海音寺ジョー/水溶性 のバックアップの現在との差分(No.1)


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*読む [#db95a9e9]

> 強引に飛べると思った。
周囲の反対を押し切って東京に出て来たものの、あの頃の俺に相応の覚悟はあったのだろうか?
>周囲の反対を押し切って東京に出て来たものの、あの頃の俺に相応の覚悟はあったのだろうか?
> 売れない原稿、掲載ラインに届かない実力、どれだけもがこうと醜態としかとられないもどかしさ、焦慮の日々。どうだい、あれから10年さ。
> &br;
> 数年ぶりに故郷の先輩に年賀状を出した。手紙の形で返事が来た。近況を伝える平凡な年賀状は、彼にはSOSに受け取れたらしい。
>「僕の沼君のイメージは、誰もいない真夜中の校庭のトラックを独りで喘ぎ走り続けながら、まわっている姿です」だと。そんな俺を尊敬しつつ心配しています、と書かれていた。
>&br;
> 大学の文芸部の、一回生上の彼とはよく文学と政治のことで論争したものだった。どちらも世間に合わせる器用さがなかったが、10年たち彼は妻帯し管理職に、俺は無職でいる。どう返事を書こうかと考えていたら、手に持っていた手紙が溢れる涙で滲みだした。

*ジャンル [#m55275ca]
[[リアル]]、[[東京]]、[[漫画]]、[[手紙]]、[[数字]]、[[俺]]、[[走る]]、[[泣く]]
*カテゴリ [#rbfacf69]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#bda8372e]
すぐ読める
*評価/感想 [#o4ddb12a]

*初出/概要 [#s6968b95]
超短篇・500文字の心臓 / 第92回競作「[[水溶性>超短編/サ行#o9ad55a7]]」 / 参加作
*執筆年 [#bbcec6fc]
[[2010年]]
*その他 [#o74b7caa]

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