ミルク色の夜明けに見えて来るのは曲がりくねった迷い道。僕は薄明かりの中をチョウチンアンコウと一緒に歩いている。一足歩くごとに足がシクシク痛むので、靴を脱いで振ってみたけど出て来るのはサラサラと消えていく想い出だけ。アンコウが口をひん曲げて笑うから、僕は首輪をグイと引いてまた歩き出す。アンコウはのんきにスキャットなんか口ずさんでるけれど、それがまた似合いすぎてて切ない。なんかもう起きなくちゃと思って、ほっぺたをつねるけど痛くない。仕方ないからアンコウにキスをしたら、アンコウの夢と同化して吸収されるなんてどうかしてる。
魚と眠る夜 ミルクみたいな痛み来る 見る夜 胸と中さ