武器_近接_斧
木の斧
木の斧(きのおの)は、武術の稽古に用いる木製の斧。激しく打ち合っても折れないように硬いカシ材で作られており、当たり所が悪いと稽古でも死傷者が出ることもある。
矢来破りの斧
矢来破りの斧(やらいやぶりのおの)は、戦闘のほか敵が構築した矢来などを破壊する目的で用いられた斧。矢来とは、竹や丸太を粗く組んで作られた臨時の防柵のこと。
木の大槌
木の大槌(きのおおづち)は、戦闘用に改良された大型の木槌。重量があるので扱いが難しい。杭打ちなどの土木工事に使う木槌を転用したものだが、破壊力は侮れない。
黒鉄の斧
黒鉄の斧(くろがねのおの)は、戦闘用に改良された大斧。重量があるので扱いが難しい。森林での伐採に使うものを転用した簡素なものだが、破壊力は大きい。
一本だたらの鎚
一本だたらの鎚(いっぽんだたらのっち)は、妖怪の一本だたらが携える金属製の巨大な鎚。人であった頃に愛用していた鍵が、本人の妖怪への変貌と共に姿を変えたもの。本来は鍛治道具であるため灼熱する炎を宿しており、振り落とせばどんな硬い敵も砕くという。名刀への執念が鍵に込められており、一本だたらの大太刀もこの鍵を使って打ち出された。
赤樫の大槌
赤樫の大槌(あかがしのおおづち)は、戦闘用に改良された大型の木槌。重量があるので扱いが難しい。厳選された硬質の赤樫を素材にしており、破壊力は大きい。
獄卒の斧
獄卒の斧(ごくそつのおの)は、地獄で亡者を苛む鬼が用いる斧。のこ状の刃は硬質な骨などを切断しやすいだけでなく、治りにくい複雑な傷を作るため、切り裂かれた者は地獄のごとき苦痛を感じるだろう。日本における死生観では、悪事をなした人間は地獄に堕ち、閻魔大王の裁きを受け、罪に応じた責め苦を受けるとされる。
山賊の斧
山賊の斧(さんぞくのおの)は、木を切る際に使う斧を武器に転用したもの。巻いてある麻布を渋柿で染めるのは験担ぎの一種だと思われ、武器として当てにされていることがうかがえる。
青銅の大鎚
青銅の大鎚(せいどうのおおづち)は、釣り鐘のような形状をした青銅製の大鎚。木槌と比べて重く取り回しが難しいが、先端が細くなっているため、重さが集約されて強大な破壊力を発揮する。
つるはし
つるはしは、掘削などに使う工事道具。先端が鶴(つる)の嘴(くちばし)のように鋭いため武器としても用いられた。作業用の消耗品であるため造りは粗雑で、多くは使い捨てにされる。
兜割りの斧
兜割りの斧(かぶとわりのおの)は、戦闘用に改良された大斧。重量があるので扱いが難しい。家屋の解体などに使う大工道具を転用した簡素なものだが、一撃で敵の兜を割り砕くほどの破壊力を発揮する。
剛力のまさかり
剛力(ごうりき)のまさかりは、大きく広がった弧状の斧刃を持つまさかり。刃の部分は重く、使いこなすには大きな腕力を必要とする。巨木を切り倒すほか、石を切り出すのにも使われた。柄はうるし塗り、金具は真鍮で美しく仕上げられている。
刀鍛冶の鎚
刀鍛冶の鎚(かたなかじのつち)は、鍛冶職人が鍛造で振るう金槌。トヨやムラマサが好んで使う。作業用の工具であるため武器としての性能は低いが、鍛冶で使用すれば特殊な効果が発揮されるという。非力な女性でも扱えるよう重量のバランスが取られており、片手でも自在に振るいやすい。
槍折りの大槌
槍折りの大槌(やりおりのおおづち)は、戦闘用に改良された大型の木槌。重量があるので扱いが難しい。家屋の解体などに使う大工道具を転用した簡素なものだが、一撃で敵の武器を折り砕くほどの破壊力を発揮する。
牛頭天王の斧
牛頭天王の斧(ごずてんのうのおの)は伝説の牛頭天王が振るったとされる両刃の大斧。製作者は不明であるが、牛頭天王は仏教の聖地・祇園精舎を守護した神であり、渡来僧などの手によって古代インドから日本に伝来したものと推測される。織田信長の手を経てヤスケが所有。赤緑二本の数珠のような宝珠飾りが巻きつけられており、ヤスケの守護霊・アトラスペアによって大自然を味方につけた神秘的な力が引き出される。
