズに働くためにも、ビリーさんに
指示を出していただけるとすごく助かるのですが……。
ビリー・カーン……お嬢、悪ぃ。お嬢の頼みでもさすがにこれは、
いまいちイメージがわかねェっつーか……。
〇×(ビリーさん、浮かない顔……。
やりたくないのに、あまり無理強いずるのも悪いかな。)
ロバート・ガルシアそんな難しく考えることないやろ。
お客様をギース様やと思えばええ!
ビリー・カーンはァ……!?
ロバート・ガルシアイメージや。イメージするんや……。
こっちのお客もあっちのお客も、みんなみんなギース様……!
ロバート・ガルシアほーら。そう思うたら、
何をすればええか自然とわかるようなってきたやろ?
ビリー・カーンテメェ……いい加減なこと言ってるとブッ飛ばすぞ……?
ロバート・ガルシアほらほら! ギース様たちが呼んどるで! ほな、任せたわー。
ビリー・カーンおい待て! まだ話は……!
ビリー・カーンクソッ。やるしかねェのかよ……。

 

一緒に頑張りましょうね
〇×ビリーさん、一緒に頑張りましょうね!
ビリー・カーンはァ……。言っとくが、
あの野郎の言うことを飲んだわけじゃねェからな。
ビリー・カーン……お嬢がそう言うから、仕方なく、だ。

 

ビリーさんなら大丈夫
〇×ビリーさんならきっと大丈夫ですよ。
ビリー・カーンチッ……お客様はギース様だと?
ふざけたこと抜かしやがって……。
ビリー・カーン仕方ねェ……少しだけだ。

 

〇×ありがとうございます!
よろしくお願いしますね。
ビリー・カーンああ。
客Aすみませーん、オーダー……。
ビリー・カーンお伺いします。
客Aわっ、早!
ええと……おすすめってどれですか?
ビリー・カーン定番ですとカルビ、ロース、ハラミの盛り合わせです。
黒毛和牛の特選盛り合わせもあります。
ビリー・カーン本日は非常に希少な部位のイチボ、カイノミも入荷しています。
通の方には特製ダレにつけ込んだホルモンもおすすめかと。
客Aうう、どれも美味そうだなぁ……。
ビリー・カーンあとは、CMで使われた新メニューの『ファイター焼肉』も
非常に人気ですね。
客Aあっ、SNSでバズってたやつか!
じゃあそれにしよう。
ビリー・カーン承知しました。こちらのメニュー、ビールに非常に
合うお味ですが、どうなさいますか?
客Aくっ……そんなこと言われたらビールも飲みたくなってきた……!
中ジョッキも追加で!
ビリー・カーンありがとうございます。
少々お待ちを。
〇×(ビリーさん、すごい……! 接客が苦手だなんて嘘みたい。)
〇×(私も頑張って接客しなきゃ!)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×(ビリーさんの接客、どんどん冴えてきてるな。
お客さんが何を考えてるのかわかってるみたい。)
客Bすみませーん。
ビリー・カーンお水をお持ちしました。
客Bは、はい。どうも……。
何も言ってないのに何でわかったんだ……?
ビリー・カーンお客様、よろしければデザートのご注文はいかがですか?
客Cわぁ、ちょうど食べたいと思ってたんです!
客Dあっ……いけない、箸落としちゃった。
ビリー・カーン替えのお箸をお持ちしました。
客Dえ、呼ぶ前なのに……!?
〇×(お客さんたち、驚きながらも顔が明るくなっていく。)
客Aあの店員のサービス、すげぇよな。
こっちの希望を先回りしてくれてさ。
客B目つきの悪い兄ちゃんだろ?
神対応っていうのはああいうことを言うんだろうな。
客C笑顔は少ないけど、逆にそれがキリッとしてて
かっこいいっていうか。
客D私は関西弁の店員さんも好きだな~!
ビリー・カーンくそ。忙しい……。
だが……。
ビリー・カーンお客様はギース様、だ……!
数日後――
〇×(ここ数日で、ビリーさんとロバートさんが
すっかり名物店員として定着しちゃった。)
ビリー・カーンお嬢、そろそろ休憩の時間だ。
しばらく裏で休んできていいぞ。
〇×はい、ありがとうございます。
〇×お疲れ様です。
リョウ・サカザキおお、〇、休憩時間か。
ロバート・ガルシアちょうどコーヒーを淹れたところや。
こっちおいで。
〇×わ、ありがとうございます!
それじゃあご一緒させてください。
リョウ・サカザキしかし、あのビリーがまさかあそこまでの接客を
こなすとはな。
ロバート・ガルシアワイも、正直ここまでとは思ってなかったわ。
〇×ビリーさんがいなければ、フロアはもっと
混乱してましたよね……。
リョウ・サカザキたしかに。それに、店員たちを統率する動きも
なかなかだしな。
ロバート・ガルシアあいつら、まるでビリーの弟やな。
〇×ふふっ……ビリーさん、妹さんがいるから
自然とお兄さんぽくなってしまうのかもしれませんね。
〇×(ふぅ……お客さんの波もだいぶ落ち着いたかな。)
〇×(……あれ? あそこにいるのは……。
ビリーさんと、店員さん?)

 

3話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンお前、さっきのお客がなんでイライラしてたか
わかってんのか?
店員Aええと……注文した肉がなかなか
来なかったからっすかね……?
ビリー・カーンそれもある。けど、お客だってこの混雑した店内を見れば
ある程度時間がかかることくらい、わかるはずだ。
ビリー・カーン待たせるということは、
それだけ相手の貴重な時間を奪うということなんだ。
ビリー・カーン待たせること自体は仕方ねぇ。そのことを、誠心誠意謝れ。そして
あとどのくらいかかるのか具体的にお伝えして差し上げろ。
店員Aはい……すんませんでした。
ビリー・カーンオレに謝るんじゃねぇ。
……あのな。オレが接客のコツを教えてやる。
ビリー・カーン客に使えてると思って行動することだ。
店員A仕える……?
ビリー・カーン相手が何を求めてるか、どうしてほしいのか、
相手の気持ちになってとことん考えろ。
ビリー・カーンそうすりゃ、向こうが何か言う前に先回りして
希望を叶えることができるだろ。
店員A相手の気持ちになって……。
なるほど、やってみるっす!
ビリー・カーンおう。
〇×(ビリーさん、そんなことを考えて接客してたんだ……。
ちょっと感動しちゃったな。)

 
頼れるフロアリーダー
 

ビリー・カーン……はぁ。
何やってんだオレは……。
〇×どうしたんですか?
ビリー・カーン……!
お嬢、いたのか。
〇×はい。
すみません、立ち聞きするつもりじゃなかったんですけど。
ビリー・カーンいや……別に構わねェけどよ。
〇×ビリーさん、フロアリーダーがすっかり板についてますね。
ビリー・カーンやめてくれ。
そんなガラじゃねェ。
〇×最近のビリーさんを見てると、ギースさんに仕えていたころの
ビリーさんが想像できて、なんだか嬉しいんです。
ビリー・カーン嬉しいって……なんでだ?

 

なんとなく
〇×うーん、なんとなく……でしょうか。
上手く言葉に出来ないんですけど……。
〇×ただ、そのころのビリーさんに会ってみたかったって
思います。
ビリー・カーン……そうか。

 

知らない一面を知れるから
〇×私の知らないビリーさんの一面を
知ることができた気がして……。
〇×こんなふうにビリーさんに尽くしてもらえて、
ギースさんがうらやましいな、なんて。
〇×あ、いえその……! 私も充分、よくしていただいているとは
思っているのですが。
ビリー・カーンお嬢……。

 

〇×誰かのために尽くしてるときのビリーさんって、
すごく生き生きしてると思いますよ。
ビリー・カーン…………。
ビリー・カーン……やっぱ、焼肉屋の手伝いなんてやめる。
〇×え!? ど、どうしてですか?
ビリー・カーンお嬢がそんなふうに言ってくれるオレを、やすやすと人前に
晒したくねェんだよ。
ビリー・カーンどうせならそれは、ギース様と……。
お嬢のためだけに……。
〇×えっ……。
ビリー・カーン……悪ぃ、変なこと言ったな。忘れてくれ。
〇×あっ……ビリーさん!
〇×(行っちゃった。……さっきの、本気なのかな?
だったら嬉しいけど……。)
〇×(なんだか、ドキドキが止まらない。
顔の熱が引いてから店内に戻ろう……。)

 


