カードストーリー /ナギ

Last-modified: Fri, 15 Jan 2021 00:47:03 JST (1199d)

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幻夢の花園 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)(ナギさんの声がしたと思って、
泉に来てみたけど、誰もいない……。)
〇×(あの声は……気のせいだったのかな。)
ナギヒメ――
〇×えっ……その声はやっぱりナ……きゃあ!?
〇×ん……んん……?
〇×こ、ここは一体……?
〇×(あの泉……じゃないよね……。花の香りがして……、
ふわふわとした不思議な空気が漂っていて……。)
〇×(ここってもしかして、ナギさんの……。)
〇×……ナギさんを捜してみよ……――!?
〇×(わ、私の体、少し浮いてる……!?
う、上手く歩けないけど……とにかくナギさんを捜そう!)
ナギふふっ、今日も花たちは美しいね……。
思わず口づけをしたくなってしまうよ。
〇×ナギさん、いた……!
ナギ……来てくれたんだね。待っていたんだよ。
〇×待っていたって……ナギさん、ここは一体どこなんですか?
もしかして、天――
ナギここがどこか、だなんて今はどうでもいいじゃないか。
君を連れて行きたいところがあるんだ。
ナギさあ、僕についておいで。こっちだよ。
〇×えっ! ちょっと、ナギさん待ってください!
ナギここにはたくさんの花々が咲いていてね。
ナギ椿に梅や桜、それに桔梗。
〇×ほんとにきれいな花がたくさん……。
こんなに一度に見るのは初めてかも……。
ナギ地上だと、季節が違えば見られる花も変わるからね。
でもここは、いつでもたくさんの花が咲いている。
〇×(ここは地上じゃない、ということはやっぱり……。)
ナギふふっ、どの花も美しいけれど、
×の可愛さには敵わないかな。
〇×そ、そんなことは……。
〇×(な、ナギさんはこういうこと平気で言うから
ドキドキする……。)
ナギあと×に見てほしい場所はここかな。
ナギ僕の一番のお気に入りなんだよ。
〇×わぁ……! すごくきれい……。
ナギここにあるもの全て蓮の花なんだ。
〇×全部ですか?
ナギそうだよ。ここは必ず×を連れて来ようと
思ってたんだ。
〇×光が当たって花が七色に輝いてる……素敵……。
ナギふふっ、みんなヒメを歓迎しているようだね。
〇×えっ、ナギさん花の言葉がわかるんですか?
ナギもちろん、花たちを見てごらん。
ヒメが来たことを喜んで歌っているよ。
ナギうん。
君たちもヒメが来てくれてうれしいよね、僕もだよ。
〇×(本当に話が出来てるみたい……。)
〇×(ナギさんは神様だし、もしかしたら私に聞こえない
言葉が聞こえるのかもしれないよね……。)

 

私も話してみたい
〇×私もいつかお話ができるといいな。
ナギふふっ、きっとヒメならすぐできるよ。
〇×はい、頑張ってみます!
〇×(もし花と話ができるようになったら……。
もっとナギさんに近づくことができるかな。)

 

耳を澄ましてみる
〇×(もしかして、よーく耳を澄ませば聞こえるのかな。)
〇×…………。
ナギ目を閉じてるヒメもかわいいね。
それは僕を誘っているのかな?
〇×ち、違います!
ナギふふっ、わかっているよ。
ヒメは照れ屋なんだよね。

 

ナギさて、じゃあヒメを次の場所に案内しようか。
〇×次はどこへ行くんですか?
ナギそれは着いてからのお楽しみだよ。
ナギさあ、ここだよ。
〇×えっ、これは……泉?
ナギそう、でもただの泉じゃないんだ。
ナギここから中を覗いてみると、面白いものが見えるからね。
〇×面白いもの……。
ナギふふっ、騙されたと思って覗いてごらん。

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギさんから案内され、私は泉を訪れていた。
そして言われるまま泉の中を覗き込んでみると、
そこに映っていたのは――
〇×(え……この映ってるのって……渋谷、だよね……。)
〇×(ってことは、やっぱりここは天上界なんだ……。)
ナギヒメ、どうしたんだい?
〇×あ、あの……ここって、ナギさんが住んでいる
天上界……ですよね?
ナギふふっ、そうだよ。わかってもらえて嬉しいな。
ナギ僕はずっと、君にここへ来てほしいと願っていたんだ。
ヒメとここで過ごす日を夢みていたからね。
ナギそしてその願いは突如として叶えられた。
僕にとってこの上ない幸せなことだよ。
〇×(……いきなりここに飛ばされてびっくりしたけど、
喜んでもらえたなら来てよかったのかも。)
ナギ今ヒメに見てもらった花たちは僕が丹精したんだ。
ナギその他の場所は大体ヨミがやってくれてるんだけど、
ここだけは特別でね。
〇×何か理由があるんですか?
ナギここの花たちが僕を呼んでくれたんだ。
ナギもしあの時呼ばれていなかったら……僕はこの世から
消滅していたかもしれない。
ナギそう思うぐらい何もかも嫌で、絶望していたんだよ。
〇×(ナギさんはいつも明るくて優しくて、笑顔で……、
いつも私のそばにいてくれて……。)
〇×(そんなナギさんがこんな悲しそうな顔をするなんて……。)
〇×……花たちがいてくれてよかったです。
ナギ×……。
〇×花たちの呼びかけでナギさんが今ここにいてくれる……。
本当に、本当によかったです……っ。
ナギ×……泣いているの……?

 

泣いてない
〇×な、泣いてないです……。
〇×目にゴミが入っちゃって、それで……。
ナギそれは大変だ、僕がとってあげよう。
〇×だ、大丈夫です!
ナギふふっ、ヒメは本当にかわいいね。

 

嬉しくて
〇×だって嬉しくて……。
〇×私……ナギさんがいない世界なんて考えられません。
ナギ……ヒメ。ほら涙を拭って、
かわいい顔が台無しになってしまうよ。
ナギ心配しなくても、ヒメの目の前に僕はちゃんといる。
ナギふふっ、なんなら抱きしめてあげようか?
〇×な、ナギさん……。

 

ナギ僕もヒメに会うことができて、とてもうれしいんだ。
ナギ花たちがいてくれたから、今、僕たちはこうして
一緒にいられる。花たちに感謝しないとね。
〇×そうですね。……ありがとう、花のみんな。
ナギ……っふ、どういたしまして、って言ってるよ。
〇×そうなんですね。私にはやっぱり聞こえそうにないです。
ちょっと残念だな……。
ナギ君もいつか聞こえるようになるよ。
ところでヒメ、ちょっといいかい?

 

3話

+  ネタバレ注意
ナギヒメ、ちょっと目をつぶってもらえるかい。
〇×え……こう、ですか。
ナギそうそう、僕がいいと言うまで開けちゃだめだよ。
〇×ナギさん一体どこへ……。
ナギふふっ、いいところだよ。
あ、転ぶと危ないから手を繋いでようね。
〇×(っ!? 急に手を繋がれるなんて……。
こ、心の準備が……。)
ナギきっとヒメはビックリするんじゃないかな。
〇×(今のこの状態に驚かされてるんだけど……。
ドキドキが伝わっちゃいそう……。)
ナギじゃあ、ヒメ。ゆっくりと目を開けて。
〇×…………わぁ! すごい!
こんなに花で一面埋め尽くされてるなんて……。
ナギふふっ、気に入ってもらえた?
〇×はい!
〇×(どこを見てもきれいな花ばかり……。
ここもナギさんが手入れしてるのかな。)
ナギおいで、×。
〇×えっ! でも、ナギさんそこは……。
ナギ大丈夫だよ。
×も一緒に花の布団で寝てみないかい?
〇×(でもお花が……。)
ナギほら、隣にどうぞ。
〇×じゃあ、失礼しま……っ!?
〇×えっ! し、沈まない……?
ナギふふっ、花たちが歓迎して包み込んでくれているからね。
ナギだから、寝転んでも平気だよ。
〇×ほ、ほんとですか?
ナギああ、試してごらん。
〇×…………。
〇×ほんとだ……ふわふわして、何だか守られてるみたい。
ナギヒメも気に入ってくれたようで嬉しいよ。
ナギここに寝転がると、まるで自分が花の一部になった
気分になれて、僕のお気に入りの場所なんだ。
ナギそこに君とこうしていられるなんて……。
ナギ×……。

 
幻夢の花園
 

ナギ僕は幸せだよ……。
〇×ナギさん……。
ナギふふっ、急に手を握ってしまってごめんよ。
ナギでも……こうしないと、
×がいなくなってしまうような気がしてね……。
〇×(ナギさんはずっと独りだったんだよね……。
だから、寂しい気持ちが強くなることがあるのかも……。)
〇×ナギさん……大丈夫ですよ。
私はいなくなりません。ずっとそばにいます。
〇×だから安心してください。
ナギ……そうだね。ありがとう、×。
僕も絶対に、君のそばから離れないよ。
〇×……はい。
〇×(ナギさんの手が温かくて……、
なんだか少し眠くなってきたような……。)
ナギ眠いのかい? なら、×がよく眠れるよう、
僕が昔話をして寝かしつけてあげよう。
ナギ……昔々あるところに、
イザナギとイザナミという神様がいました。
〇×(あ……これ聞いたことある……。日本神話だ……。)
〇×(それにしても……ナギさんの声、すごく心地よくて……。)
〇×(もっと聞いていたいのに……眠く……なって……。)
〇×んん……んー……まぶし……い。
〇×え……ここは……私の部屋……?
〇×(ということは……あれは夢?)
〇×夢にしてはすごくリアルだったような……。
〇×そうだ! 泉に行けば何かわかるかも。
〇×んー……ただの泉だよね……。
おかしいな……昨日の夜ここに来たような……。
〇×(でも何もなさそうだし、やっぱり夢だったのかな。)
〇×あ! 大変、早く朝ごはんの支度をしなくちゃ……!
ナギ……ふふ、頑張ってね、×。
〇×――? 今、ナギさんの声がしたような……。
それに泉が光った気がしたけど……。
〇×……気のせい、かな。

 


善良なる市民に祝福を Edit

1話

+  ネタバレ注意
人狼ゲーム終了後
ナギふふっ……ああ、楽しかった。
ヒメもそう思わない?
〇×(主人公)はい! 私も楽しかったです!
騙されそうだったのに、楽しいなんて不思議ですよね。
ナギうん、そうだね。
――人間って、本当に面白いよ。
ナギ嘘をつくことは悪いことだって知っているのに、
嘘をつく遊びがあるだなんてね。
ナギ正直最初はどうなのかなって思ってたけど……。
最後はみんな笑顔になっていた。
ナギついてもいい嘘と、いけない嘘があるのかな?
また一つ、人間のことを学べた気がするよ。
〇×ナギさん……。
〇×(初めて会ったときとは別人みたい。ナギさんなりに、
人間のことを学ぼうとしてくれているんだ……。)
ナギ次は人狼じゃなくて、騎士とかやりたいなぁ。
ナギ×を守るのに成功して、やった!
って思いたいからね。
〇×ふふっ。でも、今日のナギさんの人狼役
とっても良かったですよ。
〇×最後の最後まで迷わされて、ドキドキしちゃいました。
またやってほしいです!
ナギ……へぇ、×は
そういうのが好きなんだね。
〇×……え?
ヨミナギ様、そろそろ。
ナギええ、もうそんな時間かい?
もう少しヒメと話していたかったけど、しょうがないね。
ナギそれじゃ、おやすみ×。
ナギ……良い夢を見てね?
〇×わぁ……! すごい素敵なダンスホール……。
みんな楽しそうに踊ってる――
〇×(……あれ? でも、なんで私がダンス会場に……?)
???×。
〇×(ん? 今の声は――)
〇×ナギさん?
ナギ踊り方がわからないのかい?
教えてあげるから、こちらへおいで。

