よもぎ/告白

Last-modified: Thu, 25 Mar 2021 23:16:21 JST (1125d)
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明け方のどこかで猫が鳴いている。父はまだ帰ってこない。この世は不協和音に満ちている。そう打ち明けて家を飛び出した。どこかで猫が鳴いている。母はまだ眠っている。しばらくすると飛び起きて、今朝のみそ汁は昨日の残り、とばらすだろう。どこかで猫が鳴いている。僕はベランダに立っている。手すりをにぎりしめて、いつでも飛べる、と息を吐く。誰の声も届かない朝、猫は思いを遂げるだろう。

ジャンル Edit

リアル生命

カテゴリ Edit

超短編/カ行

この話が含まれたまとめ Edit

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第112回競作「告白」 / 参加作

執筆年 Edit

2012年?

その他 Edit

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