忠実な執事 Edit

1話

+  ネタバレ注意
二階堂紅丸驚いたぜ。
まさかあんたが来てくれるとは思わなかった。
ビリー・カーンお嬢から話聞いて、
そのままってわけにもいかねェからな。
ビリー・カーンしかし、こういう店だとは聞いてなかったし、
こんな格好させられるとも思ってなかったが……。
〇×(主人公)す、すみません。私の説明不足で――
ビリー・カーンガラの悪い客だと?
アンタがバイトしてるカフェにか?
〇×はい。私がお手伝いした時は出くわしたことがないので、
聞いた話なんですが……。
〇×最近、理不尽なクレームをつけたり、
大きな声で怒鳴ったりする人が来るそうなんです。
〇×女性のお客様も多いし、お店も困っていて……。
ビリー・カーンしつこく来る客なら、
いずれお嬢が出勤してる時にも来るかもしれねェな……。
ビリー・カーン荒っぽい仕事なら慣れてるからな。
すぐにカタつけてやるよ。
ビリー・カーン……しかし、わざわざこの服着る必要があるのか?
二階堂紅丸執事として店内にいてくれれば、
問題の客が来た時、すぐにわかるだろ?
ビリー・カーンそうは言うけどな……これはどうにも落ち着かねェだろ。
〇×確かに、普段のビリーさんとは雰囲気が違いますけど――
似合いますよ。なんだか新鮮な感じです。
ビリー・カーン……別に似合わなくたって構わねェが……そうか。
ビリー・カーンま、確かに店員のフリしてる方が、
向こうにも警戒されなくて済むのは確かだな。
二階堂紅丸執事として店にいるからには、フリじゃなくて
ちゃんと働いてもらうから、そのつもりで。
ビリー・カーンおい……体よく働かせようとしてねェか?
二階堂紅丸まさか。その方が自然だろ?
二階堂紅丸あ、ちなみに店内は禁煙だ。
三節棍も預けておくこと。
ビリー・カーン…………。
二階堂紅丸執事は三節棍なんて持たないだろ?
〇×あの、やっぱりご迷惑だったんじゃ……。
ビリー・カーンいや、構わねェよ。
ビリー・カーンお嬢は何も気にせずに、いつもどおり仕事してな。
例の客が来たら、オレに任せとけ。
二階堂紅丸助かるよ。今日は俺、これから用事があって
あがらないといけないし。
二階堂紅丸だけど、何かあっても
店をめちゃくちゃにするのだけはやめてくれよ?
ビリー・カーンハッ、そりゃ向こうの出方次第だなァ?
ビリー・カーンアフタヌーンティーセットご注文の方、どうぞ。
こちらはケーキセットとなります。
ビリー・カーンご注文ですか。はい、ただいま。
〇×(ビリーさん、大丈夫そうかな?)
眼鏡の執事〇さん。申し訳ございませんが、
本日は接客へ回って頂けますか?
〇×え? はい、構いませんが――
〇×(あれ、初めて見る執事さんだ。)
〇×(でもすごく板についてるし、新人さんじゃなさそう……。
今までシフトが合わなかったのかな?)
眼鏡の執事彼――新しく入った執事の、サポートをお願いしたいのです。
わからないこともあるでしょうから、お困りではないかと。
〇×わかりました。
それじゃあ、ホールへ行ってきます。
眼鏡の執事よろしくお願い致します。
眼鏡の執事――あれが〇×……。
見たところ、ごく普通の女性としか思えませんね。
眼鏡の執事やはり、確かめる必要があるようです。
彼女が"彼"にとって、どのような存在なのかを。

 
2話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーン……ふう、やっと客入りが落ち着いてきたか。
結構忙しかったな。
〇×お疲れ様です、ビリーさん。
ビリー・カーンおう。お嬢もお疲れ。
悪ィな、色々フォローに回ってくれて。

 

執事って難しそうですね
〇×このお店の接客、ちょっと特殊なので……。
執事みたいに振る舞うのって、難しそうですよね。
ビリー・カーンああ。今はもう、ガラでもねェしな。
〇×(今はもう……?)

 

気にしないでください
〇×気にしないでください。ビリーさんにはお店のガードを
お願いしてるのに、接客までしてもらってるんですから。
ビリー・カーンありがとよ、×。
ビリー・カーン安心してな、例の面倒な客が来たら、
二度と近づかせねェようにしてやる。

 

ビリー・カーンしかし、今んとこ例の客は来てねェな。
このままだと、働きにきただけになりそうだ。
〇×なんだか申し訳ないです……。
ビリー・カーンいや、別にアンタが謝ることじゃねェよ。
面倒な客が来ないにこしたことはねェだろ?
ビリー・カーンそれに、まあ……アンタと一緒に働くってのは、悪くねェ。
キッチンスタッフ紅茶とスコーンのセット、出来ましたー!
〇×あ、じゃあ厨房に――
ビリー・カーンオレが取りに行ってくる。
お嬢はもう少し休憩してな。
〇×すみません、ビリーさん。
じゃあ、お願いします。
〇×(ビリーさん、執事役は不慣れみたいだけど、
親切だし頼もしい……一緒に働くの、楽しいな。)
〇×(問題のお客さんも来ないし、このまま何事も起きなければ――)
〇×えっ!? な、何……!?
マフィアA今日はもう店じまいだぜぇ、お客さんたち!
女性客たちきゃあああっ!
〇×(ひ、ひどい! お店を荒らすなんて!
この人たちが、例のお客様!?)
〇×やめてください、こんな乱暴なこと!
マフィアAやめてほしけりゃ、〇×って女を出せ!
〇×えっ!? わ、私……!?
マフィアBおっ、なんだ。あんたが本人かよ。
自分から出てくるとは手間が省けたな。
マフィアA俺たちと一緒に来てもらおうか。
〇×(な、なんで私を!? どうしよう――!)
マフィアBさあ、来い!
〇×痛っ! は、離してくださ――
ビリー・カーン汚ねェ手で触んじゃねェよ。
マフィアBぎゃっ!?
〇×……!
ビリー・カーン悪ィ、お嬢。騒ぎは聞こえてたんだが、
得物を取りに行って遅くなっちまった。
マフィアAなんだオマエ!?
ビリー・カーンテメェら、カタギじゃねェな……?
誰だか知らねェが、×にちょっかい出すよう命令されたか。
マフィアBだったらどうだってんだ!?
ビリー・カーンただのクレーマーなら、
コトはなるべく穏便に済ませようと思ってたが――
ビリー・カーン相手が一般人じゃねェなら、遠慮はいらねェなァ。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーン心配すんな、×。
そこで見てな……すぐ済ませる。
マフィアAおい待て、あの三節棍……。
まさかコイツ、ビリー・カーン!?
マフィアBなんだと!?
そ、そんな奴がいるなんて聞いてないぞ!
ビリー・カーンへぇ、オレを知ってんのか。
だったら――
ビリー・カーンテメェら、
ぶちのめされる覚悟はできてんだろうなァ!?

 
3話

+  ネタバレ注意
二階堂紅丸ひどい荒らされようだな……。
穏便にって言わなかったか? ビリー。
ビリー・カーンオレは相手の出方次第って言ったはずだぜ。
〇×あ、あの、相手の人たちがお店を荒らしたんです。
だからビリーさんが……。
二階堂紅丸警察に連行されていった二人組のことだね。
すっかり気絶してたけど。
二階堂紅丸だけど、ビリーが壊した備品もあるのは事実だろ?
ビリー・カーン弁償しろってか。
二階堂紅丸いいや。悪い客をこらしめてくれた恩がある。
――店を元通りにするのを手伝ってもらうっていうのでどうだ?
ビリー・カーンアァ?
チッ……ま、仕方ねェな。
〇×私もお手伝いします!
数日後――
ビリー・カーン店も元通りになってきたな。
〇×はい、もうすぐ営業再開できそうですね。
〇×(それにしても……あの人たち、私が目的だって言ってた。
どうしてかはわからないけど――)
〇×(お店が荒らされたのは、私のせいかもしれない……。)
ビリー・カーン…………。
ビリー・カーン×、ちょっとそこの席に座ってな。
〇×え……?
わかりました。
〇×(ビリーさん、厨房へ行っちゃったけど、どうしたんだろう?)
ビリー・カーンお待たせしました――お嬢様。
〇×え……?

 
忠実な執事
 

ビリー・カーン紅茶をお持ち致しました。
ただいま、お淹れします。
〇×(わあ……! ビリーさん、
すごく様になってる……!)
〇×(物腰も柔らかくて、落ち着いた雰囲気……。
戦ってる時とは、全然違う……。)
ビリー・カーンどうぞお召し上がりください、×様。
〇×は、はい。いただきます。
〇×――美味しい……ほっとする香りですね。
ビリー・カーン……ちょっとは、気分転換になったか?
〇×あ……はい、とても落ち着きました。ありがとうございます。
〇×それにしても、ビリーさんはこういう接し方に
慣れてないのかと思ってました。接客の時も――
ビリー・カーンあー……昔の仕事柄、多少な。
もう誰かにこんなふうに接するつもりはなかったんだが――
ビリー・カーンまあ、特別……な。
〇×(特別……。)
ビリー・カーン他にも何かしてほしいことがありゃ、今のうちに言っとけ。
サービスだ。今のオレは、アンタの執事だからな。

 

執事らしくしてほしい
〇×じゃあ……もう一度、執事さんらしくしてもらえますか?
ビリー・カーン仕方ねェな。もう一回だけだぞ?
ビリー・カーン――紅茶のお代わりはいかがですか?
×様。
〇×ふふ、ありがとうございます。お願いします。

 

そばにいてほしい
〇×ご迷惑じゃなかったら……もう少し、そばにいてくれますか?
ビリー・カーンもちろんだ。アンタのそばについてるよ。
またこないだみたいな奴が来たって、心配いらねェ。
ビリー・カーンあんな奴らが束になってかかってきたって、
オレがぶちのめしてやる。
ビリー・カーンだから、安心しな。

 

ビリー・カーンさて、と……それ飲み終わったら、行くか。
〇×はい。明日はお店、開けるといいですね。
ビリー・カーン……そのことだけどよ。トンズラしねェか?
〇×えっ、どうしてですか? ビリーさんの執事、素敵なのに……。
この仕事、お嫌いですか?
ビリー・カーンいや――オレが仕えるのは、アンタで充分だし……。
アンタにオレ以外が仕えるとこ見るのも、面白くねェからよ……。
〇×……! ビリーさん……。
ビリー・カーンと、とにかく、今日はもう帰るぞ。
それ飲んだらな……。
〇×……はい。
眼鏡の執事ふむ。やはりあのような半端な連中では、
彼に歯が立ちませんでしたか。想定内です。
眼鏡の執事しかし、〇×……。
彼が彼女にここまで執着しているとは、想定外でした。
眼鏡の執事これは、今後も調査を続ける必要がありそうですね。
眼鏡の執事それにしても……あなたの執事姿というのも、
なかなか見ものでございましたよ――ビリー先輩。

 