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギさぁ、僕の手をとって。
〇×ナギさん……?
その格好は……?
ナギ気になるかい?
ふふっ、僕と踊ってくれたら、教えてあげるよ。
〇×(いったい、何がどうなっているんだろう……?
とりあえず……踊ればいいのかな?)
〇×わかりました。
その……初心者ですが、よろしくお願いします。
〇×(あ――すごい。)
〇×(ナギさんがリードしてくれてるからなのかな。
なんとなく、踊れてる気がする……。)
ナギきれいだね、×……。
時を止めて、ずっと君と踊っていたいくらいだよ。
〇×ふふっ。いくらなんでもずっと踊っていたら
疲れちゃいますよ。
ナギそうかい? 残念だなぁ。
ナギ――そうだ、この格好の理由を聞かれていたね。
これは、主催者の正装だよ。
〇×主催者、ですか?
ナギここ最近、人狼の襲撃が続いていただろう?
毎晩、市民たちが怯えている姿を見ているのは忍びなくてね。
ナギなら1日くらい、楽しい催しでも開けば
息抜きくらいにはなるかなって。
ナギもちろん×も、善良な市民のひとりだからね。
楽しんでいってほしいな。
〇×なるほど……。
〇×(市民のために、ナギさんが企画してくれたんだ。
それなら、正装をしていてもおかしく――?)
〇×(あれ? 今、納得しそうになったけど
なにか大事なことを忘れている気がする……。)
〇×う、うーん?
ナギ浮かない顔だね。……かわいそうに。
毎晩人狼に怯えていたせいで混乱しているのかな。
ナギ……大丈夫。
僕は騎士だよ。
〇×えっ、ナギさんが……!?
ナギ今晩は僕が君を守り続けるよ。
だから、安心して。
〇×ナギさん……。
ナギ手を握っていいかい。
ナギ約束するよ、×。
――僕を信じて。
〇×(ナギさんの手、温かい……。)
〇×(すごく安心する……。
今夜は人狼に怯えて眠らなくてもいいんだ……。)
〇×――はい。
ありがとうございます、ナギさん。
ナギ×、
こっちだよ、早く!
〇×(――え? なんで私、走っているの……!?)
〇×ま、待ってください、ナギさん……!
ナギ急いで、人狼に追いつかれてしまうよ!
〇×え、ええ……っ!?
〇×(人狼!? 私たち、追われているの……!?)
〇×(ど、どこだろう……!?
私じゃ、気配もわからない……っ。)
〇×あのっ……、ナギさん、人狼はどこに……!?
ナギ立ち止まっちゃダメだよ。
さぁ、もっと奥へ。
〇×え、えっと……。
〇×(ナギさん……なんだか様子がおかしい?)
〇×ど、どこまで逃げればいいんですか?
ナギ…………。
〇×(やっぱり、なにか変……。)
〇×(まるで、どんどん人気のない方へ
誘導されているような……。)
〇×(そんなまさか――ナギさんは騎士なんだし。
……でも。)
〇×……あのっ、ナギさん。

 

なにか隠していませんか?
〇×私になにか隠していませんか?
さっきからナギさん、私と目を合わせてくれませんよね。
〇×お願いです。
私の目を見て、答えてください。
ナギ……×。

 

選択肢2
〇×本当に騎士なんですか?
ナギ…………。
〇×ナギさんのこと、信じたいです。
でも何も説明してくれないと、不安になります。
〇×お願いです。
本当の事を言ってください。

 

ナギ……そろそろいいかな?
〇×ナギ、さん……?
ナギねぇ、×。
ナギ――今更気付いたって、もう遅いよ?
〇×きゃ……っ!
ナ、ナギさん……っ!?

 
善良なる市民に祝福を
 

ナギふふっ。
……×、つかまえた。

 

3話

+  ネタバレ注意
ナギやっと僕の腕の中に来てくれたね……。
ナギもう逃げられないよ、×。
――永遠に、ね。
〇×ナギさん……その姿は……!
ナギそうだよ。僕は人狼。
ヒメったら、すっかり騙されちゃったね。
ナギでも、騎士だって信じてくれて嬉しかったなぁ。
〇×ナギさん、どうして……!
ナギ僕の狙いはね、最初から君だったんだよ。
ナギすべてが×を手に入れるための伏線……。
ふふっ、うまくいってよかったよ。
〇×わ、私を食べるんですか……?
ナギうん、そうだよ。
〇×きょ、京さんは……本物の騎士さんは!?
ナギ何を言ってるの?
本物の騎士は、君たちが追放しちゃったじゃないか。
〇×そんな……!
〇×(どうしよう……!
でもこんな場所じゃ、誰も助けになんて来てくれない……。)
〇×(もう食べられるしか……ないの?)
ナギふふ、おとなしくなったね。
僕の気持ちを受け入れてくれたのかい?
ナギ素直ないい子だね。
こんないい子を丸呑みするのはもったいないから……。
ナギ少しずつ……。
少しずつ、食べてあげようね――
〇×ナギさん……っ!
〇×……え?
〇×(ここは……私の部屋?
ということは、今のは、夢……?)
〇×(うう……私、なんて夢を見ちゃったんだろう……。)
〇×(うーん、ちょっと寝不足かも……。)
〇×(って、いけないいけない! しっかり掃除しないと――)
ナギやあ、いい天気だね。
おはよう、×。
〇×あ、ナ、ナギさん……!
おはようございます。
ナギふふっ。朝からヒメの顔が見られるなんてね。
今日は良い日になりそうだよ。
〇×ナギさん……。
〇×(なんだろう。あんな夢を見たせいか、
ナギさんを見るのが少し気恥しい、かも……。)
ナギん?
どうしたの、ヒメ? ぼうっとしちゃって。
〇×え?
いえ、その……。

 

ナギに夢のことを話す
〇×少し……変な夢を見てしまって……。
ナギ変な夢?
どんな夢だい?
〇×えっと……ナギさんが人狼だった夢です。
ナギん? 人狼げーむの話かな?
夢に見るくらい楽しかったのかい?
〇×え?
ええ、そうですね……。

 

ナギに夢のことを話さない
〇×な、なんでもないです。
ナギふーん? そうなのかい?

 

ナギ……さすがに、昨夜の夢は
君には刺激が強すぎたかな?
〇×……えっ?
ナギふふ、なんでもないよ。またね、×。
ナギふふふーん♪
〇×(……昨夜の夢?)
〇×(まさか……。まさかね?)

優しき守護者 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)ナギさん、どうでしたか? ラクダ乗り体験は、
この辺りで一番人気の催しだそうですよ。
ナギとても面白かったよ。
らくだ、という生き物は、不思議な乗り心地なんだね。
ナギ見てごらん、ヒメ! すごく綺麗な花だ。
水がないところでも咲いて、とても健気だね。
〇×ふふっ。ナギさん、楽しそうですね。
ナギうん、
ヒメと一緒に見てるからかな、何もかも新鮮に感じるよ。
ナギヒメが囚われていた時は、
観光を楽しむどころじゃなかったからね。
ナギもっと早くヒメを助け出してあげたかったけど、
思ったより準備に時間がかかってしまってね。
ナギねえ、×。あんなことがあって、疲れていないかい?
〇×え? 私なら全然大丈夫ですよ!
〇×ナギさんが雨を降らせてくれたおかげで、
街の人たちも救われて本当によかったです。
〇×そのうえ、もらったお礼でお金に余裕もできて、
観光までできるなんて。
ナギヒメが喜んでくれて、僕もすごく嬉しいよ。
僕は君のためなら、なんでもするからね。
〇×ナギさん……ありがとうございます。
マキシマそろそろ日が暮れるな。
もう少ししたら、ホテルに戻るぞ。
矢吹真吾えーっ! まだいいじゃないですか!
おれもラクダに乗りたいです!
マキシマ明日の楽しみにとっておけばいいだろう?
それに、夕食の時間もある。
矢吹真吾あっ、夕食って聞いたら急にお腹すいてきちゃいました……!
ナギ明日はどこを見て回ろうかなぁ。
ヒメ、行きたい所はある?
〇×そうですね――
〇×(こんなふうにみなさんと旅行ができるなんて、
宮殿に閉じ込められてた時は予想してなかったなぁ。)
〇×(色々あったけど、丸く収まって本当によかった。)
 
〇×ふう……今日は楽しかったなぁ。
〇×しかも、こんな素敵なホテルにも泊まれるなんて。
こんなに贅沢しちゃって、いいのかな。
ナギ×。僕だよ。
〇×あっ、ナギさん? 今、開けますね。
ナギヒメに話したいことがあるんだけど、僕の部屋に来てもらえるかな。

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギさあ、おいでヒメ。ここに座って。
〇×ベ、ベッドにですか? でも――
ナギこのべっど、ふかふかして気持ちがいいよ?
ナギヒメには寛いでほしいんだ。
遠慮せずに……ね? おいで。

 

お言葉に甘えて……
〇×じゃあ、お言葉に甘えて……失礼します。
ナギはい、どうぞ……ふふ。
素直なヒメはかわいいね。

 

少しだけなら……
〇×なら、少しだけ……お邪魔します。
ナギふふ、ヒメが邪魔なわけないよ。
遠慮なくどうぞ。

 

ナギ寝転がってもいいんだよ。
広いし、ふたりで横になっても平気じゃないかな?
〇×い、いえ、さすがに図々しいので……!
ナギそんなこと気にしなくていいのに。
ヒメは奥ゆかしいね。
ナギじゃあ僕も、ヒメと一緒に座っていようかな。
〇×(ランプの明かりといい、こんないい雰囲気の部屋で、
ナギさんと並んでベッドに……お、落ち着かない!)
ナギ――×。
〇×は、はい!
ナギ…………。
〇×(どうしたんだろう。
なんだかナギさん、思いつめているような……。)
ナギ×が無事に戻って来てくれて、本当によかった。
〇×えっ?
ナギ僕がこの国に連れてきたせいで、
ヒメを失うようなことがあったら、どうしようかと思ったよ。
ナギそんなことになったら、僕は耐えられない……。
〇×ナギさん……。
〇×(昼間は楽しそうに見えたけど、
本当はずっと責任を感じてたんじゃ……。)
〇×(でもナギさんだって、この国に来たのは、
道場を救いたいと思ってのことだし――)
〇×私は大丈夫ですよ。ナギさんが助けてくれましたから。
ナギ×……。
〇×儀式の時、ナギさんが来てくれて
すごくほっとしたんです。もう大丈夫だって。
〇×助けに来てくれて、ありがとうございます。
ナギ言っただろう? 僕はヒメのためなら、何でもする。
ヒメが助かるならいくらでも舞うよ。
〇×ナギさん……。
〇×(時々びっくりするようなことをする人だけど、
優しくて、頼もしいな。)
ナギでも、舞は久しぶりだったから
あんまり上手に踊れなかったな……。
〇×そんなことなかったです!
すごく綺麗な舞でした。私、見惚れちゃって……。
ナギ待たせたね、ヒメ。
ここからは僕に任せて。
〇×(わっ……。ナギさんの踊りって柔らかくて、すごくきれい……。)
ナギふふ、ヒメの目を楽しませることができたなら、よかったよ。
ナギでも、ヒメの舞も見てみたかったけどね。
〇×私じゃ、ナギさんみたいに上手に踊れませんよ。
〇×一応、儀式に備えて練習はたくさんしてたんですけど、
全然上達しなくって……。
ナギちょっと待って。
〇×? どうかしました?
ナギ練習してたって、
それじゃあ他のみんなは、ヒメが踊る姿を見たっていうの?
〇×え? は、はい。ちゃんと踊れてるか
確認もしてもらいましたし……。
ナギ…………。
〇×(あ、あれ? ナギさん、急に黙り込んじゃった。
どうしたんだろう。)
〇×あの、ナギさん?
ナギ……それって、納得いかないなあ。
ナギ僕も、ヒメが踊っている姿が見たいよ。
〇×え……。
ナギねえ、踊ってみせて。僕だけのために。

 

3話

+  ネタバレ注意
〇×踊るって、そんな!
私、本当に全然上手じゃないですから……!
ナギ大丈夫。ヒメの踊りなら、素敵に決まっているよ。
〇×か、買いかぶりすぎです……!
それに、恥ずかしいですし……。
ナギふふ、恥じらうヒメも可愛いね。
ナギでも、僕はどうしても×の舞を見たいんだ。
お願いだよ。
〇×でも――
ナギそうだ。ヒメを救い出した僕へのお礼、
というのはどう?

