『モンスターハンターワイルズ』が好発進 カプコン、次なる目標 のバックアップ(No.1)


2025/09/01に公開された提灯記事。取材されたのは5月下旬
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01186/00001/

 

変動の激しいゲーム業界にあって、10年以上にわたって業績好調が続くカプコン。2025年2月には待望の新作『モンスターハンターワイルズ』を投入。発売1カ月で世界1000万本を売り上げるなど、過去にないスタートダッシュを見せ、シリーズはもとより同社最大のヒット作となるのも時間の問題だ。eスポーツ分野では2025年3月に両国国技館で開催した大会を成功に導き、ビジネスとして独り立ちできるめども立ち始めた。次々と目標をクリアしていくカプコンの現状と今後、そしてゲーム業界の課題について、同社の辻本春弘社長に日経Gaming編集長の平野亜矢が話を聞いた(取材は2025年5月下旬)。

 

5月下旬はまだ圧不にはなっていないものの、王レダウや豪鬼アプデなどの反応も芳しくなく、リピートがほぼ伸びていないのは把握していたはず。
しかし記事では非常に楽観的な受け答えが続いている。

 

以下一部抜粋。

 

『モンスターハンターワイルズ』で初動を重視したワケ
――まず、2025年3月期の業績からおうかがいします。決算資料には「12期連続営業増益」「10期連続で10%以上の営業増益達成」「連結売上、営業利益いずれも過去最高」など、好調を示す言葉が並んでいます。変動が激しいゲーム業界にあって、安定的に高成長を続けていますが、この1年を振り返って、自社の事業をどのように捉えていますか。
 
辻本春弘社長(以下、辻本) トピックの1つは、2025年2月にシリーズ完全新作の『モンスターハンターワイルズ』を計画通り発売できたことです。
 
 今回は発売1カ月で「1000万本販売する」という目標に向けて施策を進め、それを達成できました。早期にこれだけの結果を残せたのは初めてですから、カプコンにとって今後につながる大きな経験を積むことができたと思っています。1カ月で1000万本を売るというのは正直、並大抵のことではありません。この経験を生かし、今後控えているタイトルについても初動の販売本数を押し上げることが可能になるでしょう。

 

――「初動の販売本数を押し上げる」ことは、カプコンにとって大きなテーマだったのですか。
 
辻本 カプコンの成長は、デジタル戦略の社内への浸透と拡大、強化によって支えられてきました。デジタル販売によって、リピート作(※前年度以前に発売したタイトルのこと)が長期間、全世界で売れるようになり、価格戦略も柔軟に対応できます。
 
 その上で、人気の高い良質なシリーズ作を多数保有しているからこそ、これだけの成長が継続できるのです。発売から何年もたったリピート作が、今でも年間100万本という単位で売れるわけですから、その効果は計り知れません。
 
 こうしたビジネスモデルがカプコンの好業績のベースであることは間違いありませんが、成長を続けていくには次のテーマが不可欠です。その1つが、初動の販売本数をいかにして押し上げるかでした。リピート作の動向を見ると、初動が良ければその後のセールスもおのずと好調が続くことが分かっていました。ならば、初動の数字を高めることで、数年にわたるトータルの販売本数も上がります。

 

高価格な“ハードの壁”にどう対応するのか
――初動を押し上げられたポイントはどこにありますか。
 
辻本 まず、『モンスターハンター:ワールド』が累計2850万本売れているという実績があります。そのユーザーベースに対し、『モンスターハンターワイルズ』をしっかり訴求できるようなプロモーションを行わなくてはなりません。
 
 その際、ポイントの1つとなるのが価格です。発売から約7年たっている『モンスターハンター:ワールド』は、現状9.9ドルで販売しています。それに対して『モンスターハンターワイルズ』は79ドルです。その価格帯で購入してくれるユーザーがどれくらい存在するのか。
 
 さらにプラットフォームはPlayStation 5(PS)が中心なので、それも踏まえた上で初動1000万本は実現できる数字かどうかを見極めなくてはなりません。その点ついては、これまで蓄積してきたデータを基に、狙ったユーザー層にリーチするようなマーケティングを展開しました。

 

――初動1000万本は達成しました。ここからさらに積み上げを図っていかなくてはなりません。
 
辻本 その通りです。ただ、“PS5の障壁”が思いのほか大きいことも分かりました。本体価格が日本円で8万円ほど。ソフトや月額課金の費用も考えると、購入時に10万円くらいかかります。これは特に若年層にとって、簡単に手が届く金額とは言えません。この状況は日本に限った話ではなく、海外でも同様です。
 
 そうした障壁を乗り越えて、いかにして『モンスターハンターワイルズ』をより多くの人に届けるかというのは、次のチャレンジでもあります。今後はセールなども始まりますから、そうした機会をうまく活用しながら、今年1年間をかけて販売本数を押し上げる戦略を立てているところです。

 

「初動が良ければその後も好調」という図式が早速ワイルズで崩れ、バイオ9や鬼武者なども警戒対象になり、ワイルズの障壁はもはやハードのコストどころではないのだが、9月現在の辻本氏の心境や如何に。

 

関連項目

圧倒的に不評
賛否両論
50万本
取らぬ狸の皮算用