鮮やかな夏 Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
3話

+  ネタバレ注意

 
鮮やかな夏
 
 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


いちばん好きな味 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×ビリーさん、ありがとうございます。
お買い物に付き合ってもらっちゃって。
ビリー・カーン構わねェよ。いろいろ買うつもりなんだろ?
〇×はい。今日はセールなので、
晩ご飯の用意以外も、いろいろまとめ買いしちゃおうと思って。
ビリー・カーンよし、荷物持ちは任せときな。
ビリー・カーンそれで、夕飯の献立は何にするんだ?
〇×今夜は、焼き魚と唐揚げにしようと思ってます。
ビリー・カーンん? なんか、
前に聞いた時も、その組み合わせだった気がするんだが。
〇×そうですか?
……たしかに言われてみると、この献立が多いかも。
ビリー・カーン……焼き魚は、京の好物だからだろ。
〇×確かに、京さんからリクエストされることが多いですね。
ビリー・カーン魚は下処理やら何やら面倒だってのに、
お嬢に手間かけさせやがって……チッ、あの野郎。
〇×えっ! いえ、手間なんて大丈夫ですよ?
〇×京さんもですけど、みなさんの食べたいものを聞くと、
だいたいこの組み合わせになるんですよね。
〇×唐揚げも、みなさんたくさん食べてくれるので、
毎回いっぱい揚げてます。
ビリー・カーン揚げ物も面倒じゃねェか。油が跳ねると危ねェし。
ったく、どいつもこいつも……。
ビリー・カーンたまにはもうちょっと、
手間のかからない献立にしたくならねェのか?
ビリー・カーン言いにくいなら、オレがあいつらに言ってやるぞ。

 

みなさんに悪いので
〇×そんな、みなさんに悪いですよ。
私、もともとお料理が好きですし、平気です。
ビリー・カーンやれやれ……お嬢は本当にお人好しだな。

 

お気遣いは嬉しいです
〇×私なら大丈夫ですよ。
でも、ビリーさんのお気遣い、嬉しいです。
ビリー・カーン……お嬢は、自分より周りを気にかけてばかりだからな。
ほっとけねェよ。

 

ビリー・カーンお嬢。夕飯の用意、オレも手伝うぜ。
〇×でも、お買い物も一緒に来てもらってるのに
ビリー・カーン遠慮すんなって。妹との二人暮らしが長いから、
オレも料理ができねェわけじゃない。
ビリー・カーン魚の下処理だろうが揚げ物だろうが、任せとけ。
〇×いいんですか? じゃあ、お言葉に甘えて……
本当にありがとうございます。
〇×そうだ。お礼と言ってはなんですが、
卵焼きも作りますね。
ビリー・カーンおっ、いいのか? アンタの卵焼き、美味いからな。
ありがたい。
〇×ふふ、よかった。
ビリーさん、本当に卵が好きですよね。
〇×(みなさんにも、ビリーさんにも、
好きなものを食べて喜んでもらえるって、嬉しいな。)
〇×あ、そういえば……卵料理にもいろいろありますけど、
ビリーさんが特に好きなものって、なんですか?
ビリー・カーン一番好きな卵料理か。
そりゃ、やっぱりあれだな――

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×スコッチエッグ?
ビリー・カーンああ。あれは、イギリスが生んだ卵料理の最高傑作だ。
〇×たぶん、食べたことはあると思うんですが、
あまり馴染みがないかも……すみません、どんな料理でしたっけ?
ビリー・カーンゆで卵を挽肉で包んで、パン粉をつけて焼いたり、
揚げたりする料理だ。
ビリー・カーン肉と卵ってのは相性も抜群だし、食いごたえもある。
〇×確かに、美味しそうですね。
ビリー・カーンただ、火の通り加減のバランスが難しくて、
どうも自分じゃ上手く作れなくてよ。
ビリー・カーン食いたい時にいつでも食えりゃいいんだけどなあ。
〇×(ビリーさん、そんなにスコッチエッグが好きなんだ。
それなら――)
ビリー・カーンおっと、セールの時間は大丈夫か?
〇×あっ、そうでした!
ちょっと急ぎましょうか……!
後日――
〇×(ビリーさんがあんなに好きって言ってたスコッチエッグ、
上手に作れるようになりたい。)
〇×(レシピを見ながら練習してみよう……!)
〇×(な、なんとか出来た……!
ビリーさんが言ってたとおり、けっこう難しいんだな……。)
〇×(とりあえず、上手く出来たか食べてみよう。)
〇×……うん、味は悪くないみたい。
だけど――
草薙京おっ? ×、何作ってんだ?
〇×京さん。えっと、これは――
草薙京なんか見慣れねぇ料理だな。ひとつもらうぞ。
〇×あっ! す、すみません、これはダメです!
草薙京ダメ? なんでだよ。
〇×えっと……これはちょっと、
初めて作って、失敗しちゃったので……!
草薙京ヘえ? あんたが料理に失敗するなんて、珍しいな。
草薙京まあいいや。
上手く出来たら食わせてくれよ。
〇×(……思わず、誤魔化しちゃった。)
〇×(京さんには悪いけど、スコッチエッグが上手に出来たら、
ビリーさんに一番最初に食べてほしいから……。)
〇×それにしても——卵の黄身、この固さでいいのかな?
お肉の味付けも…….。
〇×ビリーさんの好みの味なのか、わからない。
どうしよう……。
ビリー・カーンスコッチエッグが食べたい?
〇×はい! この前、ビリーさんから聞いて、
無性に食べてみたくなっちゃって。
〇×ビリーさんが美味しいと思うスコッチエッグを出すお店、
教えてもらえませんか?
〇×(これで、ビリーさんの好みの味がわかるかも!)
〇×(でも、自分で作りたいからっていうのは
ちょっと恥ずかしいから、内緒で……。)
ビリー・カーンわかった。それじゃ今度、一緒に食いに行くか。
〇×ありがとうございます!
ビリー・カーンしかし、お嬢からデートの誘いとはな。
積極的で嬉しいじゃねェか。
〇×えっ!? デ、デート……!?
ビリー・カーンなんだ、違うのか?
〇×え、えっと、あの、その……。
ビリー・カーンははっ、悪ィ悪ィ。
つい意地悪したくなっちまった。
ビリー・カーンオレがこっち来て見つけた中で、一番
スコッチエッグの美味い店に連れていってやるからよ。
ビリー・カーン楽しみにしてな、お嬢。

 
3話

+  ネタバレ注意
〇×(今日は、ビリーさんが好きなスコッチエッグを
食べられるお店に連れてきてもらったけど――)
〇×(す、すごく大人っぽいダイニングバー……!
どうしよう、緊張してきちゃったかも……。)
ビリー・カーンお嬢、こっちの席に座りな。
〇×は、はいっ! ありがとうございます。
〇×ここ、とっても素敵なお店ですね。
ビリー・カーン店主がイギリス帰りで、店の内装とか、
向こうの雰囲気をイメージしてるんだとさ。
ビリー・カーン出してるのもイギリスの料理ばっかりで、
ちょっと懐かしくなるんだよな。
〇×(ビリーさん……普段より落ち着いてるというか、
表情が柔らかいような気がする。)
〇×(故郷を思い出すからかな……
いつもとちょっと雰囲気が違って、なんだかドキドキする……。
ビリー・カーンどうした、お嬢?
なんかぼうっとしてねェか?

 

お腹空いちゃって
〇×えっと、その一お腹が空いてきちゃって。
ビリー・カーンそんなに楽しみだったのか?
お嬢、意外と食いしん坊だなあ。

 

緊張しちゃって
〇×だって、こんな素敵なお店でビリーさんと一緒なんて……
緊張しちゃいます。
ビリー・カーンなんだ、別に緊張することなんかねェだろ?
ビリー・カーンその、なんだ……お嬢とオレの仲なんだからよ。

 

〇×わあ、このスコッチエッグ、本当に美味しいですね!
ビリー・カーンだろ? 黄身が半熟で肉も柔らかいし、衣もサクサクだ。
〇×(なるほど、ビリーさんはこういう
スコッチエッグが好きなんだ。参考になったなあ。)
ビリー・カーンどうだ、気に入ったか?
〇×はい! ビリーさんが卵料理で一番好きっていうのも、
わかった気がします。
ビリー・カーンお嬢と一緒に好きなものを楽しめるってのは、いいもんだ。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーンアンタさえよけりゃ、また付き合ってくれよ。
〇×はいっ、もちろんです!
〇×よーし、私も頑張りますね。お店の味にはかないませんけど、
美味しく作れるように――
ビリー・カーン……何?
お嬢、スコッチエッグを作るつもりなのか?
〇×(――あっ! な、内緒で作ろうと思ってたのに、
言っちゃった……!)
〇×じ、実は……そうなんです。
一度、練習で作ってみたんですけど――
ビリー・カーン練習って……オレのために、か?
〇×はい。その時は、ビリーさんの好みがわからなくて。せっかくなら、
ビリーさんが一番好きな味を食べてもらいたいんです。
〇×だけど、今日このお店に連れてきてもらったおかげで、
ビリーさんが好みの卵の固さも、お肉の味付けもわかりました。
〇×だから今度はきっと、もっと上手に――
あれ、どうかしましたか?
ビリー・カーン……ンだよ、それ……。
〇×ビリーさん?
ビリー・カーン確かに、オレは卵料理が好きで、
特にスコッチエッグが好物だけどよ――
ビリー・カーンアンタの手料理なら…….話は別だ。
ビリー・カーン卵焼きでも、焼き魚でも唐揚げでも…….
×の作る料理は、全部好きなんだよ。
〇×えっ……!
ビリー・カーンなのに、そのうえオレの好物を、オレのために練習したり、
好みを確かめたり……そんなことされたら――
ビリー・カーンアンタが作るもの以外、
食えなくなっちまうじゃねェか……。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーン……責任、とれよな。
ビリー・カーンお嬢お手製のスコッチエッグ、楽しみにしてるからよ。
〇×は……はい! 任せてください!