 

ずるいです
〇×ナギさんはずるいです……。
ナギふふっ、なんのことだろう?
でも、ヒメがその気になってくれたのなら嬉しいよ。

 

そう言われると……
〇×(うっ、そう言われると断れない……!)
〇×……わかりました。期待しないでくださいね?
ナギふふっ。ヒメが僕だけのために舞ってくれる……。
それだけで僕は嬉しいんだよ。

 

ナギさあヒメ、そこに立って。僕の前に。
よく見えるようにね。
〇×は、はい……。
〇×(ナギさん、こっちをじっと見てる……。
儀式で踊るより緊張するかも……。)
〇×(でも、宮殿でけっこう練習したし、
まだ体が覚えてるはず……たぶん。)
〇×は、始めます――
ナギ……ああ、いいね。とても愛らしいよ。
ナギ足の運び方、指先の動き、ひとつひとつがヒメらしくて。
うん、想像していたよりずっと素敵だ。
〇×(うう……わ、笑わないでくれるのはありがたいけど、
褒めちぎられるのも困る……!)
〇×(えっと、確か次は、ここで一回転――)
〇×わっ! あ、足が……!
ナギおっと。

 
優しき守護者
 

〇×あ……す、すみません、ナギさん!
ナギ構わないよ。大丈夫かい?
〇×はい。ナギさんが受け止めてくれましたから。
〇×でもやっぱり、ナギさんみたいに上手には踊れないですね。
ナギそんなことないよ。
ヒメらしい素直な舞で、僕は大好きだよ。
〇×あ、ありがとうございます……。
〇×(ナギさん、ずっと支えてくれてる……。
でも、そろそろ離れなくちゃ――)
ナギお礼を言うのは僕のほうだよ。
ナギありがとう、×。
僕だけのために踊ってくれて。
〇×ナギさん……。
〇×(ナギさんの笑顔、柔らかくて、優しくて……。
見てるだけで、ほっとするなぁ。)
〇×あ、あれ……? なんだか、急に眠く――
ナギやっぱり。相当疲れていたんだね。
ナギたくさん不安な思いもして、
気も張り詰めていただろう?
〇×そう、だったんでしょうか。
全然気づかなかった……。
ナギ自分のことにも気がつかないほど一生懸命なのは、
ヒメらしいね。
ナギでも、大丈夫。
僕がヒメのことを、ちゃんと見てるからね。
〇×(昼間も、私が疲れてることに気づいて、
気にしてくれてたんだ……。)
〇×(ナギさんは、自分でも気づかない私のことを、
よく見ててくれてるんだなぁ……。)
ナギさあ、このまま横になって……ゆっくりおやすみ。
もう安心だからね。
ナギ僕が朝までこうして、ヒメのことをそばで見守っているから。
〇×(ベッドが沈み込むくらい柔らかくて、
ナギさんの声も心地よくて……。)
〇×(目を、開けていられない……。)
ナギおやすみ、×……僕のヒメ。

 
スペシャル

+  ネタバレ注意

Episode:優しき守護者(後日譚)

早朝――
〇×(う……ん。
いつの間にか眠っちゃってたみたい。)
〇×(え……隣にいるのって、ナギさん!?)
ナギおはようヒメ。
目が覚めたみたいだね。
〇×お、おはようございます。
えっと……私……。
ナギもしかして忘れてしまったのかな。
昨日の夜、僕の部屋まで来てもらったんだけど……。
〇×(そうだ、そのまま、うとうとしちゃったんだった。
まさかナギさんの部屋で一夜を明かすことになるなんて。)
ナギぐっすり眠れた?
〇×は、はい。おかげさまで……。
ナギさんは、眠れました?
ナギ僕は……あまり寝ていないよ。
朝までヒメのことを見守っているって、約束したからね。
〇×見守るって……。
も、もしかして本当に私のことずっと見ていたんですか?
ナギうん。
……実はちょっとだけ、うとうとしちゃったけど。
ナギでも、ヒメを眺めていたら、あっという間だったよ。
すごく幸せそうな顔をしていたね。
ナギ……あ、ここに寝癖が。
〇×ね、寝癖……!?
どこですか!?
ナギどうして隠そうとするの? かわいいのに。
ナギふふっ。気になるというなら、おいで。
直してあげる……。
〇×(わっ、ナギさんの手が私の髪に……。)
ナギほら。直ったよ。
ナギヒメの可愛い表情をこうやって独り占めできるなんて
毎朝こうして朝の訪れを迎えられればいいのにな。
ナギねえ、ヒメもそう思わない?
〇×(ナギさん、
いつもよりもずっと距離が近いです……!)
ナギふふ。焦っている顔も可愛いね。
ナギ……ふぁ。
ん。どうしたんだろう……瞼が重くなってきた……。
〇×(ナギさん、ずっと起きていてくれたみたいだし、
寝不足なんじゃないかな。)
〇×ナギさん、よかったら少し休んでください。
ナギ……うん。
ねえ、ヒメ。寝ている間も僕のそばにいてくれる?
〇×(あっ……ナギさん、私の手を握って……。)
ナギ……こうしていてくれれば、夢の中でも
一緒にいられる気がする。
ナギヒメ、今だけ少しおやすみ。夢の中でも、
また目が覚めた後もたくさん僕に笑いかけて……。

 


旅LOG! Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
3話

+  ネタバレ注意
 

 
旅LOG!
 

選択肢1

 

選択肢2

 


SR Edit

舞う花影 Edit

1話

+  ネタバレ注意
ある日の朝――
道場では組手の音とともに、声が響き渡っていた。
リョウ・サカザキハッ! ハアアアア!
ジョー・東おいおい! ちと動きが甘めえんじゃねえかぁ!?
リョウ・サカザキフッ……お前こそ、そんな油断してていいのか?
ジョー・東何ッ!?
後ろががら空きだよ~!
ジョー・東うわっ!? おい包、卑怯だぞ!
ナギうんうん。
ジョー・東……ッ。
リョウ・サカザキ…………。
ジョー・東なあ、ここらでちょっと休憩しないか。
うん、いいよ。
ナギ…………。
ジョー・東なあ……あれなんだが……。
リョウ・サカザキああ……どうもやりづらいな。
ジョー・東全くだぜ……何か企んでるんじゃねえか?
リョウ・サカザキまあ、前ならともかく、今はその気はないらしいがな。
怪しい気は出してないみたいだし、
大丈夫そうではあるけど……。
ジョー・東だったらなんで、じろじろこっち見てんだよ。
ナギふふっ、仲よきことはいいことだね。
ジョー・東はあ……あれをどうにかしねえと、どうも身が入らねえ……。
〇×(主人公)みなさん、お疲れ様です! お茶をお持ちしましたよ。
リョウ・サカザキお、ちょうどいいところに来たな。
ジョー・東これは頼むしかねえな。
うん。
〇×えっ? どうしたんですか。
〇×なるほど……ナギさんにずっと見られていて
集中できないんですね。
リョウ・サカザキああ、そこで頼みたいんだが……稽古の間、
あいつをどこかに連れ出してくれないか。
頼めるのはお姉ちゃんしかいないんだよ。
ジョー・東頼む。
〇×……わかりました。
〇×じゃあ、私はナギさんを連れて……って、あれ?
ナギさんがいない。
ナギヒメ、僕ならここにいるよ。
〇×な、ナギさん! いつの間にお茶を!
ナギヒメが淹れてくれたと聞いたからね。
これは飲まずにはいられないだろう?
〇×は、はぁ……。
ジョー・東じゃ、あとは頼んだぞ!
〇×あ……。
〇×(みなさん稽古に戻っちゃった……。それにしても……。)

 

なぜここにいるのか聞く
〇×ナギさんはどうしてここに?
ナギああ、ここにいればヒメに会えると思ったからね。
〇×(私に会いにきてくれたんだ。ちょっとうれしいな。)
ナギそれに――
ナギ彼らがどんな稽古をしているのか
興味があったから……かな。
〇×(今まで戦ってきた相手だもんね……。
どんな人なのか気になるのかも……。)
〇×ナギさん、ちょっと私と気分転換に何かしませんか?
ナギいいよ。ヒメの仰せのままに……ってね。

 

どこかに出かけようと誘う
〇×(どうやってここから、ナギさんを連れ出そう……。
あ! そうだ!)
〇×ナギさん、今から一緒に出かけませんか?
ナギふふっ、ヒメからのお誘いなんてうれしいね。
こういうの、でーと、って言うんだっけ?
〇×で、デート……そう! 私とデートしてください!
ナギもちろんヒメからの誘いを断る僕ではない。
喜んで一緒に行くよ。

 

〇×(誘ったのはいいけど……どこに行こう……。)
〇×(うーん……ナギさんと行くところ……。
とりあえず、母屋を案内して考えよう。)
〇×えっと、こっちが母屋なんですけど――
ナギヒメ、僕は母屋より、街に出てみたいな。
〇×街ですか?
ナギあまり見たことがないんだよ。
せっかくならヒメと一緒に歩いてみたくて。
〇×わかりました。じゃあ、街へいきましょうか。
ナギうん。はぐれないように手を繋いで行こう。
〇×え、あ……。
〇×(手を握られちゃった……。ナギさんの手、
柔らかくて綺麗だな……。)
ナギさあ、行くよヒメ。
〇×あ、はい!

