「新着メール1件です」
ドアを開けるとペンギンが、マジメな顔で立っていた。
人まちがいかと思ったが、せっかくはるばるやって来て、追い返すのもなんなので、一緒に午後のお茶をした。
ペンギンさんの言うことにゃ、
「メールが来たけど、ケータイ落とし、返信できなくなっちゃって、仕方がないので訪ねてきたの」
まあまあそれはご苦労さま。ところでご用はなんでしょう?
「いえいえどうもこちらこそ、ご用はいったいなんでしょう?」
ペンギンさんの言うことにゃ、
「メールの本文見る前に、ケータイ海に落としたの。相手もご用もわかりません」
まあまあそれは大変ね。お茶でも飲んでちょうだいな。
そのとき私のケータイが、クルックポポウと着信したら、ペンギンぎゃふんと飛び上がり
「新着メール1件です!」
さけんで窓から飛び出した。