空虹桜/水素

Last-modified: Mon, 15 Jan 2024 23:42:32 JST (98d)
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 創作する時間が無くなるのは、仕方がないことだと思っていた。悪阻が来て、体もホルモンもバランスを崩し、言い方は悪いけど、膣から吐き出した途端、毎日が狂乱で浮かぼうとするあぶくを捉えることができなかった。

 ふたりで作ったひとりの子どもは、何故かひとりで育てる時間が多くなり、尚更が次々と積み上がる。

 堆積したストレスに色は無いが、不満の抱え方を誤っていると気付いたのは何時だろう?適切に表現できないけれど、表現を見つける必要がたしかにあって、鬱屈は大きくなる。時は解決してくれず、見て見ぬふりは単に首が絞まるのを長引かせるだけ。

 爆発。

 とてもシンプルな理由は、しかし、シンプルであるが故に気付かない。貯まっていたかどうか検証できず、そもそも爆発したことすら認知の外で、気がついたらキャンバスを張り、静物の下絵を描き、油絵の具を混ぜていた。泣き声に気付かなかったのか、泣かなかったのかはわからない。

 12時間ほど経っていた。

 目に映る青が気に食わなくて、どうしようかと思案していたら、不意に子どもの存在を思い出した。母親だった。それ以前に絵描きだった。

 子どもの様子を確認するために立ち上がったら、青の調合を思いついた。

※初稿につき、最終稿はこちら

ジャンル Edit

創作?表現??育児?数字子ども

カテゴリ Edit

超短編/サ行

この話が含まれたまとめ Edit

すぐ読める元素12ヶ月

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

書き下ろし

執筆年 Edit

2023年?

その他 Edit

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