 
2話

+  ネタバレ注意
手を繋ぎ向かったのは、見慣れたお店が立ち並ぶ街――
いつもと同じ風景でも、違っているのは
隣にナギさんがいるということだった。
ナギヒメと一緒だと風景も全然違って見えるね。
〇×ふふっ、私も同じこと思ってました。
ナギ同じことを感じるなんて、
やはり僕たちは運命で繋がっているということかもしれないよ。
〇×繋がっている……そうですね、
同じ気持ちでいられるのは嬉しいです。
〇×ところでナギさん、ずっと道場にいたみたいですが、
もしかして稽古に参加したかったんですか?
ナギんー……参加したかったというより、
ヨミの稽古してるところしか見たことなかったなと思ってね。
ナギだから、他の人間がどんな稽古をしているのか
興味深かったんだ。
〇×それで、稽古の様子を見てたんですね。
ナギだけど、やっぱり僕に見られながらだと緊張するのかな?
少し動きが固い気がしたんだ。
〇×(緊張……なのかな? それもあるかもしれないけど……。)
ナギみんな気にせずやってくれていいのに……。
その辺はヨミとは違うんだろうね。
〇×ナギさんはヨミさんの稽古もよく見ているんですか?
ナギそうだね。ヨミは鍛錬を怠らないから、
僕も昔は相手をしていたんだよ。
〇×えっ! ナギさんが?
ナギふふっ、そんなに驚くことかな。
〇×あ、いえ……。ナギさんっていつもおしとやかで柔らかい印象が
あるので、ヨミさんと一緒に稽古してる姿は想像できなくて……。
ナギそれなら一度ヒメに見せてあげないとね。
〇×ふふ、楽しみにしています。
〇×マネージャーになって、はじめて格闘家の稽古を
間近でみましたけど、真剣に戦う姿って素敵ですよね。
〇×(きっとナギさんもかっこいいんだろうな……。)
ナギ……ヒメは、強い男が好き?
〇×えっ?
〇×(急にどうしたんだろう……真剣な顔して、
いつもの柔らかい雰囲気と違う。)
ナギやっぱり、強い男が素敵だって思うのかな。
〇×え、えっと……強い人が好きというか……。
その……弱いのがだめというわけではなくて……。
〇×(もしかして、創りたかった世界のことを
思い出したのかな……。)
〇×(私が言いたいのは、そういうのじゃなくて、ええと……。)
ナギヒメ……?
〇×私は強い人が好きというより、
そんな人たちの毎日努力している姿に、励まされるんです。
ナギそうか……ヒメは努力をする男が好きなんだね。
〇×はい! だから、強い人が好きというだけでは――
ナギヒメ! わかったよ。
〇×は、はい……!?
ナギよく考えてみたら、僕は毎日何かを努力し続けたことは
なかったかもしれないな。
ナギ毎朝毎晩、稽古をする姿にヒメが惹かれてくれるというなら
僕もやるしかない。
〇×えっ……ナギさん?
〇×(なんか、ナギさんの目がとてつもなくキラキラしてる……!)
ナギヒメには今以上に僕のことを好きになってもらわないとね。
ナギそうだ、明日からの稽古に僕も混ぜてもらえないか
京に尋ねてみよう。
〇×ふふ、ナギさんも稽古に参加したら
腕によりをかけて美味しいご飯つくりますね!
〇×(ふぅ。よかった……私の早とちりだったみたい。
創りたかった世界のことじゃなかったんだ。)
ナギそうと決まれば、善は急げだね!
〇×へっ?
ナギさあヒメ! 道場へ帰るよ。
〇×ええっ! もう帰るんですか!? まだ来たばかりなのに……。
ちょっとナギさん! ま、待ってくださーい!

 


神秘の主催者 Edit

1話

+  ネタバレ注意
空には雲一つない、温かな日差しが差し込むある日。
神泉の道場の庭でくつろぐ影が二つあった。
その正体は――
ナギ今日はいい天気だね、ヨミ。
ヨミはい。
ナギここには木々も多く植わっていて、
木漏れ日がとても心地いい。
ヨミナギ様に気に入っていただけたようで、何よりです。
ナギこんな場所で、ヨミの入れる(原文ママ)お茶が飲めるのは
至福のひとときだね。
ヨミはっ。有難きお言葉。
〇×(主人公)ふぅ……あとはこの窓拭きで終わりだ。
掃除も慣れてくると早くなるよね。
〇×ん? 何か楽しそうな声が聞こえるなぁ。
〇×ちょっとナギさん、ヨミさん!?
何してるんですか!?
ヨミ…………。
ナギおや、ヒメじゃないか。どうかしたの?
〇×それは私が聞きたくて――
〇×(ヨミさんがナギさんの髪を結って、ナギさんはお茶を……。
って、その椅子とお茶はどこから持ってきたの!?)
ナギあ、もしかしてヒメもお茶の時間かな。
ヨミ、ヒメの分のお茶を……。
〇×い、いえ! 私はまだ仕事がありますから。
ナギそうなの? 一緒にお茶したかったけど……。
仕事なら仕方ないね。
〇×(まぁ、迷惑にはなってないし……いいのかな。)
草薙京おい、あんた。
〇×あ、京さん。どうしました?
草薙京ちょっとこっちに来い。
〇×なんでしょうか?
草薙京何って……あいつら庭で何やってんだ。
〇×お、お茶会……ですかね?
草薙京はぁ? たっく(原文ママ)……、あんなところに居られると気が散って
しょうがねえ。
〇×あはは……私、ちょっと聞いてきますね。
ナギおかえり、ヒメ。
〇×えっと……あの、ナギさん……。
ナギふふっ、今日もヒメはかわいいね。
〇×あ、ありがとうございます。
ナギいつ見ても素敵で、魅入ってしまうよ。
〇×わ、私よりナギさんのほうが素敵です!
髪もサラサラで綺麗だし――
〇×じゃなくて!
ナギどうしたんだい?
〇×あのですね……、
庭でお茶や髪を結うのは遠慮してほしいんです。
ナギそうか……お茶はだめだったのか……。
〇×はい! わかってもらえてよかったです。
ナギうん、それなら紅茶にしよう!
〇×えっ? ナギさん?
ナギお茶がだめなら、紅茶ということだよね。
ヨミ、すぐに紅茶の準備を……。
ヨミはっ……。
〇×そういうことでもなくて……!
〇×(ど、どうしよう……。
まさかこんな解釈をされるなんて……。)
〇×(それに――あぁ……。
京さんも困った顔してる……。)
ナギそうだ、ヒメも紅茶を飲んでいくよね?
〇×えっ……。
ナギヒメにはみるくてぃーが似合いそうだね。
それに合う茶菓子も用意しようか。
ヨミ…………。
〇×いえ、えっと……私は……。
〇×(うーん……これはもう、はっきり言うしかないよね!)

 
2話

+  ネタバレ注意
道場の庭の使用について、はっきりさせるため
私はくつろいでいるナギさんと向かい合っていた。
〇×あの、はっきりと言わせてもらいますが……!
ナギうん、そんなはっきり言わなくとも
君が僕を愛していることは知っているよ。
〇×いえ、そっちのほうではなくてですね……。
ナギでもヒメはなかなか言ってくれないから……。
〇×だから、私が言いたいのは――
ナギ照れてるヒメもかわいいけど、
たまには口に出してくれてもいいんだよ。
〇×(困ったな……話が全く伝わらない……。)
〇×(一体どうしたら……。)

 

好きだと言ってみる
〇×ナギさん……。
ナギなんだい、ヒメ。
〇×その一回しか言いませんからね。
ナギさんのこと……好き……ですよ。
ナギっ!? ヨミ、聞いたかい!
ヨミ…………。
〇×だから、ナギさん私の話を聞いて――
ナギヒメが僕のことを……。
〇×な、ナギさーん!
〇×(うぅ……言いたいことは聞こえないみたいだし、
これじゃいつまでたってもらちが明かない……。)

 

どうしてここにいるのか聞く
〇×それにしても、なぜここで髪を結ったり
お茶したりしてるんですか?
ナギああ、それはね、ここが天上界に似ているんだよ。
ナギ木々の囁きを感じながら、心地いい日差しを浴び……。
そして、時折聞こえてくる鳥のさえずりとかね。
〇×天上界にもこんな場所があるなんて……。
一度見てみたいです。
ナギふふっ、きっと気に入ると思うよ。
〇×(いつかナギさんとふたりで、ゆっくり見れるといいな……。)
〇×(って、考えてる場合じゃなくて、
今はここをどうにかしないと……。)

 

〇×(ナギさんに直接伝えるより、
ヨミさんにお願いしたほうが早いかも……。)
〇×あ、あの――
ヨミ主の言葉に従うだけだ。
〇×うっ……。
〇×(そういえば、ヨミさんってこういう人だった……。)
ナギあ、わかったよ!
ヒメもヨミに髪を手入れしてもらいたいんだよね。
〇×えっ……。
ヨミなるほど。
しかし、私は女性の髪を手入れしたことなど……。
ナギ大丈夫だよ。僕の髪と同じようにすればいいんだからね。
〇×ち、違います!
ナギそうか……ヒメは手入れの仕方が違うんだね。
それなら、どうしたらいいのかヨミに伝えるといいよ。
〇×だから、そうじゃなくて……。
ヨミナギ様、髪の手入れが終わりました。
〇×(よかった……これで庭から出て行ってくれるよね。)
〇×(京さん、もう大丈夫です……って、いなくなってる……。)
ナギありがとう、ヨミ。
ナギさて、では戻るとしようか。
ヨミはっ。
ナギいつかヒメを空中庭園に招待するから待っててね。
〇×ありがとうございます。楽しみにしてますね!
ナギそんな嬉しそうな顔されると、今すぐさらってしまいたくなるね。
〇×もう、ナギさんったら……。
ナギふふっ、なんてね。
ナギヒメも僕と離れるのは寂しいかもしれないけど、
毎日会いにくるから、寂しがらなくて大丈夫だよ。
ヨミナギ様、準備が整いました。
ナギああ。ヒメ、また明日ね。
〇×(あれはわかってないよね……。
たしかに毎日会えるのはうれしいけど……。)

 


温泉合宿 Edit

1話

+  ネタバレ注意
ナギ×?
そんなところでどうしたんだい?
〇×(主人公)ナギさん。ちょっとお風呂に入って
暑くなっちゃったので、外で涼んでました。
ナギ姿がみえないから心配したよ。
見つかってよかった。
〇×あ! すみません……。
誰かに伝えればよかったですね。
ナギいや、僕が落ち着かなかっただけなんだ。
×の姿がみえなくて……。
〇×ナギさん……。
〇×……お隣どうですか?
一緒に涼みません?
ナギふふ。そうだね。
じゃあ、失礼しようかな。
〇×みなさんといっぱいお話できましたか?
ナギえ? ……うん、そうだね。
ナギ合宿、温泉、宴……。
本当に賑やかで楽しかったな。
〇×よかった。
ナギでも、こうやって×と二人で
過ごせる時間が何より嬉しいよ。

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギねえ、×。
〇×(ナギさんの頭が私の肩に……。)
ナギこの先も僕とこうやって一緒に居てくれる?
〇×(あ。手が……。)
ナギこうやって手をつないで、どこまでもずっと一緒に。
〇×はい、私も……。
ずっとこうしていられたら良いですね。
ナギふふ、ありがとう。
あのナギの木は願いを聞いてくれたんだね。
〇×え?
ナギさっき、あの木に願ったんだ。
×とずっと一緒にいられますようにって。
ナギ縁結びの木だから、たくさんの幸せを願う絵馬が
かけられていたよ。
〇×素敵ですね。
私も絵馬を書きにいこうかな。
ナギなんて書くのか、教えてくれる?
〇×それは秘密ですけど……。
ナギさんなら分かっちゃいそうですね。
ナギふふ。僕の気持ちと君の気持ちが同じなら、
きっと分かる気がするよ。
ナギああ……。
×が側にいてくれると、とても安心する。
〇×私も……。ナギさんと一緒にいると
心が穏やかで、とても安心します。
〇×これからも、ずっと一緒に居たいです。
ナギありがとう、×。
これからも、よろしくね。

