夕焼けに誘われて、4歳になる娘のミヤと公園に散歩にでかけた。
一番星みーつけた。二番星みーつけた。
「すごいなぁ、ミヤはもう10まで数えられるんだね」
「もっともっとかぞえれるよ」
娘は歩きながら数をかぞえた。
23、24、25・・・
秋の日暮れは早い。あたりはどんどん薄暗くなってきた。
51、52、53・・・
そういえば百の怖い話をすると幽霊に会えるとか。
そう思ったとたんゾクッと背が震えた。
78、79、80・・・
なにかいる。池の葦の茂みに、木立の暗がりに。
数えるのをやめなさい、そう思ったが声がでない。
98、99、!
なにかが襲いかかってくる。
とっさに娘を抱きかかえると、背にドンと衝撃が走った。
生臭さと悪寒に包まれた。
「パパ!100だよ!」
娘の明るい声に、悪寒がうそのように消えた。