よもぎ/ロココのココロ

Last-modified: Sun, 18 Jul 2021 23:59:41 JST (97d)
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この公園を突っ切れば会社への近道。なんて思ったのが間違いだった。真夏の公園なんて行くもんじゃない。暑苦しい蝉時雨。炎天下の遊歩道をハイヒールを鳴らして歩くのももう限界だ。道を逸れて、鬱蒼と茂る木立の下の暗がりへ逃げ込む。夏の日差しに慣れた目に木々の下の闇は深い。蝉の声だけが聞こえ・・・ちがう。

ロココロココロココロココロココロココココロ

名前を呼ばれた気がした。振り向くがなにも見えない。

ロココロココロココロココロココロココココロ

ロココロココロココロココロコヒロココココロ

名前を呼ばれた気がした。見上げるがなにも見えない。

ロココロコヒロココロココロコロココココロロ

ロココヒロココロココロココロココヒロコココ

名前を呼ばれた気がした。黒猫が近づいてくる。ポトリとなにかを足元に落とす。拾い上げる。子供の頃に失くした人形。名前をつぶやこうとして、覚えていないことに気づいた。

ロココロココロココロココロココロココココロ

緑陰の奥深く呼ぶ声だけが聞こえる気がする。

ジャンル Edit

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カテゴリ Edit

超短編/ラ行

この話が含まれたまとめ Edit

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字の心臓 / 第149回競作「ロココのココロ」 / 参加作

執筆年 Edit

2016年?

その他 Edit

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