部屋はがちゃがちゃと散らかって、要ると思えないような物たちが重なり連なりちょっとした山脈のようでもはや床底が見えない。
そのうえ、眠るとき以外の壁の向こうはたいがい煩く、天井からまた用途のはっきりせん物が幾つとなく降ってきたりする。
それでも上手く出来たもの、部屋も僕も今のところ潰れずいる。
とにかくまあ雑多としていて、その中を不の字のような虫がたまにざわざわ動き回るのを察し、厭ァな気分になる旨打ち明けるたび確たる答はなく結局は心の持ち様となる。
それもまた然り、と思うがどうしょうもない。
のように暮らしていたところにひょっこり現れたのか、これまで知れなかっただけなのか、他と異なる体のものがいま目の前にあって何だろうか。
辛いに角が生えたに見えなくもない小さな影を捕まえてみてやろうな具合になるがこれがなかなか難しい、逃げては追い追っては逃げて、ようやく両手のひらに閉じ込める瞬間、これでいいのかそうでないのか疑いながら僕のいろいろはそれを止めることができない。
前にも似たような事あったけかしら。
まだ判別のつかないそのそれを思いのほか強く掴もうとしている。