まつじ/永遠凝視者
Last-modified: Thu, 27 Apr 2023 23:27:53 JST (364d)
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あなたが何を見ているのだかは知らないけれど、それはもはや意思といえるだろうか、わたしには甚だ疑問だ。呼んだって、こちらに一瞥もくれはしないだろうが、本当のところ、あなたが何か見ているのかすら判別つかない。あなたは他に目をやる余裕がないのだから、わたしには無と変わらないように思えるが、形のないものに頼って生きているわたしも、実際無であるところのまぼろしと変わらない気もする。先人よ。いつかわたしもそうなるだろうか。 かわずとびこむ水の音。 瞬きも捨てたあなたはもう、此処にはいないのだろう。わたしたちを置き去りにして。
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初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第156回競作「永遠凝視者」 / 参加作
執筆年
2017年?
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