海音寺ジョー/湖畔の漂着物
Last-modified: Wed, 24 Jun 2020 23:57:46 JST (1401d)
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流木は、子供が10人座れるくらい大きくて格好の遊具だった。
どこから流れ着いたのか、よくわからない。この湖はそれほど大きくない。
「地底湖と水路で繋がっていて、そこには古代から生息してる生物が今も生きてるんだよ」
「おれは10メートルぐらいの、蛇が泳いでるのを昨晩みた」
「それは水草をだな、見間違えたんだよ」
「ぼくは恐竜が首だけ出して泳いでるのをみた!」
子供たちは、そのうち流木をボートに改造して探検に行くことを思いつき、それぞれが家に帰って鑿や鋸を持ち出そうとし、親に見つかって怒られたり、そのまま晩御飯を食べてテレビをつけた。
流木は、待てども戻ってこない子供たちのことを思いながら、月光を布団のようにかぶりながら砂地に横たわって眠りにつく。
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選評/感想
初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第134回競作「湖畔の漂着物」 / 参加作
執筆年
2014年?
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