胡乱舎猫支店/永遠凝視者
Last-modified: Wed, 24 Jun 2020 23:38:32 JST (1401d)
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望んだところでなれるわけでは無いし、望まなかったからと言って免れるものでも無い。
そういうものらしい。ここに来て初めて知った。
いや、「知った」のでは無く「わかった」と言うべきだろう(多分)。それに「来た」というのも正しくない気がする。いつの間にかいたのだ。そもそもどこなのか?「場所」と言っていいのだろうか?
唯一ある(与えられた)のは透明な管。見える部分の中程が細く縊れている。かつて「砂時計」(確か)と呼んでいたものと似ている。確かめる術など無いけれど。
内部では細かな粒子が絶え間無く降り注いでいる。それらは上部から現れ、細くなった部分で一旦溜まって下の方から細く零れ落ちて下部へ消える。
いや、「落ちる」と言うのは正しくない。「上」や「下」などここでは意味をなさない様なのだ。
そう、粒子の色を選ぶことは出来た。いつか見た星の色、輝きもそのままに…その筈なのだが本当はどうなのだろう?「色」と言うものはここでは意味が無い。
ああそうだ仕事だ。仕事(の筈)だ。これを見つめていなければならないのだ。そう、見つめ続けなければ、一日中。いや、一にチナドトイウモノハ…。
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初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第156回競作「永遠凝視者」 / 参加作
執筆年
2017年?
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