荒法師の大槌
荒法師の大槌(あらほうしのおおづち)は、職人の手で戦闘用に作られた大槌。重量があるので扱いが難しい。仏に仕える荒法師たちが戦場で振るい、煩悩にまみれた敵兵に仏罰を下した。
荒武者のまさかり
荒武者(あらむしゃ)のまさかりは、鍛冶職人が戦闘用に鍛えた両刃の大斧。重量があるので扱いが難しい。切れ味より強度を重視した野性的な造りで、戦場で華々しい活躍をした荒武者に与えられた。
岩砕きの大鎚
岩砕きの大鎚(いわくだきのおおづち)は、職人の手で戦闘用に作られた大鎚。重量があるので扱いが難しい。鎚の両端がややとがっており、振るう力が同じでも破壊力が高まるよう工夫されている。
鎧砕きの戦斧
鎧砕きの戦斧(よろいくだきのせんぷ)は、甲冑を叩き切ったり、盾を破壊したりする戦斧。インドの戦斧であるタバールを模して作られたもの。手の込んだ装飾が施されており、財力のある武士があつらえた品であるとうかがえる。
両面宿儺の斧
両面宿儺の斧(りょうめんすくなのおの)は、日本神話に登場する異形の化け物、両面宿儺が使用したという大斧。二つの大きな顔と計八本の手足を持った両面宿儺は、仁徳(にんとく)天皇の治世に飛騨国(現在の岐阜県北部)に出現したとされる。巨大な斧を振るって暴虐を極め、民から収奪を行ったため、剛の者として名高い武振熊(たけふるくま)という人物に討伐された。各所の寺社に両面宿儺の姿を模した像が残されているが、見慣れぬ異国風の甲冑で身を固め、斧の他に剣や弓を装備しているものが多い。
破邪の大鎚
破邪の大鎚(はじゃのおおづち)は、巨大な槌頭を持つ総金属性の大鎚。法具のような装飾も施されており、大型のあやかしを調伏する際に使われたと思われる。非常に重く、並外れた膂力の持ち主でないと扱えないが、威力はすさまじい。
修羅の戦斧
修羅の戦斧(しゅらのせんぷ)は、鍛冶職人が戦闘用に鍛えた両刃の大斧。重量があるので扱いが難しい。切れ味より強度を重視した野性的な造りで、戦場で修羅のごとき活躍をした猛者に与えられた。
物部氏の斧
物部氏の斧(もののべしのおの)は、古代日本で権勢を誇った豪族、物部氏に由来する斧。物部氏は武具の製造や調達を得意とする氏族を基盤とし、軍事・治安維持などで活躍して政権の中枢を担った。素材は青銅であるが特殊な製法が用いられているようで強度は鉄製武器にも劣らない。刃先のみ研磨して切れ味を高めているほか、柄の中ほどに補助武器の戈(ほこ)を取り付けてある。
入峰の斧
入峰の斧(にゅうぶのおの)は、各地の霊山で修験者が修行に使う道具の一つ。山林に入る時に行路を切り開くのに用いる装備で、霊山に入るための儀具としての役割も兼ねている。刃、柄は金銅で作られ、柄には銅版が螺旋状に巻き付けられている。入峰を妨げるあやかしを撃退するため特殊な装飾が刃に彫られており、霊的な効果を持っている。
怪童のまさかり
怪童(かいどう)のまさかりは、豪傑・坂田金時(さかたのきんとき)が愛用したとの伝説が残る大斧。金太郎の幼名で知られる坂田金時は足柄山(あしがらやま)の深い自然に囲まれてたくましく育ち、野生の熊と相撲を取るなど幼少より怪力であったという。長じて源頼光(よりみつ)の家来となり、京を脅かす酒呑童子(しゅてんどうじ)の討伐などに大活躍したものの、九州へ向かう途中、美作(みまさか)国で熱病に倒れ、帰らぬ人となったと伝わる。
酒呑童子の金棒
