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#contents
*読む [#vbaf6d03]
>假使興害意 推落大火坑
>念彼観音力 火坑変成池
>或漂流巨海 龍魚諸鬼難
>念彼観音力 波浪不能没
>&br;
> 湧昇流にのって、深い所から読経が聞こえてくる。歌をうたっているよう。
>「偈（げ）じゃ」
> 隣を泳いでいた蝦蛄が教えてくれる。
>「恒河沙に棲んでいた竜族の一人が、唐の高僧に教えを受けたんじゃ」
>「そうなんですか」
>「その末裔が今も教えを広め、伝え続けている」
> こんな昏い水底にも苦界があって、そこに棲むものどもも救いを求めているのか。俺は泳ぎながら詠嘆する。鰓から溜息が水面へと上がる。
>&br;
> 未練 未練 未練
> 落胆 無塵 未練 茫漠
> 未練 厭離 落魄
> 泡沫 輾転
> 霧散
> 。。
> 。
>&br;
> かつて人間だった時のことを俺は思い出そうとする。刹那、眼前に飛び込んできた白鰐の顎が合わさり思考に暗幕が下りる。
>&br;
> 偈は続いている。
*ジャンル [#rda7f441]
[[妖怪]]、[[時代物]]、[[異国]]、[[水]]、[[鰓]]、[[俺]]
*カテゴリ [#p7451997]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#lcf9f2c0]
*選評／感想 [#dc7afb29]
*初出／概要 [#i329b9c9]
[[俳句と超短編vol.2>http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca4/139/]] 投稿作
*執筆年 [#hd55c8ee]
[[2015年]]
*その他 [#g6192697]
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