 


流転ノ君 Edit

1話

+  ネタバレ注意
ある日の午後のこと。道場の庭にて――
〇×(主人公)え……必殺技、ですか?
ナギうん、そう。
僕にはそれが足りないってわかったんだ。
ナギこの間、ここで君たちと沖縄KOFのときの話をして
思い出したんだよ。
〇×(手合わせ中のヨミさんとビリーさんから離れて、
珍しく一人で難しい顔をしてるなと思ったら……。)
〇×でも、必殺技って言えるものがなくても
ナギさんはすごく強いと思いますよ。
〇×なんというか……全部が必殺技みたいな?
そのくらい!
ナギあはは。ありがとう、×。
ナギ……でも、KOFを戦うにはそれだけじゃだめなんだ。
〇×えっ……?
ナギ例えばなんだけど……×は、
格闘家・草薙京といえば何だと思う?
〇×京さんと言えば……炎の技、大蛇薙とかでしょうか。
ナギそう。大蛇薙。
ナギKOFで戦う格闘家たちは、己の代名詞とも、
時には二つ名とも呼ぶべき必殺技を持っている。
ナギそして格闘家の武勇は、その技の名とともに人々の記憶に刻まれ、
熱狂や、感動や、憧れを生み出す。
ナギ熱狂、感動、憧れ……それはこの世を良くする感情だ。
ナギそういう感情をこの国に与えたくて、
僕は、お祭りとしてのKOFを主催した。
ナギけど……。
その僕自身に、人々を熱狂させるすべがないって気づいたんだ。
〇×(あ……。)
ナギただKOFを勝ち抜きたいだけなら、必殺技なんてなくても
いいのかもしれないけどね。
ナギでも、僕はそういう格闘家じゃなくて……自分自身も、仲間も、
この国の人々も楽しませることができる格闘家になりたいんだよ。
ナギテリーも言ってた。
『ヒーローには必殺技がつきものだろ?』ってね。
〇×なるほど……そういうことだったんですね。
〇×(確かに、『ナギさんと言えば』っていう技は、
すぐには思いつかないかも。)
〇×(水も炎も風も、あらゆる自然を操ってみせる神の力。
それだけで十分すごいとは思うけど……。)
〇×(ナギさんの言う通り、わかりやすい必殺技がひとつあれば
ナギさんは今よりもっと『格闘家』になれるのかもしれない。)
〇×(……私になにか、協力できることはあるかな?)

 

みなさんに手伝ってもらいましょうか
〇×……あの。それだったら
格闘家のみなさんに声をかけて、手伝ってもらいましょうか。
ナギえっ……? みんなに?
〇×自分の必殺技を持ってるみなさんの意見は、
きっと参考になると思うんです!
〇×よかったら、私がみなさんに声をかけてみますけど……。
どうですか?
ナギ×……。
ナギ……実は、そうできたらいいなって、
ちょっと思っていたんだ。
ナギありがとう。
そう言ってもらえて助かるよ、×。

 

私が必殺技を考えます!
〇×それじゃあ、私が必殺技を考えます!
ナギえっ、×が?
〇×……って、思いましたけど。
やっぱり私じゃ経験不足ですよね……。
ナギ……ふふっ。あははっ!
ナギありがとう、×。
君がそう言ってくれるのは、とても嬉しいよ。

 

ナギ本当に……君には助けられてばっかりだ。

 
2話

+  ネタバレ注意
数日後の夕方――
〇×(ナギさん、あれからあんまり道場に来ないけど……。
どうしてるかな。)
〇×(格闘家のみなさんにも相談に乗ってもらって、
何かヒントを得たみたいだったけど――)
数日前、ナギの部屋にて――
ジョー・東いいか、ナギ!
こういうときはまず、技名を考えるところから入るべし!
リョウ・サカザキおいおい、まだどういう技にするかも決めていないんだぞ?
ロバート・ガルシアそういうんは後回しや後回し!
ナギは魅せる技を作りたいんやろ? な?
ナギう、うん!
アンディ・ボガードいいのかなぁ……。
テリー・ボガードいいんじゃないか?
矢吹真吾はい! はい!
必殺技には、自分の名前を入れるのがかっこいいと思いまーす!
草薙京お前、それ本気でかっこいいと思ってやってたのか?
矢吹真吾えっ。
二階堂紅丸えっ。
ジョー・東えっ。
技の魅力に重点を置くなら、その技名を叫ぶときに
かっこよく聞こえたほうがいいと思うんだよね~。
〇×……前から思ってたんですが、
技を出すときに技名を叫ぶ必要性って……?
しー! お姉ちゃん、それは言っちゃいけないお約束!
ナギ……そっか。
名前から入る、か――
???×。ここにいたんだね。
〇×あ、ナギさん! ……って。
〇×ど、どうしたんですか、その体!?
火傷だらけじゃないですか!
ナギあはは……ちょっと、道場で京と手合わせをしててね。
〇×その様子じゃ手合わせってレベルじゃないですよ……!
今、手当てしますから、そこに座ってください!
ナギ×、聞いて。
もうちょっとでできそうなんだ、僕の必殺技。
〇×……えっ?
ナギ見てて。いくよ――
〇×……!!
〇×(ナギさんが払った右手から、水流……!?)
〇×(すごい。鋭くて、力強くて。
なのに、とっても綺麗な技――)
ナギ――『流転ノ君』。
〇×るてん……?
ナギこの技の名前だよ。まだ(仮)、だけどね。
ナギ名前から決めて、こういう技にしてみたんだ。
〇×……。
どういう意味の名前なんですか?
ナギ…………。
ナギ×。
君は、僕にたくさんのものを与えてくれた。
ナギ現世に生きる勇気を。人間として暮らす何でもない日々を。
かけがえのない仲間たちを。
ナギ君が、僕に運命を受け入れて生きる強さを与えてくれたんだ。
ナギ水のように、己の運命の流れに身を任せるとも、
時には岩をも流し、炎を制す……そんな、静かな強さを。
ナギ……『流転ノ君』。
これは、君からもらったすべてを体現した技だ。
〇×……ナギさん……。
ナギ僕は、君から与えられたものを永遠に忘れない。
そしてこれを、僕の武勇として永遠に語りついでみせる。
ナギまだ、未完成の技だけど……。
いつかこの技をKOFの舞台で披露するから。
ナギだから……。
〇×……っ。
はい……!
〇×私、楽しみにしています。
KOFで、ナギさんがその技を見せてくれるのを!
ナギ×……。
ナギ……うん。絶対に見ててね!
ナギ『流転ノ君』を、
きっと、きっと僕の最高の技にしてみせるから!

 
スペシャル

+  ネタバレ注意

Episode:バレンタイン ~ナギ編~

バレンタイン当日・夜――
???こんこん。
ヒメ、起きているかな?
〇×この声は……ナギさん?
どうぞ、入ってください。
ナギふふ、ありがとう。でも……。
良かったら、外に出てきて欲しいんだ。
ナギ君に見せたいものがあってね。
〇×(何だろう……?)
ナギ見てごらん、ヒメ。
〇×わぁ……!
庭が、光ってる……?
ナギ驚いてくれた?
いるみねーしょん、と言うんだろう。
ナギ君からもらったちょこれーと、が
とても嬉しくて……お礼をしたかったんだ。
ナギ天上界のように美しい風景を
君にも見せてあげたいと思ってね。
〇×きれいな青色の光……。
これ、ナギさんが飾り付けてくれたんですか?
ナギうん、ヨミにも少し手伝ってもらって
準備したんだよ。えるいーでぃー、の光でね。
ナギ……喜んでくれる?
〇×……はいっ!
つい見惚れてしまいました。
〇×普段見ている庭が、
きれいな青の光になって……すごく、素敵です。
ナギヒメの喜んでいる顔を見ると、
僕も嬉しくなるよ。
ナギ僕がちょこれーと、をもらったときの
嬉しい気持ちが君にも伝わるといいな。
〇×私のほうこそ、素敵な景色をありがとうございます。
ナギちょこれーと、ずっと大事にするね。
〇×あ……!
でも、チョコレートは手作りなので賞味期限が短くて……。
ナギえっ。
すぐに食べなくてはいけないのかい……?
ナギずっと残しておきたかったんだけど
どうしよう……ああ、悩ましいな。
〇×ふふ、そんなに喜んでもらえるなら
毎日でも作りたくなっちゃいますね。
ナギそうだ、
僕たち毎日ばれんたいんをしよう。
〇×毎日、ですか!?
ナギうん、きっと素敵だよ。
毎日嬉しい気持ちを交換していこうね。

 


夜デート Edit

1話

+  ネタバレ注意
ナギヒメ、待たせてごめん。
ナギこの、すーつ……という着物が、
なかなか上手く着られなくてね。
ナギヨミが手伝ってくれなかったら、
朝になっていたところだったよ。
〇×(主人公)た、大変だったみたいですね……。
〇×でもスーツ姿のナギさん、とても素敵です。
ナギ本当かい? ヒメに褒めてもらえると嬉しいな。
ナギそれに、なんだかくすぐったい感じがする。
どうしてだろう?
〇×(ふふ、ナギさんも新鮮な気分なのかな。)
〇×でも、急にどうしたんですか?
スーツで一緒に出掛けたいなんて。
ナギ女性はすーつ姿の男性がえすこーと、というのをすると、
とても喜ぶものだって聞いてね。
ナギ僕も、ヒメのことを喜ばせたいと思ったんだ。
ナギそれで、ふぁっしょん雑誌、という書物で、
すーつを選んだり、でえとすぽっと、というのを調べたんだよ。
ナギないとでえと、というのが流行ってるって書いてあったから、
ヒメも好きかなって考えたりしながらね。
〇×ふふっ、私のために色々考えてくれたんですね。
ナギヒメがいる今の世界には、
まだまだ僕の知らないものがたくさんあるからね。
ナギ×が愛するこの世界のことを、
もっと知りたいし、もっと好きになりたいんだよ。
〇×ナギさん……。
ナギさて、それじゃあ行こうか。
ないとでえと、というやつに。

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギわぁ、×、見て。夜なのに、
たくさんのお店に明かりが灯っている……。
ナギそれに、こんなに大勢の人たちが、
まだ出歩いているなんて。まるでお祭りみたいだ。
〇×ナギさん、楽しそうですね。
ナギうん、楽しいよ。
夜にこういった街に遊びに来たことは、あまりないからね。
ナギヒメにとっては、見慣れた街並みなのかな?
〇×私も、新鮮な気分です。ナギさんが一緒ですから。
ナギヒメ……。
ナギいつか僕にとっても、君と歩く街並みが、
馴染みのあるものになるのかな。
〇×早くそうなってくれたら、嬉しいです。
ナギ――ヒメ、お願いがあるんだ。
聞いてくれるかい?
〇×お願い、ですか?
私にできることであればなんでも。
ナギ僕と、腕を組んで歩いてくれるかい?
ナギ親しい男女は、そうやって歩くと聞いたんだ。
〇×(腕を組んで……! ナギさんにそんなにくっつくなんて、
ちょっと恥ずかしいけど……嬉しいな。)
〇×じゃあ、失礼しますね。
ナギありがとう、×……。
ナギああ……不思議だね。×が触れてくれるだけで、
こんなにも心が踊る。
ナギ今夜は、楽しい夜になりそうだね。
〇×はい。私も、そう思います。
ナギあっ! あの看板、
たぴおかどりんく、のお店だろう?
ナギ一度飲んでみたかったんだ。
行こう、ヒメ!