 
いちばん好きな味
 

 
スペシャル

+  ネタバレ注意

 


SR Edit

狂犬の牙 Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


縛られた契り Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


やるべきこと Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
Episode:アウトドアデート ~ビリー・カーン編~

+  ネタバレ注意
ビリー・カーン周りが暗いと、星ってスゲー明るく見えんだな。
〇×そうですね。
夜空に吸い込まれそうです。
ビリー・カーン実際に見てみるまでピンと来ねェ感じだったけど。
ネオンや街灯がないだけでこんなに違うんだな。
ビリー・カーンロンドンじゃこんなに星は見えねェし。
サウスタウンだって同じようなモンだった。
ビリー・カーンこんな夜の景色もあるんだな。
虫の声も悪くねェ。
ビリー・カーンにしても、こんなに冷えるとは思わなかったぜ。
お嬢も寒いだろ。
〇×(ビリーさん、私を後ろから抱きかかえて……。)
ビリー・カーンこうすると暖かいだろ。
ほら、もっともたれて構わねェぜ。
〇×(ビリーさんの温もりが背中から伝わってくる。
なんだか、すごく安心できる温かさ……。)
ビリー・カーン……なあ、オリオン座ってあれのことか?
〇×あ、そうですね。
3つ並んだ明るい星と、その上下の2つずつの星です。
ビリー・カーンその上のがふたご座ってやつか……。
流星群は10時過ぎくらいからだったな。
ビリー・カーン1時間に50個以上流れ星が見れるって話、
見るまでマジで信じられねェ。
〇×すごいですよね。
普段なんてひとつも見えないのに。
ビリー・カーンだよなあ。
ビリー・カーンまだ時間じゃねェし、
流れ始めたら起こしてやるから今は寝とけ。
ビリー・カーンオレは夜起きてんのは慣れてっからよ。
〇×いえ。
私もビリーさんと一緒に起きてます。
ビリー・カーンお嬢は無理すんなって。
〇×えっと……無理してるわけじゃないんです。
一番最初の流れ星にお願い事をしたくて。
〇×ビリーさんといつまでも
こんな風に一緒に過ごせますようにって……。
ビリー・カーン……チッ。
ビリー・カーンオレと同じこと考えてんじゃねェよ。ったく。
〇×えっ……!?
ビリー・カーンじゃなきゃわざわざ来ねェよ、こんな山奥。
〇×その……うれしくて、びっくりしてですね……。
ビリー・カーン……わかったよ。
それなら、どっちが先に見つけるか競争でもするか。
〇×えっ、競争ですか?
ビリー・カーンああ。先に見つけたほうの願いが――
ビリー・カーンって、まあ……。
どっちが先だって、願い事は一緒だけどな。
〇×ふふ……はい、2人でお願い事をしましょうね。

 


温泉合宿 Edit

1話

+  ネタバレ注意
熱川プリンスホテル・ロビー――
〇×(主人公)あれ、ビリーさん。
まだお部屋に戻らないんですか?
ビリー・カーンああ。なんつーか、
落ち着けねェんだ。
ビリー・カーンアンタやほかのやつらと
飯食って風呂入って……。
ビリー・カーンあいつらなんて、
まだ卓球だのなんだのって騒いでよ。
〇×ふふ、みなさんなんだかんだ
この合宿を楽しんでいるみたいですね。
ビリー・カーンったく、気楽なモンだぜ。
〇×ビリーさんはどうですか?
ビリー・カーンオレはあの空気にはいつまでも馴染めねェ。
あそこにいると体が鈍る。
ビリー・カーンいや……アンタに聞かせる話じゃねェな。
忘れてくれ。
〇×そんなこと無いです!
ビリーさんのことなら知りたいです。
ビリー・カーン……な、なんだよ。
アンタってたまに積極的だな……。

 
2話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーン別に大したことじゃねェよ。
この道場に来てからずっと感じてたことだ。
ビリー・カーン合宿なんて呑気なイベントも、道場での生活も――
ビリー・カーンオレの住んでた世界とは違いすぎる。
それだけだ。
〇×……
ビリー・カーンアンタが気にする必要はねェよ。
ビリー・カーン気が抜けねェように、
こうして一人で過ごしてるだけだ。
〇×あの……ビリーさん!
〇×私、もっとビリーさんと
一緒にこの合宿を楽しみたいです!
ビリー・カーン……は?
ビリー・カーンって、お嬢!
待て待て……腕を引っ張るな!
〇×ここは、ビリーさんの住んでた世界とは
ちょっと違うかもしれないですけど……。
〇×でも、違うから楽しいこともきっとあります。
だからめいっぱい楽しみましょう!
〇×じゃ、じゃないと私……。
どこかに行っちゃいますからね!
ビリー・カーン……!
ビリー・カーン……本当にアンタには、敵わねェな。
ビリー・カーンハッ、良いぜ。卓球だろうが風呂だろうが
何でも付き合ってやる。
ビリー・カーンその代わり、
アンタはオレから離れられない。
ビリー・カーンアンタがいる世界が、
今オレがいる世界だ。
ビリー・カーンアンタがどこにいたって、
オレがこの手で守ってやるからな。

 


夜デート Edit

1話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンお嬢。準備が出来たなら、そろそろ行くぞ。
〇×(主人公)は、はい!
ビリー・カーンあ……? おい、アンタ。
なんかがちがちじゃねェか?
〇×そ、そんなことないですよ……?
〇×(正装のビリーさん、なぜかわからないけど凄みがある……。
なんだか気が引き締まるなぁ。)
ビリー・カーンそれにしても、スーツなんて着るのは久々だ。
ビリー・カーンあのお方の下で働いてた時は、
こうして正装することもあったが……。
〇×スーツを着てお仕事をしていたことがあるんですか?
だから様になってるんですね。
ビリー・カーン様になってる? そうか……?
〇×はい。なんだかボディガードみたいです。
ビリー・カーンボディガード、か……。
ビリー・カーンそれなら、
今夜はアンタ専属のボディガードになるとするか。
ビリー・カーン誰にも、指一本触れさせねェ。
アンタに近づいてくる野郎は、全員ぶちのめしてやる。
〇×き、気持ちは嬉しいですけど、
ぶちのめすのはちょっと……!
ビリー・カーンはっ、冗談だ。せっかくアンタと出かけるってのに、
目立つ真似しちゃ楽しめねェ。
ビリー・カーンまあ……アンタに誰にも指一本触れさせねェってのは、
本気だがな。

 
2話

+  ネタバレ注意
ホテル内レストラン――
〇×ここって、なかなか予約がとれないレストランですよね?
ビリー・カーン前にアンタ、来てみたいって言ってただろ。
〇×覚えててくれたんですか?
嬉しいです……!
ビリー・カーンふっ……大袈裟だな、お嬢は。
ビリー・カーンほら、座れ。
〇×あ。椅子、ありがとうございます。
ビリー・カーンさてと、アンタが食べたいって言ってたのは、
ここの定番コース料理だったよな。
ビリー・カーン前菜に合いそうな酒は、と――
〇×ビリーさんって、紳士的なんですね。
ビリー・カーンは……はあ? なんだ、いきなり。
〇×行きたいって言ったお店の予約をとってくれたり、
椅子を引いてくれたり、食べたいものまで覚えててくれて……。
〇×こういうことが自然にできる男の人って、
女性は憧れますよ。
ビリー・カーンあ、あのなぁ……。
ビリー・カーン……アンタが相手じゃなきゃ、こんなことしねェよ……。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーンそれに……言っとくが、オレは紳士じゃねェし。
ビリー・カーン……狙った獲物も逃がさねェ。
ビリー・カーンもし今夜、アンタがうっかり飲み過ぎて、
酔っ払いでもしたら……。
ビリー・カーンふっ。
……まあ、飲みすぎねェように気をつけな。

 


KOFG学園 Edit

1話

+  ネタバレ注意
放課後――
〇×(主人公)(帰るのが遅くなっちゃった。今日は近道しよう。)
不良生徒Aオイ、そこのねーちゃん。ちょっと遊ぼうぜぇ。
不良生徒Bオレら暇してんだよね~。
〇×えっ!? いえ、あの――
不良生徒Cほら、こっち来いよ!
〇×いたっ! は、離してください……!
???何やってんだ、テメェら。
不良生徒Aひっ!? あ、あなたは――
???そんなに遊びたけりゃ、オレが相手してやろうか?
不良生徒Bい、いえっ、とんでもないッス!
不良生徒C失礼しました~!
〇×(みんな逃げて行っちゃった……この人、すごい迫力。)
〇×あ、ありがとうございました。
???アンタ、ウチの学校の生徒か。名前は?
〇×えっと……〇×、2年です。
〇×(すごく鋭い目つき。さっきの人たちより怖いかも……。)
???このへんは、ああいうのがよくうろついてる。
別の道を通ったほうがいい。
ビリー・カーンもし、また絡まれたら、オレの――
ビリー・カーンの知り合いだって言っとけ。
ビリー・カーンたいていの奴らは、それでおとなしくなるだろうよ。
ビリー・カーン……暗くなってきたな。
早く帰んな。
〇×は、はい……!
〇×(ビリーさんか……怖そうだけど、助けてくれた。
親切な人だったなあ。)
翌日――
〇×(なんだか今日は、妙に視線を感じるような……。)
生徒Aアイツがねぇ……G学の狂犬と付き合うとか、やるなあ。
生徒Bそうそう。3年のビリー・カーンの女だって。
〇×(えっ……えぇっ!?)
ビリー・カーンおい。〇×って、このクラスか?
〇×ビ、ビリーさん!?
ビリー・カーン……ちょっとツラ貸せ。

 
2話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンハァ……まさかこんな事になるとはな。
ビリー・カーンどうも昨日のバカ共が勘違いしたらしい。
アンタがオレの女で、手ェ出すと痛い目に遭うってな。
〇×その話が広まっちゃってるってことですか?
ビリー・カーンああ。だから、用心したほうがいい。
ビリー・カーン他校の不良連中が、オレの弱みだと思って、
アンタに何か仕掛けてくるかもしれねェ。
〇×そ、それはちょっと不安ですね……。
ビリー・カーンだろうな。で、だ――
 
〇×(まさか、ビリー先輩と肩を並べて帰ることになるなんて……。)
ビリー・カーン……悪いな、居心地の悪い思いさせてよ。
〇×いえ、そんなことないです!
ビリー・カーンそうか……ならよかった。
ビリー・カーン用心のためだ。しばらく、帰りはオレが送る。
オレの傍にいりゃ、誰が来ようがアンタに手出しはさせねェ。
ビリー・カーンしばらくは朝も迎えに行った方がいいかもな。
〇×(一緒に登下校って……。)
〇×あの……それこそ、
本当に恋人同士みたいじゃないですか?
ビリー・カーン…………。
ビリー・カーンなるほどな……いっそ、本当に付き合っちまうか。
〇×えっ――!
ビリー・カーンふっ……冗談だよ。
ビリー・カーンま、しばらくすれば噂も無くなるだろ。
それまでの辛抱だ。
〇×(心強いけど、私のために申し訳ないなぁ……。
あ、そうだ!)
〇×あの、送り迎えしてもらう間、
ビリー先輩のお弁当を作ってもいいですか?
ビリー・カーンは? なんでわざわざ――
〇×守ってくれるお礼に……。
先輩の好きな食べ物を入れますから。
ビリー・カーン…………。
〇×ご迷惑ですか……?
ビリー・カーン……卵。
〇×え?
ビリー・カーン卵料理、入れてくれ。
〇×じゃあ、卵焼きはどうですか?
ビリー・カーンああ、それでいい。
〇×わかりました。楽しみにしててくださいね!
ビリー・カーン……期待しとく。
〇×(あ……ビリー先輩、ちょっと嬉しそうかも?
よし、明日から頑張ろう!)

