鬼一法眼

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法師陰陽師にして兵法者。
西国最古の剣術流派“京八流”の開祖と伝わる存在。
幼い牛若丸に戦闘術を伝え、兵法の極意である『六韜』『三略』を授け……るつもりはなかったが、実娘を誑かしてこれを盗み見た牛若丸に激怒し、殺しに掛かったこともある、恐るべき大師匠。

名を、鬼一法眼。
その正体は────？

身長／体重：171cm・57kg
出典：『義経記』、御伽草紙、鞍馬天狗伝説など
地域：日本
属性：混沌・中庸　　性別：－（現在の肉体は女性）
肉体については、体格も、性別も、自由自在であるとのこと。一番多く取る姿は現在のものだが、一番威厳がある姿とは別、らしい。

〇天下万世の剣：Ａ＋
鬼一法眼の伝説の古流剣術“京八流”の開祖である、
と伝えられる。
“京八流”とは、西国における剣術の源流とされる
八つの流派であり、鬼一が八人の高弟に伝えた戦闘術で
あったという。また、高弟のうちの一人は源義経（牛若
丸）であるとも。

〇陰陽道（法）：Ａ
鬼一法眼は、平安時代末期の京で権勢をふるった法師陰
陽師である。

〇六韜兵法：ＥＸ
天下に秘蔵されたる兵法の窮極。
『三略』と並ぶ伝説の兵法所であり、中国では武経七書
の一つとされる。
鬼一法眼はこの書物の保管者であり、守護者である。

豪放磊落。
独楽かなことは然程気にせず笑い飛ばす。

一見すれば包容力があり、人間味があり、頼もしい言動
の好人物───
なのだが、実際には人間とはかけ離れた感性を有してお
り、長時間話したり、過ごしたりすれば、「根本的に人
間とズレている」ことが分かるだろう。

人では、ないのだ。

鬼一法眼という超人的存在は、
鞍馬天狗こと大天狗・鞍馬山僧正坊としばしば同一視される。
江戸期の浄瑠璃『鬼一法眼三略巻』では、鬼一法眼の正体は鞍馬山の天狗・僧正坊である、と記されている。

本作に於いても……
鬼一法眼は人間ではない。
大天狗である。

山、空、風、火、等の自然に属する精霊種であり、いわゆる神霊とは異なるが、人間よりはそちら側に近い存在である。

本来は人間と関わる存在ではないものの、牛若丸の例や"京八流"の例があるように、場合によっては人間に接触し、何かを与えることがある。
与えるものは知識や技術、秘術や奥義である……
とは、限らない。
ひとたび機嫌を損ねれば、文字通り、地獄送りにされてしまうだろう。
鞍馬山僧正坊ほどの大天狗ともなれば、地獄の門を開けるなど造作もないのだから。

『六韜三略・魔王尊大羽扇』
ランク：A　種別：対城宝具
レンジ：1～50　最大捕捉：500人

りくとうさんりゃく・まおうそんだいうせん。
羽扇とは、鷹や鷲などの羽で作られた扇を指す。
軍勢を指揮するために用いられた道具だが、
一方で、仙人や天狗が使用する神秘の宝具────膨大な神通力を秘めた道具として伝説や図画に登場する。

いわゆる「天狗のうちわ」である。
アサシン鬼一法眼が宝具として用いるのも、この羽扇(羽団扇)。

破壊力は絶大の一語。
陰陽師にして兵法者としての鬼一法眼ではなく、鞍馬天狗こと大天狗・鞍馬山僧正坊としての性質が強く顕れた宝具であり、真名解放と共に放たれる風はもはや嵐、山を割り大地を揺るがせる天変地異の領域である。

人類種の営みについて、
彼女は詳細を把握していない。

いないのだが時折、気が向いては、弱く小さき者の声を聞き届けたり、牛若丸のように眠れる才を秘めた人物を育て上げたりする。
人のことをよく理解していないが、人のことは「嫌いではない」のだ。
なお、動物や昆虫のことも同程度に『嫌いではない』。

宴会大好き。
口癖は「かんら、から、から！」

• 「鬼一法眼(きいちほうげん)」
  源義経を題材とする軍記物語『義経記』に登場する人物。
  京に住む陰陽師で、古代中国の兵法『六韜(りくとう)』『三略(さんりゃく)』を修めていたと言われ、源義経の師として知られている。

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  原典解説　＋クリックで展開

  『義経記』の記述に依れば、生絹の直垂に緋おどしの腹巻きをつけ、金剛草履を履き頭巾を耳の際まで被り、大きな手鉾を杖にしていたという。 伝説によって義経の師の人物像は様々で、法師陰陽師であったとも剣客であったとも、天狗そのものだったりあるいは天狗の面を付けた落人ともされる。ものによっては複数の要素が複合されていることもあり、本作の鬼一法眼にもそれらの設定が複数組み込まれている。 牛若丸は鞍馬山時代に鬼一法眼の弟子であったと言われ、鬼一のもとに通って軍略を学んだとも、鬼一の娘を籠絡・共謀して秘蔵の『六韜』『三略』など兵法を盗み見たとも伝えられている。 歌舞伎や浄瑠璃などの伝統芸能の演目『鬼一法眼三略巻』がこの件をテーマにする。 鬼一法眼の娘について、『義経記』では名前はなく、鬼一の元を去った牛若丸への恋煩いにより病没したとされる。写本によっては姫君に仕えた侍女「幸寿前」と統合され、姫君の名を「幸寿前」とする場合があり、本作では娘としてこの幸寿前の名が挙げられている。 『鬼一法眼三略巻』では皆鶴姫という名が示されている。福島県の伝説では皆鶴姫は義経を追って奥州へ向かうも、追いつけないことに悲嘆して藤倉の難波池に身投げしたという。 正体は大天狗「鞍馬天狗」であったという伝承がある。鞍馬天狗は「サナト・クマラ」とも同一視される。 余談だが、鞍馬天狗とサナト・クマラが同一視されるのは、昭和22年当時の住職が神智学の影響を受けて天台宗から独立した新しい宗教を立ち上げたため。このため、現在の鞍馬寺は「鞍馬弘教(くらまこうきょう)」という新教の本山となっている。 嵐寛寿郎ではない。 剣術の達人でもあり、日本剣術の源流となった流派「京八流」の開祖であるとする伝説もある。そのため剣術の神ともされる。 マイルームボイスで言及される湛海坊は鬼一法眼の弟子とされる剣客。六韜三略を盗んだ義経を師の命令で追いかけたが、返り討ちにあって命を落としたとされる。 『鞍馬天狗』という牛若丸と鞍馬天狗を題材とした能の演目があり、ある種の同性愛的な仄めかしが両者の交流と兵法伝授を描く中で行われている。