 


KOFG学園 Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(主人公)ふう……これでここの花壇には、
ひととおり、お水をあげられたかな。
〇×最近ずっと雨が降ってなかったけど、大丈夫かな?
元気になってね。
???――ああ、素敵だなぁ。
〇×え? あ、あの……?
???花たちに水をあげる姿……。
優しく語り掛ける横顔……。
???うん、君は本当に素敵だよ……。
〇×え、ええっ!?
???君の名前は? 園芸部の子かな?
〇×あ……2年の〇×です。
部員じゃないんですが、今日は園芸部のお手伝いをしていて……。
???じゃあ、まだ部活には入っていないのかな?
それなら、華道部においでよ。
???君なら、とてもきれいに花を生けられる。
花たちもきっと喜ぶよ。
???だってほら、君が水をあげた花たちも、
こんなに嬉しそうにしてるんだから。
〇×えっと……華道部の人、ですか?
ナギうん、そうだよ。僕はナギ。3年生だ。
ナギ×も華道部に入って、僕と一緒に花と語り合おう?
〇×語り合う……!?
ナギそう。花を愛し、花に愛される……。
さあ、おいで。
〇×えっと、その……す、すみません!
私、まだ手伝いが残っているので……!
ナギあ……。
〇×(思わず逃げちゃった……。
ナギ先輩……なんだか不思議な雰囲気の人だったなあ。)

 
2話

+  ネタバレ注意
女子生徒Aああ、生徒会長様……今日も素敵!
女子生徒Bきゃーっ! 今、こっちを見て微笑んでくださったわ!
〇×(生徒会長って、すごい人気なんだなあ。
――って、あれ? あの人って、もしかして……。)
ナギやぁ。ヒメ、おはよう。
〇×ヒメ……!?
ナギうん。昨日はあのまま別れちゃったけど、
また会えてうれしいよ、ヒメ。
女子生徒Cせ、生徒会長様のヒメですって……!?
女子生徒Dあの子、いったい何者!?
〇×わっ……ちょっとナギ先輩、こっちへ!
ナギヒメ、そんなに僕と二人きりになりたかったのかい?
嬉しいなあ。
〇×あ、あの、人前でヒメって呼ばれると、困ります。
ナギどうして? ×は僕のヒメじゃないか。
〇×(先輩の中で、それは決定事項なんだ……。)
〇×どうして私なんかを……。
ナギ先輩、あんなに色んな女の子たちに人気なのに。
ナギええっ? どうしてそんなことを言うの?
ナギ君こそ、僕がずっと探し求めていたヒメなのに……。
×は僕のことが嫌いなのかな……?
〇×き、嫌いじゃないですけど、
私、まだナギ先輩のことをよく知らないですし……。
ナギあっそうか、×はもっと僕のことを知りたかったんだね。
嬉しいなあ、そんなふうに思ってくれているなんて……。
〇×(あれ、なんだかちょっと違うふうに伝わってる気が……。)
〇×(でも、ナギ先輩の嬉しそうな顔を見てると、
これでいいかって思っちゃう。本当に不思議な人……。)
ナギ僕も、ヒメのことをもっとたくさん知りたいな。
だから、華道部で一緒に花を愛でて、お互いを知り合おう?
〇×えっと……とりあえず、体験入部なら……。
ナギありがとう!
じゃあ早速、部室に案内するね。
〇×え!? もうすぐ朝のホームルームが始まるんじゃ……!
ナギほーむるーむより、ヒメとの時間の方が大切だよ。
ナギさあ、行こう? 花と、僕と君だけの世界へ……。

 


誘いの悪魔 Edit

1話

+  ネタバレ注意
スタッフ――では、段取りはそういう感じで。
機材を準備するので、もう少々お待ちください。
〇×(主人公)は、はい……!
ナギヒメ、緊張している?
〇×はい。まさか、こんな大掛かりな撮影だとは
思ってなかったので。
〇×(紅丸さんに頼まれて、
ブライダルフェアのモデルの代役を引き受けてみたけど……。)
〇×撮影じゃなくて、本物の結婚式みたいですね。
こんなにちゃんと準備するなんて知りませんでした……。
〇×あ、そうだ。
今日は付き合わせてしまって、すみません。
〇×新郎役の代役も探して欲しいって言われて、
真っ先にナギさんの顔が浮かんでしまって。
ナギどうして謝るの?
ヒメに頼ってもらえて、とても嬉しかったよ。
ナギそれに、ヒメの世界の婚儀というのにも、興味あったしね。
僕のたきしーど……姿はどう?
〇×とっても素敵です!
ナギヒメも、どれす、とてもよく似合っているよ。
こんなに綺麗なヒメが見れるなんて……幸せだな。
〇×ナギさんってば……ふふ。
〇×そう言えば、天界にも結婚式ってあるんですか?
ナギうん。こういうぱーてぃー、のようなものではないけどね。
〇×どんなふうに行うんですか?
ナギ知りたい?
〇×はい。
私の知っているものと、どう違うのかなって。
ナギそうだね……近いうちに執り行うかもしれないし、
君は知っておいた方がいいかもしれないね。
ナギそれにしても、魔界の婚儀のやり方が知りたいだなんて、
ヒメは本当に面白い子だね………………。
〇×えっ、魔界って……あの……。
〇×(どういうこと? ナギさんは天界の……。)
〇×え……ナギさん、あっ……!?

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギ教えてあげるよ、ヒメ。
悪魔の婚儀が、どんなものなのかをね。
〇×え……どうしたんですか!?
その黒い羽根……!
〇×(まるで悪魔みたい……?
でもまさか、そんなことって……!)
ナギ混乱しているようだね。
まぁ、仕方ないか。
ナギ君が今まで信じてくれた僕という存在は、
すべて嘘だったんだから。
〇×嘘って、それじゃナギさんは……?
ナギ僕の正体は、魔界を支配する帝王さ。
〇×そんな……!
だってナギさんは神様だって……。
ナギぜーんぶ嘘だよ。だって最初に明かしていたら、
ヒメは僕の元に、還って来てはくれなかったよね?
ナギ悪魔だなんて言ったら君はきっと……
僕を遠ざけていたはずだよ。
ナギそれに人を騙すことは、
悪魔の僕にとってはこの上ない快感だからね。
ナギフフフ、君のその絶望に満ちた不安げな顔……たまらないよ。
さあ、おいで……×……。
〇×(あ、体が勝手に引き寄せられてく……!)
ナギもう逃がさないよ、ヒメ。
君は僕だけのものなんだ。永遠に、ね――
ナギ僕が何者であれ、
君と結ばれることは、古の時から受け継いだ宿命なんだ。
〇×逃げるだなんて、そんなこと……、
私がするはず……ないじゃないですか。
ナギえ……?
〇×(たとえナギさんが悪魔でも……。
私の大切な人に変わりはないんだから……。)
ナギ君は……自分の意志で、僕を選んでくれるっていうの?
〇×……はい。だってナギさんは、ナギさんですから。
ナギ……驚いたよ。でも、とても嬉しいな。
ナギ今……ものすごく幸せな気分だよ。
悪魔が幸福を得るなんて、なんだか滑稽だけどね。
ナギさすがは僕のヒメだ。さぁ、行こう……。
〇×(少し怖いけど、でも、これでいいんだ……よね?)
ナギ漆黒の闇に包まれた魔界で、今度こそ――
誰にも邪魔されずに二人だけの愛を育もう。
ナギ君は僕だけの……ヒメになるんだ。
永遠にね――

 


無人島ロマンス Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×(リゾートに招待されたはずが、着いた先は無人島で、
肝試しをすることになるなんて……。)
〇×きゃあああっ!
ナギ落ち着いて、ヒメ。これは布だよ。
それに――
ナギ僕とヒメはこうして赤い糸で繋がっているんだから、
怖がらなくていいんだよ。
〇×(あ、赤い糸っていうか、
手錠でナギさんと繋がっているんだよね……。)
〇×(だけど、きっとナギさんは私を勇気づけるために
そう言ってくれてるんだし……。)
〇×そ、そうでした。
ナギさん、ありがとうございます。
〇×(なんだか恥ずかしいけど、ナギさんが近くにいるおかげで
あまり怖くないし、手錠があってよかったかも?)
ナギ……。
ねえ、ヒメ。
〇×なんですか?
ナギ赤い糸は運命で結ばれたふたりを繋ぐものなんだよね。
〇×はい。そう言われてます。
ナギ僕たちにはきっと運命の赤い糸があるけど、
こうやって目に見えてるとなんだかちょっと嬉しいね。
ナギごーるをしたら外すみたいだけど、もったいないな。
簡単に壊れそうにないし、くっついていられるし。
〇×……!
ナギふふ、それに、今みたいな
ヒメの可愛い反応がたくさん見られる。
〇×(やっぱり、恥ずかしいかも……。)
〇×そ、それより、お化けはなかなか見つからないですね。
ナギうーん、そうだね。お化け、会ってみたいんだけどな。
〇×(そう、ナギさんはこの肝試しで
絶対にお化けに会いたいって言ってるんだよね……。)
〇×(ナギさんのお願いは叶えてあげたいけれど、お化けが
もし本当にいたら……うう、あまり考えないようにしよう!)
ナギん?これは……。
〇×布?誰かの落とし物でしょうか。
ナギもしかしたら、お化けの落とし物かもしれないね。
そうだ!これ、届けてあげよう。
〇×え?
ナギお化けも困っているかもしれないしね。
〇×……ふふ、そうですね。
〇×(ナギさん、優しいな。なんだかナギさんと話していると
お化けも怖いものじゃないって思えてくるかも……。)

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギうーん、お化けは隠れるのが得意みたいだね。
全然、見つからないよ。
〇×そうですね……。
ナギあっ!
〇×(な、なに!?また新しい仕掛け?
それともまさか本当に――!?)
ナギ来て、ヒメ。
ほら、こっち。
〇×え……?これって、ハイビスカスの花?
ナギうん、すごく綺麗に咲いているね。
まるでヒメに見てもらうために咲いていたみたいだよ。
〇×わ、私にですか?
ナギうん、きっとそうだよ。
だからこんなに綺麗に咲いているんじゃないかな。
〇×(確かに、夜空の下で見るハイビスカスの花は
見たことないくらい綺麗だけど……。)
〇×お化けの忘れ物を届けようとしているナギさんの優しさへの
ご褒美、なんじゃないですか?
ナギ僕へのご褒美?
ナギふふふ。本当にヒメはもう……。
ナギそうだとしたら、ご褒美をくれた誰かさんに
感謝しなくちゃね。
〇×感謝、ですか?
ナギうん。こうやって
ヒメと一緒に眺める機会を与えてくれたからね。
〇×ナギさん。
〇×(花を眺めるナギさんの横顔、月の光のせいか
いつもよりも神秘的で、すごく綺麗だな……。)
ナギだけど、この花よりもずっとヒメのほうが綺麗だ。
〇×(ナギさんの手が頬に。)
〇×ナ、ナギさん……。その……。
〇×!?
な、なに!?
ナギふふ、嬉しいなあ。
ヒメが僕の腕の中に自分から来てくれて。
〇×あっ。
〇×(物音に驚いて思わず腕にしがみついちゃった。
ここで離れても不自然じゃないけど……。)
〇×えっと……。
少しだけ、このままでもいいですか……?
ナギふふ、変なヒメ。僕が断るはずないのに。
ナギだけど、お願いしてくれるヒメは
今日の中で一番可愛いね。
〇×……あ、あの!やっぱり予定より
時間がかかってると思うので、ゴールを目指しませんか!?
ナギふふっ、そうだね。
そろそろごーるに向かおうか。
ナギりぞーとについたらたくさん遊ぼうね、ヒメ。