 


傲慢な御曹司 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(なんだか急に騒がしくなったような気が……。
何かあったのかな?)
???そろそろ気が変わったか?
〇×(あ、この声は……。)
通訳の青年申し訳ございません。
何度来ていただいても、
踊り子様を渡すわけには……。
ビリー・カーンあくまでオレに逆らうか。良い度胸だな。
通訳の青年と、とんでもない! 代わりと言ってはなんですが、
精一杯おもてなしさせて頂きますので、どうか――
ビリー・カーンまあいい。どうしても女を渡す気がないなら、
ここにいる間、オレの相手をさせろ。
ビリー・カーン……嫌だとは言わないだろうな?
通訳の青年わ、わかりました……。
〇×(みなさんビリーさんのこと怖がってるなぁ……。
ビリーさんの御曹司役、真に迫ってるというか。)
ビリー・カーン女。オレの隣に来い。
〇×あ……。
〇×(みなさん食事やお酒の準備してるし、
近くに行けばビリーさんと話せそう。)
〇×はい。失礼します。
ビリー・カーン――思ったより元気そうだな。
ったく、心配かけんじゃねェよ。
〇×はい、私なら大丈夫です。
ビリー・カーンあいつらの様子はどうだ?
何か妙なことされてねェか?
〇×相変わらず、丁重すぎるくらい丁重に扱われて……。
危害を加えられたりとかは、全然ないです。
ビリー・カーンそうか。だが、いつ気が変わって、
アンタを生贄にしようとするかわからねェぞ。用心してろ。
ビリー・カーンまあ、そうならないように、
オレがこうして様子を見に来るようにするけどな。
ビリー・カーン奴らにちょっとでもおかしな動きがあれば……全員ぶちのめす。
〇×あ、あの、ビリーさん。
待ちの人たちにも事情があるし、あんまり手荒なことは……。
ビリー・カーンまだそんなこと言ってんのか。
アンタ、本当にお人好しだな。
〇×すみません……。
ビリー・カーン……まあ、ナギもアンタを助け出す準備をしてるところだ。
オレが今言ったのは、最終手段ってことにしとく。
ビリー・カーンだが、くれぐれも油断するなよ。
少しでも妙だと思ったら、すぐに言え。
ビリー・カーンいつでも、どんな手段を使ってでも
アンタをここから連れ出してやる。
〇×(手荒な手段も考えてるのは、
私を心配してくれてるからなんだ。)
〇×ありがとうございます、ビリーさん。
ビリー・カーン感謝するのは、ここを無事に出られてからにしろ。
通訳の青年あ、あの……お二人で、何の話を……?
〇×っ! え、えっと、その――
〇×(どうしよう……こそこそ話してて、怪しまれたかな。)
ビリー・カーン…………。
〇×(ああっ、ビリーさんの目つきが鋭くなってる……!)
〇×(もしビリーさんと仲間だってバレたら、
さすがに街の人たちも怒って態度が変わるかも。そしたら――)
〇×(争いになって、ビリーさんも街の人たちも、
両方危ない目に……!? ど、どうしよう!)
ビリー・カーン……おい。連中に手荒なことはするなって言ったな?
〇×は、はい。
ビリー・カーンそれなら……バレないようにしてな。
〇×(ば、バレないようにって、
どうすればいいんだろう――)

 
2話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーン女。もっとこっちへ来い。
〇×わっ……!
〇×(きゅ、急に肩を抱き寄せられて……!
ビリーさん、何するつもりだろう?)
ビリー・カーンこの女、やはりどうしても欲しい。
前に伝えた金額の2倍出す。オレに譲る気はないか?
通訳の青年そ、それは……できません。
ビリー・カーンまだ金額が足りないと?
通訳の青年お金の問題ではありません。
通訳の青年以前もお伝えした通り、踊り子様は我らに恵の雨をもたらす、
大切な存在です。どんな大金にも代えられません。
ビリー・カーンまったく、強情だな……仕方ない。
それならせめて、今のうちに楽しんでおくとするか。
ビリー・カーン女、酒を注げ。
〇×は、はい。
〇×(これって、バレないようにするための演技なんだよね。
私も合わせなくちゃ……!)
ビリー・カーンお前も飲め。遠慮はいらない。
〇×いえ、私は……。
ビリー・カーンほう、ちゃんとわきまえているんだな。
ますますオレ好みだ。
ビリー・カーンお前自身の意思はどうなんだ?
オレについてくる気はないのか?
ビリー・カーンオレについてきたら、
屋敷に囲って何不自由ない生活をさせてやるぞ。
〇×(すごい。ビリーさん、なりきってる……。)
ビリー・カーンお前が首を縦に振るなら……すぐにここから連れ出してやる。
〇×(わっ、すごく近い……!
でも、これも演技なんだから、ちゃんと合わせなきゃ……!)

 

顔を背ける
〇×だ、だめです……。
ビリー・カーンふっ……そうやって恥じらう素振りも、なかなかそそるな。

 

体を離す
〇×離してください……!
ビリー・カーンそう嫌がることはないだろ。悪いようにはしない。

 

ビリー・カーンおい、もっと顔をよく見せろ。
〇×(あ、顎に指をかけられて――
ますますビリーさんが近く……!)
ビリー・カーン見れば見るほど、いい女だ。
今すぐ奪いたくなる……。
〇×(演技だってわかってるけど、こ、これ以上は――!)
通訳の青年あ、あの! どうかそれ以上はご勘弁を……。
ビリー・カーン……ふん。これくらいにしてやるか。
今は、な。
〇×(は、離してくれた……。
でも、まだ胸がドキドキしてる……。)
ビリー・カーンおい、酒が空だぞ。
通訳の青年は、はい、すぐに用意します。
〇×――ビリーさん、やりすぎですよ……!
ビリー・カーン仕方ねェだろ、中途半端なフリじゃあ、怪しまれるからな。
それに――
ビリー・カーン少しくらい楽しんだって、罰はあたらねェだろ?
〇×た、楽しむって……。
ビリー・カーンおいアンタ。顔が真っ赤だぜ?
大丈夫かよ。
〇×っ……し、知りません!
ビリー・カーンくくっ、怒るなって。

 


誘いの悪魔 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)ビリーさん、準備が出来ました。
ビリー・カーンきたか、×……。
――!
ビリー・カーン……いいじゃねェか。
そのウェディングドレス、よく似合ってるぜ。
〇×ほ、本当ですか?
ビリー・カーンああ、想像してたよりずっといい感じだ。
〇×(ビリーさんがここまで褒めてくれるなんて……!
恥ずかしいけど……嬉しいな。)
〇×ありがとうございます。
ビリーさんこそ、新郎姿、素敵ですね。
ビリー・カーンそ、そうか……? ありがとよ。
ビリー・カーン…………。
〇×大丈夫ですか?
落ち着かないみたいですけど……。
ビリー・カーンいや、何でもない……。
ビリー・カーン……っと、煙草はまずいよな。
衣装に匂いでもついたら弁償になっちまう。
ビリー・カーン……ふう。
〇×もしかしてビリーさん、緊張してます?
ビリー・カーン……!
ビリー・カーン……そう、だな。まあそんなとこだ。
〇×無理もないですよね。
ウェディングフェアの広告塔に選ばれるなんて。
〇×でも、ビリーさんなら平気かと思ってました。
何事にも動じない人だから。
ビリー・カーンはっ、こりゃあ買いかぶられたもんだな。
ビリー・カーン重要な仕事を控えてりゃあ、
誰だって落ち着かなくなるってもんさ。
〇×(重要な仕事……? そんなにこの撮影が大切なのかな。)
ビリー・カーンそういうアンタはどうなんだ?
緊張してねェのか。
〇×そうですね。正直に言うと……かなり緊張してます。
〇×花嫁役のモデルさんが急に出られなくなって、
自分が代役としてビリーさんと一緒に出ることになるなんて……。
〇×ちゃんと務まるか、ちょっと不安です……。
ビリー・カーン何言ってんだ。どこからどう見ても、立派な花嫁だぜ?
オレにはもったいねェくらいのな。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーンアンタはもう少し、自分の価値を自覚した方がいい。
〇×あはは、お世辞を言われると照れちゃいますよ。
ビリー・カーンお世辞じゃねェって。
×を喉から手が出るほど欲しいって奴はゴロゴロいるんだ。
〇×お、大袈裟ですよ、そんな……。
ビリー・カーン本当のことさ……あのお方も、アンタを望んでる。
〇×え? あのお方って?
ビリー・カーンさてと……そろそろ時間だな。
〇×予定では、撮影の時間はもう少し先ですけど――
ビリー・カーンそうじゃねェ。アンタを連れていく時間さ。
ビリー・カーンこれだけ立派な花嫁に仕上がったんだ。
早いとこ、あのお方にもお見せしなきゃな。
〇×ど、どういうことですか?
連れていくって、どこへ?
ビリー・カーンそりゃあもちろん――
ビリー・カーン地獄でお待ちの、あのお方のところへさ。

