胡乱舎猫支店/さかもりあがり のバックアップ(No.1)


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出るんじゃなかったああ

断れなかったのはあの事のせいだ。何年前だっけ?昼休みに突然招待状を持って女がやって来た(誰??)。甘ったるい声で「クリスマスイヴなんですぅよろしくぅ」と言われて即座に断ったら半ベソをかいて走り去った。「先輩ひどぉい」いつのまにか後輩が横にいた。さっきのは彼女の同期で「その日は都合が悪い」と次々に結婚式の出席を断られていて「カワイソォだから紹介したのにぃ」だと。

あなた出るの?」

「彼と予定がありまぁす。先輩は?」

ない。それを見越してだろうけど面識が全く無いのに出る筋合は無い。が、断ったのはマナー違反だとあちこちで散々責めたてられた。後輩その他は打診の段階で断ったからOK、でも招待状の時点では大大NG、人として許されないのだと(その前に打診は…)。

以来あの紙が来たらもう逃げられ無いと思う様になってしまった。

まあ今回はどちらも昔からの友人だし…いやだから余計キツい。他のみんなもビミョーな面持ちだ。司会者だけが淡々と式を進行させている。真正面の二人の座ってるあの席って何て言うんだろう?この場合。

ああ出るんじゃ無かった、離婚式なんて。

ジャンル Edit

コメディトラウマクリスマス?彼女あなた

カテゴリ Edit

超短編/サ行

この話が含まれたまとめ Edit

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第170回競作「さかもりあがり」 / 参加作

執筆年 Edit

2019年?

その他 Edit

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