 


花を育てる手 Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


夢見Night Edit

1話

+  ネタバレ注意
ナギヒメ、まだ起きてるかな?
〇×……ナギさん? こんな夜中にどうしたんですか?
ナギいや……たいしたことじゃないんだけど……。
気になることがあってね。
ナギすこし、いいかな?
〇×(なんだろう、こんな夜中に話だなんて。
やっぱりなにか大変なことが起きたんじゃ?)
ナギふふっ、ヒメ、すごく心配そうだね。
でも、そんなにたいした話じゃないから大丈夫だよ。
〇×で、でも、トラブルがあったとかじゃ……。
ナギとらぶる? そうじゃなくて――
昼間、皆が話をしていたよね?
〇×(昼間って……あ。
みなさんが怖い話をしていたんだっけ……。)
〇×もしかして、怖い話のことですか?
ナギそうそう、それだよ。
ナギ最後まで聞けなかったから、
あの後どうなったんだろう、って思って。
ナギそれで気になって眠れなくなっちゃって……。
よかったら、続きを聞かせてくれないかな。
〇×ふふ、そういうことだったんですね。
まだあの後も長いので……よかったら部屋にどうぞ。
ナギありがとう、お邪魔させてもらうよ。
ナギところで、ヒメ。
そのかわいい服はなに?
〇×え? これですか?
パジャマですよ。
ナギぱじゃま……?
〇×はい。寝る時に着るもので――
ナギさんは着たことありませんか?
ナギうん。すごく柔らかそうで……。
動きやすそうだね。
〇×(ナギさん、パジャマに興味があるのかな?
あ、それなら――)
〇×ナギさん、よかったらもう一着あるんですが、
着てみませんか?
ナギ同じものがあるの?
〇×はい。これ、どうぞ。
ナギこれは……ヒメが着ているのと同じ柄だね。
〇×はい。今このパジャマしかなくて……。
お揃いになっちゃいますけど。
〇×あ、でも……男性用にしては、
少し可愛すぎましたか……?
ナギううん。ヒメとお揃いだなんて、嬉しいよ。
さっそく着てみるね。

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギどうかな?
〇×ふふ、すごくよく似合ってます。
ナギ着心地も悪くないし、なにより――ヒメからの
贈り物だっていうのが、嬉しいな。
〇×(喜んでくれているみたいで、よかった!)
ナギそれで、さっきの話だけど……。
〇×怖い話ですね。
あれは、あの後、
ナギそっか。
そういう話なんだね。
ナギでも……僕は怖いというより、
その幽霊の気持ちもわかる気がするなあ。
〇×そうですか?
〇×(私が知ってる中では、
かなり怖いほうだと思ったんだけどな……。
ナギヒメは、もっと怖い話を知ってるの?
〇×たくさんありますよ。
例えば――
ナギなるほど……うん。
すごく興味深い話だったよ。
〇×全然怖くなかったですか?
ナギうーん……ヒメが話してくれたお化けより、
生きている人間の方が恐ろしいこともあるよ。
〇×たしかに……。
ナギそれに、一生懸命話してくれるヒメが可愛くて
怖くなかったよ。
〇×え……! そ、それはなんだか
嬉しいようながっかりしたような複雑な気持ちに……。
ナギふふふ。ごめん。
ヒメのお話を聞けるのが楽しくて。
ナギねえ、ヒメ。他にもあるなら、もっと聞かせて。
〇×わかりました。……でも、私ばかり話すのも申し訳ないので、
ナギさんの話もたくさん聞かせてください。
ナギ僕の? うん、ヒメが聞きたいって言うなら、喜んで。
ナギ例えば僕が本当に見た霊たちに聞いた、
実録・怖い話とか……。
〇×そ、それは眠れなくなりそう……。
ナギふふ、今夜は夜通しお話していようか。
楽しみだね、ヒメ。

 


ハロウィン Edit

1話

+  ネタバレ注意
ナギヒメ、もう平気かい?
〇×ご心配おかけしてすみません。
大丈夫です……。
ナギそれならよかった。
ナギそれにしても、まさか僕の姿を見た瞬間、
腰を抜かすとは思わなかったよ。
〇×だって、ナギさんがそんな本格的な
死神の仮装をしてくるとは思わないじゃないですか。
〇×しかも夜、突然部屋をノックして来たから……。
ナギふふ……そうだね、ごめんね。
ナギはろうぃんと言えば、仮装って聞いたんだよ。
だから僕も気合を入れて準備したんだ。
ナギそれにしてもあんなに驚いてくれるなんて……
〇×(ナギさん嬉しそう……驚きすぎて少し恥ずかしかったけど、
そんなに準備したのなら、結果的によかったかも。)
ナギあっ……そういえば、これを言い忘れてた。
ナギとりっくおあとりーと。
お菓子をくれないといたずらするよ。
〇×もういたずらされたような気分なんですけど……。
〇×(ナギさんのいたずらって何されるかわからないから、
ちゃんとお菓子を渡した方がいいかもしれないな。)
ナギお菓子、用意しているかい?
〇×はい、ちょうどありますよ。どうぞ!
ナギありがとう、ヒメ。
じゃあ次はいたずらするね。
〇×えっ?

 

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギ……あれ? ヒメ、どうしてそんなに驚いているんだい?
〇×ちゃんとお菓子を渡したのに、
ナギさんがいたずらもするって言うからですよ。
ナギお菓子もいたずらもどちらも欲しいんだ。
ナギふふ、せっかく死神の衣装を着ているから、
死神になりきっていたずらしてみようかな。
〇×死神っぽいいたずらって、いったい何を……きゃっ!?
ナギはろうぃんの、西洋の死神は、
鎌を持った姿で描かれていることが多いんだ。
ナギ僕の指先を鎌だと思ってほしい。
ヒメの肌の上を、切るように、指を滑らせて……。
〇×く、くすぐったいです。
ナギふふ、死神の鎌から逃れるためには、
何か別の魂を捧げなければいけないんだ。
ナギヒメの代わりの魂だよ。
愛おしくて、見ているだけで甘く溶けそうな……。
〇×甘く溶けそうな……?
〇×あっ、そういえばさっき渡したお菓子の中に飴が……。
ナギ……あはは! これはヒメに一本取られちゃったな。
ナギだけどね、ヒメ。ヒメは飴なんかよりも
ずーっと甘いんだよ。
〇×そ、そうなんですか……? でも、どうしたら……。
ナギうーん、そうだね……。あ、ヒメが食べさせてくれたら、
少しだけヒメの魂に近付くかも。
〇×た、食べさせる、ですか?
ナギうん、そうだよ。
はい、あーん。
〇×あーん……。
あっ……!
〇×(ナギさん、私の指を……!)
ナギ……うん、甘い。
ナギねえ、もっとちょうだい……?

 


かけがえのない時間 Edit

1話

+  ネタバレ注意
1周年パーティーから数日後――
〇×あ、見てください、ナギさん!海が見えますよ!
ナギ本当だね。もっと近くまで行ってみようか。
〇×はい!
〇×(今日はナギさんに誘われるまま、「でーと」に連れて来て
もらったけど……。)
ナギ……。
〇×……どうしたんですか、ナギさん。
ナギん?何が?
〇×さっきから、すごく見つめられている気がするので……。
ナギ見ていたらダメ?
〇×ダメではないですけど……。
ナギそっか。ふふっ、よかった。
〇×(ここに来るまでの間、電車に乗っているときからそうだった。
私をじっと見て、ただ静かに微笑んでるだけ。)
〇×(理由を聞いてもはぐらかされるし、一体どうしたんだろう?)
〇×あ……ナギさん、向こうにカモメがたくさんいますよ。
ナギかもめ?
〇×向こうにいる白っぽい鳥です。
近くで見てみませんか?
ナギうん。
〇×はー、びっくりした……!
ナギあっという間にかもめに囲まれてしまったね。
〇×はい。あんなに頭上すれすれを飛ぶなんて思いませんでした。
でも、可愛くて楽しかったです!
ナギふふっ。
ナギ……ん?あれは何かな。
×、行ってみよう。
ナギれんた……さいくる?
〇×あ、ここで自転車が借りられるんですね。
〇×ほら、見てください。あそこに乗っている人がいますよ。
ナギ本当だ。ずいぶん気持ちよさそうだね。
僕も乗ってみたいな。
〇×そうですね、二人でレンタルしましょうか。
ナギへえ……これが「自転車」かぁ。
〇×はい。
……ところでナギさん、自転車に乗ったことは……。
ナギみんなこんなふうにして乗っていたよね。
足をここに置いて、こう……!
ナギわっ!
〇×……!ナギさん、ブレーキ!ブレーキかけてください!
ナギわわわ……わぁ!

 
2話

+  ネタバレ注意
ナギわわわ……わぁ!
〇×ナギさん!
〇×大丈夫ですか!?どこかケガは……。
ナギ平気だよ。
ふ、ふふ……あはは!
〇×(わ、笑ってる。これなら大丈夫そうかな。)
ナギはあ……面白かった。
ナギそれに、君に抱き起こしてもらえるなんて役得だな。
このまま、少し休憩させて。
〇×えっ!?あ、あの……。
〇×(これって膝枕……。)
ナギ…………。
〇×ナギさん……?
〇×(また、じっと見つめてる……?)
ナギ×……。
ナギ実はね……。
ヒメのことを忘れてしまう夢をみたんだ。
ナギ目覚めた瞬間すごく恐ろしかった……。
〇×(ナギさんは、あのループ事件のとき、
私のことを忘れてしまっていた。)
ナギ……車窓に流れていく景色を眺める横顔。きらめく海や、
羽ばたくかもめを見つめる瞳。
ナギそして今こうして、僕を心配して慌てる君の顔も……。
ナギ全部、記憶に焼きつけたよ。これでもう、二度と忘れないね。
〇×ナギさん……。
〇×(ずっと私を見つめていたのは、そういうことだったんだ……。)

 

私も忘れません
〇×私も、絶対に忘れません。ナギさんのこと……。
ナギ×に忘れられたら、きっと僕は泣いてしまうな。
ナギ僕が言えたことじゃないけれど……約束だよ。
絶対に、忘れないで。
〇×約束します。
〇×(ナギさんと過ごした時間を忘れないように……。
しっかり胸に刻み込んでおこう。)

 

ありがとうございます
〇×ありがとうございます。
ナギお礼を言うのは僕のほうだよ。僕と一緒にいてくれて、
ありがとう。

 

ナギこれまでの1年も、これからの1年も
その先もずっと……。
ナギ君と過ごす時間は、僕にとってかけがえのないものなんだ。
だから、どんな些細なことでも忘れずに覚えていたい。
〇×はい……私もです。
ナギ……改めて。マネージャー1周年おめでとう、×。