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×ビ、ビリーさん!? その格好は……!?
ビリー・カーンまあ、戸惑うのも無理はねェか。
ビリー・カーンオレはこの通り、悪魔だ。
地獄からアンタを迎えにきたのさ。
〇×ビリーさんが、悪魔……!?
〇×それに、地獄って――
わ、私、何か悪いことしましたか……!?
ビリー・カーンふっ――ハハッ! 心配すんな。
別に罰として地獄に落ちるわけじゃねェよ。
ビリー・カーンアンタの力が必要なんだ。
〇×私の力……?
ビリー・カーン今、地獄じゃ悪魔たちの覇権争いが起こってる。
ビリー・カーンオレが仕えるお方が他の悪魔に対抗するために、
多くの部下が必要だ。
ビリー・カーン悪魔も人間も構わず、有能な部下がな。
〇×部下って……じゃあ、私を?
ビリー・カーンそうだ。俺(※原文ママ)はアンタをパートナーに選んだ。
ビリー・カーンオレの……花嫁としてアンタをあのお方の元へ連れて行くこと……。
オレにとってもあのお方にとっても重要な事だ。
ビリー・カーン今回の撮影は、絶好の機会だったってわけさ。
〇×そんな――悪魔の手伝いなんて出来ません……!
ビリー・カーンなあに、アンタなら何だって出来る。
オレが見込んだ女なんだからな。
〇×わ、私、そんな有能な人間なんかじゃ……。
ビリー・カーンやれやれ……さっき言っただろ?
自分の価値を自覚しろって。
ビリー・カーンま、×のそういうところも、
オレは嫌いじゃねェけどな。
ビリー・カーンアンタの価値がどれほどのものかは、
向こうへ着いてからゆっくり教えてやる。
ビリー・カーンもうこんな場所に用はねェ。さあ、オレと一緒に来い。
〇×そ、そんな……。
ビリー・カーンなあに、悪いようにはしねェさ。
悪魔の花嫁に選ばれた人間は、丁重に扱われるからな。
ビリー・カーンしかもこれほど見事な花嫁なら、あのお方もきっとお喜びになる。
なんなら、今までより良い暮らしが待ってるぜ?
〇×でもビリーさん、私……怖いです。
〇×ビリーさんが言う、あのお方っていう人が、
どんな人なのかも知らないのに……。
ビリー・カーンああ……それなら心配いらねェよ。
ビリー・カーンアンタも、会えばすぐにわかる。
あのお方がどんなに素晴らしいか……。
ビリー・カーンあのお方の野望は、地獄に落ちても終わっちゃいない。
一度は道半ばで阻まれたが……。
ビリー・カーン今度こそ、全てはあのお方のものになる……!
地獄も、そしていずれこの世だってな!
ビリー・カーンオレはそのためなら、なんだってやってやるよ!!
〇×(情熱的な目……。
こんなビリーさん、初めて見るかもしれない。)
〇×(少し怖い……なのに、どうしてだろう。
なんだか、惹きつけられる……。)
ビリー・カーンなあ×、オレと来てくれ。
一緒に、あのお方が支配する世界を見よう。
ビリー・カーンあのお方の野望が成就した世界で……。
後はアンタさえいれば、オレはもう何もいらない……!
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーンさあ、×――オレの手を取ってくれるだろ?

 


無人島ロマンス Edit

1話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンったく、胡散臭いと思ったぜ。リゾートへの招待状なんて。
〇×まさか、無人島で肝試しをクリアしないと行けないなんて……。
リー・カーンこんな茶番、とっとと済ませるに越したことはねェ。
けど、肝試しか……。
ビリー・カーン相手が生身なら、チンピラだろうとマフィアだろうと
ぶちのめせば済む話だが
ビリー・カーン何が出てくるかわからねェとなると、やりにくいな。
〇×うう……ちょっと怖いですね……。
ビリー・カーン……そんな不安そうな顔してんじゃねェよ。
ビリー・カーンやりにくいとは言ったが、どうにかなるさ。
大体、オバケだの幽霊だのいるわけがねェ。
ビリー・カーンそんなものがいたら、あのお方も
〇×え?
ビリー・カーン……いや、なんでもねェ。
ビリー・カーンとにかく、そう心配すんな。
リゾートへ行ったらやってみたいことでも考えときな。
〇×そうですね……みなさんと海で遊べたら楽しそうです。
ビリー・カーン海か……。
まあ、悪くねェな。
〇×ビリーさんは、海で遊ぶなら何したいですか?
ビリー・カーンオレか?そうだな……スイカ割りってやつに興味がある。
ビリー・カーン目隠しして、棒でスイカを割るんだろ?
棒の扱いにかけちゃ、自信があるからな。
〇×いいですね!
じゃあ、その時は私が声をかけます。
ビリー・カーン声?
〇×スイカ割りでは、目隠しをしてる人に声をかけるんです。
右、とか、もっと前、とか。
ビリー・カーンなるほど、アンタが誘導してくれるってわけか。
じゃあその時は頼んだぜ、お嬢。
〇×はい!今から楽しみになってきました
〇×きゃああっ!?
ビリー・カーンっ!!出たか――!?

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×お、オバケ!?わ、わわっ――
〇×(あ、足がもつれて……転ぶ――!)
ビリー・カーン×っ!
〇×(あービリーさんが手を掴んでくれた……!)
〇×あ、ありがとうございま――
ビリー・カーンもっとこっちに来い。
〇×(わっ!?
ひ、引き寄せられた……!)
ビリー・カーン危険な仕掛けがあるかもしれねェ。
離れるなよ、×。
〇×は……はいっ!
ビリー・カーン…………。
〇×(息遣いが聞こえるくらい、ビリーさんが近くて……。
どうしよう、すごくドキドキする……。)
〇×(それに、ビリーさんの横顔……すごく真剣だ。)
ビリー・カーン……なんだ、ただのハリボテかよ。
ビリー・カーン驚かせるだけの仕掛けなら、心配いらねェな。
もう大丈夫だ、お嬢――
ビリー・カーン……!わ、悪ィ……つい引き寄せちまった。
〇×あ、いえ……!
〇×ありがとうこざいます、ビリーさん。
私のこと、守ろうとしてくれて……。
ビリー・カーン……当たり前だろ。
ビリー・カーンま、子供だましの仕掛けに本気で警戒するとか、
とんだ間抜けだけどな。
〇×そんなことありません!
すごく頼もしかったです。
〇×ビリーさんなら、本物のオバケが出たって、
守ってくれるんだろうなって……。
ビリー・カーン……ああ、そうだな。
ビリー・カーンアンタを守るためなら、相手がなんだろうと、
本気になるに決まってる。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーン……さ、さあ、行こうぜ。
肝試しなんて、とっとと終わらせちまおう。
〇×そうですね。リゾートでスイカ割りが待ってますから!
ビリー・カーンはっ、気合入ってんな。オレも負けてらんねえ。
ビリー・カーンよし、スイカ、一発で割ってやるよ。
ちゃんとオレをスイカまで誘導しろよ?×。
〇×はい、任せてください!

 


夢見Night Edit

1話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンお嬢、まだ起きてたのか。
〇×(主人公)ビリーさん。
物音がしたので、気になってしまって……。
ビリー・カーン起こしちまったか?
すまねェ、何でもないから部屋に戻りな。
〇×でも、何かあったんですか?
ビリー・カーンパジャマが汚れたから、洗濯しようとしてただけだ。
寝る前に三節棍を磨いておこうと思ったら、
手入れ用のオイルをパジャマにこぼしちまってよ。
夜干しより陽に当てる方がいいんだが、
早めに洗わねェと汚れが落ちなくなる。
〇×そうだったんですね……じゃあビリーさんは、
今夜、何を着て寝るんですか?
ビリー・カーンそんなの、シャツでも何でも、適当に着て寝るさ。
〇×でも――あっ、予備のパジャマならありますよ。
ぜひそれを使ってください。
ビリー・カーンそうか? アンタがそう言うなら、
お言葉に甘えるとするか。
洗濯が終わったら、受け取りに行く。
〇×わかりました。用意しておきますね。
ビリー・カーンおう。ありがとな、×。
……おい、×。
本当にこのパジャマしかねェのか……?
〇×すみません……残ってるパジャマが、
私のとペアになってる物しかなくて……。
ビリー・カーン借りといてなんだが……。
こりゃ可愛すぎるだろ……。
し、しかも、アンタとお揃いって……。
〇×(やっぱりこの柄、ちょっと恥ずかしいのかな……。
ここはフォローした方がいいよね。)
あの、似合ってますよ!
ビリーさん、可愛いです!
ビリー・カーン……アンタ、からかってんのか……?
〇×いえ、決してそんなつもりじゃ――
あ、あれ? ビリーさん、怒ってます……?
ビリー・カーンギース・ハワードの右腕だった男に、
こんな格好させたうえ、可愛いときたか――
ったく、お嬢は良い度胸してるなァ……?
〇×ご、ごめんなさい~!

