まだかな。まだだね。
二人でずっと話してる。
もうちょっと。もうちょっとかな。
ささやく声は。
朝だよ!朝だぞ!
叫ぶけれども何もない。
やっぱりな。やっぱりね。
真っ暗闇で、くすくす笑う。
来ないね。まだ来ないよ。
それから少し、しんとする。
いつになったら来るんだろう。いつまでたっても来ないかも。
首をひねっているのだろうか。
追いつかないな。やって来ないな。
どこにいるかも分からない。
閉じこめられたのかな。それとも。
誰の姿も見えないところ。
ぼくらが真っ暗そのものだとか。真っ暗そのものなのだとか。
月もない。
この話は何度目だっけ。何度目だっけ、忘れたな。
くすくす笑う。くすくす笑う。
朝だ、朝だよ!朝が来た!朝だ!朝だぞ!朝だ!朝だ!朝だ!朝が来た!朝が来た!
真っ暗闇の子どもたち。
まだかな。まだだね。
ずっと二人で話してる。
お腹が減ったね。うん。