「じゃあ何かい、降れってのかい」
「降れてんだよ」
「しかし何も降らなくったって、こわいじゃないか」
「降ったっていいじゃないか、こわかァないから、ぼちぼち降ってみなさいよ」
「降るってえと何かい」
「降るんだよ」
「やはり降るのか」
「降るよ」
「降るだろうな」
「せっかくもらったこの命、一生に一度くらい降るのが心意気ってもんよ」
「おうおうおう、そうと言われちゃおれだって後にはひけねえ、ひとっ走り降ってやろうじゃねえかべらぼうめ」
「おう、いよいよ降るか」
「じゃあ、ちょっとそこまで降ってくる」
そういう具合です。