 

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×びっくりしました……。
ビリーさん、本当に怒ったのかと。
ビリー・カーン冗談に決まってんだろ。
オレがアンタに何かすると思うのか?
〇×いえ、そんなことは!
でもビリーさん、すごく迫力がありましたから。
ビリー・カーン悪かったよ、おどかして。
さっきはああ言ったが、
パジャマを貸してくれたのは感謝してる。
しかし……お揃いのパジャマなんて、
妹とだって着たことがねェ……。
それにこの柄、妹に見せたら何て言われるか。
絶対からかってくるぜ、リリィのやつ。
〇×ふふ。ビリーさん、妹さんと仲がいいですよね。
ビリー・カーンまあ、ガキの頃から一緒だからな。
〇×ビリーさんが、ずっと妹さんを守ってきたんですよね。
素敵なお兄さんがいて、羨ましいです。
ビリー・カーンさて、どうだか……。
オレが良いアニキかどうかは、わからねェ。
だが、妹のためにできることは何でもしてきたつもりだし、
必ず守りたいと思ってきた。
もちろん、これからもそれは変わらねェ。
だが――
今は、守りたいものが増えちまった。
アンタって存在がな。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーン×。
何かあった時は、迷わずオレを頼れよ。
〇×ありがとうございます。でも私、
これまでもビリーさんに助けてもらってばかりで――
ビリー・カーンおいおい、まさか遠慮してんじゃねェだろうな?
そんなもん、当たり前だろ。
忘れるな、×。オレはアンタのために、
できることはなんでもする。必ず守る。
今までも、この先もずっとな。
〇×はい……!
これからも、お世話になります。
ビリー・カーンおう、任せとけ。
さてと、もう遅い時間だ。
そろそろ寝な、×。
〇×あの……まだ起きてちゃだめですか?
もう少し、ビリーさんと一緒にいたくて……。
ビリー・カーン……!
……ったく。そんな目で見られたら、
ダメだって言えねェだろ……。
仕方ねェな。もう少しだけだぞ。

 

 


ハロウィン Edit

1話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンお嬢……悪いんだが、ちょっとかくまってくれねェか?
〇×ビリーさん!どうしたんですか?
それにその格好――
ビリー・カーンナギの野郎に無理やり着せられたんだよ……
ハロウィンの習慣を知って、大はしゃぎだ。
ビリー・カーンこれ以上付き合わされちゃかなわねェ。
アイツに見つからないように、しばらく隠れたい。
〇×なるほど……わかりました。こちらへどうぞ。
ビリー・カーンすまねェ、恩に着る。
ビリー・カーンやれやれ、助かった……。
〇×あはは、大変だったみたいですね。
〇×でも、その死神の仮装、とっても似合ってますよ?
ビリー・カーンそうか?どうも動きにくいぜ。
〇×(ちょっとダークな雰囲気が、ビリーさんらしくてかっこいい。
……なんて言うと、失礼かな?)
〇×そうだ、よかったらどうぞ。
ハロウィンに用意したお菓子です。
ビリー・カーンお、ありがとよ。いただくぜ。
ビリー・カーンお嬢はハロウィンを満喫してるんだな。
〇×はい。近所の子供たちが仮装して遊びに来るので、
お菓子をあげたりして
〇×あ、すみません……。
ビリーさんがハロウィンで困ってるのに。
ビリー・カーンいや、別に謝ることはねェよ。
ビリー・カーンしかし、ハロウィンでもガキの面倒見てんのか。
相変わらず誰かの世話焼いてるんだな。
ビリー・カーンこうして厄介になってる
オレが言うことでもないかもしれねェが――
ビリー・カーンせっかくなんだから、
自分が楽しめばいいのによ。
〇×自分が、ですか?
ビリー・カーンほら、仮装するとか、誰かに菓子もらうとか、
悪戯するとか……ハロウィンらしいことをさ。
〇×えっと、それじゃあ――
〇×ビリーさん……トリックオアトリート!
ビリー・カーンなっ――!?

 
2話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンオ……オレは、菓子なんざ持ってねェぞ?
〇×そうですか。ということは……。
悪戯していいってことですよね?
ビリー・カーン……!
〇×だめ、ですか?
ビリー・カーン……いや、ハロウィンらしいことを楽しめって言ったのはオレだ。
二言はねェさ。
ビリー・カーンいいぜ……お嬢の好きにしな。
〇×ありがとうございます。
じゃあ一悪戯、しますね?
ビリー・カーンお、おう……。
〇×し.....失礼しますっ!
ビリー・カーンっ!お、おい!?
お嬢、どこ触って――!
〇×確かビリーさん、いつもこっちのポケットに……
あった!
ビリー・カーンあ……?
煙草の箱なんか、どうする気だ?
〇×この煙草を……。
こっちの箱と取り替えさせてもらいます。
ビリー・カーンなんだ?
見たことねェ銘柄だな。
ビリー・カーンつーかお嬢、煙草吸うのか……!?
〇×一本、出してみてください。
ビリー・カーンん……?こりゃあ――
ビリー・カーン……煙草じゃねェな。
チョコレート……?
〇×実は、ビリーさんに渡そうと思って、
用意してあったんです。
〇×あ、あの……。
すごく余計なお世話だとは思ったんですが
〇×ビリーさん、最近煙草の量が増えてるみたいで……。
少し、心配になってしまって。
〇×だから、今日だけでも……。
ビリー・カーンそういうことか。
ビリー・カーン……すまねェ、お嬢。
心配かけちまってたんだな。
ビリー・カーンわかったよ。今日はコイツをいただくとしよう。
〇×ビリーさん……。
ビリー・カーンありがとよ、×。
オレの体のこと、考えてくれて。
ビリー・カーンアンタは悪戯する時でも誰かを気にかけるんだな。
まったく、お嬢らしいぜ。
ビリー・カーンしかし、煙草の量が増えたなんて、
よくわかったな?
〇×ビリーさんのこと、よく見てるつもりですから……..。
他の人よりも、もっと。
ビリー・カーン……!
×……。
ビリー・カーンなあ。アンタも知ってるだろうが、
オレは結構なヘビースモーカーだ。
ビリー・カーンーなあ。アンタも知ってるだろうが、
オレは結構なヘビースモーカーだ。
ビリー・カーンもしかすると、
途中でどうしてもガマンできなくなるかもしれねェ。
ビリー・カーンその時は……..アンタがまた、
こうして悪戯しに来てくれよ。

 


掻き鳴らす想い Edit

1話

+  ネタバレ注意
お待たせ!
ドラム叩いてくれる人、連れてきたよ!
ジョー・東来てやったぜ! このジョー・東様が!
ビリー・カーンなっ、なんでテメェが……。
男子生徒Aありがとうございます!
これで最後のメンバーが揃いました!
男子生徒Bうおお、KOFのファイターたちと
バンドを組めるなんて最高だ!
ビリー・カーン…………。
〇×(学園祭のステージに出るバンドの子が風邪を引いてしまって、
急遽ビリーさんたちが出演することになったけど……。)
〇×(だ、大丈夫かな……?)
ジョー・東それにしても、ビリーがギターを弾けるなんてな!
人は見かけによらないってことか!
ビリー・カーンああ? それはどういう意味だ?
テメェこそ、ドラムなんか叩けんのか?
ジョー・東練習しまくれば、きっとできるだろ!
ビリー・カーンはぁ!? まさか、本当に叩けもしねェのに来たのかよ?
ジョー・東そう、カリカリすんなよ、ビリー。
オレがドラムじゃ不満か?
ビリー・カーン不満大ありだ! 素人がいきなり、
演奏なんてできるはずねェだろ!
ジョー・東でも、目の前で困ってるやつらがいるのに
見過ごせねぇ!
ジョー・東必ず演奏できるようにしてみせる!
だから、安心しろって!
ビリー・カーンチッ……。勝手にしろ……。
ビリー・カーンおい、楽譜寄越せ。
男子生徒Aは、はい!
ビリー・カーンオレはしばらく、ひとりで練習する。
合わせる時になったら呼んでくれ。
〇×あ、ビリーさん……!
〇×(ビリーさん、どこ行っちゃったんだろう。
確か、こっちの方だとは思うんだけど……。)
〇×(あ……ギターの音だ!)
ビリー・カーン…………。
〇×(わぁ、格好いい……。)
ビリー・カーン……何か用か?
〇×い、いえ。
少し様子を見に来ただけです。
ビリー・カーン………お嬢が心配することは何もねェよ。
アイツと一緒にってのは、納得いかねェけどな。
〇×……ジョーさんのことですか?
ビリー・カーン他に誰がいるんだよ。
〇×(どうしよう、ふたりの仲がこのままで
演奏なんて上手くいくのかな……。)
ビリー・カーンそんな不安そうな顔すんな。
〇×え?
ビリー・カーン誰がいけ好かなかろうが、
引き受けた以上、仕事はきっちりやる。
ビリー・カーンお嬢はライブを楽しみにしてりゃいい。
〇×……はい。
〇×(ビリーさんがそう言うなら、
大丈夫だよね……。)

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×(そろそろライブが始まる時間だ。
今はリハーサル中かな……?)
ビリー・カーンお嬢、こんな所にいたのか。
〇×あ、ビリーさん。 リハーサルは終わったんですか?
ビリー・カーンああ。お嬢も見に来れば良かったじゃねェか。
〇×悩んだんですけど、
やっぱり本番で見たいなと思いまして。
〇×ちゃんと音は合わせられましたか?
ビリー・カーンああ、なんとかな。
学園祭で聴かせる程度には問題ねェはずだ。
〇×そうですか……良かった。
〇×(最初はどうなることかと思ったけど、
ビリーさんの言った通り、なんとかなったみたい。)
〇×本番、楽しみにしてますね!
ビリー・カーンあんまり期待はするなよ。
どうあがいても素人の寄せ集めだからな。
〇×でも……。

 

ビリーさんが出演しますし
〇×ビリーさんが出演しますし、
やっぱりわくわくしちゃいます。
ビリー・カーン……ハッ、そうかよ。
〇×(あ、もしかして、ちょっと照れた……かな?)
ビリー・カーン何笑ってやがる。
〇×い、いえ! なんでも!

