胡乱舎猫支店/その瞬間
Last-modified: Wed, 24 Jun 2020 23:44:36 JST (1079d)
読む 
3年です、一緒に暮らして。ええ、誘ったんです、「ウチに来ない?」って。彼、色々大変だったみたいだから。生活のことも勉強のことも何もかも支えたんです、3年間。籍を入れなかったのは彼が「けじめをつけたい」って言ったからです。「試験に受かってちゃんと就職してそれから」って。そんな誠実なところも好きなんです。
3駅しか離れていない所にいたなんてね。見つかんないとでも思った?舐めてんの?突然帰って来なくなって、新しい部屋で新しい生活、新しい……くないかぁ古い女なんだよねぇ?そっちのが。どぉして自分達が被害者って顔すんの?わるものに追い詰められた悲劇のヒーローとヒロイン気取り?あああっくっさい臭う臭う、ナニソレ?腐ってない?
どーでもいいと思った。ホント全部どーでも。触りたくないし。でもあの女の指、あの貧相な指にこれ見よがしに光ってたリング、あれってアレじゃない?カタログにチェックつけてたヤツじゃないの?!
よくわからない……どうして……ねェ……ドコ?……ココ……。
ジャンル 
カテゴリ 
この話が含まれたまとめ 
評価/感想 
初出/概要 
超短篇・500文字の心臓 / 第175回競作「その瞬間」 / 参加作
執筆年 
2020年?
その他 
Counter: 264,
today: 1,
yesterday: 0