海音寺ジョー/シンクロ のバックアップソース(No.1)

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*読む [#ca0f2609]
> ボリビアの首都・ラパスは周りを高山に囲まれてて、まるですり鉢の底にあるよう。夕闇が辺りを覆うと、山壁に建てられた町々が明かりを灯し、ラパスの全体がネオンで覆われる。視界をはるかに越える360度の外灯のきらめきが壮烈に綺麗で、高山病の吐き気の苦しさを一瞬忘れ、ぼくは絶景に心を奪われる。
> &br;
> 地球の裏側、日本にいる君に今この瞬間の、この無尽蔵の光のパノラマを見せたい。
> &br;
> そう思ったとき中央広場(セントロ)のベンチの、ぼくの隣りに座っていた老人が手風琴を鳴らした。『コンドルは飛んでいく』という曲。そのメロディが流れるのと全く同じタイミングで停電がおき、外灯が明滅した。あまりにもリズムが合っていて、ぼくは一つの確信を得た。
> &br;
> 街という物語は寓意に満ちている。貧しさも内紛も軍事政権もどうでもいい。老人はぼくにウインクして、ぼくは笑みを返しチップなら弾むさ!と日本語で言った。

*ジャンル [#ydaae566]
[[異国]]、[[音楽]]、[[山]]、[[街]]、[[夜]]、[[数字]]、[[光]]、[[僕]]
*カテゴリ [#r4df269d]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#fb7f7bdd]
*評価/感想 [#r5b72e1a]
*初出/概要 [#q16ae0b3]
超短篇・500文字の心臓 / 第87回競作「[[シンクロ>超短編/サ行#ga8c3a55]]」 / 参加作
*執筆年 [#m6ef32aa]
[[2009年]]
*その他 [#y3492f30]

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