 

自信がある顔ですよ
〇×その顔は、自信がある顔ですよ。
ビリー・カーン……まあ、悪くねェとは思ってる。
〇×ふふ、やっぱり。

 

ジョー・東おーい、ビリー!
〇×あ、ジョーさん。
ビリー・カーンチッ、またうるせェのが来やがった……。
ジョー・東×ちゃんと一緒だったのか!
どこに行ったのかと思ったぜ!
ジョー・東スケジュールが早まったみたいで
そろそろスタンバイよろしくだってよ!
ビリー・カーンわかった、すぐ行く。
〇×いよいよですね。 頑張ってきてください、応援してます!
ビリー・カーンああ。
男子生徒Aお待たせしました!
次は俺たちの演奏です!
男子生徒B今日はなんと、ファイターのジョーさんと
ビリーさん、包さんがメンバーとして参加してくれてます!
ジョー・東みんなー! ガンッガン盛り上がっていこうぜー!!
一生懸命演奏するから、聴いていってね!
ビリー・カーン……よろしく。
男子生徒Aそれじゃ、いくぜー!
〇×(すごい、みなさん息ピッタリ……!)
女子生徒ノリいい曲じゃん!
私結構好きかも~。
ビリー・カーンふっ……。
〇×(ギターを弾くビリーさん、やっぱり格好いいな……。)
ジョー・東みんなー!
もっともっと盛り上がってこうぜー!!
ジョー・東ほら、ビリーも!
ビリー・カーン……後悔しねェよう、楽しんでけよ!
〇×(私も思い切って、音に合わせて手を振ってみよう……!)
ビリー・カーン……っ。
〇×(あ、ビリーさん、一瞬こっち見たような……?
気付いてくれたのかな。)
〇×(少し照れくさいけど、嬉しいな。
よし、この調子で目いっぱい楽しもう!)

 


Callin' Edit

1話

+  ネタバレ注意
ライブ終了後、楽屋――
〇×おかえりなさい、ビリーさん。
どうぞ、タオルです。
ビリー・カーンああ、ありがとな。
フー……。
〇×すごい盛り上がりでしたね。
舞台袖からしか見れなかったのが残念でした。
〇×ステージから見た景色はどうでした?
ビリー・カーン……あんな空気、初めてだった。
〇×あんな空気?
ビリー・カーン曲が進んでいくにつれて、客共がどんどん熱狂していきやがるんだ。
ビリー・カーンもっとオレの歌を欲しがるみたいにな。
〇×……それってなんだか格闘技の試合と似てますね。
ビリー・カーンハッ。確かに見てる分にはそうかもしれねェが……。
実際はちょっと違ェな。
ビリー・カーン闘ってるときはぶちのめす相手のことだけ見てりゃいい。
でも今日は――
ビリー・カーンオレを中心に……。
いや、オレたちを中心に周りの熱が上がってくんだ。
ビリー・カーンあんなの、オレは知らねェ。
ビリー・カーンでも、すげェ興奮した。
ビリー・カーン隣で歌ってるジョーの野郎も
オレと同じようにその熱を感じてたんだろうな。
ビリー・カーンどんどん歌が変わって、今までとは全然別モンの歌を歌ってた。
〇×楽しかったですか?
ビリー・カーン……アンタにはそう見えたのか?
〇×はい。すごく楽しそうでした。
ビリー・カーン……だったら楽しかったんだろ。
ビリー・カーン何でライブなんて出なくちゃなんねェんだって思ってたが――
ビリー・カーン今は、出て良かったと思ってる。
〇×ふふっ、ジョーさんに感謝、ですね。
ビリー・カーンいや、それはねェ。
〇×(ステージの上ではあんなに息の合ったパフォーマンスを
してたのに……ふふ。)
ビリー・カーン……あの歌を。
〇×はい?
ビリー・カーンあの歌をレコーディングでしなくちゃいけなかったんだろうな。
ビリー・カーン歌でアイツと闘うんじゃなくて、
アイツとタッグで闘うように歌わなきゃいけなかった。
ビリー・カーン……今なら、それがわかる。
〇×それなら心配いりません。
出来ますよ、もう一度レコーディング。
ビリー・カーンは……?
〇×前回のレコーディングのとき、ビリーさんもジョーさんも
全然納得できないって顔してましたから。
〇×もしかしたら今回のライブを通して何かつかめるかもしれない
と思ってスタッフと連絡を取って調整していたんです。
〇×でもそれがちょっと急で、明日の夕方からとかなんですが……。

 
2話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーンもう一回、レコーディングできるのか…?
〇×はい。少しでも気になることがあるなら、私に出来る準備は
全部しておきたいって思ったんです。
〇×どうしようってすごく悩んだんですけど、
ビリーさんが喜んでくれてよかった……。
ビリー・カーン…………。
〇×……? ビリーさん?
ビリー・カーンアンタはどうして――
ビリー・カーンどうして、そこまでオレを信じられる?
ビリー・カーンライブで何かつかめる保証なんてなかっただろ?
ビリー・カーン何も得られなかったかもしれない。
ビリー・カーンなのに、どうして――
〇×なんでって言われても……。

 

知っているから
〇×……あえて言うなら『知っているから』でしょうか。
ビリー・カーン知ってる……?
一体、何を。
〇×私が好きになったビリーさんは、そういう人だってことをです。
ビリー・カーン……っ!

 

なんででしょう?
〇×……なんで、でしょう。
ビリー・カーンハッ、確信もないのに信じてんのか?
〇×うーん……なんて言うんでしょう……でも、きっとビリーさんたち
ならって気持ちはあったと思います。
〇×今まで一緒に過ごしてきたビリーさんたちなら、
きっとそうなるだろうなって信じられたんです。

 

ビリー・カーンなんだそれ。
ビリー・カーン……本当、アンタには敵わねェな。
〇×わっ……! あの、ビリーさん……?
どうしたんですか、急に、あの……あっ、具合悪いですか?
ビリー・カーンそんなんじゃねェ。
〇×だったらどうして肩にもたれかかって――
ビリー・カーンなあ×。
〇×……はい。
ビリー・カーンオレは、いつどんなときもアンタを守ってやりたいと思ってる。
〇×……はい。
ビリー・カーンでも本当は、守られてるのはオレなんだ。
〇×え……?
〇×そんなこと、ないですよ。
私なんて、そんな――
ビリー・カーンオレは、アンタに信じてもらえるのが嬉しい。
ビリー・カーンだって普通信じねェだろ。オレみたいな奴のこと。
〇×そんなことないです!
ビリーさんは信頼に値する人です!
〇×現に私は誰よりもビリーさんのことを信じて――
ビリー・カーンわかってるよ。
ビリー・カーンアンタが、オレを信じて、その……。
想って、くれてんの、わかってる。
ビリー・カーンそんなアンタだから、オレもアンタのことが――

 


1stアニバーサリー Edit

1話

+  ネタバレ注意
○×ふぅ……時間に余裕がある日は
掃除がはかどるなぁ。
○×(今日は休日だけど……じっとしてるのももったいなくて、
朝から掃除しちゃった。)
○×(あれ?向こうから歩いてくるのは……。)
ビリー・カーンおい、お嬢!何してんだ。
○×ビリーさん。どうしたんですか?そんなに慌てて……。
ビリー・カーンどうしたんですかじゃねェよ。
アンタ、一日休み取るってこの前話してただろ?
ビリー・カーンちょうど今日だったかと思って様子見に来たら、
いつも通り働いてるじゃねェか。
○×うっ……私ものんびりしようとは思ったんですけど、
つい溜まった家事が気になってしまって……。
ビリー・カーンったく。筋金入りの働き者だな。
休める時に休んどかないと、いざという時に力が出ねェぞ?
○×す、すみません……。
ビリー・カーン……仕方ねェ。
あと、何の仕事が残ってるんだ?
○×えっ?
ビリー・カーン手伝ってやるって言ってんだよ、家事。
ビリー・カーンオレが手ェ貸せばアンタの負担が少なくて済むし……。
ひとりでやるよりは速く終わらせられるだろ。
○×そ、そんな!せっかく来ていただいたのに悪いですよ。
ビリー・カーンオレはアンタがろくに休みもせずに、
体調崩す方が困るけどな。
○×うっ……。
○×(な、何も言い返せない……!)
○×じゃあ、お言葉に甘えて……。
残りの拭き掃除を手伝ってもらってもいいですか?
ビリー・カーンおう。雑巾取って来るから待ってろ。
○×(ビリーさん……優しいな。)

 
2話

+  ネタバレ注意
ビリー・カーン拭き掃除はこんなもんか?
○×はい!ありがとうございました。
○×あっ、洗濯もちょうど終わったみたいです。
ビリー・カーンそうか。んじゃ、干すのはオレにやらせろ。
○×えっ!?そこまでやっていただくのは……。
ビリー・カーン遠慮すんな。
どうせ野郎の服が大量にあんだろ?
ビリー・カーン運ぶのも重いだろうし……こういう仕事はオレに任せとけ。
○×ビリーさん……何から何まですみません。
○×(せめてビリーさんが戻ってくるまでに、
お茶を淹れておこうっと。)
ビリー・カーン×。終わったぜ。
ビリー・カーン──お?なんかいい匂いがするな。
○×家事が一段落したので、
お茶とお菓子を用意しておきました。
ビリー・カーンアンタは気が利くな。
んじゃ、遠慮なくもらうとするか。
○×はい!お好きなものをどうぞ。
○×それにしても……ビリーさんのおかげで、
あっという間に片付いちゃいました。
ビリー・カーンまぁ、家でも料理以外の家事は担当してるからな。
ビリー・カーン家事ってのは効率が大事だ。手際よく済ませねェと、
あっという間に時間が経っちまう。
○×ふふ、その通りだと思います。
ビリー・カーンでも、ふたりで家事してっと……。
なんつーか、その……アレ、みてェだな……。
○×アレ……もしかして『新婚みたい』、ですか?
ビリー・カーンなっ!?
アンタ……オレが言おうか迷ったことを……。
○×(ビリーさん、顔が真っ赤……。
何かまずいことでも行っちゃったかな?)
○×(『新婚みたい』……はっ!)
○×す、すみません!
○×私たちが新婚みたいだなんて……。
失礼なことを言っちゃいましたよね。
○×ふたりで家事をするってことから、
深く考えずに連想しちゃった……。
ビリー・カーンべ、別に失礼じゃねェよ。
オレも同じこと思った訳だし……。
○×え?同じって……。
ビリー・カーンなんでもねェ!
○×(もしかして、ビリーさんも私と……。
照れくさいけど、ちょっと嬉しいな。)

 

 


新年'21 Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


棒術使いのワンショット Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


 
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