胡乱舎猫支店/共通点

Last-modified: Wed, 24 Jun 2020 23:43:26 JST (1401d)
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 「中3の冬にね母親が倒れたの。幸か不幸か合格発表の後でね」と彼女笑う

 以来何も出来ない父親と兄と弟の為に全ての家事をやる事になった。経済的な余裕はあったのに家政婦を雇わなかったのは母親が他人を家に入れるのを嫌がった為だ。暫くして何も分からなくなった祖母と同居する事になったのは父親が実母を施設に入れるのを嫌がった為だ。

 「開放されたのってもう高3の秋よ」と彼女笑う

 高校卒業後彼女は即座に家を出てこの町で就職した。出会ったのは隣同士になった面接の時で以来付き合いは続いている。

 可愛い上に毎日手作り弁当の彼女は家庭的との評判が立ってかなりモテた。実はウチの旦那もその1人でイブに振られたのを知ってる。プロポーズの言葉が「君の手料理を死ぬ迄食べたい」だったのも全部知ってる。

 彼女はそんな連中を全て袖にして弁当男子の今の夫を選んだ。子供は男女男の3人。家族全員家事全般OKで料理は大好き。凝ったものでは無いけど美味しいおうちゴハンを手早く作ってしまう。

 「もうね、船頭多くして何とやらぁ?料理多過ぎちゃってもうテーブルが一杯でどうしようもないわぁ」と彼女笑う、ほんとうにしあわせそうに。

ジャンル Edit

リアル悪意幸せ?笑う彼女

カテゴリ Edit

超短編/カ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第173回競作「共通点」 / 参加作

執筆年 Edit

2019年?

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