 
スペシャル

+  ネタバレ注意

Episode:ANNIVERSARY〜ナギ編〜

臨海公園でのデートからしばらく――
〇×……到着!
ナギふう……慣れてしまうと意外に簡単だね。
〇×最初はバランスをとるのが難しかったりしますけど、
ナギさんはあっという間に乗りこなしちゃいましたね。
〇×(この間のデート以来、ナギさんの挑戦心に火がついてしまって、
道場の敷地内で練習していたけど……。)
〇×(さすがに普段、鍛えているだけのことはあるな。
道場からここまで危なっかしいこともなかったし。)
〇×……!
ナギまるで、君と風になってるみたいだった。
自転車って気持ちがいいね!
〇×は、はい。……あの、ナギさん……。
ナギあ、そうか。×は人前で僕に抱き締められるのは
恥ずかしいんだよね。
ナギ僕は全然構わないのに、不思議だな。
ナギ喉が渇かない?あそこのべんちで少し休憩しよう。
〇×そうですね。
ナギ自転車って不思議だよね。こんな単純なからくりで動いているのに、
風を切って走る感動を与えてくれる……。
ナギこんなに素晴らしい乗り物があるなんて知らなかったな。
〇×ふふ……そうですね。これまで、自転車のことをそんなふうに
考えたことはありませんでしたけど……。
〇×ナギさんの考え方、とても素敵だと思います。
ナギそれを言うなら君のほうだよ、×。
ナギ君はいつも僕に新しい気づきを与えてくれる。
ナギ自転車だって、君と一緒じゃなければ
乗りたいなんて思わなかっただろうな。
〇×ナギさん……。
〇×……今日は道場からこの公園までの距離でしたけど、
次はもっと遠出をしてみてもいいかもしれませんね。
ナギ僕も同じことを考えていたよ。これに乗って、
もっと色んな場所に行ってみたい、って。
ナギ街にも、山にも、海にも。……天界にだって。
〇×ふふ。天界まで行くには、空を飛ばないといけませんね。
ナギそうだね。でも、きっとそれも楽しいはずだよ。
〇×(自転車で空を飛ぶ、なんて
普通に考えれば途方もない話なのに……。
〇×(ナギさんが言うと、いつか実現できてしまうような気がする。)
〇×……行けるといいですね。
ナギいつか一緒に行こう。自転車に乗って、あの空の果てまで……。

 


PROTECT U Edit

1話

+  ネタバレ注意
アーティスト写真撮影後
〇×(どうなるか不安だったけど、無事撮影が終わってよかった……。)
〇×(それに……カメラの前に立つナギさん、すごく――)
カメラマンあ、〇さん!
今日はありがとうございました。すごくいい写真が撮れましたよ。
〇×お疲れ様です!
写真、私にも見せてもらえますか?
カメラマンもちろんです! 今のところこれが一押しなんですけど……。
ナギさんいいですね。なんだか不思議な雰囲気がある。
カメラマン今までいろんな人たちを撮ってきましたけど、
その誰とも違う空気があるというか……。
カメラマンもっといろんな写真を撮ってみたくなりました。
???だったら今度、ヒメと一緒の写真を撮ってもらおうかな。
〇×っ、ナギさん!?
ナギお待たせ、ヒメ。着替え終わったよ。
カメラマンははっ、いいですね。
〇さんと一緒なら今日とはまた違う表情が撮れそうです。
ナギあ、でもやっぱりだめだ。僕といるときのヒメは
とっても可愛いから、君には見せてあげない。
〇×っ! ナギさん、何言ってるんですか!
ナギそういう事だから、ごめんね?
カメラマンふふっ、そういう事なら仕方ないですね。
またの機会を狙う事にします。
カメラマンそれじゃあ〇さん、ナギさん、今日はお疲れ様でした!
ナギうん、お疲れ様。
〇×また連絡します! ありがとうございました!
ナギこれで『音楽活動』は全部おしまいだよね?
〇×はい。今日はおしまいです。
ナギじゃあこの後、僕と一緒に出かけよう。
〇×いいですよ。どこに行きましょうか?
〇×(音楽活動を決めてからずっとバタバタしてたから、
こうやってナギさんと二人で出かけるの久しぶり……。)
ナギそうだね……行ってみたいところはたくさんあるけど、
今日はヒメに決めてほしいな。
〇×私に、ですか?
ナギ今日まで頑張ってきたご褒美に、
君に僕のことをえすこーとしてほしい。
ナギどうかな?

 

任せてください!
〇×わかりました。私に任せてください!
〇×きっと楽しめる場所に案内します。
ナギふふっ、さすがヒメ。頼りになるな。

 

私に出来るでしょうか……?
〇×私にナギさんが楽しめる場所を案内出来るでしょうか……?
ナギそんなに難しく考えなくて大丈夫。
ナギだって、僕を世界で1番楽しませられるのは
君っていう存在そのものなんだから。
〇×ナギさん……わかりました。
頑張ってみます!

 

〇×うーん、ここから近い場所だと――

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×さっきまで撮影していた展望台に行くのはどうですか?
撮影の時間がつまっていてあまり見られなかったですし。
ナギそうだね。あそこからなら渋谷の街が一望出来て楽しいかも。
〇×あとは……プラネタリウムとか。あ、VR体験もいいかも!
前にテレビで見て気になってたんです!
ナギふふっ、面白そうだね。
〇×それからナギさんが気になりそうなところだと……お笑いライブ
っていうのもありますね。私も行ったことないんですけど――
ナギうんうん。それから?
〇×つ、……あの、ナギさん?
ナギなんだい、ヒメ。
〇×なんだいって……私の手、どうして撫でてるんですか……?
ナギどうしてって、そうしたかったから。
他に理由がいるの?
〇×……私、ナギさんに楽しんでもらいたくて
どこに行こうか一生懸命考えてたんですよ……?
ナギうん、知ってるよ。
僕の為に色々考えてくれるヒメの横顔、とても可愛かった。
ナギありがとう。
〇×……っ!
ナギあはは、顔真っ赤だね。触ってみてもいい?
〇×そ、れは……!
ナギふふっ、熱いねヒメ。
これ、僕のせいかな? そうだと嬉しいんだけど。
〇×……全部、ナギさんのせいです。
ナギあはは! そっか、全部か。それは光栄だなあ。
〇×……あの!
ナギさんはどこか行きたい場所ないんですか!?
ナギ僕はどこでもいいよ。
君と一緒ならどこへでも行きたい。
ナギ何を見ても君と一緒なら楽しいんだ。
君と一緒だっていうだけで、見慣れた景色も輝いて見える。
〇×(……悔しいけど、それは少しわかる気がする。)
〇×……わかりました。
じゃあ目的地は決めずにお散歩にしましょう。
ナギお散歩?
〇×はい。
気の向くままに歩いて、気になるものがあったら寄り道して。
〇×それで、ナギさんには
今の世界がどういう風に見えているのか教えてください。
ナギ今の僕が見てる世界か……。
それは楽しい散歩になりそうだね。
〇×そうでしょう?
ナギ何か素敵なものが見つかるかな?
〇×見つかりますよ、きっと。
私とナギさん、二人一緒なんですから。

 

 


1stアニバーサリー Edit

1話

+  ネタバレ注意
〇×よし、ここの掃除は終わり。
次は……。
ナギヒメ、今日は休日だって聞いて会いに来たよ。
〇×ナギさん! こんにちは。
お茶、淹れましょうか。
ナギありがとう。でも、その前にちょっといいかな?
それとも、今は忙しい?
〇×いえ、ちょうど一区切りついたところですから
大丈夫ですよ。
ナギそれなら良かった。
ヒメを癒すために用意したものを見てほしくて。
ナギ置いてある場所まで案内するから、
ちょっと目を瞑ってくれる?
〇×? ……わかりました。
〇×(一体、何を用意してくれたんだろう?
……ん? ナギさんが私の手を握って……。)
ナギそのままついて来て。
ゆっくり行くからね。
〇×はい。でも、どこに行くんですか?
ナギ大丈夫、道場から出るわけではないよ。
〇×(道場を出るわけではないって……?
ますます、わからないなあ……。)
ナギさあ、着いたよ。でも、まだ目を開けてはだめ。
ここに座って。
〇×はい……。ん?
なんだか、いい匂いがする……。
ナギふふ。じゃあ目を開けて……。
〇×あ……。匂いの元はこのお花ですね。
ナギそう。ヒメのために生けたんだ。
〇×きれい……。
それに甘くて、優しい香りがします。
ナギ匂い椿に冬の花々をあしらって香りを合わせてみたんだ。
気に入ってくれたかな?

 
2話

+  ネタバレ注意
〇×ありがとうございます。
この生け花、とても素敵です!
ナギふふ、良かった。
ナギ本当はどこかに花を愛でに行こうと思ったんだ。
でも、今は時期じゃないからね。
ナギそれで、どうしようかと思った時に
この橋が目に留まったんだよ。
ナギこんなにきれいに咲いてくれたんだし、
ヒメにも見てほしいと思ってね。
〇×え……もしかして、この橋はナギさんが
育てたんですか?
ナギうん、そうだよ。
〇×そうだったんですね……。
こんなにきれいに育てられるなんて、すごいです……!
〇×見た目にも香りにも癒されます。
ナギふふ……あ、そうだ。
もう一つヒメのために考えてきたことがあったんだ。
ナギヒメ、ここに横になって。
〇×え……ここって……。
ナギさんの膝、ですか?
ナギうん。ほら、おいで。
〇×(ナギさんの膝枕……。
距離も近いしドキドキする……!)
〇×えっとそれじゃあ、失礼します。
ナギヒメは働き者だね、よしよし……。
〇×(わ……ナギさんの手が頭を撫でて……。
優しくて気持ちいい……。)
ナギいつも頑張ってるね、よしよし……。
こうすれば癒されるって、雑誌に書いてあってね。
ナギ……でも、なんだか赤子をあやしているみたいだ。
ヒメの癒しになっているかな……?
〇×はい……。ナギさんの手、心地いいです。
それに膝も温かくて……。
〇×(あれ、さっきまで眠気なんてなかったのに……。
急にまぶたが……。)
ナギそっか。それなら良かった。
……せっかくの休日なんだしゆっくりおやすみ、ヒメ。
ナギ僕はずっとここにいるからね。

 


新年'21 Edit

1話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 
2話

+  ネタバレ注意
 

 

選択肢1

 

選択肢2

 

 


R Edit

FOR YOU Edit

1話

+  ネタバレ注意
女性店員ただいま、クリスマスセール実施中でーす!
クリスマスケーキのご予約はぜひ当店で!
ナギ……くりすます?
ナギ(そういえば、前にヨミから聞いた気がするな。)
ナギ(良い行いをした人間の元に、さんたくろーすという
老人が夜に贈り物を置いて行く日だとか……。)
ナギ(だとすると、あの女性の仮装は
さんたくろーすなのかな?)
ナギ(紅と白の衣装だし、
見るからに縁起が良さそうだ。)
ナギ(もちろん、ヒメも贈り物をもらえるんだろうな。)
ナギ(あ。でも、確かヨミの話だと
子供しかもらえないと言っていたような……。)
ナギ(だとすると、ヒメはもらえないのかな……。)
ナギ…………。
ナギそうだ! それなら、
僕がヒメのさんたくろーすになろう!
ナギ(そうと決まったら贈り物を考えないと。)
ナギ(何がいいかな?
髪留めや櫛、あくせさりー、お香……。
ナギ(いっそ、反物でもいいかもしれないな。
さんたくろーすにちなんで、紅白の……。)
ナギ(ふふ、こうして、ヒメのことを考えるだけで
心が温かくなる。愛おしくてたまらなくなる……。)
ナギ(ああ、くりすますが待ち遠しいな。)
ナギ(君だけのさんたくろーすになって会いに行くから、
待っていてね、ヒメ。)

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