• 宝具名にある『六韜』『三略』は共に古代中国の兵法書。

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  六韜三略の解説　＋クリックで展開

  『六韜』は周の太公望が著したとされる六巻から成る。その内の一巻「虎韜」から、秘伝・極意書などを指す慣用句「虎の巻」が生まれたという。 『三略』は神仙の黄石公が著したとされる三巻から成る兵法書。 両書ともに黄石公から前漢の功臣・張良に授与したとされる。また、『六韜』と同じく太公望の著作とされる場合もある。 しかし、どちらも周時代より後期の戦闘を想定した内容があり、後世の人物が太公望と黄石公に仮託して作成した説が有力。 実際の成立時期はともかく、仮託設定に従えば現存中国兵法書で最古の部類であるため、中国語で「六韜三略」を略した「韜略」という言葉自体が兵法書全般を意味するようになった。 仮託設定とは関係なく内容は高く評価されており、宋朝（西暦1000年前後）で制定した中国兵法の代表的古典「武経七書」に両書とも選ばれた。 因みに他の五つは『孫子』、『呉子』、『尉繚子』、『司馬法』、『李衛公問対』。 現代の中国と台湾においても「武経七書」は将校教育の参考書として使われている。 日本では10世紀初頭に唐から伝来。兵法書の普及は危険と見なされ、最初は朝廷の書物管理者一族に秘蔵されていたが、いつのまにか世間に流出してしまった。 天狗じゃ！天狗の仕業じゃ！ 現代でも用いられる「柔よく剛を制す」は『三略』の一節に由来する言葉。 『義経記』では『六韜』は坂上田村麻呂や平将門も修めていたとされている。鬼一法眼には、平将門の乱以降に朝廷に秘蔵されていたものを加持祈祷の功績で下賜されたと記されている。 太公望のマイルームボイスによると、Fate世界においては『三略』は太公望が作成したものである模様。

• 原典では男性。牛若丸と同様に女性化キャラクターである。
  ただしマテリアルにある通り、姿も性別も可変であり、この姿もそのうちの1つ。
  • 主人公に対しては、女性主人公でも男性主人公でも「養子か嫁」にしようとしてくる。
• 牛若丸のスキル「天狗の兵法」は鬼一法眼に師事したことに由来するスキル。また、宝具選択時の台詞「鬼一が兵法」でも名前が呼ばれている。

• 勝利台詞の「溶けた鉄を一杯二杯飲ませてくれぬか」は、『太平記』の「天狗道に落ちた御霊は日に三度焼けた鉄を飲まされ、その度に死亡してまた復活する」伝説が由来か。

• 牛若丸（殺）の宝具『天狗ノ羽団扇・暴風』は、鬼一法眼の持っていた羽団扇をコッソリ使っていた遊びの再現という。

• 本作における正体は、マテリアルに書かれた通り本物の「鞍馬の大天狗」。弟子のスキルと宝具名で正体がバレバレそして、Fateシリーズや他TYPE-MOON作品でしばしば語られてきた「精霊種」に属する存在。
  • 本来は鞍馬山に平安時代から現代まで健在のまま生き続けるが、本人の弁によればスカサハと同じ理屈で人理焼却/漂白の影響で英霊になった模様。
    • 二人の相性はよく、西のスカサハに対して「東の師匠」と自称している。
    • なおそのスカサハも嫁候補。

• 特異点も異聞帯も関係なく、直接カルデアに（バカ弟子を見つけて）乗り込んできた人。
  • 既知の関係にある花の魔術師と似た立場で、厳密にはサーヴァントかどうかすら怪しい。

• 何気にぐだぐだ系やコラボ系以外では初となる、既存キャラの派生ではない完全新規の配布サーヴァント。

• 実装前に、「地獄界曼荼羅 平安京」における平景清の回想シーンで台詞のみ登場しており、一人称が「僕」であることが先行して判明していた。
  • 「Fate Project 大晦日TVスペシャル2020」で公開されていた2021年登場サーヴァントのシルエット集合絵に一致するシルエット（一番右端）がある。

• セイントグラフでは右手にカラスを乗せているが、ストーリー中の立ち絵やマイルームでは乗せていない。馬や鷹のようなことにはならないので安心である。乗せていたら耳元がうるさそう

• 担当イラストレーターの大森葵氏は異端なるセイレムのコミカライズ版の作画を担当している。
  • Twitter上にて本人による実装記念イラスト（リンク）、及び背面設定画（リンク）が公開されている。
• 牛若丸、平景清、蘆屋道満、紫式部（術or騎）、水着サーヴァント、アーサー・ペンドラゴン、マーリン、エレナ・ブラヴァツキー、スカサハ（槍or殺）所持時にマイルームに特殊会話が追加される。