酒呑童子の金棒(しゅてんどうじのかなぼう)は、かつて大江山の鬼どもの首領であった大妖怪、酒呑童子が得物として振るった金棒。酒呑童子の強大な妖気と、幾百人にも及ぶ犠牲者の怨念をまとっており、どれほど乱暴に扱ったとしても壊れることはないとされる。また、持ち主の力量に応じて自らの殺傷力を最大限に引き出す大きさに変化するともいう。
破軍のまさかり
破軍(はぐん)のまさかりは、古代の戦場で将兵が用いたとされる両刃の大斧。敵の大軍を打ち破るためこの斧を勢いよく振るい、破壊と殺戮の限りを尽くしたことからこの名がある。まとめて複数の敵兵を分断するほどの破壊力を誇り、この斧が戦場に描き出す地獄絵図は、大いに敵の戦意を削いだと考えられる。
鬼神の大鎚
鬼神の大鎚(きしんのおおづち)は、四天王を始めとする古代の神々が戦に用いたとされる巨大な金槌。きらびやかな装飾には所有者を加護する神秘の力が宿る。重量を活かした破壊を目的とし、遠心力で勢いをつけると、文字通り装甲ごと敵を粉砕する一撃を放てる。古来、神仏に仕える者は鋭い刃物の所持を禁じられ、戦に際しては打棒や槌で武装することが多かったという。
天目一箇神の斧
天目一箇神の斧(あめのまひとつのかみのおの)は、日本神話において天岩戸隠れの際に天目一箇神(あめのまひとつのかみ)が作ったという大斧。刃には猛々しい炎の力が宿っており、どんなに邪悪なあやかしでも一振りで粉砕する威力を誇るという。天目一箇神は名の目一箇(まひとつ)が一つ目を意味し、火に縁があることから製鉄と鍛冶の神とされる。別名、天津麻羅(あまつまら)とも。斧以外にも神器として伝わる鏡や宝剣を手掛けたと伝わり、古代の宮中祭祀を一手に司った忌部(いんべ)氏はその末裔という。
玄翁の大鎚
玄翁の大鎚(げんのうのおおづち)は、曹洞宗(そうとうしゅう)の僧、玄翁が殺生石(せっしょうせき)を砕く際に使ったという巨大な金槌。九尾の狐である玉藻前(たまものまえ)は、女官に化けて政治を乱そうとしたが正体が露見し、京を追われて下野国(現在の栃木県)那須(なす)の山中で石に姿を変えたという。その後も近づく者を毒気で殺し続けたため、殺生石と呼ばれた。そこで玄翁は経を唱えて身を守りながら近づき、この大鎚で石を叩き割ったとされる。以降、玄翁の名は金槌を指す代名詞となった。
百鬼の斧
百鬼の斧(ひゃっきのおの)は、鬼の意匠が施された斧。銘が刻まれていないため誰の作かは不明だが、鬼気迫る出来映えで見る者の目を奪う。鬼を冠する多くの言葉が示すとおり、日本において鬼とは強さの象徴である。この斧は、力や技といった理を超えた鬼の強さにあやかろうとしたものであろう。
武蔵坊の斧
武蔵坊の斧(むさしぼうのおの)は、源義経の股肱の臣、武蔵坊弁慶が愛用したとされる斧。源平合戦における一ノ谷の戦いの出陣前、弁慶がとある岩で斧を研いだという伝承が残っている。無双の剛力を誇る荒法師、弁慶は軍記物語で人気となり、その忠勇は武士の憧れとなった。南北朝時代に斧や大太刀といった己の武勇を誇示するような武器が流行ったのは、弁慶への憧れによるものかもしれない。
破魔金剛鎚
破魔金剛鎚(はまこんごうつい)は、密教の法具の意匠で作り上げられた破邪の鎚。金剛杵は代表的な密教法具で、両端の爪状の部位の形状によって異なる意味を持つ。金剛杵は仏教の守護神たる帝釈天の武器をもとに作られたものなので、悪しきあやかしを討つための武器として相応しい意匠といえよう。
御神火の鎚
御神火の鎚(ごじんかのつち)は、荒ぶる火山の力を宿した鎚。御神火とは神聖視された火山から噴き上がる火を意味する言葉である。日本は世界有数の火山国で、富士山や阿蘇山、鳥海山などの活火山は有史以来幾度も噴火し、人々に恐れを抱かせた。恐れは畏敬の念となり、各地で山岳信仰が生まれた。それに神道や仏教が結びつき、発展していったのが修験道である。

































